JP2008206569A - 体内留置用カテーテルの留置方法 - Google Patents

体内留置用カテーテルの留置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 抗菌剤を用いないで優れた感染防御効果が発揮でき、またカテーテルの脱着、取替えが随意にできるカテーテルの留置法方法を提供する。
【解決手段】 体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形し、体内留置用カテーテルを使用しない時には皮下トンネルに体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておき、体内留置用カテーテルを使用する時には、ガイドワイヤーが挿通可能な内腔を有するガイディングカテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入し、次いでガイドワイヤーをガイディングカテーテルに挿入した後、ガイドワイヤーを残してガイディングカテーテルを抜去し、その後、ガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入することを特徴とする体内留置用カテーテルの留置方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療分野において血液浄化のための体外循環、輸液・薬液の投与、採血、脈圧・血流量の測定等様々な医療上の治療又は診断の目的で使用される体内留置用カテーテルの留置方法及びその留置方法に用いるカテーテルに関するものである。
従来、長期にわたる輸液・薬液の投与を必要とする患者に対しては、中心静脈留置用カテーテルや消化管用の栄養カテーテルなどが使用され(非特許文献1参照)、腎不全、糖尿病、薬物中毒、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、多臓器不全(MOF)、肝炎、膵炎、自己免疫性疾患等の疾病のために血液浄化を必要とする患者に対しては、血管内にカテーテルを留置して血液を脱送血するブラッドアクセスカテーテルが使用されている(非特許文献2参照)。さらに、中心静脈圧・血流量の測定を必要とする患者に対しては、血管内に留置し静脈圧を測定する脈圧測定用カテーテル、心拍出量等血流量を測定するサーモダイリューションカテーテルが使用されている(非特許文献3参照)。
上記のカテーテルは、体外と、体内の目的とする血管、体液管又は臓器との間で、薬液の投与、血液の脱送血、生体内情報の測定など何らかのアクセスを行うためのものであり、通常は1本のカテーテルが体外から皮膚及び皮下組織を通じて目的部位まで挿入される。
また、上記のカテーテルは体内に長期間留置されることが多く、その期間中に、カテーテルの内腔から投与される薬剤を介して、あるいは皮膚の刺入部からカテーテルの外壁を伝って細菌類が皮下組織や血管、体液管あるいは臓器に進入し、感染を引き起こすことが問題になっている。特に、カテーテルの外壁を伝って細菌類が体内へ侵入する頻度は高く、医療従事者による頻回の消毒や厳重な管理にも係わらず重篤な感染症を引き起こすケースがしばしば見られ社会的にも大きな問題となっている。
カテーテルの皮膚刺入部からの感染を防止することを目的として、例えば、抗菌剤を含有させたカテーテルの皮膚固定具(特許文献1参照)や、抗菌剤を表面にコートしたカテーテル(特許文献2参照)が開発されている。
また、カテーテルの長期留置を目的として、カテーテルの一部にポリエステル製の綿をからなるカフを取り付け皮下組織と密着させてカテーテルの固定性と感染防止効果を期待するカテーテル(非特許文献4、5)も開発され、医療現場に広く用いられている。
日本静脈経腸栄養学会編集:コメディカルのための静脈・経腸栄養ガイドライン,43,南江堂(2000) 平沢由平:透析療法マニュアル(改訂第5版),170,日本メディカルセンター(1999) 鶴田早苗,原田和子:術後処置マニュアル,66,照林社(1991) 特開平2−234767号公報 特許第2665399号公報 J.W.ブロビアック,J.J.コール,B.H.スクリブナー:長期経静脈栄養のためのシリコーンラバー製右中心静脈用カテーテル.外科と産婦人科.136巻:602頁(1973年)(Broviac NW, Cole JJ, Scriber BH : a silicone rubber right atrial catheter for prolonged parenteralalimentation. Surg. Gynecol. Obstet, 136:602(1973)) R.O.ヒックマン,C.D.ブクナー,B.H.スクリブナー:骨髄移植患者への静脈アクセスのための改良型シリコーンラバー製右中心静脈用カテーテル.外科と産婦人科.148巻:871頁(1979年)(Hickman RO, Buckner D, Clift RA : A modified right atrial catheter for access to the venous system in marrow transplant recipients, Surg. Gynecol. Obstet, 148:871(1979))
