JP2008211116A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Hiroyuki Koseki
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Abstract

【課題】 分極性電極の水分を十分除去し、且つ集電体との接合が強固に維持されることにより、充放電の繰り返しや高電圧によるフローティング充電による内部抵抗の増加が小さく、長期的な信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供すること。
【解決手段】 活性炭を主活物質とする分極性電極を用いる電気二重層キャパシタに於いて、導電性接着剤としてフェノール樹脂を主体とするバインダ成分と炭素質材からなる導電性フィラー成分と溶剤を含有する炭素系導電性接着剤を用い、分極性電極を導電性接着剤により集電体に接着して一体化した後、200℃以上の温度で加熱乾燥すると共に導電性接着剤層を硬化して、分極性電極と集電体とを一体接合したものを用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、分極性電極と非水電解質とを用いる電気二重層キャパシタに関するものであり、特に、充放電の繰り返しやフローティング充電による劣化が小さく、高耐電圧且つ長期信頼性の高いキャパシタを提供する新規な電極の集電方法に関するものである。
電気二重層キャパシタは、小型で高容量且つ長サイクル寿命の電源として、従来、携帯電話やデジタルスチルカメラ等の携帯機器のメモリーや時計機能のバックアップ電源、ソーラ時計の電源やモーター駆動用の電源などとして使用されており、近年はハイブリッド車や電気自動車等の大電流負荷時のサブ電源やエネルギー変換・貯蔵システムの補助貯電ユニットなどとしても検討されている
正負一対の分極性電極として活性炭粉末、活性炭素繊維、カーボンブラックなどの炭素質材料からなる電極を用い、これらの一対の電極をプロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトン等の有機溶媒や水に4級アンモニウム塩や硫酸等の支持電解質を溶解した電解液に浸漬してなる電気二重層キャパシタの発電/蓄電メカニズムは、正負極間に印加される充電電圧(電流)によって電極と電解液の界面に生じる電子またはホールと電解質イオンの相対する電気二重層の形成である。一般にこのようなキャパシタの静電容量は電極の有効表面積に比例し、電荷の距離(二重層の厚さ)に反比例する。従って、静電容量を大きくするためには、電極材の表面積を大きくすることが有効であり、比表面積の大きい活性炭が用いられている。活性炭は炭素質材料を高温化で水蒸気や塩化亜鉛、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ等々の薬品で酸化し表面に多数の細孔を形成して有効表面積を大きくする賦活処理により生成されている。このような水蒸気賦活法や塩化亜鉛賦活法で1000〜2000m2/g、アルカリ賦活法では1000〜3000m2/gの比表面積のものが得られている。 また、水蒸気賦活法と薬品賦活法を組み合わせて実施し細孔分布及び比表面積のより精細な制御が試みられている。この様な高比表面積の活性炭はそのままでは体積密度が低く、また一般に電子電導性が低く電気抵抗が高い。そのため、これらを高密度に充填し且つ電気抵抗の低い電極体とするため、これらの活性炭を粉砕した粉末または微細な繊維状粉体とし、これに電子導電性を付与する導電助剤と結着性を高めるバインダ成分(結着剤)を混合した合剤とし、金型によるプレス成形やロールプレスによりシート状に圧延成形後裁断もしくは打ち抜く等により、所定形状に成形した電極体として用いる。 導電助剤としては黒鉛やカーボンブラック等の炭素質材料やNi、Ti等の耐蝕性の高い金属粉末等が用いられる。結着剤としては、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、カルボキシメチルセルロースやポリビニルアルコール等の水溶性高分子や高分子エラストマ等の樹脂が用いられている。
