JP2008211623A - 演算増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算増幅器に接続される外部負荷容量のスルーレートを向上すること。
【解決手段】入力された差動信号を増幅する入力差動対20と、入力差動対20の出力を受けて駆動されるトランジスタMp1,Mn1を有し、トランジスタMp1,Mn1の駆動に応じて第1出力信号を出力するAB級出力段30と、入力差動対の出力と基準電圧Vref1,Vref2とを比較し、比較の結果に応じた比較信号を出力する比較部40,50と、比較信号を受けて駆動されるトランジスタMp2,Mn2を有し、トランジスタMp2,Mn2の駆動に応じて第2出力信号を出力する補助出力段60と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、演算増幅器に関し、特に、外部負荷容量に接続される演算増幅器に適用して好適である。
従来、例えば特開2001−156559号公報等に記載されているように、Rail−to−Rail差動増幅回路が知られている。図15は、同公報に記載された差動増幅回路を示す模式図である。この差動増幅回路は、P型MOS差動入力部及びN型MOS差動入力部によって構成される入力部と、P型カレントミラー回路及びN型カレントミラー回路と、プッシュプル出力段と、を備えて構成される。
そして、上記公報に記載された差動増幅回路は、図15に示す位相補償容量Ccのスルーレートが必要な場合には、主電流源Itailp1,tailn1に対して並列に接続された副電流源Itailp2,tailn2を動作させて差動入力部の電流を補うことで、位相補償容量Ccのスルーレートを向上することを意図したものである。
特開2001−156559号公報 特開2005−192260号公報 特開2006−94534号公報
しかしながら、上記公報に記載された技術は、位相補償容量Ccのスルーレート向上を意図したものであり、図15に示す差動増幅回路の最終段に接続されている外部負荷容量CLのスルーレート向上については考慮していない。従って、外部負荷容量CLの容量が大きく、演算増幅器のスルーレートが外部負荷容量CLによって決定される場合、上記公報に記載された技術ではスルーレートを向上することが困難である。
特に、演算増幅器の最終段に接続される外部負荷容量CLは、フィルタなどのノイズリダクション用途に使用されることが多く、その容量は非常に大きなものとなる。このような場合は、スルーレートは外部負荷容量CLによって決定されてしまい、外部負荷容量CLによるスルーレートを向上する技術が必要不可欠である。
一方、このような演算増幅器では、消費電流を最小限に抑えることが重要な課題となる。この点に関し、図15に示される従来の差動増幅回路では、副電流源Itailp2,tailn2の動作を決定づけるトランジスタM1,M2のゲート電圧は、プッシュプル出力段の出力トランジスタに接続されており、Mbuffp,buffnのゲート端子に接続されており、プッシュプル出力段の出力に応じた値となる。このため、副電流源Itailp2,tailn2を動作させる必要のない小振幅信号の入力時においても、トランジスタM1,M2のゲート電圧は、電源電圧VDDとGNDの間の中間電圧となり、トランジスタM1,M2は完全にはオフ(OFF)とならない。従って、常時、副電流源Itailp2,tailn2に電流が流れてしまい、消費電力が増大するという問題がある。また、副電流源Itailp2,tailn2に流れる電流値がトランジスタM1,M2のゲート電圧に応じて変化すると、差動増幅回路における電流値が不安定となり、回路設計上の自由度が低下するという問題も生じる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、演算増幅器に接続される外部負荷容量によるスルーレートを向上するとともに、消費電力を最小限に抑えることが可能な、新規かつ改良された演算増幅器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、入力された差動信号を増幅する入力差動対と、前記入力差動対の出力を受けて駆動される第1相補型トランジスタを有し、前記第1相補型トランジスタの駆動に応じて第1出力信号を出力する主出力部と、前記入力差動対の出力と所定の基準値とを比較し、比較の結果に応じた比較信号を出力する1対の比較部と、前記比較信号を受けて駆動される第2相補型トランジスタを有し、前記第2相補型トランジスタの駆動に応じて第2出力信号を出力する補助出力部と、を備える演算増幅器が提供される。
上記構成によれば、入力された差動信号は入力差動対によって増幅される。主出力部の第1相補型トランジスタは入力差動対の出力を受けて駆動され、第1相補型トランジスタの駆動に応じて主出力部から第1出力信号が出力される。また、1対の比較部により、入力差動対からの出力と所定の基準値とが比較され、比較の結果に応じた比較信号が出力される。そして、補助出力部の第2相補型トランジスタは、比較信号を受けて駆動され、第2相補型トランジスタの駆動に応じて補助出力部から第2出力信号が出力される。従って、比較部による比較の結果に基づいて、入力差動対に大振幅信号が入力されたと判断される場合は、補助出力段から第2出力信号を出力することが可能となり、第1出力信号と第2出力信号とからなる出力信号の電流値を増加することができる。これにより、演算増幅器の外部負荷容量のスルーレートを向上することが可能となる。また、比較部による比較の結果に基づいて、入力差動対に大振幅信号が入力されたと判断される場合のみ、第2出力信号を出力することができるため、小振幅信号の入力時に消費電流を最小限に抑えることが可能となる。
