JP2008201953A - レジスト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】これまでの印刷用レジスト組成物としては溶媒に不溶な固形成分を含む分散型のみであり、この固形成分が残渣となり不具合の発生が懸念されるためエッチングレジストには使用できるものがなく、溶媒に不溶な固形成分を含まない溶液型レジスト組成物の開発が望まれていた。
【解決手段】低結合エネルギーのノボラック樹脂、速乾性有機溶媒、遅乾性有機溶媒、を必須成分として含有するレジスト組成物であり、ノボラック樹脂がメタクレゾール、パラクレゾール及びオルソクレゾールから選ばれる1つ以上を原料とすることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明はレジスト組成物に関する。特に、被印刷基材上に配線パターン等を形成する反転印刷法において好適に用いられるレジスト組成物に関する。
ガラス基板やプラスチック基板などの被印刷基材上に印刷パターンを形成する従来の方法として、特許文献1に示されるように、シリコーンブランケット上に均一な厚みの樹脂塗面を形成し、凸版に樹脂塗面を接触、押圧させ、凸版の凸部の表面に樹脂塗面の一部を付着、転移させてシリコーンブランケット上から除去すると共に、ブランケット上に残った樹脂パターンを被印刷基材上に転写させる方法(以下、反転印刷法と称する)が提案されている。
また、ガラス基板やプラスチック基板などの被印刷基材上に印刷パターンを形成する反転印刷法として、表面に凸版機能を備えたシリコーンブランケットの凸部上に均一な厚みの樹脂塗面を形成することによって樹脂パターンを形成し、このブランケット上に形成された樹脂パターンを被印刷基材上に転写させる方法も提案されている。
さらに、反転印刷法に好適なインキ組成物として、特許文献2に示されるように、揮発性溶剤と、この揮発性溶剤に可溶な樹脂と、この揮発性溶剤に不溶な固形成分を含有する、カラーフィルタ、配線板や印刷回路製造用途のインキ組成物が提案されている。
特開2001−56405号公報 特開2005−126608号公報
反転印刷法によりエッチング用レジストパターンを形成するような用途への適用には、従来の特許文献2のような固形成分を含有するインキ組成物では、エッチング処理及びレジスト剥離処理時に固形成分が残渣となり、その残渣による歩留まり低下が懸念されるため不適であった。
したがって、反転印刷法において好適に用いられ、ブランケット上に均一なレジスト塗膜を形成することができるような粘度、表面エネルギーを有し、凸版が接触した際に完全な印刷パターンがブランケット上に形成されるような乾燥性、付着力、凝集力を発現し、さらにブランケット上のレジストパターンが完全に被印刷基材上の被エッチング材に転写されるような付着力、凝集力を具え、かつ従来のような溶媒に不溶な固形成分を含まないレジスト組成物であって、微細パターンを形成することができる新規なレジスト組成物の開発が望まれていた。
本発明の目的は、反転印刷法に好適に用いられるレジスト組成物であって、組成物の凝集力を制御するための固形成分を含まず、ブランケット上に均一な塗膜を形成することができるような粘度、表面エネルギーを有し、凸版が接触した際に完全な印刷パターンがブランケット上に形成されるような乾燥性、付着力、凝集力を発現し、さらにブランケット上のレジストパターンが完全に被印刷基材上の被エッチング材上に転写されるような付着力、凝集力を具え、また被エッチング材のパターン形成プロセスにおける薬品耐性及び除去性をも具え、かつ微細パターンを形成可能な、揮発性溶媒と樹脂を含む新規なレジスト組成物を提供することにある。
反転印刷法に使用される本発明のレジスト組成物は、ブランケット表面に形成された均一な厚みのレジスト塗面に凸版を接触させ、不要な部分のレジストを凸版の凸部に転移させて除去することにより、ブランケット上にレジストパターンを形成し、そのレジストパターンを被印刷基材上に積層した被エッチング材上に転写し、その後、エッチング処理によりレジストパターンのない部分の被エッチング材を除去して被エッチング材パターンを形成し、さらに、被エッチング材上のレジストパターンを剥離処理によって除去することで被エッチング材パターンを形成するためのレジスト組成物であって、反転印刷法によるパターン形成と剥離液での除去が容易に行なえるような低結合エネルギーとエッチング液に対する耐性とを具えたノボラック樹脂、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒の混合溶媒からなる揮発性溶媒、並びに必要に応じて表面エネルギー調整剤を含み、塗膜の凝集力を調節するための固形成分を含有させた分散型ではなく、揮発性溶媒に不溶な固形成分を含まない溶液型であることを特徴とするものである。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ノボラック樹脂と、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる揮発性溶媒とを含むことを特徴とするレジスト組成物。
(2)前記ノボラック樹脂が、メタクレゾール、パラクレゾール及びオルソクレゾールから選ばれる1つ以上を原料とすることを特徴とする上記(1)に記載のレジスト組成物。
(3)前記ノボラック樹脂が、800以上4100以下の重量平均分子量を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のレジスト組成物。
(4)前記ノボラック樹脂が、1.6以上2.8以下の分散度を有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(5)前記ノボラック樹脂が、175℃において0.1以上7.0以下の溶融粘度(Pa・s)を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(6)前記揮発性溶媒が、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる混合溶媒であって8以上13以下の溶解度パラメータを有し、かつ遅乾性有機溶媒に対する速乾性有機溶媒の重量比が2以上4以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(7)前記速乾性有機溶媒が、20℃における蒸気圧(Pa)が2.7×103以上1.0×104以下、又は大気圧下における沸点が75℃以上115℃未満であるエステル系溶媒、エーテル系溶媒及び炭化水素系溶媒から選択される1つ以上であり、速乾性有機溶媒の総量がレジスト組成物中55以上65以下(重量%)であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(8)前