この様にして作製された分極性電極を用いる電気二重層キャパシタの電気抵抗(内部抵抗)を小さくし、大電流においても効率の良い充電放電を可能とし、また形状の維持のため、一般にこの様な分極性電極の成形体は、電子伝導性の高い箔や板またはメッシュ状等の集電体に接合されて用いられる。集電体としては電気化学的な耐蝕性の高いアルミニウムやチタン等の弁作用金属、SUS304、SUS430、SUS316等のステンレス鋼等の金属からなる箔、板やメッシュ等や炭素質材料を樹脂バインダーに分散したシートや板等々が用いられる。
この分極性電極と集電体との接合には導電性接着剤が用いられる。導電性接着剤は、一般に、金属製の集電体や分極性電極との接着力の源となる樹脂性のバインダ成分と電子導電性を付与する導電性フィラーとして黒鉛やカーボンブラック等の炭素質材の粉末や微粒子が溶剤に溶解もしくは分散混合されている。この様な導電性接着剤を集電体または分極性電極表面に塗布し、分極性電極と集電体とを導電性接着剤を介して加圧接着し、溶剤を過熱乾燥することにより、分極性電極と集電体とを一体に接合する。
電気二重層キャパシタには電解質として希硫酸等の水溶液を用いるタイプと非プロトン性の有機溶媒に電解質塩を溶解した非水電解質を用いるタイプがある。非水電解質を用いた電気二重層キャパシタは、電解質の分解電圧が高いため、2.5〜3.3Vの高い耐電圧を有し高い作動電圧での使用が可能であり、体積当たりのエネルギー密度が高く、特に小型高エネルギー密度が要求される携帯機器や輸送機器等に適する。しかし乍、非水電解質を用いる電気二重層キャパシタに於いては、内部に残存水分が存在すると充電電圧によってこの水分が電気分解されたり、また電極表面の残存官能基等とこの水分が相まって触媒的な反応で電解質の分解を促進したり、分極性電極の腐食劣化を引起すことにより内部抵抗の増加や容量の低下を来たす等の問題が発生する。そのため、上記の分極性電極においてはセル内への組み込み前に十分な脱水乾燥と表面官能基の除去が必要であり、減圧下での加熱乾燥が行われている。
従来用いられてきた導電性接着剤のバインダ成分であるセルロースやポリビニルアルコール等の水溶性樹脂(特許文献1)や熱可塑性の樹脂(特許文献2)は耐熱性が低く、160℃以上の高温で加熱乾燥すると、バインダ樹脂の分解や軟化により接着力が低下するため、より高温での乾燥が出来ず、せいぜい160℃までの温度で加熱乾燥が行われていた。しかし乍、活性炭のミクロポア中に入っている水分や電極剤表面の官能基を加熱乾燥で除去するには200℃以上の加熱温度が必要である。そのため水分除去が不十分であり、充放電やフローティング充電による性能劣化が見られるという課題があった。特に、3V以上の高電圧で充電した場合の劣化が大きく、耐電圧(動作可能電圧)を3V以上に上げられない原因の一つであった。また、分極性電極を200℃以上の高温で加熱乾燥するためには、分極性電極それ自体の結着剤も200℃以上の高温で分解されず高い結着力を維持する耐熱性の高いものが必要である。この様な耐熱性と活性炭への結着力を兼ね備えた結着剤としてPTFE等のフッ素樹脂が好適であり、従来から用いられているが、PTFEに代表されるフッ素樹脂は一般に撥水性が高く、これを用いて成形した分極性電極と前記の水溶性樹脂や熱可塑性樹脂等の従来用いられている導電性接着剤との接着性が低く、高い接合強度が得られないという問題があった。
特開昭62−200715号公報 特開昭63−173311号公報
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その目的とするところは、分極性電極の水分と表面官能基を十分除去し、且つ集電体との接合が強固に維持されることにより、内部抵抗が小さく充放電特性に優れると共に、充放電の繰り返しや高電圧によるフローティング充電による内部抵抗の増加が小さく、長期的な信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供するものである。
