JP2008203767A - シート搬送装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

シート搬送装置およびそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像転写部から画像定着部へと搬送される多種多様なシートに対応でき、簡易かつ低コストの構成でもって高性能のシート搬送性が得られる「定着前搬送ユニット」としてのシート搬送装置を提供する。
【解決手段】画像転写部6から画像定着部8に向けてシートを搬送する搬送ベルト31と吸引ファン33などによって定着前搬送ユニット300が構成されている。吸引ファン33は、シートの搬送方向の長さのサイズに応じて、所定長さを越える場合は吸引ファン33の回転をオフにして停止させる。たとえば、A3などよりも搬送方向に長いサイズの場合、吸引ファン33の回転を停止させ、エア負圧によって発生する吸引力を止め、シートを搬送ベルト31に吸着させて保持する力を解除する。吸引ファン33を停止させることで、(図8中の符号Dで示す部分では)シートに対する吸引保持力が小さく、生じたループは定着前搬送ユニット300のほぼ全域に均一に伸ばされる。その結果、シートはいかなる部材にも擦れず、安定した搬送が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式を用いて可視画像を形成する電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)に装備され、画像転写後の記録媒体である用紙(以下、「シート」という)を画像定着部に向けて搬送するシート搬送装置に関するものである。
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置および多機能複合機などの画像形成装置では、薄紙から厚紙まで、普通紙からコート紙までといった多種多様なシートに高画質画像を安定して形成することが求められている。また、シートのサイズに関しても、小さな葉書サイズから軽印刷やデザイン向けのA3フルサイズ以上の幅広いサイズに対応し、安定した搬送が要件の1つとなっている。
画像形成装置では、画像定着部に向かう手前側搬送路に沿って無端の搬送ベルトを配置し、あるいはエア吸引による負圧でシートをその搬送ベルトに吸着して保持させる「定着前搬送ユニット」を構成している。すなわち、搬送ベルト上にシートを吸引保持させて搬送することで、搬送ローラのように回転圧接のために画像を傷めることもなく、しかも広い範囲でシートに一様に接触して搬送性を高めて補助できるようにしている。
上流側の画像転写部に転写中のシートを搬送する速度と比べて、画像定着部にて定着処理中のシートの搬送速度の方を小さく遅く設定するのが普通となっている。そのようにする理由として、画像転写部で転写中のシートを挟持しつつ搬送する搬送力に比べて、画像定着部ではシートを加熱しつつ加圧する際の挟持力でもって搬送する搬送力の方が大きいという事情がある。すなわち、シートによっては大判サイズのように、上流の画像転写部と下流の画像定着部の両部に跨って搬送される場合がある。その場合は下流側の画像定着部がシートを引っ張るように搬送速度を早く設定すると、画像転写部で転写中のシートを引き摺る形になって搬送速度を変化させ、形成中の画像を引き伸ばすなどして画像に転写の乱れなどを発生させる。そうした理由から上流側の画像転写部よりも画像定着部の方のシート搬送速度を遅くしている。
しかしながら、そのようにやむなく画像転写部と画像定着部とのシート搬送速度に差を設定すると、その設定の仕方次第では多種多様なサイズのシートに対応しづらくなるといった新たな問題が発生する。また、搬送ローラのような搬送手段による搬送力や配置の設定具合においても搬送不良が生じ、搬送不良が原因で転写や定着の機能にも影響を及ぼすなど、数々の新たな問題を抱えることになる。なお、シートの表裏両面に画像を形成する両面モードでは、初めのシート表側にて加熱された永久定着されたシートが丸まってカールしたり、シート上のトナー像が伸縮してトナーがカールしたりするなど、そうしたカールが安定搬送の支障となることが多い。
