JP2008212910A - 汚泥の減量化方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃水処理に発生した汚泥を低コストで可溶化して再び微生物により分解する減量化プロセス及び装置を提供する。
【解決手段】余剰汚泥をアルカリと低パワー密度超音波の相乗効果で可溶化した後に、酸発酵させ、難分解物質の分解による放流水水質の改善と好気分解負荷の低減を実現することにより、低コスト、高効率な汚泥減量化が可能になる。
【解決手段】余剰汚泥をアルカリと低パワー密度超音波の相乗効果で可溶化した後に、酸発酵させ、難分解物質の分解による放流水水質の改善と好気分解負荷の低減を実現することにより、低コスト、高効率な汚泥減量化が可能になる。
Description
本発明は有機廃水を生物処理する過程において発生した汚泥の可溶化並びに減量化の方法及び装置に関するものである。
有機廃水を生物処理する過程に汚泥が大量に発生し、その処理に費用がかかり、廃水処理のコスト増加につながる。従来、汚泥の発生を抑え、汚泥の処理コストを低減させる方法が種種検討された。例えば、オゾン分解、ミル破砕、高温菌分解などにより可溶化させた後に好気処理槽に戻して分解させる方法が試されたが、コストが高いことが現状である。更に超音波又は超音波とアルカリを相乗して可溶化の方法も検討されたが、高パワー密度の固体ホーン型超音波を使うため、設備投資と電力消費が高い外にホーンの寿命が短く、安定稼動の支障になり、連続運転は困難である。
また、可溶化された汚泥は難分解性物質が多く含まれ、直接好気性分解工程に送ると、難分解性物が蓄積され、放流水の水質が悪化してしまう。それに,可溶化された汚泥を直接好気性分解工程に送ると生物分解に空気の消費が多くなる他に減量化の効果も薄くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、効率的に、低コストで、安定的に操作できる汚泥の可溶化並びに減量化方法及び装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、有機廃水の生物処理過程に発生した汚泥をアルカリの条件で超音波作用を受けて溶解する可溶化において、pH9.5−12.0、超音波のパワー密度0.5−5.0ワット/cm2、5−30分間作用の条件において、タンク型の超音波発生装置を用いて行うことを特徴とする汚泥可溶化方法である。このような条件で可溶化すれば作用時間がホーン型の超音波発生装置より長くなるが、超音波パワー密度が低いため、トータル電力消費が少なくなる。また、低い超音波パワー密度では微生物の細胞へのアルカリの浸透を促進する作用を重点に置いて働かせるため、アルカリの機能を十分に発揮すると同時に電力消費も少なくなる他に、タンク型超音波装置の採用によりホーン型に比べて作用パワーの密度が低く、超音波振動子の疲労損傷が遥かに低減され、寿命を遥かに長くすることが可能になった。通常固体ホーン型超音波を用いて汚泥細胞を破壊して可溶化させる方法が多く採用されたがタンク型と比べて、単位電力消費当りのトータル可溶化有機物量、即ちトータルのCODはタンク型の方が格段的に多く、投入エネルギー当りの効果が高いことが分かり、本発明に至った。この中で望ましい条件はpH10−11.5で、この条件ではアルカリの作用も顕著で、アルカリの消費もやや低くて済む。
請求項2に記載の発明は、汚泥の減量化において少なくとも、汚泥をアルカリの条件で超音波作用を受け、溶解する可溶化工程と、前記可溶化工程から得られた溶解汚泥を微生物により有機酸に分解する酸発酵工程と、酸発酵した汚泥を好気生物により分解する好気分解工程とが含まれ、酸発酵がpH5.0−3.8の条件で行うことを特徴とする汚泥の減量化方法である。汚泥細胞を破壊して可溶化する場合は難分解性物質が多く含まれ、直接好気性分解工程に送ると、難分解性物が蓄積され、放流水の水質が悪化してしまう。それに,可溶化された汚泥を直接好気性分解工程に送ると生物分解に空気の消費が多くなる他に減量化の効果も薄くなる。一方、酸発酵は大きな分子を小さくすることによる難分解性物の分解をすると同時に、酸素が要らない条件で稼動するため、酸発酵工程の導入により、水質改善の同時に消費エネルギーも低減できる。更に酸発酵はpH5.0−3.8の条件で行うことにより効率よく分解できる。