本発明を用いた電気二重層キャパシタは、分極性電極と、導電性接着剤により前記分極性電極と一体に接合された集電体と、非水電解質とから少なくともなる電気二重層キャパシタにおいて、前記導電性接着剤がフェノール樹脂と、炭素質材と、溶剤とを含有する導電性接着剤であり、前記分極性電極を前記導電性接着剤により前記集電体に接着した後、200℃以上の温度で加熱乾燥すると共に前記導電性接着剤層を硬化して、前記分極性電極と前記集電体とを一体接合したものを用いたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記分極性電極が、活性炭と、炭素質材と、フッ素樹脂とを含有する成形体からなる。更に、より好ましくは、本発明に係る電気二重層キャパシタで用いられる非水電解質は、スルホランと、低粘度溶媒と、4級アンモニウム塩とを含有する。
バインダ成分としてフェノール樹脂を用いた導電性接着剤は、耐熱性が高く、200℃以上の加熱に耐える。また耐薬品性、機械的強度が高く、金属との接着力が高い。また、分極性電極の結着剤として耐熱性が高いが同時に撥水性の高いフッ素樹脂を用いた場合でも、分極性電極との接着性、接合性が高い。この様な導電性接着剤を用いることにより、活性炭を主体とする分極性電極と集電体とを接着後、分極性電極の脱水及び表面官能基の除去に必要な200℃以上の高温で加熱乾燥しても導電性接着剤層の分解劣化がほとんど無く、強い接合力を維持できる。その結果、水分や表面官能基が十分小さく、且つ集電体との接合力が強く維持された分極性電極が得られるので、内部抵抗が小さく充放電特性に優れると共に、充放電の繰り返しや高電圧によるフローティング充電による内部抵抗の増加や容量の低下が小さく、長期的な信頼性の高い電気二重層キャパシタが得られる。
また、結着剤としてフッ素樹脂を用い、200℃以上の温度で加熱乾燥した分極性電極と、電解質溶媒としてスルホランまたはその誘導体を含有する非水電解質とを組み合わせて用いることにより、充放電特性に優れると共に、3V以上の高電圧の連続印加による容量低下や内部抵抗の増大等の劣化が小さく耐電圧が高く寿命の長い電気二重層キャパシタが得られる。
本発明に用いる分極性電極は、活性炭を粉砕した粉末、微粒子または微細な繊維状粉体とし、これに電子導電性を付与する導電助剤と結着性を高めるバインダ成分(結着剤)を混合した合剤とし、金型によるプレス成形やロールプレスによりシート状に圧延成形後裁断もしくは打ち抜く等により、予め所定形状に成形した電極体として用いる。導電助剤としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや黒鉛等の炭素質材料やNi、Ti等の耐蝕性の高い金属粉末等を用いることが出来る。結着剤としては、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性高分子や高分子エラストマ等の樹脂が用いられる。特にPTFE等のフッ素樹脂は200℃以上の高温での加熱乾燥でも分解劣化が少なく好ましい結着剤である。
本発明においては、この様にして予め所定形状に成形した電極体を、フェノール樹脂を主体とするバインダ成分と炭素質材からなる導電性フィラー成分と溶剤を含有する炭素系導電性接着剤を用いて、集電体に接着固定した後、200℃以上の温度で加熱乾燥し、分極性電極の脱水乾燥及び官能基の除去をすると共に導電性接着剤層を乾燥・硬化して、分極性電極と集電体とを一体接合したものを用いる。
フェノール樹脂はヒドロキシ基を有するベンゼン環が−CH2−結合で連なった三次元網目構造を有し、耐熱性が高く、200℃以上の耐熱性を有する。特に200〜300℃の加熱に対しては数時間以上の連続加熱でも劣化が小さい。本発明の電気二重層キャパシタに用いる導電性接着剤は、バインダ成分としてこの様なフェノール樹脂を用いる。特に自己反応性の官能基を有し、硬化剤が不要で加熱硬化可能な液状のフェノール樹脂であるレゾール樹脂タイプが取り扱い性に優れ、特に好ましい。導電性フィラーとしては、電気化学的に安定性が高く電子導電性の高い、黒鉛やアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等々の炭素質材を用い、これらのバインダ成分と導電性フィラー成分とをトルエン、アセトンやアルコール等の有機溶剤もしくは水等の溶剤に溶解もしくは分散して得られる。