JP2008195140A - レーダシステム、物標検知プログラム、及び物標検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検知される物標に重み付けをする優先検知範囲を操舵角に基づいて設定するレーダシステムにおいて、かかるレーダシステムを搭載した車両が左右方向に傾斜した直線道路を走行する際に、実際の進行路前方の先行車両を的確に検知する。
【解決手段】
自車両の操舵角に対応する進行路のカーブ半径を求め、自車両が走行する走行路面の左右方向の傾斜角に応じて異なる補正量により前記カーブ半径の値を増加させる補正を行うカーブ半径算出手段と、前記補正されたカーブ半径に対応する進行路前方の物標との相対距離または相対速度をレーダ波の反射波信号に基づいて検知する物標検知手段とを有するレーダシステムにより、補正されたカーブ半径に対応する自車両の進行路を求める。よって、傾斜角の増大にともないカーブ半径が減少しても、減少したカーブ半径を補正でき、実際の進行路前方の物標を検知することができる。
【選択図】図6
【解決手段】
自車両の操舵角に対応する進行路のカーブ半径を求め、自車両が走行する走行路面の左右方向の傾斜角に応じて異なる補正量により前記カーブ半径の値を増加させる補正を行うカーブ半径算出手段と、前記補正されたカーブ半径に対応する進行路前方の物標との相対距離または相対速度をレーダ波の反射波信号に基づいて検知する物標検知手段とを有するレーダシステムにより、補正されたカーブ半径に対応する自車両の進行路を求める。よって、傾斜角の増大にともないカーブ半径が減少しても、減少したカーブ半径を補正でき、実際の進行路前方の物標を検知することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、車両前方の物標との相対距離等を検知するレーダシステム、物標検知プログラム、及び物標検知方法に関し、特に、操舵角に対応した自車両の進行路前方の物標との相対距離等を検知するレーダシステム、物標検知プログラム、及び物標検知方法に関する。
先行車両との相対的な距離、速度、位置を車載レーダで検知して、先行車両に対し所定の車間距離を維持して追従走行するように自車両の走行速度を自動制御する車載用のレーダシステムが知られている。特許文献1には、かかるレーダシステムの一例が記載されている。
図1は、上記のような追従走行制御を行うレーダシステムが車両に搭載される例を示す図である。車両10の前部には車両10の前方で左右方向に一定角度で広がる検知範囲1aをスキャンするレーダアンテナ11が搭載され、レーダアンテナ11が受信する反射レーダ信号を処理して先行車両との相対的な距離、速度、位置を検知するレーダ装置51と、レーダ装置51の検知結果が入力される走行制御ECU(Electronic Control Unit)52とが搭載される。走行制御ECU52は、さらに車両10に搭載される各種センサから、車両10のハンドルの操舵角、走行速度等が入力され、レーダ装置51とこれら各種センサからの入力に基づいて先行車両に追従走行するようにブレーキやエンジンの制御を行う。かかるレーダ装置51と走行制御ECU52とがレーダシステム101を構成する。
図2は、レーダシステム101の検知範囲1aと先行車両との位置関係を説明する図である。まず、図2(A)に示すように、直線道路において車両10と同一車線を走行する先行車両20は、点線の三角形で表される検知範囲1a内で検知される。また、検知範囲1a内では同時に隣接車線を先行する先行車両30が検知される場合がある。すると、レーダシステム101においては、先行車両20、30のいずれかを追従対象として判定する。かかる場合に、レーダシステム101は、車両10の正面Cにおいて検知範囲1aより狭い角度範囲の、実線の三角形で表される検知範囲1bで検知される物標に対し、検知範囲1b以外の検知範囲1aから検知される物標より大きい重み付けを行う(以下、便宜上、検知範囲1bを優先検知範囲1bという)。そして、レーダシステム101は、より大きく重み付けされた物標、つまり車両10と同一車線の先行車両20を追従対象として判定し、先行車両20に対して追従走行制御を行う。
