JP2008202542A - 燃焼器及びロケットエンジン - Google Patents

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【課題】コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室壁面との熱伝達性能を向上させることができる燃焼器及びロケットエンジンを提供する。
【解決手段】内部で酸化剤と燃料とが混合して燃焼可能であると共に壁面32に設けられた冷却通路を通過する燃焼前の燃料により冷却可能である燃焼室3と、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生手段5とを備えることを特徴とするので、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能を向上させることができる燃焼器及びロケットエンジンを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼器及びロケットエンジンに関し、特に、酸化剤と燃料とを混合し燃焼させることによって推力を得るロケットに適用されて好適な燃焼器及びロケットエンジンに関するものである。
従来のロケットエンジンに搭載されるロケット用燃焼器は、多数の噴射器(Injector) 、燃焼室(Combust ion Chamber)、ノズル(Nozzle)等から構成され、推進剤である燃料の化学反応によるエネルギーを排気運動に変換することで推力を得るものである。すなわち、噴射器から燃料(例えば水素ガス:GH2)と酸化剤(例えば液体酸素:LOx) が燃焼室に噴射注入され、着火された後、燃焼室内部で発生した燃焼ガスがノズルにより絞られ、燃焼ガス排出方向 へ排出され推力を生じる。
このような燃焼器では、酸化剤と燃料とが燃焼する燃焼室において多大な熱負荷が発生することから、燃焼室の壁面が溶融、損傷することを防止するため、この壁面を効率的に冷却する必要がある。このため、従来の燃焼器では、例えば、特許文献1に記載されたロケットエンジンのように、燃焼室にて燃焼される前の低温の燃料を冷却材として用い、この燃料が該壁面内の冷却通路を通過することで、燃料により壁面を冷却するものがある。
特表2004−518061号公報
ところで、このような燃焼器を備えるロケットエンジンとして、例えば、燃焼室壁面を冷却することでエネルギーを得た燃料を、酸化剤及び燃料を加圧、圧送する各ターボポンプの駆動媒体としても用いる、いわゆるエキスパンダーブリードサイクル方式のロケットエンジンがある。このエキスパンダーブリードサイクル方式のロケットエンジンでは、燃焼室壁面を冷却して温度が上昇し気化した燃料は、各ターボポンプのタービンに導入され、各ターボポンプのコンプレッサの駆動媒体として用いられ、その後、その一部がノズル内に廃棄される一方、残りの燃料は燃焼室に戻って燃焼される。
このようなエキスパンダーブリードサイクル方式のロケットエンジンでは、壁面冷却後の燃料により各タービンを効率よく駆動させるには、燃料が所定温度以上に温度上昇する必要がある。特に、エンジンの推力をより向上させる場合、燃料の供給量を増加させる必要があり、よって、燃料を加圧、圧送するターボポンプのコンプレッサの駆動をより速くする必要がある。このため、この燃料は、燃焼室壁面を冷却する際に、エンジンの推力に応じた所定以上の熱量吸収が必要である。そして、従来のロケットエンジンの燃焼器では、燃料が燃焼室壁面を冷却する際の吸収熱量の増加を図るため、例えば、燃焼室壁面の軸方向に対する長さを長くすることで、壁面と燃料との伝熱面積を増加させているものがある。
しかしながら、この燃焼室壁面を形成する材料、例えば、耐熱銅合金(OMC)は、大型化には限度があることから、所定の長さ以上の燃焼室壁面を製造することができなかった。また、仮に耐熱銅合金などにより大型の壁面を製造できたとしても、結果的に、燃焼器の大型化をまねき燃焼器の自重の増加となり、ロケットエンジンの高効率化要求に反した要因となるおそれがあった。また、特許文献1に記載のロケットエンジンでは、燃焼室の長手方向軸に対して延在し冷却剤としての燃料が通過可能な複数の冷却チャネル内に、前記軸に対して所定の角度で延在する突出リブを設けることで伝熱面積を増加させると共に燃料の流れに乱れを形成して燃料による熱吸収性能の向上を図っている。しかしこの場合、突出リブを設けることで製造効率が低下し、また、燃料として用いられる水素はもともと熱伝達率が高いので、燃焼室壁面と水素との熱伝達性をいくら向上しても、燃焼室内の流体と燃焼室壁面との熱伝達性が向上されない限り意味がなかった。
そこで本発明は、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室壁面との熱伝達性能を向上させることができる燃焼器及びロケットエンジンを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の燃焼器は、内部で酸化剤と燃料とが混合して燃焼可能であると共に壁面に設けられた冷却通路を通過する燃焼前の前記燃料により冷却可能である燃焼室と、前記燃焼室内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明の燃焼器では、前記所定の周波数は、前記壁面の共振周波数とは異なる周波数に設定されることを特徴とする。
請求項3の発明の燃焼器では、前記所定の周波数は、10kHz以上に設定されることを特徴とする。
請求項4の発明の燃焼器では、前記酸化剤と前記燃料とを前記燃焼室内方に向けて噴射可能な噴射面と、円筒状に形成され前記噴射面に立設される噴射部壁面とを有する噴射部を備え、前記振動発生手段は、前記噴射部壁面に該噴射部壁面の周方向に対して対称な位置に各々設けられる複数のキャビティを有することを特徴とする。
請求項5の発明の燃焼器では、前記キャビティは、前記酸化剤及び前記燃料の噴射方向に対して前記噴射面から15mm以内の領域に設けられることを特徴とする。
請求項6の発明の燃焼器では、前記酸化剤と前記燃料とを前記燃焼室内方に向けて噴射可能な噴射面を有する噴射部を備え、前記振動発生手段は、前記噴射面に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射される前記酸化剤と前記燃料との混合比が互いに異なる複数の低混合比噴出口及び高混合比噴出口を有し、複数の前記低混合比噴出口と前記高混合比噴出口とは、前記各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられることを特徴とする。
請求項7の発明の燃焼器では、前記酸化剤と前記燃料とを前記燃焼室内方に向けて噴射可能な噴射面と、円筒状に形成され前記噴射面に立設される噴射部壁面とを有する噴射部を備え、前記振動発生手段は、前記噴射部壁面に該噴射部壁面の周方向に対して対称な位置に各々設けられる複数のキャビティと、前記噴射面に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射される前記酸化剤と前記燃料との混合比が互いに異なる複数の低混合比噴出口及び高混合比噴出口を有し、複数の前記低混合比噴出口と前記高混合比噴出口とは、前記各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられると共に前記低混合比噴出口が設けられる領域と前記高混合比噴出口が設けられる領域との境界が前記キャビティの周方向の端部と、該周方向に対して一致していることを特徴とする。
請求項8の発明の燃焼器では、前記低混合比噴出口及び前記高混合比噴出口は、前記複数の円環のうち外側の2つの円環に設けられることを特徴とする。
請求項9の発明の燃焼器では、筒状に形成され内部に設けられた酸化剤流路から前記燃焼室に向けて前記酸化剤を噴射可能である内筒と、前記内筒の外周を覆って筒状に形成され前記内筒との間の燃料流路から前記燃焼室に向けて前記燃料を噴射可能な外筒とを有すると共にそれぞれ前記低混合比噴出口又は前記高混合比噴出口に接続される複数の噴射器を備え、前記内筒は、前記酸化剤流路面積を絞る絞り部を有し、前記絞り部は、前記低混合比噴出口に接続される前記噴射器と、前記高混合比噴出口に接続される前記噴射器とで異なる絞り量に設定されることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項10の発明のロケットエンジンは、内部で酸化剤と燃料とが混合して燃焼し燃焼ガスを発生可能であると共に壁面に設けられた冷却通路を通過する燃焼前の前記燃料により冷却可能である燃焼室と、前記冷却通路を通過した後の前記燃料により回転駆動されるタービンを有し、前記酸化剤と前記燃料とを各々前記燃焼室に供給可能な複数のターボポンプと、前記燃焼室に接続され、該燃焼室から噴射される前記燃焼ガスの出口を絞り込むことで推力を上げるノズルと、前記燃焼室内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生手段とを備えることを特徴とする。
請求項1の発明の燃焼器によれば、燃焼室内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生手段を設けたことで、振動発生手段により燃焼室内の流体のみを燃焼振動させることによって、この流体の振動により燃焼室内の流体から壁面、冷却通路内の燃料への熱伝達を促進することができるので、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室の壁面との熱伝達性能を向上させることができる。