フェノール樹脂成分と導電性フィラー成分の割合は両者の合計に対しフェノール樹脂が10〜90wt%含有されることが好ましい。10wt%以下では乾燥硬化後の電極や集電体との接合力が弱く、搬送やセルの組み立て時の機械的衝撃や振動及び曲げ加工等により電極と集電体が剥がれ易い等があり、実用電極に必要十分な機械的強度と接合力が得られない。またフェノール樹脂が90wt%以上では導電性フィラーの割合が少な過ぎ、十分な電子導電性が得られない。より好ましくは、導電性フィラー成分の割合が20wt%以上であり、且つフェノール樹脂が20wt%以上となる範囲(フェノール樹脂が20〜80wt%)が、接合力と電子導電性の両面から特に好ましい。また、溶剤の量は、導電性接着剤の塗布方法に合わせて適度な粘度が得られる量に設定すればよい。例えば、金属箔或いは板上の集電体上にドクターブレード法やはけ塗り法で塗布する場合には、20〜500poise等の粘度が好ましい。
この様なバインダ成分としてフェノール樹脂を用いた導電性接着剤は、基本的に一液性の熱硬化型の接着剤であり作業性に優れ、且つ耐熱性が高く、200〜400℃の加熱に耐える。また加熱硬化後の耐薬品性、機械的強度が高く、金属との接着力が高い。更に、分極性電極の結着剤成分として耐熱性が高いが同時に撥水性の高いフッ素樹脂を用いた場合でも、分極性電極との接着性、接合性が高い。
加熱乾燥温度としては分極性電極中の活性炭の脱水及び表面官能基の除去に必要な200℃以上であり、導電性接着剤及び分極性電極のバインダ成分の分解劣化に依る接合強度の低下が顕著にならない350℃以下、より好ましくは300℃以下が良い。乾燥雰囲気は減圧下、不活性雰囲気中、乾燥空気中等が可能であるが、250℃以上の長時間加熱では減圧下が好ましい。
集電体としては、セルの構造や形態によっても異なるが、電気化学的な耐蝕性の高いアルミニウムやチタン等の弁作用金属、SUS304、SUS430、SUS316等のステンレス鋼等の金属からなる箔、板やメッシュ等や炭素質材料を樹脂バインダーに混合分散した導電性シートや板等々が用いられる。コイン形のセルの場合には、図1に示される様に、正極ケース6や負極ケース1等のセル容器が集電体とリード端子を兼ねており、分極性電極はこの集電体を兼ねる正・負極ケースに導電性接着剤で接合される。集電体がセル容器を兼ねるので、機械的強度が必要であり、ステンレス鋼やアルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼とアルミニウムとのクラッド材等々の金属板が好ましい。特に、正極集電体を兼ねる正極ケース6としては、前述の様に、2.8V以上の高電圧連続印加によってアノード溶解や腐食劣化を発生し難い安定な金属材料を用いる。特にSUS316、316Lや二層ステンレス等のMo含有ステンレス鋼やAl、Ti等の弁作用金属が耐食性が高く好適に用いることが出来る。また、ステンレス鋼とAiやTi等の弁作用金属を冷間圧延等で圧着接合して貼り合せたクラッド材を、弁作用金属側をセルの内側面にして用いると、高電圧印加に対する耐食性が高く、且つ封口時の機械的強度が高く、封口の信頼性の高いセルが得られるので特に好ましい。 シート状の正・負電極体をセパレータを介して捲回もしくは積層した発電ユニットを用いる円筒形、角形のセルあるいは金属箔と高分子フィルムのラミネートフィルムを外装体として熱融着により発電要素を封止するフィルムパックセル等々に於いては、集電体は数十μ程度の薄膜且つ大面積で、曲げ等の柔軟性が必要であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金が特に好適である。
分極性電極に用いる活性炭には、出発材料と炭化処理法及び賦活条件により種々多様な細孔分布と表面状態のものが得られる。このような多様な表面状態及び細孔分布を有する活性炭の中で、好ましくは比表面積が1500m2/g以上、細孔容積が0.5cc/g以上である活性炭、より好ましくは比表面積が1700m2/g以上且つ2300m2/g以下、細孔容積が0.7cc/g以上且つ1.1以下である活性炭を用いた場合に、電気二重層キャパシタの体積当り静電容量が大きく、特に好ましい。
