JP2008216232A - 応力腐食割れ及び孔食等の発生検知方法 - Google Patents
応力腐食割れ及び孔食等の発生検知方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008216232A JP2008216232A JP2007105294A JP2007105294A JP2008216232A JP 2008216232 A JP2008216232 A JP 2008216232A JP 2007105294 A JP2007105294 A JP 2007105294A JP 2007105294 A JP2007105294 A JP 2007105294A JP 2008216232 A JP2008216232 A JP 2008216232A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stress corrosion
- corrosion cracking
- metal
- reaction
- metal material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】金属材料の主要成分の陽イオンと発色反応する物質を環境中に加えておくことによって、局所的過渡的溶解事象を視覚化する。
【選択図】図1
Description
応力腐食割れは、割れの発生過程と進展過程に大別される。き裂の進展過程は破壊力学に基づいて決定論的に取り扱うことが可能であるのに対して、割れの発生過程は、機械的あるいは化学的要因による金属表面の不働態化皮膜の破壊とその再不働態化、孔食萌芽の生成と消滅、微視き裂の形成、連結など、確率論的な性質を持った事象が発生する期間であり、明確な損傷として観測することが困難であることから割れの潜伏期とも考えることができる。このように両者は性質の異なる現象であるので、分けて取り扱う必要がある。構造物の割れ寿命の大半を占めるのは割れの発生過程(潜伏期)であり、き裂の進展過程が占めるのは構造物の寿命末期の比較的短い期間である場合が多いと考えられることから、応力腐食割れに起因する構造物の破壊リスクを定量的に予測し長期的な寿命管理を行うために、割れの発生過程の現象を観測し、そのメカニズムを解明することが強く求められている。
また、腐食現象の視覚化の試みとしては、Isaacsらによる全面腐食あるいは孔食の可視化(H.S. Isaacs, G. Adzic, C.S. Jeffcoate, Corrosion, Vol.56 (2000), 971-978:非特許文献1)があるが、これは、pH試薬を用いた手法であるために、腐食反応の結果生じる
水素イオン濃度の変化として間接的に観測しているに過ぎない。また、発生期の応力腐食割れを可視化するほどの高い解像度も期待できない。
また、金属材料の成分を簡易的に判定するため、金属材料に微量の酸を付着せしめ金属
を溶解させ、続いて溶出した金属イオンと反応した発色材料の発色の有無によりマンガンなどの微量物質を分析する方法が知られている〔特開2005-283252号公報(特許文献1)
〕。さらに、メッキ材に対し施工不良個所を発色により検出する方法も知られている〔特開平4-215065号公報(特許文献2)〕。しかし、これらはいずれも応力腐食割れの発生に起因する溶出イオンを分析することについては意図していないし、認識すら無い。
〔1〕金属材料の主要成分の陽イオンと発色反応する金属陽イオン反応性発色剤を使用して金属材料の応力腐食割れ及び/又は孔食の発生過程を視覚化することを特徴とする応力腐食割れ又は孔食の発生検知方法。
〔2〕局所的且つ過渡的な金属溶解を可視化するもので、皮膜破壊箇所から溶出した金属イオンによる発色反応を利用していることを特徴とする上記〔1〕記載の検知方法。
〔3〕金属材料が水環境中で使用される構造物に使用されているもので、環境中に金属陽イオン反応性発色剤を添加してあることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載の検知方法。
〔4〕金属陽イオン反応性発色剤と増粘剤とが共存していることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の検知方法。
〔5〕増粘剤がゼラチンであることを特徴とする上記〔4〕記載の検知方法。
〔6〕(1) 金属材料が鉄基合金で、金属陽イオン反応性発色剤が1,10-フェナントロリン
又はルミノールである、あるいは、(2) 金属材料がニッケル基合金で、金属陽イオン反応性発色剤がジメチルグリオキシムである、ことを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一記載の検知方法。
〔7〕金属材料の応力腐食割れ発生過程における微小腐食現象を視覚化することを特徴と
する上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一記載の検知方法。
〔8〕高解像度で俯瞰的に視覚化し、及び/又は、溶解反応に関与した電気量などの反応規模を観測及び/又は評価することを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一記載の検知方法。
〔9〕金属材料の主要成分の陽イオンと発色反応する金属陽イオン反応性発色剤の有効量を含有することを特徴とする応力腐食割れ発生過程における諸現象の視覚化試薬。
〔10〕さらに有効量の腐食剤を含有することを特徴とする上記〔9〕記載の試薬。
〔11〕さらに有効量の増粘剤を含有することを特徴とする上記〔9〕又は〔10〕記載の試薬。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
