JP2008205425A - 光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置から出力される光スペクトルの制御をおこない、結果的に可干渉長が制御された光源装置を提供する。
【解決手段】発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、遷移元素添加光導波路103の一方の端に光出力端105と遷移元素添加光導波路103を励起するための励起光源101が光カプラ102を介し接続され、遷移元素添加光導波路103のもう一方の端に反射スペクトルが制御された反射体201が接続されることを特徴とする光源装置。
【選択図】 図2
【解決手段】発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、遷移元素添加光導波路103の一方の端に光出力端105と遷移元素添加光導波路103を励起するための励起光源101が光カプラ102を介し接続され、遷移元素添加光導波路103のもう一方の端に反射スペクトルが制御された反射体201が接続されることを特徴とする光源装置。
【選択図】 図2
Description
本発明は、可干渉長の制御方法およびその方法を用いた光源装置に関するものである。
近年、計測、医療、バイオ分野の技術の進展は目覚ましく、それに応じて、これら分野で使用される光源への要求も多様化してきている。
光源には、ランプ、各種レーザ、ダイオードなどがある。これらは、それぞれの特徴に応じ、棲み分けが進むものと思われるが、近年の傾向として放射輝度の高い光源への要求が高い。これは、より微細な領域で光源が利用されてきていることと関係していると言える。
放射輝度の高い光源として、レーザ、特に使用が容易な半導体レーザ、が使用される場合も多い。しかし、レーザ特有の干渉性の高さは有用である場合もあるが、一部の用途では、例えば画像表示装置や照明光学装置などでは、歓迎されない性質であった。干渉性が高いことによって発生するスペックルを除く発明が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
レーザ光ではない、即ち干渉性が比較的低い、半導体光源(LED、SLD)も存在する。しかし、放射輝度が充分でなかったり、波長帯域が赤外に限られてしまったりしている。
干渉性については既にレーザ光についての知見がある(非特許文献1)。一般的には、対象となる光のマイケルソン干渉計における干渉縞を観察することで、可干渉長Lを求めることができる。また、この可干渉長Lは、
L=c/Δν (但し、c:光速、Δν:線幅)・・・式1
で、ほぼ表されることも知られている。また、光スペクトルにおけるパワーの半値を示す波長をλ1、λ2(λ1<λ2)とすると、式1は、
L=λ1・λ2/(λ2-λ1)・・・式2
とも表され、光スペクトルの制御により可干渉長の制御が可能であることが、示唆される。式2において、(λ2-λ1)が半値全幅にあたる。
L=c/Δν (但し、c:光速、Δν:線幅)・・・式1
で、ほぼ表されることも知られている。また、光スペクトルにおけるパワーの半値を示す波長をλ1、λ2(λ1<λ2)とすると、式1は、
L=λ1・λ2/(λ2-λ1)・・・式2
とも表され、光スペクトルの制御により可干渉長の制御が可能であることが、示唆される。式2において、(λ2-λ1)が半値全幅にあたる。
発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置のうち、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源においては、自然放出光成分と誘導放出によって増幅された成分とが混合されている。特に、高パワーなASE光源では、誘導放出成分が多いため、先に述べた光スペクトルと可干渉長の関係を尺度として用いることができると考えられる。
発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置は、例えば、図1に示すように、主に、励起光源101、光カプラ102、遷移元素添加光導波路103、出力端105、無反射端104から構成される。励起光源101は、遷移元素添加光導波路103中の遷移元素を活性化するためのものである。光カプラ102は、励起光源101から出力される励起光を遷移元素添加光導波路103へ導き、かつ、遷移元素添加光導波路103からの光を出力端105へ導くためのものである。遷移元素添加光導波路103は、発光体として用いられており、これまで遷移元素添加光導波路103には、希土類元素添加光ファイバが多く用いられる。無反射端104は、遷移元素添加光導波路103で発生する光が無反射端104の方に伝播してくる光が再び遷移元素添加光導波路103へ折り返さないための処理を施したものである。この様な光源装置においては、使用される遷移元素添加光導波路、励起パワー等により、出力される光スペクトルが決定される。しかし、可干渉長を制御することを意図した光スペクトルの制御は、なされていない。
