JP2008212143A - バイオリアクターの構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直線的に拡大縮小可能なバイオリアクター10が2つの脚部12及び14を含み、各脚部がその上方に位置決めしたセクション16によって連結される。ガス源に接続した通路20及び22を通してバイオリアクター10にガスを導入する。反応体導入用の、また単数又は複数の生成物取り出し用の、またはガス逃出用のガスベントとしての入口31及び33を設ける。外側容積部分24を、バイオリアクター10内の温度制御用のヒーターを格納するように形状付けする。有効容積部分の幅と、高さとを有する内側容積部分の断面はバイオリアクター10の長さ部分を通して一定であり、有効容積が増大した後でも、攪拌状況がバイオリアクター10の長さ方向部分を通して本来一定化される。
【選択図】図1
Description
発酵には、栄養液媒中での生細胞の成長又は管理が含まれる。代表的な発酵バッチプロセスでは、所望の微生物又は真核細胞を、水、栄養物質、溶解ガスからなる培地に配置して所望の培養密度に成長(又は増殖)させる。栄養液媒は、生細胞の生存上必要な且つ成長及び又は複製し続けるための環境条件を最適化する全ての化学物質を含むべきである。現在、代表的な微生物細胞培養プロセスでは、微生物群を、攪拌層型か又は気体流動床型の連続リアクター内で循環する栄養液媒中に懸濁させている。同様に、哺乳動物細胞の試験管培養では細胞をロールフラスコ内で浮遊培養し、又は、表面付着を必要とする細胞の場合は、付着細胞上に栄養媒体を収納させた組織培養フラスコ内で細胞を密集培養させている。そうして維持された生細胞は、栄養混合物中に導入した前駆体物質から単数又は複数の所望の製品を代謝生成する。単数又は複数の所望の生成物は、培養液から精製するか、又は細胞自体から抽出する。
直線的に拡大縮小する反応システムを使用する場合、リアクター内にデッドゾーンを生じさせることなく培養細胞を循環させてバイオリアクター内でバイオ反応を完了させる手段が含まれるべきであり、細胞の剪断条件を回避すべきであり、細胞の成長及び生育力維持用の栄養、酸素又は二酸化炭素を添加する、のみならず所望の適正pHを維持する手段を設ける必要があり、初期状態での殺菌と、その後の所望されざる細胞形式及び細胞毒素の排除とに注意する必要がある。
あるいは、ガスをバッグ内に導入するスパージャーその他のデバイスを収納した静止(移動しない)バッグを選択しても良い。この場合、ガスがバッグ内の流体を移動させ、ガス、栄養物、廃棄物を混合及び移動させる。
米国特許第6,432,698号では、チューブをバッグ内のガスディフューザーに挿通し且つシールしている。この場合、逆流防止用の弁その他手段が無いので、バッグ内の液体が、ディフューザーからガスラインを経て結局はエアポンプに入るのを防止するためにガスを一定の正圧下に維持する必要があると思われる。
これらの2つの米国特許に開示される構造は何れも、容器内の液体が漏出する可能性があり、漏液が、ガス供給システムのようなシステムの上流側構成部品のバッグの内容物を汚染する恐れがある。更には、何れの発明でも、ガス分与のための別個の構成部品が導入されている。
バイオリアクターは、それ自体に折り込み、巻き付け自在であり、又はそれ自体にクランプを取り付けることでシールを形成し得、高分子組成物のような可撓性材料から形成される。可撓性材料は反応体又は生成物を汚染しないものである。
バイオリアクターは、液状反応体がバイオリアクターの外壁の内面に沿って上昇し、次いで反応容積部分内をこの内面から離間する方向に降下するように形状付けされる。
バイオリアクターは、細胞が付着し得る水平又は実質的に水平な表面を持たないように形成される。これは、気泡形成用のガスをそこを通して供給する水平面を使用してこの水平面から細胞を押し出すようにするか又は反応体の内面を角度付けする、又はその両方によって実現し得る。
バイオリアクターの内側容積部分は、反応体が有効容積部分の全ての部分で相互に十分に混合するような形状とされる。かくして、混合が殆ど又は全く生じないデッドゾーンの発生が回避される。
バイオリアクターは、液状反応体を、バイオリアクターの外壁の内面に沿って上昇させ、次いで反応容積内部をこの内面から離れる方向に降下させるように形状付けされる。
バイオリアクターは、外壁の第1内面にして、バイオリアクターの内壁の第2内面と共に閉じた容積部分を形成する第1内面を含む。第1内面及び第2内面は、相互方向に収斂する又は相互に拡開して、バイオリアクター内の液状反応体を、バイオリアクター内に導入したガスの影響下に本来螺旋方向に移動させる少なくとも一部分を有する。
本発明のバイオリアクターはその1実施例では2つの脚部を有し、これらの脚部がその間部分の橋絡セクションで図1〜7に示すように相互に連結され、又は図8に示すように丸い又は楕円の反応体壁形状を有する。更に、ガス供給源を持つ水平面は図7及び図8に示すように多孔質フィルター又は多孔質膜であり得、あるいは図1〜6に示すように液体内にガスを通す1つ以上のスパージャーその他の、ガス通過性のガス供給デバイスを含み得、何れの場合でも、ガスは細胞を同伴しつつ上昇するか、又は液体中に送られるに際して細胞を押し上げる。
バイオリアクターの長さ方向に沿ってバイオリアクターに付着させるなどしてバイオリアクターと一体係止し得る少なくとも1つの有孔通路によって、バイオリアクターの有効容積内にガスを導入する、或いは、単数又は複数の有孔通路を、スパージャーチューブのようにバイオリアクターから分離形成し得、バイオリアクターの有効容積が増大した場合にバイオリアクター内に漸次挿通させ得る。バイオリアクターの、有孔通路を挿通する部分からの漏出防止用の従来のシール手段を設け得る。有孔通路は、反応体又は生成物を汚染しない高分子組生物の様な可撓性材料、又はセラミック、グラスマットまたは焼結ガラス材料のようなガラス、又は、反応体又は生成物を汚染しない焼結ステンレス鋼から形成され得る。