また、前記所定の基準値は、電源電圧の1/2の電圧値に対して所定量だけシフトされた電圧値に設定されるものであっても良い。かかる構成によれば、小振幅信号の入力時は、入力差動対の出力が電源電圧の1/2程度の値であるため、所定の基準値を電源電圧の1/2の電圧値に対して所定量だけシフトした電圧値に設定することで、入力差動対の出力と基準値とのマージンを十分に確保することが可能となり、小振幅信号の入力時に補助出力部が誤動作して第2出力信号が出力されることを抑止できる。従って、小振幅信号の入力時に消費電流を最小限に抑えることが可能となる。
また、前記比較部は、2段に接続されたCMOSインバータ回路を含み、前記CMOSインバータ回路を構成するMOSトランジスタのゲート幅をW、ゲート長をLとすると、少なくとも一方のCMOSインバータ回路において、p型MOSトランジスタのW/L比とn型MOSトランジスタのW/L比を相違させることで、前記所定の基準値が設定されるものであっても良い。かかる構成によれば、CMOSインバータ回路において、p型MOSトランジスタのW/L比とn型MOSトランジスタのW/L比を相違させることで、論理閾値を変化させることが可能となり、基準値を所望の値に設定することが可能となる。従って、比較のための参照電圧が不要となり、簡素な構成で比較部を構成することが可能となる。
また、前記入力差動対は、単一導電型のトランジスタで構成された差動入力部を有し、前記差動入力部の出力は、前記第1相補型トランジスタの各ゲート端子に入力されるとともに、前記1対の比較部を介して前記第2相補型トランジスタの各ゲート端子に入力され、前記第1相補型トランジスタの各ゲート端子と前記第2相補型トランジスタの各ゲート端子との接続においては、相互に逆導電型となるトランジスタのゲート端子が前記比較器を介して接続されたものであっても良い。かかる構成によれば、主出力部の第1導電型のトランジスタに入力された入力差動対の出力に基づいて補助出力部の第2導電型のトランジスタを駆動することができ、また、主出力部の第2導電型のトランジスタに入力された入力差動対の出力に基づいて補助出力部の第2導電型のトランジスタを駆動することができる。従って、立ち上がり信号が入力された場合に、主出力部の第1導電型のトランジスタに入力された入力差動対の出力がグランドレベルにならない場合であっても、主出力部の第2導電型のトランジスタに入力された入力差動対の出力に基づいて補助出力部の第1導電型のトランジスタを駆動することが可能となり、補助出力段から立ち上がり信号を出力することができる。また、立ち下がり信号が入力された場合に、主出力部の第2導電型のトランジスタに入力された入力差動対の出力が電源電圧レベルにならない場合であっても、主出力部の第1導電型のトランジスタに入力された入力差動対の出力に基づいて補助出力部の第2導電型のトランジスタを駆動することが可能となり、補助出力段から立ち下がり信号を出力することができる。
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、入力された差動信号を増幅する入力差動対と、前記入力差動対の出力を受けて駆動される相補型トランジスタを有し、前記相補型トランジスタの駆動に応じて出力信号を出力する出力部と、前記入力差動対の出力と所定の基準値とを比較し、比較の結果に応じた比較信号を出力する比較部と、前記入力差動対に定電流を流す定電流源と、前記比較信号に基づいて前記入力差動対に副電流を流す副電流源と、を備える演算増幅器が提供される。
上記構成によれば、入力された差動信号は入力差動対によって増幅される。主出力部の第1相補型トランジスタは入力差動対の出力を受けて駆動され、第1相補型トランジスタの駆動に応じて主出力部から第1出力信号が出力される。また、比較部により、入力差動対からの出力と所定の基準値とが比較され、比較の結果に応じた比較信号が出力される。そして、定電流源により入力差動対に定電流が流れ、比較信号に基づいて副電流源から入力差動対に副電流が流れる。従って、比較部による比較の結果に基づいて、入力差動対に大振幅信号が入力されたと判断される場合は、入力差動対に定電流とともに副電流を流すことができ、スルーレートを向上することが可能となる。
本発明によれば、外部負荷容量によるスルーレートを向上するとともに、消費電力を最小限に抑えることが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
先ず、図1に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる演算増幅器10を用いた光ピックアップ装置100の構成を説明する。図1に示す光ピックアップ装置100は、スピンドルモータによって回転駆動された光ディスク200のトラックを、光ピックアップ300で読み取るものである。
図1に示すように、光ピックアップ300で検出された信号は、記録・再生信号処理部400に送られる。記録・再生信号処理部400は、RFアンプ402、イコライザー404、A/D変換器406、DSP(Digital Signal Processor)408、PLL(Phase Locked Loop)500、書き込みストラテジー410、レーザダイオードドライバ412、を有して構成されている。RFアンプ402は、光ピックアップ300で検出された光信号を電気信号に変換する。イコライザー404は、RFアンプ402の出力信号の波形化等を行う。A/D変換器406はイコライザー404の出力をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号はDSP408でデータの復合化が行われる。
