JP2008200549A - アスベストの処理方法及びそれに使用するアスベスト除去装置 - Google Patents

アスベストの処理方法及びそれに使用するアスベスト除去装置 Download PDF

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Yuji Harashima
裕治 原嶋
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Abstract

【課題】構造物に形成されたアスベスト層を安全かつ十分に除去し、さらに無害化して、その残物を断熱材の原料として有効に利用することができるアスベストの処理方法及びアスベスト除去装置を提供する。
【解決手段】アスベスト除去装置(A)は、アスベストを除去する作業部と外部を気密に隔離する隔離装置(17)を有し、隔離装置(17)の内部には、昇降が可能かつ水平方向の移動が可能なドリル固定盤(11)、ドリル固定盤(11)に設けてあり噴射口を有する穿孔ドリル(19)、穿孔ドリル(19)を囲む吸引カバー(12)を有している。吸引カバー(12)には吸引装置(7)が接続され、穿孔ドリル(19)の噴射口に薬剤を供給する薬剤供給装置(5,6)と、穿孔ドリル(19)の噴射口に高圧空気を供給する空気供給装置(4)を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、アスベストの処理方法及びそれに使用するアスベスト除去装置に関するものである。さらに詳しくは、構造物に吹き付けられるなどして形成されたアスベスト層を安全かつ十分に除去し、さらに無害化して、その残物を断熱材の原料として有効に利用することができるものに関する。
アスベストとは、天然に産する蛇紋岩系及び、角閃岩系のガラス系の繊維状鉱物で、その形状としては、針状の繊維であり、繊維物質の飛散性と、微粉体の尖針飛散性が問題となっている。また、アスベストは構成する成分によって異なり、含有有害物質の成分は、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトなどがある。
健康被害を防止するための大気汚染防止法や廃棄物処理法改正案の審議では非飛散性アスベスト廃棄物の処理に伴う飛散防止を徹底するための現行の技術的規約指針にとらわれず、同法を改正し、アスベストの処理基準の強化が図られることになった。このことにより、本願発明者は、従来の経験を基に次のことを見出し取り組んだ。
構造物に吹き付けられたアスベスト層の自然劣化や地震の発生、揺れによる崩壊、または、亀裂落下による修復、全面撤去、除去などに応じた緊急措置を講じる必要がある。そのような場合、最も重要なのは発生する飛散繊維と浮遊する粉塵の防止対策である。
浮遊粉塵による障害は、人体の吸入によるけい肺症の問題を含む作業環境への悪影響や、その他多くの諸問題を誘発する。
上記にような吹き付けられたアスベスト層を安全に除去するものとして、例えば特許文献1記載の吹き付けアスベストの除去方法及び除去装置がある。この発明に係る除去装置は、建物の天井など施工された吹付けアスベスト層に端縁部を食い込ませてアスベスト層の除去しようとする領域の外方を覆う箱形のフードと、フード内においてアスベストを剥離する噴射ノズルなどを有する剥離手段と、フード内にその一端が開口し剥離されたアスベストを吸引してフード内から除去する吸引手段と、フードの端縁部周辺のアスベスト層内に境界安定剤を注入して、フードの内外を隔絶する注入手段とを備えたものであり、アスベスト層を除去する作業において、作業環境の悪化を防止するとともに、作業の影響範囲を局部的なものにとどめることにより周辺の仮設設備や養生設備を不要とし、工費を低減させ、作業中であっても作業にかかる施設を利用することのできるというものである。
特開平8−28026
しかしながら、特許文献1記載の吹き付けアスベストの除去方法及び除去装置には次のような課題があった。
すなわち、除去作業において、アスベストの除去は、噴射ノズルから高圧空気を噴射してアスベスト層を破壊することにより行われている。この方法では、作業部内にアスベストの粉塵が舞っており、作業終了後に粉塵の浮遊が落ち着くまでには時間を要し、さらにその後の装置撤去の際に、各部に付着していた粉塵が飛散する危険がある。また、空気を吹き付けて破壊するだけでは、吸引してもアスベストを十分に取り切れない問題もある。
