JP2008200678A - アニオン性置換基を有する物質の捕捉剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一定条件下で、アニオン性置換基(例えばリン酸基)と結合する性質を有すると共に、全体として溶媒難溶性(好ましくは溶媒不溶性)を示す、アニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質を捕捉することができ、且つ、容易に分離精製可能なポリマー担体の提供。
【解決手段】 所定の亜鉛錯体基が直接又はスペーサーを介して共有結合したポリマー担体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質を分離精製するために有用な、所定の亜鉛錯体基が結合したポリマー担体、そのポリマー担体を含有する、アニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質の捕捉剤、更に、この捕捉剤を充填した捕捉器具及びその捕捉方法に関する。
リン酸基を有する物質、例えばリン酸化された生体物質等を分析するための方法としては、従来より、酵素免疫法(ELISA)による方法や放射性同位元素を用いる方法が知られている。
酵素免疫法は、抗体(又は抗原でもよい)が目標物質と特異的に結合する原理を利用している。そのため、目的物質固有の抗体を作製するのに、目的物質を多量に精製し入手する必要があるという問題点がある。更に、抗体の作製には動物の免疫反応を用いるため、抗体の作製に時間がかかるという問題点がある。また、数kDa(ダルトン)以下の分子構造中のリン酸化部位に対する抗体を作製することができないため、そのような分子構造を持つリン酸化された生体物質を酵素免疫法によって分析することができないという問題点がある。
また、放射性同位元素を用いる方法は、放射性同位元素32Pを用いる。そのため、実験室の放射線の管理及び廃液の管理に手間がかかるという問題点がある。
排水中のリン酸濃度を下げるための方法として、特開平11−57695号公報には、複合金属水酸化物を用いる方法が開示されている。一方、医薬の分野では、高リン血症の治療に用いられるものとして、特表平8−506846号公報に記載のグアニジノ基が結合したポリマーがある。しかし、複合金属水酸化物及びグアニジノ基が結合したポリマーは、リン酸基に対する結合力が弱い。そのため、一定量のリン酸を捕捉するためには、多量のリン酸基結合基質としての複合金属水酸化物又はグアニジノ基が結合したポリマーを用いなければならないという問題点がある。
一方、リン酸基と強く結合する化合物として、ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー(Journal of the American Chemical Society),(米国),1991年,第113巻,第23号,p.8935−8941に記載の大環状ポリアミン亜鉛錯体がある。しかし、大環状ポリアミン亜鉛錯体は溶剤に可溶である。そのため、溶液中で、大環状ポリアミン亜鉛錯体と結合したリン酸基を有する物質の分離精製が非常に困難であるという問題点がある。
したがって、リン酸化された生体物質等のリン酸基を有する物質を分離精製するためには、一定条件下において、アニオン性置換基の一つであるリン酸基と強く結合する性質及び分離精製が容易であるという性質を兼ね備え、且つ安全で安価な捕捉剤が望まれている。
本発明の目的は、一定条件下において、アニオン性置換基(例えばリン酸基)と結合すると共に、該置換基を有する物質の分離精製が容易な、安全で安価な捕捉剤並びにこの捕捉剤を充填した簡便な捕捉器具及びその迅速且つ容易な捕捉方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、ポリマー担体に特定の亜鉛錯体基を結合させると、該ポリマー担体が、アニオン性置換基(例えばリン酸基)と強く結合する性質を有すると共に、全体として溶媒難溶性(好ましくは溶媒不溶性)を示すので、分離精製が極めて容易となること、即ち、該置換基を有する物質の有用な捕捉剤になり得ることを見い出した。更に、この捕捉剤を充填した該物質の捕捉器具及びこの捕捉剤を用いた該物質の捕捉方法も確立し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明(1)は、一般式(1):

{式中、Rは、相互に同一又は異なっていてもよく、水素原子;炭素数が1〜16であるアルキル基;アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、カルバモイルアルキル基、シアノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基又はハロアルキル基(ここで、これらの基のアルキル部分の炭素数は、1〜16である);カルボキシル基;カルバモイル基;シアノ基;ヒドロキシル基;アミノ基;或いはハロゲノ基である}で示される亜鉛錯体基が直接又はスペーサーを介して結合したポリマー担体である。
また、本発明(2)は、前記発明(1)のポリマー担体又は一般式(2)

で示される亜鉛錯体基が直接又はスペーサーを介して結合したポリマー担体を含有する、アニオン性置換基を有する物質の捕捉剤である。
更に、本発明(3)は、アニオン性置換基がリン酸基である、前記発明(2)の捕捉剤である。
また、本発明(4)は、捕捉剤がビーズの形態である、前記発明(2)又は(3)の捕捉剤である。
更に、本発明(5)は、捕捉剤がプレートの形態である、前記発明(2)又は(3)の捕捉剤である。
また、本発明(6)は、捕捉剤が繊維の形態である、前記発明(2)又は(3)の捕捉剤である。
更に、本発明(7)は、前記発明(2)〜(4)又は(6)のいずれか一つの捕捉剤を充填し、フィルターで濾別する機能を持つ、アニオン性置換基を有する物質の捕捉器具である。
また、本発明(8)は、アニオン性置換基を有する物質を、前記発明(2)〜(6)のいずれか一つの捕捉剤に結合させることによって捕捉する工程を含む、アニオン性置換基を有する物質の捕捉方法である。
更に、本発明(9)は、該捕捉工程の後、アニオン性置換基を有する物質を捕捉剤から解離させる工程を更に含む、前記発明(8)の方法である。