本発明の具体的な態様では、金属材料の主要成分の陽イオンと発色反応する物質を環境中に加えておくことによって、局所的過渡的溶解事象を視覚化する。
本明細書において、陽イオンとは、金属材料の種類にもよるが、鉄イオン、ニッケルイオン、クロムイオン、銅イオン、コバルトイオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、アルミニウムイオン、チタンイオンなどであってよい。典型的な陽イオンとは、鉄イオン、ニッケルイオンなどが挙げられ、鉄イオンとしては、2価又は3価の鉄陽イオンが挙げられ、具体的な場合では、2価の鉄陽イオンであり、ニッケルイオンとしては、2価のニッケル陽イオンが挙げられる。
リ性環境ではルミノール、ニッケル基合金の中性〜酸性環境での割れに対してはジメチルグリオキシム(dimethylglyoxime)などが包含され、発色物質として利用できる。典型的な態様では、鉄基合金よりなる金属材料の場合、2価の鉄イオンと反応して発色する物質(1,10-フェナントロリン)と増粘剤(ゼラチン)を環境側に加えることにより、割れ発生を
その前駆過程を含めて感度良く視覚化できる。また、デジタル顕微鏡によって観測および記録して、本発明技術の有効性が確認される。
使用増粘剤の濃度は、適宜測定環境、対象陽イオンなどに応じて選択可能である。例えば、ゼラチンの場合、0%より多い量で使用でき、おおよそ0.1〜15%、好ましくは約1.0
〜10%、より好ましくは約2.0〜8.0%、また、さらに好ましくは約3.0〜7.0%、さらにより好ましくは約4.0〜6.0%、典型的な場合おおよそ5%で使用される。
しているイオンの拡散速度を小さくするために、増粘剤としてゼラチンを添加することも好適である。これにより、発色物質が拡散することを抑制し発色箇所に留めておくことにより、検出感度を高くすることができる。
本発明の技術では、例えば、鋭敏化オーステナイト系ステンレス鋼を供試材として、視覚化手法を用いて低ひずみ速度試験(Slow Strain Rate Technique:SSRT試験)を行い、視覚化手法の成立性や検出限界を評価することができ、それにより応力腐食割れ発生過程での微小腐食現象を連続的に直接観察できる。最も規模の小さいもので約4μmの規模の極めて微小な腐食現象から発色現象として捉えることができる。また、割れが粒界や介在物を起点として発生し、断続的に溶解反応を繰り返すことによって微小き裂となり、複数の微小き裂が連結し進展性のき裂に成長していく様子を観察できる。
有している水溶液が挙げられ、例えば、おおよそ15g/lの塩化1,10-フェナントロリニウム・1水和物水溶液である。更に別の態様では、当該試薬は、腐食剤の有効量と金属陽イオン反応性発色剤の有効量とを含有する組成物が挙げられる。該腐食剤は、腐食性溶媒であってよい。該腐食剤は、例えば、当業者に知られたものの中から適宜選択して用いることができる。該腐食剤は、測定対象の金属材料の種類により異なるものであってよく、例えば、鉄基合金の場合、チオ硫酸ナトリウム水溶液などを使用できる。使用腐食剤の濃度は、適宜測定環境、対象陽イオンなどに応じて選択可能である。例えば、ステンレス鋼などの場合、0%より多い量で使用でき、おおよそ(0.2〜5.0)×10-2mol/l、好ましくは約(0.25〜3.0)×10-2mol/l、より好ましくは約(0.3〜2.0)×10-2mol/l、また、さらに好ましく
は約(0.5〜1.5)×10-2mol/l、さらにより好ましくは約(0.8〜1.2)×10-2mol/l、典型的な場合おおよそ1.0×10-2mol/lのチオ硫酸ナトリウム水溶液が使用される。一つの具体例で
は、該組成物としては、有効量のチオ硫酸ナトリウムと有効量の1.10-フェナントロリン
を含有している水溶液が挙げられ、例えば、おおよそ1.0×10-2mol/lのチオ硫酸ナトリウムとおおよそ15g/lの塩化1,10-フェナントロリニウム・1水和物とを含む水溶液である。
別の態様では、当該試薬は、金属陽イオン反応性発色剤の有効量と増粘剤の有効量を含有している組成物が挙げられる。典型的な場合、該組成物は、水溶液の形態であることができるし、それが好ましい場合がある。また、ある場合には、該組成物は、ゲル状態(あるいは半固型状態)のものであってよい。一つの具体例では、該組成物は、有効量の1.10-塩化フェナントロリニウム一水和物と有効量のゼラチンを含有している水溶液又はゲル
が挙げられる。例えば、おおよそ15g/lの塩化1,10-フェナントロリニウム・1水和物とおおよそ5%のゼラチンを含有している水溶液又はゲルが挙げられる。
本発明のさらなる態様では、当該試薬は、腐食剤の有効量、金属陽イオン反応性発色剤の有効量と増粘剤の有効量とを含有している組成物が挙げられる。一つの具体例では、該組成物は、有効量のチオ硫酸ナトリウムと有効量の1.10-塩化フェナントロリニウム一水
和物と有効量のゼラチンを含有している水溶液又はゲルが挙げられ、例えば、おおよそ1.0×10-2mol/lのチオ硫酸ナトリウムとおおよそ15g/lの塩化1,10-フェナントロリニウム・1水和物とおおよそ5%のゼラチンを含有している水溶液又はゲルが挙げられる。該溶液
あるいはゲル状物中には、緩衝剤などが添加されていてもよい。
かくして、ステンレス鋼などの試験金属材料を測定具にセットし、ゲルなどの視覚化媒体を添加し、ダミーアノードに一定量の電流を流し、例えば、デジタルマイクロスコープなどで観察し、例えば、図53に示すように、最適化されたプログラムなどを使用し、コンピュータなどの処理装置を介して、発色量(発色規模)を定量化したり、発色位置の評定、亀裂発生による発色との比較などの解析を行うことができ、本発明ではこの目的のプログラムなどのソフトウエア、CPUなどを備えた処理装置も提供するものであり、これら