本願発明者は、人体や地域環境への悪影響を及ぼすアスベストの撤去作業に際して、十分な安全性と保安性を備えた作業を確立するために、構造物の表面に付着しているアスベストを化学反応を利用して回収しやすいようにし、さらに機械的装置を用いて回収し、回収したアスベストを有効に活用する技術を開発した。
そこで本発明の目的は、構造物に吹き付けられるなどして形成されたアスベスト層を安全かつ十分に除去し、さらに無害化して、その残物を断熱材の原料として有効に利用することができるアスベストの処理方法及びそれに使用するアスベスト除去装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
構造物に形成されたアスベスト層を除去する工程、
除去したアスベストを無害化する工程、
無害化する工程で生じる残物で断熱材をつくる工程、
を含み、
上記アスベスト層を除去する工程は、
アスベスト層に液体を浸潤させて柔らかくし、アスベストを吸引して除去する工程、
を含み、
上記アスベストを無害化する工程は、
除去したアスベストにアルカリ溶液を加えて撹拌し、粒状物、乳化液、針状物混合液(浮遊アスベスト繊維針状鉱物を含む液)の各相に分離させ、
針状物混合液にフッ素またはフッ素化合物を加えて撹拌し、これにより針状物を分解し、フッ素の除去のために酸化ホウ素を加え、さらにホウ素除去のためにクエン酸、グリセリンまたエタノールのいずれかを用いて液体化する工程を含み、
上記断熱材をつくる工程は、
アスベストにアルカリ溶液を加えて撹拌して分離した上記粒状物、乳化液、針状物混合液のうち粒状物、乳化液を使用して断熱材をつくる工程を含む、
アスベストの処理方法である。
本発明は、
本発明に係るアスベストの処理方法に使用するアスベスト除去装置であって、
アスベストを除去する作業部と外部を気密に隔離する隔離装置を有し、
隔離装置の内部には、
昇降が可能かつ水平方向の移動が可能な移動台、
移動台に設けてあり噴射口を有する穿孔ドリル、
穿孔ドリルを囲む吸引カバー、
を有しており、
吸引カバーには吸引装置が接続され、
穿孔ドリルの噴射口に薬剤を供給する薬剤供給装置と、穿孔ドリルの噴射口に高圧空気を供給する空気供給装置を備えている、
アスベスト除去装置である。
(作用)
本発明に係るアスベスト除去装置の作用を説明する。
アスベスト除去装置は、構造物に吹き付けられるなどして形成されたアスベスト層を作業者や周辺地域に悪影響がないように安全に除去するために使用される。
アスベストを除去する作業にあたっては、まず、隔離装置によって作業部と外部を気密に隔離する。
次に、移動台の高さを適宜調節し、この状態で移動台を水平方向に移動させ、アスベスト層の要所に穿孔ドリルで穿孔すると共に、穿孔ドリルの噴射口から薬剤供給装置より供給される、例えば飛散防止及び軟化または乳化させるための薬剤などをアスベストに注入または噴射して浸潤させる。
除去対象部分のアスベスト全体に薬剤が行き渡り柔らかくなったら、移動台を動かして穿孔ドリルの噴射口から空気供給装置より供給される高圧空気を噴射しながら、吸引カバーを通して吸引装置でアスベストを吸引して除去する。
吸引されたアスベストは回収され、さらに、除去したアスベストを無害化する工程、無害化する工程で生じる残物で断熱材をつくる工程を経て、断熱材(または耐火材)として有効に利用することができる。
本発明は、構造物に吹き付けられるなどして形成されたアスベスト層の要所(複数箇所)に、例えば穿孔ドリルで穿孔しながら、薬剤を浸潤させることができる。これにより、アスベスト層が薬剤による化学反応及び液体を含むことによって柔らかくなり、しかもアスベストの粉塵が舞うこともなく、吸引により十分に除去回収することができる。さらに回収したアスベストを無害化して、その残物を断熱材の原料として有効に利用することができる。
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明に係るアスベストの処理方法を示す第1の説明図、
図2は本発明に係るアスベストの処理方法を示す第2の説明図である。
なお、図1と図2は図示の便宜上分けて示しているが、双方で一連のアスベストの処理方法を示すものであり、図1の右上のラインa、bは、図2の左上のラインa、bとつながるものである。
図1、図2を参照して本発明に係るアスベストの処理方法について説明する。