図2は、記録・再生信号処理部400内のPLL500の構成を示す模式図である。PLL500は、A/D変換器406で使用されるクロックを生成する機能を有し、データ信号にロックしてクロック信号を生成することから、データリカバリPLLと呼ばれる。PLL500の性能としては、低ジッタ、アクイジション時間の短縮が求められ、このためには帯域を広帯域にする必要があるが、光ディスクの規格は複数存在し、各規格毎に複数の動作モード(録画モードなど)が存在するため、各規格、各動作モードに対して帯域を設定する必要があり、光ピックアップ装置100を各規格、各動作モードに対応させるためには、PLL500により数多くの帯域を可能にする必要がある。
PLL500は、フェーズ検出器(位相比較器)510、チャージポンプ520a,520b、ループフィルタ530、CCO540、ディバイダ(分周器)550、を備えている。ループフィルタ530は、電圧−電流変換器(Gm)532、外部容量534を備えている。A/D変換器406でデジタル化された信号はフェーズ検出器510に入力され、チャージポンプ520a,520bによりVCO(Voltage Controlled Oscillator)を発振させ、受信データに位相ロックしたサンプリングクロックが取得される。
図3は、ループフィルタ530の構成を示す図であって、チャージポンプ520aと電圧−電流変換器532の間に設けられる外部容量534に関係する構成を示している。ループフィルタ530は外部容量(Cex)534を使用したフィルタであり、外部容量(Cex)534は差動増幅器などの演算増幅器536により充電される。
外部容量(Cex)534を使用したループフィルタ530では、実際の回路動作前に外部容量(Cex)534をある電圧まで充電する必要がある。図4は、外部容量(Cex)534を充電する際の動作を示すタイミングチャートである。信号が外部容量Cex534に入力される実動作の前に、演算増幅器536と外部容量(Cex)534を接続するスイッチ538がオン”ON”に設定される。これにより、外部容量(Cex)534は、演算増幅器536により所定の基準電圧Vrefまで充電される。
スイッチ(SW)538がオン”ON”になる前の状態(SW”OFF”)で外部容量(Cex)534の電圧がグランド(GND)レベルであるとすると、スイッチ538がオン”ON”になった瞬間に演算増幅器536の反転入力端子はグランド(GND)レベルとなり、入力差動対の片方のトランジスタがカットオフし、大振幅信号が非反転入力端子に入力されたときと同じような応答が行われる。このとき、外部容量(Cex)534の充電時間は、外部容量(Cex)534を含めた演算増幅器536のスルーレートによって決定される。光ピックアップ装置100において、外部容量(Cex)534の充電に許容される時間は、録画モードの種類などのシステム上の規格で決定されており、充電時間は規格を満足するようにできるだけ短時間にする必要がある。このため、演算増幅器536には、非常に高いスルーレートが要求される。
図5は、本実施形態にかかる演算増幅器10の概略構成を示す模式図である。本実施形態にかかる演算増幅器10は、例えば上述したループフィルタ530の外部容量(Cex)534を充電するための演算増幅器536として用いられる。なお、本実施形態の演算増幅器10は、このような大容量のプリチャージ用途の他、パルスアンプ、各種測定器、各種通信機器、ビデオ信号処理回路、ラインドライバなどに使用される演算増幅器全般に適用することができる。
図5に示すように、演算増幅器10は、入力差動対(差動増幅器)20、AB級出力段(主出力部)30、比較器(1)40、比較器(2)50、及び補助出力段(補助出力部)60を有して構成されている。入力差動対20は、例えばp型差動入力部とn型差動入力部を備える1段増幅器により構成される。また、AB級出力段30および補助出力段60は、相互に逆導電型となる1対のトランジスタを有する相補型のトランジスタから構成され、ここではCMOSトランジスタから構成されている。
入力差動対20からの出力は、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1及び、n型MOSトランジスタMn1のそれぞれのゲート電極に接続されている。また、入力差動対20からの出力は、それぞれ比較器(1)40及び比較器(2)50と接続されている。そして、比較器(1)40の出力は補助出力段60のp型MOSトランジスタMp2に接続され、比較器(2)50の出力は補助出力段60のn型MOSトランジスタMn2に接続されている。
AB級出力段30のトランジスタMp1,Mn1は、入力差動対20の出力に応じて駆動される。これにより、入力差動対20の出力に応じてAB級出力段30に電流が流れ、出力電圧Voutが出力される。
また、比較器(1)40は、入力差動対20からの出力と、所定の基準電圧Vref1とを比較し、入力差動対20の出力がVref1よりも低い場合に、ロー(Low)の信号を出力する。また、比較器(2)50は、入力差動対20からの出力と、所定の基準電圧Vref2とを比較し、入力差動対20の出力がVref2よりも高い場合に、ハイ(High)の信号を出力する。
比較器(1)40からロー(Low)の信号が出力されると、補助出力段60のp型MOSトランジスタMp2がオンとなる。また、比較器(2)50からハイ(High)の信号が出力されると、補助出力段60のn型MOSトランジスタMn2がオンとなる。
従って、入力差動対20に振幅の大きい大振幅信号が入力され、非反転出力に対応する入力差動対20の出力がVref1よりも小さい場合、または反転出力に対応する入力差動対20の出力がVref2よりも大きい場合は、AB級出力段30とともに補助出力段60に電流が流れて出力電圧Voutが出力されるため、外部負荷を充電する際のスルーレートを向上することができる。
