JP2008205762A - 受信装置、受信方法、およびプログラム、並びにテレビジョン受像機 - Google Patents

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Abstract

【課題】速やかに、且つ、ユーザに認識されることなく、過変調の音声信号を補正する。
【解決手段】2つのチューナの両方が使用されない場合、どちらか一方のチューナを用いて、テレビジョン放送の各チャンネルにそれぞれ応じた増幅利得を決定するための計測処理が実行される。一方のチューナだけが使用される場合、使用されるチューナの利得が前回の計測処理で更新されているLUTに基づいて設定され、使用されないチューナを用いて計測処理が行われる。両方のチューナが使用される場合、両方のチューナの利得が前回の計測処理で更新されているLUTに基づいて設定される。本発明は、例えばテレビジョン受像機に適用できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、受信装置、受信方法、およびプログラム、並びにテレビジョン受像機に関し、特に、過変調の可能性がある音声信号を受信する場合に用いて好適な受信装置、受信方法、およびプログラム、並びにテレビジョン受像機に関する。
本来、テレビジョン放送やラジオ放送の音声信号は、その変調度が予め規定されている。しかしながら、規定を超える変調度で変調された音声信号(例えば、FM変調波の場合、変調周波数幅が規定よりも広い音声信号。AM変調波の場合、変調振幅が規定よりも広い音声信号。以下、過変調の音声信号を称する)が放送されている国や地域が存在し、さらに、それらの変調度は、放送局毎あるいは番組毎に異なる場合が多い。
そのような過変調の音声信号を通常の受信装置で受信した場合、出力される音に歪が生じてしまう。そこで、従来、過変調の音声信号に対処する方法として、受信した音声信号を復調して増幅し、増幅後の信号レベルが閾値を越えている場合、増幅時の利得を下げる方法が存在する(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−9650号公報
上述した対処方法の場合、受信中の音声信号に基づいて増幅時の利得を調整しているので、最適な利得に調整されるまでにある程度の時間を要してしまう。例えば、小声による会話のシーンから突然大声を発するシーンに変化する音声信号を想定すると、小声の会話のシーンでは変調度が低いので利得は調整されず、大声のシーンでは変調度が大きく過変調であるので、この時点で利得の調整が開始されることになる。
また、従来の対処方法の場合、受信中の音声信号に基づいて増幅時の利得を調整しているので、利得の抑制によって急に音量が下がってしまいユーザに違和感を与えたり、過変調に対する対処が行われていることをユーザに認識させてしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、速やかに、ユーザに認識されることなく、過変調の音声信号に対処できるようにするものである。
本発明の第1の側面である受信装置は、音声信号を受信する受信装置において、変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段と、前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させる利得調整手段と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶する記憶手段と、前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定された場合、前記受信手段、前記比較手段、前記利得調整手段、および前記記憶手段を制御して前記最適値を記憶させ、前記受信手段が使用されると判定された場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、前記記憶手段によって記憶されている前記最適値に設定させる制御手段とを含む。
前記受信手段は、複数存在し、前記制御手段は、複数の前記受信手段のうち、前記音声信号の受信を目的として使用されないものが少なくとも1つ残っているとき、前記受信手段が使用されないと判定するようにすることができる。
前記制御手段は、前記受信装置の主電源がオフとされたスタンバイ状態であるとき、前記受信手段が使用されないと判定するようにすることができる。
前記記憶手段は、所定の期間以前に前記比較手段によって検出された前記最大レベルも記憶し、前記利得調整手段は、記憶されている前記最大レベルと現在の最大レベルの差が所定の閾値以上ある場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を最大値に変更させるようにすることができる。
本発明の第1の側面である受信方法は、変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段を備える受信装置の受信方法において、前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定した場合、前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較し、この比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させ、この比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶し、前記受信手段が使用されると判定した場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、記憶されている前記最適値に設定させるステップを含む。