遷移元素として希土類元素を添加した光導波路を用いた光源装置に関しての提案がある(特許文献3、特許文献4、特許文献5)。これらの提案は、出力パワーの向上について提案されたものであって、可干渉長の制御のために光スペクトルを制御することは、考慮されていない。
また、帯域の狭い反射体を用いて、線幅の狭い、レーザよりインコヒーレントな光源が発明されている(特許文献6)。しかし、一般的なファイバブラッググレーティング(FBG)を用いた場合、線幅はオングストロームオーダーであるため、光スペクトルは急峻なピークとなる。この場合、可干渉長は一般的な広帯域光源に比較し長く、レーザより若干短くなるものの、一般的なFBGの帯域幅が一般的に使用される光スペクトルアナライザの分解能よりも狭いこともあり、反射率、帯域幅が充分に制御されたFBGの製造が難しいため、容易に制御されたスペクトルを得る方法としては、充分ではない。
更に、発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、可干渉長を能動的に制御することは、これまで提案されていない。
なお、遷移元素として希土類元素は、様々な波長の光を得ることが可能でありその組み合わせについても非特許文献2、3に紹介されている。また、遷移元素としてクロムは、ルビーレーザ等で使用されている。
特開2001−189520号公報
特開平11−312631号公報
特開2001−111145号公報
特開2002−329907号公報
特開2003−133621号公報
特許第3312930号公報
大竹祐吉、レーザの使い方と注意点、オプトロニクス社、p33
Michel J. F.Digonnet, Rare−Earth−Doped Fiber Lasers and Amplifiers,Maecel Dekker, Inc, p18
Michel J. F.Digonnet, Rare−Earth−Doped Fiber Lasers and Amplifiers,Maecel Dekker, Inc, p171−242
発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、可干渉長を能動的に制御することは、これまで提案されていない。
本発明では、発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、遷移元素添加光導波路を変更することなく出力光の可干渉長を制御できる光源装置を、提供することを目的としている。
本発明は、発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、遷移元素添加光導波路の一方の端に光出力端と遷移元素添加光導波路を励起するための励起光源が光カプラを介し接続され、遷移元素添加光導波路のもう一方の端に反射体が接続されることにより遷移元素添加光導波路の発光スペクトルの形状を変化させることを特徴とする光源装置である。
また、得ようとする波長帯域内において、波長により反射率が異なる反射体を用いることを特徴とする光源装置である。
また、得ようとする波長帯域内において、反射スペクトルの波長帯域幅が1nm以上、最大反射率と最低反射率の差が6%以上、及び最大反射率が7〜100%である反射体を用いることを特徴とする光源装置である。
また、得ようとする波長帯域が、波長300nm〜1200nmの範囲内の帯域であることを特徴とする光源装置である。
また、得ようとする波長帯域が、波長300nm〜1200nmの範囲内の帯域であることを特徴とする光源装置である。
また、光出力端が、ステップインディックス型の光ファイバであって、得ようとする光に対してVナンバーが、3.832以下であることを特徴とする光源装置である。
さらに、遷移元素が希土類元素であることを特徴とする光源装置である。
また、用いられる反射体の反射率が可変であることを特徴とする光源装置である。
また、用いられる反射体の反射率が可変であることを特徴とする光源装置である。
