JP2008210340A - シリンダヘッドの設計支援方法、シリンダヘッドの設計支援装置、及び、シリンダヘッドの設計支援プログラム - Google Patents

シリンダヘッドの設計支援方法、シリンダヘッドの設計支援装置、及び、シリンダヘッドの設計支援プログラム Download PDF

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Yasutomo Kusunoki
康友 楠
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孝之 山田
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Abstract

【課題】ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのエンジンタイプの差異に関わらず、設計効率や開発効率を向上させることができるシリンダヘッドの設計支援方法等を提供する。
【解決手段】本発明は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの2つのエンジンタイプの差異に関わらず共通の仕様となる部位(インジェクタ、動弁系等)を選択する共通部位選択ステップと、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのエンジンタイプで異なる仕様となる部位(燃焼室、吸気モート、プラグ挿入部)を単位として分け、これらの各部位から各エンジンタイプに応じて部位を選択する異部位選択ステップと、共通部位選択ステップにおいて選択された部位及び異部位選択ステップにおいて選択された部位に基づいてガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのシリンダヘッドモデルを設定するシリンダヘッドモデル設定ステップと、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、シリンダヘッドの設計支援方法、シリンダヘッドの設計支援装置、及び、シリンダヘッドの設計支援プログラムに関する。
従来から、例えば、特許文献1に示すように、エンジンの各種の部品を設計する際、3次元CADソフト等を用いて、設計時間や設計コストを低減させることが行われている。
例えば、ガソリンエンジンのシリンダヘッドを設計する場合には、シリンダヘッドを燃焼室、吸気ポート、排気ポート等の部品(部位)に分け、各部品(部位)毎にその形状や加工形状が3次元CADソフトを用いて計算され、シリンダヘッドの種々の形態がディスプレイ上で表示されていた。
特開2006‐79184号公報
ここで、上述した従来の技術において、ガソリンエンジンのシリンダヘッドの設計を行う場合には、ガソリンエンジン固有の設計計算がなされ、一方、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドの設計を行う場合には、ガソリンエンジンとは別に、それ固有の設計計算がなされていた。
しかしながら、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのようにエンジンのタイプが異なっていても、シリンダヘッド自体では、共通の部品も多く、互いに別々に設計していたのでは、設計効率や開発効率も悪いため、これらの設計効率や開発効率を向上させる必要がある。
そこで、本発明は、従来からの要請を満たすためになされたものであり、3次元CADソフト等を用いてシリンダヘッドを設計する際、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのエンジンタイプの差異に関わらず、設計効率や開発効率を向上させることができるシリンダヘッドの設計支援方法、シリンダヘッドの設計支援装置、及び、シリンダヘッドの設計支援プログラムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の第1発明は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのシリンダヘッドの設計支援を行うシリンダヘッドの設計支援方法であって、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの2つのエンジンタイプの差異に関わらず共通の仕様となる部位を選択する共通部位選択ステップと、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのエンジンタイプで異なる仕様となる部位を単位として分け、これらの各部位から各エンジンタイプに応じて部位を選択する異部位選択ステップと、共通部位選択ステップにおいて選択された部位及び異部位選択ステップにおいて選択された部位に基づいてガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのシリンダヘッドモデルを設定するシリンダヘッドモデル設定ステップと、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンのシリンダヘッドの大半の部位(部品)に対しては共通のテンプレートを使用できると共に、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとで仕様が異なる部位のみをエンジンタイプに応じて選択することにより、各エンジンタイプに応じたテンプレートが設定でき、それにより、設計効率及び開発効率を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、異部位選択ステップにおいて、各エンジンタイプに応じて、燃焼室、吸気ポート及びプラグ挿入部を選択する。