記遅乾性有機溶媒が、20℃における蒸気圧(Pa)が5.3×102以上1.3×103以下、又は大気圧下における沸点が115℃以上190℃未満であるエステル系溶媒、エーテル系溶媒及び炭化水素系溶媒から選ばれる1つ以上であり、遅乾性有機溶媒の総量がレジスト組成物中15以上30以下(重量%)であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(9)揮発性溶媒に不溶な固形成分を含まない溶液型であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(10)さらに表面エネルギー調整剤を含むことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(11)前記レジスト組成物の粘度(mPa・s)が1.0以上3.0以下であり、かつ表面張力(mN/m)が23.0以上25.0以下であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のレジスト組成物。
本発明によれば、反転印刷法に好適なレジスト組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のレジスト組成物は、ノボラック樹脂と、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる揮発性溶媒とを含むことを特徴とし、塗膜における結合エネルギーが低く、かつ樹脂薄膜におけるエッチング耐性及び剥離性を具え、揮発性溶媒に不溶な固形成分を含まない樹脂溶液である。このレジスト組成物は、撥液性を有するブランケット表面への均一なレジスト塗膜形成とブランケット上でのレジストパターン形成の両立化を図ることができ、反転印刷法に好適なものである。
反転印刷法を利用して微細パターンを形成するのに好適なレジスト組成物とは、ブランケット上に均一な厚みのレジスト塗膜を形成できるような粘度、表面エネルギーを有し、凸版と接触した際にはブランケット上に微細なレジストパターンを形成できるような乾燥性、付着力、凝集力を発現し、さらに、ブランケット上に形成されたレジストパターンが被印刷基材上に完全に転写されるような付着力、凝集力を具えるものである。
本発明のレジスト組成物は、インキ塗膜の凝集力を調整するための固形成分を含まず、主として低結合エネルギーのノボラック樹脂と揮発性溶媒とを含み、ブランケット上に形成されたレジスト塗膜に凸版を接触させて不要なレジストを除去し、ブランケット上にレジストパターンを形成する際に、微細なレジストパターンを形成できるような付着力、凝集力を発現し、かつ、ブランケット上のレジストパターンが被印刷基材に完全に転写されるような付着力、凝集力を具えるものである。なお、ここで固形成分とは、揮発性溶媒に不溶であって塗膜の凝集力を調節する機能を有するものであり、例として顔料粒子や、金、銀、アルミニウム等の粉末状の導電性材料が挙げられる。
ノボラック樹脂としては、メタクレゾール、パラクレゾール及びオルソクレゾールから選ばれる1つ以上を原料とするクレゾールノボラック樹脂が好ましく、メタクレゾール、パラクレゾール及びオルソクレゾールの原料比率(重量比)は3:7:0〜4:5:1、重量平均分子量は800以上4100以下、好ましくは900以上2600以下、重量平均分子量と数平均分子量の比率(Mw/Mn)である分散度は1.0以上4.0以下、好ましくは1.6以上2.8以下であることが好ましい。
また、ノボラック樹脂は、175℃における溶融粘度(Pa・s)が0.1以上7.0以下、好ましくは0.5以上3.0以下であり、さらには、レジスト組成物の粘度(mPa・s)は0.6以上9.0以下、好ましくは1.0以上3.0以下、表面張力(mN/m)は23.0以上25.0以下、好ましくは23.5以上24.5以下である。この範囲に設定することにより上記目的を達成することができる。
なお、本発明のレジスト組成物に用いる樹脂として、公知のノボラック樹脂を利用することもできるが、特に、ブランケット上のレジスト塗膜から凸版の接触により不要な部分を除去してパターンを形成する際に、体積変化が発生しないような乾燥性、付着力、凝集力を発現し、かつブランケット上のレジストパターンが被印刷基材に完全に転写されるような付着力、凝集力を具え、さらには転写されたレジストパターン下の被エッチング材を精度良くエッチングできるような薬品耐性と、エッチング後のレジストパターンの除去を容易に行えるような剥離性とを兼ね具えることが必須条件となるため、より低結合エネルギーのものを選択することが望ましい。
さらに、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる揮発性溶媒としては、ブランケット上にレジスト組成物の均一な塗膜が形成できるような粘度、表面張力を具え、かつ所定の時間内にフォトリソ並の高精度なレジストパターンが形成できるようなレジスト塗膜の乾燥性、付着力、凝集力を発現し、さらにブランケットに適量吸収されてブランケット表面とレジスト塗膜の界面にWBL(Weak Boundary Layer)を発現し得るものが好ましい。この観点から、速乾性有機溶媒としては20℃における蒸気圧(Pa)が2.7×103以上1.0×104以下、又は大気圧下における沸点が75℃以上115℃未満であるエステル系溶媒、エーテル系溶媒及び炭化水素系溶媒が適しており、また、遅乾性有機溶媒としては20℃における蒸気圧(Pa)が5.3×102以上1.3×103以下、又は大気圧下における沸点が115℃以上190℃未満であるエステル系溶媒、エーテル系溶媒及び炭化水素系溶媒が適している。
また、反転印刷法に好適なパターニング用レジスト組成物の揮発性溶媒は、反転印刷法に関与する他の材料の溶解度パラメータを考慮して選択すべきである。溶解度パラメータが11.3〜11.5(cal1/2/cm3)のノボラック樹脂を溶解するだけでなく、シリコーンブランケット上にレジスト塗膜を形成できるような粘度、表面張力を具え、シリコーンブランケット上でのレジストパターン形成及び被印刷基材へのレジストパターン転写の際に必要なレジスト塗膜の付着力、凝集力が発現され、かつ溶解度パラメータが7.3〜7.6(cal1/2/cm3)のシリコーンブランケットを適度に膨潤させて、その表面にWBLを発現させる必要がある。そのためには溶解度パラメータ(cal1/2/cm3)が8.0以上13.0以下、より好ましくは8.2以上10.0以下であるような揮発性溶媒を選定することが好ましい。具体的には表1に示す通り、シクロヘキサン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、メチルイソプロピルケトン、酢酸ブチル、四塩化炭素、メチルプロピルケトン、エチルベンゼン、キシレン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トリクロロエチル、メチルエチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン、アセトン、二硫化炭素、酢酸、ピリジン、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール、n-ブタノール、2-プロパノール、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、エタノール等、あるいはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましく用いられる。