本発明により、発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、遷移元素添加光導波路を変更することなく可干渉長が制御された出力光を提供できる。
本発明は、上記課題を解決するために、発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、遷移元素添加光導波路の一方の端に光出力端と遷移元素添加光導波路を励起するための励起光源が光カプラを介し接続され、遷移元素添加光導波路のもう一方の端に反射体が接続されている。反射体は、反射スペクトルが有意にデザインされ配置される。出力される光は、遷移元素添加光導波路の一方の端から直接出力される光と、もう一方の端から出力される光の一部が反射体に反射されて戻り遷移元素添加光導波路を経由してくる光が混合されたものとなる。遷移元素添加光導波路内の発光体が充分に励起され、この光回路における光損失が充分小さい場合においては、反射体に反射されて遷移元素添加光導波路に戻り、これを経由してくる光のパワーの方が、遷移元素添加光導波路から直接出力される光のパワーより強くなる。そのため、反射体の反射スペクトルの形状が、出力光の光スペクトルに反映される。その結果、出力光の光スペクトルの半値全幅は、拡大あるいは縮小される。
ここで述べる光導波路は、コアクラッド構造を有するものを指しており、光ファイバや基板上等にコアクラッド構造を施した光導波路を指す。
可干渉長は、光スペクトルの線幅あるいは半値全幅と関係づけられるため、光スペクトルの制御により結果的に可干渉長を制御することが可能となる。
以下、本発明を、図を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明の光源装置の一例を示す模式図である。本光源装置は、励起光源101、光カプラ102、遷移元素添加光導波路103、出力端105、反射体201から構成される。
励起光源101は、遷移元素添加光導波路103中の遷移元素を活性化するためのものであるため、遷移元素の種類および得ようとする出力光の波長により、適当な波長を含むものを選択する必要がある。例えば、ランプ、半導体レーザ、ファイバ結合半導体レーザ、半導体レーザ励起固体レーザ、半導体レーザ励起ファイバレーザ、半導体レーザ励起ラマンレーザおよび、これらの波長変換レーザなどを使用することができる。半導体レーザについては、必要に応じ、励起光源101と光カプラ102の間にアイソレータが挿入されたものを使用しても良い。また、励起波長が複数の波長の光からなっても良い。
光カプラ102は、励起光源101から出力される励起光を遷移元素添加光導波路103へ導き、かつ、遷移元素添加光導波路103からの光を出力端105へ導くためのものである。例えば、溶融延伸により作製されたものなどがあるが、特にこの製法に拘る必要はなくどのような製造過程を経て得られたものであっても、前述の機能が備わっていれば構わない。
遷移元素添加光導波路103は、光導波路の主にコア部に遷移元素を添加したものを指す。
添加する遷移元素は、特定の元素1種類だけを添加しても良いし、複数の元素を組み合わせても良い。
また、光導波路を構成する母材は、石英系、フッ化物系、又はカルコゲナイド系のガラス、あるいはゾルゲル法により作製されるガラス等、コアクラッド構造を作製可能であれば、どのようなガラスであっても構わない。
出力端105からは、光源として使用される光が出力される。出力端105に、出力端からの反射光が遷移元素添加光導波路103へ戻らないような反射低減膜が施されても良いし、同じ目的で、光カプラ102と出力端105との間にアイソレータを設けても良い。
反射体201は、得ようとする波長帯域内において波長により反射率が異なる反射スペクトルを設計し、それが反映されるように作製される必要がある。このために反射体201は、金属膜や吸収材料により構成されるか、1つあるいは複数のファイバブラッググレーティング(FBG)により構成されるか、又は反射誘電体多層膜を含む反射膜によって構成される。特に反射スペクトルの設計が容易なことから、誘電体多層膜を含む反射膜によって構成されるのが最も良い。
出力光スペクトルの成形のためには、反射体201の反射スペクトルの最大反射率と最小反射率の差が大きいことが好ましい。したがって、得ようとする波長帯域内における反射スペクトルの波長帯域幅が1nm以上、最大反射率と最低反射率の差が6%以上、及び最大反射率が7〜100%の反射体が好ましい。
反射スペクトルの波長帯域幅が1nm未満では、市販されている光スペクトルアナライザの分解能では光スペクトルの反射率を正確に測定することができず、非常に精巧な測定系を準備する必要があるため好ましくない。