請求項2の発明の燃焼器によれば、振動発生手段が発生させる振動の周波数が少なくとも壁面の共振周波数とは異なる周波数に設定されることで、この燃焼器の壁面が振動発生手段により発生される振動によって励振され共振することを防止することができるので、燃焼器が破損することを防止することができる。
請求項3の発明の燃焼器によれば、振動発生手段が発生させる振動の周波数が少なくとも10kHz以上の高周波数に設定されることで、燃焼室内の流体の振動数が多くなり、燃焼室内の壁面近傍での流体の移動がより促進されるので、燃焼室内の流体から壁面、冷却通路内の燃料への熱伝達をさらに促進することができる。
請求項4の発明の燃焼器によれば、振動発生手段が噴射部壁面の周方向に対して対称な位置に複数のキャビティを有することから、この各キャビティ内の流体が一定の周波数で燃焼振動し、この複数のキャビティ内の燃焼ガスの振動により燃焼室の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動を励振することができる。さらに、この複数のキャビティが噴射部壁面の周方向に対して対称な位置に各々設けられることから、径方向に対して偏りのないきれいな燃焼振動を発生させることができる。
請求項5の発明の燃焼器によれば、複数のキャビティを噴射面からの距離が15mm以内の領域に設けることで、複数のキャビティにより燃焼振動を起こすことができると共に、この領域の流体温度は相対的に低温であることから、キャビティを設けることでこの領域を無冷却領域としても、壁面が焦げたり、溶融、損傷したりすることを防止することができる。
請求項6の発明の燃焼器によれば、振動発生手段が噴射面に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射面の周方向に対して対称な位置に複数の低混合比噴出口及び高混合比噴出口を有することから、周方向に沿って混合比が異なる領域が交互に分布し、流体の燃焼状態もこの領域に応じて周方向に沿って交互に異なるので、燃焼室の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動を励振することができる。さらに、この複数の低混合比噴出口及び高混合比噴出口が噴射面の周方向に対して対称な位置に各々設けられることから、径方向に対して偏りのないきれいな燃焼振動を発生させることができる。
請求項7の発明の燃焼器によれば、複数のキャビティによって励振される燃焼振動の位相と複数の低混合比噴出口及び高混合比噴出口によって励振される燃焼振動の位相とが一致するので、高次の周波数の圧力変動モードの振動をより確実に発生させることができると共に十分な強度の燃焼振動を発生させることができる。
請求項8の発明の燃焼器によれば、複数の低混合比噴出口と高混合比噴出口とが複数の噴出口が形成する複数列の同心円環のうちの外側の2つの円環に設けられることから、径方向の外側において混合比を異なるように設定することで、振動発生手段による十分な励振力を確保することができると共に十分な強度の燃焼振動を発生させることができる。
請求項9の発明の燃焼器によれば、酸化剤流路面積を絞る絞り部を異なる絞り量に設定することで、各噴射器にて酸化剤流路に取り込まれる酸化剤の流量を調節することができ、複数の低混合比噴出口と高混合比噴出口とで酸化剤の流量を予め調節することができ、よって、燃焼器全体での混合比を変えずに、低混合比噴出口と高混合比噴出口とで噴射される酸化剤と燃料との混合比を確実に異ならせることができる。
請求項10の発明のロケットエンジンによれば、燃焼室内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生手段を設けたことで、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室の壁面との熱伝達性能を向上させることができる。よって、壁面と燃料との伝熱面積を低減した上で、冷却通路を通過する燃料による熱量吸収の効率が向上し、効率的に温度を上昇させることができ、壁面冷却後の燃料により各タービンを効率よく駆動させることができる。さらに、燃焼器の大型化、ひいてはロケットエンジンの大型化も防止することができ、自重の増加を防止することができるので、ロケットエンジンの高効率化要求にも資することができる。
以下に、本発明に係る燃焼器及びロケットエンジンの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る燃焼器の概略構成を示す模式的斜視図、図2は、本発明の実施例1に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的斜視図、図3は、本発明の実施例1に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的断面図、図4は、本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室壁面の径方向部分断面図、図5は、本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室壁面の軸方向部分断面図、図6は、本発明の実施例1に係る燃焼器の噴射部壁面の径方向断面図、図7は、本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室断面内での圧力変動モードの一例を示した図、図8は、本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室における噴射面からの距離と燃焼ガス温度との関係を示す線図、図9は、本発明の実施例1に係る燃焼器が適用されるロケットエンジンの概略配管系統図である。
本発明の実施例に係る燃焼器としてのロケット用燃焼器1(以下、単に「燃焼器1」と略記する。)は、図9に示すように、酸化剤と燃料とを混合し燃焼させることによって推力を得るロケットエンジン100(以下、単に「エンジン100」と略記する。)に適用した場合で説明する。このエンジン100は、燃料の一部を燃焼器1の冷却材として用いると共に酸化剤及び燃料を加圧、圧送する各ターボポンプの駆動媒体としても用いる、いわゆるエキスパンダーブリードサイクル方式のロケットエンジンである。
エンジン100は、酸化剤と燃料とを噴射可能な噴射部31(図1参照)を有し、酸化剤と燃料とが燃焼可能な燃焼器1を備える。さらに、エンジン100は、この酸化剤及び燃料を燃焼器1に供給すると共にエンジン100の各部に循環させる配管系統として、燃料を燃焼器1に供給する燃料供給ライン90と、酸化剤を燃焼器1に供給する酸化剤供給ライン91と、燃焼器1を冷却する冷却媒体として燃料をエンジン100の各部に循環させる冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92とを備える。
燃料供給ライン90は、複数の配管により構成され、燃料としての液体水素(以下、「LH2」と称する。)を貯留する燃料タンク(不図示)と燃焼器1の噴射部31とを接続し、燃料供給系を構成する。同様に、酸化剤供給ライン91は、複数の配管により構成され、酸化剤としての液体酸素(以下、「LOx」と称する。)を貯留する酸化剤タンク(不図示)と燃焼器1の噴射部31とを接続し、酸化剤供給系を構成する。冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92は、複数の配管により構成され、一端において燃料供給ライン90から分岐すると共に後述する燃焼器1における燃焼室3の壁面32(図1参照)内の冷却通路33などを経由して他端が燃焼器1のノズル4内部に接続され、冷却媒体・駆動媒体供給系を構成する。
さらに、エンジン100は、燃料供給ライン90を介して燃料を燃焼器1に圧送可能な燃料用ターボポンプ50及び酸化剤供給ライン91を介して酸化剤を燃焼器1に圧送可能な酸化剤用ターボポンプ60と、燃焼器1を冷却して気化した燃料と液体燃料とを混合するミキサ70と、酸化剤と燃料との混合気に点火する点火器80とを備える。
燃料用ターボポンプ50は、コンプレッサ51とタービン52を備える。タービン52は、冷却通路33を通過し気化した燃料としての水素ガス(以下、「GH2」と称する。)により回転駆動されることでコンプレッサ51を駆動し、コンプレッサ51は、燃料供給ライン90のLH2を加圧して噴射部31に圧送する。酸化剤用ターボポンプ60は、コンプレッサ61とタービン62を備える。タービン62は、冷却通路33を通過し気化した燃料としてのGH2により回転駆動されることでコンプレッサ61を駆動し、コンプレッサ61は、酸化剤供給ライン91のLOxを加圧して噴射部31に圧送する。
さらに具体的には、燃料供給ライン90は、LH2の流動方向に対して上流側から順に、燃料用ターボポンプ50のコンプレッサ51と、主燃料バルブ93と、ミキサ70とを備える。酸化剤供給ライン91は、LOxの流動方向に対して上流側から順に、酸化剤用ターボポンプ60のコンプレッサ61と、主酸化剤バルブ94とを備える。
冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92は、燃料供給ライン90のLH2の流動方向に対してコンプレッサ51の下流側、主燃料バルブ93の上流側で燃料供給ライン90から分岐する。冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92は、燃料供給ライン90のLH2の流動方向に対して上流側から順に、燃焼室冷却バルブ92cと、冷却通路33と、推力制御バルブ95と、燃料用ターボポンプ50のタービン52と、酸化剤用ターボポンプ60のタービン62を備える。すなわち、燃料用ターボポンプ50のタービン52と、酸化剤用ターボポンプ60のタービン62とは、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92に直列的に配置される。また、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92は、他端においてノズル4内部に接続する部分の上流側にノズル4を冷却する冷却通路も備えている。なお、冷却通路33と燃焼器1の具体的な構成は、後述の図1乃至図8で詳細に説明する。
さらに、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92は、合流管96と、混合比制御管97と、バイパス管98を備える。合流管96は、冷却通路33の下流側、推力制御バルブ95の上流側で冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92の主管から分岐してミキサ70に接続する。混合比制御管97は、酸化剤用ターボポンプ60のタービン62の上流側、燃料用ターボポンプ50のタービン52の下流側で冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92の主管から分岐してタービン62の下流側に接続することで、タービン62をバイパスする。この混合比制御管97は、混合比制御バルブ99を備える。バイパス管98は、合流管96の分岐部の下流側、推力制御バルブ95の上流側で冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92の主管から分岐して酸化剤用ターボポンプ60のタービン62の下流側に接続してタービン52及びタービン62をバイパスする。このバイパス管98は、ウェストバルブ98aを備える。
主燃料バルブ93は、燃料供給ライン90を開閉することで噴射部31へのLH2の供給を調節する。主酸化剤バルブ94は、酸化剤供給ライン91を開閉することで噴射部31へのLOxの供給を調節する。燃焼室冷却バルブ92cは、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92を開閉することで冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92におけるLH2、GH2の循環を調節する。推力制御バルブ95は、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92を開閉することでタービン52に導入される駆動媒体としてのGH2の導入量を制御してこのタービン52の回転数を制御し、これにより、コンプレッサ51によるLH2の加圧を制御することで、エンジン100全体での推力を制御する。混合比制御バルブ99は、混合比制御管97を開閉することでタービン62に導入される駆動媒体としてのGH2の導入量を制御してこのタービン62の回転数を制御し、これにより、コンプレッサ61によるLOxの加圧を制御することで、燃焼器1全体での混合比(LOx/GH2)、すなわち、噴射部31から噴射されるLOxとGH2との比率を制御する。ウェストバルブ98aは、冷却通路33を通過することで気化したGH2がタービン52、タービン62をバイパスする際に当該バイパス量に応じて開閉される。
ミキサ70は、主燃料バルブ93を通過した極低温のLH2と、冷却通路33を通過して気化した高温のGH2とを混合し、GH2として燃焼器1に供給可能とする。なお、燃料としての水素は、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92における冷却通路33よりも下流側ではGH2及びLH2の気液二相が存在していることがある。
上記のように構成されるエンジン100は、燃料供給ライン90を介して供給されるLH2を燃料用ターボポンプ50によって燃焼器1に圧送すると共に、酸化剤供給ライン91を介して供給されるLOxを酸化剤用ターボポンプ60によって燃焼器1に圧送し、
このLOxとGH2とを燃焼器1の燃焼室3内で混合し、この混合気に点火器80により点火することで燃焼させて推力を得る。この間、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92は、燃料用ターボポンプ50により圧送されるLH2の一部を燃焼器1における燃焼室3の壁面に設けられる冷却通路33に導入し、この低温のLH2により燃焼室3を冷却する。このとき、燃焼室3を冷却することでエネルギーを得たLH2は、その温度が上昇しガス化してGH2となり、一部が合流管96を介してミキサ70に導入され、このミキサ70でLH2と混合される。そして、残りのGH2が燃料用ターボポンプ50のタービン52、酸化剤用ターボポンプ60のタービン62に順に導入され、タービン52、タービン62の駆動媒体として作用し、その膨張エネルギーによりタービン52、タービン62を回転駆動することで、上述のように燃料用ターボポンプ50、酸化剤用ターボポンプ60によりLH2、LOxを圧送する。そして、タービン52、タービン62を回転駆動したGH2は、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92の他端からノズル4内に廃棄される。
なお、このエンジン100では、密度が高く従って高出力が必要な燃料用ターボポンプ50をGH2により先に駆動し、その後に酸化剤用ターボポンプ60を駆動する。また、燃料用ターボポンプ50、酸化剤用ターボポンプ60を駆動した後のGH2の圧力は初めのタービン52入口前の圧力に比較してかなり低下しており、タービン52入口前の圧力と略等しい圧力の燃焼室3内には供給することはできないため、燃焼器1の低圧部位としてノズル4内部に排出している。
次に、図1乃至図8を参照して燃焼器1について詳細に説明する。この燃焼器1は、図1に示すように、多数の噴射器(Injector)2と、燃焼室(Combustion Chamber)3と、ノズル(Nozzle)4を含んで構成され、推進剤である燃料の化学反応によるエネルギーを排気運動に変換することで推力を得るものである。すなわち、噴射器2から燃焼室3に向けて噴射されるLOxとGH2とが燃焼室3内で混合され燃焼し、これにより燃焼ガスを発生させ、さらに、ノズル4により燃焼室3から噴射される燃焼ガスの出口を絞り込むことで推力を上げて、推力を得ることができる。
具体的には、各噴射器2は、上述のように、LOx及びGH2を燃焼室3内に噴射するためのものであり、図2、図3に示すように、内筒としてのLOxポスト21と外筒としてのスリーブ22を備える。LOxポスト21は、円筒状に形成され内部に酸化剤流路としてのLOx流路23が形成される。LOxポスト21は、酸化剤供給ライン91を介して供給されるLOxを一端側からLOx流路23に取り込み、他端側から燃焼室3に向けてこの取り込んだLOxを噴射可能である。
さらに、LOxポスト21の外周面には、スリーブ取付部25及び凹部26が設けられている。スリーブ取付部25は、LOxポスト21の外方に突出した円盤形状に形成される。また、スリーブ取付部25は、このLOxポスト21の軸線方向に対して垂直に形成される。凹部26は、LOx流路23を流れるLOxの流動方向に対してこのスリーブ取付部25よりも下流側、すなわち、燃焼室3側に形成される。凹部26は、LOxポスト21の外径をスリーブ取付部25の上流側の外径よりも小さく設定することで形成される円筒状の部分であり、燃焼室3側の端部まで延設されている。
スリーブ22は、LOxポスト21とほぼ同軸の円筒状に形成され、このLOxポスト21の外周を覆うように設けられる。具体的には、スリーブ22は、一端部がスリーブ取付部25に当接すると共に他端部が後述する燃焼室3の噴射面34に接続される(図1も参照)。そして、スリーブ22は、その内周面においてLOxポスト21の外周面に設けられた凹部26を空隙を有して覆うことで、LOxポスト21との間に燃料流路としてのGH2流路27を形成する。このGH2流路27は、円環状の流路断面をなす。また、スリーブ22には、その外周面からGH2流路27まで延設される複数の導入口28が形成されており、このスリーブ22は、燃料供給ライン90を介して供給されるGH2を導入口28を介してGH2流路27に取り込み、LOxポスト21との間のこのGH2流路27から燃焼室3に向けてこの取り込んだGH2を噴射可能である。なお、LOx流路23から燃焼室3に噴射されるLOxの流速は例えば10〜20m/S程度であるのに対して、GH2流路27から燃焼室3に噴射されるGH2はLOxの約10倍の流速で噴射される。
燃焼室3は、噴射器2から噴射され、微粒化され混合されたLOxとGH2とが内部で燃焼するものである。燃焼室3は、図1に示すように、噴射部31と、壁面32と、冷却通路33(図9参照)とを有する。噴射部31は、LOxとGH2とを噴射可能なものであり、具体的には、噴射面34と噴射部壁面35とを有する。噴射面34は、LOxとGH2とを燃焼室3の内方に噴射する面であり、噴射部壁面35は、円筒状に形成されこの噴射面34に立設される。噴射面34は、円形状に形成されその表面に複数の噴出口36を有する。複数の噴出口36は、噴射面34に同心の複数の円環状に位置して設けられる。上述の複数の噴射器2は、この複数の噴出口36の背面側(噴射方向上流側)にそれぞれ1つずつ設けられる。すなわち、各噴射器2のスリーブ22は、この各噴出口36に接続される。