このように構成された本発明によれば、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとで異なる仕様となる燃焼室、吸気ポート及びプラグ挿入部が、各エンジンタイプに応じて選択可能とされているので、各エンジンタイプに応じたシリンダヘッドテンプレート設定を適切に行うことができる。
本発明は、好ましくは、更に、ガソリンエンジンの場合は、共通部位選択ステップ及び異部位選択ステップで選択された複数の部位のうち、所定部位の諸元値変更が行われた場合、この所定部位に関連する他の部位の関連諸元値も連動して変更し、且つ、ディーゼルエンジンの場合は、所定部位に関連する他の部位の関連諸元値を連動して変更することを中止する関連諸元変更ステップと、を有する。
このように構成された本発明によれば、ガソリンエンジンの場合は、所定部位の諸元値変更が行われた場合、この所定部位に関連する他の部位の関連諸元値も連動して変更するようにしているが、ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、連動して諸元値を変更する必要が無い部位もあるので、このような場合には、所定部位に関連する他の部位の関連諸元値を連動して変更することを中止することにより、不適切なテンプレートになることを防止し、不適切な連動した諸元値変更を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、関連諸元変更ステップは、ガソリンエンジンの場合は、吸気バルブの挟み角と吸気ポートの傾斜角を連動して変更し、ディーゼルエンジンの場合は、吸気バルブの挟み角と吸気ポートの傾斜角を連動して変更することを中止する。
このように構成した本発明においては、吸気バルブの挟み角と吸気ポートの傾斜角について、各エンジンタイプに応じた適切なテンプレートを設定することができる。
本発明の第2発明は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのシリンダヘッドの設計支援を行うシリンダヘッドの設計支援装置であって、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの2つのエンジンタイプの差異に関わらず共通の仕様となる部位を選択する共通部位選択手段と、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのエンジンタイプで異なる仕様となる部位を単位として分け、これらの各部位から各エンジンタイプに応じて部位を選択する異部位選択手段と、共通部位選択手段により選択された部位及び異部位選択手段により選択された部位に基づいてガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのシリンダヘッドモデルを設定するシリンダヘッドモデル設定手段と、を有することを特徴としている。
本発明の第3発明は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのシリンダヘッドの設計支援を行うコンピュータのためのシリンダヘッドの設計プログラムであって、
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの2つのエンジンタイプの差異に関わらず共通の仕様となる部位を選択させ、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのエンジンタイプで異なる仕様となる部位を単位として分け、これらの各部位から各エンジンタイプに応じて部位を選択させ、選択された共通の仕様となる部位及び選択された異なる仕様となる部位に基づいてガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのシリンダヘッドモデルを設定させるように、コンピュータを制御するシリンダヘッドの設計支援プログラムである。
本発明のシリンダヘッドの設計支援方法、シリンダヘッドの設計支援装置、及び、シリンダヘッドの設計支援プログラムによれば、3次元CADソフト等を用いてシリンダヘッドを設計する際、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのエンジンタイプの差異に関わらず、設計効率や開発効率を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるシリンダヘッドの設計支援システム(シリンダヘッドの設計支援方法、シリンダヘッドの設計支援装置、及び、シリンダヘッドの設計支援用プログラムを含む)を説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムにより設計支援されるガソリンエンジン及びディーゼルエンジンのそれぞれのシリンダヘッドの構造を説明する。図1は本発明の実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムにより設計支援されるガソリンエンジンのシリンダヘッドの構造の一例を示す断面図であり、図2は本発明の実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムにより設計支援されるディーゼルエンジンのシリンダヘッドの構造の一例を示す断面図である。
