JP2008205863A - 受信装置及び変調判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の変調方式をサポートする通信システムにおいて、比較的簡易な処理により、消費電力の増大を回避しつつ、変調方式を判定すること。
【解決手段】変調方式判定装置300は、エンベロープ信号207をサンプリングして、N個のデータサンプルを取得するサンプリング部306と、変調判定部308を備え、変調判定部308は、N個のデータサンプルのサンプル値の平均値A1を求め、平均値A1近傍にサンプル値を示すサンプルデータの割合P1に基づいて、変調方式がPSKであるか否かを判定し、平均値A1より大きい/小さいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で重み付けした加重平均を、平均値A2/A3として算出し、平均値A2又はA3の近傍にサンプル値を示すサンプルデータの割合(P2+P3)に基づいて、変調方式がOOKであるか否かを判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、特に、振幅変調、位相変調、及び直交周波数分割多重変調のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信ネットワークにおける受信装置及び変調判定方法に関する。
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.15規格は、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN:Wireless Personal Area Network)の規格群の一つである。IEEE802.15タスクグループ3cは、既存の高速度WPAN規格IEEE802.15.3TM−2003に対してミリ波(mmW)ベースの代替物理層を開発している。ミリ波WPANは、FCC規制に従って、新しく、且つ、認可が不要な57−64GHz帯域で動作し、WPANの802.15群における全ての他のマイクロ波システムとの高い共存性を可能にしている。特に、ミリ波WPANでは、未圧縮ビデオストリーミング、高速インターネットアクセス、及び、ケーブル交換に対する無線データバス等、データレートが高い多くのアプリケーションに対し、2Gbps以上のデータ速度をサポートすることができる。
直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)、位相偏移変調(PSK:Phase Shift Keying)、及び、オンオフ変調(OOK:On Off Keying)等、ミリ波WPANアプリケーションについて様々な変調方式が検討されている。これら候補となる変調方式は、データレート、送信範囲、及び、消費電力の要件が異なるアプリケーションごとに採用される。
OFDMは、消費電力を犠牲にして、典型的には、データレート3.0Gb/秒、10mの範囲で、未圧縮高解像度オーディオ及びビデオの無線搬送をサポートするのに用いられる。PSKは、典型的には、データレート2.0Gb/秒、1mの範囲で、無線ファイルダウンローディングをサポートするために用いられる。OFDMと比べると、PSKの消費電力は低い。OOKは、典型的には、データレート1.0Gb/秒、0.3mの範囲で無線ファイルダウンローディングをサポートするために用いられる。OOKでは、非コヒーレント検波を用いることができ、この場合、OFDMやPSKと比べて最も消費電力が低い。
ミリ波WPANでは、携帯電話等の端末装置は電池式であり、PSK送受信装置またはOOK送受信装置のいずれか一方が備えられている。ラップトップ、TVセット、ホームDVDプレーヤ等の他の装置は、一定の電力供給を受け、OFDM送受信装置が備えられている。OFDM送受信装置を具備する装置は、複数の信号フォーマットを有するミリ波WPANにおいて、ピコネットコーディネータ(PNC:PicoNet Coordinator)装置となるように、PSK送受信装置及びOOK送受信装置を含むことで、更にその能力を高めることができる。
IEEE802.15.3TM−2003規格によると、WPANにおけるタイミングは、スーパーフレームに基づく。スーパーフレームは、ビーコンと、コンテンツアクセス期間(CAP:Content Access Period)と、コンテンツフリー期間(CFP:Content Free Period)との3つの部分よりなる。CAPは、命令及び/または非同期データを通信するためのアロハまたはCSMA(Carrier Sense Multiple Access)アルゴリズムを有し、全てのクライアント装置によってアクセスされ得る。CAP中、PNC装置は、未知の変調を含む信号を受信する。
始めに、PNC装置は、入来する信号にどの種類の変調が適用されているかを判定しなくてはならない。PNC装置は、その判定された変調方式に応じて、OFDM送信装置、PSK送信装置、及び、OOK送信装置のいずれか一つを選択する。従って、複数の変調方式が混在するミリ波WPANにおいて、PNC装置は、変調方式を判定する必要がある。
特許文献1及び特許文献2には、振幅偏移変調(ASK:Amplitude Shift Keying)と位相偏移変調(PSK)との間の変調方式決定方法が記載されている。前記方法は、OFDM、PSK、及び、OOKを認識するように拡張することができる。これらの方法では、クライアント装置は、プリアンブル後に固有語(UW:Unique Word)を挿入して、PNC装置に送信する。UWは、OFDM、PSK、及びOOKで、同一でもよいし、異なっていてもよい。変調方式決定中、PNC装置に含まれるOFDM受信装置、PSK受信装置、及びOOK受信装置は、それぞれ並列に動作する。OFDM受信装置がOFDM用のUWを見つけると、変調方式がOFDMであると判定される。PSK受信装置がPSK用のUWを見つけると、変調方式がPSKであると判定される。OOK受信装置がOOK用のUWを見つけると、変調奉仕がOOKであると判定される。
特開2005−318015号公報 特開2005−005935号公報
しかしながら、上述した方法では、OOK、PSK、OFDM変調方式に対する受信復調部をそれぞれ並列に動作させる必要があるため、消費電力が増大してしまう。また、PSK、OFDM受信装置は、OOK受信装置に比べ、処理が複雑であり、受信信号がOOK変調信号である場合においても、不必要に複雑な処理が行われてしまうことになる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数の変調方式をサポートする通信システムにおいて、比較的簡易な処理により、消費電力が増大するのを回避しつつ、変調方式を判定することができる受信装置及び変調判定方法を提供することを目的とする。
本発明の受信装置は、オンオフ変調(OOK)、位相偏移変調(PSK)、及び直交周波数分割多重(OFDM)の3つの変調方式のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信における受信信号の変調方式を判定する受信装置であって、前記受信信号をサンプリングして、N(Nは自然数)個のデータサンプルを取得するサンプリング手段と、前記N個のデータサンプル値の平均値である第1の平均値を求め、前記第1の平均値に基づいて、前記受信信号の変調方式を判定する判定手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、OOK、PSK、及びOFDM変調方式をサポートする無線通信において、各変調方式に対する受信復調部をそれぞれ並列に動作させることなく、N個のデータサンプルのサンプル値の平均値である第1の平均値に基づいて、比較的簡易な処理により、消費電力が増大するのを回避しつつ、変調方式を判定することができる。
本発明によれば、複数の変調方式をサポートする通信システムにおいて、比較的簡易な処理により、消費電力の増大を回避しつつ、変調方式を判定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるUWB(Ultra Wide Band)無線通信ネットワークの構成の一例を示す図である。本発明は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調、PSK(Phase Shift Keying)変調、及びOFDM変調の3つの変調方式のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートするUWB無線通信ネットワークに適用した例である。なお、変調方式の組み合わせは、限定されず、どの組み合わせでもよい。また、ASK変調方式は、オンオフキーイング(OOK:On Off Keying)変調方式を含む。
図1において、UWB無線通信ネットワークは、例えば、全ての変調方式をサポートするピコネットコーディネータ(PNC:PicoNet Coordinator)装置100と、クライアント装置200a,200b,200cとから構成される。
それぞれのクライアント装置200a,200b,200cがサポートする変調方式は、ASKであったり、PSKであったり、OFDMであったりと様々であり、クライアント装置によっては1つの変調方式のみに対応していたり、あるいは全ての変調方式に対応していたりする。例えば、クライアント装置200aは、ASKのみをサポートし、クライアント装置200bはPSKのみをサポートし、クライアント装置200cがOFDMのみをサポートする場合、これら3つの変調方式は互換性がないので、クライアント装置200aと200bと200cとは、互いに通信することができない。
一方、PNC装置100は、ASK、PSK、及びOFDMの全ての変調方式をサポートし、通信リンク120aを用いてクライアント装置200aと通信を行い、通信リンク120bを用いてクライアント装置200bと通信を行うことができ、通信リンク120cを用いてクライアント装置200cと通信を行うことができる。