は本発明の範囲内のものである。
現象から進展性のき裂にまで成長していく様子を連続的に直接観察することも可能となった。本発明の視覚化手法は、今後他の反応系への応用が期待され、応力腐食割れ発生メカニズムの解明に大きく寄与すると考えられる。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
金属材料の応力腐食割れ発生過程における諸現象の視覚化手法及びその原理、視覚化手法条件の選択について検討を行った。
(1) 視覚化手法の原理
本実施例1では鋭敏化したオーステナイト系ステンレス鋼を用い、応力腐食割れの主要メカニズムの一つである活性経路腐食機構に着目し、鉄のアノード溶解を利用した割れ発生観測手法の可能性について検討する。鉄基合金において溶出した鉄イオンと環境中に溶存している発色物質が反応し発色することによって、応力腐食割れ発生過程の諸現象を視覚化することができると考えられる。この原理の概略図を図1に示す。
(2) 発色反応または発色物質の選択
2価あるいは3価の鉄イオンに対する発色物質または発色反応の候補には1,10-フェナ
ントロリン、ルミノール反応、植物染料、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、蛍光のクウェンチング、金属指示薬XOの6つを挙げた〔参考文献:(1) 坂口武一、上野景平:「金属キレート〔I〕」、南江堂(1965); (2) 坂口武一、上野景平:「金属キレート〔II〕」、南
江堂(1966); (3) 坂口武一、上野景平:「金属キレート〔III〕」、南江堂(1967); (4)
下山進、野田裕子:分析化学、Vol.47、No.5、pp295-301(1998); (5) K.Robards, P.J. Worsfold:Anal. Chim. Acta, 266, 147(1992); (6)細田豊:「新染料化学」、技報堂〕
。各発色物質または発色反応の被検出イオンと発色の色の組合せについては表1に示す。
チオ硫酸ナトリウム水溶液(2.0×10-3mol/l)環境系でのステンレス鋼SUS304の応力腐食割れ発生に対応する反応量は実測されており〔Y. Watanabe and T. Kondo:Corrosion、Vol.56、No.12、pp1250(2000)〕、その結果に基づくと、その反応量は数μCと考えること
ができる。このことを示した電気化学的過渡信号計測結果の図を図2に示す。鉄が溶解し、その電気量が1μCだと仮定すると、ファラデー定数を用いて鉄イオンの量は5.18×10-12molとなる。この鉄イオンが100μm立方の空間にとどまったと仮定すると立方体内の鉄イオン濃度は5.18×10-3mol/lとなる。
また、発生過程における微小孔食の大きさは半径5μmの半球と考えることができる〔井上博之:材料と環境、45、717-724(1996)〕。半球内の鉄がすべて2価の鉄イオンになっ
たと仮定して、鉄の密度は7.86g/cm3、鉄の分子量は55.85なので、鉄イオンの量は3.69×
10-11molとなる。この鉄イオンが100μm立方の空間にとどまったと仮定すると立方体内の鉄イオン濃度は3.69×10-2mol/lとなる。
そこで、上述の鉄イオン濃度を目安に1,10-フェナントロリンとEDTAの発色反応の感度
を検証した。図3は0.001mol/lの塩化鉄水溶液(II)に15g/l塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物と0.01Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)をそれぞれ添加したものである。EDTA
は明確な発色が観察できないのに比べて1,10-フェナントロリンは感度よく発色している
ことがわかる。反応速度も充分に速いと考えられるので、発色物質には塩化1,10-フェナ
ントロリニウム一水和物を選択した。なお、フェナントロリンの濃度は試薬として用いる1,10-フェナントロリン一水和物について規定したJIS規格〔JIS K 8789:「1,10-塩化フ
ェナントロリン一水和物(試薬)」(1995)〕を参考に15g/lとした。鉄イオン(II)と1,10-フェナントロリン(phen)との反応式を以下に示す。
溶存しているイオンの拡散速度を小さくするために、試験溶液に増粘剤を添加することにした。これは、発色物質が拡散することを抑制し発色箇所に留めておくことにより、検出感度を高くするためである。増粘剤の候補として寒天、ゼラチン、架橋型ポリアクリル酸ナトリウムについて検討した。各増粘剤を添加しゲル化した水溶液(以下「ゲル」と呼称)の透明度を調べるため15g/l 1,10-塩化フェナントロリニウム一水和物含有1.0×10-2mol/lチオ硫酸ナトリウム水溶液に増粘剤を添加し、それぞれ5wt%ゼラチン、5wt%寒天
、5wt%、1wt%架橋型ポリアクリル酸ナトリウムとした。各増粘剤を添加したものを図4に示した。寒天はゲル化せず白色沈殿が生じた上にわずかに赤く発色した。これはキレート指示薬である1,10-フェナントロリンが寒天のゲル化を妨げたことと寒天内に微量の鉄
が含まれていたことによる現象であると考えられる。ゼラチンは問題なくゲル化し、透明度も充分であると考えられる。架橋型ポリアクリル酸ナトリウムは充分な粘性が得られたが、ダマが生じて均一にゲル化しない上に白色化した。以上の結果から増粘剤にはゼラチンを使用することとした。
次にゼラチンの濃度を決定するために、ゼラチンの添加がどの程度水溶液の物性に影響を与えるかを調べた。水溶液中またはゲル中でのイオンの拡散速度とゲルの電気伝導度・pH、水溶液中またはゲル中での鋭敏化SUS304ステンレス鋼のカソード分極曲線を測定した。
1.拡散速度