得ようとする波長帯域内における最大反射率と最低反射率の差が小さい場合は実質的にスペクトルの成形が困難となり、最大反射率と最低反射率の差が6%未満では、意図したスペクトル形状の成形がなされない。
さらに、最大反射率が低いと光を折り返すことができず、スペクトル形状の成形が困難となる。遷移元素添加光導波路の利得係数にもよるが、特に最大反射率が7%未満の場合は難しくなる傾向にある。
出力光の光スペクトルの半値全幅を拡大する場合は、遷移元素添加光導波路103から出力される光スペクトルに対し、強く出力される波長においては反射体の反射率を小さくし、弱く出力される光については反射体の反射率を大きくする様に反射体を選択する。また、出力光の光スペクトルの半値全幅を狭める場合、遷移元素添加光導波路103から出力される光スペクトルに対し、強く出力される波長においては反射体の反射率を大きくし、弱く出力される光については反射体の反射率を小さくする様に反射体を選択する。
反射体201の設置方法としては、遷移元素添加光導波路103に接続する光ファイバ端面に反射膜を形成する方法、遷移元素添加光導波路103の端面に直接反射膜を形成する方法、遷移元素添加光導波路103に接続する光ファイバ端面あるいは遷移元素添加光導波路103の端面に反射体を突き当てる方法、遷移元素添加光導波路103に接続する光ファイバ端面あるいは遷移元素添加光導波路103の端面にレンズを介し反射体を対向させる方法などがあるが、これらの方法に拘るものではなく、遷移元素添加光導波路103からの光の一部が反射体に反射されて遷移元素添加光導波路103に戻る機能を有すればよい。更には、複数個の反射体を用いることもできる。
また、得ようとする波長帯域は、波長300nm〜1200nmの範囲内の帯域であることを特徴とするが、この波長帯域以外の光についても本発明を構成する光学部品及び添加する遷移元素を適正に選択すれば同様に実施できる。
光源装置の光回路を構成するこれら光部品は、光導波路で接続されてよく、光ファイバがより好ましい。特に光出力端は、ステップインディックス型の光ファイバが好ましい。また、可能であれば、接続損失の低減のため、光部品に使用する光ファイバとそれらを接続する光ファイバの種類は統一された方がよい。これらの光ファイバは、得ようとする光に対して、シングルモードであることが理想的である。しかし、諸事情からそれら不可能な場合は、できるだけ低次のモードだけが許されるように設計されるのが良い。多数のモードの存在は可干渉性の制御を複雑にするため、本発明のように可干渉長を制御する場合には、モードは制限されなくてはならない。具体的には、得ようとする光に対してVナンバーで3.832以下が好ましい。より好ましくは、2.405以下が良い。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
図2は、本発明の光源装置の一例を示す模式図である。本実施例は図2と同様の構成で行った。本光源装置は、励起光源101、光カプラ102、遷移元素添加光導波路103、出力端105、反射体201から構成される
遷移元素添加光導波路103には、エルビウム添加フッ化物光ファイバを用いた。ここでは、Er3+の543nm帯の光を得るために、この光ファイバを用いた。Er3+濃度は、5000ppm、長さは110cmであった。
遷移元素添加光導波路103には、エルビウム添加フッ化物光ファイバを用いた。ここでは、Er3+の543nm帯の光を得るために、この光ファイバを用いた。Er3+濃度は、5000ppm、長さは110cmであった。
励起光源101はBookham社製の波長974nmの半導体レーザを用いた。
光カプラ102は、励起光源101より発せられる励起光とその励起光により賦活された遷移元素添加光導波路103より発せられる、得ようとする波長帯域の光を合分波可能な溶融延伸型の光カプラを用いた。
反射体201は出力光スペクトルの半値全幅の拡大を目的とされた誘電体多層膜をファイバ端面に施したものを用いた。この膜の反射スペクトルを図3に示す。この反射スペクトルは、出力光のスペクトルを基に設計されていて、強く出力される波長においては反射体201の反射率が低く、弱く出力される波長においては反射体201の反射率は高い。
用いられる光部品は、543nmの光に対しVナンバーが3.00の石英製の光ファイバで接続された。