まず、一般式(1)又は一般式(2)で示される亜鉛錯体基が結合しているポリマー担体について説明する。「ポリマー担体」とは、該基と結合可能なポリマーであり、且つ、「担体」乃至は「支持体」として機能する限り、特に限定されない。但し、ポリマー担体が用いられる際に使用される溶剤や試薬に対して耐性を有し、且つ、濾過及び洗浄を行う際に必要な物理的強度をも備えていることが好適である。また、アニオン性置換基を有する物質の捕捉に無影響であるものが好適である。具体例を例示すると、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセチレン(ポリイン)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリロニトリル、ポリメタクリルアミド、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(ポリテレフタル酸エチレン)、ポリカーボネート、ポリアミド、ナイロン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリマーアロイ、セルロース、デキストラン、アガロース、キトサン、シリカ等を挙げることができる。また、更なる物理的強度を確保するために架橋(橋かけ)構造をもつポリマー担体であってもよく、架橋(橋かけ)剤の具体例を例示すると、ジビニルベンゼン、エピクロロヒドリン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタン等を挙げることができる。
このポリマー担体は、一般式(1)又は一般式(2)で示される亜鉛錯体基と直接又はスペーサーを介して結合している。ここで、スペーサーとは、ポリマー担体から亜鉛錯体基を離すことによって、亜鉛錯体基への捕捉物質との結合を促す目的及び溶剤への膨潤度を増す目的で導入されたポリマーであり、具体例を例示すると、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル等を挙げることができる。また、亜鉛錯体基とポリマー担体又はスペーサーとの結合様式の具体例を例示すると、炭素−炭素結合、エステル結合、カルボニル結合、アミド結合、エーテル結合、スルフィド結合、アミノ結合、イミノ結合等の共有結合を挙げることができる。
本発明に係る、一般式(1)で示される亜鉛錯体基が結合したポリマー担体の具体例を例示すると、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTOYOPEARL(登録商標):

や、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したArgoGel(登録商標):

や、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTSKgel(登録商標):

や、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標):

等を挙げることができる。
本発明に係る、一般式(2)で示される亜鉛錯体基が結合したポリマー担体の具体例を例示すると、Zn2+−サイクレン基が結合したTOYOPEARL(登録商標):

や、Zn2+−サイクレン基が結合したArgoGel(登録商標):

や、Zn2+−サイクレン基を結合したTentaGel(登録商標):

等を挙げることができる。
アニオン性置換基とは、負の電荷を持つ置換基であり、アニオンの具体例を例示すると、2価のリン酸モノエステルアニオン(−OPO 2−)、1価のリン酸ジエステルアニオン((−O)PO )、2価のホスホン酸アニオン(−PO 2−)、1価のホスホン酸アニオン((−)PO )、1価の炭酸エステルアニオン(−OCO )、1価のカルボン酸アニオン(−CO )、1価の硫酸エステルアニオン(−OSO )、1価のスルホン酸アニオン(−SO )等を挙げることができる。
リン酸基を有する物質とは、2価のリン酸モノエステルアニオン(−OPO 2−)を有する物質であり、該物質の具体例を例示すると、リン酸化されたアミノ酸、リン酸化されたアミノ酸残基、リン酸化されたアミノ酸残基を有するタンパク質(リン酸化タンパク質)、リン酸化されたアミノ酸残基を有するポリペプチド(リン酸化ポリペプチド)、リン酸化されたアミノ酸残基を有するオリゴペプチド(リン酸化オリゴペプチド)、デオキシリボ核酸(DNA)、リン脂質、リン酸化された糖類、血中のリン酸成分、排水中のリン酸成分等を挙げることができる。
一般式(1)又は一般式(2)で示される亜鉛錯体基自体は、使用される溶剤との関係では、通常可溶である。しかし、これをポリマー担体と結合させることにより、該溶剤との関係で難溶(好ましくは不溶)となる。そのため、本発明に係るポリマー担体は、好適条件下では、溶液中のアニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質が捕捉可能であると共に、溶剤からの濾過や洗浄も可能となるので、迅速且つ容易に、溶液から該物質の分離精製が行えるようになる。更に、該物質の定量に捕捉剤を使用することも可能である。
ビーズの形態として利用する捕捉剤における用途の具体例を例示すると、金属固定化アフィニティクロマトグラフィー(IMAC)カラムなどのカラム担体、リン酸化タンパク質又はデオキシリボ核酸(DNA)等のリン酸基を有する物質の精製又は濃縮を行うカラムの充填剤、リン酸基を有する物質の分離又は精製を行う磁性ビーズ、高リン血症の治療に用いる血中のリン酸成分を捕捉する製剤等を挙げることができる。
プレートの形態として利用する捕捉剤における用途の具体例を例示すると、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI−TOF MS)に用いる試料基板、タンパク質又はデオキシリボ核酸(DNA)等の精製又は検出を行うチップ等を挙げることができる。
繊維の形態として利用する捕捉剤における用途の具体例を例示すると、リン酸基を有する物質とリン酸基を有さない物質との分離に用いる分離膜、中空糸膜フィルター等を挙げることができる。
本発明のアニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質の捕捉器具は、前記ポリマー担体を含有する捕捉剤又はビーズ若しくは繊維の形態である捕捉剤を充填し、フィルターで濾別する機能を持つ。ここで、フィルターとは、これらの捕捉剤及びこれらの捕捉剤に結合した該置換基を有する物質とこれらの捕捉剤に結合しない該置換基を有さない物質が溶解した溶液、或いは、こららの捕捉剤とこれらの捕捉剤から解離した該置換基を有する物質が溶解した溶液を、簡便な個液分離により濾別する目的で導入された分離材であり、具体例を例示すると、ガラスフィルター、金属焼結フィルター、メンブランフィルター、限外濾過膜、石綿、グラスウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、セルロース等を挙げることができる。また、このフィルターは、これらの捕捉剤の下だけでなく上下にあってもよく、2つのフィルターでこれらの捕捉剤を挟むことによって、これらの捕捉剤の流動範囲を抑制する効果も併せ持つ。