そうした問題解決に向けて多くの技術が提案されている。たとえば、カールなどして変形したシートに対しても安定した搬送が可能となるよう、画像転写部と画像定着部との間の搬送区間に配置された上記定着前搬送ユニットにシートの挙動を検出するシート検出センサの複数を数ヶ所に配置する。それらのシート検出センサはシートの搬送中の浮き上がりなどを検出し、その検出信号に基づいてシートを負圧で吸引保持するための吸引ファンの回転を高め、シート吸引力が増すよう制御する。そのようにしてシートを搬送ベルトに強力に吸引保持させ、確実かつ安定したシート搬送を得ようする技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、上記のような定着前搬送ユニットにおいて、搬送するシートのサイズと厚さに応じて搬送パスを変形させ、そのシートに適合させることでシート搬送性を高めるようにしたものも提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2では、さらにシートのサイズと厚さに応じて搬送ベルトにシートを吸引して保持させる吸着力を変更して、シート搬送性能を高めるようにしている。また、定着前搬送ユニットにおいて、吸着用ファンの風力を用紙のサイズが大きい程、大きい風力にするものがある(特許文献3参照)。この構成の目的は、用紙サイズによる搬送性能低下を防止することである。
上記特許文献1,2、3の他にも、定着前搬送ユニットにて搬送中のシートを搬送ベルトに吸引力で保持させる多くの技術が提案されている。それらの提案に共通する考えの背景には、画像転写部と画像定着部の間を搬送されるシートへの搬送性能は、搬送ベルトへの吸着力でほぼ決まるという理由がある。
特開2006−176265号公報 特開平9−40204号公報 特開2003−54783号公報
ここで、画像転写部でのシートの搬送速度が定着前搬送ユニットでの搬送速度よりも速いと、画像転写部と定着前搬送ユニットとの間でシートにループが形成される。シートの搬送方向の長さが長いと、ループは大きく形成される。するとシートのループ部分が装置内の他の部材と接して、転写されたトナー像を乱してしまうという課題がある。
なお、特許文献1,2,3を含む従来の技術に共通してみられるように、シートの搬送性能を高めるために非常に部品点数が多くなって装置全体の複雑化と大型化は避けられない。特許文献1の場合、搬送中のシートの多様な挙動を検出するセンサなど電気電子部品の点数も増加し、また吸引ファンの作動電圧や電流の回路を含む制御系が複雑化する。また、特許文献2においても、多種多様なシートに対応して搬送パスを変形させる構造では非常にコスト高なシート搬送装置を提供せざるを得ない。加えて、特許文献3では吸引ファンやモータの作動を数段階に設定する構造も提案されているが、その場合高性能のファン装置やモータが要求されてコスト高は避けられない。
以上から、本発明の目的は、画像転写部から画像定着部へと搬送される多種多様なシートに対応でき、シート上の画像を乱すことなく高性能のシート搬送性が得られるシート搬送装置と、これを装備した画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の代表的なシート搬送装置は、トナー像をシートに転写して搬送する画像転写部から画像定着部に向けてシートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段にシートを吸着によって保持させるために作動して吸引力を発生する吸引手段と、前記搬送手段が搬送するシートの搬送方向の長さに応じて前記吸引手段による吸引力を調整する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記吸引手段による吸引力を、シートの搬送方向の長さが第1の長さであるときよりも、シートの搬送方向の長さが前記第1の長さよりも長い第2の長さであるときに小さくすることを特徴とする。
また、シートの長さが所定長さを越える場合は、前記吸引手段の作動をオフにすることによってシートへの吸引力を解除することを特徴とする。
本発明のシート搬送装置によれば、シートの搬送方向の長さが第1の長さであるときの吸引手段による吸引力よりも、シートの搬送方向の長さが前記第1の長さよりも長い第2の長さであるときの吸引力を小さくする。よって、高性能のシート搬送性を確保しつつ、長さの長いシートにおいて、画像転写部と定着前搬送ユニット間でシート上に転写された画像を乱すことが少なくなる。なお、シートの長さが所定長さを越える場合は、吸引手段の作動をオフにする構成では、複雑な部材や機器が不要となり、またそれら部材や機器の電気回路や制御系なども複雑化せず低コストに抑えられる。