先ず、図1により、ガソリンエンジンのシリンダヘッドの基本構造を説明する。図1に示すように、ガソリンエンジンのシリンダヘッド1は、ヘッド本体2を有し、このヘッド本体2には、吸気ポート6及び排気ポート4が形成されており、また、その底面には、燃焼室8が形成されている。
また、吸気ポート6及び排気ポート4には、吸気バルブ10及び排気バルブ12が開閉可能に取り付けられるようになっている。
さらに、燃焼室8の頂部には、点火プラグ14が取り付られ、また、吸気ポート6の下流端近傍部には、燃料噴射用のインジェクタ(図示せず)が取り付けられている。
次に、図2により、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドの基本構造を説明する。図2に示すように、ガソリンエンジンのシリンダヘッド21は、同様に、ヘッド本体22を有し、このヘッド本体22には、吸気ポート24及び排気ポート26が形成されている。なお、ディーゼルエンジンでは、燃焼室28は、シリダンヘッド21には存在せず、シリンダの頂部に形成されている。
また、同様に、吸気ポート24及び排気ポート26には、吸気バルブ30及び排気バルブ32が開閉可能に取り付けられるようになっている。
さらに、ヘッド本体22の燃焼室28の近傍には、燃焼室28を予熱するためのグローープラグ(図示せず)が取り付られ、また、燃焼室28のほぼ中央部に対向する位置に、燃料噴射用のインジェクタ34が取り付けられている。
次に、図3により、本実施形態によるシリンダヘッドの設計支援システムを説明する。図3は、本発明の実施形態によるシリンダヘッドの支援システムを示す概略構成図である。
図3に示すように、シリンダヘッドの設計支援システム40は、設計支援サーバ42と、データベース44と、流体解析サーバ46とから構成され、これらは、ネットワーク48により互いに接続されている。
設計支援サーバ42は、CPU50、ROM52、RAM54、HD56、入出力インターフェイス(I/O)58、画像処理部60及び通信部62をその本体に備え、それぞれが、バス64により互いに接続されている。また、本体外部には、入力デバイス66及びディスプレイ68が設けられており、それぞれ、入出力インターフェイス58及び画像処理部60に接続されている。
ここで、CPU50は、設計支援サーバ42全体を制御する演算・制御用のプロセッサである。ROM52は、CPU50で実行するプログラムや固定値等を格納するための不揮発性メモリーである。RAM54は、データやプログラムを一時的に記憶するための揮発性メモリーである。HD56は、設計支援サーバ42で実行するOS及び3次元CADプログラムを格納した記憶媒体である。
入力デバイス66は、命令やデータ(緒元値等)を入力するキーボード等であり、ディスプレイ68は、CPU50からの制御命令に基づき画像処理部60で演算処理される3次元CADデータ(燃焼室の形状等の画像データ)を出力する液晶ディスプレイ等のデバイスである。画像処理部60は、このディスプレイ68に表示するための画像データを演算処理するユニットである。通信部62は、ネットワーク48を介してデータベース44や流体解析サーバ46との間でデータを送受信するためのユニットである。
流体解析サーバ46は、設計支援サーバ22とほぼ同じハードウエア構成をしており、そのHDには、流体解析プログラムが格納され、CPUがその流体解析プログラムを実行するようになっている。
図4は、本発明の実施形態によるシリンダヘッドの支援システムのデータベースに格納(記憶)された各種データを示す図である。
図4に示すように、データベース44には、ガソリンエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ70、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ72、ガソリンエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ74、及び、ディーゼルエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ76等が格納されている。
ここで、ガソリンエンジンのシリダンヘッドモデル作成用部位モデルデータ70は、設計者が3次元CADプログラムを用いて設計する際に使用する各部位のパラメータ(テンプレート)等が格納されている。
本実施形態では、ガソリンエンジンのシリダンヘッドは、14種類の個別部位に分かれており、それに対応して、部位モデルデータも、図4に示すように、燃焼室モデルデータ70a、プラグ挿入部モデルデータ70b、吸気ポートモデルデータ70c、インジェクターモデルデータ70d、動弁系モデルデータ70e、排気ポートモデル70f、ヘッドボルトモデルデータ70g、ヘッドカバー合わせモデルデータ70h、前合わせ面モデルデータ70i、後合わせ面モデルデータ70j、右吸排気合わせ面モデルデータ70k、左吸排気合わせ面モデルデータ70l、ウオータジャケットモデルデータ70m、オイルジャケット(オイルデッキ)モデルデータ70nが格納されている。
また、本実施形態では、ディーゼルエンジンのシリダンヘッドも、ガソリンエンジンと同様に、14種類の個別部位に分かれている。しかしながら、本実施形態では、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドにおいて、プラグ挿入部モデルデータ72b、吸気ポートモデルデータ72cの2種類の部位のモデルデータは、ガソリンエンジンのシリンダヘッドとは異なるので、ガソリンエンジンのものとは別の部位モデルデータを作成するようにしている。なお、ディーゼルエンジンでは、シリンダヘッドに燃焼室は存在しないので、燃焼室モデルのデータは格納されていない。