すると、レーダシステム101においては、図2(B)に示すようにカーブした道路を走行する場合に、追従すべき先行車両20が車両10の正面Cの優先検知範囲1bから外れてしまう。よって、図2(C)に示すように、旋回する車両10の進行路を車両10の操舵角に応じて求め、求めた進行路上に一致するように車両10正面Cから優先検知範囲1bをシフトする方法が提案されている。かかる方法によれば、レーダシステム101は、追従すべき先行車両20を優先検知範囲1b内で捕捉できる。
特開2002−248964号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、優先検知範囲1bを操舵角に基づいて設定するので、次のような問題が生じる。図3は車両10の走行路面の傾斜と車両10の進行路について説明する図である。図3(A)には直線道路における車両10の進行路が、図3(B)には走行路の左右方向の傾斜が示される。図3(B)に示されるように走行路面が車両10の前方に対し左方向Lに向かって傾斜している場合、車両10の操舵方向が前方正面を向いたままでは重力の影響で車両10は図3(A)に示すように傾斜方向Lへ向かう軌跡D1を描く。よって、通常は、運転者は右方向へ操舵することにより車両10の直進を保つ。すると、そのとき操舵角に基づいて車両10の進行路を求めると、進行路D2のように右方向へ旋回する見かけ上の進行路が求められる。そして、この見かけ上の進行路D2上に設定されるレーダシステム101の優先検知範囲1bには、図3(C)で示すように、車両10と同一車線の先行車両20は含まれず、代わりに隣接車線の先行車両30が含まれてしまう。
すると、直線道路を走行しているにもかかわらず、車両10のレーダシステム101は、同一車線の先行車両20に対して追従走行制御をせずに、隣接車線の先行車両30に対して追従走行制御をする。よって、本来追従走行すべき先行車両20に対して適切な車間距離が維持されず、事故の危険性が増加してしまうという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、検知される物標に重み付けをする優先検知範囲を操舵角に基づいて設定するレーダシステムにおいて、かかるレーダシステムを搭載した車両が左右方向に傾斜した直線道路を走行する際に、実際の進行路前方の先行車両との相対距離等を的確に検知できるレーダシステム等を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面は、自車両の操舵角に対応する進行路のカーブ半径を求め、前記カーブ半径が所定の半径より大きい場合であって、自車両が走行する走行路面が左右方向において操舵方向と反対方向へ傾斜し、当該傾斜角が所定の角度より大きいときに、当該傾斜角に対応する補正量で前記カーブ半径の絶対値を増加させる補正を行うカーブ半径算出手段と、前記補正されたカーブ半径に対応する進行路前方の物標からのレーダ反射信号に基づいて当該物標との相対距離または相対速度を検知する物標検知手段とを有するレーダシステムである。
上記側面の好ましい実施態様によれば、上記レーダシステムは、前記進行路前方の物標との相対距離または相対速度の変化量を所定の時間監視し、前記変化量が所定量以下のときに前記物標に対する自車両の追従走行制御を行う走行制御手段とを更に有する。
上記側面によれば、走行路面の左右方向の傾斜角が自車両の操舵方向と反対方向へ傾斜するときは、その傾斜角に対応する補正量でカーブ半径の絶対値を増加させる補正を行い、補正されたカーブ半径に対応する自車両の進行路を求める。よって、操舵角に基づいて求める見かけ上の進行路がカーブを描く場合であっても、その進行路を直線状の実際の進行路に近づける補正を行うことができ、見かけ上の進行路前方の物標を検知することにより実際の進行路前方の物標を検知することができる。