この噴射部壁面35は、壁面32の一部をなす。言い換えれば、壁面32と噴射部壁面35は連続的に形成され、この壁面32と噴射面34とが交わる部分が噴射部壁面35となる。燃焼室3は、噴射面34と壁面32(及び噴射部壁面35)により画成される。燃焼室3の壁面32は、円筒状に形成され一端に噴射面34が設けられると共に他端にノズル4が設けられる。燃焼室3は、壁面32の内径が噴射面34側においてほぼ一定であると共にノズル4に向かって径方向断面積が小さくなるように形成される。燃焼室3の噴射面34は、上述のようにその背面側に噴射器2のスリーブ22が接続され、したがって、噴射器2から燃焼室3に向けたLOx及びGH2は、この噴射面34から噴射される。噴射器2は、ロケットエンジンの推力にもよるが、通常数百本が燃焼室3の噴射面34の背面側に、ロケット用燃焼器1の推力方向の中心軸に対して概ね円周方向に均一になるように配設される。ノズル4は、燃焼室3の壁面32に連続して形成されると共に内部が燃焼室3と連通する。また、ノズル4は、燃焼室3側に向かって先細となる円錐状に形成され、これにより、燃焼室3で発生する燃焼ガスの出口断面を絞り込む。
壁面32は、さらに具体的には、図4に示すように、径方向に対して燃焼室3内方から順に、壁面内筒32aと、中間層32bと、壁面外筒32cとにより3層構造で構成される。壁面内筒32aは、大きな熱負荷に対して熱応力を発生させないため、ここでは、温度分布熱伝導のよい特殊な耐熱銅合金(OMC)により形成される。壁面内筒32aは、径方向外周面に燃焼室3の軸方向に沿った複数の溝が形成され、この溝が複数の冷却通路33をなす。中間層32bは、電鋳銅層として形成され、壁面内筒32aの径方向外周面に接して設けられ、冷却通路33の蓋として機能する。壁面外筒32cは、この中間層32bの径方向外周面に接して設けられ、燃焼室3内の気圧に対する強度部材(構造部材)として機能し、ここではステンレス(SUS)により形成される。燃焼室3内での燃焼時、燃焼室3圧力及び上記冷却通路33 内の圧力は、主としてこの壁面外筒32cで保持される。
冷却通路33は、図5に示すように、壁面内筒32a(図4参照)の径方向外周面に燃焼室3の軸方向に沿って複数形成される。複数の冷却通路33は、上述の冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92(図9参照)の一部をなす。さらに具体的には、冷却通路33は、入口マニホールド33aを介して複数に分岐する一方、出口マニホールド33bを介して1つに合流する。そして、入口マニホールド33aは、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92をなす冷却通路導入管92aに接続される一方、出口マニホールド33bは、冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン92をなす冷却通路排出管92bに接続される。また、この入口マニホールド33aは、噴射方向下流側(ノズル4側)に設けられる一方、出口マニホールド33bは、噴射方向上流側(噴射部31側)に設けられる。なお、上述の噴射部壁面35は、壁面32においてこの冷却通路33が設けられていない部分であり、したがって、この噴射部壁面35では、壁面内筒32aには冷却通路33を構成する溝は形成されておらず、壁面内筒32aと壁面外筒32cとによる2層構造となっている(図6参照)。
燃焼室3で発生する燃焼ガスは、燃焼室3内を軸方向に噴射部31側からノズル4側へ軸方向に沿って流れる一方、LH2は、入口マニホールド33aから複数の冷却通路33に分岐して導入され、ノズル4側から噴射部31側へ軸方向に沿って流れて出口マニホールド33bで合流した後に流出する。この間、LH2は、燃焼室3の壁面32を冷却する。つまり、冷却通路33は、壁面32に設けられ少なくともLH2の一部が通過可能であり、この冷却通路33を通過する燃焼前のLH2により燃焼室3を冷却可能である。そして、このとき、LH2は、燃焼室3を冷却することで、温度上昇し高エネルギー状態となってガス化し、GH2として出口マニホールド33bで集められて冷却通路排出管92bに流出する。
上記のように構成される燃焼器1は、噴射器2のLOx流路23を介して燃焼室3にLOxが噴射され、GH2流路27を介して燃焼室3にGH2が噴射される。燃焼室3に噴射されたLOxとGH2とは、燃焼室3内で微粒化し混合する。そして、燃焼室3内で混合したLOxとGH2は、点火器80(図9参照)により着火された後、この燃焼室3内で燃焼され、その結果、燃焼ガスが発生する。そしてこの燃焼ガスがノズル4を介して燃焼室3から噴射され、このとき、このノズル4により燃焼ガスの出口断面が絞り込まれていることから、燃焼ガスの噴射による推力が向上し、推力を得ることができる。
そして、燃焼室3にて燃焼される前の低温のLH2が冷却材として作用し、すなわち、LH2が壁面32内の冷却通路33を通過することで、このLH2により壁面32を冷却する。これにより、LOxとGH2とが燃焼する燃焼室3において多大な熱負荷が発生しても、燃焼室3の壁面32が十分に冷却されることから、この壁面32が溶融、損傷することを防止することができる。
ところで、このようなエキスパンダーブリードサイクル方式のエンジン100では、壁面32冷却後のGH2により各タービン52、62を効率よく駆動させるには、GH2が所定温度以上に温度上昇する必要がある。特に、エンジン100の推力をより向上させる場合、燃焼器1へのGH2の供給量を増加させる必要があり、よって、GH2を加圧、圧送する燃料用ターボポンプ50のコンプレッサ51の駆動をより速くする必要がある。このため、このGH2は、燃焼室3の壁面32を冷却する際に、所望のエンジン100の推力に応じた所定以上の熱量吸収が必要である。
一方で、従来のエンジンの燃焼器では、GH2が燃焼室の壁面を冷却する際の吸収熱量の増加を図るため、例えば、壁面の軸方向に対する長さを長くすることで、壁面とGH2との伝熱面積を増加させているものがある。しかしながら、この燃焼室壁面を形成する材料、例えば、耐熱銅合金(OMC)は、大型化には限度があることから、所定の長さ以上の燃焼室壁面を製造することができなかった。また、仮に耐熱銅合金などにより大型の壁面を製造できたとしても、結果的に、燃焼器の大型化をまねき燃焼器の自重の増加となり、ロケットエンジンの高効率化要求に反した要因となるおそれがあった。
そこで、本実施例のエンジン100に適用される燃焼器1は、図1に示すように、振動発生手段としての振動発生部5を設けることで、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能の向上を図っている。
振動発生部5は、噴射部31に設けられ所定の周波数の燃焼振動を発生させる。この振動発生部5は、燃焼室3の断面内での高次の圧力変動モード(断面内振動モード)、いわゆる、高次の膜モードの燃焼振動を発生させる。さらに、振動発生部5は、所定の周波数の燃焼振動を発生させるための具体的な構成として、噴射部壁面35に設けられる複数のキャビティ(音響キャビティ)6を有する。
複数のキャビティ6は、図6に示すように、噴射部壁面35の周方向に対して対称な位置に各々設けられる。すなわち、複数のキャビティ6は、噴射部壁面35の軸線上の径方向中心に対して点対称な位置に設けられ、本実施例では、噴射部壁面35においてキャビティ6とキャビティ6が設けられていない部分とは交互に均等な割付で設けられる。これにより、この各キャビティ6内の燃焼ガスは一定の周波数で燃焼振動し、さらに、このキャビティ6が噴射部壁面35の軸線上の径方向中心に対して点対称な位置に複数設けられることから、この複数のキャビティ6内の燃焼ガスの振動により燃焼室3の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動が励振される。また、複数のキャビティ6が噴射部壁面35の周方向に対して対称な位置に各々設けられることから、径方向に対して偏りのないきれいな圧力変動モードの振動を発生させることができる。そして、燃焼室3内の流体としての燃焼ガスのみを高次の圧力変動モードで積極的に燃焼振動させることによって、この燃焼ガスの振動により燃焼室3内の燃焼ガスから壁面32、冷却通路33内のLH2への熱伝達を促進することができる。したがって、燃焼室3の軸方向に対する長さを長くして伝熱面積を増やすことなく、よりコンパクトな構成でLH2と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能を向上させることができる。よって、壁面32とLH2との伝熱面積を低減した上で、冷却通路33を通過するLH2による熱量吸収の効率が向上し、効率的に温度を上昇させることができ、壁面32冷却後のGH2により各タービン52、62を効率よく駆動させることができる。