本発明の第1の側面であるプログラムは、変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段を備える受信装置の制御用のプログラムであって、前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定した場合、前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較し、この比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させ、この比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶し、前記受信手段が使用されると判定した場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、記憶されている前記最適値に設定させるステップを含む処理を受信装置のコンピュータに実行させる。
本発明の第2の側面であるテレビジョン受像機は、変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段と、前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させる利得調整手段と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶する記憶手段と、前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定された場合、前記受信手段、前記比較手段、前記利得調整手段、および前記記憶手段を制御して前記最適値を記憶させ、前記受信手段が使用されると判定された場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、前記記憶手段によって記憶されている前記最適値に設定させる制御手段とを含む。
本発明の第1および第2の側面においては、音声信号の受信を目的として受信手段が使用されるか否かが判定され、受信手段が使用されないと判定された場合、受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルが検出され、検出された最大レベルと所定の閾値が比較され、この比較結果に対応し、受信手段を制御して利得の設定値が変更される。また、この比較結果に対応し、受信手段によって選局されているチャンネルに、受信手段の現在の利得の設定値が最適値として対応付けて記憶される。そして、受信手段が使用されると判定された場合、受信手段を制御して利得の設定値が、記憶されている最適値に設定される。
本発明の第1および第2の側面によれば、過変調の音声信号に対処することができる。
また、本発明の第1および第2の側面によれば、速やかに、且つ、ユーザに認識されることなく、過変調の音声信号に対処することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の第1の側面である受信装置は、音声信号を受信する受信装置において、変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段(例えば、図1のチューナ14および15)と、前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較する比較手段(例えば、図1の比較部21)と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させる利得調整手段(例えば、図1の利得調整部22)と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶する記憶手段(例えば、図1のLUT23)と、前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定された場合、前記受信手段、前記比較手段、前記利得調整手段、および前記記憶手段を制御して前記最適値を記憶させ、前記受信手段が使用されると判定された場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、前記記憶手段によって記憶されている前記最適値に設定させる制御手段(例えば、図1の制御部12)とを含む。
本発明の第1の側面である受信方法およびプログラムは、前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し(例えば、図3のステップS1)、前記受信手段が使用されないと判定した場合、前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し(例えば、図4のステップS14)、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較し(例えば、図4のステップS15)、この比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させ(例えば、図4のステップS16)、この比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶し(例えば、図4のステップS17)、前記受信手段が使用されると判定した場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、記憶されている前記最適値に設定させる(例えば、図3のステップS4)ステップを含む。
本発明の第2の側面であるテレビジョン受像機は、変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段(例えば、図1のメインチューナ14,15)と、前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較する比較手段(例えば、図1の比較部21)と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させる利得調整手段(例えば、図1の利得調整部22)と、前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶する記憶手段(例えば、図1のLUT23)と、前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定された場合、前記受信手段、前記比較手段、前記利得調整手段、および前記記憶手段を制御して前記最適値を記憶させ、前記受信手段が使用されると判定された場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、前記記憶手段によって記憶されている前記最適値に設定させる制御手段(例えば、図1の制御部12)とを含む。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるテレビジョン受像機の第1の構成例を示している。このテレビジョン受像機10は、テレビジョン信号を受信するためのチューナが2つ搭載された、いわゆるダブルチューナモデルであり、ダブルチューナのうちの番組の視聴や録画のために使用されていない方を利用して各チャンネルのテレビジョン信号の音声信号の過変調を検出し、検出結果に応じて最適な増幅利得を決定し、決定結果をLUT(ルックアップテーブル)として保持するようになされている。