図6は、図5のVoutを入力差動対20の反転入力Vin−と接続し、出力Voutに外部負荷容量Cloadを接続して、演算増幅器10をバッファとして使用した例を示す模式図である。すなわち、図6は、図3の構成に対応している。また、図7は、図6に示す回路の動作を示すタイミングチャートである。
図6に示すバッファに入力信号Vin+として大振幅信号が入力されると、図7に示すように、入力信号(Vin+)の立ち上がりであれば、Mp1のゲート電圧は通常の演算増幅器と同じようにグランド(GND)レベルになる。そして、Vref1よりもMp1のゲート電圧が低い期間では、比較器(1)40の出力はロー(Low)になり、Mp2が完全にオン(ON)となる。このため、補助出力段60から負荷容量Cloadに大電流を供給することができる。また、信号(Vin+)の立下りであれば、Mn1のゲート電圧は電源電圧(VDD)レベルになる。そして、Mn1のゲート電圧がVref2よりも高い期間では、比較器(2)50の出力はハイ(High)になり、Mn2が完全にオン(ON)となる。このため、負荷容量Cloadから補助出力段60へ大電流を引き抜くことができる。
一方、小信号動作時は、図7に示すように、Mp1とMn1のゲート電圧は、それぞれ電源電圧(VDD)とグランド(GND)の間の中間電圧となる。このため、図7に示すように、比較器(1)40の基準電圧Vref1を小信号動作時のMp1のゲート電圧よりも十分に低い値に設定し、比較器(2)50の基準電圧Vref2を小信号動作時のMn1のゲート電圧よりも十分に高い値に設定することで、小信号動作時にはMp2とMn2は完全にオフ(OFF)となる。従って、補助出力段60から電流が流れることがなく、小信号動作時における消費電力を最小限に抑えることが可能となる。
AB級出力段30のトランジスタMp1,Mn1に対して、補助出力段60のトランジスタMp2,Mn2の容量は十分に大きなものとされる。すなわち、WをMOSトランジスタのゲート幅、Lをゲート長とした場合に、Mp2のW/L比は、Mp1のW/L比よりも十分に大きな値とされる。また、Mn2のW/L比は、Mn1のW/L比よりも十分に大きな値とされる。これにより、大振幅信号が入力された場合に、補助出力段60に大電流を流すことができ、高スルーレートと小信号動作時の低消費電力の双方を共に実現することできる。
図8は、比較器(1)40、比較器(2)50の基準電圧Vref1, Vref2の設定方法を示す図であって、図7と同様に、図6の回路のタイミングチャートを示している。図8(a)に示すように、VDDを電源電圧とすると、Vref1はVDD/2よりも低く設定され、Vref2はVDD/2よりも高く設定される。これにより、小信号動作時のMp1のゲート電圧に対して、基準電圧Vref1を十分に低くすることができ、また、小信号動作時のMn1のゲート電圧に対して、基準電圧Vref2を十分に高くすることができる。従って、小信号動作時のゲート電圧に対する基準電圧Vref1, Vref2のマージンを大きくすることができ、小信号動作時にMp2とMn2がオン(ON)してしまうことを確実に抑止することができる。これにより、小信号動作時の消費電流を確実に低減することが可能となる。
一方、図8(b)に示すように、基準電圧Vref1,Vref2を共に電源電圧VDDの1/2の値(Vref1=VDD/2,Vref2=VDD/2)とすると、小信号動作時のMp1,Mn1のゲート電圧と、Vref1,Vref2との差が小さくなり、基準電圧Vref1,Vref2に対するゲート電圧のマージンが小さくなる。この場合、外部ノイズ等の影響により、小信号動作時に比較器(1)40、比較器(2)50が誤動作する可能性がある。従って、Vref1はVDD/2よりも低く設定し、Vref2はVDD/2よりも高く設定することが好適である。
次に、比較器(1)40、比較器(2)50の構成について説明する。図9は、差動対とインバータ回路によって構成される一般的な差動比較器の構成を示しており、比較器(1)40、比較器(2)50は、図9に示す差動比較器から構成することができる。図9に示す差動比較器によれば、入力差動対20の出力と基準電圧Vref1,Vref2を比較した結果に応じたVoutを出力することができる。
一方、本実施形態では、比較器(1)40、比較器(2)50を図10に示す2段のCMOSインバータ回路70,72から構成している。1段目のインバータ回路70は、p型MOSトランジスタMp3及びn型MOSトランジスタMn3から構成される。また、2段目のインバータ回路72は、p型MOSトランジスタMp4及びn型MOSトランジスタMn4から構成される。そして、1段目のインバータ回路70において、p型MOSトランジスタMp3のW/L比とn型MOSトランジスタMn3のW/L比を相違させることで、論理閾値をVDD/2からシフトさせることとしている。ここで、WはトランジスタMp3,Mn3のゲート幅、Lはゲート長である。
上述したように、比較器(1)40では、Vref1はVDD/2よりも低く設定される。このため、1段目のインバータ回路70において、Mp3のW/L比よりもMn3のW/L比を十分に大きくするとMp3,Mn3で構成されるインバータ回路70の論理閾値をVDD/2よりも低くすることができる。従って、インバータ回路70の論理閾値をVref1とすることで、インバータ回路70を比較器(1)40として使用することができる。
また、比較器(2)50では、Vref2はVDD/2よりも高く設定される。このため、1段目のインバータ回路70において、Mp3のW/L比よりもMn3のW/L比を十分に小さくすると論理閾値はVDD/2よりも高くなる。従って、インバータ回路70の論理閾値をVref2とすることで、インバータ回路70を比較器(2)50として使用することができる。
