JP2008198508A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両に搭載され、燃料電池から排出される排ガスに含まれる水分を利用して、燃料電池に供給される供給ガスに加湿を行う燃料電池システムにおいて、簡易な構造により、加湿性能の向上を図ることができるようにする。
【解決手段】燃料電池システム10の制御部40は、加湿性能が低下したと判断した場合、空気調和装置30から排出される凝縮水を、空気排出流路20を介して加湿器22に供給することにより、加湿用の水分を増加させる。このとき、凝縮水に含まれる不純物は、加湿器22の水透過膜24があるので供給ガスに含まれない。よって、簡易な構造により、加湿性能の向上を図ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池システム10の制御部40は、加湿性能が低下したと判断した場合、空気調和装置30から排出される凝縮水を、空気排出流路20を介して加湿器22に供給することにより、加湿用の水分を増加させる。このとき、凝縮水に含まれる不純物は、加湿器22の水透過膜24があるので供給ガスに含まれない。よって、簡易な構造により、加湿性能の向上を図ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池と、この燃料電池に供給される供給ガスの加湿を行う加湿装置とを含む燃料電池システムに関し、特に加湿を行う際の制御に関する。
燃料電池は、水素と酸素を電気化学反応させて発電を行う装置であり、この装置に水素および酸素を含むガスを供給する燃料電池システムが知られている。
この燃料電池システムに用いられる燃料電池には、燃料極(アノード)と空気極(カソード)との間に、プロトン伝導性を有する電解質膜が設けられている。電解質膜は、電気化学反応の際、電解質膜に含まれる水を媒体として、プロトンをアノードからカソードに移動させる。電解質膜に含まれる水が不足すると、電解質膜はプロトンを移動させにくくなるので、燃料電池の電気化学反応が良好に行われなくなる。良好に電気化学反応させるため、燃料電池システムにおいて、水分が電解質膜に供給されるように、供給ガスの加湿を行う加湿装置を備える例がある。
下記特許文献1には、燃料電池から排出される排ガスに含まれる水分を、水透過膜を介して、燃料電池に供給される供給ガスに移動させて、供給ガスの加湿を行う加湿装置を含む燃料電池システムが開示されている。
下記特許文献2には、車室用の空気調和装置から排出される凝縮水によりフィルタを湿らせ、このフィルタに供給ガスを通過させることにより、供給ガスの加湿を行う加湿装置を有する燃料電池システムが開示されている。
上記特許文献1の燃料電池システムにおいては、排ガスに含まれる水分が減少すると、排ガスから得られる加湿用の水分が減少するので、供給ガスを介して電解質膜に供給される水分が不足してしまう恐れがある。上記特許文献2の燃料電池システムにおいては、空気調和装置からの凝縮水に不純物が含まれており、この不純物が供給ガスとともに燃料電池に供給されると、燃料電池に不具合が発生する恐れがあるので、凝縮水に含まれる不純物を除去する濾過装置を設けなければならない。
本発明の目的は、車両に搭載され、燃料電池から排出される排ガスに含まれる水分を利用して、燃料電池に供給される供給ガスの加湿を行う燃料電池システムにおいて、簡易な構造により、加湿性能の向上を図ることができる燃料電池システムを提供することにある。
本発明は、車両に搭載され、水素と酸素を電気化学反応させて発電を行う燃料電池を有する燃料電池システムであって、燃料電池から排出される排ガスに含まれる水分を、水透過膜を介して、燃料電池に供給される供給ガスに移動させて、供給ガスの加湿を行う加湿手段と、前記加湿手段の加湿性能を判断する加湿性能判断手段と、を有し、前記加湿性能判断手段により加湿性能が低下したと判断された場合、車室用の空気調和装置から排出される凝縮水を、前記排ガスに含ませて前記加湿手段に供給する凝縮水供給手段と、を有することを特徴とする。
また、前記凝縮水供給手段が前記加湿手段に凝縮水を供給するとき、凝縮水を増加させるように前記空気調和装置を制御する空気調和装置制御手段を有することもできる。
また、前記凝縮水供給手段が前記加湿手段に凝縮水を供給するときに前記空気調和装置が動作していない場合、前記空気調和装置制御手段が前記空気調和装置を動作させることもできる。
さらに、前記凝縮水供給手段が前記加湿手段に凝縮水を供給するとき、前記空気調和装置制御手段が前記空気調和装置に設定されている設定温度を制御することもできる。