このテレビジョン受像機10は、ユーザの操作を受け付ける操作入力部11、テレビジョン受像機10の各部を制御する制御部12、アンテナなどから入力されるテレビジョン信号(RF信号)を複数に分配する分配器13、テレビジョン信号から選局に対応する映像信号と音声信号を抽出するチューナ14および15、チューナ14の出力、チューナ15の出力、およびビデオプレーヤ(不図示)などから供給されるAV信号(外部入力信号)を入力としていずれか1つを後段に出力するセレクタ16、セレクタ16の出力に対応する映像を表示するディスプレイ17、セレクタ16の出力に対応する音声を出力するスピーカ18、並びに、テレビジョン信号の音声信号の過変調に応じてチューナ14および15における増幅利得を調整する過変調補正部19から構成される。
操作入力部11は、リモートコントローラや、筐体に設けられたスイッチなどからなり、ユーザの操作を受け付けて、それに対応する操作信号を制御部12に出力する。制御部12は、操作入力部11から入力される操作信号などに対応し、チューナ14および15、セレクタ16、および過変調補正部19を制御する。
チューナ14は、分配器13によって分配されたテレビジョン信号から、選局に対応するチャンネル成分を抽出、復調、増幅し、この結果得られた映像信号および音声信号をセレクタ16に出力する。また、チューナ14は、増幅後の音声信号を過変調補正部19にも出力する。チューナ15は、チューナ14と同一のものである。
セレクタ16は、ユーザの操作に基づく制御部12からの指示に従い、チューナ14からの入力、チューナ15からの入力、またはビデオプレーヤなどからの入力のうち、いずれか1つを選択し、選択した入力の映像信号をディスプレイ17に出力するとともに、選択した入力の音声信号をスピーカ18に出力する。また、セレクタ16は、チューナ14からの入力、チューナ15からの入力、またはビデオレコーダなどからの入力のうち、いずれか1つを選択し、ビデオレコーダ(不図示)などに出力することができる。
過変調補正部19には、番組の視聴や録画のために使用されていない状態のチューナ14または15の出力のピーク値を検出して閾値と比較する比較部21、比較結果に基づいて最適な増幅利得を決定する利得調整部22、および各チャンネルに対応付けて最適な増幅利得が記録されるLUT(ルックアップテーブル)23が含まれる。
LUT23には、テレビジョン放送の各チャンネルにそれぞれ対応付けて、所定の期間以前の音声信号のピーク値、過変調が改善されたことを示す過変調改善フラグも記録される。
次に、過変調の音声信号に応じて増幅利得を決定する原理について、図2を参照して説明する。
なお、図2Aおよび図2Bの横軸は、音声信号に対応するFM変調波の周波数を示し、縦軸は、音声信号に対応するFM変調波を復調、増幅して得られる電圧を示している。また、音声信号に対応するFM変調波の規定されている変調度(周波数幅)をML、受信装置が対応可能な音声信号の電圧のダイナミックレンジをDLとする。直線G1,G2は、チューナの増幅利得を示している。
図2Aに示すように、増幅利得が直線G1である場合、規定の周波数幅MLを満たす音声信号(過変調ではない音声信号)を受信したときには、復調、増幅後の音声信号の電圧の幅は、受信装置の対応可能なダイナミックレンジDLに納まるAL1となる。したがって、このときの音声信号は音歪みは生じない。
しかしながら、増幅利得が直線G1である場合、周波数幅ML'の過変調の音声信号を受信したときには、復調、増幅後の音声信号の電圧の幅が受信装置のダイナミックレンジDLを超えるAL1'となる。このとき、電圧がダイナミックレンジDLを超えた分はクリップされるので、このときの音声信号には音歪みが生じてしまう。
そこで、過変調への対策として、音声信号に対応するFM変調波を復調、増幅して得られる電圧を所定の期間監視してピーク値を検出し、検出したピーク値が予め設定されている閾値を越えた場合、図2Bに示すように、増幅利得を徐々に下げて、復調、増幅後の音声信号の電圧のピーク値が所定の閾値以下となり、且つ、電圧の幅AL2'が受信装置の対応可能なダイナミックレンジDLに納まるまで、増幅利得を直線G1から直線G2に変更する。
このように、増幅利得を直線G2まで下げることにより、復調、増幅後の音声信号の電圧は、そのピーク値が所定の閾値以下であり、かつ、幅がダイナミックレンジDLを超えないので、音歪みの発生を抑止することができる。
以上説明した原理を利用し、テレビジョン受像機10は増幅利得を調整する。
次に、テレビジョン受像機10による増幅利得を調整する処理(以下、増幅利得調整処理と称する)について、図3のフローチャートを参照して説明する。この増幅利得調整処理は、例えば、テレビジョン受像機10の主電源がオンとされたときに実行される。
ステップS1において、制御部12は、チューナ14または15の少なくとも一方が使用される状態であるか否かを判定する。
ここで、チューナ14または15の少なくとも一方が使用される状態とは、テレビジョン受像機10においてテレビジョン番組を視聴するためにチューナ14または15によりテレビジョン放送を受信する状態、または外部のビデオレコーダなどを用いて録画させるために、チューナ14または15によりテレビジョン放送を受信する状態などを指す。