請求項3に記載の発明は、前記汚泥可溶化工程に請求項1の可溶化方法を用いることを特徴とする請求項2に記載の汚泥減量化方法である。前記の減量化方法では超音波とアルカリの相乗効果が発揮できるタンク型超音波アルカリ可溶化方法の採用により、低コストで可溶化し、効果的且つ低コストでの減量化が可能になる。
請求項4に記載の発明は、余剰汚泥を0.5−2分間超音波作用した後に、10−30分間沈降を経て得られた沈降汚泥を前記請求項1に記載の方法を用いて可溶化させることを特徴とする請求項1の汚泥可溶化方法及び請求項2と請求項3の汚泥減量化方法である。汚泥の表面に粘性物などが多く吸着され、アルカリを直接通常の汚泥に作用させると、アルカリが多く消費され、粘性物などがアルカリと細胞の接触を妨げるため、可溶化の効果も薄くなる。従って、アルカリを添加する前に先ず超音波で汚泥の表面に吸着されている粘性物などを剥離しておけばアルカリの消費も抑えられ、可溶化効果も高くなる。
請求項5に記載の発明は、少なくとも汚泥入口と、汚泥出口と、汚泥タンクと、汚泥に超音波を照射する超音波発生機構とを装備したタンク型の超音波装置を用いることを特徴とする請求項1から請求項4まで記載の方法を実現する汚泥可溶化装置である。このような装置で前述した汚泥の可溶化と減量化を実現することができる。
請求項6に記載の発明は、少なくとも汚泥タンクと、汚泥入口と、汚泥出口と、タンク内に入口から出口までの汚泥の流動通路において汚泥が曲折迂回の流動になる役割として設置した隔板と、出口のpHが低くなった汚泥をタンクの入口側に返送する返送通路とを備えたことを特徴とする請求項2から請求項4まで記載の方法を実現する汚泥の酸発酵装置である。汚泥の曲折迂回の流動により、流動パタンがピストン流に近づくことができるため、入口に入った可溶化汚泥が酸発酵を経過せずに排出してしまうことを防止できる。また、出口のpHが低くなった汚泥をタンクの入口側に返送する返送通路を設置し、汚泥の返送により酸発酵装置中の発酵条件をコントロールしやすく、酸発酵菌の濃度を高めることが可能になり、高効率な酸発酵が実現される。
前記超音波発生装置に関するタンク型とホーン型の区別は超音波工学上の分類に基づくものであり、ホーン型はパワー密度が高い強力な超音波を発生するために固体ホーンをつけるタイプを指すに対して、タンク型はパワー密度が低い超音波を発生する場合に使用し、振動子にパワー密度増強することを目的とする固体ホーンを付けないタイプを指す。タンク型はタンクの底か側面かに振動子を設置し、振動子はタンクの外につける振動板タイプでも投込み振動子タイプでもよい。パワー密度は汚泥に直接作用する超音波発生部品の面積当りの出力で計算する。
本発明によれば、電力消費が低く、振動子の寿命が長くなるタンク型超音波の使用により、低コストで、高効率的に汚泥中の生物細胞を破壊して汚泥を可溶化することができる他に、可溶化された汚泥の酸発酵により放流水質を改善すると同時に酸素消費低減につながり、低コスト、高効率的な汚泥の減量化を実現することが可能になる。
以下、本発明を実施例により説明するが、かかる実施例によって本発明が制限されるものではない。
本発明の排水処理汚泥の減量化方法の実施例の一つである。排水処理場から排出された余剰汚泥を超音波タンク1に入れ、45秒間作用させた後に、沈殿槽に入れ30分間沈殿させ、得られた濃厚汚泥を超音波タンク2に入れ、水酸化ナトリウムでpH10.5に調整した後に10分間の超音波照射を行う。その後、酸発酵槽に投入し、pH4.7−4.1の条件で16時間の酸発酵を経て、好気処理の曝気槽に流入させ、好気分解処理させる。沈殿槽上部の混濁液は直接に酸発酵槽に導入して酸発酵を受けてから曝気槽に入れて好気処理を行う。超音波は20kHz、パワー密度1.0ワット/cm2を採用する。また、酸発酵槽において酸発酵した汚泥を酸発酵槽の入口側に返送する。このような処理により放流水質を確保した上で、超音波装置を長期間連続稼動でき、余剰汚泥を大幅に減らすことが実現される。