つまり、3つの異なる変調方式のいずれかを用いて、UWB無線通信ネットワークにおける全てのクライアント装置と通信することができる。本発明で対象とするのは、主にPNC装置100である。
ところで、IEEE802.15.3TM−2003規格によると、UWB無線通信ネットワークでのタイミングは、スーパーフレームに基づいている。スーパーフレームは、ビーコンと、コンテンツアクセス期間(CAP:Content Access Period)と、コンテンツフリー期間(CFP:Content Free Period)との3つの部分から構成される。PNC装置100は、ネットワーク中の全てのクライアント装置に、ビーコン信号110a〜110cを送信する。ビーコン信号110a〜110cは、クロック同期情報、ネットワークパラメータ、媒体アクセススケジュール、及び、他の管理制御情報を含む。
このようなUWB無線通信ネットワークでは、クライアント装置が、それぞれ異なる変調方式をサポートしている場合があるので、PNC装置100は、同じビーコン情報を3部コピーし、第1のコピーをASKによって変調して送信し、第2のコピーをPSKによって変調して送信し、第3のコピーをOFDMによって変調して送信する。クライアント装置200aは、3つのビーコンのうち、ASKで変調されたビーコン信号110aを取得し、クライアント装置200bは、PSKで変調されたビーコン信号110bを取得し、クライアント装置200cは、OFDMで変調されたビーコン信号110cを取得する。
クライアント装置200a,200b,200cは、ビーコン信号110a,110b,110cを取得すると、コンテンツアクセス期間(CAP)中に、リンク120a、120b及び120cを用いて、UWB無線通信ネットワークに参加するための接続要求コマンドをPNC装置100に送信する。このとき、PNC装置100は、事前に、接続要求コマンドで使用される変調方式に関する情報を有していない。従って、PNC装置100は、まず始めに、接続要求コマンドで使用される変調方式を判定する必要がある。
本発明は、OOK、PSK、及びOFDM変調のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信ネットワークにおいて、受信信号の変調方式を、OOK検出部をベースにして判定するよう設計される。これにより、処理の複雑性及び消費電力を大幅に低減することができる。OOK検出部としては、エンベロープ検波部またはコヒーレント検波部のいずれの検波部であってもよい。
図2(a)に、エンベロープ検波部202の構成の一例を示す。エンベロープ検波部202は、ダイオード204と、低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)206とを備え、受信信号203のエンベロープを検波し、LPF206から後述する変調方式判定装置にエンベロープ信号207が出力される。図2(b)に、コヒーレント検波部210の構成の一例を示す。コヒーレント検波部210は、同相チャネルに対する乗算器212と、直交チャネルに対する乗算器214と、発振器216と、π/2移相器218と、加算器220とを備え、加算器220から後述する変調方式判定装置にコヒーレント信号211が出力される。
以下では、エンベロープ検波部202から出力されるエンベロープ信号207を用いて、変調方式を判定する場合について説明するが、コヒーレント検波部210から出力されるコヒーレント信号221を用いて、同様の処理を行うことで、変調方式を判定するようにしてもよい。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、受信信号の同期を獲得した後に、変調方式を判定する。
図3は、本実施の形態1に係る変調方式判定装置の要部構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る変調方式判定装置は、例えば、図1のPNC装置100のように、複数の変調方式をサポートする通信装置に搭載される。図3において、変調方式判定装置300は、クロック302、同期部304、サンプリング部306、及び変調判定部308を備えて構成される。
クロック302は、基準クロック信号303を同期部304に出力する。
同期部304は、エンベロープ信号207及び基準クロック信号303を入力し、エンベロープ信号207のピークに同期追従して、エンベロープ信号207のシンボルレートに追従した同期クロック305を、サンプリング部306に出力する。同期部304としては、例えば、位相ロックループ(PLL:Phase Lock Loop)や、遅延ロックループ(DLL:Delay Lock Loop)が用いられる。なお、PLL及びDLLの同期追従の方法は周知技術であるので、説明を省略する。
ただし、同期部304は、受信信号がOFDM変調信号である場合には、エンベロープ信号207に同期することが難しい。したがって、同期部304は、所定時間内に同期が取れなかった場合には、エンベロープ信号207への同期追従動作を中断し、基準クロック信号303に基づいて、OOK変調信号及びPSK変調信号のシンボルレートと等しい周波数クロックを同期クロック305として、サンプリング部306に出力する。
同期が取れたか否かは、例えば、PLLの場合であれば、同期クロック305とエンベロープ信号207の位相差が収束したか否かで判定すればよく、DLLの場合であれば、同期クロック305とエンベロープ信号207の遅延差が収束したか否かで判定すればよい。いずれの場合も当業者によって容易に実施できるので、詳細な説明は省略する。なお、同期が取れたか否かを判定するタイミングは、OOK変調信号及びPSK変調信号に対して、同期引き込み動作を完了するのに十分な長さの時間が経過した後に実施する。このように、同期部304は、OOK変調信号及びPSK変調信号に対しては、これら信号のシンボルレートに同期したクロックを出力し、OFDM信号に対しては同期していないものの、OOK変調信号及びPSK変調信号のシンボルレートに周波数が等しいクロックを出力する。
サンプリング部306は、例えば、A/D(Analog to Digital)変換器から構成され、同期部304から出力される同期クロック305のタイミングで、エンベロープ信号207をサンプリングする。同期部304からは、OOK変調信号及びPSK変調信号のシンボルレートに同期した同期クロック305が出力されるので、サンプリング部306は、1OOKシンボル(1パルス)当たり、エンベロープ信号207を1サンプルする。サンプリング部306は、サンプリング後のデータサンプル307を、変調判定部308に出力する。
なお、受信信号に対し、エンベロープ検波部202を用いて包絡線検波を施す場合、データサンプル307は、信号振幅となるのに対し、コヒーレント検波部210を用いて同期検波を施す場合、データサンプル307は、信号電力となる。
変調判定部308は、各データサンプル307に基づいて、変調方式を判定し、判定結果310を、受信制御部(図示せず)に出力する。以下、変調方式の判定方法について、図4及び図5を用いながら説明する。
図4は、雑音による影響がないとしたノイズレスチャネルでのOOK、PSK、及びOFDM変調信号のエンベロープ信号207とデータサンプル307のサンプルタイミングとを示す図である。ここで、OOK変調信号は、データによって、エンベロープ信号のピークが存在するのに対して、PSK変調信号は、データによらずに、エンベロープ信号のピークが常に存在する。
図4に示すように、本実施の形態では、同期部304によって、OOK及びPSK変調信号のエンベロープ信号207のピークに対し同期が取られ、OOK及びPSK変調信号のシンボルレートに同期した同期クロック305が取得されるので、図4(a),(b)に示すように、サンプリング部306は、OOK及びPSK変調信号に対しては、エンベロープ信号207のピークのタイミングでサンプリングする。一方、OFDM変調信号のエンベロープ信号207に対しては、図4(c)に示すように、ピークタイミングではなく、OOK及びPSK変調信号のシンボルレートの間隔で、エンベロープ信号207をサンプリングする。
図5は、データサンプル307の確率密度分布を示す図である。図5(a)に示すように、OOKの場合には、確率密度分布は、送信データの「1」と「0」に対応して、HighレベルとLowレベルの2カ所に高いピークを有する分布となる。PSKの場合には、図5(b)に示すように、送信データとは無関係に、サンプル値はほぼ同じレベルに安定するので、サンプル値の平均値に高いピークが1カ所にできる。また、OFDMの場合には、図5(c)に示すように、送信データとは無関係に、サンプル値のレベルはランダムとなるので、平均値を中心に分散が大きい分布となる。このように、変調方式に応じて、確率密度分布は大きく異なる。本発明では、この確率密度分布の形状の違いに着目して、変調方式を判定する。以下、具体的に説明する。
変調判定部308は、サンプリング部306によってサンプリングされた所定数N個のデータサンプルを記憶し、N(Nは自然数)個のデータサンプル全ての平均値A1を計算する。なお、Nは、平均化の効果を高めるために、実際上、数百など十分に大きい値を用いる。図5から分かるように、PSK変調信号の場合、確率密度分布は、平均値A1に高いピークが1カ所できる。したがって、N個のデータサンプルのうち、第1の平均値A1から所定の範囲内[A1−D,A1+D]にサンプル値を示すデータサンプル数をN_A1とし、確率P1=N_A1/Nと定義すると、確率P1は、PSK変調信号の場合に最も大きくなると予想される。
つまり、PSK変調信号は、データによらず、エンベロープ信号は、常に、ピークを持つため、確率P1は、最も大きくなり、OOK変調信号は、データによってピークとなるデータサンプル数は変動するため、確率P1は、PSK変調信号より小さくなる。また、OFDM変調信号は、図4(c)に示すように、常に、ノイズ状のエンベロープ信号のため、ピークとなるデータサンプル数は、最も少なくなる。