上記の好ましい態様によれば、前記進行路前方の物標との相対距離または相対速度の変化量を所定の時間監視し、変化量が所定量以下のとき追従走行制御を行うので、カーブ半径を補正したときの物標検知結果を利用してより確実性の高い追従走行制御を行うことができる。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図4は、本実施形態におけるレーダシステムの構成を説明する図である。図4(A)に第1の、図4(B)に第2の2つの構成例が示される。まず、図4(A)の第1の構成例について説明する。
レーダシステム100は、車両10前方をスキャンするレーダアンテナ11からレーダ反射信号が入力されるレーダ装置1と、レーダ装置1がレーダ反射信号に基づいて検知する先行車両に対し追従走行制御を行う走行制御ECU2とを有する。レーダ装置1は、一例としてレーダ信号用の信号処理回路で構成される。また、走行制御ECU2は、一例として内蔵された処理プログラムにより動作するマイクロコンピュータにより構成される。
レーダアンテナ11は、一例として、検知範囲1aの角度範囲を揺動しながら、ミリ波のレーダ信号を送出して物標からのレーダ反射信号を受信するスキャン式のレーダアンテナである。レーダアンテナ11が受信したレーダ反射信号は、レーダ装置1のレーダ信号処理部12に入力される。するとレーダ信号処理部12は、レーダ反射信号をFFT(Fast Fourier Translation)処理し、スキャン角度ごとにパワースペクトルを検出して、検出結果を物標検知部14へ入力する。すると、物標検知部14は、この入力に基づいて物標の角度方向、相対距離、及び相対速度を算出し、算出した物標データ14bを走行制御ECU2に入力する。
走行制御ECU2には、レーダ装置1からの物標データ14bの入力に加え、車両10に搭載されるステアリングセンサ3や車速センサ4などの各種センサから検知信号が入力される。走行制御ECU2は、物標データ14bと、ステアリングセンサ3が検知する車両10の操舵角データと、車速センサ4が検知する車両10の走行速度データとに基づいて、先行車両との車間距離を適切に保つような制御信号を演算生成する。そして、走行制御ECU2は、制御信号を車両10のブレーキECU7、エンジンECU8に入力する。すると、ブレーキECU7によりブレーキが駆動され、あるいはエンジンECU8によりエンジン出力の増減が行われ、先行車両への追従走行制御が行われる。あるいは、走行制御ECU2は、車間距離が近すぎる場合、例えば、衝突する可能性が高い距離まで先行車両に近接した場合は警報機6により乗員に警告を行う。
本実施形態のレーダシステム100では、走行制御ECU2が、カーブ半径算出プログラム21に従って演算を行い、車両10の操舵角に対応する進行路のカーブ半径を求める。そして、走行制御ECU2は、ジャイロセンサ5により検知される走行路面の左右方向の傾斜角と、走行速度とに対応する補正量により、操舵角に対応するカーブ半径を補正する。この補正を行うため、走行制御ECU2の内蔵メモリには補正係数を格納した補正係数テーブル24が予め記憶される。この補正により、車両10の実際の進行路のカーブ半径に近いカーブ半径が求められ、求められたカーブ半径データ14aは物標検知部14に入力される。
すると、物標検知部14は、物標データ14bを算出するときに、補正されたカーブ半径に対応する進行路上の優先検知範囲1b内で検知される物標の物標データに、優先検知範囲1b以外の検知範囲1aで検知される物標の物標データより大きい重みを付けて、重み付けされた物標データ14bを走行制御ECU2に出力する。そうすることにより、走行制御ECU2は、検知範囲1a内で検知された物標の中から、最も大きい重み付けがされた物標を追従対象として選択する。そして、追従対象の物標に対して、上記の追従走行制御処理が行われる。
よって、走行路面が左右に傾斜している場合であっても、走行路面の傾斜に影響された操舵角から求められるカーブ半径を補正するので、車両10の実際の進行路前方の先行車両に対し追従走行制御を行うことができる。このように、第1の構成例においては、物標検知部14が「物標検知手段」に対応し、走行制御ECU2が「カーブ半径算出手段」と「走行制御手段」に対応する。