本発明に係るアニオン性置換基(特にリン酸基)を有する物質の捕捉器具の具体例を例示すると、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラム、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)カラム、Zn2+−サイクレン基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラム、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)遠心式フィルターユニット等を挙げることができる。
本発明のアニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質の捕捉方法は、ポリマー担体に結合した亜鉛錯体基が、該物質と結合する、という原理を利用している。尚、該物質を捕捉するときの規模又は形態に応じ、例えば、ビーズ、プレート、繊維等のポリマー担体を選択することで、用途別に対応した該物質の捕捉を行うことができる。
また、本発明のアニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質の捕捉方法は、例えば、生理条件である中性条件下等で該物質と本発明に係るポリマー担体とを結合させ、次いで、例えば、溶液のpH、緩衝作用を有する酸とその塩又は塩基とその塩の種類、緩衝液又は溶液に含まれる塩の濃度等を変化させることで、結合した該物質を本発明に係るポリマー担体から解離させるものである。該物質を捕捉し、更に捕捉した該物質を放出できるのは、該物質と本発明に係るポリマー担体との結合が、例えば、溶液のpH、緩衝作用を有する酸とその塩又は塩基とその塩の種類、緩衝液又は溶液に含まれる塩の濃度等により変化するからである。
更に、本発明のアニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質の捕捉方法は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート化剤を添加することで、結合した該物質を本発明に係るポリマー担体から解離させるものも含む。捕捉した該物質を放出できるのは、該物質と本発明に係るポリマー担体との結合から、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート化剤が亜鉛イオンを引き抜くことにより、結合していた該物質が解離するからである。
これらにより、迅速且つ容易な捕捉方法を用いたアニオン性置換基(例えばリン酸基)を有する物質の分離精製及び回収が、例えば、溶液のpH、緩衝作用を有する酸とその塩又は塩基とその塩の種類、緩衝液又は溶液に含まれる塩の濃度等を変化させること、或いは、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート化剤を添加することにより、自在に行うことができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記に記載する実施例に限定されるものではない。尚、これらの例中の亜鉛イオン(Zn2+)担持量(単位 mmol Zn2+/g又はμmol Zn2+/mL)は、亜鉛錯体基が結合したポリマー担体全体量に対する、亜鉛イオン含有量を表す値である。
実施例1
TOYOPEARL(登録商標) AF−Epoxy−650M 10gとサイクレン6.9gと炭酸カリウム2.2gのエタノール溶液75mLを、40℃で4日間撹拌した。反応液を濾過洗浄した後、得られたビーズと硝酸亜鉛六水和物12gの水溶液75mLを、40℃で2日間撹拌した。反応液を濾過洗浄した後、減圧乾燥を行うと、Zn2+−サイクレン基が結合したTOYOPEARL(登録商標)12g(0.3mmol Zn2+/g)が得られた。
実施例2
ポリエチレン製のフィルターが付いたカラムに、Zn2+−サイクレン基が結合したTOYOPEARL(登録商標)100mg(0.3mmol Zn2+/g)を充填して、Zn2+−サイクレン基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラムを作製した。
実施例3
Zn2+−サイクレン基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラムを、50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で膨潤させた。カラムに50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で調整した10mM 4−ニトロ安息香酸ナトリウム溶液1.0mLを添加し、その後50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)2.0mLを添加し流出させた。流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から1価の4−ニトロ安息香酸アニオンの捕捉率を測定したところ、100%であった。
実施例4
Zn2+−サイクレン基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラムを、50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で膨潤させた。カラムに50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で調整した10mM 4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム溶液1.0mLを添加し、その後50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)2.0mLを添加し流出させた。流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から2価の4−ニトロフェニルリン酸アニオンの捕捉率を測定したところ、98%であった。
