JP2008194575A - 薄膜構造 - Google Patents

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智 田畑
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雅彦 山中
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Abstract

【課題】塗膜が高級感を発揮するための材料特性や光学特性を明らかにし、もって漆同等の高級な質感を、例えば合成塗料を用いた塗膜などによって再現することができる薄膜構造を提供する。
【解決手段】基材1上に、微粒子Pとバインダー樹脂Rを含有する少なくとも1層の薄膜層1から成る薄膜構造を形成し、上記微粒子Pとバインダー樹脂Rとの屈折率の差が0.005以上となるように、微粒子材料及びバインダー樹脂材料を選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば金属などの材料から成る物品の表面に適用され、その表面を保護すると共に、物品の美観を高めるための塗膜に代表される薄膜構造に係わり、特に漆(うるし)のような深み感を備えた高級感を得ることができる薄膜構造に関するものである。
例えば、自動車や、家電製品等への塗装については、防錆性、防汚性、耐候性等の機能に加えて、意匠性が重要となっており、性能に加えて意匠性を高めることが重要なファクターの1つになっている。
また、昨今、自動車市場においても、高級化が要求されており、自動車内装の高級化指向として、その質感向上求められている。
自動車メーカーや材料メーカーは、質感の高い素材として漆材料に注目しているが、漆を構成しているウルシオールが紫外線に弱く、耐候性能が低いといった性能面での問題や、製品として仕上げる迄に約3ヶ月を要するなど生産性上の課題が大きく、これまで内装用部品を初めとした自動車部品に漆材料が適用された事例は報告されていない。
このような高級感を得るための塗装方法や塗膜構造としては、漆を模した合成塗料(カラークリヤ)を使用して、ベースコートや透明クリヤとウエットオンウエットで塗装したり、ベースコートとウエットオンウエットで塗装し焼付けた透明クリヤの上に塗装したりすることや、特定明度のメタリックベースコートと光透過率を特定した着色クリヤートップコートから成る複層塗膜構造が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開平03−012263号公報 特開平04−016269号公報 特開平04−326964号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の方法や塗膜構造では、通常の塗膜構造に比較すれば、かなりの高級感が得られなくはないものの、さらに優れた深み感を十分に表現できる塗膜構造や塗装方法が望まれている。
すなわち、本発明は、従来の塗装方法や、これによって得られる塗膜構造における上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、漆材料による塗膜が高級感をもたらす要因を解析し、高級感を発揮するための材料特性や光学特性を明らかにし、もって漆同等の高級な質感を合成塗料による塗膜などの薄膜構造によって再現することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、塗膜材料や添加材料、積層方法などについて鋭意検討を重ねた結果、漆材料における高級感の主要因が視覚的に感じる「深み感」にあることをつきとめ、基材上に形成される樹脂薄膜中に、この樹脂とは屈折率が異なる材料から成る微粒子を添加することによって「深み感」が得られ、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の薄膜構造は、基材上に形成され、微粒子とバインダー樹脂を含有する少なくとも1層の薄膜層を備え、これら微粒子とバインダー樹脂との屈折率の差が0.005以上であることを特徴としている。
本発明によれば、薄膜構造を構成する薄膜層中に含有される微粒子とマトリックスとなるバインダー樹脂との屈折率の差を0.005以上としたことから、深み感を得ることができ、漆同等の質感を合成材料によって再現することができる。
以下に、本発明の薄膜構造について、その製造方法などと共に、さらに詳細、かつ具体的に説明する。なお、本明細書中において、「%」は特記しない限り質量百分率を表わすものとする。