以下、本発明によるシート搬送装置および画像形成装置のそれぞれ好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
≪画像形成装置≫
図1は、本実施形態のシート搬送装置を装備したフルカラー画像形成装置の具体例である複写機を示す。この複写機は、上部にデジタルカラー画像リーダ部を備え、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する1ドラム、ロータリ方式の現像部と、そして中間転写部を備えた機種である。本例の複写機にあってはたとえばY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色による画像の形成に対応するものが示されているが、その限りではない。
リーダ部において読み取った原稿は、不図示のレーザ出力部にて各色の画像ステーションごとの光信号に変換され、光信号に変換されたレーザ光がポリゴンミラーで反射され、レンズと折り返しミラーを経てそれぞれの感光ドラム1の面に露光される。
感光ドラム1の周りには帯電器と、現像ロータリ4の内部に配置された現像器4a,4b,4c,4dと、そしてクリーニング装置が配置されている。感光ドラム1上に形成された露光像を現像ロータリ4の回転によって現像器をその都度切り替える行程を必要な色だけ繰り返すことで各色の現像を行う。そして、一旦、中間転写ベルト5の上にトナー像を転写して必要な色だけ中間転写ベルト5上に画像を重ね合わせる。その後、記録媒体である普通紙などのシートにそのトナー画像を転写するために転写部6に向けて搬送される。
シートは、カセット10a,10b,10c、あるいはマルチ手差しカセット11から繰り出して搬送され、後述するレジストローラ7で斜行補正を行い、タイミング取りを行った後に二次転写部である画像転写部6に向けて搬送される。その後、画像転写部6にて中間転写ベルト5上に形成される画像の間(隙間)を利用し、二次転写外ローラが中間転写ベルト5に対して加圧され、二次転写ニップを形成する。この二次転写ニップを画像に合わせてシートを通過させ、さらに二次転写用の高電圧を印加することで、中間転写ベルト5上のトナー像をシート上に転写し、シート上に重ね合わされた画像が転写される。その後、二次転写外ローラは次の画像が二次転写部に到達する前に、加圧時と同じく画像間(隙間)を利用して退避する。ちなみに、図1は、二次転写外ローラを中間転写ベルト5に加圧させた状態を示している。
画像転写部6にて二次転写された通過したシートは、画像定着部8に送られてここでトナー像を加熱して定着後に排出されるか、あるいは両面モードによって他面への画像形成のための処理過程へと向かう。
また、図2に示すように、画像転写部6においてシートに転写されなかった未転写残トナーは、中間転写ベルト5上で画像転写部6の近傍に配置された転写クリーナ61によってクリーニングされた後、次の画像形成に供される。通常の画像形成時、転写クリーナ61は中間転写ベルト5から離れており、クリーニングが必要なタイミングにあわせて二次転写外ローラと同じく中間転写ベルト5上に形成される画像の間(隙間)を利用し、中間転写ベルト5に向けて加圧される。また、転写クリーナ61は二次転写外ローラに同じく、次の画像が到着する前に画像間を利用して退避する。
≪シート搬送装置≫
次に、図2以下の各図を参照して、上流側の画像転写部6と下流側の画像定着部8との間の搬送区間に配置された本実施形態のシート搬送装置の具体例として、「定着前搬送ユニット300」について説明する。
定着前搬送ユニット300の入口となる画像転写部6の手前上流側には、シートの斜行を補正するためにシートを一時停止させて先端を規制するためのレジストローラ(転写前搬送ローラ)7が配置されている。シート斜行補正後、シートの先端を中間転写ベルト5上の画像の位置に合わせるようレジストローラ7の回転のタイミングを一致させ、回転再開によってシートを搬送開始して画像転写部6にて画像が転写される。画像転写部6を通過すると、分離ガイド62に案内されて定着前搬送ユニット300に送り込まれる。