例えば構造物に吹き付けられたアスベスト層の処理は、大まかには(1)構造物に吹き付けられたアスベスト層を除去する工程、(2)除去したアスベストを無害化する工程、(3)無害化する工程で生じる残物で断熱材をつくる工程を順に経て行われる。上記各工程を詳細に説明する。
(1)構造物に吹き付けられたアスベスト層を除去する工程
この工程は、後述するアスベスト除去装置Aを使用して行われる。アスベスト除去装置Aの構造及び作用または使用手順の具体的な説明については後述するので、ここでは簡単な説明に止める。
アスベスト除去装置Aは、アスベスト層に穿孔しながら液体または所要の薬剤を浸潤させて柔らかくすることができ、柔らかくしたアスベストを吸引して粉塵が飛散することもなく安全かつ十分に除去することができる。
アスベスト層を掘削して穿孔する際に発生する、アスベストの超微粉や超微塊のあらゆる粉塊粉塵を抑制する掘削助剤として次の薬剤(溶液)が使用される。
その配合の一例をあげれば、(a)エーテル型非イオン界面活性剤(例えば分岐アルキルベンゼンスルホン酸)、0.1%、(b)湿潤剤の分散剤(例えばナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物など)、19.4%、(c)リグニンスルホン酸水溶液とドテシルスルホン酸の混合水溶液80.5%である。この薬剤を用いることにより、粉塵の飛散抑制とともに掘削作業時間を十分に短縮することができる。
掘削助剤の他の例としては、アニオン系高分子海面活性剤5%、ベントナイト80%、糖類5%、デキストリン3%、脂肪酸類5%、リン酸エステル2%の組成を有する薬剤をあげることができる。
さらに、乳化剤、分散剤、湿潤剤、解膠剤、更には、剥離剤、軟弱剤、浸透剤等の高分子界面活性剤より構成された混合離脱浸透剤を噴射してアスベストに浸潤させることで、アスベスト層を例えば水分を含んでふやけた食パンのように柔らかく軟弱化することができる。これにより、アスベストの粉塵の飛散防止とアスベストの構造物からの剥離、撤去までの作業時間の短縮が可能になる。なお、混合離脱浸透剤の一例として、表1に示した混合離脱浸透剤を挙げることができるが、これに限定するものではない。混合離脱浸透剤に含まれる生石灰は反応熱により反応を促進するためのものである。
Figure 2008200549
(2)除去したアスベストを無害化する工程
上記アスベスト層を除去する工程において除去され回収されたアスベストは上記薬剤で膨潤しており柔らかくなっている。また、このアスベストには、表面に無機、有機の油脂類または揮発性物質、その他の様々な異物が付着している。この異物を、油水分離剤−アルギル酸ナトリウム−浮遊選鉱剤−硫化ナトリウムなどで除去する。このような異物を除去する薬剤として、表2、表3、表4に示す油脂分解剤または除去剤をあげることができる。
Figure 2008200549
Figure 2008200549
Figure 2008200549
さらに必要に応じて、例えばジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、ジクロロエチルエーテルなどで撹拌しながら処理することで、アスベスト表面に付着している異物は、分解される。なお、除去された異物は汚水、汚濁物として放出されるが、放出に際しては次亜塩素酸などを使用して水質を浄澄化し、SS、COD、BODの法的規制の基準値以内に水質改質するのはいうまでもない。
上記のように処理し異物を除去したアスベストを沈降撹拌タンクに収容する。このアスベストは、有害な針状繊維鉱物を含有しており、無公害物質化が必要である。
このアスベストに水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を加えて撹拌し、下から順に粒状物、乳化液、針状物混合液(浮遊アスベスト繊維針状鉱物を含む液)の各相に分離させる。
上記アルカリ溶液の例としては、硫化ナトリウムまたはAl,Li,K,Rb,Si,Cs,Fr系やその化合物のいずれかの水溶液(強アルカリ)である。なお、アルカリ溶液の他の例として、表5に示すような凝集沈降剤をあげることができる。
Figure 2008200549
このようなアルカリ溶液を上記アスベストに所要量混合した混合液を撹絆タンク内で例えば72時間連続で混合撹拌する。撹拌時間については、上記分離が起こればこれに限定されるものではない。そして、さらに適当な時間(例えば30分間程度)静置することにより上記各層に分離する。