一方、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドにおいて、残りの部位のモデルデータは、ガソリンエンジンのシリンダヘッドの対応する部位モデルデータ、即ち、インジェクターモデルデータ70d、動弁系モデルデータ70e、排気ポートモデル70f、ヘッドボルトモデルデータ70g、ヘッドカバー合わせモデルデータ70h、前合わせ面モデルデータ70i、後合わせ面モデルデータ70j、右吸排気合わせ面モデルデータ70k、左吸排気合わせ面モデルデータ70l、ウオータジャケットモデルデータ70m、オイルジャケット(オイルデッキ)モデルデータ70nと同じであるとして、これらのガソリンエンジンのシリダンヘッドの各部位のモデルのデータを共通のモデルデータとして使用するようになっている。
このため、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド作成用モデルデータ72は、プラグ挿入部モデルデータ72b、吸気ポートモデルデータ72cの2種類の部位のモデルデータのみが格納されている。
図4に示すように、データベース44には、更に、上述したガソリンエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ70、及び、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ72から作成したガソリンエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ74、及び、ディーゼルエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ76も、格納されている。
次に、図5乃至図10により、本実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムによるガソリンエンジン及びディーゼルエンジンのそれぞれのシリンダヘッドモデルの3D形状データの生成について説明する。
図5は、本実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムによる設計支援処理を示すフローチャートである。この図5において、Sは、各ステップを示している。
先ず、S1では、図4に示すガソリンエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ70、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ72における各部位モデル(具体的には、部位モデルデータ70a,70b,70c,70d,70e,70f,70g,70h,70i,70j,70k,70l,70m,70n,72a,72b,72c)毎に、各パラメータ(テンプレート)に諸元値を入力する。
ここで、あるパラメータを複数の部位モデルが共有する場合には、1つの部位モデルに諸元値が入力されると、他の部位モデルでも自動的に同じ値の諸元値が入力されるようになっている。また、複数の特定の諸元値が一定の関係を有する場合には、それらの関係が予め入力されており、一方の諸元値が入力されると、他方の諸元値も自動的に入力されるようになっている。
次に、S2に進み、緒元値の入力が完了したか否かを判定し、完了していない場合には、S1に戻り、完了している場合には、S3に進む。
S3においては、設計するシリンダヘッドのエンジンのタイプが、ガソリンエンジンがディーゼルエンジンかを判定し、ガソリンエンジンの場合には、S4及びS6に進む。
このとき、設計者は、CAD画面を切替えて、ガソリンエンジンのシリンダヘッド設計用の画面に切替える必要がある。具体的には、図6に示す「連動有り=1」を選択すれば、ガソリンエンジンのシリンダヘッド設計用のCAD画面となり、「連動無し=2」を選択すれば、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド設計用のCAD画面となる。
S4においては、ガソリンエンジンのシリンダヘッドの3D形状データを生成するために、先ず、燃焼室モデルデータ70a、プラグ挿入部モデルデータ70b、吸気ポートモデルデータ70c、インジェクターモデルデータ70d、動弁系モデルデータ70e、排気ポートモデル70f、ヘッドボルトモデルデータ70gを用いて、「燃焼室モデル」、「プラグ挿入部モデル」、「吸気ポートモデル」、「インジェクターモデル」、「動弁系モデル」、「排気ポートモデル」、「ヘッドボルトモデル」のそれぞれの3D形状データを生成する。
このS4の内容を図7により具体的に説明する。図7は、本実施形態のシリンダヘッド設計支援システムにおけるガソリンエンジン設計の際の設計支援方法を示すフローチャートである。先ず、そのレイアウト及び形状を検討して「燃焼室モデル」を生成する。次に、ガソリンエンジンの場合には、プラグ挿入部としてプラグホールを選択すると共にその形状を検討して「プラグホールモデル」を生成する。次に、タイプ切替え(ガソリンエンジンへの切替え)を行うと共にコモンポートか独立ポートを設定し、さらに、吸気モートモデルの形状を検討して、「吸気ポートモデル」を生成する。次に、そのレイアウト及び形状を検討して「インジェクターモデル」を生成する。次に、そのレイアウト及び形状を検討して「動弁系モデル」を生成する。次に、そのレイアウト及び形状を検討して「排気ポートモデル」を生成する。最後に、そのレイアウト及び形状を検討して「ヘッドボルトモデル」を生成する。
