JP2008205688A - ノイズ除去フィルタ及びノイズ除去方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、多軸力センサや多軸触覚センサなど同時に多点を計測するセンサのノイズ除去に好適なノイズ除去フィルタ及びノイズ除去方法に関する。
従来、小型化が可能で、風雑音及び振動雑音等を確実に除去することを目的とした雑音低減装置が特許文献1に開示されている。この雑音低減装置は、近接して設けられた一対のマイクロフォンと、一対のマイクロフォン出力の間で減算を行う手段と、一対のマイクロフォンの内、一方のマイクロフォンの出力を主要入力とし、他方のマイクロフォンの出力を参照入力として、主要入力及び参照入力を適応的に処理する手段とを備えた構成としている。
この構成によれば、近接して設けられた一対のマイクロフォンの出力には、音声信号成分と雑音成分〔風による雑音成分〕が含まれている。一対のマイクロフォンの出力の間で減算を行うことによって、一方のマイクロフォンの出力には音声信号成分と雑音成分が含まれ、他方のマイクロフォンの出力は雑音成分のみとされる。上述の音声信号成分と雑音成分の含まれる出力が主要入力とされ、雑音成分のみの出力が参照入力とされる。そして、参照入力が主要入力の雑音成分に等しくなるように適応的に処理される。適応的に処理された参照入力が主要入力から減算されることにより、主要入力の内、雑音成分のみがキャンセルされ音声信号成分はそのまま出力される。
また、他の技術として、発生源からの空間的に広がりを持つ物理量の測定信号に含まれる雑音を抑圧することを目的とした信号測定方法が特許文献2に開示されている。この信号測定方法によれば、大きさを測定すべき信号成分と雑音成分が線形に重畳している少なくとも2個の測定対象物理量のそれぞれを、測定対象物理量を感知してその大きさに比例する信号を出力する検出手段により、検出して得た測定量の内の第1の測定量と第2の測定量のそれぞれの信号成分が同一の時間変化をし、第1の測定量と第2の測定量のそれぞれの雑音成分が同一の時間変化をするときに、第2の測定量中の雑音成分の大きさに対する第1の測定量中の雑音成分の大きさの比である雑音成分比を、第2の測定量に乗じたものを第1の測定量から差し引いたものを参照信号として、目的の測定対象物理量の測定量を同期検波して、測定対象物理量中の信号成分の大きさを測定する。
この構成によれば、磁界や電界などを媒介として物理量の測定を行う場合の雑音の除去に適用することができ、地下埋設電力線などのように、測定に影響を与える雑音電流が近くにある場合にも、精度の高い位置測定が可能となり、水平ドリリング等を磁気的雑音が多い都市部で行う場合に掘削位置の測定を行うことが可能となる。
ところで、一般的な技術としては、低域通過フィルタ(LPF)による高周波ノイズの除去や、カルマンフィルタ(KLM)による白色ノイズの除去が知られている。
特開平5−161191号公報
特開2002−148009号公報
しかしながら、高周波ノイズは低域通過フィルタで除去することができるが、低周波ノイズは信号と混ざり分離することができない。また、カルマンフィルタは計算量が多く複雑である上、その特性上、白色雑音には有効であるものの有色雑音には弱いという問題点がある。
また、特許文献1、2に記載の技術においては、3軸や6軸などの多軸力センサのノイズを十分に除去することができない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成で多入力信号から雑音を効果的に除去することができるノイズ除去フィルタ及びノイズ除去方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるノイズ除去フィルタは、複数の入力信号からなるベクトルをfm、当該複数の入力信号から求めたノイズベクトルをfn、真値ベクトルをft、当該入力信号における真値の割合の最小値をktとしたとき
を満たすktを前記入力信号に乗算する乗算部を有するものである。
本発明においては、簡易な演算で求めた最小値ktを入力信号に乗算するのみで例えばLPFでは取り除くことができない低周波ノイズを効果的に除去することができる。