上記各層に分離した上段の層には、アスベスト繊維針状鉱物が浮遊した液相が形成される。この層の全体に占める割合(容積の割合)は、例えば15〜20%である。また、中段の層は、白色ミルク状の浮液層となっていて、全体に占める割合は、例えば約70%である。さらに、下段の層は、ケイ酸の団塊の粒子または微粒子が存在しており、全体に占める割合は、例えば10〜15%である。なお、この割合はアルカリ溶液の量などによって変動する。上記中段の層と下段の層は、後述するように断熱材の原料として使用される。
上段のアスベスト繊維針状鉱物が浮遊した液相を別の撹拌タンク(撹拌容器)に移し、針状鉱物の分解剤としてフッ素またはフッ素化合物を加え撹拌する。これにより、化学反応などにより針状鉱物を破壊分散させる。針状鉱物には、この反応によって先鋭部や角部がなくなり、またより小さくなって物性が変わり無害化して液中に分散する。なお、針状鉱物が無害化したものを含む液には、フッ素化合物、ケイ素酸の水溶液が生じている。
この液の状態で放置、放流などを行うと、残存しているフッ素またはフッ素化合物あるいは残存している可能性が捨てきれない微細な針状鉱物によって二次公害や災害を起こす可能性があるため、さらに安全のための処理を行う。
この処理は、上記針状鉱物が無害化したもの(無害化したと思われるもの)及びフッ素化合物、ケイ素酸の水溶液を含む液に酸化ホウ素、リン酸を加え、撹拌して行われる。
酸化ホウ素を加えることにより、鉱物(SiO)とフッ素を化学反応などによって消去または無害化することができる。これで、生体にきわめて有害とされている針状鉱物がほぼなくなる。
また、この段階で撹拌タンクには、投入したリン酸、ホウ酸系と化合物が残溶液としてある。これらのリン酸、ホウ酸を除去または分解し無害化するために、ドロマイトプラスタまたはメトキシサルファイト(いずれもリンを吸着する)を使用し、SiOの消去剤として酸化ホウ素を用いる(図2を参照)。さらにホウ素の除去のために、その消去反応処理剤として、クエン酸、グリセリンまたエタノールのいずれかを用いてSiOの残滓針状繊維鉱物を完全に液体化して無公害に利用できる(図2を参照)。
最終的に残存するアスベストスラグの沈降撹拌タンクには、再度強アルカリ物質の水溶液とケイフッ化水素酸又、ケイフッ化アンモニウムを用いて、十分長時間撹拌溶解する。その強アルカリの水溶液は、4Nとして(1N=40cc/1L)である。フッ化水素またはフッ化アンモニウムまたはフッ素、その化合物とアルカリ系と同量として、十分に撹拌混合することができる。上記工程により、アスベストの無害化処理(無公害処理)が可能であることがわかった。
(3)無害化する工程で生じる残物で断熱材をつくる工程
上記無害化工程において、ホウ素、リン酸等を投入し、SiOと混合する事により、断熱材としての機能性も発揮することができる。その混合水溶液にアルカリ水溶液+ホウ酸、リン酸、ケイ酸+マグネシウム系化合物などを混合することにより、コスト的にも安価な断熱材が製造できることがわかった。
また、上記した分離層のうち中段の相である約70%近くの物質と下段の相の10%〜15%程度の団塊の粒子物質を回収して、断熱材、焼却炉材、室内の冷暖効果物質資材として、無機物と混合する事で重要な再利用資材として有効利用ができることがわかった。
断熱材を製造するに当たっては、異物の除去を行う必要がある。その除去剤として、先に述べた反応物質に断熱材の構成物質への使用が可能な次の消去剤を適宜加える。
1.ジメチルホルムアミド
2.メチルイソブチルケトン
3.ジクロロエチルエーテル
4.アルキル硫酸エステル
5.アルキルスルホンこはく酸塩
付着異物除去、分解化学反応洗浄剤として1〜5までを使用する。そして、さらに、下段の相のケイ酸の残存団塊粒状物質には、
1.ホウ酸
2.デキストリン
3.塩化マグネシウム
4.水酸化マグネシウム
5.リン酸マグネシウム
などを混合したものを加えて断熱材とした。表6には、このようにして製造した断熱材の組成・配合の一例を示した。
Figure 2008200549
表6に表した断熱材は、いうまでもなく安全性に問題はなく、さらに断熱効果を充分に発揮した。これにより、アスベストを処理して断熱材への再利用ができることが確認された。
図3は本発明に係るアスベスト除去装置の説明図である。