励起光源101から出射した励起光は、遷移元素添加光導波路103であるエルビウム添加フッ化物光ファイバ中のエルビウムを活性化させ、充分に励起されたエルビウム添加フッ化物光ファイバは543nmの蛍光を発する。この蛍光は、本来、指向性無く発せられるが、遷移元素添加光導波路103のコアクラッド構造により、エルビウム添加フッ化物光ファイバのコア中を伝搬し、図2に示される光カプラ102と反射体201の方向へ進む。光カプラ102方向へ進んだ光は、出射端105まで伝搬し出射される。この光は一部の光が増幅されたASE光である。一方、反射体201方向へ進んだ光は反射体201で折り返される。この時、反射率スペクトルが均一でないため、この場合においては、蛍光ピークに相当する波長では、光は反射されず透過し、ピークの裾野においては強く折り返される。これにより、折り返された光スペクトルの半値全幅は折り返される前の光より拡大される。反射体201で折り返される光は、遷移元素添加光導波路103を通過する際、誘導放出により増幅される。この光もまたASE光であり、遷移元素添加光導波路103から直接光カプラ102方向へ出てくる光と反射体201で折り返される光が混合され出力端105より出力される。
出力が400mWの励起光を投入した際に出力される光を、安藤電気製光スペクトラムアナライザAQ−6315で測定した。測定された出力光のスペクトルを図4に示す。また、測定された光のスペクトルより得られる半値全幅及びこの値から算出される可干渉長を表1に記載した。
(比較例1)
実施例1の反射体を取り除き無反射終端にした他は、実施例1と全く同じ構成とした。この場合に得られた出力光のスペクトルを図4に示す。また、測定された光のスペクトルより得られた半値全幅及びこの値から算出される可干渉長を表1に記載した。
(比較例1)
実施例1の反射体を取り除き無反射終端にした他は、実施例1と全く同じ構成とした。この場合に得られた出力光のスペクトルを図4に示す。また、測定された光のスペクトルより得られた半値全幅及びこの値から算出される可干渉長を表1に記載した。
実施例1の出力スペクトルの半値全幅は比較例1より広くなり、可干渉長は計算上約5マイクロメータ短くなった。
実施例1の反射体の反射率が535nm〜555nmの帯域で100%である他は、実施例1と同じ構成とした。得られた出力光のスペクトルを図5に示す。また、測定された光のスペクトルより得られた半値全幅及びこの値から算出される可干渉長を比較例1の結果と共に表2に記載した。実施例2の出力光スペクトルの半値全幅は比較例1より狭まり、可干渉長は計算上約19マイクロメータ長くなった。
実施例1の反射体の反射スペクトルが最大反射率と最低反射率の差を60%、かつ、最大反射率を60%とした他は、実施例1と同じ構成とした。この反射体は、半値全幅を広げる目的で設計されたものである。得られた出力光のスペクトルを、図6に実施例1と比較例1とで得られた結果と同時に示す。また、測定された光のスペクトルより得られた半値全幅及びこの値から算出される可干渉長を比較例1の結果と共に表3に記載した。実施例3の出力光スペクトルの半値全幅は比較例1より広くなり、可干渉長は計算上約4マイクロメータ短くなった。出力光スペクトルの半値全幅を実施例1とほぼ同様に広げることができた。
これらの例からわかるように、適切に作製された反射体を使用することで、出力光スペクトルの半値全幅を変化させることが可能となる。
図7は、本実施例の光源装置を示す構成図である。本光源装置は、励起光源101、光カプラ102、遷移元素添加光導波路103、出力端105、可変反射体402、レンズ401から構成される。
遷移元素添加光導波路103には、エルビウム添加フッ化物ファイバを用いた。ここでは、Er3+の543nm帯の光を得るために、このファイバを用いた。Er3+濃度は、3000ppm、長さは200cmであった。
励起光源101、光カプラ102は、実施例1と同じものを用いた。
レンズ401は、ここでは効率よく反射光を得るために、コリメート光を得ることを目的としたものである。レンズは、端レンズであっても複数枚のレンズからなるレンズ群であっても差し支えない。
レンズ401と可変反射体402は、遷移元素添加光導波路103へ帰還する光のパワーを可変にする機能を有する。同様の機能を有するファイバ形デバイスであっても構わないし、可変反射体402の形態が変わっても差し支えない。
図8は、本実施例に使用した可変反射体402を示す構成図である。本実施例に使用した可変反射体402は、誘電体多層膜により作製された反射率100%の反射ミラー501、反射率25%の反射ミラー502、反射率0%の反射ミラー503が円盤上に配置されたものである。