実施例5
1,3−ジアミノ−2−プロパノール33gと2−ピリジンカルボキシアルデヒド116gとシアノトリヒドロほう酸ナトリウム50gのメタノール溶液500mLを、室温で3日間撹拌した。後処理をした後、カラムクロマトグラフィーで精製すると、合成中間体34gが得られた。
合成中間体18gと6−ブロモメチルニコチン酸メチル12gと炭酸カリウム14gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液225mLを、50℃で1時間撹拌した。後処理をした後、カラムクロマトグラフィーで精製すると、メチルエステル体22gが得られた。
メチルエステル体17gと1.0M水酸化ナトリウム水溶液83mLのメタノール溶液40mLを、室温で1時間撹拌した。中和した後、カラムクロマトグラフィーで精製すると、N−(5−カルボキシ−2−ピリジル)メチル−N,N’,N’−トリス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノール13gが得られた。
実施例6
TOYOPEARL(登録商標) AF−Amino−650M 1.2gとN−(5−カルボキシ−2−ピリジル)メチル−N,N’,N’−トリス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノール450mgとジシクロヘキシルカルボジイミド210mgと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール150mgのN,N−ジメチルホルムアミド溶液10mLを、40℃で18時間撹拌した。反応液を濾過洗浄した後、得られたビーズと酢酸亜鉛二水和物480mgと10M水酸化ナトリウム水溶液0.10mLのエタノール溶液7.0mLを、40℃で18時間撹拌した。反応液を濾過洗浄した後、得られたビーズと1.0M過塩素酸ナトリウム水溶液3.0mLの水溶液7.0mLを、40℃で18時間撹拌した。反応液を濾過洗浄した後、減圧乾燥を行うと、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTOYOPEARL(登録商標)1.0g(0.5mmol Zn2+/g)が得られた。
実施例7
ポリエチレン製のフィルターが付いたカラムに、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTOYOPEARL(登録商標)100mg(0.5mmol Zn2+/g)を充填して、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラムを作製した。
実施例8
Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラムを、50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)/アセトニトリル(1/1)溶液で膨潤させた。カラムに50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)/アセトニトリル(1/1)溶液で調整した10mM 4−ニトロ安息香酸ナトリウム溶液1.0mLを添加し、その後50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)/アセトニトリル(1/1)溶液2.0mLを添加し流出させた。流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から1価の4−ニトロ安息香酸アニオンの捕捉率を測定したところ、100%であった。続いて、50mMリン酸緩衝液(pH 3.0)/アセトニトリル(1/1)溶液50mLを添加し流出させた。流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から1価の4−ニトロ安息香酸アニオンの回収率を測定したところ、100%であった。
実施例9
Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したTOYOPEARL(登録商標)カラムを、50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で膨潤させた。カラムに50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で調整した10mM 4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム溶液1.0mLを添加し、その後50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)2.0mLを添加し流出させた。流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から2価の4−ニトロフェニルリン酸アニオンの捕捉率を測定したところ、100%であった。続いて、溶離液として50mMリン酸緩衝液(pH 3.0)50mLを添加し流出させ、流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から2価の4−ニトロフェニルリン酸アニオンの回収率を測定したところ、89%であったが、溶離液として50mMトリス−塩酸酸緩衝液(pH 7.0)50mLを添加し流出させ、流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から2価の4−ニトロフェニルリン酸アニオンの回収率を測定したところ、0%であった。
実施例10
1,3−ジアミノ−2−プロパノール33gと2−ピリジンカルボキシアルデヒド116gとシアノトリヒドロほう酸ナトリウム50gのメタノール溶液500mLを、室温で3日間撹拌した。後処理をした後、カラムクロマトグラフィーで精製すると、合成中間体34gが得られた。
合成中間体18gと6−ブロモメチルニコチン酸メチル12gと炭酸カリウム14gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液225mLを、50℃で1時間撹拌した。後処理をした後、カラムクロマトグラフィーで精製すると、メチルエステル体22gが得られた。