本発明の燃料電池システムによれば、車両に搭載され、燃料電池から排出される排ガスに含まれる水分を利用して、燃料電池に供給される供給ガスの加湿を行う燃料電池システムにおいて、簡易な構造により、加湿性能の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る車両に搭載された燃料電池システム10の実施形態について、図に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム10の概略構成を示す図である。燃料電池システム10は水素と酸素を電気化学反応させて発電を行う燃料電池12を有し、この燃料電池12に供給ガスとして水素と酸素を含むガス(以降、空気と記す)とを供給するガス供給手段を有する。水素のガス供給手段は、水素を貯蔵する水素源(図示せず)と、この水素源から燃料電池12に向けて水素が流れる水素供給流路14とを含む。また、空気のガス供給手段は、外部の空気を圧縮するコンプレッサ(図示せず)と、このコンプレッサから燃料電池12に向けて空気が流れる空気供給流路18とを含む。水素と空気のガス供給手段により供給ガスが燃料電池12に供給されることにより、発電が行われる。
燃料電池12には、電極として燃料極(アノード)と空気極(カソード)が設けられており、各電極には、各電極に供給される供給ガスが流れる流路と、各電極から排出される水素や空気、いわゆる排ガスが流れる流路が接続されている。すなわち、アノードには、アノードに供給される水素が流れる水素供給流路14と、アノードから排出される水素が流れる水素排出流路16が接続されており、カソードには、カソードに供給される空気が流れる空気供給流路18と、カソードから排出される空気が流れる空気排出流路20が接続されている。
燃料電池12は、例えばフッ素樹脂などの高分子材料により形成されたプロトン伝導性の膜体である電解質膜を有する固体高分子型の燃料電池である。固体高分子型の燃料電池の単電池(セル)は、電解質膜をアノードとカソードで挟んで構成される膜−電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)を、二枚のセパレータでさらに挟んで構成される。燃料電池12は、セルを複数積層して構成されるスタックを有する。
燃料電池12内における電気化学反応について説明する。アノードに水素が供給され、カソードに空気が供給される。アノードでは、水素がプロトンと電子に解離され、解離されたプロトンが電解質膜を、この電解質膜に含まれる水を媒体として、透過してカソードに移動する。一方、カソードでは、電解質膜を透過したプロトンと、燃料電池12の外部回路を通って供給された電子とが、空気に含まれる酸素と反応することにより、水が生成される。この一連の電気化学反応により、燃料電池12が発電する。
このような電気化学反応において、燃料電池12の電解質膜に含まれる水分が減少すると、プロトン伝導性が低下して膜の電気抵抗が大きくなるため、発電性能が低下する可能性がある。発電性能が低下しないように、空気供給流路18には、供給ガスの加湿を行う加湿器22が設けられている。この加湿器22からの水分が供給ガスを介して電解質膜に供給されるので、電解質膜の水不足が発生し難くなる。
加湿器22は、供給ガスの加湿を行う加湿部26と、排ガスに含まれる水分を分離する分離部28を有する。加湿部26と分離部28とは、水透過膜24により隔てられている。水透過膜24は、例えば高分子樹脂製の中空繊維からなる中空糸膜である。この中空糸膜が持つ毛管作用により、中空糸膜が隔てる一方の空間の湿潤気体から他方の空間の乾燥空気に水分が移動する。すなわち、毛管作用により、湿潤気体に含まれる水分が分離され、分離された水分が中空糸膜を透過して乾燥気体側に移動し、乾燥気体が加湿される。このように、水透過膜24は、湿潤気体からこの気体に含まれる水分、すなわち水蒸気のみ透過させることができる。一方、水透過膜24は、湿潤気体と一緒に供給される固体不純物の透過を防ぐだけではなく、湿潤気体に含まれる気体不純物の透過も防止する。加湿部26には、供給ガスが通過するように空気供給流路18が接続され、分離部28には、排ガスが通過するように空気排出流路20が接続されている。水分を含む排ガスが分離部28に流入すると、その水分のみが水透過膜24により分離され、加湿部26へ移動する。加湿部26に移動した水分は、加湿部26に流入してくる供給ガスに含まれ、供給ガスの加湿が行われる。