なお、Dの値は、サンプル値が雑音等の影響を受けて変動するような場合であっても、OOK検出部が確実にサンプル値に基づいて、「0」又は「1」に復調することができる信号振幅の最大許容変動量を示し、UWB無線通信路において、雑音や干渉の影響を受けて信号振幅が歪む場合を考慮して設定される。
変調判定部308は、この確率P1を用いて、エンベロープ信号207がPSK変調信号であるか否かを判定する。具体的には、変調判定部308は、確率P1を所定の閾値Tp1と比較する。なお、このときTp1は(0,1)内の値で、Tp1は、チャネル品質測定またはチャネル推定結果に基づいて設定される。
図4(b)に示すように、PSK変調信号がノイズレスチャネル上で受信されると、同期部304によって同期追従された後のデータサンプルのサンプル値は、送信データに関わらずA1近傍の値を示す。チャネルの歪みを考慮した場合でも、PSK変調信号に対する確率P1は、OOKあるいはOFDM変調信号に対する確率P1よりも十分高い。従って、変調判定部308は、確率P1が閾値Tp1よりも大きい場合、変調方式がPSKであると判定する。このように、データサンプルのサンプル値の平均値A1近傍にサンプル値を示すデータサンプルが、総データサンプル数N個のうち、どのくらいの割合で存在するかを示す確率P1に基づいて、変調方式がPSKか否かの判定を行うことができる。
一方、確率P1が閾値Tp1以下で、変調方式がPSKではないと判定すると、変調判定部308は、変調方式がOOK又はOFDMのどちらであるか判定する。そのため、変調判定部308は、平均値A1を算出する際に用いたN個のデータサンプルから、平均値A1よりサンプル値が大きいデータサンプルだけを選択して平均し、第2の平均値A2として算出すると共に、平均値A1よりサンプル値が小さいデータサンプルだけを選択して平均し、第3の平均値A3として算出する。換言すると、変調判定部308は、平均値A1を算出する際に用いたN個のデータサンプルから、平均値A1より大きいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で重み付けした加重平均を、第2の平均値A2として算出すると共に、平均値A1より小さいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で重み付けした加重平均を、第3の平均値A3として算出する。
つまり、OOK変調信号において、第2の平均値A2は、ピークとなるデータサンプル値を示し、第3の平均値A3は、ピークでないデータサンプル値を示す。図5(a)から分かるように、OOKの場合、確率密度分布は、送信データの「1」と「0」に対応して、HighレベルのA2とLowレベルのA3との2カ所に高いピークができる。
一方、OFDMの場合、送信データに関わらず、平均値を中心に分散が大きい分布となる。したがって、N個のデータサンプルのうち、平均値A2,A3から所定の範囲内[A2−D,A2+D],[A3−D,A3+D]にサンプル値を示すデータサンプル数をそれぞれN_A2,N_A3とし、確率P2=N_A2/N,P3=N_A3/Nと定義すると、確率(P2+P3)は、OFDMに比べ、OOKの方が大きくなると予想される。
変調判定部308は、この確率(P2+P3)を用いて、エンベロープ信号207がOOK変調信号又はOFDM変調信号のどちらであるかを判定する。具体的には、変調判定部308は、確率(P2+P3)を所定の閾値Tp2と比較する。なお、このとき、Tp2は(0,1)内の値で、Tp2は、Tp1と同様に、チャネルの品質の測定または推定に基づいて設定される。
図5(a)に示すように、OOK変調信号がノイズレスチャネル上で受信されると、同期部304によって同期確率された後のデータサンプルは、A2又はA3(A3=0)に均等に分配される。一方、図5(c)に示すように、OFDM変調信号がノイズレスチャネル上で受信された場合でも、同期後のデータサンプルはまだ広い範囲にわたってランダムに分布する。チャネルの歪みを考慮した場合でも、OOK変調信号に対する確率(P2+P3)は、OFDM変調信号に対する確率(P2+P3)よりもまだ高い。従って、変調判定部308は、確率(P2+P3)が閾値Tp2よりも大きい場合、変調方式がOOKであると判定し、確率(P2+P3)がTp2以下の場合、変調方式がOFDMであると判定する。
このように、平均値A1より大きいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で平均した平均値A2として算出すると共に、平均値A1より小さいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で平均した平均値A3として算出し、平均値A2及びA3付近にサンプル値を示すデータサンプルが、総データサンプルのうちどのくらいの割合で存在するかを示す確率(P2+P3)に基づいて、変調方式がOOKか否かの判定を行うことができる。
図6は、実施の形態1に係る変調方式判定方法を説明するためのフローチャートであり、図中Sはフローの各ステップを示す。
PNC装置100は、UWB無線通信ネットワーク内のクライアント装置200a,200b,200cから送信される、それぞれ自装置がサポートする変調方式で変調された接続要求コマンドを受信し、図6のスタート状態となる(S102)。S104では、同期部304は、エンベロープ信号207に同期追従し、データサンプリングに用いるクロックとして、同期クロック305をサンプリング部306に出力する。
S106では、変調判定部308により、所定数N個のデータサンプルが記憶され、N個のデータサンプル全ての平均値A1が計算される。また、S108では、平均値A1よりも大きい、又は、小さいデータサンプル(同じN個のデータサンプル内)をそれぞれ平均することで更に2つの平均値A2及びA3が計算される。S110では、平均値A1,A2,及びA3からの最大許容変動量Dが設定される。なお、最大許容変動量Dは、上述したように、平均値A1及び雑音等のチャネル品質に基づいて設定される(例えば、D=A/10に設定する)。これにより、3つの判定領域[A1−D,A1+D]、[A2−D,A2+D]、及び、[A3−D,A3+D]が設定される。S112では、変調判定部308により、N個のデータサンプルのうち、それぞれの領域[A1−D,A1+D]、[A2−D,A2+D]、及び、[A3−D,A3+D]内にサンプル値を示すデータサンプル数N_A1、N_A2、及び、N_A3が用いられて、確率P1=N_A1/N,P2=N_A2/N,P3=N_A3/Nが算出される。
S114では、確率P1が、所定の閾値Tp1と比較され、確率P1が閾値Tp1よりも大きい場合、S116において、変調方式がPSKであると判定され、判定結果310が受信制御部に出力され、受信検出部(図示せず)がPSKに調整される。
一方、確率P1が閾値Tp1以下の場合、S118において、確率(P2+P3)が別の所定の閾値Tp2と比較される。そして、確率(P2+P3)がT2よりも大きい場合、S120において、変調方式がOOKであると判定され、判定結果310が受信制御部に出力され、受信検出部がOOKに調整される。
これに対し、確率(P2+P3)が閾値Tp2以下の場合、S122において、変調方式がOFDMであると判定され、判定結果310は受信制御部に出力され、受信検出部がOFDMに調整される。
以上のように、本実施の形態によれば、変調方式判定装置300は、エンベロープ信号207をサンプリングして、N個のデータサンプルを取得するサンプリング部306と、変調判定部308とを備え、判定部308は、N個のデータサンプルのサンプル値の平均値A1を求め、平均値A1近傍にサンプル値を示すサンプルデータの割合P1に基づいて、変調方式がPSKであるか否かを判定する。
また、平均値A1を算出するのに用いたデータサンプルを用いて、平均値A1より大きいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で平均した平均値A2として算出すると共に、平均値A1より小さいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で平均した平均値A3として算出し、平均値A2又はA3の近傍にサンプル値を示すサンプルデータの割合(P2+P3)に基づいて、変調方式がOOKであるか否かを判定する。なお、PSK、OOKのいずれでもないと判定された場合には、自ずと、OFDMであると判定する。
このようにして、本実施の形態によれば、変調方式ごとの受信回路部を並列に動作させることなく、変調方式を判定することができるので、消費電力の増加を回避して、複数変調方式共存のUWB無線通信ネットワークを実現することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、変調信号に同期したクロックを用いることなく受信信号の変調方式が判定される。これにより、より低い消費電力で、かつより簡易な回路で、変調方式判定装置を実現することができる。
図7は、本実施の形態2に係る変調方式判定装置400の要部構成を示すブロック図である。本実施の形態の説明にあたり、図3と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態1との相違点は、本実施の形態の変調方式判定装置400は、同期部304に代えて、遅延制御部402を備え、変調判定部308に代えて、変調判定部408を備えるところにある。
遅延制御部402は、クロック302からの基準クロック信号303を同期クロック405として、サンプリング部306に出力する。また、遅延制御部402は、変調判定部408から、遅延時間の調節を行うようことを指示する指示信号409が出力されると、基準クロック信号303の出力タイミングを所定の遅延時間Tだけ遅延させて出力する。