図10に示す2段目のインバータ回路72は、インバータ回路70の出力を反転させる機能を有し、その閾値はVDD/2の近傍に設定される。但し、比較器(1)40、比較器(2)50を最適に動作させるため、インバータ回路70の論理閾値の値に応じて、インバータ回路72の論理閾値は最適の値に調整されることが望ましい。
従って、図10に示す2段のCMOSインバータ回路70,72によれば、参照電圧としての基準電圧Vref1, Vref2を与える必要がなく、非常に簡素な構成で比較器(1)40、比較器(2)50を構成することが可能となる。
図11は、図6に示す演算増幅器10の具体的な回路構成を示す模式図である。図11に示す演算増幅器10は、2段増幅の入力差動対20と、AB級出力段30と、比較器(1)40及び比較器(2)50と、スルーレートを改善するための補助出力段60を備えたものである。ここで、比較器(1)40、比較器(2)50は、図11に示す2段のインバータ回路70,72から構成されている。
図11に示す構成において、入力差動対20は、p型MOS差動入力部22、n型MOS差動入力部24、カレントミラー回路26、及びカレントミラー回路27から構成される。p型MOS差動入力部22は、p型MOSトランジスタMdiffp+,Mdiffp−、及び電流Itailpを流す定電流源28から構成されている。また、n型MOS差動入力部24は、n型MOSトランジスタMdiffn+,Mdiffn−、及び電流Itailnを流す定電流源29から構成されている。
また、カレントミラー回路26は、p型MOSトランジスタMp14,Mp15,Mp16,Mp17から構成され、カレントミラー回路27は、n型MOSトランジスタMn14,Mn15,Mn16,Mn17から構成されている。
図6と同様に、AB級出力段30は、p型MOSトランジスタMp1及びn型MOSトランジスタMn1からなるCMOSトランジスタから構成される。また、補助出力段60は、p型MOSトランジスタMp2及びn型MOSトランジスタMn2からなるCMOSトランジスタから構成される。
非反転入力Vin+は、Mdiffn+,Mdiffp+のゲートに入力される。また、反転入力Vin−は、Mdiffn−,Mdiffp−のゲートに入力される。図6と同様に、反転入力Vin−は出力Voutと接続されている。また、Mdiffp+,Mdiffp−によって構成されるp型MOS差動入力部22の出力はカレントミラー回路27に入力され、Mdiffn+,Mdiffn−によって構成されるn型MOS差動入力部24の出力はカレントミラー回路26に入力されている。
カレントミラー回路26とカレントミラー回路27とは、抵抗としてのトランジスタMp18,Mn18,Mp19,Mn19によって接続されている。AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1のゲートは、カレントミラー回路26のトランジスタMp17と、トランジスタMp19,Mn19との接続部に接続され、n型MOSトランジスタMn1のゲートは、トランジスタMn15と、トランジスタMp19,Mn19との接続部に接続されている。
トランジスタMp1,Mn1のゲートに接続された容量Cc1及び容量Cc2は、位相補償容量である。また、VB1〜VB4は、それぞれのトランジスタが適切に動作するように設定されたバイアス電圧である。
また、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1のゲートは比較器(1)40の入力に接続されており、n型MOSトランジスタMn1のゲートは比較器(2)50の入力に接続されている。
比較器(1)40の出力は、補助出力段60のp型MOSトランジスタMp2のゲートに接続されている。また、比較器(2)50の出力は、補助出力段60のn型MOSトランジスタMn2のゲートに接続されている。
図6と同様に、AB級出力段30及び補助出力段60からの信号が出力される最終段には、グランド(GND)との間に外部負荷容量Cloadが接続されている。
非反転入力信号(Vin+)と反転入力信号(Vin−)が等しい状態(定常状態)では、p型MOS差動入力部22のp型MOSトランジスタMdiffp+,Mdiffp−に流れる電流は共にItailp/2となり、n型MOS差動入力部24のn型MOSトランジスタMdiffn+,Mdiffn−に流れる電流は共にItailn/2となる。
定常状態から、非反転入力信号(Vin+)が反転入力信号(Vin−)より高い電圧に変化する信号の立ち上がり時には、p型MOS差動入力部22側では定電流Itailpがp型MOSトランジスタMdiffp−側に流れる比率が増加し、n型MOSトランジスタMn16に流れる電流が増加する。このため、カレントミラー回路27によりn型MOSトランジスタMn15,Mn17に流れる電流が増加し、AB級出力段30のn型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が低下する。これにより、n型MOSトランジスタMn1に流れる電流が減少し、外部負荷容量Cloadの引き込み電流が減少する。
n型MOS差動入力部24側では、定電流Itailnのうちn型MOSトランジスタMdiffn+側に流れる比率が増加し、n型MOSトランジスタMn17に流れる電流が減少し、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1のゲート電圧が下がるので、p型MOSトランジスタMp1に流れる電流が増加し、外部負荷容量Cloadを充電する。従って、出力電圧Voutが上昇する。
定常状態から、非反転入力信号(Vin+)が反転入力信号(Vin−)より低い電圧に変化する信号の立下り時には、p型MOS差動入力部22側では定電流Itailpがp型MOSトランジスタMdiffp+側に流れる比率が増加し、n型MOSトランジスタMn15に流れる電流が減少する。このため、AB級出力段30のn型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が上がり、n型MOSトランジスタMn1に流れる電流が増加して、外部負荷容量Cloadの引き込み電流が増加する。