次に、S5に進み、S4で生成した部位モデルから、図7に示すような、「1気筒モデル」の3D形状モデルを生成する。
ここで、S3において、ガソリンエンジンと判定された場合には、S6にも進む。S6においては、シリンダヘッドの残りの部位のモデルである、ヘッドカバー合わせモデルデータ70h、前合わせ面モデルデータ70i、後合わせ面モデルデータ70j、右吸排気合わせ面モデルデータ70k、左吸排気合わせ面モデルデータ70l、ウオータジャケットモデルデータ70m、オイルジャケット(オイルデッキ)モデルデータ70nを用いて、「ヘッドカバー合わせモデル」、「前合わせ面モデル」、「後合わせ面モデル」、「吸気合わせ面モデル」、「排気合わせ面モデル」、「ウオータジャケットモデル」、「オイルジャケット(オイルデッキ)モデル」のそれぞれの3D形状データを生成する。
このS6の内容を図7により具体的に説明する。先ず、タイプ切替え(ガソリンエンジンへの切替え)を行い、そのレイアウト及び形状を検討して「ヘッドカバー合わせモデル」を生成する。次に、そのレイアウト及び形状を検討して「前合わせ面モデル」を生成する。同様に、「後合わせ面モデル」を生成する。次に、そのレイアウト及び形状を検討して「吸気合わせ面モデル」を生成しる。同様に、「排気合わせ面モデル」を生成する。次に、その形状を検討して「ウオータジャケットモデル」を生成する。再度に、その形状を検討して「オイルジャケット(ミドルデッキ)モデル」を生成する。
次に、S7に進み、S5で生成した1気筒モデルとS7で生成した各部位モデルを加算して、4気筒モデルの3D形状モデル(図7参照)を生成する。
次に、S8に進み、S1において入力した諸元値のうち、変更すべき諸元値があるか否かを判定する。諸元値を変更する場合には、S1に戻り、変更された諸元値を入力し、S2を経て、諸元値の入力(変更)が完了する。
このとき、1つの部位モデルに諸元値が変更されると、他の部位モデルでも自動的に同じ値の諸元値が変更されるようになっている。また、複数の特定の諸元値が一定の関係を有する場合には、それらの関係が予め入力されており、一方の諸元値が変更されると、他方の諸元値も自動的に変更されるようになっている。
具体的には、図8に示すように、動弁系のバルブ挟角80の諸元値が変更されると、これに関連して、自動的に、吸気ポート6の傾斜角82と、燃焼室8の挟角84が変更される。
この後、S3を経て、S4〜S6において、同様なプロセスが実行され、S8において、4気筒モデルの3D形状モデルが生成される。
次に、S8において、諸元値変更がないと判定された場合には、S9に進み、ガソリンエンジンの完成シリンダヘッドモデルの3D形状モデルが生成され、さらに、この完成シリンダヘッドモデルの3D形状モデルは、図4に示すガソリンエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ74に記憶される。
次に、S3において、ディーゼルエンジンであると判定された場合には、S10及びS11に進む。このとき、上述したように、設計者は、図6に示すように、「連動無し=2」を選択し、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド設計用のCAD画面となる。
S10においては、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドの3D形状データを生成するために、先ず、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド作成用部位モデルデータ72に格納されている、プラグ挿入部モデルデータ72b、吸気ポートモデルデータ72cを用いて、「プラグ挿入部モデル」、「吸気モデル」のそれぞれの3D形状データを生成する。次に、他の部位モデルに関しては、ガソリンエンジンのシリンダヘッド作成用部位モデルデータ70に格納されている、インジェクターモデルデータ70d、動弁系モデルデータ70e、排気ポートモデル70f、ヘッドボルトモデルデータ70gを用いて、「インジェクターモデル」、「動弁系モデル」、「排気ポートモデル」、「ヘッドボルトモデル」のそれぞれの3D形状データを生成する。
このS10の内容を図9により具体的に説明する。ここでは、図7と異なる部分のみ説明する。先ず、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドには燃焼室が存在しないので、燃焼室モデルの非表示を選択する。次に、ディーゼルエンジンの場合には、プラグ挿入部として「グロープラグ」を選択すると共にその形状を検討して「グロープラグモデル」を生成する。他は同じである。
次に、S11に進み、S10で生成した部位モデルから、図9に示すような、1気筒モデルの3D形状モデルを生成する。
ここで、S3において、ディーゼルエンジンと判定された場合には、S12にも進む。S12においては、シリンダヘッドの残りの部位のモデルの3D形状データを生成する。ここで、これらの部位のモデルの生成に関しては、ガソリンエンジンのシリンダヘッド作成用部位モデルデータ70に格納されている、ヘッドカバー合わせモデルデータ70h、前合わせ面モデルデータ70i、後合わせ面モデルデータ70j、右吸排気合わせ面モデルデータ70k、左吸排気合わせ面モデルデータ70l、ウオータジャケットモデルデータ70m、オイルジャケット(オイルデッキ)モデルデータ70nを用いて、「ヘッドカバー合わせモデル」、「前合わせ面モデル」、「後合わせ面モデル」、「吸気合わせ面モデル」、「排気合わせ面モデル」、「ウオータジャケットモデル」、「オイルジャケット(オイルデッキ)モデル」のそれぞれの3D形状データを生成する。