15g/l 1,10-塩化フェナントロリニウム一水和物含有1.0×10-2mol/lチオ硫酸ナトリウ
ム水溶液にそれぞれゼラチンを添加し、Owt%、5wt%、10wt%としたものを、図5に示すように、ナイロンチューブの中に入れ、チューブの両端からステンレスワイヤーを挿入した。このステンレスチューブにデジタルソースメータをつなぎ、1mAの電流を30秒間印加
した。アノード溶解した鉄イオンが水溶液中またはゲル中のフェナントロリンと反応しステンレスワイヤーの先端が赤く発色する。この赤く発色した部分が拡散していく様子を5分おきに実体顕微鏡で撮影・記録した。赤く発色した部分が拡散していく様子と拡散距離の経時変化それぞれを図6、図7に示す。ゼラチンを添加していない水溶液に比べて、5wt%、10wt%ゲルは十分に拡散が抑えられていると考えることができる。また、5wt%の場合と10wt%の場合の拡散距離に大きな差異は認められなかった。
15g/l 1,10-塩化フェナントロリニウム一水和物含有1.0×10-2mol/lチオ硫酸ナトリウ
ム水溶液にそれぞれゼラチンを添加し0wt%、5wt%、10wt%としたものの電気伝導度をTOA製卓上電気伝導度計を用いて測定した。電気伝導度の経時変化を図8に示した。ゼラチ
ン添加により電気伝導度が低下したものの10%添加で約40%、5%添加で約20%の低下と
その程度は小さく、反応系への影響は大きくないと考えられる。
3.pH
1.0×10-2mol/lチオ硫酸ナトリウム水溶液と、15g/l 1,10-塩化フェナントロリニウム
一水和物含有1.0×10-2mol/lチオ硫酸ナトリウム水溶液にゼラチンを添加し0wt%、5wt
%、10wt%としたもののpHをHORIBA製簡易pHメーターを用いて測定した。pHの経時変化を図9に示した。ゼラチン添加によりpHが中性域側にシフトすることがわかるが、鉄(II)−フェナントロリン錯体はpH2.9〜9で安定であり〔JIS K 0400-57-10:「水質−鉄の定量−1.10-塩化フェナントロリン吸光光度法」(1998)〕発色反応への影響はないと考えられ
る。また、腐食性溶媒としても充分に応力腐食割れを起こし得るpH域であると考えられる。
4.カソード分極挙動
アノード反応とカソード反応は対となって起こるためカソード反応が制限されるとアノード反応も同時に制限されることになる。カソード反応の例を以下に示す。
定した。カソード分極曲線をそれぞれ図10、図11に示した。鋭敏化ステンレス鋼のチオ硫酸ナトリウム水溶液中での応力腐食割れ発生時に予測される電位低下幅は、Watanabeら〔Y. Watanabe and T. Kondo:Corrosion、Vol.56、No.12、pp1250(2000)〕のデータを参照すると、試験片表面積にもよるが数mVから数十mVである。腐食電位から100mV卑に分
極させたときの電流密度が、ゼラチンの添加により拡散限界電流に達していないことより、ゼラチンの添加がカソード反応に与える影響は大きくないと考えられる。
以上の結果からゼラチンの濃度は5wt%に決定した。
鋭敏化オーステナイト系ステンレス鋼を用い、応力腐食割れの主要メカニズムの一つである活性経路腐食機構に着目し、応力腐食割れ発生過程における諸現象の視覚化手法の検討を行った。この視覚化手法で用いる発色物質には1,10-塩化フェナントロリニウム一水
和物を使用することが優れていると判明した。またその濃度は15g/lとすることが好まし
い。溶存しているイオンの拡散速度を小さくするためには、増粘剤としてゼラチンを添加することが好適であった。これは、発色物質が拡散することを抑制し発色箇所に留めておくことにより、検出感度を高くするためである。またその濃度は5wt%とすることが好ま
しい。
本実施例2では鉄基合金材料の応力腐食割れ試験を行い、実施例1で記述した視覚化手法の性能を評価するとともに視覚化手法を用いた応力腐食割れ発生過程の観察試験を行い、発生過程での諸現象を連続的に直接観察した。
(1) 応力腐食割れ試験方法
熱鋭敏化SUS304ステンレス鋼+チオ硫酸ナトリウム水溶液系を用いて、低ひずみ速度試験下で平滑試験片表面に応力腐食割れを発生させた。
すなわち、平板試験片を用い、応力腐食割れを起こすため、ひずみ速度1.33×10-6(/sec)で低ひずみ速度試験を行なった。図12に試験装置の外観を示した。供試材にはオーステナイト系ステンレス鋼SUS304を用いた。供試材の化学組成を表2に示す。
した後、充分な応力腐食割れ感受性を与えるために650℃で等温鋭敏化処理を24時間施し
た。図13に試験片の形状を示す。鋭敏化時間はストラウス試験によるTTS曲線〔「ステ
ンレス鋼の鋭敏化曲線の収集と解析」、防食技術、39、641-652、(1990)〕(図14)を
参考に決定した。鋭敏化の程度を示す電気化学的再活性化率〔JIS G 0580;「ステンレス鋼の電気化学的再活性化率の測定方法」〕(EPR率)は44.9%であったことから強鋭敏化
されていると考えることができる。EPR試験を行った後の供試材表面の写真を図15に示
す。鋭敏化処理後、試験片ゲージ部表面を粒度3μmのダイヤモンドペーストで鏡面研磨し、30℃の20wt%硝酸に10分間浸漬し不働態化処理を施した〔JIS B l047;「耐食ステンレス鋼製締結用部品の不働態化」〕。これは試験片表面が無負荷状態でも発色してしまうことを防ぐためである。発色の程度を、不働態化処理を施してない場合、1.0×10-2 mol/l
チオ硫酸ナトリウム水溶液に24時間以上浸漬させた場合、硝酸を用いて不働態化処理を施した場合の3つの条件で比較した。これら3つの条件で、ゲルをステンレス鋼表面に接触させた直後と24時間後の様子を図16に示す。不働態化処理を行わない場合、試験片表面が全体的に赤く発色しており、観察に悪影響を及ぼすと考えられることから、硝酸を用いて不働態化処理を施すこととした。次に、腐食性溶媒としての1.0×10-2 mol/l チオ硫酸ナトリウム水溶液に発色物質である塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物、増粘剤で