Figure 2008201953
塗膜の凝集力を調整するための固形成分を含まない本レジスト組成物では、低結合エネルギーのノボラック樹脂だけでなく、速乾性有機溶媒と遅乾性有機溶媒の混合比率も重要である。速乾性有機溶媒の役割は、塗膜形成時の流動性を付与すること、及びパターン形成時に揮発または吸収されることにより塗膜転移に必要な付着力を付与することである。一方、遅乾性有機溶媒の役割は、パターン形成時に必要な凝集力を付与し、またパターニングされた塗膜を転写する際に必要な付着力を付与することであり、フォトリソ並の高品質なパターン形成を可能とするためにはパターン形成時の塗膜の凝集力を制御する上で遅乾性有機溶媒の配合量が特に重要になる。このような条件を考慮すると、速乾性有機溶媒としては特に酢酸イソプロピル、エタノール及び2-プロパノール、遅乾性有機溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が蒸発速度や表面張力の観点からより好ましい。
上記のような条件を特定することにより、本発明のレジスト組成物は、ブランケット表面に均一な厚みのレジスト塗膜を形成でき、このレジスト塗膜にパターンを形成するまでにレジスト塗膜から適量の有機溶媒が蒸発、吸収され、パターン形成されるレジスト塗膜に適切な凝集力及び付着力が発現し、その結果フォトリソ並の品質のレジストパターンをブランケット上に形成することができる。
さらに、本レジスト組成物は、ブランケットから被印刷基材にレジストパターンを完全に転写する際に必要な凝集力と付着力を具えており、反転印刷法を利用するパターン形成用レジスト組成物として極めて好適なものである。
反転印刷法に最適な本レジスト組成物用のノボラック樹脂としては、汎用のノボラック樹脂を利用することもできるが、反転印刷法に用いる場合のレジスト塗膜の付着(界面)破壊力と凝集破壊力との関係は、1)画像形成版(印刷版)とレジスト塗膜との付着(界面)破壊力>ブランケットとレジスト塗膜との付着(界面)破壊力>レジスト塗膜の凝集破壊力、であり、かつ2)パターンを形成する際に体積変化を生じない、という条件を満たすことが必須であり、この条件に適うノボラック樹脂に限定される。
また、揮発性溶媒によるブランケットの膨潤量、すなわち、ブランケット上に形成されたレジスト塗膜に凸版を接触させてレジストパターンを形成するまでの間にレジスト組成物中の揮発性溶媒がブランケットに吸収される量は、レジスト塗膜の剥離性、転移性を左右するだけでなく、レジスト塗膜の乾燥状態に影響してレジストパターンの形状をも左右するため重要である。言い換えれば、反転印刷法に好適なレジスト組成物を得るに当たっては、ブランケット上に形成する塗膜の膜厚、ブランケットであるシリコーンゴムの厚み、シリコーンゴムに対する揮発性溶媒の膨潤力(溶解性)等を考慮しなければならない。
特に、本発明のレジスト組成物は、1)シリコーンブランケット上で均一な厚みのレジスト塗膜を形成できるような粘度、表面エネルギーを有すること、2)凸版を接触させ不要な部分を除去することによってレジストパターンを形成する際に、ブランケット上で完全なレジストパターンが形成されるような乾燥性、付着力、凝集力を発現すること、3)ブランケット上のレジストパターンが完全に被印刷基材上に転写されるような付着力、凝集力を具えること、が必須条件であり、これらの基本性能を備えたレジスト組成物を得るためには、塗膜のパターニング性、レジストパターンの剥離性を兼ね備えた樹脂選定が重要になるとともに、揮発性溶媒である速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒の混合比率も重要となる。
ブランケット上に形成されたレジスト塗膜の性状は、揮発性溶媒の大気への蒸発とブラケットへの浸透によって粘度、表面エネルギー、付着力及び凝集力が大きく変化するため、速乾性有機溶媒と遅乾性有機溶媒との混合比率、並びに揮発性溶媒とノボラック樹脂との混合比率(重量比)が重要であり、具体的には遅乾性有機溶媒に対する速乾性有機溶媒の重量比が2以上4以下、ノボラック樹脂に対する揮発性溶媒の重量比が4以上9以下(ノボラック樹脂:揮発性溶媒=1:4〜1:9)であることが望ましい。また、速乾性有機溶媒の総量はレジスト組成物中55以上65以下(重量%)、特に58.0以上65.0以下、遅乾性有機溶媒の総量はレジスト組成物中15以上30以下(重量%)、特に20.0以上29.0以下であることが好ましい。
また、反転印刷法に好適な本発明のレジスト組成物は、ブランケット上への均一なレジスト塗膜の形成が容易なだけでなく、レジスト塗膜からの揮発性溶媒の蒸発及びブランケットへの吸収によって塗膜の流動性が抑制された状態が短時間に得られ、かつ、凸版を接触させた際に不要な部分のレジストが体積変化を起こさずに除去されることにより、高精度のレジストパターンが容易に形成できるようにレジスト物性が調整されたものである。
さらに、本発明のレジスト組成物には、必要に応じて表面エネルギー調整剤を添加することができる。この表面エネルギー調整剤は、ブランケット表面にレジスト組成物が均一に塗布できるように、レジスト組成物の表面エネルギーをブランケットの表面エネルギーよりも小さくするために添加されるものである。この表面エネルギー調整剤としては例えばフッ素系表面活性剤が使用され、好ましくは全レジスト組成物中に0.1以上1.0以下(重量%)含有される。これによりブランケットへのレジスト塗膜の形成時において、塗布された膜の平滑性が向上し、より均一な塗膜を得ることができる。
表面エネルギー調整剤の含有量が少な過ぎると、ブランケット上での膜はじきを生じ、また塗膜の厚みが均一にならずムラが発生して好ましくない場合がある。一方、この量が多過ぎると、被印刷体上へ転写後に、表面エネルギー調整剤が被印刷体とレジスト塗膜との密着性を阻害する可能性がある。
ただし、表面エネルギー調整剤の使用はレジスト組成物の特性を考慮して決定すべきであり、ノボラック樹脂と揮発性溶媒のみで所期の条件が達成できる場合には表面エネルギー調整剤の使用は不要であり、上述の実施態様に限定されるものではない。