反対に、チューナ14および15の両方が使用されない状態とは、ビデオプレーヤなどから入力されたAV信号(外部入力信号)の映像を表示し、音声を出力する状態を指す。
ステップS1において、チューナ14および15の両方が使用されない状態であると判定された場合、処理はステップS2に進められる。ステップS2において、過変調補正部19は、チューナ14または15の一方を用い(例えば、常にチューナ14を固定的に用いてもよいし、ステップS2の処理を実行する毎にチューナ14または15を交互に用いてもよいし、あるいはステップS2の処理を実行する毎にどちらかをランダムに用いてもよい)、テレビジョン放送の各チャンネルにそれぞれ応じた増幅利得を決定するための計測処理を実行する。なお、以下において、計測処理に用いるチューナ14または15を、計測チューナと称する。
ステップS2における計測処理について、図4のフローチャートを参照して詳述する。
ステップS11において、過変調補正部19の利得調整部22は、LUT23を参照して、現在選局されているチャンネルの過変調改善フラグがオンとされているか否か(当該チャンネルの音声信号は過変調が改善されたと判断されたか否か)を確認する。
ここで、過変調改善フラグとは、放送される音声信号の過変調が改善されたことを示すものである。過変調の音声信号を放送していた国や地域であっても、規格に従った変調度の過変調ではない音声信号を放送するようになることが期待される。このように、放送される音声信号の過変調が改善された場合、当該増幅利得調整処理では、基本的に増幅利得を下げる方向にのみ調整するので、増幅後の音声信号の電圧の幅が狭まってしまい、例えば、小声のシーンではユーザが聞き取るために十分な音量を得られなくなってしまう。
そこで、当該増幅利得調整処理では、過変調が改善された場合、増幅利得の調整時の初期値を最大値に設定するようにして、増幅後の音声信号の電圧が幅を広げるようになされている。なお、過変調が改善されたか否かの判断、および過変調改善フラグの設定については、図5を参照して後述する。
ステップS11において、現在選局されているチャンネルの過変調改善フラグがオンとされていないと判定された場合、処理はステップS12に進められる。ステップS12において、利得調整部22は、計測チューナの増幅利得の初期値に現在の設定値を採用させ、処理をステップS14に進める。
反対に、ステップS11において、現在選局されているチャンネルの過変調改善フラグがオンとされていると判定された場合、処理はステップS13に進められる。ステップS13において、利得調整部22は、計測チューナの増幅利得の初期値に最大値を採用させ、処理をステップS14に進める。
ステップS14において、過変調補正部19の比較部21は、計測チューナの出力(電圧)を所定の時間(例えば、10分間)監視し、当該所定の時間におけるピーク値を検出する。ステップS15において、比較部21は、検出したピーク値が予め決定されている閾値以上であるか否かを判定する。
ピーク値が閾値以上であると判定した場合、音声信号が過変調であり音歪が生じる可能性があるので、処理はステップS16に進められる。ステップS16において、利得調整部22は、計測チューナの増幅利得を所定の値だけ下げさせる。
この後、処理はステップS14に戻され、ステップS14乃至S16の処理が繰り返される。
そして、ステップS15において、ピーク値が閾値よりも小さいと判定された場合、処理はステップS17に進められる。ステップS17において、利得調整部22は、選局中のチャンネルに対応付けて、現在の増幅利得とピーク値をLUT23に記録する。
ステップS18において、制御部12は、受信可能なテレビジョン放送の全てのチャンネルに対してステップS11乃至S17の処理を行ったか否かを判定し、行っていないチャンネルが残っていると判定した場合、処理をステップS19に進める。ステップS19において、制御部12は、ステップS11乃至S17の処理を行っていない次のチャンネルの選局を計測チューナに指示する。この後、処理はステップS11に戻され、ステップS11乃至S18の処理が繰り返される。
そして、ステップS18において、受信可能なテレビジョン放送の全てのチャンネルに対してステップS11乃至S17の処理を行ったと判定された場合、当該計測処理は終了される。
以上説明したように、計測処理では、視聴や録画に使用されない計測チューナを用いて、受信可能なテレビジョン放送の全てのチャンネルにそれぞれ対応する最適な増幅利得が決定され、LUT23が更新される。
図3に戻る。ステップS1において、チューナ14または15の少なくとも一方が使用される状態であると判定された場合、処理はステップS3に進められる。ステップS3において、制御部12は、チューナ14および15の両方が使用される状態であるか否かを判定する。ここで、両方が使用される状態とは、チューナ14および15の一方がテレビジョン番組の視聴のために使用され、他方がビデオレコーダなどを用いたテレビジョン番組の録画のために使用されている状態などを指す。
ステップS3において、チューナ14および15の両方が使用される状態であると判定された場合、処理はステップS4に進められる。ステップS4において、利得調整部22は、前回の計測処理によって更新されているLUT23を参照して、チューナ14および15の増幅利得を設定する。
ステップS3において、チューナ14および15の両方が使用される状態ではない、すなわち、チューナ14または15の一方だけが使用される状態であると判定された場合、処理はステップS5に進められる。ステップS5において、利得調整部22は、チューナ14または15の使用される一方の増幅利得を、前回の計測処理によって更新されているLUT23を参照して設定する。そして、過変調補正部19は、チューナ14または15の使用されない他方を用いて計測処理を行い、LUT23を現在の放送状況に応じて更新する。なお、ステップS5における計測処理は、図4を参照して上述したものと同様であるので、その説明は省略する。