燃料電池12と加湿器22とを接続する空気排出流路20には、加湿器22に凝縮水を供給する凝縮水供給手段30が凝縮水供給流路32を介して接続されている。燃料電池12と加湿器22とを接続する空気排出流路20に凝縮水供給流路32が接続された部分は、燃料電池12からの排ガスと凝縮水供給手段30からの凝縮水が合流する部分であり、ここを以降、合流部34と記す。合流部34には、凝縮水供給流路32を流れてきた凝縮水を噴霧するインジェクタ(図示せず)が設けられている。インジェクタにより噴霧された凝縮水の少なくとも一部は、合流部34から加湿器22までの間の空気排出流路20内において、水蒸気になり排ガスに含まれる。凝縮水供給手段30は、凝縮水を生成して排出する車室用の空気調和装置である。本実施形態においては、凝縮水供給手段30のことを以降、空気調和装置30と記す。空気調和装置30は、空気を冷却する凝縮器を有しており、凝縮器を空気が通過することにより、空気中の水分が凝縮して凝縮水が生成される。
一般的に、水透過膜型の加湿器は、気体に含まれる水分が飽和状態、すなわち相対湿度Hが100%のとき、その気体から水分を最も多く分離し、分離された水分を加湿用の水分として利用することができる。その気体の相対湿度Hが低下し、気体に含まれる水分が不飽和状態になれば、その気体から分離され、加湿用として利用される水分が減少する。本実施形態においては、上記のように空気調和装置30から供給される凝縮水を、排ガスに含ませている。排ガスの相対湿度Hが100%未満のとき、インジェクタから噴霧される凝縮水が排ガスに含まれ、排ガスの相対湿度Hが上昇するので、加湿器22により排ガスから分離される水分が増加し、加湿用の水分が増加する。また、凝縮水が排ガスに含まれることにより、凝縮水に含まれる不純物が排ガスに含まれる。上述したような水透過膜24が持つ毛管作用により、水透過膜24は排ガスに含まれる水分を分離部28から加湿部26に移動させる。一方、その水分に含まれる不純物の移動を防ぐ。よって、凝縮水を排ガスに含ませる構成にすることにより、凝縮水に含まれる不純物が供給ガスに含まれることを防ぐことができる。
燃料電池システム10は、燃料電池12や各ガスの状態を検出して、その時の運転状態に応じて発電性能が最適になるよう加湿制御する制御部40を有する。制御部40には、各種検出部が接続されている。この各種検出部から制御部40に燃料電池12や各ガスの状態を示す信号が入力される。各種検出部は、例えば抵抗分極検出器42と湿度検出器44である。抵抗分極検出器42は、燃料電池12に設けられており、燃料電池12の内部電気抵抗Rを検出する検出器であり、例えば電極間の交流インピーダンスZにより内部電気抵抗Rを検出する。湿度検出器44は、加湿器22と合流部34との間の空気排出流路20に設けられており、排ガスの相対湿度Hを検出する。
また、制御部40には、空気調和装置30が接続されている。制御部40は、燃料電池システム10の運転状態に基づく制御信号を空気調和装置30に出力する。また、空気調和装置30は、必要に応じて制御部40に空気調和装置30の運転状態を示す信号を出力する。
制御部40に、各種検出器から燃料電池12や各ガスの状態を示す信号が入力される。制御部40は、抵抗分極検出器42から入力される内部電気抵抗Rに基づいて電解質膜に含まれる水分が不足しているか否かを判定する。燃料電池システム10においては、電解質膜の水分が減少しないように、加湿器22により供給ガスの加湿が行われている。加湿器22により良好に加湿が行われなければ、電解質膜の水分が減少し、電解質膜の電気抵抗を含む内部電気抵抗Rが増大してしまう。制御部40は、内部電気抵抗Rが予め設定された所定値R1より大きいとき、電解質膜に含まれる水分が不足していると判定する。ここで、内部電気抵抗Rが所定時間T1継続して所定値R1より大きい場合に電解質膜に含まれる水分が不足していると判定しても良い。所定時間T1継続するか否かを判定するのは、ガス流量や燃料電池12の温度などの運転条件の変更により内部電気抵抗Rの検出値に誤差が生じるためである。
次に、制御部40は、湿度検出器44から入力される排ガスの相対湿度Hに基づいて排ガス内の水分が不飽和状態であるか否かを判定する。上述したように加湿器22は、排ガスの相対湿度Hが100%のとき、排ガスに含まれる水分を最も多く加湿用の水分として利用することができるので、加湿性能としては最も高い状態である。制御部40は、相対湿度Hが予め設定された所定値H1、例えば100%未満のとき、排ガス内の水分が不飽和状態であると判定する。ここで、相対湿度Hが所定時間T2継続して所定値H1未満の場合に排ガス内の水分が不飽和状態であると判定しても良い。所定時間T2継続するか否かを判定するのは、ガス流量や燃料電池12の温度などの運転条件の変動により相対湿度Hの検出値に誤差が生じるためである。