上記した抗菌剤を含有させたカテーテルの皮膚固定具は、取り扱いが簡便である一方、抗菌剤の流出による抗菌活性の持続性や皮膚との隙間を完全に塞ぐことができない点で問題が残されており、また、抗菌剤をコートしたカテーテルにおいても、抗菌剤の流出による持続性や、生体内に留置した際のアレルギーなどの問題などがある。
この点、上記したカテーテルにカフを取り付けたものは、生体の本来持つ皮下組織の抗菌力で体内に進入する細菌を遮断するため安全面では優れていると考えられるが、血栓や薬液の詰まりが生じた場合や感染を起こした場合に、皮下組織に密着したカテーテルを抜去しようとすると、カテーテル周囲の皮下組織ごと外科的に取り出す必要があり、医療従事者及び患者双方に肉体的、精神的に多大な負担を強いるものであった。
このように、従来の感染防御手段は、いずれもカテーテルを期間中留置しておくことを前提として講じられているものであった。
本発明は、カテーテルを期間中留置しておくことを前提としない、新しい発想による感染防御策を提案するものであり、抗菌剤を用いないで優れた感染防御効果が発揮でき、またカテーテルの脱着、取替えが随意にできるカテーテルの留置法方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、カテーテルの留置経路に当る皮下組織中に設けた皮下トンネルが、カテーテルを抜去した後には自然に閉止し、生体本来の感染防止効果に基づく極めて高い感染防止効果を発揮し得ることを見出し、さらに、この皮下トンネルがカテーテル挿入時には無理なく開腔でき目的とする様々なカテーテルを留置できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1は、体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形し、体内留置用カテーテルを使用しない時には皮下トンネルに体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておき、体内留置用カテーテルを使用する時には、ガイドワイヤーが挿通可能な内腔を有するガイディングカテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入し、次いでガイドワイヤーをガイディングカテーテルに挿入した後、ガイドワイヤーを残してガイディングカテーテルを抜去し、その後、ガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入することを特徴とする体内留置用カテーテルの留置方法を要旨とするものである。
本発明の第2は、体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形し、体内留置用カテーテルを使用しない時には皮下トンネルに体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておき、体内留置用カテーテルを使用する時には、ガイドワイヤーを内挿したガイディングカテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入した後、ガイドワイヤーを残してガイディングカテーテルを抜去し、次いでガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入することを特徴とする体内留置用カテーテルの留置方法を要旨とするものである。
本発明の第3は、体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形し、体内留置用カテーテルを使用しない時には皮下トンネルに体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておき、体内留置用カテーテルを使用する時には、体内留置用カテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入することを特徴とする体内留置用カテーテルの留置方法を要旨とするものである。
本発明の第1〜3において、好ましくは、体内留置用カテーテルを使用しない時には、皮下トンネルにオブチュレーターを挿入した状態である体内留置用カテーテルの留置方法である。
本発明の第4は、本発明の第1〜3のいずれかの体内留置用カテーテルの留置方法において、体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形するための皮下トンネル作製用カテーテルであって、該カテーテルの表面に皮下組織を強固にする物質が存在することを特徴とする皮下トンネル作製用カテーテルを要旨とするものであり、好ましくは、皮下組織を強固にする物質が、キチン、キトサン及びウロキナーゼからなる群から選ばれる物質であるものである。