図1を参照するに、バイオリアクター10は2つの脚部12及び14を含み、これらの脚部はその上方に位置決めしたセクション16によって連結される。セクション16の上方にガス容積部分18を設け、ここに未反応のガスを収集する。ガス源(図示せず)に接続した通路20及び22を通してバイオリアクター10にガスを導入する。反応体導入用の、また単数又は複数の生成物を取り出すための、またはガスを逃出させるガスベントとしての入口31及び33を設ける。外側容積部分24を、バイオリアクター10内の温度制御用のヒーター(図示せず)を格納するように形状付けする。図3に示すように、有効容積部分の幅28と、高さ29とを有する内側容積部分26の断面はバイオリアクター10の長さ部分を通して一定である。高さ30は有効容積部分の高さであるが、反応体の添加又は生成物の取り出しに伴って若干変化する。かくして、有効容積が増大した後でも、矢印32及び34で示すような攪拌状況がバイオリアクター10の長さ方向部分を通して本来一定化される。
図4を参照するに、本発明のバイオリアクターの別の形態が番号11で示される。バイオリアクター11は、非拡張部分37がバイオリアクター自身に折り込まれるのではなく、むしろバイオリアクター自身に巻き付けられる点を除き、本来バイオリアクター10A(図2)と同じ構造を有する。非拡張部分37はバイオ反応の所望の過程で所望の長さ分巻き解かれる。使用に際し、バイオリアクターは図2に例示する実施態様下に用いられ、バイオ反応が完了し生成物が取り出されると、容認され得るコストで廃棄され得る。
図7を参照するに、バイオリアクター70が示され、図1〜6を参照して上述した様式下に拡張し得る長さを有し、可撓性材料から形成されている。反応体を導入し、生成物を取り出し、又はガスを逃出させるガスベントとしての入口31及び33を設け、脚部72及び74を、これらの脚部の下方に位置決めしたセクション76によって連結し、ガスを、セクション76の内部に位置決めした有孔通路78を通して導入し、バイオリアクター70の内部温度を制御し且つバイオリアクター70に対する支持を提供する2つのヒーター80及び82を設ける。
12、14、72、74 脚部
16、76 セクション
18 ガス容積部分
20、22 通路
31、33 入口
24 外側容積部分
28 幅
29 (内側容積部分26の)高さ
30 (有効容積部分の)高さ
32、34 (攪拌状況を示す)矢印
35 (バイオリアクター10Aの)部分
37 (バイオリアクター11の)非拡張部分
46、48 クランプ手段
40、42、44 分離容積部分
50、52、54、56、58、60、62、64、66 容積部分
51、53、55、57、59、61、63、65 クランプ
78 有孔通路
80、82 ヒーター
84、86 容積部分
88 ガス透過性膜
90 第2膜
Claims (19)
- 可撓性材料から形成され、一定のアスペクト比と、調節自在の長さとを有するバイオリアクター。
- 可撓性材料から形成され、橋絡セクションによって連結した2つの脚セクションを含む内側容積部分と、各脚セクション内にガスを導入するための手段と、脚セクションの長さ方向に沿ってガスを脚セクション内に導入するための手段と、バイオリアクターに反応体を導入するための手段と、バイオリアクターから生成物を取り出すための手段と、を含み、一定のアスペクト比と、調節自在の長さとを有するバイオリアクター。
- 折り込んだバイオリアクターを長さ方向に折り開くことにより長さ調節自在である請求項1のバイオリアクター。
- 折り込んだバイオリアクターを長さ方向に折り開くことにより長さ調節自在である請求項2のバイオリアクター。
- 巻き付けたバイオリアクターを長さ方向に巻き解くことにより長さ調節自在である請求項1のバイオリアクター。
- 巻き付けたバイオリアクターを長さ方向に巻き解くことにより長さ調節自在である請求項2のバイオリアクター。
- バイオリアクターの長さ方向に沿って位置決めしたクランプの一つ又は複数を釈放させることにより長さ調節自在である請求項1のバイオリアクター。
- バイオリアクターの長さ方向に沿って位置決めしたクランプの一つ又は複数を釈放させることにより長さ調節自在である請求項2のバイオリアクター。
- 橋絡セクションが脚セクションの上方に位置決めされる請求項2のバイオリアクター。
- 橋絡セクションが脚セクションの下方に位置決めされる請求項2のバイオリアクター。
- 細胞が付着し得る水平又は実質的に水平な表面を有さないように形成した請求項1のバイオリアクター。
- 細胞が付着し得る水平又は実質的に水平な表面を有さないように形成した請求項2のバイオリアクター。
- 細胞が付着し得る水平又は実質的に水平な表面を有さず且つ丸形状に形成した請求項1のバイオリアクター。
- 細胞が付着し得る水平又は実質的に水平な表面を有さず且つ丸形状に形成した請求項2のバイオリアクター。
- 橋絡セクションが脚セクションの下方に位置決めされ、ガスを導入するための手段が、橋絡セクション内に位置決めした有孔通路を通して導入される請求項2のバイオリアクター。
- 一定の断面を有する請求項1のバイオリアクター。
- 断面が長さ方向に渡り一定に維持される請求項1のバイオリアクター。
- ヒーターを格納するための容積部分を外側に設けた請求項2のバイオリアクター。
- ガスを導入するための手段が、1つ以上の多孔質材料層から形成した有孔通路である請求項2のバイオリアクター。
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