図3および図4に示すように、定着前搬送ユニット300はこの場合4本の無端状の搬送ベルト(搬送手段)31を有し、これら搬送ベルト31を走行駆動させる駆動ローラ32を有し構成されている。また、定着前搬送ユニット300には図2に示す2つの吸引ファン(吸引手段)33が備わっている。吸引ファン33を回転駆動させてエアの負圧を生じさせ、搬送ベルト31に設けた多数のエア吸引孔30からエアを吸引する。エア吸引孔30からのエア吸引によってシートを搬送ベルト31に密着させて保持する。搬送ベルト31上に吸引して保持されたシートは画像定着部8に向けて図2中の符号Aの方向に搬送される。搬送ベルト31によって定着前搬送ユニット300を通過したシートは、定着入口ガイド81に沿って案内されつつ画像定着部8に送り込まれ、シート上のトナー像を加熱し加圧して永久定着後、下流側へと搬送される。
本実施形態の定着前搬送ユニット300を装備したフルカラー画像形成装置である複写機の場合、シート坪量60g/mの薄紙から260g/mの厚紙まで搬送できる仕様の機種である。また、搬送するシートのサイズについても葉書サイズから13インチ×19インチまでの大型紙に対応でき、さらにはコート紙など含む多種多様なシートにも対応可能となっている。そうした複写機の装置仕様や条件において、定着前搬送ユニット300では吸引ファン33の回転速度を制御手段によって制御し、サイズや種類など多種多様なシートに対応して吸引する保持力の調整を行うことが、本実施形態の要旨となっている。
なお、CPU(中央演算処理装置)などからなる制御装置999が画像形成装置のシステム全体を統括して制御する。制御手段999は、印刷ジョブとして搬送されるシートのサイズや種類などシート情報を取得しており、定着前搬送ユニット300の要所に最小数配置されたシート検出センサからの検出信号などと連係させて、上記吸引ファン33の作動のオンオフ切替制御を行う。また、吸引ファン33の回転は回転駆動源であるモータの出力で伝達され、かかるモータは制御手段999からの作動ON信号と作動OFF信号によってその駆動をオンオフする。すなわち、モータの駆動ONで吸引ファン33は回転し、モータの駆動OFFで吸引ファン33はその回転を停止する。この制御は以下で説明される。
吸引ファン33によるエアの吸引力が小さいと、丸まってカールしているシートや厚紙で坪量が大きなシートになるほど、図5に示すように、定着前搬送ユニット300の搬送ベルト31からシートPが離れてしまう。そのため、シートPに対する搬送力が不足して画像定着部8に送り込むまでの搬送性能が低下する。加えて、搬送ベルト31から離れて逸脱したシートPが搬送系の他の部材(図示略)に触れ、その擦れでもって画像を傷める心配がある。吸引ファン33の回転速度を高めてシートPが搬送ベルト31に吸引して保持される力を強めてやれば、搬送ベルト31にシートPを確実に吸引保持して所要の搬送力を付与することができる。そのように吸引保持力を強化する理由には次のこともある。
一般に、二次転写部である上流側の画像転写部6でのシート搬送速度(二次転写速度)に対して、下流側の画像定着部8でのシート搬送速度(定着速度)をたとえば1%程度遅く設定されている。それに対応させるためにシート吸引保持力を高める理由がある。すなわち、二次転写速度と定着速度に1%程度の速度差があることで、定着前搬送ユニット300の搬送区間においてシートPが弛んでループになったりするのを抑えるためである。
シート搬送力に関していえば、下流側の画像定着部8の方が上流側の画像転写部6よりも遙かに大きい。仮に、下流側での定着速度が上流側の二次転写速度よりも大きくなったとすると、シートPの先端が画像定着部8に達するやいなや引っ張るので、画像転写部6で引き摺られて二次転写速度が変化し、画像に擦れなどが生じて劣化する。それを防ぐために、各種公差の変動などを積み上げても定着速度が二次転写速度よりも大きくならないよう、上記1%程度の速度差が導き出される。
以上から理解されるように、本実施形態の定着前搬送ユニット300では、吸引ファン33の回転速度を制御することでシートPのサイズや種類ごとに搬送ベルト31に吸引保持させる力を調整して強めるようにしている。すなわち、シートPの坪量、サイズおよび種類など多種多様なシートPに対応して必要な搬送力を安定して確保できる。また、必要な吸引保持力でもってシートPが定着前搬送ユニット300の搬送ベルト31から浮き上がって離れることもないので、浮き上がり分だけスペースを見込まないで済み、限られたスペースを有効利用できる。
ここで参考までにこれまでの通例を説明する。上流側の画像転写部と下流側の画像定着部におけるそれぞれのシート搬送速度よりも、それら両部間の搬送区間における定着前搬送ユニットでのシート搬送速度は5%〜10%程度大きく早く設定するのが通例である。そのように速度差を設定する理由は、上記したように強い吸引保持力でシートを搬送ベルトに吸引されるものと異なり、定着前搬送ユニットでのシート搬送力は弱小に設定されていたからである。そのため、画像定着部がシートを引っ張って画像転写部の画像にずれを生じさせたり、定着入口でシートを過剰に送り込んで画像不良を発生させる心配もなかった。つまり、画像不良が発生する前の段階で、搬送ベルトに対してシートをスリップさせ、結果的には画像転写部と画像定着部のそれぞれにてシートが倣って搬送されるように設定されてきた。
ここで、上記通例の速度条件をそのまま本実施形態のような強い吸引保持力を確保した定着前搬送ユニット300に当用した場合、図6に示すように、画像定着部8の定着入口前の搬送区間にてシートPにループ100aを発生する心配がある。
本実施形態の要旨として述べたように、シートPは搬送ベルト31に確実に吸引保持されている。したがって、シートPは搬送ベルト33上でスリップすることが少ないから、図6中の符号Bで示す部分での密着が強くなる。それが逆効果になって、B部下流から定着ニップ入口の符号Cで示す部分までの短い区間距離にて速度差でループ100aに成長してしまうのである。また、画像転写部6での二次転写速度に対して定着前でシート搬送速度を小さく遅くすると、定着前搬送ユニット300にシート先端が到達した際、遅い側にシートを受け渡す格好となる。それにより、シート先端の移動速度が変化して場合によってはその変化が負荷変動などのショックとなり、二次転写ニップ部において画像を乱す場合もある。
以上から、本実施形態の定着前搬送ユニット300では、定着前搬送ユニット300におけるシート搬送速度を上記通例のごとき画像定着部8の定着速度よりも5%〜10%も早くする設定とせず、次のように設計値のたとえば中間値で設定している。
(a)二次転写速度 :画像形成速度と同等 ⇒ ・・・285mm/sec
(b)搬送ベルト速度 :二次転写速度と同等 ⇒ ・・・285mm/sec
(c)定着速度 :1%減速 ⇒ ・・・282.5mm/sec
それによって、上記課題を解決することができる。すなわち、画像定着部8の定着入口前の搬送区間でループの発生を抑え、ループによって画像が擦れたり、定着前搬送受け渡し時に生じる画像不良を解決し、図7に示すように、安定した状態でシートPを搬送することが可能となる。
さらにもう1つの、次に述べる課題に対しても下記の方法によって本実施形態は解決する。定着前搬送ユニット300の搬送ベルト駆動ローラの外径、或いは搬送ベルトの厚さ、摩擦係数などによっては、定着前搬送ユニット300の搬送速度が上記の設計値よりも若干小さい値となってしまうことがある。このような場合、図8に示すように、定着前搬送ユニット300と画像転写部6との微少な速度差でシートにループが発生し、二次転写後ガイド62の上方に位置する転写クリーナ61の底部にシートが擦れやすくなる。
図8中の空間部100bが装置小型化と転写クリーナ61の位置が規制になって非常に狭いスペースとなっている。すると、本実施形態のように定着前搬送ユニット300の搬送ベルト31によってシート吸引保持力が強化されると、図8中の符号D部での吸着が強く、ループを抑える空間が非常に狭くなる。また、シートの搬送方向の長さがある一定以上を越えて長い場合、速度差で成長してループが肥大化する。このような挙動は、シートPのサイズがA3や11インチ×17インチ(LDRサイズ)よりも、搬送方向に長いサイズの場合に顕著である。逆の観点から、それら以下のサイズのシートPの場合は、仮にループが成長しても元々の速度差が微少であるので、ループ吸収空間部100bでループを吸収でき、画像の擦れなどを発生させない。
それに対応するために、本実施形態では問題が発生しやすいサイズのシートPに対しては、ループがシート搬送方向に長く搬送後半で発生して成長することから、その防止策として以下(1),(2)を設定している。
(1)シートPのサイズが搬送方向に所定長さを越える場合は、たとえばA3および11インチ×17インチ(LDRサイズ)よりも搬送方向に長いサイズの場合、吸引ファン33の回転を停止させる。つまり、搬送方向の長さが第1の長さのシートであるA3などよりも、搬送方向の長さが長い第2の長さのシートである大判サイズのシートの場合は吸引ファン33の回転を停止させ、エア負圧によって発生する吸引力を止め、シートを搬送ベルト31に吸着させて保持する力を解除してやる。
(2)吸引ファン33の回転駆動をオン/オフに切り替えるタイミングは、画像転写部6の上流側にてレジストローラ7が一時停止状態でシートPの斜行補正後に回転再開して搬送開始するタイミングに合わせる。
上記設定(1)において、吸引ファン33を停止させる理由としては、吸引ファン33の回転速度(rpm)をいくつかの速度に設定することでファン駆動回路が複雑化してコスト高となるのを回避する点がある。事実、発明者らは吸引ファン33を確実に停止させた場合の方がより効果的であることを見出している。吸引ファン33の停止によって、図8中の符号Dで示す部分ではシートPに対する吸引保持力が小さく、生じたループは定着前搬送ユニット300のほぼ全域に均一に伸ばされる。その結果、シートPはいかなる部材にも擦れず、安定した搬送を行うことが可能となる。
ところで、画像形成装置一般について共通する点であるが、シートPが搬送中に紙詰まり(ジャム)もなく、感光体ドラムなどの像担持体上に形成されたトナー像を転写動作に向けて搬送するときが、シートPの搬送で最も安定時期と考えられている。すなわち、シートPがレジストローラ7で斜行補正されて画像転写部6に至り、転写ローラニップ部に挟持されて通紙中はシートPの搬送が最優先されている。したがって、その間のシートPの制御も最も高精度なものとなる。
但し、その場合は吸引ファン33の回転速度の切替制御に条件がある。先行するシートのサイズが小さく、後続のシートのサイズ次第では吸引ファン33の回転駆動を停止させる必要がある場合がある。そのときはできるだけ先行シートの先端を画像定着部8における定着ローラのニップ部に挟持させるようにする。加えて、シートの搬送が安定化するまで、吸引ファン33が停止することなく回転を続行しているような切替制御を行うことである。さらにもう1つの条件として、シートのサイズ次第で吸引ファン33を停止させる必要があるような場合で、吸引ファン33を再回転させなければならないようなサイズのシートが到着する場合である。すなわち、吸引ファン33をできるだけ停止状態にしたままシートを通過させた後、吸引ファン33の回転を再開させるような切替制御を行うことである。
それらの条件についても本実施形態ではいずれも満足させることができる。すなわち、本実施形態にあっては、レジストローラ7にて斜行補正後のシートを搬送開始するタイミングに同期させて吸引ファン33のオン/オフの切替を行う。発明者らの実験結果から吸引ファン33の回転速度の切替制御を以下に設定している。
(1)レジストローラ7の回転再開によってシートの搬送開始されてから、シートが定着前搬送ユニット300に到着するまでに要する時間をたとえば約500msecとしている。(2)シートが定着前搬送ユニット300から画像定着部8の入口に到達するまでに要する時間をたとえば約800msecとしている。(3)停止状態の吸引ファン33が回転再開して定速度状態(100%)に達するまでに要する時間をたとえば約200msecとしている。(4)定速度で回転駆動中の吸引ファン33を停止させるまでに要する時間をたとえば約1500msecとしている。
以上の時間設定によって、本実施形態によるシート搬送装置つまり定着前搬送ユニット300では次の効果が期待できる。(a)サイズや種類など多種多様なシートに対応して、画像転写部6と画像定着部8との間の定着前搬送ユニット300では安定したシートの搬送を実現できる。(b)搬送系機材からなる定着前搬送ユニット300を低コストで、しかも最小限スペース化を実現して大型化を抑えるのに有効である。(c)吸引ファン33の回転切替制御は、異なるサイズのシートを連続して搬送する際、先行シートと後続シートとの紙間次第ではレジストローラ7が回転再開するタイミングに必ずしも完全に同期させる必要はない。つまり、適切なタイマー時間を加えてから制御することもできる。但し、当該シートがレジストローラ7から画像転写部6までの区間を搬送中であることがタイミング的にも望ましく、最も時間的に高精度で安定しているレジストローラ7が回転再開するタイミングを基点に定めることが望ましい。また、その場合に画像転写部6に至るまで複数組のローラ対が配置されておれば次のように対応することもできる。すなわち、レジストローラ7によってシートの斜行を補正して搬送再開のタイミングを合わせた後、二次転写ローラの上流側で近傍に配置されたローラ対の駆動タイミングを代用させて位置精度を高めることもできる。
なお、吸引ファン33の回転を停止させたオフ時の条件は搬送安定化に対して有効である。その場合でもシートに対応すべく画像形成装置の仕様次第では、吸引ファン33の回転を完全にオフにして停止させるのではなく、減速にむかう弱回転状態とする方が望ましい場合もある。また、二次転写速度と定着前搬送速度は諸々の問題に対処した結果として設定されている。その場合でも各部の公差によって特に定着前搬送ユニット300の搬送ベルト31におけるベルト厚さ寸法や駆動ローラ外径、ベルト摩擦係数などによって定着前搬送速度が設計値よりも若干小さい値となってしまうことがある。公差については、逆の場合もあり得るが、定着前搬送速度が設計中央値よりも若干早くなった場合でも、定着入口部の空間が確保されていることから問題は生じない。定着前搬送速度が二次転写速度に対して若干遅くなってしまった場合、定着前搬送部受け渡し時の二次転写ニップ部で画像ブレの心配がある。それに対しても、定着前搬送ユニット300にシート先端を受け渡すガイド63の形状を、定着前搬送ユニット入口部に覆い被さるような形態とすることでショックが大幅に緩衝され、特に問題のないレベルとなる。いずれに対しても最大で2速+停止状態を切り替えるだけで、多種多様なシートに適応させることができる。
本発明のシート搬送装置についてその好適な実施形態として定着前搬送ユニットが説明されたが、本発明の主旨を逸脱しない範囲内でそうした実施形態に限定されるものではなく、その他の実施形態、応用例、変形例、そしてそれらの組み合わせも可能である。
本発明にかかるシート搬送装置の実施形態である定着前搬送ユニットを装備した画像形成装置例としての複写機を示す全体図。 本実施形態による定着前搬送ユニットを示す図。 同定着前搬送ユニットの外観を示す斜視図。 同定着前搬送ユニットの外観を示す斜視図。 吸引ファンによる吸引保持力が弱小時にシートに発生する浮き上がり例を示す図。 吸引ファンによる吸引保持力の強化時にシートに発生する形態を示す図。 本実施形態において定着前搬送ユニットでのシート形態を示す図。 吸引ファンによる吸引保持力を強化して定着前搬送速度を公差下限とした場合のシート挙動を示す図。
符号の説明
1 感光体ドラム
4 現像器
5 中間転写ベルト
6 画像転写部
7 レジストローラ
8 画像定着部
10 給紙カセット
31 搬送ベルト
33 吸引ファン
61 転写クリーナ
62 二次転写後ガイド
300 定着前搬送ユニット
999 制御装置

Claims (5)

  1. トナー像をシートに転写して搬送する画像転写部から画像定着部に向けてシートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段にシートを吸着によって保持させるために作動して吸引力を発生する吸引手段と、
    前記搬送手段が搬送するシートの搬送方向の長さに応じて前記吸引手段による吸引力を調整する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記吸引手段による吸引力を、シートの搬送方向の長さが第1の長さであるときよりも、シートの搬送方向の長さが前記第1の長さよりも長い第2の長さであるときに小さくすることを特徴とするシート搬送装置。
  2. シートの長さが所定長さを越える場合は、前記吸引手段の作動をオフにすることによってシートへの吸引力を解除することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記吸引手段が、回転駆動源であるモータの作動オンオフによって回転または停止して、エアの吸引による負圧で吸引力をシートに付与または付与を解除する吸引ファンであることを特徴とする請求項1または2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記画像転写部に向けてシートを搬送し、シートの斜行を補正してからシートの搬送を再開するレジストローラを有し、前記制御手段は前記レジストローラがシートの搬送を再開するタイミングに合わせて前記吸引手段の作動の切り替えを行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
    前記シート搬送装置によって搬送されるシートにトナー像を転写する画像転写部と、
    前記画像転写部によって転写されたトナー像を定着する画像定着部と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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