可変反射体402を回転させることにより、レンズ401を経由してくる遷移元素添加光導波路103からの光が照射する反射ミラーが換わり、反射率が変化する構造とした。
出力が400mWの励起光を投入し、可変反射体402での反射率を0%、25%、100%にした際に出力される光を、それぞれ安藤電気製光スペクトラムアナライザAQ−6315で測定した。測定された出力光のスペクトルを図9(反射率100%)、図10(反射率25%)、図11(反射率0%)に示す。また、測定された光のスペクトルより得られる半値全幅及びこの値から算出される可干渉長を表4に記載した。
半値全幅をその場で変化することが可能となった。
本例においても、スペクトル形状を変化させることが可能であり、その結果、可干渉長を変化させることができた。
出力端105から出力される光は、遷移元素添加光導波路103から直接出力される光と、可変反射体402に反射され遷移元素添加光導波路103を増幅されながら経由し出力される光とが混合されている。可変反射体402の反射率を変化させることで、遷移元素添加光導波路103を増幅されながら経由し出力される光のパワーが変化する。遷移元素添加光導波路103を増幅されながら経由する光は遷移元素添加光導波路103から直接出力される光に比較し光のパワーが大きい。また、増幅される光の半値全幅は遷移元素添加光導波路103から直接出力される光に比較し、小さい。そのため、可変反射体402に反射され、遷移元素添加光導波路103を増幅されながら経由し出力される光のパワーを制御し、出力光の半値全幅を制御することが可能となり、結果的に、可干渉長も制御できた。
本発明は、光通信分野における通信システムはもちろん、評価・測定など光伝送の応用分野にも利用できるものである。イメージングデバイス、医療用光源、分析用光源には好適である。
より具体的には、光通信用の信号、監視用の光源、光学的病理検査装置、腫瘍マーカなどの蛍光色素の励起用光源、口腔組織観察装置、外科手術用のファイバ光源などの内視鏡用光源、光断層画像装置などのOCT用光源、微粒観察用顕微鏡などの各種光学顕微鏡用の光源、光学検査装置、流体の色特性測定装置、微小異物検査装置、フィルタ検査装置、各種センサなど検査用光源等の用途にも使用できる。
101 励起光源
102 光カプラ
103 遷移元素添加光導波路
104 無反射端
105 出力端
201 反射体
401 レンズ
402 可変反射体
501 反射率100%の反射ミラー
502 反射率25%の反射ミラー
503 反射率0%の反射ミラー
102 光カプラ
103 遷移元素添加光導波路
104 無反射端
105 出力端
201 反射体
401 レンズ
402 可変反射体
501 反射率100%の反射ミラー
502 反射率25%の反射ミラー
503 反射率0%の反射ミラー
Claims (7)
- 発光体として遷移元素添加光導波路を用いた光源装置において、遷移元素添加光導波路の一方の端に光出力端と遷移元素添加光導波路を励起するための励起光源が光カプラを介し接続され、遷移元素添加光導波路のもう一方の端に反射体が接続されることにより遷移元素添加光導波路の発光スペクトルの形状を変化させることを特徴とする光源装置。
- 得ようとする波長帯域内において、波長により反射率が異なる反射体を用いることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 得ようとする波長帯域内において、反射スペクトルの波長帯域幅が1nm以上、最大反射率と最低反射率の差が6%以上、及び最大反射率が7〜100%である反射体を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
- 得ようとする波長帯域が、波長300nm〜1200nmの範囲内の帯域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光源装置。
- 光出力端が、ステップインディックス型の光ファイバであって、得ようとする光に対してVナンバーが、3.832以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源装置。
- 遷移元素が希土類元素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光源装置。
- 反射体の反射率が可変であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光源装置。
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