処理条件は実施例1とほぼ同じであるが、異なる点は沈殿槽上部の混濁液は酸発酵を経過せずに直接曝気槽に入れて好気処理を行うことにある。
超音波タンク1を設置せず、余剰汚泥を直接超音波装置2に投入して、アルカリの条件で超音波照射させた後に酸発酵を経て好気処理の曝気槽に入れて処理する。他の処理条件は実施例1と同じである。
上記に汚泥減量化の実施例を示したが、実際の運転管理では廃水処理の条件により汚泥減量化の各部分で操作条件を調整して最適化した運転条件を選択することができる。その中で超音波の出力、アルカリ添加量、酸発酵の返送汚泥量の調整などの手段を使用して調整が容易である。
Claims (6)
- 有機廃水の生物処理過程に発生した汚泥をアルカリの条件で超音波作用を受けて溶解する可溶化は、pH9.5−12.0、超音波のパワー密度0.5−5.0ワット/cm2、5−30分間作用の条件において、タンク型の超音波発生装置を用いて行うことを特徴とする汚泥可溶化方法。
- 有機廃水の生物処理過程に発生した汚泥の減量化において、少なくとも汚泥をアルカリの条件で超音波作用を受け、溶解する可溶化工程と、前記可溶化工程から得られた溶解汚泥を微生物により有機酸に分解する酸発酵工程と、酸発酵した汚泥を好気生物により分解する好気分解工程とが含まれ、酸発酵がpH5.0−3.8の条件で行うことを特徴とする汚泥の減量化方法。
- 前記汚泥可溶化工程に請求項1の可溶化方法を用いることを特徴とする請求項2に記載の汚泥減量化方法。
- 余剰汚泥を0.5−2分間超音波作用した後に、10−30分間沈降を経て得られた沈降汚泥を前記請求項1に記載の方法を用いて可溶化させることを特徴とする請求項1の汚泥可溶化方法及び請求項2と請求項3の汚泥減量化方法。
- 少なくとも汚泥入口と、汚泥出口と、汚泥タンクと、汚泥に超音波を照射する超音波発生機構とを装備したタンク型の超音波装置を用いることを特徴とする請求項1から請求項4まで記載の方法を実現する汚泥可溶化装置。
- 少なくとも汚泥タンクと、汚泥入口と、汚泥出口と、タンク内に入口から出口までの汚泥の流動通路において汚泥が曲折迂回の流動になる役割として設置した隔板と、出口のpHが低くなった汚泥をタンクの入口側に返送する返送通路とを備えたことを特徴とする請求項2から請求項4まで記載の方法を実現する汚泥の酸発酵装置。
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JP2007082842A JP2008212910A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 汚泥の減量化方法及び装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104829075A (zh) * | 2015-04-28 | 2015-08-12 | 上海元钧环保科技有限公司 | 基于腐殖质含量的发酵腐熟度判定法 |
CN111646663A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-09-11 | 广东源控环保科技有限公司 | 一种水力空化破解污泥的工艺 |
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2007
- 2007-02-28 JP JP2007082842A patent/JP2008212910A/ja active Pending
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