以上説明したように、テレビジョン受像機10による増幅利得調整処理によれば、チューナ14および15のうち、テレビジョン番組の視聴や録画に使用されていない一方のチューナを用いて計測処理を行うので、視聴や録画を妨げることなく各チャンネルに対する最適な増幅利得を決定し、更新することができる。また、チューナ14および15の増幅利得の設定変更は、その使用開始時に行われるので、視聴中に音量が不自然に変化してしまうことはない。したがって、過変調に対する対処をユーザに認識されることなく実行することができる。
次に、音声信号の過変調が改善されたか否かを検出する処理(以下、過変調改善検出処理と称する)について、図5を参照して説明する。この過変調改善検出処理は、定期的(例えば、1週間に1回)に実行される。
ステップS31において、比較部21は、チャンネル毎に現在の音声信号の増幅後のピーク値(上述した計測処理のステップS17でLUT23に記録するピーク値を流用する)を、LUT23に記録されている所定の期間前(例えば、1週間前)のピーク値と比較し、現在のピーク値が所定の期間前よりも小さく、その差が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
現在のピーク値が所定の期間前よりも小さく、その差が所定の閾値以上であると判定された場合、過変調が改善されたにも拘らず増幅利得が下げられたままで十分な音量を得られていないと考えられるので、処理はステップS32に進められる。ステップS32において、比較部21は、LUT23の対応するチャンネルの過変調改善フラグをオンとする。
反対に、現在のピーク値が所定の期間前よりも小さくない、あるいは、その差が所定の閾値以上ではないと判定された場合、過変調が改善されていないと考えられるので、処理はステップS33に進められる。ステップS33において、比較部21は、LUT23の対応するチャンネルの過変調改善フラグをオフとする。以上で、過変調改善検出処理は終了される。
次に、図6は、本発明の一実施の形態であるテレビジョン受像機の第2の構成例を示している。このテレビジョン受像機30は、図1に示されたテレビジョン受像機10から分配器13およびチューナ15を省略したモデルであり、その他の共通の構成要素については、テレビジョン受像機10と同一の符号を付しているので、その説明は省略する。
次に、テレビジョン受像機30による増幅利得調整処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。この増幅利得調整処理は、例えば、テレビジョン受像機30の主電源がオンとされたときに実行される。
ステップS51において、制御部12は、チューナ14が使用される状態であるか否かを判定する。
ここで、チューナ14が使用される状態とは、テレビジョン番組を視聴するため、または録画のためにチューナ14によりテレビジョン放送を受信する状態を指す。反対に、チューナ14が使用されない状態とは、ビデオプレーヤなどから入力されたAV信号(外部入力信号)の映像を表示し、音声を出力する状態を指す。
ステップS51において、チューナ14が使用されない状態であると判定された場合、処理はステップS52に進められる。ステップS52において、過変調補正部19は、チューナ14を計測チューナとして用い、テレビジョン放送の各チャンネルにそれぞれ応じた増幅利得を決定するための計測処理を実行する。なお、ステップS52における計測処理については、図4を参照して上述した説明と同様であるので、その説明は省略する。
反対に、ステップS51において、チューナ14が使用される状態であると判定された場合、処理はステップS53に進められる。ステップS53において、利得調整部22は、前回の計測処理によって更新されているLUT23を参照して、チューナ14の増幅利得を設定する。
以上説明したように、テレビジョン受像機30による増幅利得調整処理によれば、チューナ14がテレビジョン番組の視聴や録画に使用されていないときに計測処理を行うので、視聴や録画を妨げることなく各チャンネルに対する最適な増幅利得を決定し、更新することができる。また、チューナ14の増幅利得の設定変更は、その使用開始時に行われるので、視聴中に音量が不自然に変化してしまうことはない。したがって、過変調に対する対処をユーザに認識されることなく実行することができる。
ところで、上述したテレビジョン受像機10および30それぞれによる増幅利得調整処理では、主電源がオンであるときに、使用されないチューナを用いて計測処理を実行するようにしたが、この方法では、チューナが常に使用される状態である場合、最新の最適な増幅利得を決定し、LUT23に更新することができない。
そこで、主電源がオフのスタンバイ状態であるときに計測処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、チューナの数や使用状態に拘わらず、最新の最適な増幅利得を決定して、LUT23を更新することができる。また、スタンバイ状態のときに計測処理を行うか否かを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、本発明は、テレビジョン受像機、ラジオ受信機の他、チューナを内蔵するあらゆる受信装置に適用することが可能である。
また、本発明は、FM変調波の音声信号のみならず、他の変調方式による過変調の音声信号を受信する受信装置に適用することができる。
さらに、本発明は、テレビジョン放送やラジオ放送のみならず、例えばインタネットに代表されるネットワークを介し、コンテンツの供給を受けて再生する情報処理装置などに適用することができる。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明を適用したテレビジョン受像機の第1の構成例を示すブロック図である。 過変調の音声信号に応じて増幅利得を決定する原理を説明するための図である。 図1のテレビジョン受像機による増幅利得調整処理を説明するフローチャートである。 計測処理を説明するフローチャートである。 過変調改善検出処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用したテレビジョン受像機の第2の構成例を示すブロック図である。 図6のテレビジョン受像機による増幅利得調整処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 テレビジョン受像機, 11 操作入力部, 12 制御部, 13 分配器, 14,15 チューナ, 16 セレクタ, 17 ディスプレイ, 18 スピーカ, 19 過変調補正部, 21 比較部, 22 利得調整部, 23 LUT, 30 テレビジョン受像機