n型MOS差動入力部24側では、定電流Itailnのうちn型MOSトランジスタMdiffn−側に流れる比率が増加し、p型MOSトランジスタMp14に流れる電流が増加するため、カレントミラー回路26によりp型MOSトランジスタMp15,Mp17に流れる電流が増加し、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が上がる。これにより、p型MOSトランジスタMp1に流れる電流が減少し、外部負荷容量Cloadに対する充電速度が減少する。従って、出力電圧Voutが下降する。
大振幅信号が入力された場合、信号の立ち上がりでは、p型MOS差動入力部22側では定電流Itailpの大部分がp型MOSトランジスタMdiffp−に流れ、n型MOSトランジスタMn16に流れる電流が更に増加する。このため、カレントミラー回路27によりn型MOSトランジスタMn15,Mn17に流れる電流も増加し、AB級出力段30のn型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が小振幅信号の入力時に比べて更に低下し、グランド(GND)レベルとなる。
また、n型MOS差動入力部24側では、定電流Itailnの大部分がn型MOSトランジスタMdiffn+に流れ、n型MOSトランジスタMn17に流れる電流が更に減少し、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1のゲート電圧が小振幅信号の入力時に比べて更に低下し、グランド(GND)レベルとなる。
そして、比較器(1)40による比較の結果、p型MOSトランジスタMp1のゲート電圧が基準電圧Vref1よりも低くなると、比較器(1)40からロー(Low)の信号が出力され、補助出力段60のp型MOSトランジスタMp2がオンとなる。これにより、補助出力段60に大電流が流れて出力電圧Voutが出力されるため、外部負荷Cloadのスルーレートを向上することができる。
一方、大振幅信号が入力された場合に、信号の立下りでは、p型MOS差動入力部22側では定電流Itailpの大部分がp型MOSトランジスタMdiffp+側に流れ、n型MOSトランジスタMn15に流れる電流が更に減少する。このため、AB級出力段30のn型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が小振幅信号の場合に比べて更に増加し、電源電圧(VDD)レベルとなる。
また、n型MOS差動入力部24側では、定電流Itailnの大部分がn型MOSトランジスタMdiffn−に流れ、p型MOSトランジスタMp14に流れる電流が更に増加するため、カレントミラー回路26によりp型MOSトランジスタMp15,Mp17に流れる電流が増加し、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が小振幅信号の入力時に比べて更に上昇し、電源電圧(VDD)レベルとなる。
そして、比較器(2)50による比較の結果、n型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が基準電圧Vref2よりも高くなると、比較器(2)50からハイ(High)の信号が出力され、補助出力段20のn型MOSトランジスタMn2がオンとなる。これにより、補助出力段60に大電流が流れて出力電圧Voutが出力されるため、外部負荷Cloadのスルーレートを向上することができる。
図12は、本実施形態に係る演算増幅器10の回路構成の他の例を示す模式図であって、入力差動対20を1段増幅器で構成し、入力差動対20をフォールデッドカスコード接続無しで構成した例を示している。また、図13は、図12に示す演算増幅器10の動作を示すタイミングチャートである。
図12において、p型MOSトランジスタMp21とp型MOSトランジスタMp22はミラー比1:1のカレントミラー回路を構成する。また、p型MOSトランジスタMp20とp型MOSトランジスタMp1は1:Nのカレントミラー回路であり、n型MOSトランジスタMn21とn型MOSトランジスタMn1もミラー比1:Nのカレントミラー回路である。
この構成では、入力差動対20の定電流源に定電流Itailnが流れると、AB級出力段30にはN×Itailn/2の電流がバイアス電流として流れる。n型MOSトランジスタMn20は、固定電圧差を生成する電池のような役割を果たし、p型MOSトランジスタMp21とp型MOSトランジスタMp22のドレイン電圧を揃え、MOSのチャネル長変調によって引き起こされるミラー比のずれを防止する機能を果たす。n型MOSトランジスタMn22、p型MOSトランジスタMp23は、カスコードの役割を果たしており、出力インピーダンスを増加させ、演算増幅器のゲインを増加させる。
図12の構成において、入力信号の立ち上がり時、立下り時の動作は基本的に図11と同じである。入力信号の立ち上がり時にはn型MOSトランジスタMdiffn−には電流が流れないため、p型MOSトランジスタMp21のゲート電圧は電源レベルVDDとなる。この場合、p型MOSトランジスタMp22にも電流が流れないため、n型MOSトランジスタMn21のゲート・ソース間電圧は0になり、n型MOSトランジスタMn1にも電流は流れない。一方、p型MOSトランジスタMp20にはItailnの電流が流れ、p型MOSトランジスタMp1にはN×Itailnの電流が流れて出力電圧Voutを上昇させる。