この様な分極性電極にはセルケース内に収納後または予め収納前にイオン導電性の非水電解質2が含浸吸蔵される。非水電解質2としては、溶媒としてγ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルフォーメイト、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジメチルフォルムアミド、アセトニトリル、スルホランまたはその誘導体等の有機溶媒の1種またはそれらの混合溶媒を用いる。この様な有機溶媒に支持電解質として(C254NBF4、(C254NPF4、(C254NClO4、(C253CHNBF4、(CH4NBF4等のテトラアルキルアンモニウム塩やアルキレン基を有する4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、これらのアルキル基やアルキレン基のHの一部または全部がF等のハロゲンに置換されたハロゲン化アンモニウム塩等のオニウム塩等々からなるイオン解離性塩を溶解した非水(有機)電解液を用いる。これらの支持電解質の中で、テトラアルキルアンモニウム塩やアルキレン基を有する4級アンモニウム塩が有機溶媒に対する溶解度が高く、且つ化学的、電気化学的に安定で有り好ましい。特に、(C254NBF4、(C253CHNBF4、(CH4NBF4等のテトラアルキルアンモニウムテトラフルオロボレートが化学的且つ充放電サイクルや3V以上の高電圧の連続印加等に対して安定で有り特に好ましい。またこれらの非水電解質を高吸液性多孔質高分子や無機物質に含浸吸蔵させたゲル状電解質を用いることも出来る。更に、スルホランは誘電率が大きく上記の支持電解質塩の溶解度が高いが、融点が約28℃と高く、低温でイオン導電性が低く且つ凝固し易いため、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネートや1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等々の低沸点低凝固点で粘性の低い溶媒を混合することが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例は、本発明による電気二重層キャパシタとして、図1の基本構造による直径4.8mm、厚さ1.4mmのコイン形電気二重層キャパシタを構成した例である。一対の分極性電極3、5を次のようにして作製した。分極性電極の活物質として、フェノール樹脂を炭化賦活して得られた比表面積2080m2/g、細孔容積0.88cc/gであり平均粒径12μmに粉砕整粒された活性炭を用いた。この活性炭粉末と導電助剤としてアセチレンブラックを、結着剤としてポリテトタフロロエチレン(PTFE)を重量比で80:10:10の割合で混合混練して電極合剤とし、これを金型に充填し厚さ0.55mm、直径2.5mmのペレットに加圧成形した。次に、バインダ成分としてフェノール樹脂80重量部と導電性フィラーとして黒鉛粉末20重量部を乾燥後固形分が55%となるようにアルコールで溶解・分散した導電性接着剤を正極集電体を兼ねる正極ケース6及び負極集電体を兼ねる負極ケース1の内面底部に塗布し、塗布部にこの電極ペレットを載せ加圧して接着固定し、表1に示す様に150〜350℃の各温度で8時間、減圧加熱乾燥したものをそれぞれ分極性電極5及び分極性電極3として用いた。電解質にはスルホラン(SL)とジメチルカーボネート(DMC)の体積比70:30混合溶媒に1モル/lの(C253CHNBF4を溶解した有機電解液を用いた。これらの電極間に直径4mmに打ち抜いたガラス繊維の不織布からなるセパレータ4を介在させ、前記の非水電解質を前記正負一対の分極性電極に含浸させ、外側片面をNiメッキしたステンレス鋼製の板を絞り加工した正極ケース6と負極ケース1の間にポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)を主体とするガスケット7をかん合し、正極ケースの開口縁をカシメて密封封止して、図1に示すコイン形電気二重層キャパシタを作製した。得られたセルを分極性電極の加熱乾燥温度により、H1(150℃)、A1(200℃)、A2(250℃)、A3(300℃)、A4(350℃)と表記する。