あるゼラチンをそれぞれ15g/l、5wt%となるように添加し、この粘性溶液を冷ましながら試験片表面に置かれた樹脂リングの中に流し入れ、乾燥を防ぐためカバーグラスで覆う。また、金属と環境の界面を限定し観察を容易にするためと、金属と樹脂リングのすきまで生じるすきま腐食を防ぐために、観察部位以外の接液部にシール剤を塗布した。ゲル貼付け方法を示した概略図とすきま腐食が起きた状態を示す写真をそれぞれ図17、図18に示した。ゲルの厚さは腐食反応を起こすのに十分な液量をかせぎつつ、かつ観察に大きく影響を与えない程度である2mmとした。
試験中は常時、デジタルマイクロスコープで試験片ゲージ部表面を15秒間ごとにタイマー撮影・記録をし、試験後に3.75FPSの動画に圧縮し発色の観察を行った。試験中の荷重
の推移をチャートレコーダーに記録した。
SSRT試験の結果得られた応力-ひずみ線図とひずみ量に対する発色の回数を示した図と
応力に対する累計発色回数を示した図をそれぞれ図19、図20に示す。降伏点を超えたあたりから発色現象が確認された。各応力レベル(215.5MPa、273.5MPa、322.0MPa、367.9MPa、395.2MPa)での発色の様子をそれぞれ図21〜25に示す。感度よく発色が観察で
きていることが分かる。発色現象つまり溶解反応は断続的に生じており、その規模も発色現象が持続していたコマ数換算で最小1コマ、最大170コマ(平均11.32コマ)と大小様々であった。これについての考察は後に述べる。
次に15秒ごとのタイマー撮影が、発色物質の拡散とともに消失する過渡的な発色現象をどの程度捉えることができるかを検討した。上記の試験と同じ条件でSSRT試験を行ない、図26に示したように枠で囲った応力レベル(弾性域〜塑性域×1、塑性域×4)で7.5FPS・1時間の動画を5つ撮影した。この動画を見て、個々の発色現象が何秒間発色箇所に
とどまっていたかを記録した。発色は合計23回観察された。そのうち2つの発色はそれぞれ約7秒間・5秒間しかとどまっていなかったが、その他の発色は15秒間以上発色箇所にとどまっていた。15秒より短い発色事象が15秒ごとのタイマー撮影ですべて見落とされるというわけではないので、この事実は15秒ごとのタイマー撮影では発色事象のおおむね90%以上は捉えることができているということを意味している。
ロスコープおよび走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で観察したと
ころ、発色を確認できた箇所以外でもいくつかの微小き裂萌芽や微小き裂は見受けられたが、その数量・規模ともに小さく大部分の微小腐食現象は捉えることができていた。
また、この手法での微小腐食現象の検出限界を評価するため、発色強度の小さかったものの発色箇所をデジタルマイクロスコープおよびSEMで観察した。図29〜31に発色の
様子と発色箇所観察写真を示す。約4μmの規模の極めて微小な腐食現象から観察できていることがわかる。特に、塑性変形の進行に伴って形成された凹凸による陰影とき裂との判別が困難であるが、発色反応を利用することにより高い感度で発生過程での微小腐食現象を捉えられている。
前項までで応力腐食割れ発生事象の視覚化手法を用いて約4μmの規模の微小な腐食現象から観察できることを示した。これまでの研究から応力腐食割れ発生過程では、金属表面の不働態化皮膜の破壊とその再不働態化、孔食萌芽の生成と消滅、微視き裂の形成、連結などが起こっていると考えられているが、応力腐食割れ発生過程でのこの規模の現象を連続的に直接観察した例はない。そこで本項では、この視覚化手法を用いて、この微小な腐食事象が進展性のき裂に成長していく様子を直接観察した。
1.割れの萌芽
応力腐食割れ発生過程の中でも極めて初期の腐食現象をとらえるため、ひずみ量0.4%
でSSRT試験を終了した試験片の観察を行った。このSSRT試験の結果得られた応力-ひずみ
線図とひずみ量に対する発色の回数を示した図、応力に対する累計発色回数を示した図、発色箇所を示した図をそれぞれ図32〜34に示す。延べ9回・8箇所で発色現象を確認した。発色箇所をSEMを用いて観察した。図35、36に発色の様子と発色箇所観察写真
を示す。8箇所すべてで図に示したような不定形な形状の腐食痕が観察された。そこで、不定形な形状の腐食痕をSEM-EDXで分析したところ、図37、38に示したようにクロム
と炭素が濃化している箇所と、明らかに母材と組成の異なる介在物もしくは不純物が存在している箇所があることがわかった。前者は強鋭敏化処理により粒界に析出したクロム炭化物と考えられる。後者については、試験前の試験片(不働態化処理済み)の表面にも図38と同様の特徴を持つ箇所が確認できた(図39)ことから試験前から存在していたと考えられる。このように割れの萌芽(起点)は粒界や介在物・不純物が存在している箇所から起きていると考えられる。
上述したように割れの萌芽(起点)は組織が不均一になっている粒界や介在物が存在している箇所から起きていると考えられる。ここでは、この割れの萌芽が進展性のき裂に成長していく様子を観察した結果を述べる。
図40に約8.8%ひずみまで引張りを加えた試験片の試験後の表面き裂SEM観察写真を示す。これらは不定形な形状の割れの萌芽からシャープな形状の微小き裂に成長していると考えられる。さらに、この微小き裂が他の微小き裂と連結して進展性のき裂にまで成長していく様子を実際に観察した。そのき裂の試験後のデジタルマイクロスコープ写真・SEM