本発明者らは、世の中に存在する質感が高く、高級感のある物品、すなわち漆製品を初めとした各種の工芸品や工業製品を集め、質感の要素分解を行った結果、質感を形成する要素の中に深み感があることを確認した。そして、この深み感が漆の質感においてどの程度の影響度を持っているかを、先の質感要素分解の際に行った官能評価結果から解析した所、深み感と質感がほぼ同義であって、深み感の向上が質感向上に大きく貢献することを確認した。そして、この深み感を解明するため、実験計画法を用いて材料特性や光学特性を変化させた塗膜の作製及び官能評価を繰り返し、深み感を再現するための材料特性、塗膜構成を明らかにした。
本発明の薄膜構造においては、上記したように、バインダー樹脂中に微粒子を含む少なくとも1層の薄膜層を備え、この薄膜層中における微粒子とバインダー樹脂との屈折率の差が0.005以上となるようにしたことから、薄膜構造内で光の複雑な屈折が生じ、漆同等の深み感、質感を得ることができる。
本発明において、薄膜構造とは、典型的には塗料として基材上に塗布することによって形成される塗膜構造に代表されるが、必ずしも塗膜構造のみに限定されることはなく、例えば樹脂フィルムから構成することも可能である。
本発明の薄膜構造を構成する薄膜層は、基本的にはバインダー樹脂と微粒子から成るものであるが、この他に、必要に応じて顔料、光輝材、添加剤を加えることができる。
また、このような薄膜層を基材上に塗膜として形成した際に用いた溶剤が薄膜層中に若干残存することもあり得る。
上記溶剤としては、水や有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤としては、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤等の炭化水素系溶剤を挙げることができる。なお、顔料、微粒子、光輝材などがペーストのような市販品として添加される場合には、このペースト中に含有されている溶剤が含まれることもある。
上記バインダー樹脂としては、水性でも溶剤系のものでも使用することができる。代表的には、一般に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂を挙げることができる。
また、添加剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤、湿潤剤、消泡剤、表面調整剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤等が例示される。
本発明において、微粒子としては、水性でも溶剤系でも使用が可能である。例えば、一般に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂などから形成される微粒子や樹脂ビーズなどを挙げることができる。
なお、当該微粒子は、1層であっても、2層以上の構造であっても良い。また、中空(中に空気の層や空間がある)であっても良い。
本発明においては、薄膜層中における微粒子とバインダー樹脂の屈折率差が0.005以上あることが必要である。
微粒子とバインダー樹脂の屈折率差は、大きければ大きい程好ましいが、少なくとも0.005以上の差があれば、深み感向上に効果が認められる。この時、バインダー樹脂よりも微粒子の屈折率が小さい方が、光路長がより長くなり、深み感がより向上することから、バインダー樹脂より微粒子の屈折率が小さい方が好ましいことになる。
本発明において、上記微粒子の最大粒径は、50μm以下であることが好ましい。これは塗膜を積層させていく際に、塗膜平面に凹凸ができてしまうと深み感に悪影響を及ぼすことによるものであって、設計する塗膜構造にもよるが、一般的には上記範囲が好ましい。さらには、1nm〜20μmの範囲とすることがより好ましい。
また、薄膜層中における微粒子の添加量としては、樹脂固形分比率濃度で0.5〜5%の範囲とすることが望ましい。すなわち、微粒子添加量が0.5%に満たない場合には、微粒子添加による深み感向上効果が十分に得られない一方、5%を超えると、塗膜が白濁し始めるという不都合が生じる傾向があることによる。
本発明の薄膜構造において、当該薄膜構造を構成する薄膜層の厚さは、全塗膜厚に対して1〜75%程度、さらには1〜50%の範囲とすることが好ましい。
また、薄膜構造内での光の屈折がより複雑なものとなり、より高度な深み感が得られることから、薄膜層の厚さを厚くしたり、薄膜層の層数を多くした多層構造としたりすることが望ましい。
多層構造の場合、少なくとも1層の薄膜層におけるバインダー樹脂の屈折率が他の層よりも高いことが好ましい。また、各層の樹脂の種類を変え、下層になる程バインダー樹脂の屈折率が高くなるようにすることがより好ましい。