さらに本発明のレジスト組成物には、上述のノボラック樹脂、速乾性有機溶媒、遅乾性有機溶媒及び表面エネルギー調整剤以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で例えば消泡剤、被印刷基材への接着付与剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。それら添加剤の配合量は、レジスト組成物の全体に対して通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
ノボラック樹脂として、仕込み量がメタクレゾール30〜40部(重量部を意味する、以下同じ)、パラクレゾール50〜70部及びオルソクレゾール0〜10部(ただし総仕込み量を100部とする)からなるクレゾールノボラック樹脂で、かつ重量平均分子量が800〜9000のものを用いた。また、揮発性溶媒としては、溶解度パラメータが8〜10(cal1/2/cm3)である速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる混合溶媒であって、速乾性有機溶媒が酢酸イソプロピル68.9重量%とメチルエチルケトン0.5重量%、遅乾性有機溶媒がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称する)28.4重量%とトルエン2.2重量%である混合溶媒を用いた。
上記の混合溶媒に対してクレゾールノボラック樹脂を濃度が4〜30重量%の範囲になるようにスターラーを使用して溶解させてレジスト組成物とし、その物性及び印刷適性評価からエッチング用レジスト組成物としての最適な特性を見出すことを目標としてパターン形成を行なった。
本実施例におけるレジスト組成物の評価物性は粘度と表面張力とし、粘度測定には東京計器製のVISCONIC ED形粘度計、表面張力測定には協和界面科学製の表面張力計(型式:CBVP-Z)を使用した。なお、粘度は、回転数が100rpmで各10回測定し、その平均値を採用した。同様に、表面張力は各10回測定し、その平均値を採用した。
これらのレジスト組成物に関して、粘度、表面張力と樹脂の重量平均分子量との関係を図1、図2に示す。図1は粘度−樹脂の重量平均分子量特性であり、図2は表面張力−樹脂の重量平均分子量特性である。同図において、1はレジスト組成物中の樹脂濃度が4重量%、2は樹脂濃度が8重量%、3は樹脂濃度が12重量%、4は樹脂濃度が18重量%、5は樹脂濃度が20重量%、6は樹脂濃度が25重量%、7は樹脂濃度が30重量%のレジスト組成物を示す。図1に示すように、粘度は樹脂の重量平均分子量Mwが1000付近から9000へと大きくなるにつれて増加する傾向にあり、その値は0.6〜9.0mPa・sである。ただし、樹脂の重量平均分子量Mwが800程度になると、重量平均分子量Mwが1000の場合よりも粘度は逆に高くなる傾向を示した。
また、同図から分かるように、粘度は樹脂濃度が高くなるにつれて増加する傾向を示すが、樹脂濃度が18重量%よりも大きなレジスト組成物では分子量Mwによる違いが顕著に現れる。
さらに、重量平均分子量Mwの大きさに関わらず、粘度は樹脂濃度が低くなれば減少する傾向を示しており、濃度18重量%では2.0〜6.8mPa・s、濃度12重量%では1.3〜1.7mPa・s、濃度8重量%では1.0〜1.3mPa・s、濃度4重量%では0.6〜0.9mPa・sの値を示した。
また、同図から明らかなように、レジスト組成物の粘度は重量平均分子量Mwが1000付近で最も低くなる傾向にある。このことは重量平均分子量Mwが1000に近いノボラック樹脂を用いたレジスト組成物ほどパターン形成性に優れているという印刷適性評価の結果と一致しており、したがって反転印刷用レジスト組成物のパターニング性能の評価因子として粘度特性が有効である。
一方、表面張力は、図2に示すように樹脂の重量平均分子量Mwが800〜9000の範囲で23.3〜25.4mN/mであり、樹脂の重量平均分子量Mwにはほとんど依存していない。
なお、これらのレジスト組成物によってブランケット上に均一な厚みの塗膜を形成することができ、膜はじき等の不具合も発生しない。
ただし、樹脂濃度が高くなるにつれて表面張力が高くなる傾向にあり、その傾向は樹脂分子量Mwが小さいほうで顕著に現れている。
これらのレジスト組成物の代表的な樹脂濃度(18重量%)における粘度及び表面張力と樹脂分子量Mwとの関係を図3、図4に示す。図3は樹脂濃度18重量%における粘度−樹脂の重量平均分子量特性であり、図4は表面張力−樹脂の重量平均分子量特性である。図3に示すように、粘度は重量平均分子量が大きくなるにつれて増加する傾向にあり、その値は2.0〜6.8mPa・sである。また、重量平均分子量Mwが1000〜2200の範囲では粘度は2.0mPa・sと低く、重量平均分子量Mwが4100を超えるあたりから粘度の変化が大きくなる傾向にある。
一方、図4に示すように、樹脂濃度18重量%において表面張力は樹脂の重量平均分子量に依存せずに、24.0〜25.0mN/mの範囲内にある。また、この樹脂濃度18重量%のレジスト組成物はブランケット上に均一な厚みの塗膜を形成することができ、膜はじき等の不具合も発生しなかった。
これらのレジスト組成物において、樹脂の重量平均分子量Mwが800〜2000付近の場合における粘度と樹脂濃度の関係を図5に示す。また、樹脂濃度20〜30重量%における粘度と樹脂の重量平均分子量Mwとの関係を図6に示す。図5において、8は樹脂の分子量が800、9は樹脂の分子量が1019で分散度が1.2、10は樹脂の分子量が1019で分散度が1.6、11は樹脂の分子量が1019で分散度が1.8、12は樹脂の分子量が1339、13は樹脂の分子量が1550、14は樹脂の分子量が1871、15は樹脂の分子量が2175のノボラック樹脂を用いたレジスト組成物を示す。また図6において、5は樹脂濃度が20重量%、6は樹脂濃度が25重量%、7は樹脂濃度が30重量%のレジスト組成物を示す。
図5に示すように、樹脂濃度が4から30重量%へ増加するに従って粘度は0.6から9.0mPa・sへと高くなる傾向にあり、濃度が高いほどその変化量も大きくなる。また、粘度の変化量は樹脂の分子量が高くなるほど大きくなる傾向も示している。
一方、図6に示すように、樹脂濃度20〜30重量%におけるレジスト組成物の粘度−樹脂の重量平均分子量特性は、分子量が1000付近で最も粘度が低くなり、分子量が1000よりも低くても高くても粘度は増加する傾向が顕著である。また、樹脂の分子量が1000の場合には、分散度1.2の粘度が最も低く、次いで分散度1.6、さらに分散度1.8の順になっており、分散度の小さなものは粘度が低い傾向を示している。同図から、本発明のレジスト組成物における樹脂特性の評価は、樹脂濃度を高めたものがより効果的であることが分かる。