以上の2つの判定の結果から、制御部40は、電解質膜に含まれる水分が不足し、かつ、排ガス内の水分が不飽和状態である時、加湿性能が低下したと判断する。加湿性能が低下したと判断した制御部40は、凝縮水を増加させるように空気調和装置30を制御する。凝縮水は、空気調和装置30の凝縮器により空気をより冷却すると、それに含まれる水分がより多く液化されて増加する。すなわち、空気をより冷却するように空気調和装置30の設定温度を下げれば凝縮水が増加する。まず、制御部40は、空気調和装置30がオフ状態の場合、オン状態になるよう制御信号を空気調和装置30に出力する。その後、空気調和装置30から排出される凝縮水が不足する場合、空気調和装置30の設定温度を下げるよう制御信号を空気調和装置30に出力する。空気調和装置30からの凝縮水が不足しているかどうかは、例えば排ガスの相対湿度Hに基づく排ガス内の水分状態の判定が援用される。すなわち、排ガスの相対湿度Hが所定値H1未満のとき、排ガス内の水分が不飽和状態であると判定し、凝縮水が不足していると判断する。ここで、上述のように相対湿度Hの検出値の誤差を考慮し、相対湿度Hが所定時間T2継続して所定値H1未満の場合に排ガス内の水分が不飽和状態であると判定して、凝縮水が不足していると判断しても良い。増加された凝縮水により加湿器22は、加湿用の水分を増加させることができ、加湿性能の向上が図られる。
制御部40には、これの指令により空気調和装置30が動作する旨を搭乗者に報知する報知手段(図示せず)が接続されている。報知手段は、例えば、車室のインストルメントパネルに表示して知らせる手段、音や音声により知らせる手段、それらを組み合わせて知らせる手段である。
次に、制御部40の加湿制御の動作について図を用いて説明する。図2は、制御部40の加湿制御動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップ100において、抵抗分極検出器42から内部電気抵抗Rが検出され、ステップS101が実行される。ステップS101においては、検出された内部電気抵抗Rにより、電解質膜に含まれる水分が不足しているか否かが判定される。内部電気抵抗Rが所定値R1より大きいとき、電解質膜に含まれる水分が不足していると判定され、ステップS102に移行する。ここで、内部電気抵抗Rが所定時間T1継続して所定値R1より大きい場合に電解質膜に含まれる水分が不足していると判定されても良い。一方、内部電気抵抗Rが所定値R1以下になるときは、電解質膜の湿潤性が保たれていると判定されるので、制御動作が終了する。
次に、ステップS102において、湿度検出器44から排ガスの相対湿度Hが検出され、ステップS103が実行される。ステップS103においては、検出された排ガスの相対湿度Hにより、排ガス内の水分が不飽和状態であるか否かが判定される。相対湿度Hが100%未満のとき排ガス内の水分が不飽和状態であると判定される。この判定結果と先のステップS101の判定結果より加湿性能が低下したと判断され、ステップS104に移行する。ここで、相対湿度Hが所定時間T2継続して100%未満の場合に排ガス内の水分が不飽和状態にあると判定されても良い。一方、相対湿度Hが100%の時は、排ガス内の水分が飽和状態であると判定され、その時の加湿器22の加湿性能が最大であるので、制御動作が終了する。
ステップS104では、空気調和装置30の動作状態や設定温度などの空気調和装置30の運転状態が検出される。
ステップS105において、空気調和装置30が凝縮水を排出可能な状態であるか否かが判断される。空気調和装置30がオン状態の場合、凝縮水を排出することができる状態であると判断される。一方、空気調和装置30がオン状態ではない場合、凝縮水を排出することができる状態ではないため、ステップS106において、搭乗者に、空気調和装置30を動作させる旨が報知され、ステップS107において、凝縮水を排出可能な状態になるように、空気調和装置30が動作される。
ステップS108において、排ガスに含ませて加湿器22に供給される凝縮水が不足しているか否かが判断される。排ガスの相対湿度Hが100%未満のとき排ガス内の水分が不飽和状態であると判定され、凝縮水が不足していると判断されるので、ステップS109に移行する。ここで、相対湿度Hが所定時間T2継続して100%未満の場合に排ガス内の水分が不飽和状態であると判定され、凝縮水が不足していると判断されても良い。そして、ステップS109において、搭乗者に、空気調和装置30の設定温度を変更する旨が報知され、ステップS110において、凝縮水がより多く排出されるよう空気調和装置30の設定温度が変更され、制御動作が終了する。一方、ステップS108において、排ガスの相対湿度Hが100%の時は、排ガス内の水分が既に飽和状態であるので、その時の空気調和装置30から供給される凝縮水は適量であると判断され、制御動作が終了する。