サンプリング部306は、エンベロープ検波部202にて包絡線検波されたエンベロープ信号207を、遅延制御部402から出力される同期クロック405のタイミングで、サンプリングし、サンプリング後のデータサンプル407を、変調判定部408に出力する。
変調判定部408は、各データサンプル407に基づいて、変調方式を判定し、判定結果410を、受信制御部(図示せず)に出力する。以下、変調方式の判定方法について、図8を用いながら説明する。
図8は、雑音による影響がないとしたノイズレスチャネルでのOOK、PSK、及び、OFDM変調信号のエンベロープ信号207とデータサンプル407のサンプルタイミングとを示す図である。
実施の形態1と異なり、本実施の形態では、同期部304によって同期が取られた同期クロック305に代え、サンプリング部306は、遅延制御部402から出力される同期クロック405を用いて、エンベロープ信号207をサンプリングする。したがって、図8に示すように、サンプリング部306は、エンベロープ信号207のピークタイミングから大きく離れたタイミングt1,t2,…,t5で、エンベロープ信号207をサンプリングする場合がある。
このように、エンベロープ信号207のピークタイミングから大きく離れたタイミングでサンプリングされた場合には、実施の形態1と異なり、特に、OOK変調信号の平均値A1とPSK変調信号の平均値A1との差があまり生じず、これら変調方式の確率密度分布を明確に区別することが難しくなり、変調方式を誤って判定してしまう可能性がある。
なお、同期部304において、同期が取れたか否か同期獲得結果に基づいて、変調方式が、PSKであるか、OFDMであるかを判定するようにしてもよい。この場合には、実施の形態1で説明したように、OFDM変調信号に対しては同期追従することが難しいので、所定時間内に同期獲得できたか否かを判定し、所定時間内に同期獲得できた場合、変調方式がPSKであると判定し、所定時間に同期獲得できなかった場合、変調方式はOFDMであると判定する。
本実施の形態では、変調判定部408は、まず、エンベロープ信号207のピークから大きく離れたタイミングt1,t2,…,t5でサンプリングされたサンプル値に基づいて算出された平均値A1を、所定の閾値T_A1と比較し、平均値A1が閾値T_A1より大きい場合にのみ、当該平均値A1を用いて、以後、実施の形態1と同様に変調方式の判定を行うことにし、平均値A1が閾値T_A1以下の場合には、変調判定部408は、遅延制御部402にサンプリングタイミングをTだけずらすように、指示信号409を出力し、先に取得しデータサンプリングを破棄するようにした。
これにより、サンプリング部306は、遅延制御部402によってタイミング調整された同期クロック405のタイミングt_1,t_2,…,t_5で、新たにサンプリングすることになる。以後、実施の形態1と同様の処理を行うことで、変調方式を判定する。
なお、図8では、遅延時間Tが、シンボル持続時間の1/2に設定された場合を示している。しかし、遅延時間Tはシンボル持続時間の1/2に限らず、シンボル持続時間の1/2以下であればよい。なお、遅延時間を小さく設定すればするほど、1シンボル周期内で、データサンプリングの平均値A1と閾値T_A1との比較が、より多く繰り返されるようになるので、変調判定処理が遅くなる可能性があるものの、閾値T_A1の値をOOKとPSKとの差が確実に切り分けることができる値に設定することができ、変調方式を誤って判定してしまう頻度を低減することができる。なお、遅延時間Tは、固定値であってもよいし、平均値A1が閾値T_A1に比べ極めて小さい場合ほど大きく設定するなど、適応的に変化させてもよい。
図9は、実施の形態2に係る変調方式判定方法を説明するためのフローチャートであり、図中Sはフローの各ステップを示す。なお、図6と同一のステップには同一符号を付して説明を省略する。
PNC装置100は、UWB無線通信ネットワーク内のクライアント装置200a,200b,200cから送信される、それぞれ自装置がサポートする変調方式で変調された接続要求コマンドを受信し、図9のスタート状態となる(S202)。
S204では、遅延制御部402は、同期クロック405をサンプリング部306に出力する。
S106では、変調判定部308により、所定数N個のデータサンプルが記憶され、N個のデータサンプル全ての平均値A1が計算される。
S206では、平均値A1が所定の閾値T_A1と比較される。なお、T_A1は、チャネル品質測定またはチャネル推定に基づいて、チャネルノイズレベルよりも高い値に設定されている。これにより、OOKとPSKとを判別することが難しいタイミングでサンプリングされたサンプルデータを用いて、変調方式が判定されるのが回避される。
S206において、A1がT_A1以下の場合(S206:NO)、S208において、同期クロック405の出力タイミングをTだけ遅延させる旨の指示信号409が、変調判定部408から遅延制御部402に出力される。S106に戻って、サンプリング部306は、遅延制御部402によりタイミング調節された同期クロック405のタイミングで、エンベロープ信号207を新たにサンプリングして、N個のデータサンプルを取得し、この新たにサンプリングされたN個のデータサンプルの平均値A1が計算され、S206で、再度平均値A1が所定の閾値T_A1と比較される。
一方、S206において、A1がT_A1よりも大きい場合(S206:YES)には、以降、実施の形態1と同様に、S108〜S122が用いられて、変調方式が判定される。
以上のように、本実施の形態によれば、変調判定部408は、平均値A1と所定の閾値T_Aとの比較結果に基づいて、サンプリングタイミングが適当であるか否かを判定し、サンプリングタイミングが適当でない場合には、遅延制御部402が同期クロック405の出力タイミングを調整して出力するようにした。これにより、同期部304を設けずに、変調方式を判定することができるので、より簡易な回路で実現することができ、消費電力をさらに低減することができる。
なお、以上の説明では、N個のデータサンプルのサンプル値の平均値A1と閾値T_A1とを比較する場合について説明したが、エンベロープ信号207のアナログ平均レベルを決定する処理部を設け、平均値A1をアナログ平均レベルで正規化した後に閾値T_A1で閾値判定するようにしてもよい。
なお、アナログ平均レベルで正規化した平均値A1を用いることで、伝送距離の変化によって、エンベロープ信号207の振幅レベルが変動し、平均値A1そのものが変動してしまうような場合においても、サンプル値の変動に関わらず、サンプリングタイミングが適当であるか否か判定することができるので、より好適である。
あるいは、遅延制御部402が、シンボル周期内に複数の同期クロック405が出力されるように、基準クロック信号303を異なる時間だけ遅延させた同期クロック405を出力し、それぞれのタイミングでサンプリングされたサンプル値の平均値A1のうち、値を最大とする同期クロック405のタイミングと基準クロック信号303との時間差を遅延時間Tとして設定するようにしてもよい。
また、以上の説明では、N個のデータサンプルの平均値A1と閾値T_A1との比較結果に応じて、同期クロック405の出力タイミングを調整するようにしたが、平均値A1より大きいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で平均である平均値A2と閾値T_A2との比較結果に応じて、同期クロック405のタイミングを調整するようにしてもよい。
この場合、図9に示すフローチャート図において、S108において行う平均値A2の算出を、S106において行い、S206の閾値判定を、平均値A2と所定の閾値T_A2との比較に変更すればよい。同期クロック405のタイミングが、エンベロープ信号207のピークタイミングに近ければ近いほど、OOKとPSKの平均値A2は明確に差を有するようになるので、平均値A2に基づいて、サンプリングタイミングが適切か否かを判定することにより、より誤判定を回避することができるようになる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、複数のサンプリング部(または2つのA/D変換器)を用いて変調方式を判定する。
図10は、本実施の形態3に係る変調方式判定装置の要部構成を示すブロック図である。本実施の形態の説明にあたり、図7と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態2との相違点は、本実施の形態の変調方式判定装置500は、変調判定部408に代えて、変調判定部508を備え、遅延部502及びサンプリング部504を、さらに備えるところにある。
遅延部502は、遅延制御部402から出力される同期クロック405を、所定の遅延時間Tだけ遅延させて、同期クロック503として、サンプリング部306に出力する。
サンプリング部504は、遅延制御部402から出力される同期クロック405のタイミングで、エンベロープ信号207をサンプリングし、サンプリング後のデータサンプル507を、変調判定部508に出力する。同様に、サンプリング部306は、遅延部502から出力される同期クロック503のタイミングで、エンベロープ信号207をサンプリングし、サンプリング後のデータサンプル505を、変調判定部508に出力する。
変調判定部508は、サンプリング部306から出力されるサンプルデータ505と、サンプリング部504から出力されるサンプリングデータ507とに基づいて、変調方式を判定する。以下、変調方式の判定方法について、再度図8を用いて説明する。