なお、印刷適性評価の結果により、分子量Mwが1000付近のノボラック樹脂を用いたレジスト組成物がパターン形成性に最も優れていることを確認した。
次に、本実施例のレジスト組成物を用いて、反転印刷法における最適な樹脂の重量平均分子量を明らかにするための印刷適性評価を行った。この印刷適性評価は特許文献1の図2に開示されている基本的な工程に準じた方法で行なった。
まず、2枚の薄いステンレス板(板厚:0.5mm、間隙:0.5mm)からなる毛細管現象を利用したコーターを用いて、反転印刷用シリコーンブランケット(金陽社製)を装着した直径140mmのアルミ製回転ドラム表面に本レジスト組成物を塗布し、塗膜の均一性や膜はじき等の発生の有無を評価した。
なお、本実施例のコーティング法での塗膜厚みの制御はアルミ製ドラムの回転数を変えることにより行う。具体的には、回転数を高くすれば厚膜になり、回転数を低くすれば薄膜になるものである。
上記レジスト組成物での塗膜形成実験結果から、粘度が0.6〜9.0mPa・s、表面張力が23.3〜25.4mN/mの範囲で膜はじき等の現象が発生せずに、均一な膜厚の塗布膜が形成できることが明らかになった。
次に、本実施例のレジスト組成物のパターニング性、転写性を評価した。本パターニング評価に用いたパターン形成用溝版は、ドライエッチング法により線幅1〜10ミクロン及び20〜100ミクロン、溝深さ5ミクロンの直線及び四角形パターンを、シリコンウエハ(サイズ:5インチ)及び石英基板(サイズ:5インチ角)に形成したものである。
この実験結果から、重量平均分子量の大きな樹脂を使用したレジスト組成物ほどパターニングできる膜厚が薄くなる傾向にあり、線幅20〜100ミクロンのパターニングを例にとると、1ミクロンの膜厚でフォトリソ並の直線性、断面形状を有するパターンが形成できるのは重量平均分子量Mwが800〜4100の樹脂を使用した場合であることを確認した。また、さらに微細な線幅10ミクロンのパターニングが可能となるのは、重量平均分子量Mwが900〜2600の樹脂を使用した場合であることも確認した。
また、パターニング性の評価結果から、パターニングに好適なレジスト組成物は粘度(mPa・s)が0.6以上9.0以下、より好ましくは1.0以上3.0以下、表面張力(mN/m)は23.0以上25.0以下、より好ましくは23.5以上24.5以下であった。
次に、本実施例のレジスト組成物パターンの転写性について評価した結果、レジストパターンの膜厚が薄くなるにつれて、レジストパターンの乾燥時間が短くなる傾向にあるが、クロム等の金属皮膜をはじめ、ガラス基板やプラスチックフィルムに対しても良好な転写性を有していることが確認できた。
次に、本実施例のレジスト組成物のエッチング液に対する耐性及び剥離性についての評価を行なった。なお、エッチング耐性評価法は、スパッタ法によりクロムとモリブデンの合金膜(膜厚:100nm)を形成したガラス基板上に線幅20〜100ミクロンのレジストパターンを印刷した後、オーブンで130℃/3分間の条件で硬化してから、エッチング液(硝酸第二セリウムアンモニウム/過塩素酸/水、液温35℃)に5分間浸漬してクロムとモリブデンの合金膜をエッチングし、流水で5分間洗浄した後、エッチング前後の膜厚差から減少量を測定して耐性の優劣を評価した。
その結果、重量平均分子量が900よりも大きな樹脂を使用した場合には、エッチングプロセスにおいて線幅10〜100ミクロンのレジストパターンでの膜減り及び膜剥れが発生せず、フォトリソ並の高品質でクロムとモリブデンの合金膜のパターニングができることを確認した。
ただし、重量平均分子量が900〜1000の樹脂を使用したものでは、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.2〜1.5のものではエッチングプロセスで膜剥れや密着力不足による浮き現象が発生してクロムとモリブデンの合金膜のパターニングができない場合があったが、分散度が1.6より大きなものでは膜減り及び膜剥れともに発生せずに、フォトリソ並の高品質でクロムとモリブデンの合金膜のパターンが形成できることも確認できた。
また、線幅10ミクロン以下のレジストパターンにおいてもクロムとモリブデンの合金膜との密着性に問題はなく、高品質のエッチングパターンが形成できることを確認した。
最後に、パターニングされたクロムとモリブデンの合金膜上に残ったレジスト膜を剥離液(モノエタノールアミン等、液温60℃)に5分間浸漬して剥離性を評価した。その結果、重量平均分子量が800〜9000のクレゾールノボラック樹脂を用いたレジスト組成物は残渣等の不具合も発生せず、完璧に除去でき、フォトリソ並の品質のクロムとモリブデンの合金膜のパターンが形成できることを確認した。
本実施例に係るノボラック樹脂と速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる揮発性溶媒とを主体としたレジスト組成物において、塗布膜形成性、パターニング性、転写性、エッチング耐性及び剥離性等の総合的な評価から、クレゾールノボラック樹脂として重量平均分子量Mwが800以上4100以下、より好ましくは900以上2600以下のものを使用すると反転印刷法に好適になることを見出した。
また、重量平均分子量が900以上1000以下のクレゾールノボラック樹脂を用いる場合には、重量平均分子量と数平均分子量の比である分散度が1.5以下のものではエッチング耐性不足による膜剥れが発生する場合があるが、分散度を1.6以上とすることにより、エッチング耐性及び密着性等の不具合発生のない反転印刷法に好適なレジスト組成物になることを見出した。
さらに、反転印刷法に好適な本実施例のレジスト組成物の樹脂濃度(重量%)は8以上20以下、粘度(mPa・s)は1.0以上3.0以下、表面張力(mN/m)は23.0以上25.0以下であることを見出した。
なお、本実施例のレジスト組成物では表面エネルギー調整剤、レベリング剤等を使用しなかったが、表面張力が25.0mN/m超える場合や塗布膜厚が0.5ミクロン以下の場合にはフッ素系等の表面エネルギー調整剤等を適量添加することで膜はじき等の不具合が解消できることを確認している。これらの添加剤についてはパターニング性に影響を及ぼさない範囲内で適宜使用するべきであり、本実施例に限定されるものではない。
また、揮発性溶媒の種類についてもレジスト組成物の粘度及び表面張力が所定の範囲内であって、塗膜の乾燥状態が所期の状態であれば良く、本実施例に限定されるものではない。