このS12の内容は図9に示されており、図6の内容と同じであるため、説明は省略する。
次に、S13に進み、S11で生成した1気筒モデルとS12で生成した各部位モデルを加算して、4気筒モデルの3D形状モデル(図9参照)を生成する。
次に、S14に進み、S1において入力した諸元値のうち、変更すべき諸元値があるか否かを判定する。諸元値の変更有りと判定された場合には、S15に進み、その変更される諸元値が、所定の部位モデル、即ち、動弁系のバルブ挟角80に関係するものか否かを判定する。NOの場合には、S1に戻り、上述したガソリンエンジンの場合と同様に、変更された諸元値を入力し、S2を経て、諸元値の入力(変更)が完了する。
この後、S3を経て、S10〜S11において、同様なプロセスが実行され、S13において、4気筒モデルの3D形状モデルが生成される。
一方、S15において、YESの場合には、S16に進み、変更された諸元値(動弁系のバルブ挟角80)が入力される。このとき、1つの部位モデルに諸元値が変更されると、他の部位モデルでも自動的に同じ値の諸元値が入力されるようになっている。
しかしながら、ここで、注意すべきことは、図10に示すように、例えば、動弁系のバルブ挟角80の諸元値が変更されても、ガソリンエンジンのシリンダヘッドにおいては一定の関係にあった他の部位の諸元値(吸気ポートの傾斜角等)が連動して変更されない(変更が中止される)ようになっていることである。これは、ディーゼルエンジンにおいては、ガソリンエンジンと異なり、動弁系のバルブ挟角80と吸気ポートの傾斜角が一定の関係が無いからである。
この後、S3に戻り、次に、S10〜S11において、同様なプロセスが実行され、S13において、4気筒モデルの3D形状モデルが生成される。
次に、S14において、諸元値変更がないと判定された場合には、S17に進み、ディーゼルエンジンの完成シリンダヘッドモデルの3D形状モデルが生成され、さらに、この完成シリンダヘッドモデルの3D形状モデルは、図4に示すディーゼルエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ76に記憶される。
上述した本実施形態によれば、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンのシリンダヘッドの大半の部位(部品)に対しては共通のテンプレートを使用できると共に、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとで仕様が異なる部位モデルのみをエンジンタイプに応じて選択することにより、各エンジンタイプに応じたテンプレートが設定でき、それにより、設計効率及び開発効率を向上させることができる。
上述した本実施形態によれば、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとで異なる仕様となる燃焼室モデル、吸気ポートモデル及びプラグ挿入部モデルが、各エンジンタイプに応じて選択可能とされているので、各エンジンタイプに応じたシリンダヘッドテンプレート設定を適切に行うことができる。
上述した本実施形態によれば、ガソリンエンジンの場合は、動弁系モデルのバルブ挟角80の諸元値変更が行われた場合、この動弁系モデルに関連する他の部位である吸気モデルの傾斜角82や燃焼室の挟角84も連動して変更するようにしているが、ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、連動して諸元値を変更する必要が無い部位もあるので、このような場合には、このような連動した変更を中止することにより、不適切なテンプレートになることを防止し、不適切な連動した諸元値変更を抑制することができる。
本発明の実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムにより設計支援されるガソリンエンジンのシリンダヘッドの構造の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムにより設計支援されるディーゼルエンジンのシリンダヘッドの構造の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態によるシリンダヘッドの支援システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態によるシリンダヘッドの支援システムのデータベースに格納(記憶)された各種データを示す図である。 本発明の実施形態のシリンダヘッドの設計支援システムによる設計支援処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるシリンダヘッドの支援システムにおける、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの画面切替え用のシリンダヘッド設計用のCAD画面を示している。 本発明の実施形態のシリンダヘッド設計支援システムにおけるガソリンエンジン設計の際の設計支援方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のシリンダヘッド設計支援システムにおけるガソリンエンジン設計の際の「動弁系のバルブ挟角の諸元値」の変更による「吸気ポートの傾斜角の諸元値」と「燃焼室の挟角の諸元値」の連動による変更を示す図である。 本発明の実施形態のシリンダヘッド設計支援システムにおけるディーゼルエンジン設計の際の設計支援方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のシリンダヘッド設計支援システムにおけるディーゼルエンジン設計の際の「動弁系のバルブ挟角の諸元値」の変更による「吸気ポートの傾斜角の諸元値」の連動した変更を中止することを示す図である。