アスベスト除去装置Aは、架台15を備えている。架台15は、下部に設けられた油圧ジャッキ3によって高さの調節が可能である。
架台15の上面には隔離装置17が設けられている。隔離装置17は、平面視円形状に設けられ、上下に分割された隔離壁10を有している。隔離壁10の下部は架台15の上面に気密に取り付けられている。
隔離壁10の分割された部分には、例えば浮き輪状(またはタイヤ状)でゴム製の膨張体9が気密に設けてある。膨張体9は、空気を入れることによって膨らみ、隔離壁10を上下に拡げて上部の密着体13をアスベスト層21に押し付けることができる。これにより、隔離装置17は、アスベストを除去する作業部と外部を気密に隔離することが可能である。なお、隔離状態の作業部の状況を外部で確認するためにテレビカメラ(撮影装置)を設けることもできる。
隔離装置17の隔離壁10の内側には、移動コンベヤ2が設けてある。移動コンベヤ2は、昇降装置20上に取り付けてある。移動コンベヤ2は、例えばベルトコンベヤであり、上部側が水平方向に往復移動できるようになっている。この上部側には、さらに移動コンベヤ1が取り付けてある。移動コンベヤ1の上部側は、移動コンベヤ2とは水平方向において直角方向に往復移動ができる。移動コンベヤ1の水平方向に移動できる部分には、モータで駆動されるドリル固定盤11が水平方向に回転可能に取り付けてある。移動台を構成するドリル固定盤11は、回転ローラで支えられており、円滑な回転が可能である。
ドリル固定盤11の一端側には、モータで駆動される穿孔ドリル19が設けてある。穿孔ドリル19は、尖った先端が上に向けてある。穿孔ドリル19の先端には、噴射口が設けてある。穿孔ドリル19の側面には溝が設けてある。噴射口につながる中心孔には、各経路であるホース14を通り、空気供給装置4、掘削助剤供給装置5、混合離脱浸透剤供給装置6が接続してある。各ホース14は、隔離壁10を気密に貫通し、各装置は隔離装置17の外部に設けてある。なお、空気供給装置4は上記膨張体9にも空気注入バルブ8から空気を送るようになっている。
また、ドリル固定盤11には、穿孔ドリル19を囲むように吸引カバー12が設けてある。吸引カバー12は、例えば上部側の開口部が径大で下部側が窄まった漏斗状である。吸引カバー12の下部には、経路となるホース14が接続されている。ホース14は、隔離壁10を気密に貫通し、隔離装置17の外部に設けてある吸引装置7に接続してある。なお、穿孔ドリル19の上端は吸引カバー12の開口部から出ており、アスベスト層に穿孔する際の支障にならないようにしてある。
(作用)
本実施の形態に係るアスベスト除去装置の作用を図3を参照して説明する。
アスベスト除去装置Aは、構造物の壁部や天井に吹き付けられたアスベスト層21を作業者や周辺地域に悪影響がないように安全に除去するために使用されるものである。
アスベスト層21を除去する作業にあたっては、まず、隔離装置17によって作業部と外部を気密に隔離する。
具体的には、油圧ジャッキ3によって架台15の高さを適宜調節し、固定する。次に、空気供給装置4から膨張体9へ高圧空気(圧縮空気)を供給し、隔離壁10が上昇し、その上部にある密着体13がアスベスト層21に円形の全長にわたり密着するように膨張体9を膨張させる。これにより、隔離装置17内側の作業部の気密性が確保される。
昇降装置20により各移動コンベヤ1、2及びその上に設けてあるドリル固定盤11の高さを適宜調節する。そして、この状態で各移動コンベヤ1、2を作動させ、ドリル固定盤11を水平方向に移動させて、アスベスト層21の要所(複数箇所または多数)に穿孔ドリル19で穿孔する。穴の径は適宜であるが、例えば10mmである。また、穴を設ける密度も適宜であり、例えば25〜30mm間隔で10〜20個/m2である。
穿孔するときには、昇降装置17でさらにドリル固定盤11を穿孔ドリル19とともに上昇させる。穿孔の際には、穿孔ドリル19の噴射口からアスベストに薬剤が注入または噴射され、薬剤が浸潤する。本実施の形態では、掘削助剤供給装置5から掘削助剤が供給され、混合離脱浸透剤供給装置6から混合離脱浸透剤が供給される。これらは同時に噴射してもよいし交互に噴射してもよい。