(実施例2)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂、重量平均分子量(Mw):872、数平均分子量(Mn):447、フリーモノマー:0.39%、分散度(Mw/Mn):1.95、150℃における溶融粘度:4.4Pa・s、175℃における溶融粘度:0.8Pa・sのものを用いた。この樹脂8〜20重量%を、速乾性有機溶媒の酢酸イソプロピル53.0〜74.5重量%とメチルエチルケトン0.5重量%、遅乾性有機溶媒のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称する)15.0〜27.1重量%とトルエン2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させたレジスト組成物を用い、それらの物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価を行なった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例では各樹脂濃度における速乾性有機溶媒と遅乾性有機溶媒の最適比率を明らかにするため、速乾性有機溶媒のメチルエチルケトン0.5重量%と遅乾性有機溶媒のトルエン2.0重量%の組成比率を固定し、速乾性有機溶媒の酢酸イソプロピルと遅乾性有機溶媒のPGMEAの重量を種々変化させたレジスト組成物を作製して塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した。
その結果、膜はじき等がなく、均一厚みの塗膜を形成でき、フォトリソ並の直線性、断面形状でレジストパターンを形成でき、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成する際のエッチング耐性に優れ、レジストパターンを完全に除去することができるという各条件を満たすようなレジスト組成物における、ノボラック樹脂、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒の含量比率(重量比)の関係を図7に示す。図7において、16は速乾性有機溶媒、17は遅乾性有機溶媒を示す。また、図7の横軸には本レジスト組成物におけるノボラック樹脂の含有比率(重量比)(または、樹脂濃度)、縦軸には本レジスト組成物における速乾性有機溶媒と遅乾性有機溶媒の含有比率(重量比)を示したものである。図7に示すように、本発明のレジスト組成物の最適なパターン形成条件下における速乾性有機溶媒と遅乾性有機溶媒の含有比率は、樹脂含有比率(樹脂濃度)によらずその比率が約3対1であることを見出した。
なお、図7に示した速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒の含有比率(重量比)は、いずれも、酢酸イソプロピルにメチルエチルケトン0.5重量%を加えた速乾性有機溶媒のトータルの重量比率であり、PGMEAにトルエン2.0重量%を加えた遅乾性有機溶媒のトータルの重量比率である。
因みに、各樹脂濃度における最適組成は、樹脂濃度8重量%の場合で酢酸イソプロピル62.5〜64.5重量%、PGMEA25.0〜27.0重量%、トルエン2.0重量%、メチルエチルケトン0.5重量%(以下、トルエンとメチルエチルケトンは省略)、10重量%の場合で酢酸イソプロピル62.5〜64.5重量%、PGMEA23.0〜25.0重量%、12重量%の場合で酢酸イソプロピル60.5〜62.5重量%、PGMEA23.0〜25.0重量%、14重量%の場合で酢酸イソプロピル59.5〜61.5重量%、PGMEA22.0〜24.0重量%、16重量%の場合で酢酸イソプロピル59.5〜61.5重量%、PGMEA20.0〜22.0重量%、18重量%の場合で酢酸イソプロピル58.5〜60.5重量%、PGMEA19.0〜21.0重量%、20重量%の場合で酢酸イソプロピル57.5〜59.5重量%、PGMEA18.0〜20.0重量%である。
本実施例によれば、ノボラック樹脂と速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる揮発性溶媒とを主体としたレジスト組成物は、ノボラック樹脂が8.0〜20.0重量%、速乾性有機溶媒が58.0〜65.0重量%、遅乾性有機溶媒が20.0〜29.0重量%のときに反転印刷法に最適となり、フォトリソ並の品質のクロム・モリブデン薄膜パターンが形成できた。
(実施例3)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂、重量平均分子量(Mw):956、数平均分子量(Mn):478、分散度(Mw/Mn):2.0、フリーモノマー:0%、150℃における溶融粘度:6.6Pa・s、175℃における溶融粘度:1.3Pa・sのものを用いた。この樹脂12.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:62.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.2mPa・s、表面張力γが23.8mN/mである。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜を形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンを形成することができた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例4)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール30部とパラクレゾール70部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):1339、フリーモノマー:0%のものを用いた。この樹脂12.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:62.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.5mPa・s、表面張力γが24.0mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例5)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):1559、数平均分子量(Mn):561、分散度(Mw/Mn):2.78、フリーモノマー:0.31%、175℃における溶融粘度:2.9Pa・sのものを用いた。この樹脂12.5重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:63.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:22.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.6mPa・s、表面張力γが24.1mN/mである。