図4(B)の第2の構成例では、走行制御ECU2は求めたカーブ半径データ14aを物標検知部14に入力せず、また、物標検知部14は検知範囲1a内で検知される物標の物標データ14cを重み付けせずに走行制御ECU2に入力する。
一方、走行制御ECU2は、上記のようにしてカーブ半径算出プログラム21に従って車両10の操舵角、走行路の傾斜角、及び車両10の走行速度に対応する進行路のカーブ半径を求める。そして、走行制御ECU2は、物標検知プログラム23に従って演算を行い、物標データ14cのうち、求めたカーブ半径に対応する進行路上の優先検知範囲1b内で検知される物標の物標データに優先検知範囲1b以外の検知範囲1aで検知される物標の物標データより大きい重みを付ける。そして、走行制御ECU2は、検知範囲1a内で検知された物標の中から、最も大きい重み付けがされた物標を追従対象として選択する。そして、追従対象の物標に対して追従走行制御が行われる。
よって、第2の構成例においても、走行路面が左右に傾斜している場合に、走行路面の傾斜に影響された操舵角から求められるカーブ半径を補正するので、車両10の実際の進行路前方の先行車両に対し追従走行制御を行うことができる。このように、第2の構成例においては、走行制御ECU2が「カーブ半径算出手段」、「物標検知手段」、及び「走行制御手段」に対応する。また、走行制御ECU2のカーブ半径算出プログラム21と物標検知プログラム23とが、「物標検知プログラム」に対応する。
次に、図5〜図12を用いて、本実施形態におけるレーダシステム100の動作手順について説明する。なお、以下の手順は、上記第1の構成例、第2の構成例いずれにも適用される。
図5は、本実施形態におけるレーダシステム100の動作手順を説明するフローチャート図である。レーダシステム100は、まず車両10の操舵角、走行速度、および走行路面の傾斜角から車両10の進行路に対応するカーブ半径を算出する(S10)。そして、レーダシステム100は算出したカーブ半径に対応する進行路上の物標を検知する(S20)。そして、レーダシステム100は、検知した物標に対し、追従走行制御を実行する(S30)。
図6は、本実施形態におけるレーダシステム100のカーブ半径算出手順を説明するフローチャート図である。図6に示す手順は、図5の手順S10に対応し、走行制御ECU2の動作手順を示す。また、図7は、進行路とカーブ半径の対応関係について説明する図である。そして、図8は、走行路面の傾斜角を説明する図である。さらに、図9は、カーブ半径の補正係数テーブル24について説明する図である。さらに、図10は、走行路面の傾斜角とカーブ半径の関係、及び車両10の走行速度とカーブ半径の関係について説明する図である。次の説明では、図6のフローチャートに従いつつ、図7〜図10を適宜参照する。
まず、走行制御ECU2には、ステアリングセンサ3から操舵角データが、車速センサ4から走行速度データが入力される(S1)。すると、走行制御ECU2は、操舵角に対応する車両10の進行路のカーブ半径を算出する(S2)。ここで、カーブ半径は、車両10が旋回して走行するときの走行路の軌跡が円周の一部をなすような円の半径をいう。車両の操舵角が与えられると、操舵角に対応するカーブ半径は公知の演算方法により求められる。ここで、図7を用いて操舵角とカーブ半径との対応関係を説明する。
図7(A)には、車両10が、右方向に操舵角θ1で旋回するときの進行路a1と、進行路a1を円周の一部とする円の半径、つまりカーブ半径R1が示される。また、図7(B)には、車両10が、右方向に操舵角θ1より小さい操舵角θ2で旋回するときの進行路a2と、進行路a2を円周の一部とする円の半径、つまりカーブ半径R2が示される。すると、図7(A)、(B)に示すように、操舵角θ1のときのカーブ半径R1より、操舵角θ2のときのカーブ半径R2の方が大きい。すなわち、操舵角とカーブ半径は、操舵角が大きいほど、進行路は急なカーブを描くためカーブ半径は小さくなり、操舵角が小さいほど、進行路は直線に近づくためカーブ半径は大きくなるという対応関係にある。なお、図7(A)、(B)はいずれも車両10が右方向へ旋回する場合のカーブ半径を示しているが、本実施形態においては左方向へ旋回する場合も同様にして操舵角からカーブ半径が求められ、左方向へ旋回する場合のカーブ半径は負の値として表される。