図8に示すように、本実施の形態では、タイミングt1,t2,…,t5と、これらタイミングから遅延時間Tだけ遅れたタイミングt_1,t_2,…,t_5の双方のタイミングで、エンベロープ信号207が予めサンプリングされる。したがって、遅延時間Tを適切な値に設定することにより、一方のタイミングにおいて、サンプリングされたサンプルデータの平均値A1が極めて小さく、上述した変調方式の判定に用いることができない場合であっても、他方のタイミングにおいてサンプリングされたサンプルデータの平均値A1を用いて、変調方式の判定を行うことができるようになる。遅延時間Tの値としては、実施の形態2と同様に、どちらか一方のサンプリング部では、サンプル値が大きいタイミングでサンプリングされるように、シンボル持続時間の1/2以下に設定する。
サンプリング部306,504は、デジタル処理において一般的に用いられるA/D変換器を用いて構成することができるので、回路コストを大幅に増大させることなく実装することができる。このように、サンプルタイミングの異なるサンプリング部を2つ設けることで、2種類の平均値を算出することができるため、実施の形態2に比べ、変調方式を判定するまでに要する時間を短縮することができる。
図11は、実施の形態3に係る変調方式判定方法を説明するためのフローチャートであり、図中Sはフローの各ステップを示す。なお、図6と同一のステップには同一符号を付して説明を省略する。
PNC装置100は、UWB無線通信ネットワーク内のクライアント装置200a,200b,200cから送信される、それぞれ自装置がサポートする変調方式で変調された接続要求コマンドを受信し、図11のスタート状態となる(S302)。
S304では、遅延制御部402は、同期クロック405をサンプリング部504及び遅延部502に出力する。S306では、遅延部502は、同期クロック405を所定時間Tだけ遅延させた同期クロック503を、サンプリング部306に出力する。S308では、サンプリング部306は、同期クロック503のタイミングでエンベロープ信号207をサンプリングし、サンプリング部504は、同期クロック405のタイミングでエンベロープ信号207をサンプリングし、所定数N個のデータサンプル505,507をそれぞれ取得し、変調判定部508に出力する。変調判定部508では、サンプリング部504からのデータサンプル507に対して平均値A1_1を計算し、サンプリング部306からのデータサンプル505に対して別の平均値A1_2を計算する。遅延部502により、データサンプル505、507のサンプルタイミングが異なるため、平均値A1も異なることになる。
S310では、変調判定部508は平均値A1_1とA_2のうち、大きい方の値を平均値A1として選択し、平均値A1_1とA_2の小さい方の値を算出するのに用いたデータサンプルを破棄する。以降、実施の形態1と同様に、S108〜S122が用いられて、変調方式が判定される。
以上のように、本実施の形態によれば、変調方式判定装置500が、遅延部502、及び複数のサンプリング部306,504を備え、1シンボル周期内に少なくとも2つのタイミングで、エンベロープ信号207がサンプリングされるようにして、各タイミングでサンプリングされたサンプルデータの平均値が大きい方の平均値を、変調方式の判定に用いる平均値A1として用いるようにしたので、実施の形態2に比べ、変調方式を判定するまでに要する時間を短縮することができる。
なお、図10では、サンプリング部306及び504の双方が、同一の基準クロック信号303(サンプリングレートfs)に基づいて生成された同期クロック503及び405を用い、所定の遅延時間Tの遅延差で同一のエンベロープ信号207をサンプリングする。したがって、所定の遅延時間Tが、1/fsの半分に等しい場合には、2つのサンプリング部306及び504を備える変調判定方式装置500が、fsの2倍のサンプリングレート(2×fs)を有する1つのサンプリング部のみを備える構成に変更することも可能である。
また、サンプリング部は2つに限らず、3つ以上設けるようにしてもよい。各サンプリング部は、同一又は異なるタイミングでエンベロープ信号207をサンプリングし、各サンプリング部におけるN個のサンプリングデータの平均値のうち、最大値を平均値A1として選択し、最大値を得たN個のサンプルデータを保持するようにしてもよい。
(実施の形態4)
図12は、本実施の形態4に係る変調方式判定装置600の要部構成を示すブロック図である。本実施の形態の説明にあたり、図3と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態1との相違点は、本実施の形態の変調方式判定装置600は、変調判定部308に代え、変調判定部606を備え、サンプリング部306を削除し、閾値決定部602、二値化部604を備えるところにある。
閾値決定部602は、同期部304から出力される同期クロック305のタイミングで、エンベロープ信号207をサンプリングするとともに、サンプリング後のデータサンプルの平均値A1、及び、平均値A1より大きいサンプル値を、当該サンプル値を示すデータサンプル数で平均した平均値A2に基づいて、第1の閾値及び第2の閾値を設定する。たとえば、第1の閾値はA1に設定し、第2の閾値はA2の1/2に設定する。A1とA2は前記実施の形態1で述べた変調判定部308と同様の方法により算出する。
図13(a)は、閾値決定部602の別の構成の一例を示すブロック図である。閾値決定部602は、Highレベル決定回路702、及び分圧回路704を備えて構成される。図13(b)、(c)に、Highレベル決定回路702の要部構成と、Highレベル決定回路702を構成するDCクリップ回路706−1〜706−nの要部構成を示す。図13(c)に示すように、DCクリップ回路706−1〜706−nは、クリップ回路708と直流レベル検出回路710とにより構成され、直流レベル検出回路710から、エンベロープ信号207の平均値が出力される。
図14(a)は、クリップ回路708の入力信号と出力信号との関係を示す図である。図14(a)に示すように、クリップ回路708は、入力信号のレベルを直流レベルまで底上げする。図14(b)は、Highレベル決定回路702を構成する各DCクリップ回路706−1〜706−nからの出力信号((1)〜(n))を示す図である。Highレベル決定回路702を構成するDCクリップ回路の段数nを調整することにより、Highレベル決定回路702は、エンベロープ信号207のHighレベル電圧を決定し出力する。
このようにして、閾値決定部602は、エンベロープ信号207の平均値A1を第1の閾値として、二値化部604に出力し、分圧回路704は、DCクリップ回路706−nからの出力信号であるHighレベル電圧を1/2に分圧して第2の閾値として、二値化部604に出力する。
二値化部604は、同期部304から出力される同期クロック305のタイミングで、第1及び第2の閾値に基づいて、エンベロープ信号207をそれぞれ「0」又は「1」に二値化し、それぞれの閾値に基づいて二値化されたデータ系列615,617を、変調判定部606に出力する。
変調判定部606は、第1及び第2の閾値に基づいて二値化されたデータ系列615,617から、変調方式を判定する。以下、変調方式の判定方法について、図15を用いながら説明する。
図15は、エンベロープ信号の確率密度分布を示す図である。上述したように、OOKの場合には、確率密度分布は、送信データ「1」と「0」とに対応して、HighレベルとLowレベルの2カ所に高いピークができる(図15(a))。したがって、平均値A1を第1の閾値に設定し、この第1の閾値で二値化されたデータ系列615のビットエラーレート(BER:Bit Error Rate)が極めて小さい場合には、エンベロープ信号207は、OOK変調信号であると予想される。これに対し、エンベロープ信号207がPSK変調信号の場合には、第1の閾値を用いて二値化しても、データ「1」とデータ「0」とに正しく対応づけられて二値化されるわけではないので、BERは0.5に近い値になると予想される。エンベロープ信号207が、OFDM変調信号の場合も、PSK変調信号の場合と同様である。
したがって、変調判定部606は、平均値A1である第1の閾値によって二値化されたデータ系列615のビットエラーレート(BER:Bit Error Rate)を算出し、このBERを用いて、エンベロープ信号がOOK変調信号であるか否かを判定する。具体的には、変調判定部606は、BERを所定の閾値Tb1(例えば、Tb1=0.25)と比較し、BERが所定の閾値Tb1未満であれば、変調方式がOOKであると判定し、判定結果619を、図示せぬ受信制御部に出力する。BERの算出方法としては、接続要求コマンドとして、クライアント装置から固定パターンを送信するようにして、相違ビットをカウントしたり、誤り訂正時の訂正ビット数をカウントしたりするなどの方法を用いることができる。なお、BERに代えて、フレームチェックエラーの有無を検出し、フレームチェックエラーが無い場合、変調方式がOOKであると判定するようにしてもよい。
変調方式が、PSKであるか、OFDMであるかの判定は、第2の閾値によって二値化されたデータ系列617を用いて行う。
図15(b)から分かるように、PSKの場合には、確率密度分布は、第2の閾値(A2/2)以上に分布しているので、第2の閾値によって二値化すると、データ系列617はほとんど「1」になると予想される。一方、OFDMの場合には、図15(c)から分かるように、確率密度分布は、第2の閾値(A2/2)をまたいで分布しているので、第2の閾値によって二値化すると、データ系列617は「1」と「0」とが混在すると予想される。
したがって、変調判定部606は、データ系列617が「1」となる割合を算出し、この割合を用いて、エンベロープ信号がPSK変調信号であるか、OFDM変調信号であるかを判定する。具体的には、変調判定部606は、データ系列617が「1」となる割合Rを所定の閾値Tb2と比較し、この割合Rが所定の閾値Tb2以上であれば、変調方式がPSKであると判定し、閾値Tb2未満であれば、変調方式がOFDMであると判定する。
図16は、実施の形態4に係る変調方式判定方法を説明するためのフローチャートであり、図中Sはフローの各ステップを示す。