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例6)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール36部、パラクレゾール54部及びオルソクレゾール10部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):1871、フリーモノマー:0.28%のものを用いた。この樹脂13.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:61.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.9mPa・s、表面張力γが24.0mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例7)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):2175、フリーモノマー:0.34%のものを用いた。この樹脂10.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:64.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.6mPa・s、表面張力γが24.0mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例8)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):2500、数平均分子量(Mn):658、分散度(Mw/Mn):3.8、フリーモノマー:0.29%、175℃における溶融粘度:6.9Pa・sのものを用いた。この樹脂10.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:64.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.3mPa・s、表面張力γが24.5mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例9)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):2600、フリーモノマー:0.27%のものを用いた。この樹脂10.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:64.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.4mPa・s、表面張力γが24.1mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例10)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):3600、フリーモノマー:0.20%のものを用いた。この樹脂10.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:64.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.5mPa・s、表面張力γが23.9mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例11)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):4100、フリーモノマー:0.15%のものを用いた。この樹脂10.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:64.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:21.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.5mPa・s、表面張力γが23.7mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例12)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):5500、フリーモノマー:0.12%のものを用いた。この樹脂8.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:64.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:23.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.2mPa・s、表面張力γが24.5mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例13)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):800、フリーモノマー:0.56%のものを用いた。この樹脂20.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:59.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:16.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが2.8mPa・s、表面張力γが24.8mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、フォトリソ並の直線性を有するレジストパターンが形成できた。ただし、レジストパターンは2ミクロン程度の厚膜まで形成できたが、断面形状は上部が丸みをおびた形状になることを確認した。また、塗布膜の表面層が速く乾燥するために塗布膜内部の溶媒が蒸発し難くなる傾向が見られた。
(実施例14)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):1000、分散度(Mw/Mn):1.6、フリーモノマー:0.39%のものを用いた。この樹脂14.0重量%を、速乾性有機溶媒として酢酸イソプロピル:61.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:20.0重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒に溶解させてレジスト組成物とした。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.6mPa・s、表面張力γが24.2mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