写真と周辺で確認された発色の応力−ひずみ曲線上での位置を図41に示した。また微小き裂が連結して成長していく様子を示した写真と模式図を図42(a)〜図49(p)に示した。実際には15秒間隔の撮影で捉えきれてない微小な溶解事象も起きている可能性もあるが、規模の異なる十数回の溶解反応が断続的に生じて進展性のき裂まで成長していく様子が観察できた。
発生過程の評価試験設備、(2)簡便な応力腐食割れ発生監視手段:視覚化技術をテープ状
(あるいはシール状)のデバイスとして開発、(3)応力腐食割れ発生の自己表示機能を有
するペイントなどの製品を開発することが可能となる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
Claims (11)
- 金属材料の主要成分の陽イオンと発色反応する金属陽イオン反応性発色剤を使用して金属材料の応力腐食割れ及び/又は孔食の発生過程を視覚化することを特徴とする応力腐食割れ又は孔食の発生検知方法。
- 局所的且つ過渡的な金属溶解を可視化するもので、皮膜破壊箇所から溶出した金属イオンによる発色反応を利用していることを特徴とする請求項1記載の検知方法。
- 金属材料が水環境中で使用される構造物に使用されているもので、環境中に金属陽イオン反応性発色剤を添加してあることを特徴とする請求項1又は2記載の検知方法。
- 金属陽イオン反応性発色剤と増粘剤とが共存していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の検知方法。
- 増粘剤がゼラチンであることを特徴とする請求項4記載の検知方法。
- (1) 金属材料が鉄基合金で、金属陽イオン反応性発色剤が1,10-フェナントロリン又はル
ミノールである、あるいは
(2) 金属材料がニッケル基合金で、金属陽イオン反応性発色剤がジメチルグリオキシムである、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の検知方法。 - 金属材料の応力腐食割れ発生過程における微小腐食現象を視覚化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載の検知方法。
- 高解像度で俯瞰的に視覚化し、及び/又は、溶解反応に関与した電気量などの反応規模を観測及び/又は評価することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の検知方法。
- 金属材料の主要成分の陽イオンと発色反応する金属陽イオン反応性発色剤の有効量を含有することを特徴とする応力腐食割れ発生過程における諸現象の視覚化試薬。
- さらに有効量の腐食剤を含有することを特徴とする請求項9記載の試薬。
- さらに有効量の増粘剤を含有することを特徴とする請求項9又は10記載の試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007105294A JP4872087B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 応力腐食割れ及び孔食等の発生検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007105294A JP4872087B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 応力腐食割れ及び孔食等の発生検知方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008216232A true JP2008216232A (ja) | 2008-09-18 |
JP4872087B2 JP4872087B2 (ja) | 2012-02-08 |
Family
ID=39836422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007105294A Active JP4872087B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 応力腐食割れ及び孔食等の発生検知方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4872087B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012149109A (ja) * | 2011-01-17 | 2012-08-09 | Jfe Steel Corp | 防錆用塗料および塗装鋼材 |
JP2015148542A (ja) * | 2014-02-07 | 2015-08-20 | 日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社 | 金属材の皮膜形成状態評価液及びそれを用いた皮膜形成状態評価方法 |
JP2019174444A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 日本製鉄株式会社 | 試験片および応力腐食割れ試験方法 |
JP7290995B2 (ja) | 2019-05-24 | 2023-06-14 | 三菱重工業株式会社 | 試験片ホルダ及び洗浄システム並びに腐食量測定方法及び腐食量測定装置 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59230159A (ja) * | 1983-06-10 | 1984-12-24 | Tsurukichi Yusa | ラジエ−タ−内部の腐蝕検出用組成物 |
JPH02205752A (ja) * | 1989-02-04 | 1990-08-15 | Babcock Hitachi Kk | 腐食検知装置 |