本発明の第5は、本発明の第1又は2の体内留置用カテーテルの留置方法において、体内留置用カテーテルを使用する時に用いるガイディングカテーテルであって、カテーテルのショア硬度が65D〜93Aの範囲にあることを特徴とするガイディングカテーテルを要旨とするものである。
本発明の第6は、本発明の第1又は2の体内留置用カテーテルの留置方法において、体内留置用カテーテルを使用する時に用いるガイディングカテーテルであって、ガイディングカテーテルの外径が、皮下トンネルを形成するために用いる皮下トンネル作製用カテーテルの外径に対して0.5〜0.8倍であることを特徴とするガイディングカテーテルを要旨とするものである。
本発明によれば、皮下トンネルは体内留置用カテーテルが挿入されていない状態では自然と閉止し、生体が本来有する皮下組織の感染防御作用が発揮されるため、抗菌剤を使用しないで優れた感染防止効果を有することができる。また、皮下トンネルを通じて様々な目的に適したカテーテルの選択的装着が可能であり、外径の制約も少なく、カテーテルの外径、長さ、本数、種類等の選択の幅が非常に広がることとなる。さらに、一旦留置したカテーテルにおいても、皮下トンネルを介してカテーテルを交換する手段により、留置したカテーテルの外径、長さ、本数等が簡単に変更することができる。このようなカテーテルは、患者にとって安全で、閉塞等留置中のトラブルに対してもカテーテルの交換という手段により簡単に対応が可能であるため、長期にわたる継続的なアクセスルートとして極めて優れたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてはまず、体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形することが必要である。ここで、皮下トンネルとは、皮膚の内側に存在する皮下組織である真皮、筋肉組織、脂肪組織等において、穿刺針やダイレーターなどの拡張具を用いて形成した空隙をいう。本発明における皮下トンネルの長さや内径は、体内留置用カテーテルを留置する体の部位や目的とする体内留置用カテーテルの種類、外径によって様々であり一概に限定することはできないが、例えば、右内頸静脈に外径4mmの血液浄化用のバスキュラーアクセスカテーテルを留置する場合に形成する皮下トンネルとしては、前胸上部の皮膚刺入部から頸部にある右内頸静脈までの間の皮下組織に、長さ2〜20mm、好ましくは、5〜15cm、さらに好ましくは、8〜10cmであり、内径は2〜4.8mm、好ましくは、3〜4mm、さらに好ましくは、3.2〜4mmである。また、右大腿静脈に外径2mmの中心静脈注射用カテーテルを留置する場合に形成する皮下トンネルとしては、膝上部の皮膚刺入部から大腿鼠径部までの間の皮下組織に、長さ2〜30cm、好ましくは、5〜25cm、さらに好ましくは、10〜15cmであり、内径は1〜2.4mm、好ましくは、1.4〜2mm、さらに好ましくは、1.6〜2mmである。
本発明における皮下トンネルの形状としては、ほぼ直線状に皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで伸びているのが好ましいが、頸部の内頸静脈にカテーテルを留置するために作製する皮下トンネルの場合、緩やかな湾曲状に伸びる場合もある。皮下トンネルの断面形状としては、カテーテルの留置がない場合に皮下組織が密着して閉じるのに支障がなく、かつカテーテルを留置した場合、皮下組織との間に空隙が生じない形状が好ましく、真円状または真円状に近い楕円形状が好ましい。
本発明において、皮下トンネルを形成する手段としては、特に限定されるものではなく、上記したような皮下トンネルを皮下組織内に形成することができる手段であればどのような方法であってもよい。好ましい方法としては、従来行われているカテーテルを留置する方法が採用できる。すなわち、皮膚穿刺部から血管などの間にカニューラ外套型穿刺針を刺し、直ちに穿刺針のみを抜去してカニューラだけを血管に残し、内腔にガイドワイヤーを挿入する。次にガイドワイヤーを残してカニューラを抜去し、ガイドワイヤーに沿って拡張用ダイレーターを挿入して皮膚刺入部、皮下組織および血管刺入部を拡張する。最後に拡張用ダイレーターを抜去し、ガイドワイヤーに沿って皮下トンネルを形成するためのカテーテルを留置するする方法である、いわゆるセルジンガー法や、内腔にカテーテルを挿通させるシースを介して留置する方法(詳細は、井上善文著「TPNレクチャー」、p.80、南江堂、2004参照)などが挙げられる。
図1(A)は、皮下トンネルを形成するためのカテーテルである皮下トンネル作製用カテーテル1を皮膚6における皮膚刺入部11から皮下組織7内に皮下トンネル10を通じて血管8内に留置した状態の一例を示しており、皮下組織7内に皮下トンネル10が形成されている。図1(B)は、図1(A)に示すA−A’部分の断面図である。