このような構造とすることによって、深み感がさらに向上するいう効果が得られる。
また、2層構造の場合、下層の薄膜層よりも上層の光の透過率(全光線透過率)が高いことが好ましく、3層以上の積層構造の場合には、当該透過率が上層の薄膜層程高くなるようにすることがより好ましい。
なお、本発明の薄膜構造においては、基材表面、例えば木製基材の本木目が見えることが好ましく、このためには、薄膜構造全体の全光線透過率が5%以上になるようにすることが望ましい。
さらに、積層された薄膜層が着色材の濃度勾配を有することが望ましい。また、薄膜層は下層に行くほど着色材濃度が濃くなるような濃度勾配を持つことがより望ましい。
なお、求められる意匠レベルに応じて、着色材の濃度勾配を適宜設定することも可能である。
また、上層側の薄膜層は下層よりも着色材濃度が低いことが望ましい。この時に薄膜層に用いる着色材には、顔料、染料と共に、着色光輝材を初めとする各種の光輝材を用いることができる。なお、光輝材としては、アルミニウムやマイカ(雲母)、ガラスなどの粉末を使用することができる。また、粉砕した二酸化チタンや酸化鉄などの鉱物や、ガラス表面に酸化被膜や顔料膜を形成したものやモルフォ繊維なども用いることができる。
本発明の薄膜構造においては、薄膜層の最表面にクリヤー層を備えていることが望ましく、これによって深み感をさらに向上させることができる。
塗膜構造の場合、一般的なクリヤー塗料を用いて、クリヤー塗膜層を形成することができ、半透明感を付与した、いわゆる濁りクリヤー塗膜とすることもできる。このとき、水性塗料や溶剤型塗料、粉体塗料を用いることができる。水性や溶剤型の塗料としては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料のような二液型樹脂を用いてもよい。
本発明の薄膜構造は、以上説明してきたように、1層の薄膜層、又は積層された薄膜層から成るものであり、どの様な塗色(色相)にも対応が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
〔赤色顔料の調製〕
アクリル樹脂「アクリディック」(大日本インキ化学工業製)を100部、赤顔料「Permanent RED FGR」(クラリアント製)を10部、分散剤「フローレンG−700」(共栄社化学製)を5部、酢酸エチル230部を混合した後、350部のアルミナビーズ(粒径1mm)を入れて、TKオートホモミキサー(特殊機化工業製)により2時間分散を行い、平均粒径120nmまで微細化した赤顔料を得た。
〔バインダー樹脂〕
バインダー樹脂Rとしては、屈折率が異なる次の5種類のものをそれぞれ使用した。
(1)日立化成製溶剤アクリル樹脂系FA−125M(屈折率1.45)
(2)日立化成製ジシクロペンタニルアクリレート樹脂系FA−513A
(屈折率1.49)
(3)日本ビーケミカル製アクリルウレタン系カラーベース(屈折率1.495)
(4)東亞合成製溶剤アクリルスチレン樹脂系ARUFON XD945
(屈折率1.58)
〔樹脂ビーズ〕
微粒子Pとしては、屈折率が異なる次の2種類の樹脂ビーズを使用した。
(1)宇部日東化成製シリコンアルキド樹脂ハイプレシカ(屈折率1.45)
(2)綜研化学製ケミスノーSX−500H(屈折率1.49))
〔基材の準備〕
リン酸亜鉛で処理した厚み0.8mm、70mm×150mmのダル鋼板に、乾燥膜厚が20μmとなるように、カチオン電着塗料(日本ペイント社製「パワートップU600M」)を電着塗装した後、160℃で30分間焼き付けた。その後、中塗り塗料(日本油脂社製「ハイエピコーQX1」)を30μmの厚さとなるように塗装し、140℃で30分間焼き付けた。
〔塗膜試料の作製〕
次に、上記基材の表面に、薄膜層のみ、あるいは塗膜層とクリヤー上塗り層からなる積層塗膜を形成した。薄膜層としては、必要に応じて上記により調整した赤顔料を添加した塗料をスプレー塗装した。クリヤー上塗り層を形成する場合には、BASFコーティングスジャパン製プライマックス8500を使用して、乾燥膜厚が40μmとなるようにスプレー塗装した。焼き付けは、塗膜形成後又はクリヤー塗装後に、140℃で30分間焼き付けた。
なお、薄膜層の塗料としては以下の材料を使用し、それぞれの塗膜を得た。このとき、基材Bの上の薄膜層を第1の薄膜層1とし、その上に必要に応じて、第2の薄膜層2、さらに第3の薄膜層3をスプレー塗装し、さらにその上に必要に応じてクリヤー層5を形成するようにした。
(実施例1−1)