また、前記複数の入力信号からなるベクトルは多軸力センサの各軸における計測値、2以上のマイクロフォンから入力される音声信号、又は電波信号とすることができる。すなわち、同時に多点を計測するようなシステムのノイズを除去することができる。
さらに、ローパスフィルタを有し、前記乗算部は、ローパスフィルタを施した前記入力信号に対してktを乗算することができる。これにより、更にノイズ除去能力が向上する。
また、カルマンフィルタを有し、前記乗算部は、前記カルマンフィルタを施した前記入力信号に対してktを乗算するようにしてもよい。
本発明によれば、簡易な方法で効果的にノイズを除去することができるノイズ除去フィルタ及びノイズ除去方法を提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、多軸力センサのノイズ除去フィルタに適用したものである。
本実施の形態においては、ベクトル空間に多軸力センサの複数の出力を要素とするベクトルを表しノイズの除去を行なう。多軸力センサの複数の出力信号に同相ノイズなどのベクトル空間にて一意のベクトルで表記できるノイズが存在する。
ベクトル空間上に表し計算値を要素とするベクトとノイズを要素とするベクトルの相関を用いた簡易な計算式にて最小真値率を求める。この最小真値率を計測値に乗算することで周波数に依存せず、ノイズの除去を行なうことができる。
図1は、計測値(入力信号)、ノイズ及び真値の関係を示す模式図である。多軸力センサの計測値を要素としベクトル空間上にベクトルとして表すと、そのベクトル、計測値ベクトルfmは、ノイズを要素とするノイズベクトルfnと、計測対象の真な値を要素とする真値ベクトルftの加算として表すことができる。すなわち、計測値ベクトルfmは図1に示すように、例えばノイズベクトルfn1と真値ベクトルft1であったり、ノイズベクトルfn2と真値ベクトルft2であったり、ノイズベクトルfn3と真値ベクトルft3に分解することができる。
図2は、3軸力センサの計測値とノイズベクトルを示すグラフ図である。図2に示すように、計測値におけるノイズがこのような同相などの特性を有する場合、ノイズベクトルはベクトル空間において、一意に表すことができる。ここで、計測値ベクトルfm、ノイズベクトルfn、真値ベクトルftは、計測値における真値の割合の最小値、最小真値率ktとしたとき、下記式を満たす。
この最小真値率ktを計測値に乗算することで計測値からノイズを取り除き、真値を取り出すことができる。ここで最小真値率ktは、図1からも明らかなように、真値ベクトルの中で最小のベクトルであるので、ノイズベクトルfnから計測ベクトルfmに向かって直角に向くベクトルである。
ここで、最小真値率ktを計測値に乗算することでノイズを効果的に除去することができるが、その前段にローパスフィルタ(LPF)を設けて予め高周波成分を除去してから最小真値率ktを乗算すると更に効果的にノイズを除去することができる。
図3は、本実施の形態におけるノイズ除去装置を示す図、図4は、ノイズ除去方法を示すフローチャート、図5は、実際に本装置を計測値に適応した例を示すグラフ図である。
図3に示すように、ノイズ除去装置1は、計測値(入力信号からなるベクトル)S1が入力されるLPF2と、LPFを施した信号S2が入力され最小真値率ktを乗算して信号S3を出力する乗算部3を有する。
図4に示すように、まず計測値からノイズベクトルfnを求める(ステップSP1)。ノイズベクトルfnは、例えば2軸であれば略45度の方向、3軸であればXYZのいずれの軸からも略45度傾いた方向に現れるベクトルである。ノイズベクトルはどの軸にも同様にノイズがのるために軸と軸の中間に現れる。このノイズベクトルfnは、計測値をプロットすれば求めることができる。なお、本実施の形態においては、多軸力センサのノイズ除去フィルタとして説明しているが、例えば、マイクロフォンアレイから入力される複数の音声信号のノイズを除去したり、複数のアンテナからの入力信号のノイズ除去フィルタとしても有効である。すなわち、複数チャンネルを同時に計測しているようなシステムにおけるノイズ除去フィルタとして有効である。
次に、上記式(1)に基づき最小真値率ktを求める(ステップSP2)。最小真値率ktは上述したように、真値ベクトルftのうち最小のベクトルである。