皮下トンネル作製用カテーテル1には、皮膚刺入部11から血管壁9にある血管穿刺部12を介して血管8内までの間に挿通するカテーテル本体21の他、皮下トンネル作製用カテーテルが体内から抜けるのを防止するために皮膚と縫合するための糸掛具25、カテーテルの内腔を一時的にクランプ24により遮断させるための柔らかい材質からなるクランピングのための延長チューブ22、シリンジ等に接続し、カテーテルが血管内に留置されたことを確認したり、留置中に血管内の血液が逆流して凝固するのを防ぐためにヘパリンなどの抗凝固剤を注入、充填するために用いられる接続部23から構成されている。
なお、カテーテル21にはガイドワイヤーに沿って挿入させるため先端部26まで内腔27が通じている。
本発明においては、上記のような皮下トンネル作製用カテーテルを挿入した後、所定の期間留置しておくことにより、皮下トンネルの周辺組織を容易に閉塞しないよう安定化させることができる。留置の期間中は前記の糸掛具25を利用して皮膚と縫合固定すればよい。この留置しておく期間としては、1日〜15日が挙げられ、好ましくは2日〜10日であり、さらに好ましくは2日〜7日である。留置期間中における体温、湿潤度、体動等の留置条件は特に制限されるものではない。
また、皮下トンネル作製用カテーテルの表面に、導入された皮下組織を強固に硬化させる物質が存在していることが好ましく、そのような物質としてはウロキナーゼ等のプラスミノーゲンアクチベーター、ヘパリン等の抗凝固剤、キチン、キトサン等の生体適合性物質が挙げられる。そのような物質を存在させる方法としては、化学結合法により基材のカテーテル表面に固定化する方法(詳細は、特許1406830号参照)、カテーテル表面にコーティングする方法、あるいはキチンまたはキトサンを繊維状、スポンジ状、シート状、微粒子状など様々な方法で導入する方法が開発されているが、特定の方法に限定されるない。また、抗凝固性処理の範囲は皮下組織または血液に接触する部分であればカテーテルの外面、内面またはその両方であってもよい。
さらに、皮下トンネル作製用カテーテル1は、皮下組織7または血管8への挿入を容易にするため、基材表面を親水性高分子化合物でコーティングするなどの潤滑性処理が施されているもの(例えば、特開平10−248919号公報参照)であってもよい。潤滑性処理する方法は多くの方法が開発されているが、特にどの方法を選択してもよい。また、潤滑性処理の範囲は人体に接触する部分、またはカテーテルを留置する用具等に接触する部分であれば特にどの部分であってもよい。更に上記抗凝固性処理と同時に行ってもよい。
図2は、上記のようにして皮下トンネル作製用カテーテルを留置して一定期間を経た後、そのカテーテルを抜去した後の皮下組織7に形成された皮下トンネル10の状況を示している。図2(B)は、図2(A)におけるA−A’部分の断面図である。通常、形成される皮下トンネル10は、皮下組織7の収縮により皮下トンネル作製用カテーテル1の本体21の外径よりも細くなっているものの皮下組織7が完全に密着して閉塞することはなく、皮膚刺入部11を介して外部から侵入する各種細菌類を皮下組織自体の抗菌作用で死滅させることができる。
本発明の第1〜3における留置方法においては、上記のようにして皮下トンネルを形成した後、体内留置用カテーテルを使用しないときには、図2に示すような体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておくか、あるいは図5に示すように、皮下トンネル10の内腔にオブチュレーター5を挿入した状態としておくのである。図2に示す皮下トンネルの状態においても内腔が閉塞することはないが、オブチュレーター5を挿入しておくことにより、以下に説明するガイディングカテーテルあるいは体内留置用カテーテルの挿入がよりスムーズになることが期待できる。
オブチュレーター5の構造としては、皮下トンネルの内腔を閉塞させない太さの棒状オブチュレーター本体36と皮膚に固定するための糸掛具25および挿入する際の取手部35の構造を有していればよく、材質も皮下トンネル作製用カテーテルおよびガイディングカテーテルと同じものであってよい。
本発明の体内留置用カテーテルの留置方法において、体内留置用カテーテルを使用する時の態様としては以下の3通りの方法がある。先ず第1の方法は、ガイドワイヤーが挿通可能な内腔を有するガイディングカテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入し、次いでガイドワイヤーをガイディングカテーテルに挿入した後、ガイドワイヤーを残してガイディングカテーテルを抜去し、その後、ガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入する方法であり、第2の方法は、ガイドワイヤーを内挿したガイディングカテーテルを、皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入した後、ガイドワイヤーを残してガイディングカテーテルを抜去し、次いでガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入する方法であり、第3の方法は、第1及び第2の方法に用いたガイディングカテーテルを使わずに、体内留置用カテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入する方法である。
