JP2008215639A - 燃料改質用バーナ - Google Patents

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恵 伊藤
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Abstract

【課題】液体燃料の気化が良好に行われる燃料改質用バ−ナを提供する。
【解決手段】改質器に改質反応用の熱を供給する燃料改質用バ−ナに於いて、バーナは加熱ヒータ2を備え液体燃料を気化し一次空気と予混合する予混合方式で、一次空気と液体燃料の噴霧を受けて気化ガスを含む予混合気を生成する気化室6と、気化室6で生成された予混合気の混合をさらに促進する気化混合室7と、気化混合室7と気化室6とを連通し気化室6で生成された予混合気を気化混合室7の内側壁に向けて噴出させる噴出通路8とを設け、さらに気化混合室7の内側壁には、液体燃料が気化混合室7の内側壁に付着した際に下方へ流下するのを妨げる凹凸部9を形成したことで、気化室6で気化しきれなかった液体燃料は気化混合室7の内側壁に付着している時間が長くなり、気化混合室7で確実に気化させることができ、常に良好な完全燃焼を得ることができるものである。
【選択図】図1

Description

この発明は燃料電池システム等に使用される燃料改質用バ−ナに関するものである。
従来よりこの種のものでは、例えば本出願人が先に出願した、改質器に改質反応用の熱を供給する燃料改質用バーナに於いて、前記バーナは加熱ヒータを備え液体燃料を気化し一次空気と予混合する予混合方式で、一次空気と液体燃料の噴霧を受けて気化ガスを含む予混合気を生成する気化室と、該気化室で生成された予混合気を気化混合室の内側壁に向けて噴出させる噴出通路を設けることで、気化室で気化しきれなかった液体燃料は気化ガス及び一次空気と共に、噴出通路から気化混合室の内側壁に噴出されるので、2回の気化チャンスが与えられ、それにより液体燃料の気化不良を防止し、良好な燃焼を得ることができる燃料改質用バーナがあった。(例えば、特許文献1参照。)
特願2007−1878号
ところでこの従来のものでは、気化室内で気化しきれなかった液体燃料は気化ガス及び一次空気と共に、噴出通路から気化混合室の内側壁に向けて噴出され、前記気化しきれなかった液体燃料を気化混合室の内側壁に付着させて気化させるものであるが、急に燃焼量が変化する等の時には、気化混合室の内側壁に付着した気化しきれなかった液体燃料はここでも気化されず気化不良を生じる可能性があり、気化されずに残った液体燃料は気化混合室の内側壁に沿ってそのまま下方に流下して不完全燃焼を引き起こし、黄炎や煤を発生させるおそれがあるものであった。
この発明はこの点に着目し上記問題点を解決する為、特に請求項1ではその構成を、改質器に改質反応用の熱を供給する燃料改質用バ−ナに於いて、前記バーナは加熱ヒータを備え液体燃料を気化し一次空気と予混合する予混合方式で、一次空気と液体燃料の噴霧を受けて気化ガスを含む予混合気を生成する気化室と、該気化室で生成された予混合気の混合をさらに促進する気化混合室と、該気化混合室と前記気化室とを連通し前記気化室で生成された予混合気を前記気化混合室の内側壁に向けて噴出させる噴出通路とを設け、さらに前記気化混合室の内側壁には、前記液体燃料が前記気化混合室の内側壁に付着した際に下方へ流下するのを妨げる凹凸部を形成するようにしたものである。
又請求項2では、前記凹凸部は螺刻して形成するようにしたものである。
この発明の請求項1によれば、気化室で気化しきらなかった液体燃料が噴出通路から噴出され気化混合室の内側壁に付着した際には、気化混合室の内側壁に形成された凹凸部が気化混合室の内側壁に付着した液体燃料の流下を妨げ、気化混合室の内側壁に付着している時間を長くすることで、完全に気化させることができると共に、気化混合室に供給された一次空気と気化ガスとが凹凸部により乱流を起こし、気化混合室内で十分な混合が行われ、良好な予混合気を得ることができるものである。
又請求項2によれば、凹凸部をタップ加工等により螺刻して形成することで気化混合室の内側壁に略水平方向の溝が設けられ、気化室で気化しきらなかった液体燃料は噴出通路から噴出され前記略水平方向の溝に保持されて確実に気化させることができ、気化不良を防止して常に良好な完全燃焼を得ることができるものである。
次にこの発明に係る燃料改質用バーナを図面に示された第1の実施形態をもとに説明する。
1は側壁内にU字状の加熱ヒータ2を埋設したアルミダイキャストから成る有底筒状の気化器で、改質器(図示せず)が内蔵された筒体3の上部に下向きに取り付けられているものである。この気化器1の側壁内で加熱ヒータ2近傍の上部には燃料噴霧用のノズル4と、燃焼用の一次空気供給路5とが上部に連通した小容積の気化室6を有し、その横には大容積の気化混合室7を備え、この気化室6と気化混合室7を直径3〜5mmの噴出通路8で連通している。