図6に戻り、走行制御ECU2は、手順S2で算出したカーブ半径の絶対値と、予め設定された基準値「A」とを比較する。なお、カーブ半径の絶対値を用いるのは、左方向のカーブ半径は負の値を有するためである。ここで、例えば基準値「A」を10,000メートルとすると、カーブ半径の絶対値が基準値「A」以上の場合は、車両10の進行路はほぼ直線とみなされる。よって、その場合(S3のYES)は、手順S4に進み、算出したカーブ半径を確定する。
一方、カーブ半径の絶対値が基準値「A」を下回る場合(S3のNO)は、車両10の進行路はカーブを描いているとみなされる。ここで、実際に進行路がカーブしている場合と、進行路は直線であるにもかかわらず操舵方向と反対方向に傾斜しているために、運転者が直進を維持するためにハンドルを操舵した場合とを区別する。そこで、走行制御ECU2には、ジャイロセンサ5から走行路面の傾斜角データが入力される(S5)。ここで、走行路面の傾斜角は、図8に示すように、車両10の前方に向かって左右方向LRの傾斜角をいう。そして、本実施形態では、左方向Lへ傾斜する場合の傾斜角xを正の値、右方向へ傾斜する場合の傾斜角xを負の値で表す。
そして、走行制御ECU2は、走行路面の傾斜角の絶対値を予め設定された基準値「B」と比較する。ここで、基準値「B」を、走行路面の傾斜が車両10の直進に影響を与えない程度に小さい値にしておく。すると、傾斜角の絶対値が基準値「B」を下回る場合は、走行路面の傾斜角は水平に近いので、その場合の操舵角は走行路面の傾斜に起因するものではなく、運転者が車両10を実際にカーブしている道路を旋回させるために操舵したことによるものである。よって、その場合は(S6のYES)、手順S4に進み、算出したカーブ半径を確定する。反対に、傾斜角の絶対値が基準値「B」以上の場合は(手順S6のNO)、手順S7に進み、走行制御ECU2の内蔵メモリに格納される補正係数テーブル24から、カーブ半径の補正係数を抽出する。
補正係数テーブル24には、図9に示すように、車両10の走行路面の傾斜角xと走行速度vとに対応づけられた補正係数α(x,v)が格納される。この補正係数α(x,v)は、手順S2で算出されたカーブ半径に対して乗算される係数であり、「1」を最小とする正の実数である。この補正係数を乗算することにより、算出されたカーブ半径の絶対値が増加する補正が行われる。
まず、走行路面の傾斜角xと補正係数α(x,v)との対応について説明する。傾斜角0度、つまり走行路面が水平な状態に対応する補正係数α(1,v)は「1」である。すなわち、走行路面が水平であれば算出されたカーブ半径を補正する必要はない。しかし、傾斜角xの絶対値が大きくなるに伴い、傾斜角に対して車両10を直進させるための操舵角が大きくなる。例えば、図10(A)に左方向へ傾斜した傾斜角x1の走行路面の場合と、図10(B)に左方向へ傾斜した傾斜角x1より大きい傾斜角x2で傾斜した走行路面の場合を示すと、傾斜角x1に対処して車両10を直進させるための操舵角より、傾斜角x2に対処して車両10を直進させるための操舵角の方が大きい。すると、操舵角が大きくなるに伴い、車両10の進行路に対応するカーブ半径の絶対値が小さくなるので、傾斜角x1に対応する進行路D91のカーブ半径R91の絶対値より、傾斜角x2に対応する進行路D92のカーブ半径R92の絶対値の方が小さい。よって、進行路D91を実際の進行路D9に近づけるためにカーブ半径R91に乗ずる補正係数α(x1,v)より、進行路D92を実際の進行路D9に近づけるためにカーブ半径R91に乗ずる補正係数α(x2,v)の方が大きい値となる。このように、補正係数テーブル24に格納される補正係数は、傾斜角の絶対値が大きくなるに伴い、大きい値となる。なお、傾斜角xの正の値は、図8に示したように左方向への傾斜角、負の値は右方向への傾斜角を示す。