PNC装置100は、UWB無線通信ネットワーク内のクライアント装置200a,200b,200cから送信される、それぞれ自装置がサポートする変調方式で変調された要求コマンドを受信する。次に、エンベロープ検波部202によって、受信信号がエンベロープ検波される。次に、閾値決定部602によって、エンベロープ信号207を用いて、第1及び第2の閾値が設定される。次に、二値化部604によって、第1及び第2の閾値が用いられて、エンベロープ信号207が二値化され、図16のスタート状態となる(S402)。
S404では、第1の閾値によって二値化されたデータ系列615のBERが算出される。S406では、第2の閾値によって二値化されたデータ系列617のうちデータ値が「1」となる割合Rが算出される。S408では、BERが所定の閾値Tb1と比較され、BERが所定の閾値Tb1未満の場合(S408:YES)、S410で、変調方式がOOKであると判定される。
一方、BERが所定の閾値以上の場合(S408:NO)、S412で、第2の閾値によって二値化されたデータ系列617のうちデータ値が「1」となる割合と所定の閾値Tb2が比較され、割合が所定の閾値Tb2未満の場合(S412:YES)、S414で、変調方式がOFDMであると判定される。これに対し、割合が所定の閾値Tb2以上の場合(S412:NO)、S416で、変調方式がPSKであると判定される。
以上のように、本実施の形態によれば、変調方式判定装置600に、データサンプルの平均値A1と、平均値A1より大きいデータサンプルの平均値A2に基づいて、第1及び第2の2つの閾値を設定する閾値決定部602と、第1及び第2の閾値に基づいて、エンベロープ信号207を二値化する二値化部604とを設け、変調判定部606は、第1の閾値で二値化したデータ系列615の誤り検出結果に基づいて、変調方式がOOKであるか判定し、第2の閾値で二値化したデータ系列617が「1」である割合に基づいて、変調方式がPSKであるか、OFDMであるか判定するので、変調方式ごとの処理部で並列に動作させることなく、変調方式を判定することができ、消費電力の増加を回避して、複数変調方式共存のUWB無線通信ネットワークを実現することができる。
また、閾値決定部602は、クリップ回路等を用いるにより、サンプリングと閾値設定の双方を行うことができるので、A/D変換器が不要となり、回路コストを抑えることができる。
なお、同期部304において、同期が取れたか否か同期獲得結果に基づいて、変調方式が、PSKであるか、OFDMであるかを判定するようにしてもよい。この場合には、実施の形態1で説明したように、OFDM変調信号に対しては同期追従することが難しいので、所定時間内に同期獲得できたか否かを判定し、所定時間内に同期獲得できた場合、変調方式がPSKであると判定し、所定時間に同期獲得できなかった場合、変調方式はOFDMであると判定する。
また、上述した実施の形態1及び実施の形態4の同期部304において、同期が取れやすくなるように、クライアント装置200a,200b,200cが送信する接続要求コマンドを、各変調方式に応じて、パターンを変えるようにしてもよい。例えば、OOK変調方式の場合、「1,0,1,0,…」の繰り返しパターンを送信することで、同期部304は、よりOOK変調信号のピークを捕らえやすくなる。また、PSK変調方式の場合、BPSKであれば「π,0,π,0,…」の繰り返しパターンを送信し、QPSKであれば「π,0,π,0,…」もしくは「π/2,3π/2,π/2,3π/2,…」の繰り返しパターンを送信するようにする。
図17に、前記パターンに対応する信号波形の様子を示す。図17から分かるように、このようなパターンとすることで、エンベロープ信号207の波形がゼロクロスして、同期が取りやすくなるので、サンプリング部306は、エンベロープ信号207のピーク位置で、より確実にサンプリングすることができる。なお、図17(c)に示すように、OFDM変調方式では、送信データに関わらず、エンベロープ信号は雑音に近い信号となり、サンプル値はランダムとなる。このため、OFDM変調方式では、ピークタイミングではなく、OOK及びPSK変調信号のシンボルレートの間隔で、エンベロープ信号207をサンプリングする。
以上のように、PSKのサンプル値の分布をピーク位置に集中させることで、OFDMのサンプル値の分布との相違がより明確となり、前記図16のS412における判定を確実に行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で変更して実施可能である。
本発明の受信装置の一つの態様は、オンオフ変調(OOK)、位相偏移変調(PSK)、及び直交周波数分割多重(OFDM)の3つの変調方式のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信における受信信号の変調方式を判定する受信装置であって、前記受信信号をサンプリングして、N(Nは自然数)個のデータサンプルを取得するサンプリング手段と、前記N個のデータサンプル値の平均値である第1の平均値を求め、前記第1の平均値に基づいて、前記受信信号の変調方式を判定する判定手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、OOK、PSK、及びOFDM変調方式をサポートする無線通信において、各変調方式に対する受信復調部をそれぞれ並列に動作させることなく、N個のデータサンプルのサンプル値の平均値である第1の平均値に基づいて、比較的簡易な処理により、消費電力が増大するのを回避しつつ、変調方式を判定することができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第1の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプルが含まれる割合である第1の確率に基づいて、前記受信信号の変調方式がPSKか否かを判定する構成を採る。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第1の確率と所定の閾値とを比較し、比較結果に応じて、前記受信信号の変調方式がPSKか否か判定する構成を採る。
これらの構成によれば、PSK変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のレベルの確率密度分布の形状の特徴を利用して、第1の確率が所定の閾値より大きい場合、受信信号の変調方式をPSKと判定することができ、比較的簡易な処理により、受信信号の変調方式がPSKか否かを判定することができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第1の平均値より大きいデータサンプル値の平均値である第2の平均値を求め、前記第1の平均値より小さいデータサンプル値の平均値である第3の平均値を求め、前記N個のデータサンプルのうち、前記第2の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプルが含まれる割合である第2の確率、及び、前記第3の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプルが含まれる割合である第3の確率に基づいて、前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定する構成を採る。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第2の確率及び前記第3の確率の合計と、所定の閾値とを比較し、比較結果に応じて、前記受信信号の変調方式がOOKか否か判定する構成を採る。
これらの構成によれば、OOK変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のレベルの確率密度分布の形状の特徴を利用して、第2の確率及び第3の確率の合計が所定の閾値より大きい場合、受信信号の変調方式をOOKと判定することができ、比較的簡易な処理により、受信信号の変調方式がOOKか否かを判定することができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第1の平均値より大きいデータサンプル値の平均値である第2の平均値を求め、前記第1の平均値より小さいデータサンプル値の平均値である第3の平均値を求め、前記N個のデータサンプルのうち、前記第2の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第2の確率と、前記第3の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第3の確率とに基づいて、前記受信信号の変調方式がOFDMか否かを判定する構成を採る。
この構成によれば、OFDM変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のレベルの確率密度分布の形状の特徴を利用して、第1の確率が所定の閾値以下であり、かつ、第2の確率及び第3の確率の合計が所定の閾値以下の場合、受信信号の変調方式をOFDMと判定することができ、比較的簡易な処理により、受信信号の変調方式がOFDMか否かを判定することができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、所定時間内に同期獲得ができた場合は、前記受信信号に同期したクロックを出力し、所定時間内に同期獲得ができなかった場合は、前記OOK変調信号又は前記PSK変調信号のシンボルレートで前記クロックを出力する同期手段を、さらに具備し、前記サンプリング手段は、前記同期手段から出力される前記クロックを用いて、前記受信信号をサンプリングする構成を採る。