さらに、気化混合室7の内側壁には、気化室6で気化しきらなかった液体燃料が付着した際に液体燃料の下方への流下を妨げ、気化混合室7の内側壁に付着している時間を長くするための凹凸部9がタップ加工により螺刻して形成されている。また、噴出通路8は気化混合室7の反対側の内側壁に向かって略直角方向に備えられ、気化室6で気化された気化ガス及び気化しきれなかった液体燃料を同時に、一次空気と共に気化混合室7の内側壁に向けて噴出し、ここでもう一度気化促進を図り、完全に気化した気化ガスと一次空気とをこの気化混合室7で混合し、この予混合気を気化混合室7下端で2段の炎孔10を形成した第1炎孔部11で燃焼させるもので、この気化器1と第1炎孔部11等で起動時や熱量の不足時に燃焼する補助バーナ12を構成するものである。
13は起動時に改質器からの改質ガス、また発電時に燃料電池スタック(図示せず)から排出される水素を含む可燃性のオフガスを燃焼させるオフガスバーナで、気化器1の気化室6と対向する側壁を貫通したオフガス供給管14と、該オフガス供給管14と連通し前記第1炎孔部11の傾斜面のほぼ延長線上の傾斜面にオフガス用の炎孔15を形成した第2炎孔部16とで構成されたものである。
17は気化器1の他壁を貫通して形成された二次空気供給路で、気化器1の外周から流入してきた二次空気を案内板18の案内によって第1炎孔部11及び第2炎孔部16に案内して二次燃焼させるものである。
19は気化器1底部に取り付けられ該気化器1の温度を検知する温度センサ、20は二次空気供給路17と対向する位置に取り付けられた点火電極である。
次に、気化混合室7の内側壁に螺刻して凹凸部9を形成する方法について簡単に説明すると、まず、図5(a)のようにアルミニウム合金等のダイキャストによって有底筒状でその空間部分が気化混合室7を成す気化器1を成形する。その後、雌ねじ形成用のタップ部材を気化混合室7に装入して気化混合室7の内側壁である内周面に押圧した状態で回動させるタップ加工により、図5(b)のように該内周面には螺刻された凹凸部9が形成され、略水平方向に凹条の溝が凹設されるものである。なお、図5の気化器1はその外形を簡略化して示したものである。
ダイキャストによって気化混合室7の内側壁に水平方向の溝を形成するためには金型構造が非常に複雑で、かつ製造コストも高くなるが、上記のタップ加工等により螺刻して略水平方向の溝を形成すれば、金型構造は簡単なままで良く、安価に気化混合室7の内側壁に略水平方向の溝を形成することができるものである。
次にこの第1の実施形態の作動について説明する。
本燃料電池システムの起動時では、加熱ヒータ2に通電し気化器1が加熱されて液体燃料の気化に適する所定の温度に達したことを温度センサ19が検知すると、ノズル4からの液体燃料及び一次空気供給路5から供給される一次空気と共に気化室6に噴霧される。この気化室6は加熱ヒータ2近傍の上部に配設されているので、加熱ヒータ2からの熱を十分に受け、ノズル4から噴霧された液体燃料の気化を促進させる構造となっている。そして、ノズル4から噴霧された液体燃料は気化室6で気化ガスとなるが、一部気化せず液体のままのものも存在し、一次空気と気化した気化ガスは混合した状態で噴出通路8から気化混合室7の内側壁に向かって噴出される。
また、十分に気化しきらなかった液体燃料も一次空気供給路5からの一次空気及び一部気化して体積の増大したガスと共に、噴出力で噴出通路8から気化混合室7の内側壁に向かって噴出され、内側壁に衝突する。気化混合室7の内側壁にはタップ加工により螺刻して形成された凹凸部9があり、十分に気化しきらなかった液体燃料がこの凹凸部9に付着すると、一次空気及び気化ガスの噴出力により凹凸部9である略水平方向の溝内に液体燃料は押しつけられて保持され前記溝内を拡散していく。このように、凹凸部9が気化混合室7の内側壁に付着した液体燃料の流下を妨げ、気化混合室7の内側壁に付着している時間を長くすることが可能となるので、確実に気化不良を防止して常に良好な完全燃焼を得ることができるものである。
なお、凹凸部9である略水平方向の溝内に保持されず気化混合室7の内側壁に沿って下方に向かって流下する液体燃料があったとしても、気化混合室7の内側壁に凹凸部9が無いものに比べ、気化混合室7の内側壁に凹凸部9が有るものの方が、液体燃料の流下経路が格段に長く、付着時間も長くなるので確実に液体燃料を気化でき、良好な完全燃焼を得ることができるものである。
さらに、気化室6から噴出通路8を経て気化混合室7に噴出された一次空気と気化ガスとは、前記凹凸部9があることにより乱流を起こし、気化混合室7内で十分な混合が行われ、良好な予混合気を得ることができるものである。