メチルエステル体10gとエチレンジアミン23gのメタノール溶液100mLを、室温で3日間撹拌した。後処理をした後、カラムクロマトグラフィーで精製すると、N−{5−[N−(2−アミノ)エチル]カルバモイル−2−ピリジル}メチル−N,N’,N’−トリス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノール10gが得られた。
実施例11
NHS−activated Sepharose(商標) 4FFの20mMアセトニトリル溶液5.0mLとN−{5−[N−(2−アミノ)エチル]カルバモイル−2−ピリジル}メチル−N,N’,N’−トリス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノールの5.0mMアセトニトリル溶液5.0mLを、50℃で1時間撹拌した。反応液を濾過洗浄した後、20mM炭酸ナトリウム水溶液で洗浄すると、N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノール基が結合したSepharose(商標)5.0mLが得られた。
実施例12
ポリプロピレン製のフィルターが付いたカラムにN,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノール基が結合したSepharose(商標)1.0mLを充填し、100mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液(pH6.0)と20mM酢酸亜鉛水溶液の混合溶液5.0mL、100mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液(pH6.0)と0.1mM酢酸亜鉛水溶液の混合溶液5.0mL、トリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)と0.5M塩化ナトリウム水溶液の混合溶液5.0mLで平衡化させて、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)カラムを作製した。
実施例13
Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)カラムに、ウシ血清アルブミン(分子量66,000 リン酸化セリン残基×0)50μgとニワトリ卵白アルブミン(分子量45,000 リン酸化セリン残基×2)50μgとウシαS1−カゼイン(分子量24,000 リン酸化セリン残基×8)50μgとウシαS1−カゼイン非リン酸化型(分子量24,000 リン酸化セリン残基×0)50μgとウシβ−カゼイン(分子量25,000 リン酸化セリン残基×5)50μgを添加した。続いて、トリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)と0.5M塩化ナトリウム水溶液の混合溶液1.0mLを2回、トリス−酢酸緩衝液(pH 7.0)1.0mLを4回、10mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、15mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、20mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、25mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、30mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、35mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、40mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、45mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、50mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、60mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、70mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、80mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、90mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、100mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、200mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、300mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、400mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、500mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mLの順に添加し流出させた。流出液を濃縮した後にスポットし、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で分離した後、クマシーブリリアントブルー(CBB)染色した。電気泳動図の前半を図1、後半を図2に示す。図1及び図2において、始めにリン酸化セリン残基を有さないウシ血清アルブミン、続いてリン酸化セリン残基の数が少ない順に、ニワトリ卵白アルブミン、ウシβ−カゼイン、ウシαS1−カゼインの流出が確認できた。
実施例14
マイクロピペットチップにセルロース製のフィルターを詰め、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)カラムから取り出した、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)10μLを充填し、その後セルロース製のフィルターで蓋をして、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)チップを作製した。
実施例15
Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したSepharose(商標)チップを取りつけたマイクロピペットで、0.50M硝酸ナトリウム含有100mMトリス−酢酸緩衝液(pH7.4)で調整した0.22mM p60c−srcペプチド521−533と0.18mMリン酸化p60c−srcペプチド521−533の混合溶液10μLを吸入し、5分間平衡化させた後、吐き出した。その後、0.50M硝酸ナトリウム含有100mMトリス−酢酸緩衝液(pH7.4)10μLで5回洗浄した。続いて、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)10μLで6回洗浄し、洗液を収集して、高速液体クロマトグラフィーを用いて純度を測定したところ、リン酸化p60c−srcペプチド521−533が100%、p60c−srcペプチド521−533が0%であった。
実施例16
PS20 ProteinChip(登録商標) Arrayに、100mM炭酸水素ナトリウム水溶液/アセトニトリル(1/3)溶液で調整した0.38M N−{5−[N−(2−アミノ)エチル]カルバモイル−2−ピリジル}メチル−N,N’,N’−トリス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノール溶液3.0μLを載せ、室温で4時間反応した。更に、100mM炭酸水素ナトリウム水溶液で調整した0.50M 2−アミノエタノール溶液3.0μLを載せ、室温で4時間反応した。洗浄した後、100mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液(pH6.0)で調整した0.50M酢酸亜鉛溶液で洗浄すると、Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したProteinChip(登録商標) Arrayが得られた。
実施例17
Zn2+ −N,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロポキシド基が結合したProteinChip(登録商標) Arrayに、100mMトリス−酢酸緩衝液(pH7.4)で調整した0.94mM 4−メチルウンベリフェリルリン酸二ナトリウム溶液3.0μLを載せ、室温で1時間平衡化させた後、回収した。回収液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて回収液から2価の4−メチルウンベリフェリルリン酸アニオンの捕捉率を測定したところ、16%であった。
比較例1
ポリエチレン製のフィルターが付いたカラムにTOYOPEARL(登録商標) AF−Epoxy−650M 100mgを充填し、50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で膨潤させた。カラムに50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)で調整した10mM 4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム溶液1.0mLを添加し、その後50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)2.0mLを添加し流出させた。流出液を収集し、紫外可視分光光度計を用いて流出液から2価の4−ニトロフェニルリン酸アニオンの捕捉率を測定したところ、0.5%であった。
比較例2
ポリプロピレン製のフィルターが付いたカラムにN,N,N’,N’−テトラキス[(2−ピリジル)メチル]−1,3−ジアミノ−2−プロパノール基が結合したSepharose(商標)1.0mLを充填し、トリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)と0.5M塩化ナトリウム水溶液の混合溶液5.0mLで平衡化させた。カラムにウシ血清アルブミン(分子量66,000 リン酸化セリン残基×0)50μgとニワトリ卵白アルブミン(分子量45,000 リン酸化セリン残基×2)50μgとウシαS1−カゼイン(分子量24,000 リン酸化セリン残基×8)50μgとウシαS1−カゼイン非リン酸化型(分子量24,000 リン酸化セリン残基×0)50μgとウシβ−カゼイン(分子量25,000 リン酸化セリン残基×5)50μgを添加した。続いて、トリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)と0.5M塩化ナトリウム水溶液の混合溶液1.0mLを2回、トリス−酢酸緩衝液(pH 7.0)1.0mLを4回、10mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、15mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、20mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、25mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、30mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、35mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、40mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、45mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、50mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、60mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、70mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、80mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、90mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、100mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、200mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、300mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、400mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mL、500mMリン酸緩衝液(pH 7.0)1.0mLの順に添加し流出させた。流出液を濃縮した後にスポットし、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で分離した後、クマシーブリリアントブルー(CBB)染色した。電気泳動図の前半を図3、後半を図4に示す。図3及び図4において、始めからウシ血清アルブミン、ニワトリ卵白アルブミン、ウシβ−カゼイン、ウシαS1−カゼインの流出が確認できた。