また、例えば、冷却通路33内にフィンやリブを設けることで壁面32とLH2との伝熱面積を増加させる場合、突出リブを設けることで製造効率が低下し、また、燃料として用いられる水素はもともと熱伝達率が高いので、燃焼室3の壁面32とLH2との熱伝達性が向上しても、燃焼室3内の燃焼ガスと壁面32との熱伝達性が向上されない限り熱伝達の効率は向上しにくいが、本実施例の燃焼器1は、振動発生部5により燃焼室3内の燃焼ガスのみを積極的に燃焼振動させることによって、燃焼室3内の燃焼ガスと壁面32との熱伝達性が向上されるので、より簡単な構成でLH2による熱量吸収の効率を向上させることができる。さらに、例えば、壁面内筒32aの燃焼室3側の面にフィンやリブを設けることで燃焼ガスと壁面32との伝熱面積を増加させる場合、燃焼室3内の燃焼ガスと壁面32との伝熱面積が増加し熱伝達性は向上するものの、このフィンやリブが高温の燃焼ガスにさらされることで溶融、損傷するおそれがある一方、本実施例の燃焼器1は、燃焼室3側にフィンやリブを設けることなく、燃焼室3内の燃焼ガスと壁面32との熱伝達性を向上することができるので、より信頼性の高い燃焼器1とすることができる。
ここで、振動発生部5が発生させる振動の所定の周波数は、噴射器2、壁面32、冷却通路導入管92a、冷却通路排出管92bなどの配管等の燃焼器1、エンジン100の構成部材自体が応答しない周波数に設定される。本実施例では、所定の周波数は、燃焼器1、エンジン100の構成部材の共振周波数よりも高い周波数である。すなわち、振動発生部5が発生させる振動の周波数は、燃焼器1、エンジン100の構成部材の共振周波数よりも高い周波数に設定される。ここで共振周波数とは、物質が固有振動を生じる周波数(固有周波数)に相当し、その物体の形状や大きさ等に応じて決まる。したがって、振動発生部5が発生させる振動の周波数が燃焼器1、エンジン100の構成部材の共振周波数よりも高い周波数に設定されることで、この燃焼器1、エンジン100の構成部材が振動発生部5により発生される振動によって励振され共振することを防止することができるので、この構成部材が破損することを防止することができる。
さらに、本実施例では、この所定の周波数は、10kHz以上、好ましくは20k〜30kHz程度の高周波数に設定される。このように、振動発生部5が発生させる振動の周波数が高周波数に設定されることで、燃焼室3内の流体としての燃焼ガスの振動数が多くなり、燃焼室3内の壁面32近傍での燃焼ガスの移動がより促進されるので伝熱性も向上することができ、燃焼室3内の燃焼ガスから壁面32、冷却通路33内のLH2への熱伝達を促進することができる。すなわち、振動発生部5が発生させる振動の周波数が高周波数であるほど、熱伝達をより促進することができる。
ここで、図7に本実施例の振動発生部5により発生される燃焼室3の断面内での圧力変動モードの一例を示す。本図中、外周が燃焼筒の壁面、直径線が節、「+」、「−」のマークが位相関係を示す。振動発生部5を複数のキャビティ6により構成しN次の圧力変動モードを発生させる場合、噴射部壁面35の周方向に対して対称な位置に設けられるキャビティ6の数は、N×4個とすればよい。本図は4次の圧力変動モードを示しており、したがって、キャビティ6は、図6に示すように、合計16個設けられている。振動発生部5が発生させる振動の周波数は、この圧力変動モードの次数Nが大きくなるほど高周波になる。すなわち、キャビティ6の数を多くするほど、高次の周波数の圧力変動モードの振動を発生させることができる。
また、この複数のキャビティ6は、噴射部壁面35に設けられている。ここで、上述したように、噴射部壁面35は、壁面32において冷却通路33が設けられていない部分であり、壁面内筒32aと壁面外筒32cとによる2層構造となっている。つまり、このキャビティ6が設けられる噴射部壁面35では、LH2による冷却は行われていない。
ここで、図8は、燃焼室3内における噴射面34からの距離と燃焼ガス温度との関係を表すグラフであり、横軸を噴射面34からの距離(mm)、縦軸を燃焼ガス温度(K)としている。燃焼室3内の燃焼ガスの温度は、図8に示すように、噴射面34からの距離に応じて変化し、噴射面34から離れるほど高くなる。言い換えれば、噴射面34に近い部分においては、未だ燃焼ガスの温度は高温に達しておらず、したがって、上記のように冷却通路33を設けず無冷却領域Lとしても問題はない。この無冷却領域Lは、本実施例では燃焼ガス温度が1000K以下の領域、噴射面34からの距離が15mm以内の領域に設定される。すなわち、噴射部壁面35は、図1、図6に示すように、噴射面34からの距離が15mm以内の無冷却領域Lに設けられると共に複数のキャビティ6も、噴射面34からの距離が15mm以内の無冷却領域Lに設けられる。このように複数のキャビティ6を噴射面34からの距離が15mm以内の領域に設けこの領域を無冷却領域Lとしても、この部分の燃焼ガス温度は相対的に低温であることから、複数のキャビティ6により燃焼振動を起こすことができると共に壁面32が焦げたり、溶融、損傷したりすることを防止することができる。
このように本実施例の燃焼器1にあっては、内部で酸化剤としてのLOxと燃料としてGH2とが混合して燃焼可能であると共に壁面32に設けられた冷却通路33を通過する燃焼前のも燃料としてのLH2により冷却可能である燃焼室3と、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部5とを備える。
したがって、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部5を設けたことで、振動発生部5により燃焼室3内の燃焼ガスのみを積極的に高次の圧力変動モードで燃焼振動させることにより、この燃焼ガスの振動により燃焼室3内の燃焼ガスから壁面32、冷却通路33内のLH2への熱伝達を促進することができるので、例えば、壁面32の軸方向に対する長さを長くするなどして伝熱面積を増やすことなく、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能を向上させることができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器1にあっては、前記所定の周波数は、噴射器2、壁面32、冷却通路導入管92a、冷却通路排出管92bなどの配管等の燃焼器1、エンジン100の構成部材の共振周波数とは異なる周波数に設定される。したがって、振動発生部5が発生させる振動の周波数が燃焼器1、エンジン100の構成部材の共振周波数とは異なる周波数に設定されることで、この燃焼器1、エンジン100の構成部材が振動発生部5により発生される振動によって励振され共振することを防止することができるので、燃焼器1、エンジン100の各部が破損することを防止することができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器1にあっては、前記所定の周波数は、10kHz以上、好ましくは20k〜30kHz程度の高周波数に設定される。したがって、振動発生部5が発生させる振動の周波数が高周波数に設定されることで、燃焼室3内の燃焼ガスの振動数が多くなり、燃焼室3内の壁面32近傍での燃焼ガスの移動がより促進されるので、燃焼室3内の燃焼ガスから壁面32、冷却通路33内のLH2への熱伝達をさらに促進することができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器1にあっては、LOxとGH2とを燃焼室3内方に向けて噴射可能な噴射面34と、円筒状に形成され噴射面34に立設される噴射部壁面35とを有する噴射部31を備え、振動発生部5は、噴射部壁面35にこの噴射部壁面35の周方向に対して対称な位置に各々設けられる複数のキャビティ6を有する。したがって、振動発生部5が噴射部壁面35の周方向に対して対称な位置に複数のキャビティ6を有することから、この各キャビティ6内の燃焼ガスは一定の周波数で燃焼振動し、この複数のキャビティ6内の燃焼ガスの振動により燃焼室3の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動を励振することができる。さらに、この複数のキャビティ6が噴射部壁面35の周方向に対して対称な位置に各々設けられることから、径方向に対して偏りのないきれいな圧力変動モードの振動を発生させることができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器1にあっては、キャビティ6は、LOx及びGH2の噴射方向に対して噴射面34から15mm以内の領域に設けられる。したがって、複数のキャビティ6を噴射面34からの距離が15mm以内の領域に設けることで、複数のキャビティ6により燃焼振動を起こすことができると共に、この領域の燃焼ガス温度は相対的に低温であることから、キャビティ6を設けることでこの領域を無冷却領域Lとしても、壁面32が焦げたり、溶融、損傷したりすることを防止することができる。
このように本実施例のロケットエンジン100にあっては、内部でLOxとGH2とが混合して燃焼し燃焼ガスを発生可能であると共に壁面32に設けられた冷却通路33を通過する燃焼前のLH2により冷却可能である燃焼室3と、冷却通路33を通過した後のGH2により回転駆動されるタービン52、62を有し、LOxとLH2とを各々燃焼室3に供給可能な燃料用ターボポンプ50及び酸化剤用ターボポンプ60と、燃焼室3に接続され、この燃焼室3から噴射される燃焼ガスの出口を絞り込むことで推力を上げるノズル4と、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部5とを備える。