(比較例1)
バインダ成分としてPVA又はCMCを用い、溶剤として水を用い、実施例1と同様にして従来例による導電性接着剤を作製した。これらの導電性接着剤を用いて実施例1と同様な分極性電極を正極ケース及び負極ケースに接着固定し、それぞれ120℃の温度で8時間、減圧加熱乾燥したものをそれぞれ分極性電極5及び分極性電極3として用いた以外は、全て実施例1と同様にして同様なコイン形電気二重層キャパシタを作製した。得られたセルを導電性接着剤のバインダ成分により、H2(PVA)、H3(CMC)と表記する。このようにして作製した本発明による実施例及び比較例のセル(コイン形電気二重層キャパシタ)について、予備過熱温度150℃で90秒、ピーク温度260℃で5秒以内、且つ200℃以上の本加熱温度50秒間に設定したリフロー炉を3回通し、模擬的なリフローハンダ付け時の熱衝撃を加えた後、初期の交流法1kHzの内部抵抗と静電容量を測定した。静電容量の測定は、0.1mAの定電流でセル電圧が3.3Vに達するまで定電流充電し、その後3.3Vの定電圧でトータル1時間充電する定電流−定電圧法により満充電し、次に20μAの定電流でセル電圧が2.0Vに達するまで放電し、セル電圧3.0Vと2.0Vの放電電気量を測定し、この放電電気量と電圧差から換算する定電流放電法を用いた。また、これらのセルの耐電圧特性の比較のため、温度60℃の高温雰囲気中、2kΩの電流制限抵抗を介して3.3Vの充電電圧を40日間連続印加した後、上記の初期と同様な静電容量と内部抵抗を測定した。

(実施例2)
本実施例は、本発明をラミネートフィルム外装体を用いた平板型セルに適用し、図2及び図3の基本構造による電気二重層キャパシタを構成した例である。
活性炭粉末と導電助剤としてカーボンブラックを結着剤としてポリテトラフロロエチレン(PTFE)を混合混錬し、ロール圧延成形して厚さ100μm、幅50mmの帯状電極シートを作製した。この電極シートを実施例1と同じフェノール樹脂をバインダ成分とする導電性接着剤により厚さ40μmの硬質アルミニウム箔からなる正極集電体13、負極集電体14の片面に、サイドに28mmずつの露出部分を残して接着し積層一体化した後、表2に示す様に150〜300℃の各温度で8時間、減圧加熱乾燥した。次に、露出部に厚さ70μm、幅4mmのアルミニウム板からなる金属リードを超音波溶接により接合し、電極積層部が幅50mm、長さ90mmになるように切断して、正極11と負極12からなる一対の分極性電極と正極集電体13、負極集電体14の積層体を作製した。この一対の電極と集電体の積層体を、電極形成面を対向させて、間にセパレータを介して積層したものを幅28mm、厚さ2mmの平板状の巻芯を用いて捲回した後、荷重4kg/cm2でプレスして一対の電極体とした。
外装体18はアルミニウム箔の外側面にポリエステル、内側面にポリプロピレンを接着ラミネートした厚さ約110μmの絶縁性ラミネートフィルムを用い、ポリプロピレン層を内側面として袋状に折り重ねた。次に、上記の一対の電極体をその正極金属リード15、負極金属リード16が外装フィルムの折り返し辺に対向する側になるように収納し、折り返し辺に対向する開口辺の封止部から金属リードを引き出して収納した。先ず外装体周縁3辺の開口部のうち正極金属リード15、負極金属リード16を引き出した辺とそれに直交する辺の周縁部をヒートシール(加圧熱融着)した。次に、外装フィルムの折り返し辺に直交するもう一方の開口部辺から、プロピレンカーボネートに1mol/lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを溶解した電解液を注入し、減圧して電解液を電極及びセパレータに含浸した後、開口部周縁部をヒートシールして密封封止し、本実施例の電気化学セルを作製した。尚、正極金属リード15、負極金属リード16には、上記のヒートシールに際して外装体の封止部に該当する部分に、外装体に収納する前に予め、金属リードと接する側が酸変性処理されたポリプロピレンであり外装体フィルムと接する側がポリプロピレンである厚さ100μ、幅5mmの樹脂(封止剤19)を熱接着してあり、ヒートシールにおいて金属リードと外装体内側面のポリプロピレンフィルム層の間に酸変性ポリプロリレンを介在させた。得られたセルを分極性電極の加熱乾燥温度により、R1(150℃)、B1(200℃)、B2(250℃)、B3(300℃)、B4(350℃)と表記する。