本発明に係る、所定の亜鉛錯体基が結合したポリマー担体は、一定条件下で、アニオン性置換基(例えばリン酸基)と結合すると共に、全体として溶媒難溶性(好ましくは溶媒不溶性)であるので、該置換基を有する物質の分離精製が容易な、安全で安価な捕捉剤となる。更に、このポリマー担体を用いることにより、フィルターで簡便な分離精製が可能となる捕捉器具及び中性条件下で結合させ、次いで、一定条件下で解離させる迅速且つ容易な捕捉方法が提供される。
図1は、亜鉛錯体基が結合したポリマー担体を含有する捕捉剤を用いたドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)図の前半である。 図2は、亜鉛錯体基が結合したポリマー担体を含有する捕捉剤を用いたドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)図の後半である。 図3は、亜鉛を含まない錯体基が結合したポリマー担体を含有する捕捉剤を用いたドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)図の前半である。 図4は、亜鉛を含まない錯体基が結合したポリマー担体を含有する捕捉剤を用いたドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)図の後半である。尚、これら図中、1はウシ血清アルブミン、2はニワトリ卵白アルブミン、3はウシβ−カゼイン、4はウシαS1−カゼイン非リン酸化型、5はウシαS1−カゼイン、6はトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)と0.5M塩化ナトリウム水溶液の混合溶液1回目、7はトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)と0.5M塩化ナトリウム水溶液の混合溶液2回目、8はトリス−酢酸緩衝液(pH 7.0)1回目、9はトリス−酢酸緩衝液(pH 7.0)2回目、10はトリス−酢酸緩衝液(pH 7.0)3回目、11はトリス−酢酸緩衝液(pH 7.0)4回目、12は10mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、13は15mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、14は20mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、15は25mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、16は30mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、17は35mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、18は40mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、19は45mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、20は50mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、21は60mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、22は70mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、23は80mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、24は90mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、25は100mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、26は200mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、27は300mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、28は400mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、29は500mMリン酸緩衝液(pH 7.0)のラインを示す。

Claims (8)

  1. 一般式(2):

    で示される亜鉛錯体基が直接又はスペーサーを介して結合したポリマー担体を含有する、アニオン性置換基を有する物質の捕捉剤。
  2. アニオン性置換基がリン酸基である、請求項1記載の捕捉剤。
  3. 捕捉剤がビーズの形態である、請求項1記載又は請求項2記載の捕捉剤。
  4. 捕捉剤がプレートの形態である、請求項1記載又は2記載の捕捉剤。
  5. 捕捉剤が繊維の形態である、請求項1記載又は請求項2記載の捕捉剤。
  6. 請求項1〜請求項3又は請求項5のいずれか一項記載の捕捉剤を充填し、フィルターで濾別する機能を持つ、アニオン性置換基を有する物質の捕捉器具。
  7. アニオン性置換基を有する物質を、請求項1〜請求項5のいずれか一項記載の捕捉剤に結合させることによって捕捉する工程を含む、アニオン性置換基を有する物質の捕捉方法。
  8. 該捕捉工程の後、アニオン性置換基を有する物質を捕捉剤から解離させる工程を更に含む、請求項7記載の方法。
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