薄膜層1として、上記赤顔料を混合することなく、屈折率1.49のバインダー樹脂(2)に対して、上記したように屈折率1.45(屈折率差:0.04)であって、最大粒子径が10μmの上記微粒子(1)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、図1(a)に示すような塗膜を形成した。
(実施例1−2)
上記実施例1−1と同様に薄膜層1をスプレー塗装したのち、上記クリヤー塗料を用いて、図1(b)に示すように、乾燥膜厚が40μmとなるようにクリヤー層5を形成した。
(実施例1−3)
薄膜層1として、上記により調整した赤顔料を屈折率1.49のバインダー樹脂(2)に対して、樹脂固形分比率濃度が4%になるよう調整すると共に、最大粒子径が10μmで屈折率1.45の上記微粒子(屈折率差:0.04)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。次に、薄膜層2として、上記赤顔料を上記バインダー樹脂(2)に対して、樹脂固形分比率濃度が0.8%になるよう調整すると共に、上記微粒子を同様に添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。さらに、薄膜層3として、上記赤顔料の樹脂固形分比率濃度が0.2%になるよう調整し、上記微粒子を同様の濃度となるように添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、図1(c)に示すような塗膜を形成した。
(実施例1−4)
上記実施例1−3と同様に基材Bの上に、薄膜層1、2及び3をスプレー塗装したのち、当該積層塗膜の上に、上記クリヤー塗料を用いて、乾燥膜厚が40μmとなるようにクリヤー層5を形成した。
上記各実施例及び比較例によって得られた塗膜の質感について、下記の要領によって目視評価した。その結果を表1に示す。
◎:非常に深み感を感じる
○:深み感を感じる
△:ほとんど深み感を感じない
×:全く深み感を感じない
なお、表1において、塗膜全体の透過率(全光線透過率)は、JIS K 7105 5.5に基づいて測定した。
Figure 2008194575
(実施例2−1)
薄膜層1として、上記により調整した赤顔料を屈折率1.49のバインダー樹脂(2)に対して、樹脂固形分比率濃度が5%になるよう調整すると共に、屈折率1.45(屈折率差:0.04)であって、最大粒子径が10μmの微粒子(1)最大粒子径が10μmで屈折率1.45の上記微粒子(1:屈折率差0.04)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、図1(a)に示すような塗膜を形成した。
(実施例2−1)
薄膜層1として、上記により調整した赤顔料を屈折率1.495のバインダー樹脂(3)に対して、樹脂固形分比率濃度が4%になるよう調整すると共に、屈折率1.49(屈折率差:0.005)であって、最大粒子径が10μmの微粒子(2)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。次に、薄膜層2として、上記赤顔料を上記バインダー樹脂(3)に対して、樹脂固形分比率濃度が0.8%になるよう調整すると共に、上記微粒子を同様に添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。さらに、薄膜層3として、上記赤顔料の樹脂固形分比率濃度が0.2%になるよう調整し、上記微粒子を同様の濃度に添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、図1(c)に示すような塗膜を形成した。
(比較例2−1)
屈折率が1.45のバインダー樹脂(1)を使用した塗料(屈折率差:0)を用いたこと以外は、上記実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
(比較例2−2)
屈折率が1.45のバインダー樹脂(1)を使用した塗料を用いたこと以外は、上記実施例1−2と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
(比較例2−3)
屈折率が1.45のバインダー樹脂(1)を使用した塗料を用いたこと以外は、上記実施例1−3と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
上記各実施例及び比較例によって得られた塗膜の質感について、上記要領によって同様に評価し、その結果を表2に示す。
Figure 2008194575
(実施例3−1)
最大粒子径が0.005μm(5nm)の微粒子を添加した塗料を用いたこと以外は、上記実施例1−3と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