したがって、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部5を設けたことで、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能を向上させることができる。よって、壁面32とLH2との伝熱面積を低減した上で、冷却通路33を通過するLH2による熱量吸収の効率が向上し、効率的に温度を上昇させることができ、壁面32冷却後のGH2により各タービン52、62を効率よく駆動させることができる。さらに、燃焼器1の大型化、ひいてはロケットエンジン100の大型化も防止することができ、自重の増加を防止することができるので、ロケットエンジン100の高効率化要求にも資することができる。
図10は、本発明の実施例2に係る燃焼器の噴射面の正面図、図11は、本発明の実施例2に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的斜視図、図12は、本発明の実施例2に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的断面図、図13は、本発明の実施例2に係る燃焼器における混合比のバラツキと熱負荷との関係を示す線図である。実施例2に係る燃焼器は、実施例1に係る燃焼器と略同様の構成であるが、振動発生手段の構成が実施例1の燃焼器とは異なる。その他、実施例1と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
本実施例の燃焼器201は、図10に示すように、振動発生手段としての振動発生部205を備える。振動発生部205は、噴射部31に設けられ、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる。この振動発生部205は、燃焼室3の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動を発生させる。さらに、振動発生部205は、所定の周波数の燃焼振動を発生させるための具体的な構成として、図10中に「◎」で示す複数の低混合比噴出口207及び「●」で示す高混合比噴出口208を有する。なお、振動発生部205が発生させる振動の周波数は、実施例1の振動発生部5が発生させる振動の周波数と同様である。
複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、共に上述した複数の噴出口36をなす。言い換えると、複数の噴出口36の一部は、低混合比噴出口207又は高混合比噴出口208として振動発生部205を構成する。複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、噴射されるLOxとGH2との混合比が互いに異なり、低混合比噴出口207の混合比の方が高混合比噴出口208の混合比より相対的に低く設定される。ここで、上述したように複数の噴出口36は、噴射面34に同心の複数の円環状、本実施例では10列の同心円環状に位置して設けられている。この複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、複数の噴出口36が形成する10列の同心円環のうちの外側の2つの円環に設けられる。そして、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、この外側の2つの円環にて各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられる。すなわち、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、噴射面34の径方向中心に対して点対称な位置に設けられ、本実施例では、噴射面34にて、各円環につき4組の低混合比噴出口207群と高混合比噴出口208群とが交互に均等な割付で設けられる。ここで、振動発生部205は、各円環につき4組の低混合比噴出口207群と高混合比噴出口208群とを設けることで、図7で上述したような4次の圧力変動モードの振動を発生させることができる。なお、振動発生部205は、低混合比噴出口207群と高混合比噴出口208群とを設けることで、N次の圧力変動モードの振動を発生させる場合、各円環につきN組の低混合比噴出口207群及び高混合比噴出口208群を設ければよい。
そして、本実施例の燃焼器201は、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とで混合比を異ならせる構成として、図11、図12に示すように、噴射器2に絞り部としてのオリフィス209を備える。オリフィス209は、LOxポスト21の内部、すなわち、LOx流路23の一端側に設けられている。このオリフィス209は、LOx流路23の流路面積を絞るものであり、これにより、LOx流路23に取り込まれるLOxの流量を調節することができる。そして、このオリフィス209は、低混合比噴出口207に接続される噴射器2と、高混合比噴出口208に接続される噴射器2とで異なる絞り量に設定されることで、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とでLOxの流量を予め調節することができ、低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とで噴射されるLOxとGH2との混合比を互いに異ならせることができる。各オリフィス209は、低混合比噴出口207にて絞り量を多くし流路面積を小さくしてLOxの流量を減らし、高混合比噴出口208にて絞り量を少なくし流路面積を大きくしてLOxの流量を増やすことで、低混合比噴出口207における混合比を相対的に低くし、高混合比噴出口208における混合比を相対的に高くしている。
さらに、具体的には、燃焼器201では、複数の噴射器2全体から噴射されるLOxとGH2との混合比が変わらないようにLOx流量を変える。上述したように、燃焼器1全体での混合比は、混合比制御バルブ99(図9参照)により制御されている。一方、本実施例の各オリフィス209は、低混合比噴出口207に接続される噴射器2と、高混合比噴出口208に接続される噴射器2との相対的な関係において混合比を異ならせるものであり、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208との平均の混合比は、混合比制御バルブ99により制御される燃焼器1全体での混合比とほぼ一致するように設定されている。
図13は、燃焼器201における混合比のバラツキと熱負荷との関係を表すグラフであり、横軸を低混合比噴出口207と高混合比噴出口208との混合比のバラツキ、縦軸を熱負荷としている。本実施例の燃焼器201では、低混合比噴出口207と高混合比噴出口208との混合比のバラツキは、±1%〜±10%、好ましくは±3%〜±5%に設定される。例えば、低混合比噴出口207、高混合比噴出口208以外の通常の噴出口36での混合比を100%とすると、低混合比噴出口207での混合比は、90%〜99%、好ましくは、95%〜97%に設定され、高混合比噴出口208での混合比は、101%〜110%、好ましくは103%〜105%に設定される。低混合比噴出口207と高混合比噴出口208との混合比のバラツキを±1%よりも小さくすると、通常の噴出口36における混合比のバラツキと変わらないので、振動発生部205によって燃焼振動を積極的に発生させることができないおそれがある。また、低混合比噴出口207と高混合比噴出口208との混合比のバラツキを±10%よりも大きくすると、局所的に燃焼ガスの温度が上がって熱負荷が大きくなりすぎる領域が形成されるおそれがある。さらに、低混合比噴出口207と高混合比噴出口208との混合比のバラツキを±3%〜±5%に設定する場合、燃焼器1全体での燃焼状態に大きな影響を与えずに、振動発生部205により効果的に燃焼振動を発生させることができる。
上記のように構成される燃焼器201では、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とが各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられることから、周方向に沿って混合比が異なる領域が交互に分布し、燃焼ガスの燃焼状態もこの領域に応じて周方向に沿って交互に異なるので、燃焼室3の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動が励振される。また、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とが各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられることから、径方向に対して偏りのないきれいな圧力変動モードの振動を発生させることができる。さらに、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とが複数の噴出口36が形成する10列の同心円環のうちの外側の2つの円環に設けられることから、径方向の外側において混合比を異なるように設定することで、振動発生部205による十分な励振力を確保することができ、高次の圧力変動モードを励起しやすくすることができると共に十分な強度の燃焼振動を発生させることができる。そして、燃焼室3内の流体としての燃焼ガスのみを高次の圧力変動モードで積極的に燃焼振動させることにより、この燃焼ガスの振動により燃焼室3内の燃焼ガスから壁面32、冷却通路33内のLH2への熱伝達を促進することができる。したがって、燃焼室3の軸方向に対する長さを長くして伝熱面積を増やすことなく、よりコンパクトな構成でLH2と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能を向上させることができる。よって、壁面32とLH2との伝熱面積を低減した上で、冷却通路33を通過するLH2による熱量吸収の効率が向上し、効率的に温度を上昇させることができ、壁面32冷却後のGH2により各タービン52、62を効率よく駆動させることができる。