Claims (7)

  1. 音声信号を受信する受信装置において、
    変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段と、
    前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させる利得調整手段と、
    前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定された場合、前記受信手段、前記比較手段、前記利得調整手段、および前記記憶手段を制御して前記最適値を記憶させ、前記受信手段が使用されると判定された場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、前記記憶手段によって記憶されている前記最適値に設定させる制御手段と
    を含む受信装置。
  2. 前記受信手段は、複数存在し、
    前記制御手段は、複数の前記受信手段のうち、前記音声信号の受信を目的として使用されないものが少なくとも1つ残っているとき、前記受信手段が使用されないと判定する
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記制御手段は、前記受信装置の主電源がオフとされたスタンバイ状態であるとき、前記受信手段が使用されないと判定する
    請求項1に記載の受信装置。
  4. 前記記憶手段は、所定の期間以前に前記比較手段によって検出された前記最大レベルも記憶し、
    前記利得調整手段は、記憶されている前記最大レベルと現在の最大レベルの差が所定の閾値以上ある場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を最大値に変更させる
    請求項1に記載の受信装置。
  5. 変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段を備える受信装置の受信方法において、
    前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定した場合、
    前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、
    検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較し、
    この比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させ、
    この比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶し、
    前記受信手段が使用されると判定した場合、
    前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、記憶されている前記最適値に設定させる
    ステップを含む受信方法。
  6. 変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段を備える受信装置の制御用のプログラムであって、
    前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定した場合、
    前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、
    検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較し、
    この比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させ、
    この比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶し、
    前記受信手段が使用されると判定した場合、
    前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、記憶されている前記最適値に設定させる
    ステップを含む処理を受信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
  7. 変調された音声信号を受信して復調し、所定の利得で増幅する受信手段と、
    前記受信手段から出力される増幅された音声信号の最大レベルを検出し、検出した前記最大レベルと所定の閾値を比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を変更させる利得調整手段と、
    前記比較手段の比較結果に対応し、前記受信手段によって選局されているチャンネルに、前記受信手段の現在の利得の設定値を最適値として対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記音声信号の受信を目的として前記受信手段が使用されるか否かを判定し、前記受信手段が使用されないと判定された場合、前記受信手段、前記比較手段、前記利得調整手段、および前記記憶手段を制御して前記最適値を記憶させ、前記受信手段が使用されると判定された場合、前記受信手段を制御して前記利得の設定値を、前記記憶手段によって記憶されている前記最適値に設定させる制御手段と
    を含むテレビジョン受像機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012015806A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Toshiba Corp 変調信号処理装置及び変調信号処理方法

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