次に、走行速度vと補正係数α(x,v)との対応について説明する。図10(C)には、走行路面の傾斜角を図10(A)で示した傾斜角x1に固定した場合の、走行速度V1のときの車両10の進行路D93と、走行速度V1より小さい走行速度V2のときの車両10の進行路D94とが示される。図示されるように、車両10の走行速度が大きいほど直進する傾向が大きくなるので、車両10の直進を維持するための操舵角は、走行速度が大きいほど傾斜方向と反対側へ小さくなり、走行速度が大きいほど傾斜方向と反対側へ大きくなる。すると、操舵角が大きくなるに伴い、車両10の進行路に対応するカーブ半径の絶対値が小さくなるので、走行速度V1のときの進行路D93のカーブ半径R93より、走行速度V2のときの進行路D94のカーブ半径R94の方が小さい。よって、進行路D93を実際の進行路D9に近づけるためにカーブ半径R93に乗ずる補正係数α(x1,v1)より、進行路D94を実際の進行路D9に近づけるためにカーブ半径R94に乗ずる補正係数α(x1,v2)の方が大きい値となる。よって、補正係数テーブル24に格納される補正係数α(x,v)は、走行速度が小さいほど大きく、走行速度が大きくなるにともない小さな値となる。そして、走行速度が十分大きく、傾斜角が車両10の直進に影響を与えないような走行速度のときは、補正係数α(x,v)は「1」となる。
図6に戻ると、走行制御ECU2は、手順S7で上記のように構成される補正係数テーブル24から走行路面の傾斜角と車両10の走行速度に対応した補正係数を抽出し、抽出した補正係数を算出されたカーブ半径に乗算することにより、カーブ半径を補正する(S8)。そして、補正されたカーブ半径が確定される(S4)。
このようにして、走行制御ECU2は、傾斜角の増大にともない傾斜と反対方向へ操舵角が増大し、操舵角の増大に伴ってカーブ半径が減少しても、減少したカーブ半径を補正し、増大させる。よってカーブ半径に対応する見かけ上の進行路を実際の直線状の進行路に近づけることができる。
図11は、本実施形態におけるレーダシステム100の物標検知手順を説明するフローチャート図である。図11に示す手順は図5の手順S20に対応しており、第1の構成例では物標検知部14の、第2の構成例では走行制御ECU2の動作手順を示す。また、図12は、本実施形態におけるレーダシステム100の追従走行制御手順を説明するフローチャート図である。図12に示す手順は図5の手順S30に対応しており、走行制御ECU2の動作手順を示す。
まず、図11に示すように、物標検知部14または走行制御ECU2は、上記手順で確定されたカーブ半径に対応する車両10の進行路上に優先検知範囲1bを設定し(S21)、設定した優先検知範囲1bで検知した物標データに重み付けを行う(S22)。
そして、図12に示すように、走行制御ECU2は、最も大きい値が重み付けされた物標データを追従対象として選択する(S31)。そして、走行制御ECU2は、選択した物標データを、前回のスキャンで選択した物標データとを比較する(S32)。ここで、車両10と物標との相対的な位置、速度、距離のデータについて、それぞれのデータの前回のスキャンから今回のスキャンまでの変化量が求められる。そして、変化量が所定の基準値以下であれば、同一物標を検知したものと判断する。なお、走行制御ECU2は1スキャンの間隔において物標データの変化を監視しているが、監視時間はこれに限られず任意に設定できる。また、相対的な位置、速度、距離の変化量の基準値は、同一物標と判断できる程度の値を基準値として任意に設定することができる。そして、前回の物標データと今回の物標データとが同一物標と判断される場合には(S33のYES)、その物標に対し追従走行制御を行う(S34)。
このようにして、レーダシステム100は、優先検知範囲1bで検知した物標データが複数回のスキャンで検知されることを確認するので、より確実性の高い物標データに基づいて車両10の追従走行制御を行うことができ、安全性が向上する。