JPH03273136A (ja) * | 1990-03-23 | 1991-12-04 | Babcock Hitachi Kk | 腐食管理方法及び装置 |
JPH04215065A (ja) * | 1990-12-11 | 1992-08-05 | Nishiyama Stainless Chem Kk | 不動態検知方法及びメッキ検知方法 |
JPH07209173A (ja) * | 1994-01-14 | 1995-08-11 | Babcock Hitachi Kk | 腐食の統計・確率量の予測方法及び装置 |
JP2000171386A (ja) * | 1998-12-08 | 2000-06-23 | Hitachi Ltd | 腐食センサ |
JP2001147225A (ja) * | 1999-11-19 | 2001-05-29 | Kobe Steel Ltd | 水素可視化剤、吸蔵水素の可視化方法および吸蔵水素可視化材料 |
JP2005283252A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 金属材料の簡易成分分析法および簡易成分分析用組成物 |
-
2007
- 2007-02-28 JP JP2007105294A patent/JP4872087B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59230159A (ja) * | 1983-06-10 | 1984-12-24 | Tsurukichi Yusa | ラジエ−タ−内部の腐蝕検出用組成物 |
JPH02205752A (ja) * | 1989-02-04 | 1990-08-15 | Babcock Hitachi Kk | 腐食検知装置 |
JPH03273136A (ja) * | 1990-03-23 | 1991-12-04 | Babcock Hitachi Kk | 腐食管理方法及び装置 |
JPH04215065A (ja) * | 1990-12-11 | 1992-08-05 | Nishiyama Stainless Chem Kk | 不動態検知方法及びメッキ検知方法 |
JPH07209173A (ja) * | 1994-01-14 | 1995-08-11 | Babcock Hitachi Kk | 腐食の統計・確率量の予測方法及び装置 |
JP2000171386A (ja) * | 1998-12-08 | 2000-06-23 | Hitachi Ltd | 腐食センサ |
JP2001147225A (ja) * | 1999-11-19 | 2001-05-29 | Kobe Steel Ltd | 水素可視化剤、吸蔵水素の可視化方法および吸蔵水素可視化材料 |
JP2005283252A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 金属材料の簡易成分分析法および簡易成分分析用組成物 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012149109A (ja) * | 2011-01-17 | 2012-08-09 | Jfe Steel Corp | 防錆用塗料および塗装鋼材 |
JP2015148542A (ja) * | 2014-02-07 | 2015-08-20 | 日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社 | 金属材の皮膜形成状態評価液及びそれを用いた皮膜形成状態評価方法 |
JP2019174444A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 日本製鉄株式会社 | 試験片および応力腐食割れ試験方法 |
JP7328495B2 (ja) | 2018-03-29 | 2023-08-17 | 日本製鉄株式会社 | 試験片および応力腐食割れ試験方法 |
JP7290995B2 (ja) | 2019-05-24 | 2023-06-14 | 三菱重工業株式会社 | 試験片ホルダ及び洗浄システム並びに腐食量測定方法及び腐食量測定装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4872087B2 (ja) | 2012-02-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Wu et al. | In-situ monitoring of pitting corrosion on vertically positioned 304 stainless steel by analyzing acoustic-emission energy parameter | |
Seo et al. | Paleoparasitological report on the stool from a Medieval child mummy in Yangju, Korea | |
Bellezze et al. | Electrochemical characterization of three corrosion-resistant alloys after processing for heating-element sheathing | |
JP4872087B2 (ja) | 応力腐食割れ及び孔食等の発生検知方法 | |
Knapek et al. | Corrosion of pure magnesium and a WE43 magnesium alloy studied by advanced acoustic emission analysis | |