この構成によれば、変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のピーク値で、サンプリングされたサンプル値に基づいて、変調方式を判定することができるので、より正確に変調方式を判定することができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記第1の平均値と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記サンプリング手段で用いるクロックを遅延する遅延制御手段を、さらに具備し、前記サンプリング手段は、前記遅延制御手段から出力される前記クロックを用いて、前記受信信号をサンプリングする構成を採る。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記第2の平均値と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記サンプリング手段で用いるクロックを遅延する遅延制御手段を、さらに具備し、前記サンプリング手段は、前記遅延制御手段から出力される前記クロックを用いて、前記受信信号をサンプリングする構成を採る。
これらの構成によれば、第1の平均値又は第2の平均値が所定の閾値未満の場合、サンプリングタイミングが適切でないと判定し、サンプリングタイミングをずらして、変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のピーク値付近の最適なタイミングでサンプリングしたサンプル値を用いて、変調方式を判定することができるので、同期追従等の複雑な処理を行わずに比較的簡易な処理により、変調方式の誤判定の頻度を低減することができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記遅延制御手段から出力されるクロックを所定時間だけ遅延させる遅延手段を、さらに具備し、前記サンプリング手段は、前記遅延制御手段から出力されるクロックと、前記遅延手段から出力される遅延後のクロックとを用いて、前記受信信号をサンプリングして、それぞれN個の第1及び第2のデータサンプルを取得し、前記変調判定手段は、前記N個の第1のデータサンプルのサンプル値の平均値と、前記N個の第2のデータサンプルのサンプル値の平均値のうち、大きい方の平均値を前記第1の平均値とする構成を採る。
この構成によれば、複数のタイミングを用いて、変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のサンプリングを並列処理して、より最適なタイミングを選択することができるので、変調方式を判定するまでに要する時間を短縮することができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記第1及び第2の平均値に基づいて、第1及び第2の閾値を設定する閾値決定手段と、前記N個のデータサンプルを、前記第1及び第2の閾値に基づいて二値化して、第1及び第2の二値化データに変換する二値化手段と、をさらに具備し、前記判定手段は、前記第1又は第2の二値化データに基づいて、前記受信信号の変調方式を判定する構成を採る。
この構成によれば、閾値判定により二値化してデータを復調するOOK検波部を用いて、変調方式を判定することができるので、消費電力を抑えることができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第1の二値化データの誤り率の算出を行う誤り計算部、を具備し、前記誤り計算部によって算出された誤り率と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定する構成を採る。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記誤り計算部は、前記第1の二値化データのフレームチェックエラーの有無を検出し、前記判定手段は、前記フレームチェックエラーの有無に基づいて、前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定する構成を採る。
これらの構成によれば、PSK検波部やOFDM検波部に比べ、処理が簡単なOOK検波部を用いて得られた復調データに基づいて、誤り率が所定の閾値未満の場合、又は、フレームチェックエラーが無い場合、受信信号の変調方式をOOKと判定することができるので、消費電力を抑えることができる。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第2の二値化データが「1」となる割合に基づいて、前記受信信号の変調方式がPSKか否かを判定する構成を採る。
本発明の受信装置の一つの態様は、前記判定手段は、前記第2の二値化データが「1」となる割合に基づいて、前記受信信号の変調方式がOFDMか否かを判定する構成を採る。
これらの構成によれば、より複雑な処理を必要とするPSK検波部やOFDM検波部でなく、閾値判定により二値化してデータを復調するOOK検波部を用いて得られた復調データに基づいて、第2の二値化データが「1」となる割合が所定の閾値以上の場合、受信信号の変調方式をPSKと判定し、第2の二値化データが「1」となる割合が所定の閾値未満の場合、受信信号の変調方式をOFDMと判定することができるので、消費電力を抑えることができる。
本発明の変調判定方法の一つの態様は、オンオフ変調(OOK)、位相偏移変調(PSK)、及び直交周波数分割多重(OFDM)の3つの変調方式のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信における受信信号の変調方式を判定する変調判定方法であって、前記受信信号をサンプリングして、N(Nは自然数)個のデータサンプルを取得するサンプリングステップと、前記N個のデータサンプル値の平均値である第1の平均値を求め、前記第1の平均値に基づいて、前記受信信号の変調方式を判定する判定ステップと、を有するようにした。
この方法によれば、OOK、PSK、及びOFDM変調方式をサポートする無線通信において、各変調方式に対する受信復調部をそれぞれ並列に動作させることなく、N個のデータサンプルのサンプル値の平均値である第1の平均値に基づいて、比較的簡易な処理により、消費電力が増大するのを回避しつつ、変調方式を判定することができる。
本発明の変調判定方法の一つの態様は、前記判定ステップは、前記第1の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第1の確率に基づいて、前記受信信号の変調方式がPSKか否かを判定するようにした。
この方法によれば、PSK変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のレベルの確率密度分布の形状の特徴を利用して、第1の確率が所定の閾値より大きい場合、受信信号の変調方式をPSKと判定することができ、比較的簡易な処理により、受信信号の変調方式がPSKか否かを判定することができる。
本発明の変調判定方法の一つの態様は、前記判定ステップは、前記第1の平均値より大きいデータサンプル値の平均値である第2の平均値を求め、前記第1の平均値より小さいデータサンプル値の平均値である第3の平均値を求め、前記N個のデータサンプルのうち、前記第2の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第2の確率、及び、前記第3の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第3の確率に基づいて、前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定するようにした。
この方法によれば、OOK変調信号のエンベロープ信号又はコヒーレント信号のレベルの確率密度分布の形状の特徴を利用して、第2の確率及び第3の確率の合計が所定の閾値より大きい場合、受信信号の変調方式をOOKと判定することができ、比較的簡易な処理により、受信信号の変調方式がOOKか否かを判定することができる。
本発明の受信装置及び変調判定方法は、複数の変調方式をサポートする通信システムにおいて、比較的簡易な処理により、消費電力が増大するのを回避しつつ、変調方式を判定することができ、特に、振幅変調、位相変調、及び直交周波数分割多重変調のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信ネットワークにおける受信装置及び変調判定方法などに有用である。
UWB無線通信ネットワーク構造の一例を示す図 (a)エンベロープ検波部の構成の一例を示すブロック図(b)コヒーレント検波部の構成の一例を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る変調方式判定装置の要部構成を示すブロック図 ノイズレスチャネルにおける各変調信号のエンベロープ信号の時間的変動とデータサンプルとの関係を示す図 各変調方式における確率密度分布を示す図 実施の形態1に係る変調方式判定方法の動作を説明するためのフローチャート図 本発明の実施の形態2に係る変調方式判定装置の要部構成を示すブロック図 ノイズレスチャネルにおける各変調信号のエンベロープ信号の時間的変動とデータサンプルとの関係を示す図 実施の形態2に係る変調方式判定方法の動作を説明するためのフローチャート図 本発明の実施の形態3に係る変調方式判定装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態3に係る変調方式判定方法の動作を説明するためのフローチャート図 本発明の実施の形態4に係る変調方式判定装置の要部構成を示すブロック図 閾値決定部の要部構成を示す図 閾値決定部の動作を説明するための図 各変調方式における確率密度分布を示す図 実施の形態4に係る変調方式判定方法の動作を説明するためのフローチャート図 送信装置の送信データパターンを説明するための図
符号の説明
100 PNC装置
200a,200b,200c クライアント装置