また、入力信号の立下り時には、n型MOSトランジスタMdiffn+には電流は流れず、p型MOSトランジスタMp20のゲート電圧は電源電圧VDDとなり、p型MOSトランジスタMp1に電流は流れない。この場合は、p型MOSトランジスタMp21、p型MOSトランジスタMp22、n型MOSトランジスタMn21にItailnの電流が流れ、n型MOSトランジスタMn1にN×Itailnの電流が流れて出力電圧Voutを下降させる。
このように、図12に示す演算増幅器10においても、入力信号の立ち上がり時には、非反転出力(Vin+)に対応する出力電圧が低下し、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1に入力される。このとき、入力差動対20を1段増幅器で構成し、フォールデッドカスコード接続無しで構成した図12の演算増幅器10では、図13に示すように、大振幅信号の立ち上がり時に、AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1のゲート電圧がグランド(GND)レベルに達しない場合がある。一方、信号立ち上がり時に、n型MOSトランジスタMn1のゲート電圧は、確実にグランドレベルに到達する。
また、大振幅信号の立下り時においては、n型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が電源電圧(VDD)レベルに達しない場合がある。一方、大振幅信号の立下り時に、p型MOSトランジスタMp1のゲート電圧は、確実に電源電圧(VDD)レベルに到達する。
このため、本実施形態において、入力差動対20を1段増幅器で構成し、フォールデッドカスコード接続無しで構成した場合は、大振幅信号の立ち上がりをn型MOSトランジスタMn1のゲート電圧で判定する。また、大振幅信号の立ち下がりは、p型MOSトランジスタMp1のゲート電圧で判定する。すなわち、図12の回路において、n型MOSトランジスタMn1のゲート電圧がグランドレベルに到達した場合は、大振幅信号の立ち上がりが入力されたと判断することができる。また、p型MOSトランジスタMp1のゲート電圧がVDDレベルに到達した場合は、大振幅信号の立下りが入力されたと判断することができる。
このため、図12の回路では、比較器(1)40の出力が補助出力段60のn型MOSトランジスタMn2に接続されている。そして、図13に示すように、比較器(1)40では、信号の立ち下がり時に大振幅信号が流れているか否かを判定するため、基準電圧Vref1の値が電源電圧VDDの1/2の値よりも十分に大きな値に設定される。信号の立下り時にp型MOSトランジスタMp1のゲート電圧が基準電圧Vref1を超えている場合は、比較器(1)40から補助出力段60のn型MOSトランジスタMn2にハイ(High)の信号を出力する。これにより、補助出力段60のn型MOSトランジスタMn2が駆動され、外部負荷容量Cloadの引き込み電流が増加するため、出力電圧Voutが下降する。
また、比較器(2)50の出力は、補助出力段60のp型MOSトランジスタMp2に接続されている。そして、比較器(2)50では、信号の立ち上がり時に大振幅信号が流れているか否かを判定するため、基準電圧Vref2の値が電源電圧VDDの1/2の値よりも十分に小さい値に設定される。そして、信号の立ち上がり時に、n型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が基準電圧Vref2よりも低下している場合は、比較器(2)50から補助出力段60のp型MOSトランジスタMp2にロー(Low)の信号を出力する。これにより、補助出力段20のp型MOSトランジスタMp2が駆動され、外部負荷容量Cloadが充電されて、出力電圧Voutが上昇する。
このように、入力差動対20を1段増幅器で構成し、フォールデッドカスコード接続無しで構成する場合は、比較器(1)40及び比較器(2)50からの出力と、p型MOSトランジスタMp2及びn型MOSトランジスタMn2との接続状態を図11の回路に対して入れ換えることで、比較器(1)40、比較器(2)50の判定結果に基づいて、図11の場合と同様に補助出力段60を動作させることが可能となる。
以上のように、図11及び図12に示す演算増幅器10によれば、大振幅信号の入力時のみ補助出力段60が動作し、小振幅信号の入力時に補助出力段60が全く動作しないため、小信号動作時の安定性判別が非常に容易になり、大振幅信号入力時の高いスルーレートと、小振幅信号入力時の低消費電力を共に実現することが可能となる。
また、図14は、本実施形態に係る演算増幅器10の回路構成の他の例を示す模式図である。図14に示す演算増幅器10では、入力差動対20、AB級出力段30、比較器(1)40及び比較器(2)50の構成は基本的に図11の回路と同様に構成されているが、補助出力段60は設けられていない。そして、入力差動対20では、定電流源28に対してp型MOSトランジスタMswpが並列に接続され、定電流源29に対してn型MOSトランジスタMswnが並列に接続されている。
また、比較器(1)40の出力はp型MOSトランジスタMswpのゲート電極に接続され、比較器(2)50の出力はn型MOSトランジスタMswnのゲート電極に接続されている。
図14の演算増幅器10において、大振幅信号の立ち上がり時に,AB級出力段30のp型MOSトランジスタMp1のゲート電圧が基準電圧Vref1よりも低くなると、比較器(1)40の出力はロー(Low)になり、Mswpが完全にオン(ON)となり、p型MOSトランジスタMswpに電流が流れる。
また、大振幅信号の立ち下がり時に、AB級出力段30のn型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が基準電圧Vref2よりも高くなると、比較器(2)50の出力はハイ(High)になり、Mswnが完全にオン(ON)となり、n型MOSトランジスタMswnに電流が流れる。