符号の説明
1 ガソリンエンジンのシリンダヘッド
2 ガソリンエンジンのヘッド本体
4 排気ポート
6 吸気ポート
8 燃焼室
10 吸気バルブ
12 排気バルブ
14 点火プラグ
21 ディーゼルエンジンのシリンダヘッド
22 ディーゼルエンジンのヘッド本体
24 吸気ポート
26 排気ポート
28 燃焼室
30 吸気バルブ
32 排気バルブ
34 インジェクタ
40 設計支援システム
42 設計支援サーバ
44 データベース
68 ディスプレイ
70 ガソリンエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ
72 ディーゼルエンジンのシリンダヘッド作成用部位(部品)モデルデータ
74 ガソリンエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ
76 ディーゼルエンジンの完成シリンダヘッドモデルデータ
80 動弁系のバルブ挟角
82 吸気ポートの傾斜角
84 燃焼室の挟角

Claims (6)

  1. ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのシリンダヘッドの設計支援を行うシリンダヘッドの設計支援方法であって、
    ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの2つのエンジンタイプの差異に関わらず共通の仕様となる部位を選択する共通部位選択ステップと、
    ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのエンジンタイプで異なる仕様となる部位を単位として分け、これらの各部位から各エンジンタイプに応じて部位を選択する異部位選択ステップと、
    上記共通部位選択ステップにおいて選択された部位及び上記異部位選択ステップにおいて選択された部位に基づいてガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのシリンダヘッドモデルを設定するシリンダヘッドモデル設定ステップと、
    を有することを特徴とするシリンダヘッドの設計支援方法。
  2. 上記異部位選択ステップにおいて、各エンジンタイプに応じて、燃焼室、吸気ポート及びプラグ挿入部を選択する請求項1記載のシリンダヘッドの設計支援方法。
  3. 更に、ガソリンエンジンの場合は、上記共通部位選択ステップ及び上記異部位選択ステップで選択された複数の部位のうち、所定部位の諸元値変更が行われた場合、この所定部位に関連する他の部位の関連諸元値も連動して変更し、且つ、ディーゼルエンジンの場合は、上記所定部位に関連する他の部位の関連諸元値を連動して変更することを中止する関連諸元変更ステップと、を有する請求項1記載のシリンダヘッドの設計支援方法。
  4. 上記関連諸元変更ステップは、ガソリンエンジンの場合は、吸気バルブの挟み角と吸気ポートの傾斜角を連動して変更し、ディーゼルエンジンの場合は、吸気バルブの挟み角と吸気ポートの傾斜角を連動して変更することを中止する請求項3記載のシリンダヘッドの設計支援方法。
  5. ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのシリンダヘッドの設計支援を行うシリンダヘッドの設計支援装置であって、
    ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの2つのエンジンタイプの差異に関わらず共通の仕様となる部位を選択する共通部位選択手段と、
    ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのエンジンタイプで異なる仕様となる部位を単位として分け、これらの各部位から各エンジンタイプに応じて部位を選択する異部位選択手段と、
    上記共通部位選択手段により選択された部位及び上記異部位選択手段により選択された部位に基づいてガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのシリンダヘッドモデルを設定するシリンダヘッドモデル設定手段と、
    を有することを特徴とするシリンダヘッドの設計支援装置。
  6. ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのシリンダヘッドの設計支援を行うコンピュータのためのシリンダヘッドの設計プログラムであって、
    ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの2つのエンジンタイプの差異に関わらず共通の仕様となる部位を選択させ、
    ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのエンジンタイプで異なる仕様となる部位を単位として分け、これらの各部位から各エンジンタイプに応じて部位を選択させ、
    上記選択された共通の仕様となる部位及び上記選択された異なる仕様となる部位に基づいてガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのシリンダヘッドモデルを設定させるように、
    コンピュータを制御するシリンダヘッドの設計支援プログラム。
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