このように本実施例の燃焼器201にあっては、内部で酸化剤としてのLOxと燃料としてGH2とが混合して燃焼可能であると共に壁面32に設けられた冷却通路33を通過する燃焼前のも燃料としてのLH2により冷却可能である燃焼室3と、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部205とを備える。したがって、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部205を設けたことで、振動発生部205により燃焼室3内の燃焼ガスのみを積極的に高次の圧力変動モードで燃焼振動させることにより、この燃焼ガスの振動により燃焼室3内の燃焼ガスから壁面32、冷却通路33内のLH2への熱伝達を促進することができるので、例えば、壁面32の軸方向に対する長さを長くするなどして伝熱面積を増やすことなく、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能を向上させることができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器201にあっては、LOxとGH2とを燃焼室3内方に向けて噴射可能な噴射面34を有する噴射部31を備え、振動発生部205は、噴射面34に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射されるLOxとGH2との混合比が互いに異なる複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208を有し、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられる。したがって、振動発生部205が噴射面34に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射面34の周方向に対して対称な位置に複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208を有することから、周方向に沿って混合比が異なる領域が交互に分布し、燃焼ガスの燃焼状態もこの領域に応じて周方向に沿って交互に異なるので、燃焼室3の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動を励振することができる。さらに、この複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208が噴射面34の周方向に対して対称な位置に各々設けられることから、径方向に対して偏りのないきれいな圧力変動モードの振動を発生させることができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器201にあっては、低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208は、複数の円環のうち外側の2つの円環に設けられる。したがって、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とが複数の噴出口36が形成する10列の同心円環のうちの外側の2つの円環に設けられることから、径方向の外側において混合比を異なるように設定することで、振動発生部205による十分な励振力を確保することができると共に十分な強度の燃焼振動を発生させることができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器201にあっては、筒状に形成され内部に設けられたLOx流路23から燃焼室3に向けてLOxを噴射可能であるLOxポスト21と、LOxポスト21の外周を覆って筒状に形成されLOxポスト21との間のGH2流路27から燃焼室3に向けてGH2を噴射可能なスリーブ22とを有すると共にそれぞれ低混合比噴出口207又は高混合比噴出口208に接続される複数の噴射器2を備え、LOxポスト21は、LOx流路23面積を絞るオリフィス209を有し、オリフィス209は、低混合比噴出口207に接続される噴射器2と、高混合比噴出口208に接続される噴射器2とで異なる絞り量に設定される。したがって、LOx流路23面積を絞るオリフィス209を異なる絞り量に設定することで、各噴射器2にてLOx流路23に取り込まれるLOxの流量を調節することができ、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とでLOxの流量を予め調節することができ、よって、燃焼器1全体での混合比を変えずに、低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とで噴射されるLOxとGH2との混合比を確実に異ならせることができる。
図14は、本発明の実施例3に係る燃焼器の噴射部壁面の径方向断面図である。実施例2に係る燃焼器は、実施例1、2に係る燃焼器と略同様の構成であるが、振動発生手段の構成が実施例1、2の燃焼器とは異なる。その他、実施例1、2と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
本実施例の燃焼器301は、図14に示すように、振動発生手段としての振動発生部305を備える。振動発生部305は、噴射部31に設けられ、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる。この振動発生部305は、燃焼室3の断面内での高次の圧力変動モードの燃焼振動を発生させる。さらに、振動発生部305は、所定の周波数の燃焼振動を発生させるための具体的な構成として、噴射部壁面35に複数のキャビティ6を有し、噴射面34に複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208を有する。振動発生部305が有する複数のキャビティ6は、実施例1の振動発生部5が有する複数のキャビティ6と同様の構成のものであり、振動発生部305が有する複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208は、実施例2の振動発生部205が有する複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208と同様の構成のものである。なお、振動発生部305が発生させる振動の周波数は、実施例1の振動発生部5が発生させる振動の周波数と同様である。
本実施例の燃焼器301のように振動発生部305が複数のキャビティ6と、複数の低混合比噴出口207、高混合比噴出口208との両方を有する場合、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、低混合比噴出口207群が設けられる領域Xと高混合比噴出口208群が設けられる領域Yとの境界Zがキャビティ6の周方向の端部と、この周方向に対して一致するように設ける。これにより、複数のキャビティ6によって励振される燃焼振動の位相と複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208によって励振される燃焼振動の位相とが一致する。つまり、図7で示した圧力変動モードの節に相当する直径線が一致することから、高次の周波数の圧力変動モードの振動をより確実に発生させることができる。なお、本実施例の燃焼器301では、キャビティ6を合計16個設け、低混合比噴出口207群と高混合比噴出口208群とを各円環につき4組設けていることから、この振動発生部305は、4次の圧力変動モードの振動を発生させることができる。
このように本実施例の燃焼器301にあっては、内部で酸化剤としてのLOxと燃料としてGH2とが混合して燃焼可能であると共に壁面32に設けられた冷却通路33を通過する燃焼前のも燃料としてのLH2により冷却可能である燃焼室3と、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部305とを備える。したがって、燃焼室3内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生部305を設けたことで、振動発生部305により燃焼室3内の燃焼ガスのみを積極的に高次の圧力変動モードで燃焼振動させることにより、この燃焼ガスの振動により燃焼室3内の燃焼ガスから壁面32、冷却通路33内のLH2への熱伝達を促進することができるので、例えば、壁面32の軸方向に対する長さを長くするなどして伝熱面積を増やすことなく、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室3の壁面32との熱伝達性能を向上させることができる。