次に、計測値S1をLPF2に入力する(ステップSP3)。図5(a)は、計測値S1を示すグラフ図である。図5(a)に示すように、計測値には大量のノイズが重畳されている。この計測値は、3軸センサのある軸に−3(N)をステップ状に加えた際の計測値である。図5(b)は、この信号S1に対し、2次のLPF2を実施した値である。LPF2を実施することで、高周波成分が取り除かれる。
最後に、乗算部3で最小真値率ktを乗算する(ステップSP4)。図5(c)はその結果信号S3を示す図である。最小真値率ktを乗算することで、LPFで取り除くことができなかった低周波ノイズを除去できることがわかかる。
ここで、最小真値率ktは、最小ベクトルをとっているため、図5(c)に示すように、結果信号S3において、−3(N)を加えているにも関わらず、略−2(N)として、すなわち実際より小さく出力されている。例えば、信号の形状を見るためであれば、最小真値率ktを乗算すればよいが、例えば、ある決まったノイズ、例えば1Hzのサイン波等を入力してノイズベクトルfnの大きさを求め、最小真値率ktを補正するようにしてもよい。例えば制御等、信号の値が重要な場合には、正確な真値ベクトルを求めることが好ましい。
また、本実施の形態においては、乗算部3の前段はLPFとしているが、例えばカルマンフィルタであってもよい。
本実施の形態においては、簡易な計算により、LPFでは除去することができない低周波ノイズを効率的に除去することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、本実施の形態においては、多軸力センサのノイズ除去フィルタとして説明したが、同時に多点を計測するセンサにおいて、複数の計測チャンネルの出力に同相のノイズがのう場合、そのノイズを効果的に除去することができる。そのため、多軸力センサ以外にも、多軸触覚センサなど多軸成分を有する様々なセンサに対しても、本フィルタを採用することで、適切なノイズ除去を行なうことができる。
1 ノイズ除去装置
2 LPF
3 乗算部
fm 計測値ベクトル
fn ノイズベクトル
ft 真値ベクトル
kt 最小真値率
2 LPF
3 乗算部
fm 計測値ベクトル
fn ノイズベクトル
ft 真値ベクトル
kt 最小真値率
Claims (9)
- 前記複数の入力信号は多軸力センサの各軸における計測値ベクトルである
ことを特徴とする請求項1記載のノイズ除去フィルタ。 - 前記複数の入力信号は、2以上のマイクロフォンから入力される音声信号からなるベクトルである
ことを特徴とする請求項1記載のノイズ除去フィルタ。 - 前記複数の入力信号は、電波信号である
ことを特徴とする請求項1記載のノイズ除去フィルタ。 - ローパスフィルタを更に有し、
前記乗算部は、ローパスフィルタを施した前記入力信号に対してktを乗算する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のノイズ除去フィルタ。 - カルマンフィルタを更に有し、
前記乗算部は、前記カルマンフィルタを施した前記入力信号に対してktを乗算する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のノイズ除去フィルタ。 - 前記入力信号に対してローパスフィルタを施すLPF工程を更に有し、
前記乗算工程では、前記LPF工程にてローパスフィルタを施した前記入力信号に対してktを乗算する
ことを特徴とする請求項7記載のノイズ除去方法。 - 前記入力信号に対してカルマンフィルタを施すKLM工程を更に有し、
前記乗算工程では、前記KLM工程にてカルマンフィルタを施した前記入力信号に対してktを乗算する
ことを特徴とする請求項7記載のノイズ除去方法。
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---|---|---|---|
JP2007037715A JP2008205688A (ja) | 2007-02-19 | 2007-02-19 | ノイズ除去フィルタ及びノイズ除去方法 |
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