図3は、上記の第1の方法において、ガイディングカテーテル2を血管壁9にある皮膚刺入部11から挿入し、皮下組織7および血管穿刺部12を通じて血管8の内部まで到達させ、次いでガイディングカテーテル本体28の内腔30にガイドワイヤー3を挿通したときの状況を示している。ガイディングカテーテル2の内腔30は接続部23からカテーテル先端部29まで通じ、ガイドワイヤー3が血管8内の目的とする位置に到達している。カテーテルには、必要に応じて血管内の血液が逆流した際に内腔を一時的に閉塞させるためのクランプ24や延長チューブ22、カテーテルを一時的に皮膚固定するための糸掛具25が設けられている。上記した第2の方法においても、ガイドワイヤー3を内挿したガイディングカテーテル2を皮膚刺入部11から挿入し、皮下組織7および血管穿刺部12を通じて血管8の内部まで到達させ場合には図3に示した状態になる。
上記の第1及び2の方法においては、次いでガイドワイヤー3を残したままガイディングカテーテル2を抜去する。
ここで、本発明で用いられるガイディングカテーテル2について説明する。ガイディングカテーテル2はその硬さが重要になる。柔らかすぎると皮膚刺入部11から皮下トンネル10を挿通することは困難であり、硬すぎると組織や血管を傷つけてしまう恐れがある。ガイディングカテーテル2の硬さは、好ましくはショア硬度が60Dから85Aの範囲にあり、更に好ましくは、ショア硬度が65Dから93Aの範囲にある。
また、本発明で用いられるガイディングカテーテル2においては、形成された皮下トンネル10の外径に対する比率も皮下トンネル10の挿通性に大きく影響するものである。皮下組織7に作製された皮下トンネル10の外径は皮下組織7が収縮することにより規定することは難しいが、皮下トンネル10を作製する皮下トンネル作製用カテーテル1の外径に対しては規定することが可能である。ガイディングカテーテル2の外径は皮下トンネル10を作製する際に使用される皮下トンネル作製用カテーテル1の外径に対して好ましくは0.4〜0.9倍が好ましく、さらに好ましくは0.5〜0.8倍である。
上記の第1及び2の方法においては、次いで、ガイドワイヤーに沿って目的とする体内留置用カテーテル4を皮膚刺入部11から皮下トンネル10に挿入する。図4は、血管8内に留置したガイドワイヤー3に沿って目的とする体内留置用カテーテル4をその先端部32が皮下組織7を進んでいる状況を示しており、最終的には血管壁9の血管穿刺部12を通過して血管8内に到達する。図4では、体内留置用カテーテル4の一例として、血管内留置用のダブルルーメンカテーテルを示している。ダブルルーメンカテーテルの構造は、通常、内腔が2層のルーメン34に分かれ、カテーテル本体から体外部では分岐部31を境に2本の延長チューブ22に分かれ体外循環や輸液注入用回路等に接続する接続部23と流路を一時的に遮断するクランプ24が備えられている。
本発明で用いられる皮下トンネル作製用カテーテル1及びガイディングカテーテル2におけるクランプ24の形状については、指で押さえてチューブを閉止させるピンチ式、または板状のものに幅が段階的に狭くなるスリットが入り、スリットをスライドさせることによりチューブを閉止するスリット式などの形状があるが、チューブを閉塞させる機能を有するものであれば形状は問わない。
本発明で用いられる皮下トンネル作製用カテーテル1及びガイディングカテーテル2の材質としては、体内、特に血管内に留置して安全な弾性のある材質であれば良く、例えば、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリアミド、エチレンー酢酸ビニル共重合体等が挙げられるが、好ましくは体外では硬度を保ち体内で柔軟性をもつ性質をもつポリウレタンが好ましい。
皮下トンネル作製用カテーテルを血管まで挿入した状態を示す概略図である。(A)皮膚からの深さ方向の断面図、(B)(A)におけるA−A’部分の断面図 皮下トンネルが形成された後、体内留置用カテーテルを使用しない時の状態の一例を示す概略図である。(A)皮膚からの深さ方向の断面図、(B)(A)におけるA−A’部分の断面図 ガイディングカテーテルとガイドワイヤーが皮下トンネルを通じて血管まで挿入された状態を示す概略図である。(A)皮膚からの深さ方向の断面図、(B)(A)におけるA−A’部分の断面図 ガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入途中の状態を示す概略図である。(A)皮膚からの深さ方向の断面図、(B)(A)におけるA−A’部分の断面図 皮下トンネルにオブチュレーターを留置している状態を示す概略図である。(A)皮膚からの深さ方向の断面図、(B)(A)におけるA−A’部分の断面図