(実施例15)
レジスト組成物の樹脂として、仕込み量がメタクレゾール40部とパラクレゾール60部からなるクレゾールノボラック樹脂で、重量平均分子量(Mw):2600、フリーモノマー:0.27%のものを用いた。この樹脂12.0重量%と、速乾性有機溶媒としてイソプロピルアルコール:61.0重量%とメチルエチルケトン:0.5重量%、遅乾性有機溶媒としてPGMEA:24.4重量%とトルエン:2.0重量%からなる揮発性溶媒と、表面エネルギー調整剤としてフッ素系界面活性剤:0.1重量%とからなるレジスト組成物と作製した。なお、本レジスト組成物の物性は粘度ηが1.3mPa・s、表面張力γが23.6mN/mであった。
なお、レジスト組成物の物性評価、印刷適性評価及びエッチングパターン形成評価の方法については実施例1と同じなので説明は省略する。
本実施例のレジスト組成物の塗布性、印刷適性、エッチング耐性、剥離性を評価した結果、膜はじきのない均一厚みの塗膜が形成でき、10〜100ミクロン線幅のパターン形成において、エッチングレジストとして必須となる1ミクロン以上の膜厚でもフォトリソ並の直線性と断面形状を有するレジストパターンが形成できた。
また、クロム・モリブデン薄膜のエッチングパターン形成において、膜剥れやレジスト残渣等の発生もなくエッチング耐性及びレジスト剥離特性も良好なことを確認すると共に、フォトリソ並の品質で10〜100ミクロン線幅のクロム・モリブデン薄膜のエッチングパターンを形成することができた。
以上の各実施例ではノボラック樹脂としてメタクレゾール、パラクレゾール及びオルソクレゾールから選ばれる1つ以上を原料とするクレゾールノボラック樹脂を用いたが、所期の物性を満たすノボラック樹脂であればよく、本実施例に限定されるものではない。
また、上記の各実施例では揮発性溶媒として主として酢酸イソプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン及びメチルエチルケトンを用いたが、所期の物性を満たす有機溶媒であればよく、本実施例に限定されるものではない。
さらに、本実施例では表面エネルギー調整剤としてフッ素系の界面活性剤を用いたが、所期の物性を満たす表面エネルギー調整剤であればよく、本実施例に限定されるものではない。
本発明のレジスト組成物は反転印刷法による配線パターン形成等に好適に用いられ、その他、剥離せずに硬化して利用する技術にも適用可能であり、例えば、マイクロレンズアレイフィルム、拡散反射板用凹凸層、積層型配線板などのコンタクトホールを有する絶縁膜の形成等にも利用可能である。
本発明に係るレジスト組成物の粘度−樹脂分子量の関係を示すグラフである。 本発明に係るレジスト組成物の表面張力−樹脂分子量の関係を示すグラフである。 本発明に係るレジスト組成物の樹脂濃度18重量%時における粘度−樹脂分子量の関係を示すグラフである。 本発明に係るレジスト組成物の樹脂濃度18重量%時における表面張力−樹脂分子量の関係を示すグラフである。 本発明に係るレジスト組成物の低分子量領域(Mw:800〜2175)の樹脂についての粘度−樹脂濃度の関係を示すグラフである。 本発明に係るレジスト組成物の高樹脂濃度(20〜30重量%)における粘度−樹脂分子量の関係を示すグラフである。 本発明に係るレジスト組成物の最適パターン形成条件下における、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒の含有比率−樹脂の含有比率の関係を示すグラフである。

Claims (11)

  1. ノボラック樹脂と、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる揮発性溶媒とを含むことを特徴とするレジスト組成物。
  2. 前記ノボラック樹脂が、メタクレゾール、パラクレゾール及びオルソクレゾールから選ばれる1つ以上を原料とすることを特徴とする請求項1に記載のレジスト組成物。
  3. 前記ノボラック樹脂が、800以上4100以下の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  4. 前記ノボラック樹脂が、1.6以上2.8以下の分散度を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物。
  5. 前記ノボラック樹脂が、175℃において0.1以上7.0以下の溶融粘度(Pa・s)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物。
  6. 前記揮発性溶媒が、速乾性有機溶媒及び遅乾性有機溶媒からなる混合溶媒であって8以上13以下の溶解度パラメータを有し、かつ遅乾性有機溶媒に対する速乾性有機溶媒の重量比が2以上4以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト組成物。
  7. 前記速乾性有機溶媒が、20℃における蒸気圧(Pa)が2.7×103以上1.0×104以下、又は大気圧下における沸点が75℃以上115℃未満であるエステル系溶媒、エーテル系溶媒及び炭化水素系溶媒から選択される1つ以上であり、速乾性有機溶媒の総量がレジスト組成物中55以上65以下(重量%)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレジスト組成物。
  8. 前記遅乾性有機溶媒が、20℃における蒸気圧(Pa)が5.3×102以上1.3×103以下、又は大気圧下における沸点が115℃以上190℃未満であるエステル系溶媒、エーテル系溶媒及び炭化水素系溶媒から選ばれる1つ以上であり、遅乾性有機溶媒の総量がレジスト組成物中15以上30以下(重量%)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレジスト組成物。
  9. 揮発性溶媒に不溶な固形成分を含まない溶液型であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のレジスト組成物。
  10. さらに表面エネルギー調整剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のレジスト組成物。
  11. 前記レジスト組成物の粘度(mPa・s)が1.0以上3.0以下であり、かつ表面張力(mN/m)が23.0以上25.0以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のレジスト組成物。
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