Persaud et al. | Nanoscale precursor sites and their importance in the prediction of stress corrosion cracking failure | |
Sun et al. | Mechanisms of inclusion-induced pitting of stainless steels: A review | |
Chen et al. | Use of the potentiostatic pulse technique to study and influence pitting behavior of 317L stainless steel | |
Wu et al. | In-situ observation and acoustic emission monitoring of the initiation-to-propagation transition of stress corrosion cracking in SUS420J2 stainless steel | |
JP2008292408A (ja) | ステンレス鋼のすきま腐食発生の時間的評価方法 | |
Chai et al. | An approach for identifying corrosion damage from acoustic emission signals using ensemble empirical mode decomposition and linear discriminant analysis | |
Melia et al. | Marine atmospheric corrosion of additively manufactured stainless steels | |
JP2021139892A (ja) | 材料評価装置、及び材料観察方法 | |
Esteves | Determination of damage initiation mechanisms in aerospace alloys due to stress corrosion cracking via in-situ microscale characterization techniques | |
Lall et al. | Prognostication of copper-aluminum wirebond reliability under high temperature storage and temperature-humidity | |
Lee et al. | Effect of oxide film on ECT detectability of surface IGSCC in laboratory-degraded alloy 600 steam generator tubing | |
Tan et al. | Review of critical issues in carbon dioxide corrosion testing and monitoring techniques | |
Li et al. | Characterization of pitting resistance of metal materials with ultrasonic microscope | |
Hodgkiess et al. | Acid cleaning of thermal desalination plant: do we need to use corrosion inhibitors? | |
Leiva-García et al. | Role of Modern Localised Electrochemical Techniques to Evaluate the Corrosion on Heterogeneous Surfaces | |
JP6963745B2 (ja) | 高Cr鋼のラーベス相検出方法 | |
Wijesinghe et al. | Benchmarking of zinc coatings for corrosion protection: a detailed characterization of corrosion and electrochemical properties of zinc coatings | |
JP2009002902A (ja) | 亜鉛合金ダイカストの粒界腐食感受性評価法 | |
JP3495543B2 (ja) | 焼戻しマルテンサイト系鋼のクリープ損傷評価方法 | |
JP2005156425A (ja) | 水の腐食性評価方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110622 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20110712 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Effective date: 20110902 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20110920 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20111003 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111025 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |