JP2008203191A - 接触式形状測定器用プローブヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定用触針3が取り付けられるプローブ軸1と、このプローブ軸1を進退自在に支持するプローブ枠2とを備えた接触式形状測定器用プローブヘッドにおいて、プローブ枠2には、プローブ軸1をプローブ枠2との間で隙間を設けて支持する支持用空気静圧パッド4a、4bと、支持用空気静圧パッド4a、4b以外にプローブ枠2に設けられ、空気の粘性抵抗により発生する圧力差を利用して、プローブ軸1に測定力を発生させる測定力発生用空気静圧パッド5a、5bとが設けられている。
【選択図】図1
Description
この問題を解決するために、特許文献1では、2段階の変位部材(板バネ)を使用して、ワークの大小に応じて所定の測定圧になるように設定できる構造が開示されている。
また、特許文献2では、プローブ軸の位置を常に一定にする事により測定力の変化を少なくして測定する方法が開示されている。
また、特許文献4ではプローブ軸に階段状またはクランク状の段差を形成し、その段差に空気圧をかける事により測定力を発生させる方法が開示されている。この方法も測定力の発生方法としては原理的には上記のエアピストン方式と変らない。
さらに、磁力で測定力を調整する技術としては、特許文献5、特許文献6があり、前者ではプローブ軸(移動側)とプローブ枠(固定側)の間に磁気回路を形成して磁力を発生させており、後者ではプローブ軸とプローブ枠にそれぞれ磁石を配置する事により磁力を発生させて、軸方向への推進力を得ている。またこの磁力を調整する事により測定力を調整しようとしている。
これらの非球面レンズはそのレンズ側面最大角度が近年ますます高角度化して来ており、直近では65°と言う高角度が必要となってきており、そのレンズを作製するための金型の最大側面角度は70〜75°に達する。
このような高角度な側面最大角度のワークを測定する場合、非接触式のレーザーで測定すると、レーザーのスポットが高角度な傾斜面に斜めにあたるため、どうしても大きな誤差を発生させてしまう。
従って、このような超精密な形状測定を接触式で実施する場合には、測定力が重要な要素となり、ワークの材質や形状により精密に調整する事が重要となってくる。
例えば、前記のような高角度な傾斜面を持つワークの測定においては、傾斜分力を減らすために、測定力を小さく調整する必要があり、またその軸受けのモーメント剛性を高くしておく必要がある。
また、ワークが柔らかい材質の場合には高い測定力ではワークが変形したり、傷が入ったりする問題が発生してしまい、精密な測定が出来ない。
さらに、加工機上で機上測定する場合には測定ワークの表面を完全に洗浄出来ない場合が多く、その表面状態により測定力を選んで測定する必要も出てくる。
また、これを解決するために、特許文献1や、特許文献2のような対策を取った場合であっても、測定力を一定に保つ事は出来るが、測定力を任意に変更する事が出来ないと言う問題がある上、測定触針等を交換した場合に、その交換品の重量やバネ力に違いがあった場合、測定力を調整する事が非常に大変になると言う問題がある。さらに、この方法では測定プローブヘッドが非常に大型化してしまう問題も発生する。
また、特許文献4で開示されている空気圧方式の場合、図4に示すように、空気静圧パッド114a、114bによりプローブ軸112を支持しつつ、プローブ軸112に階段状やクランク形状の段差111a、111bを形成することにより、微小な測定力を発生させる事を可能にしているが、この特許文献4に開示されているプローブ軸112の断面中心線は一直線上とはならない。
また、この階段状やクランク形状の段差111a、111bを有するプローブ軸112に対向するプローブ枠115に配置される空気静圧パッド114a、114bの面も、段差111a、111bの形状に合わせて精密な段差寸法で加工する必要があり、精密加工の要求される空気静圧パッド114a、114bの面をこのような精密段差寸法で加工するためには、さらにコストがかかってしまうという問題がある。
さらに、クランク形状の段差111a、111bを有するプローブ軸112のため、軸を容易に抜くことができず、メンテナンスが非常に困難になり、逆に、メンテナンス性を上げるために、空気静圧軸受け隙間をクランク形状の段差111a、111bに対して十分に大きくした場合、軸受け隙間が大きくなり過ぎて、軸受け剛性が極端に低くなってしまうという問題が発生する。
さらに、プローブ軸に磁石を設置する後者の発明では、磁石によりプローブ軸が重くなり測定の形状追随性が悪くなると言う問題もある。また、この方法では周囲のわずかな発生磁場による影響も受けるため、非常に小さな測定力を調整する事は難しいという問題がある。
ステンレス材料の室温における熱膨張係数は17×10−6/Kと大きく、アルミニウム合金にいたっては23×10−6/Kとさらに大きな値となってしまう。
このため、測定中のわずかな温度変化により熱膨張して、測定位置の誤差を発生させると共に、プローブ軸やプローブ枠が寸法変化し、測定力も変化してしまうと言う問題が発生してしまう。
さらに、熱膨張対策としてインバー合金やスーパーインバー合金を使用する事ができるが、これらの合金の剛性は100〜140GPaと小さく、また密度も8〜9×103kg/m3と非常に重くなってしまう。
また、これらの合金は非常に錆びやすいので、メッキ等のコーティングをする必要があり、空気静圧部品用の精密加工を実施することが難しくなってしまうという問題もある。
(1) 測定用触針が取り付けられるプローブ軸と、このプローブ軸を進退自在に支持するプローブ枠とを備えた接触式形状測定器用プローブヘッドであって、前記プローブ枠には、前記プローブ軸を前記プローブ枠との間で隙間を設けて支持する支持用空気静圧パッドと、前記支持用空気静圧パッド以外に前記プローブ枠に設けられ、空気の粘性抵抗により発生する圧力差を利用して、前記プローブ軸に測定力を発生させる測定力発生用空気静圧パッドとが設けられていることを特徴とする接触式形状測定器用プローブヘッド。
(2) 移動側の前記プローブ軸に階段形状やクランク形状の段差がなく、該プローブ軸の断面中心線が一直線形状であり、また固定側のプローブ枠の軸方向に配置された複数の空気静圧パッドが同一面にあることを特徴とする(1)記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
(4) 前記プローブ枠に埋設された測定力発生用空気静圧パッドが、前記プローブ軸に形成された溝に対向して設置されており、その溝部の底面と測定力発生用空気静圧パッド面との距離が30μm以下であることを特徴とする(3)記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
(6) 前記支持用空気静圧パッド及び測定力発生用空気静圧パッドがプローブ枠と一体構造であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
(8) 前記セラミックスが、サイアロン、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム、コーディエライト、LAS(リチウム・アルミナム・シリケート)、ムライトの1種又は数種を65体積%以上含む焼結体であることを特徴とする(7)記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
(9) 前記セラミックスの密度が、4×103kg/m3以下であることを特徴とする(7)又は(8)に記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
また、プローブ枠とはプローブ軸の周囲にあり、プローブ軸を支持する軸受けや、プローブ軸を駆動する機構を含んだ、固定側の構造体を総称する。
さらに、明細書中の熱膨張係数は全て室温での熱膨張係数を表しており、具体的には20〜25℃間の平均熱膨張係数を表すものとする。
本発明によれば、接触式形状測定器用プローブへッドの測定力(押付け力)は、測定力発生用空気静圧パッド隙間における空気粘性抵抗による圧力差により発生する。
このため、プローブ軸をストレートな形状とし、またプローブ枠に配置される空気静圧パッド面(支持用及び測定力発生用)を同一面とすることができる。
従ってプローブ軸及びプローブ枠を精密に仕上げる加工コストを大幅に削減することができる。
この結果、微小な測定力を精密に調整しつつ、高剛性なプローブヘッドが実現でき、測定精度を大幅に改善することができる。特に、側面最大角度が高角度のワークにおいても高精度な測定を実現することができる。
また、プローブ軸をストレートな形状とするため、プローブ軸の着脱が容易になり、メンテナンス性が大幅に向上する。
さらに、このように部品形状を単純にすることにより、低熱膨張のセラミックスを部品材質として使用することが容易となり、温度変化による部品の寸法変化を非常に小さくする事ができる。この結果、温度変化による測定誤差も大幅に低減することができる。
前述した特許文献4に開示されている方法では、図4に示されるように、プローブ軸112に階段状やクランク形状の段差を加工しなくてはならなず、図3(B)、(C)に示されるように、プローブ軸の軸中心線20b、20cが長さ方向位置で異なってしまう。
しかし、本発明によれば、図1に示されるように、測定力発生用空気静圧パッド5a、5bにおけるプローブ軸1との隙間において、空気の粘性抵抗により発生する圧力差21によって測定力9a、9bが発生する。
従ってプローブ軸1の支持用空気静圧パッド4a、4bにより支持される部分は同一平面(又は同一円筒面)とすることができるため、形状が単純化する。また、図3(A)に示されるようにプローブ軸1の軸中心線20aを一直線とすることができるため、プローブ軸1の形状も単純化する。
このため、精度面が同一平面(又は同一円筒面)となるため、この部分の平行・平坦度(円筒・真円度)加工が容易となり、同じ精度を出すための加工コストを大幅に削減することができる。
また、これらの精度面をより高精度に仕上げ加工することが可能になるため、支持用空気静圧パッド4a、4bの軸受け隙間をより小さくすることができる。
軸受け剛性が高くなると、ワークの傾斜面測定時に発生するプローブ軸1を傾けようとするモーメント力に対してプローブ軸1の傾きを小さくする事ができ、測定精度は大きく改善される。
また、プローブ軸1には、溝6はあるが、ストレート形状のため、プローブ軸1をプローブ枠2から容易に抜いたり、差し込んだりすることができる。
このため、プローブ軸1の清掃や交換等のメンテナンスが非常に容易に実施できるという利点がある。
これに対して、本実施形態では図1及び図2に示されるように、断面が角又は丸の真直ぐなプローブ軸1に微小深さの溝6を加工して、この溝6に対向するプローブ枠2に測定力発生用空気静圧パッド5a、5bを配置する。
従って、この溝6を圧力室と考えると、圧力室の両端面の壁は共に移動側のプローブ軸1となっており、従来のエアピストンの原理ではプローブ軸1に推進力は発生しない。
このようにすることで、測定力発生用空気静圧パッド5a、5bの隙間面には空気の粘性抵抗により圧力分布が発生し、図5に示されるように、測定力発生用空気静圧パッド5a、5bの面の大気開放側とその反対側との間には圧力差ΔP21が発生する。
通常のエアピストン方式の場合、圧力室の圧力はパスカルの原理により場所により変化しないが、本実施形態では圧力室に相当する測定力発生用空気静圧パッド5a、5bの隙間面では大きな圧力分布が発生しており、エアピストン方式の場合とはその原理が大きく異なる。
この時のプローブ軸1の幅をW(図5における紙面直交方向のプローブ軸1の幅)、支持用空気静圧パッドの隙間をΔGとすると、発生する推進力ΔFは下記のように表記される。
ΔF=W×(ΔH+k×ΔG)×ΔP(k≦1:係数)・・・(1)
(1)式の第1項は溝側面の段差による寄与を表しており、第2項は溝底面のせん断応力による寄与を表している。
このように前進方向と後退方向の2つ以上の測定力発生用空気静圧パッド5a、5bを配置することにより、プローブ軸1の微小測定力をより精密にコントロールすることができる。
このように本実施形態は、空気の粘性抵抗により測定力発生用空気静圧パッド5a、5bとプローブ軸1との間の隙間面に発生する圧力分布を利用して、測定力を発生させることにより精密な測定力コントロールをする事が最も大きな特徴となっている。
測定力発生用空気静圧パッド5a、5bとしては、多孔体絞り、オリフィス絞り、自成絞り、複合絞り(自成絞り+表面絞り)が適用できる。
また、測定力発生用空気静圧パッド5a、5bに対向する、プローブ軸1の溝部6の深さは0.2〜30μmであることが好ましい。30μm以上の場合、空気の粘性抵抗が非常に小さくなり、測定力発生用空気静圧パッド5a、5bの隙間での圧力差がほとんど発生しなくなってしまう。一方、0.2μm以下の場合、発生する推進力が小さくなってしまうと共に、加工自体が非常に難しくなってしまう。
支持用空気静圧パッド4a、4bとしても多孔体絞り、オリフィス絞り、自成絞り、複合絞り(自成絞り+表面絞り)が適用できる。
このため、支持用空気静圧パッド面4a、4bは、非常に小さな面積となる。この小さな面積でより高い軸受け剛性を発生させるためには、複合絞り(自成絞り+表面絞り)又は多孔体絞りが有効である。
また、測定時のプローブ軸1の傾きを小さくするために、軸受けのモーメント剛性を高くする必要があり、このため支持用空気静圧パッド4a、4bは、プローブ枠2の前部と後部の2箇所に分けて設置することが好ましい。
このため、空気静圧パッド4a、4b、5a、5bの軸受け隙間を小さく組み立てることが可能になる。
また、前記のように軸受け剛性を高めるには、支持用空気静圧パッド4a、4bにおける軸受け隙間をより小さくすることが有効であるので、その隙間は10μm以下がであることが好ましく、特に2〜6μmであることが好ましい。2μm以下では、高精度に仕上げても、経年的な変化やゴミ等の影響で使用中に軸受けの接触事故が発生する可能性が大きくなってしまうので好ましくない。
従って、測定力としては、9.8×10−5N〜9.8×10−4Nが好ましく、特に1.96×10−4N〜4.9×10−4Nが好ましい。
当然、測定ワークや環境によりこの測定力範囲で、容易に調整できることが好ましく、本実施形態によれば、9.8×10−4N以下の微小測定力においても、供給エアー圧7a、7bの調整により容易に測定力を調整することができる。
前述のように従来使用されているステンレス合金やアルミニウム合金で50mm長さのプローブ軸1を構成した場合、部材の温度が0.1℃変化すると、その長さは、ステンレス合金で85nm、アルミニウム合金で110nm変化してしまい、10nmオーダーの精度を必要とする超精密測定器においては、無視できない大きな誤差となってしまう。
一方、室温の熱膨張係数1.3×10−6/Kのサイアロンセラミックスを使用すれば、上記の寸法変化は7nmとなり熱膨張による誤差は無視できる範囲となる。
また、使用時の測定力による軸のたわみを考慮すると、剛性の高いセラミックスがより好ましく、この場合、サイアロン、窒化珪素、炭化珪素の焼結体が好ましい。
その他の使用できるセラミックスとしては、MMC(Metal Matrix Composites)のように、金属アルミニウムや金属シリコン等を30体積%程度含む、SiC+Al、SiC+Si、SiC+Si+Al、AlN+Al、AlN+Al+Mgの複合焼結体を使用することもできる。
例えば、骨材が炭化珪素で金属シリコンを30体積%含むMMC(SiC+Si)の場合、その熱膨張係数は2.4×10−6/K以下で、ヤング率は350GPaである。
セラミックスの緻密質焼結体の密度はそれぞれ、サイアロン・窒化珪素で3.2×103kg/m3、炭化珪素で3.15×103kg/m3、窒化アルミニウムで3.2×103kg/m3、コーディエライトで2.5×103kg/m3、LAS(リチウム・アルミナム・シリケート)で2.4×103kg/m3、ムライトで3.1×103kg/m3、炭化珪素を骨材として金属シリコンを30体積%含むMMC(SiC+Si)で2.9×103kg/m3と非常に低く、プローブ軸1の材質として良好に使用することができる。
実際の形状測定においては、プローブ軸1の位置の検出が必要であり、精密な位置検出をする必要がある。
このような精密な位置検出方法としては、プローブ軸1にミラーを取付けてレーザー干渉変位計で測定する方法、リニアエンコーダーを用いる方法、静電容量センサーを使用する方法等が使用できる。
プローブ軸1は、角断面形状、丸断面形状のどちらでも使用できるが、前進方向9aと後退方向9bの両方の推進力を得るためには、角断面形状の方が好ましい(図1参照)。
角断面形状の場合は、角断面の頂点方向と辺方向で軸受けのモーメント剛性が若干異なる問題があるが、丸断面形状の場合は全方向で軸受けのモーメント剛性がほぼ同じになるという利点があるので、図2のような前進方向9aのみの推進力を得る構造の場合には、丸断面形状も有効である。
支持用空気静圧パッド4a、4bは、面積が7×15mmで、軸の上下2箇所×前後2箇所と、軸の左右2箇所×前後2箇所で総計8箇所に設置されている。
プローブ軸1はこれらの8箇所の空気静圧パッド4a、4bにより支持されるため、軸の前後方向に抵抗なく自由に動かすことができる。
支持用空気静圧パッド4a、4bの軸受け隙間は全て3μmとし、複合絞り構造の空気静圧パッドを適用している。
組立て後の支持用空気静圧パッド4a、4bには、配管を通じて同一圧力のエアー11が供給され、そのパッドによる全体の並進方向剛性はプローブ軸1と直交するピッチ及びヨー方向で、エアー圧0.5MPaの場合に、共に9N/μmである。
このプローブ軸1は、プローブ枠2の先端から10mm先で触針3の先端がワークと接触する構造であるため、上記の並進剛性から計算されるプローブ軸1のモーメント剛性は、2.6×103Nm/radとなり、触針3の先端にプローブ軸1と直角に9.8×10−4Nの大きな力が発生した場合にも、触針3の先端は計算上僅か0.5nmしか傾かないことになる。
配置された空気静圧パッド5a、5bは、7×4.5mmの面積の複合絞り方式で、同一性能のパッドとした。
前進用の測定力発生用空気静圧パッド5aの後部側(触針3より遠い方向)に大気開放孔8aを形成し、また後退用の測定力発生用空気静圧パッド5bの前部側(触針3に近い方向)に大気開放孔8bを形成した。
従って、測定力発生用空気静圧パッド5a、5bの面と溝6の底面との隙間は支持用空気静圧パッド4a、4bの隙間3μmと溝深さ6μmの和、すなわち9μmとなっている。
また、この溝6の長さは、プローブ軸1のストローク範囲でプローブ軸1が前後に動いた際にも、測定力発生用空気静圧パッド5a、5bが溝6内に対向している必要があるので、溝長さはパッド長さにストロークを足した長さよりも大きく設定する必要があり、今回はパッド長さ4.5mmでプローブ軸1のストロークを±1mmとしたので、溝長さは8mmとしている。
また、前進用エアー7aと後退用エアー7bも別々の圧力制御が必要となるので、計3系統のエアーを供給した。
この測定力発生用空気静圧パッド5aにより、空気圧を0〜150kPaの範囲で精密制御することにより、測定力(押付け力)9aとして、0〜2.94×10−3N程度まで変化させることができた。
図6から分かるように、測定力9aと供給エアー圧7aは良い直線性が確認された。また、4.9×10−4N以下の低い測定力でも精密に制御できる事が確認された。
なお、プローブ軸1とプローブ枠2は全てサイアロン材質にて作製した。使用したサイアロンの室温熱膨張係数は1.28×10−6/K、ヤング率は280GPa、嵩密度は3.21×103kg/m3であった。
その結果、±50nmP−V未満の非常に良い形状精度が確認された。なお、上記の実施例では、プローブ軸の測定面に対する傾斜角を、測定面の回転対称軸に対して45°にして計測しているが、このことは一例であり、0°でも、その他の角度でも構わない。
Claims (9)
- 測定用触針が取り付けられるプローブ軸と、このプローブ軸を進退自在に支持するプローブ枠とを備えた接触式形状測定器用プローブヘッドであって、
前記プローブ枠には、
前記プローブ軸を前記プローブ枠との間で隙間を設けて支持する支持用空気静圧パッドと、
前記支持用空気静圧パッド以外に前記プローブ枠に設けられ、空気の粘性抵抗により発生する圧力差を利用して、前記プローブ軸に測定力を発生させる測定力発生用空気静圧パッドとが設けられていることを特徴とする接触式形状測定器用プローブヘッド。 - 移動側の前記プローブ軸に階段形状やクランク形状の段差がなく、該プローブ軸の断面中心線が一直線形状であり、固定側のプローブ枠の軸方向に配置された複数の空気静圧パッドが同一面にあることを特徴とする請求項1記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
- 前記プローブ軸に対して、その軸方向に直交して溝が形成されており、その溝深さが0.2μm〜30μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
- 前記プローブ枠に埋設された測定力発生用空気静圧パッドが、前記プローブ軸に形成された溝に対向して設置されており、その溝部の底面と測定力発生用空気静圧パッド面との距離が30μm以下であることを特徴とする請求項3記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
- 前記支持用空気静圧パッドの空気静圧軸受け隙間が10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
- 前記支持用空気静圧パッド及び測定力発生用空気静圧パッドが前記プローブ枠と一体構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
- 当該プローブヘッドを構成する材質が、室温での熱膨張係数が3×10−6/K以下のセラミックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
- 前記セラミックスが、サイアロン、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム、コーディエライト、LAS(リチウム・アルミナム・シリケート)、ムライトの1種又は数種を65体積%以上含む焼結体であることを特徴とする請求項7記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
- 前記セラミックスの密度が、4×103kg/m3以下であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の接触式形状測定器用プローブヘッド。
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