さらに、このように本実施例の燃焼器301にあっては、LOxとGH2とを燃焼室3内方に向けて噴射可能な噴射面34と、円筒状に形成され噴射面34に立設される噴射部壁面35とを有する噴射部31を備え、振動発生部305は、噴射部壁面35にこの噴射部壁面35の周方向に対して対称な位置に各々設けられる複数のキャビティ6と、噴射面34に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射されるLOxとGH2との混合比が互いに異なる複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208を有し、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とは、各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられると共に低混合比噴出口207が設けられる領域Xと高混合比噴出口208が設けられる領域Yとの境界Zがキャビティ6の周方向の端部と、この周方向に対して一致している。したがって、複数のキャビティ6によって励振される燃焼振動の位相と複数の低混合比噴出口207及び高混合比噴出口208によって励振される燃焼振動の位相とが一致するので、高次の周波数の圧力変動モードの振動をより確実に発生させることができると共に十分な強度の燃焼振動を発生させることができる。
なお、上述した本発明の実施例に係る燃焼器及びロケットエンジンは、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、振動発生手段が発生させる振動の所定の周波数は、燃焼器、エンジンの構成部材の共振周波数(固有振動数)よりも高周波数に設定するものとして説明したが、可能であれば当該共振周波数よりも低周波数に設定してもよい。この場合でも構成部材の損傷を防止することができる。
また、以上の説明では、絞り部としてのオリフィス209をLOx流路23に設けるものとして説明したが、GH2流路27にオリフィス209を設け、GH2の流量を調節することで各混合比を設定してもよい。ただし、上述したようにLOxの方がGH2より流速が遅いことからその流量を調節しやすく、各混合比の設定もLOxの流量に基づいて行った方がより正確に設定することができる。さらに、以上の説明では、複数の低混合比噴出口207と高混合比噴出口208とで混合比を異ならせる構成として、絞り部としてのオリフィス209を用いるものとして説明したが、これに限らず、各混合比を異ならせるものであればなんでもよい。
本発明に係る燃焼器及びロケットエンジンは、コンパクトな構成で冷却燃料と燃焼室壁面との熱伝達性能を向上させるものであり、種々の燃焼器及びロケットエンジンに適用することができる。
本発明の実施例1に係る燃焼器の概略構成を示す模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室壁面の径方向部分断面図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室壁面の軸方向部分断面図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器の噴射部壁面の径方向断面図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室断面内での圧力変動モードの一例を示した図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器の燃焼室における噴射面からの距離と燃焼ガス温度との関係を示す線図である。 本発明の実施例1に係る燃焼器が適用されるロケットエンジンの概略配管系統図である。 本発明の実施例2に係る燃焼器の噴射面の正面図である。 本発明の実施例2に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的斜視図である。 本発明の実施例2に係る燃焼器に用いられる噴射器の概略構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施例2に係る燃焼器における混合比のバラツキと熱負荷との関係を示す線図である。 本発明の実施例3に係る燃焼器の噴射部壁面の径方向断面図である。
符号の説明
1、201、301 燃焼器
2 噴射器
3 燃焼室
4 ノズル
5、205、305 振動発生部(振動発生手段)
6 キャビティ(振動発生手段)
21 LOxポスト(内筒)
22 スリーブ(外筒)
23 LOx流路(酸化剤流路)
27 GH2流路(燃料流路)
31 噴射部
32 壁面
32a 壁面内筒
32b 中間層
32c 壁面外筒
33 冷却通路
34 噴射面(噴射部)
35 噴射部壁面(噴射部)
36 噴出口
50 燃料用ターボポンプ(ターボポンプ)
51、61 コンプレッサ
52、62 タービン
60 酸化剤用ターボポンプ(ターボポンプ)
70 ミキサ
80 点火器
90 燃料供給ライン
91 酸化剤供給ライン
92 冷却媒体・ターボポンプ駆動媒体供給ライン
100 エンジン(ロケットエンジン)
207 低混合比噴出口(振動発生手段)
208 高混合比噴出口(振動発生手段)
209 オリフィス(絞り部)

Claims (10)

  1. 内部で酸化剤と燃料とが混合して燃焼可能であると共に壁面に設けられた冷却通路を通過する燃焼前の前記燃料により冷却可能である燃焼室と、
    前記燃焼室内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生手段とを備えることを特徴とする、
    燃焼器。
  2. 前記所定の周波数は、前記壁面の共振周波数とは異なる周波数に設定されることを特徴とする、
    請求項1に記載の燃焼器。
  3. 前記所定の周波数は、10kHz以上に設定されることを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載の燃焼器。
  4. 前記酸化剤と前記燃料とを前記燃焼室内方に向けて噴射可能な噴射面と、円筒状に形成され前記噴射面に立設される噴射部壁面とを有する噴射部を備え、
    前記振動発生手段は、前記噴射部壁面に該噴射部壁面の周方向に対して対称な位置に各々設けられる複数のキャビティを有することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃焼器。
  5. 前記キャビティは、前記酸化剤及び前記燃料の噴射方向に対して前記噴射面から15mm以内の領域に設けられることを特徴とする、
    請求項4に記載の燃焼器。
  6. 前記酸化剤と前記燃料とを前記燃焼室内方に向けて噴射可能な噴射面を有する噴射部を備え、
    前記振動発生手段は、前記噴射面に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射される前記酸化剤と前記燃料との混合比が互いに異なる複数の低混合比噴出口及び高混合比噴出口を有し、
    複数の前記低混合比噴出口と前記高混合比噴出口とは、前記各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃焼器。
  7. 前記酸化剤と前記燃料とを前記燃焼室内方に向けて噴射可能な噴射面と、円筒状に形成され前記噴射面に立設される噴射部壁面とを有する噴射部を備え、
    前記振動発生手段は、前記噴射部壁面に該噴射部壁面の周方向に対して対称な位置に各々設けられる複数のキャビティと、前記噴射面に同心の複数の円環状に位置して設けられると共に噴射される前記酸化剤と前記燃料との混合比が互いに異なる複数の低混合比噴出口及び高混合比噴出口を有し、
    複数の前記低混合比噴出口と前記高混合比噴出口とは、前記各円環の周方向に対して対称な位置に各々設けられると共に前記低混合比噴出口が設けられる領域と前記高混合比噴出口が設けられる領域との境界が前記キャビティの周方向の端部と、該周方向に対して一致していることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃焼器。
  8. 前記低混合比噴出口及び前記高混合比噴出口は、前記複数の円環のうち外側の2つの円環に設けられることを特徴とする、
    請求項6又は請求項7に記載の燃焼器。
  9. 筒状に形成され内部に設けられた酸化剤流路から前記燃焼室に向けて前記酸化剤を噴射可能である内筒と、前記内筒の外周を覆って筒状に形成され前記内筒との間の燃料流路から前記燃焼室に向けて前記燃料を噴射可能な外筒とを有すると共にそれぞれ前記低混合比噴出口又は前記高混合比噴出口に接続される複数の噴射器を備え、
    前記内筒は、前記酸化剤流路面積を絞る絞り部を有し、
    前記絞り部は、前記低混合比噴出口に接続される前記噴射器と、前記高混合比噴出口に接続される前記噴射器とで異なる絞り量に設定されることを特徴とする、
    請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の燃焼器。
  10. 内部で酸化剤と燃料とが混合して燃焼し燃焼ガスを発生可能であると共に壁面に設けられた冷却通路を通過する燃焼前の前記燃料により冷却可能である燃焼室と、
    前記冷却通路を通過した後の前記燃料により回転駆動されるタービンを有し、前記酸化剤と前記燃料とを各々前記燃焼室に供給可能な複数のターボポンプと、
    前記燃焼室に接続され、該燃焼室から噴射される前記燃焼ガスの出口を絞り込むことで推力を上げるノズルと、
    前記燃焼室内で所定の周波数の燃焼振動を発生させる振動発生手段とを備えることを特徴とする、
    ロケットエンジン。
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