202 エンベロープ検波部
204 ダイオード
206 LPF
210 コヒーレント検波部
212,214 乗算器
216 発振器
218 π/2移相器
220 加算器
300,400,500,600 変調方式判定装置
302 クロック
304 同期部
306,504 サンプリング部
308,408,508,606 変調判定部
402 遅延制御部
502 遅延部
602 閾値決定部
604 二値化部
702 Highレベル決定回路
704 分圧回路
706−1〜706−n DCクリップ回路
708 クリップ回路
710 直流レベル検出回路

Claims (18)

  1. オンオフ変調(OOK)、位相偏移変調(PSK)、及び直交周波数分割多重(OFDM)の3つの変調方式のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信における受信信号の変調方式を判定する受信装置であって、
    前記受信信号をサンプリングして、N(Nは自然数)個のデータサンプルを取得するサンプリング手段と、
    前記N個のデータサンプル値の平均値である第1の平均値を求め、前記第1の平均値に基づいて、前記受信信号の変調方式を判定する判定手段と、
    を具備する受信装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記第1の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプルが含まれる割合である第1の確率に基づいて、前記受信信号の変調方式がPSKか否かを判定する
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記判定手段は、
    前記第1の確率と所定の閾値とを比較し、比較結果に応じて、前記受信信号の変調方式がPSKか否か判定する
    請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記第1の平均値より大きいデータサンプル値の平均値である第2の平均値を求め、
    前記第1の平均値より小さいデータサンプル値の平均値である第3の平均値を求め、
    前記N個のデータサンプルのうち、
    前記第2の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプルが含まれる割合である第2の確率、及び、
    前記第3の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプルが含まれる割合である第3の確率に基づいて、
    前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定する
    請求項2又は請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記判定手段は、
    前記第2の確率及び前記第3の確率の合計と、所定の閾値とを比較し、比較結果に応じて、前記受信信号の変調方式がOOKか否か判定する
    請求項4に記載の受信装置。
  6. 前記判定手段は、
    前記第1の平均値より大きいデータサンプル値の平均値である第2の平均値を求め、
    前記第1の平均値より小さいデータサンプル値の平均値である第3の平均値を求め、
    前記N個のデータサンプルのうち、
    前記第2の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第2の確率と、
    前記第3の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第3の確率とに基づいて、
    前記受信信号の変調方式がOFDMか否かを判定する
    請求項2又は請求項3に記載の受信装置。
  7. 所定時間内に同期獲得ができた場合は、前記受信信号に同期したクロックを出力し、
    所定時間内に同期獲得ができなかった場合は、前記OOK変調信号又は前記PSK変調信号のシンボルレートで前記クロックを出力する同期手段を、さらに具備し、
    前記サンプリング手段は、
    前記同期手段から出力される前記クロックを用いて、前記受信信号をサンプリングする
    請求項1に記載の受信装置。
  8. 前記第1の平均値と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記サンプリング手段で用いるクロックを遅延する遅延制御手段を、さらに具備し、
    前記サンプリング手段は、
    前記遅延制御手段から出力される前記クロックを用いて、前記受信信号をサンプリングする
    請求項1に記載の受信装置。
  9. 前記第2の平均値と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記サンプリング手段で用いるクロックを遅延する遅延制御手段を、さらに具備し、
    前記サンプリング手段は、
    前記遅延制御手段から出力される前記クロックを用いて、前記受信信号をサンプリングする
    請求項4に記載の受信装置。
  10. 前記遅延制御手段から出力されるクロックを所定時間だけ遅延させる遅延手段を、さらに具備し、
    前記サンプリング手段は、
    前記遅延制御手段から出力されるクロックと、前記遅延手段から出力される遅延後のクロックとを用いて、前記受信信号をサンプリングして、それぞれN個の第1及び第2のデータサンプルを取得し、
    前記変調判定手段は、
    前記N個の第1のデータサンプルのサンプル値の平均値と、前記N個の第2のデータサンプルのサンプル値の平均値のうち、大きい方の平均値を前記第1の平均値とする
    請求項9に記載の受信装置。
  11. 前記第1及び第2の平均値に基づいて、第1及び第2の閾値を設定する閾値決定手段と、
    前記N個のデータサンプルを、前記第1及び第2の閾値に基づいて二値化して、第1及び第2の二値化データに変換する二値化手段と、をさらに具備し、
    前記判定手段は、
    前記第1又は第2の二値化データに基づいて、前記受信信号の変調方式を判定する
    請求項7に記載の受信装置。
  12. 前記判定手段は、
    前記第1の二値化データの誤り率の算出を行う誤り計算部、を具備し、
    前記誤り計算部によって算出された誤り率と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定する
    請求項11に記載の受信装置。
  13. 前記誤り計算部は、
    前記第1の二値化データのフレームチェックエラーの有無を検出し、
    前記判定手段は、
    前記フレームチェックエラーの有無に基づいて、前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定する
    請求項12に記載の受信装置。
  14. 前記判定手段は、
    前記第2の二値化データが「1」となる割合に基づいて、前記受信信号の変調方式がPSKか否かを判定する
    請求項12に記載の受信装置。
  15. 前記判定手段は、
    前記第2の二値化データが「1」となる割合に基づいて、前記受信信号の変調方式がOFDMか否かを判定する
    請求項12に記載の受信装置。
  16. オンオフ変調(OOK)、位相偏移変調(PSK)、及び直交周波数分割多重(OFDM)の3つの変調方式のうち、少なくとも2つの変調方式をサポートする無線通信における受信信号の変調方式を判定する変調判定方法であって、
    前記受信信号をサンプリングして、N(Nは自然数)個のデータサンプルを取得するサンプリングステップと、
    前記N個のデータサンプル値の平均値である第1の平均値を求め、前記第1の平均値に基づいて、前記受信信号の変調方式を判定する判定ステップと、
    を有する変調判定方法。
  17. 前記判定ステップは、
    前記第1の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第1の確率に基づいて、前記受信信号の変調方式がPSKか否かを判定する
    請求項16に記載の変調判定方法。
  18. 前記判定ステップは、
    前記第1の平均値より大きいデータサンプル値の平均値である第2の平均値を求め、
    前記第1の平均値より小さいデータサンプル値の平均値である第3の平均値を求め、
    前記N個のデータサンプルのうち、
    前記第2の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第2の確率、及び、
    前記第3の平均値を含む所定範囲内に、前記データサンプル値が含まれる割合である第3の確率に基づいて、前記受信信号の変調方式がOOKか否かを判定する
    請求項16に記載の変調判定方法。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011176765A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Anritsu Corp 変調方式識別回路及び変調方式識別方法
US9137062B2 (en) 2013-09-04 2015-09-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless communication apparatus and wireless communication method
JP2016174280A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 日本電信電話株式会社 無線受信機と受信信号処理方法

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