本実施形態に係る燃料電池システム10によれば、加湿性能が低下した場合、空気調和装置30からの凝縮水が排ガスを介して加湿器22に供給されるので、加湿性能の向上を図ることができる。また、空気調和装置30からの凝縮水が流れる凝縮水供給流路32が、燃料電池12と加湿器22とを結ぶ空気排出流路20に接続され、凝縮水が排ガスに供給されるので、加湿器22の水透過膜24が凝縮水に含まれる不純物を供給ガスに始動させることを防止する。よって、凝縮水に含まれる不純物を除去するための濾過装置を新たに設けることなく、簡易な構造により空気調和装置30からの凝縮水を加湿用の水分として利用することができる。
上記実施形態では、凝縮水を加湿器22に供給する凝縮水供給手段30が空気調和装置30である場合について説明したが、この構成に限定されるものではない。凝縮水供給手段30は、空気調和装置の他に、凝縮水を合流部34に圧送するポンプを含む構成であってもよい。加湿性能が低下したとき、制御部40は、空気調和装置に対して上述のように凝縮水がより多く排出されるよう制御を行うとともに、排出される凝縮水を合流部34に圧送するようポンプを制御する。ポンプにより凝縮水が圧送されるので、凝縮水を効率よく合流部34に供給することができる。さらに、空気調和装置とポンプとの間に、凝縮水を貯留する貯留タンクを設ける構成であってもよい。貯留タンクにより凝縮水が一定量貯留されるので、凝縮水を加湿器22に安定して供給することができる。このような貯留タンクを含む構成においては、制御部40が、貯留タンクの凝縮水の水位に基づいて空気調和装置の制御を行ってもよい。例えば、水位が所定値まで減少したとき、凝縮水がより多く排出されるように空気調和装置の制御を行ってもよい。
上記実施形態では、燃料電池12の電解質膜に水分を供給するため、燃料電池12に供給される空気の加湿を行うよう加湿器22が設けられた場合について説明したが、燃料電池12に供給される水素の加湿を行うよう加湿器が設けられていてもよい。
上記実施形態では、制御部40が内部電気抵抗Rと相対湿度Hにより加湿性能を判断する場合について説明したが、内部電気抵抗Rと相対湿度Hのいずれか一方により加湿性能を判断してもよい。
10 燃料電池システム、12 燃料電池、18 空気供給流路、20 空気排出流路、22 加湿器、24 水透過膜、30 空気調和装置(凝縮水供給手段)、32 凝縮水供給流路、40 制御部、42 抵抗分極検出器、44 湿度検出器。
Claims (4)
- 車両に搭載され、水素と酸素を電気化学反応させて発電を行う燃料電池を有する燃料電池システムであって、
燃料電池から排出される排ガスに含まれる水分を、水透過膜を介して、燃料電池に供給される供給ガスに移動させて、供給ガスの加湿を行う加湿手段と、
前記加湿手段の加湿性能を判断する加湿性能判断手段と、
を有し、
前記加湿性能判断手段により加湿性能が低下したと判断された場合、車室用の空気調和装置から排出される凝縮水を、前記排ガスに含ませて前記加湿手段に供給する凝縮水供給手段と、
を有することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記凝縮水供給手段が前記加湿手段に凝縮水を供給するとき、凝縮水を増加させるように前記空気調和装置を制御する空気調和装置制御手段を有する、
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2記載の燃料電池システムであって、
前記凝縮水供給手段が前記加湿手段に凝縮水を供給するときに前記空気調和装置が動作していない場合、前記空気調和装置制御手段が前記空気調和装置を動作させる、
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2または3に記載の燃料電池システムであって、
前記凝縮水供給手段が前記加湿手段に凝縮水を供給するとき、前記空気調和装置制御手段が前記空気調和装置に設定されている設定温度を制御する、
ことを特徴とする燃料電池システム。
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