このように、図14の回路において、p型MOSトランジスタMswpは、比較器(1)40の出力に応じてp型MOS差動入力部22に電流を流す副電流源80として機能する。また、n型MOSトランジスタMswnは、比較器(2)50の出力に応じてn型MOS差動入力部24に電流を流す副電流源82として機能する。
これにより、大振幅信号が入力された場合に、位相補償容量Ccに大電流を流すことが可能となり、位相補償容量Ccの値で演算増幅器10のスルーレートが決定される場合においても、位相補償容量Ccのスルーレートを向上することが可能となる。
また、p型MOSトランジスタMp1のゲート電圧が基準電圧Vref1以上の場合、またはn型MOSトランジスタMn1のゲート電圧が基準電圧Vref2以下の場合は、トランジスタMswp,Mswnが確実にオフ(OFF)になるため、Mswp,Mswnに電流が流れてしまうことがない。従って、小振幅信号の入力時には、消費電流を確実に低減することが可能である。
従って、図14に示す演算増幅器10によれば、大振幅信号の入力時のみ副電流源80,82が動作し、小振幅信号の入力時に副電流源80,82が全く動作しないため、大振幅信号入力時の高いスルーレートと、小振幅信号入力時の低消費電力を共に実現することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施形態にかかる演算増幅器10を用いた光ピックアップ装置100の構成を示す模式図である。 記録・再生信号処理部内のPLLの構成を示す模式図である。 ループフィルタの構成を詳細に示す模式図である。 図3の外部容量(Cex)を充電する際の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態にかかる演算増幅器の概略構成を示す模式図である。 図5に示すVoutを入力差動対の反転入力Vin−と接続し、出力Voutに外部負荷容量Cloadを接続して、演算増幅器をバッファとして使用した例を示す模式図である。 図6に示す回路の動作を示すタイミングチャートである。 比較器(1)、比較器(2)の基準電圧Vref1, Vref2の設定方法を示すタイミングチャートである。 差動対とインバータ回路によって構成される一般的な差動比較器の構成を示す模式図である。 比較器(1)、比較器(2)を2段のインバータ回路70,72から構成した例を示す模式図である。 図6に示す演算増幅器の具体的な構成を示す模式図である。 入力差動対をフォールデッドカスコード接続無しで構成した例を示す模式図である。 図12に示す演算増幅器の動作を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係る演算増幅器の回路構成の他の例を示す模式図である。 従来の差動増幅回路の構成を示す模式図である。
符号の説明
20 入力差動対
22 p型MOS差動入力部
24 n型MOS差動入力部
26,27 カレントミラー回路
30 AB級出力段
40 比較器(1)
50 比較器(2)
60 補助出力段
70,72 CMOSインバータ回路
28,29 定電流源
80,82 副電流源

Claims (5)

  1. 入力された差動信号を増幅する入力差動対と、
    前記入力差動対の出力を受けて駆動される第1相補型トランジスタを有し、前記第1相補型トランジスタの駆動に応じて第1出力信号を出力する主出力部と、
    前記入力差動対の出力と所定の基準値とを比較し、比較の結果に応じた比較信号を出力する1対の比較部と、
    前記比較信号を受けて駆動される第2相補型トランジスタを有し、前記第2相補型トランジスタの駆動に応じて第2出力信号を出力する補助出力部と、
    を備えることを特徴とする、演算増幅器。
  2. 前記所定の基準値は、電源電圧の1/2の電圧値に対して所定量だけシフトされた電圧値に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の演算増幅器。
  3. 前記比較部は、2段に接続されたCMOSインバータ回路を含み、
    前記CMOSインバータ回路を構成するMOSトランジスタのゲート幅をW、ゲート長をLとすると、
    少なくとも一方のCMOSインバータ回路において、p型MOSトランジスタのW/L比とn型MOSトランジスタのW/L比を相違させることで、前記所定の基準値が設定されることを特徴とする、請求項2に記載の演算増幅器。
  4. 前記入力差動対は、単一導電型のトランジスタで構成された差動入力部を有し、
    前記差動入力部の出力は、前記第1相補型トランジスタの各ゲート端子に入力されるとともに、前記1対の比較部を介して前記第2相補型トランジスタの各ゲート端子に入力され、
    前記第1相補型トランジスタの各ゲート端子と前記第2相補型トランジスタの各ゲート端子との接続において、相互に逆導電型となるトランジスタのゲート端子が前記比較器を介して接続されたことを特徴とする、請求項1に記載の演算増幅器。
  5. 入力された差動信号を増幅する入力差動対と、
    前記入力差動対の出力を受けて駆動される相補型トランジスタを有し、前記相補型トランジスタの駆動に応じて出力信号を出力する出力部と、
    前記入力差動対の出力と所定の基準値とを比較し、比較の結果に応じた比較信号を出力する比較部と、
    前記入力差動対に定電流を流す定電流源と、
    前記比較信号に基づいて前記入力差動対に副電流を流す副電流源と、
    を備えたことを特徴とする、演算増幅器。
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