アスベスト層21の除去対象部分(隔離壁10上部の密着体13で囲まれた部分)のアスベスト全体に薬剤が行き渡り柔らかくなったら、穿孔ドリル19先端が施工面に当たらないように位置を調節し、再度ドリル固定盤11を動かして吸引を行う。穿孔ドリル19及び穿孔ドリル19を囲む吸引カバー12の位置は、ドリル固定盤11自体の回転による回転移動または各移動コンベヤ1、2による水平移動またはそれらの組み合わせにより変えることができる。これについては、上記穿孔の際も同様である。
吸引作業は、穿孔ドリル19の噴射口から空気供給装置4より供給される高圧空気を噴射してアスベストを剥がしながら、同時に吸引カバー12を通して吸引装置7によってアスベストを吸引して除去する。アスベストは、上記薬剤との化学反応などによって改質されて柔らかくなっており、この吸引作業によって施工面から十分に除去することができる。
吸引されたアスベストは回収され、さらに、上記したように除去したアスベストを無害化する工程、無害化する工程で生じる残物で断熱材をつくる工程を経て、断熱材(または耐火材)として有効に利用することができる。
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
本発明に係るアスベストの処理方法を示す第1の説明図。 本発明に係るアスベストの処理方法を示す第2の説明図。 本発明に係るアスベスト除去装置の説明図。
符号の説明
A アスベスト除去装置
1 移動コンベヤ
2 移動コンベヤ
3 油圧ジャッキ
4 空気供給装置
5 掘削助剤供給装置
6 混合離脱浸透剤供給装置
7 吸引装置
8 空気注入バルブ
9 膨張体
10 隔離壁
11 ドリル固定盤
12 吸引カバー
13 密着体
14 ホース
15 架台
17 隔離装置
19 穿孔ドリル
20 昇降装置
21 アスベスト層

Claims (2)

  1. 構造物に形成されたアスベスト層を除去する工程、
    除去したアスベストを無害化する工程、
    無害化する工程で生じる残物で断熱材をつくる工程、
    を含み、
    上記アスベスト層を除去する工程は、
    アスベスト層に液体を浸潤させて柔らかくし、アスベストを吸引して除去する工程、
    を含み、
    上記アスベストを無害化する工程は、
    除去したアスベストにアルカリ溶液を加えて撹拌し、粒状物、乳化液、針状物混合液(浮遊アスベスト繊維針状鉱物を含む液)の各相に分離させ、
    針状物混合液にフッ素またはフッ素化合物を加えて撹拌し、これにより針状物を分解し、フッ素の除去のために酸化ホウ素を加え、さらにホウ素除去のためにクエン酸、グリセリンまたエタノールのいずれかを用いて液体化する工程を含み、
    上記断熱材をつくる工程は、
    アスベストにアルカリ溶液を加えて撹拌して分離した上記粒状物、乳化液、針状物混合液のうち粒状物、乳化液を使用して断熱材をつくる工程を含む、
    アスベストの処理方法。
  2. 請求項1記載のアスベストの処理方法に使用するアスベスト除去装置であって、
    アスベストを除去する作業部と外部を気密に隔離する隔離装置(17)を有し、
    隔離装置(17)の内部には、
    昇降が可能かつ水平方向の移動が可能な移動台(11)、
    移動台(11)に設けてあり噴射口を有する穿孔ドリル(19)、
    穿孔ドリル(19)を囲む吸引カバー(12)、
    を有しており、
    吸引カバー(12)には吸引装置(7)が接続され、
    穿孔ドリル(19)の噴射口に薬剤を供給する薬剤供給装置(5,6)と、穿孔ドリル(19)の噴射口に高圧空気を供給する空気供給装置(4)を備えている、
    アスベスト除去装置。
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JP (1) JP2008200549A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011218341A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Koki Kamisaka 水和反応によるアスベスト無害化処理
CN105155864A (zh) * 2015-09-01 2015-12-16 中国十七冶集团有限公司 一种可视导杆修复高层真石漆外墙装置
CN107520234A (zh) * 2017-08-25 2017-12-29 黄光中 一种药料纯的医药胶囊剂拆分回收装置

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