(比較例2)
バインダ成分としてPVA及びCMCを用い、溶剤として水を用いた他は実施例1と同様にして従来法による導電性接着剤を作製した。これらの導電性接着剤を用いて実施例2と同様な分極性電極を正極集電体及び負極集電体に接着固定し、それぞれ120℃の温度で8時間、減圧加熱乾燥したものをそれぞれ正極11及び負極12として用いた以外は、全て実施例2と同様にして同様な平板型電気二重層キャパシタを作製した。得られたセルを導電性接着剤のバインダ成分により、R2(PVA)、R3(CMC)と表記する。
このようにして作製した本発明による実施例及び比較例のセル(平板型電気二重層キャパシタ)について、2.5A、3.3Vの定電流−定電圧法で8分間充電し、500mAで1Vまで放電する充放電を5000サイクル行い、サイクル前後の内部抵抗と静電容量を測定した。これらの結果を表2に示す。
表1に示す結果から、導電性接着剤としてフェノール樹脂を主体とするバインダ成分を含有する炭素系導電性接着剤を用いて、分極性電極を集電体に接着固定し、200℃以上の温度で熱処理乾燥すると共に導電性接着剤層を硬化して、分極性電極と集電体とを一体接合したものを用いた本発明に依る電気二重層キャパシタA1〜A4の場合には、従来のバインダ成分を用い、熱処理乾燥温度が200℃未満の従来法による比較例H2、H3及びバインダ成分としてフェノール樹脂を用いたが熱処理乾燥温度が200℃未満の比較例H1に比べ、高温(60℃)での高電圧3.3Vによるフローティング充電後の内部抵抗の増加が小さく且つ容量維持率が高く、長期安定性に優れることが分かる。特に加熱乾燥温度250〜350℃に於いて容量維持率が高く、安定性が高いことが分かる。
同様に表2に示す結果から、充放電の繰り返し(サイクル)に於いても、本発明によるキャパシタは従来例に比べ内部抵抗の増加が小さく且つ容量維持率が高い。充放電サイクルによる劣化が小さく、安定性に優れることが分かる。
本発明実施例のコイン形電気二重層キャパシタの構造を示す断面図である。 本発明実施例の平板型電気二重層キャパシタの構造を示す断面図である。 本発明実施例の平板型電気二重層キャパシタの構造を示す平面図である。
符号の説明
1 負極ケース
2 非水電解質
3 分極性電極
4 セパレータ
5 分極性電極
6 正極ケース
7 ガスケット
11 正極
12 負極
13 正極集電体
14 負極集電体
15 正極金属リード
16 負極金属リード
17 セパレータ
18 外装体
19 封止剤

Claims (3)

  1. 分極性電極と、導電性接着剤により前記分極性電極と一体に接合された集電体と、非水電解質とから少なくともなる電気二重層キャパシタにおいて、前記導電性接着剤がフェノール樹脂と、炭素質材と、溶剤とを含有する導電性接着剤であり、前記分極性電極を前記導電性接着剤により前記集電体に接着した後、200℃以上の温度で加熱乾燥すると共に前記導電性接着剤層を硬化して、前記分極性電極と前記集電体とを一体接合したものを用いたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 前記分極性電極が、活性炭と、炭素質材と、フッ素樹脂とを含有する成形体からなることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 前記非水電解質が、スルホランと、低粘度溶媒と、4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ。
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