そして、最終的に供給された液体燃料は全て気化ガスとなり、気化混合室7内を一次空気と良好に混合しながら第1炎孔部11まで流通し、炎孔10から噴出して点火電極20で点火された後、二次空気供給路17からの二次空気の供給も受けて、まず補助バーナ12が燃焼を開始しこの補助バーナ12の燃焼熱は改質用の熱として改質器に全て供給される。
従って、液体燃料を気化する部分を気化室6と気化混合室7との2箇所とし、しかも連続させることにより、液体燃料を確実、完全に気化させることができ、バーナとしての寸法的や形状的な制約をクリアーし、さらに液体燃料の完全な気化が行え、気化不良を防止して常に良好な完全燃焼を得ることができるものである。
また、噴出通路8は気化混合室7の内側壁に向かって略直角方向に形成されているので、抵抗となることがなく、噴出がスムーズで噴出力が低下することもなく、更に良好な液体燃料の気化を得ることができるものである。
次に、燃料電池システムの起動時に改質器から、また発電時に燃料電池スタックから排出される水素を含む可燃性のオフガスが、オフガス供給管14から第2炎孔部16に供給され炎孔15から噴出されることにより、補助バーナ12の火炎で着火し供給されている二次空気を燃焼空気としてオフガスバーナ13が拡散燃焼を開始するものであり、第2炎孔部16の炎孔15も第1炎孔部11の延長線上の傾斜面に形成されているので、リフト燃焼の防止は勿論、オフガスの噴出が中央に集中して補助バーナ12の燃焼時には点火電極20を使用することなく確実な着火ができるという効果も有するものである。
このオフガスバーナ13の燃焼開始によって改質器への供給熱量が多くなり、改質用触媒(図示せず)が所定温度に達することで、補助バーナ12の燃焼を一旦停止するものであり、また電力の使用量が増えてオフガス量が減少し、改質用触媒の温度が低下してきた場合には、再び補助バーナ12を燃焼させるもので、改質触媒の温度に応じて補助バーナ12の燃焼が制御されるものである。
また、起動時は加熱ヒータ2に通電して気化器1を加熱しているが、燃焼が開始されればこの燃焼熱の一部をヒートバックして気化器1を加熱するので加熱ヒータ2への通電は停止されるものである。
なお、本発明は上記の第1の実施形態に限定されるものではなく、本実施形態ではタップ加工により螺刻して凹凸部9を形成したが、図6に示すように気化混合室7の内側壁から気化混合室7内に向かって突出したディンプル21によって、気化混合室7の内側壁に凹凸部を形成したり、図7に示すように気化混合室7の内側壁から気化混合室7内に向かって突出したビード22によって、気化混合室7の内側壁に凹凸部を形成したり、また、図8に示すように気化混合室7の内側壁に溝23を凹設して、気化混合室7の内側壁に凹凸部を形成してもよいものであり、いずれの場合も凹凸部が気化混合室7の内側壁に付着した液体燃料の流下を妨げ、気化混合室7の内側壁に付着している時間を長くすることが可能となるので、確実に気化不良を防止して常に良好な完全燃焼を得ることができるものである。
この発明の燃料改質用バ−ナの第1の実施形態における縦断面図。 同第1の実施形態における図1の縦断面図に直交する方向の縦断面図。 同第1の実施形態における上面図。 同第1の実施形態における底面図。 (a)同第1の実施形態におけるタップ加工前の気化混合室の縦断面図。 (b)同第1の実施形態におけるタップ加工後の螺刻された気化混合室の縦断面図。 この発明の燃料改質用バ−ナの第2の実施形態における縦断面図。 この発明の燃料改質用バ−ナの第3の実施形態における縦断面図。 この発明の燃料改質用バ−ナの第4の実施形態における縦断面図。
符号の説明
1 気化器
2 加熱ヒータ
6 気化室
7 気化混合室
8 噴出通路
9 凹凸部

Claims (2)

  1. 改質器に改質反応用の熱を供給する燃料改質用バ−ナに於いて、前記バーナは加熱ヒータを備え液体燃料を気化し一次空気と予混合する予混合方式で、一次空気と液体燃料の噴霧を受けて気化ガスを含む予混合気を生成する気化室と、該気化室で生成された予混合気の混合をさらに促進する気化混合室と、該気化混合室と前記気化室とを連通し前記気化室で生成された予混合気を前記気化混合室の内側壁に向けて噴出させる噴出通路とを設け、さらに前記気化混合室の内側壁には、前記液体燃料が前記気化混合室の内側壁に付着した際に下方へ流下するのを妨げる凹凸部を形成したことを特徴とする燃料改質用バーナ。
  2. 前記凹凸部は螺刻して形成したことを特徴とする請求項1記載の燃料改質用バーナ。
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