なお、上述したレーダシステム100は、車両後部または側面に備えることもでき、車両の後方または側方を監視することもできる。その場合において、走行路面の傾斜角に応じて操舵角に対応するカーブ半径を補正することができ、車両が直進する状態で監視すべき後方または側方の監視範囲に対し優先検知範囲を設定できる。よって、実際の車両の進行路に対応した範囲で物標を検知できる。
また、物標との相対速度、相対距離等を検知するレーダシステムと、走行路面の傾斜角を検知できるジャイロセンサが搭載された車両においては、レーダシステムの走行制御ECUに「物標検知プログラム」をインストールすることにより、追加のハード構成を要することなく、本実施形態のレーダシステムが適用できる。
以上説明したように、本実施形態におけるレーダシステムは、検知される物標に重み付けをする優先検知範囲を操舵角に基づいて設定する際に、走行路面の傾斜角に対応してカーブ半径を補正するので、自車両の実際の進行路前方の先行車両を的確に検知できる。
1:レーダ装置、2:走行制御ECU、14:物標検知部、
21:カーブ半径算出プログラム、24:補正係数テーブル、
100:レーダシステム
21:カーブ半径算出プログラム、24:補正係数テーブル、
100:レーダシステム
Claims (4)
- 自車両の操舵角に対応する進行路のカーブ半径を求め、前記カーブ半径が所定の半径より大きい場合であって、自車両が走行する走行路面が左右方向において操舵方向と反対方向へ傾斜し、当該傾斜角が所定の角度より大きいときに、当該傾斜角に対応する補正量で前記カーブ半径の絶対値を増加させる補正を行うカーブ半径算出手段と、
前記補正されたカーブ半径に対応する進行路前方の物標からのレーダ反射信号に基づいて当該物標との相対距離または相対速度を検知する物標検知手段とを有するレーダシステム。 - 請求項1において、
前記進行路前方の物標との相対距離または相対速度の変化量を所定の時間監視し、前記変化量が所定量以下のときに前記物標に対する自車両の追従走行制御を行う走行制御手段を更に有するレーダシステム。 - 自車両の操舵角に対応する進行路のカーブ半径を求める手順と、
前記カーブ半径が所定の半径より大きい場合であって、自車両が走行する走行路面が左右方向において操舵方向と反対方向へ傾斜し、当該傾斜角が所定の角度より大きいときに、当該傾斜角に対応する補正量で前記カーブ半径の絶対値を増加させる補正を行う手順と、
前記補正されたカーブ半径に対応する進行路前方の物標からのレーダ反射信号に基づいて当該物標との相対距離または相対速度を検知する手順とをレーダシステムの情報処理装置に実行させる物標検知プログラム。 - 自車両の操舵角に対応する進行路のカーブ半径を求める工程と、
前記カーブ半径が所定の半径より大きい場合であって、自車両が走行する走行路面が左右方向において操舵方向と反対方向へ傾斜し、当該傾斜角が所定の角度より大きいときに、当該傾斜角に対応する補正量で前記カーブ半径の絶対値を増加させる補正を行う工程と、
前記補正されたカーブ半径に対応する進行路前方の物標からのレーダ反射信号に基づいて当該物標との相対距離または相対速度を検知する工程とを有する物標検知方法。
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JP2018103796A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 日野自動車株式会社 | 運転支援制御装置 |
CN113805146A (zh) * | 2021-07-23 | 2021-12-17 | 北京空间飞行器总体设计部 | 一种高轨sar图像空变相位误差估计方法 |
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2007
- 2007-02-09 JP JP2007030415A patent/JP2008195140A/ja not_active Withdrawn
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