符号の説明
1 皮下トンネル作製用カテーテル
2 ガイディングカテーテル
3 ガイドワイヤー
4 体外留置用カテーテル(ダブルルーメンカテーテル)
5 オブチュレーター
6 皮膚
7 皮下組織
8 血管
9 血管壁
10 皮下トンネル
11 皮膚刺入部
12 血管刺入部
21 皮下トンネル作製用カテーテル先端部
22 延長チューブ
23 接続部
24 クランプ
25 皮膚固定糸掛部
26 皮下トンネル作製用カテーテル先端孔
27 皮下トンネル作製用カテーテル本体内腔
28 ガイディングカテーテル先端部
29 ガイディングカテーテル先端孔
30 ガイディングカテーテル本体内腔
31 ダブルルーメンカテーテルの分岐部
32 ダブルルーメンカテーテル先端部
33 ダブルルーメンカテーテル先端部の側孔
34 ダブルルーメンカテーテルの内腔
35 オブチュレーターの取手部
36 オブチュレーター本体

Claims (8)

  1. 体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形し、体内留置用カテーテルを使用しない時には皮下トンネルに体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておき、体内留置用カテーテルを使用する時には、ガイドワイヤーが挿通可能な内腔を有するガイディングカテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入し、次いでガイドワイヤーをガイディングカテーテルに挿入した後、ガイドワイヤーを残してガイディングカテーテルを抜去し、その後、ガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入することを特徴とする体内留置用カテーテルの留置方法。
  2. 体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形し、体内留置用カテーテルを使用しない時には皮下トンネルに体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておき、体内留置用カテーテルを使用する時には、ガイドワイヤーを内挿したガイディングカテーテルを、該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入した後、ガイドワイヤーを残してガイディングカテーテルを抜去し、次いでガイドワイヤーに沿って体内留置用カテーテルを挿入することを特徴とする体内留置用カテーテルの留置方法。
  3. 体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形し、体内留置用カテーテルを使用しない時には皮下トンネルに体内留置用カテーテルを挿入していない状態としておき、体内留置用カテーテルを使用する時には、体内留置用カテーテルを該皮下トンネルを通じて目的とする血管、体液管又は臓器に挿入することを特徴とする体内留置用カテーテルの留置方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の体内留置用カテーテルの留置方法において、体内留置用カテーテルを留置する経路にあたる皮下組織内に、皮膚穿刺部から目的とする血管、体液管又は臓器まで通じる皮下トンネルをあらかじめ成形するための皮下トンネル作製用カテーテルであって、該カテーテルの表面に皮下組織を強固にする物質が存在することを特徴とする皮下トンネル作製用カテーテル。
  5. 皮下組織を強固にする物質が、キチン、キトサン及びウロキナーゼからなる群から選ばれる物質である請求項4記載の皮下トンネル作製用カテーテル。
  6. 請求項1又は2記載の体内留置用カテーテルの留置方法において、体内留置用カテーテルを使用する時に用いるガイディングカテーテルであって、カテーテルのショア硬度が65D〜93Aの範囲にあることを特徴とするガイディングカテーテル。
  7. 請求項1又は2記載の体内留置用カテーテルの留置方法において、体内留置用カテーテルを使用する時に用いるガイディングカテーテルであって、ガイディングカテーテルの外径が、皮下トンネルを形成するために用いる皮下トンネル作製用カテーテルの外径に対して0.5〜0.8倍であることを特徴とするガイディングカテーテル。
  8. 体内留置用カテーテルを使用しない時には、皮下トンネルにオブチュレーターを挿入した状態である請求項1〜3のいずれかに記載の体内留置用カテーテルの留置方法。
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