(実施例3−2)
最大粒子径が1μmの微粒子を添加した塗料を用いたこと以外は、上記実施例1−3と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
(実施例2−3)
最大粒子径が50μmの 微粒子を添加した塗料を用いたこと以外は、上記実施例1−3と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
上記各実施例及び比較例によって得られた塗膜の質感について、上記要領によって同様に評価し、その結果を表3に示す。
Figure 2008194575
(実施例4−1)
薄膜層1として、上記により調整した赤顔料を屈折率1.58のバインダー樹脂(4)に対して、樹脂固形分比率濃度が2.5%になるよう調整すると共に、屈折率1.45(屈折率差:0.13)であって、最大粒子径が10μmの微粒子(1)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。次に、薄膜層2として、上記赤顔料を屈折率1.45のバインダー樹脂(1)に対して、樹脂固形分比率濃度が同じく2.5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、本例の塗膜として、図1(e)に示すような塗膜を形成した。
(実施例4−2)
薄膜層1として、微粒子を添加することなく、上記により調整した赤顔料を屈折率1.45のバインダー樹脂(1)に対して、樹脂固形分比率濃度が4%になるよう調整した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。ついで、薄膜層2として、上記赤顔料を屈折率1.58のバインダー樹脂(4)に対して、樹脂固形分比率濃度が0.8%になるよう調整すると共に、上記微粒子(1)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。そして、さらに薄膜層3として、微粒子を添加することなく、上記赤顔料を屈折率1.45のバインダー樹脂(1)に対して、樹脂固形分比率濃度が0.2%となるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、図1(f)に示すような塗膜を形成した。
(実施例4−3)
薄膜層1として、上記により調整した赤顔料を屈折率1.49のバインダー樹脂(2)に対して、樹脂固形分比率濃度が4%になるよう調整すると共に、粒子径が10μmで屈折率1.45(屈折率差:0.04)の微粒子を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。次いで、薄膜層2として、上記赤顔料を屈折率1.58のバインダー樹脂(4)に対して、樹脂固形分比率濃度が0.8%になるよう調整すると共に、上記微粒子を同様に添加した塗料(屈折率差:0.13)を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。さらに、薄膜層3として、上記赤顔料の樹脂固形分比率濃度が屈折率1.49のバインダー樹脂(2)に対して0.2%になるよう調整し、上記微粒子を同様の濃度に添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、図1(c)に示すような塗膜を形成した。
(比較例4−1)
薄膜層1の塗装に際して、屈折率1.45のバインダー樹脂(1)に微粒子を添加していない塗料を使用したこと以外は、上記実施例4−1と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
(比較例4−2)
薄膜層2の塗装に際して、屈折率が1.45のバインダー樹脂(1)に微粒子を添加していない塗料を使用したこと以外は、上記実施例4−2と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
上記各実施例及び比較例によって得られた塗膜の質感について、上記要領によって同様に評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2008194575
(実施例5−1)
薄膜層1として、最大粒子径が10μmで屈折率1.45の微粒子(1)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加すると共に、上記によって調整した赤顔料を屈折率1.49のバインダー樹脂(2)に対して、樹脂固形分比率濃度が4%になるよう調整した塗料(屈折率差:0.04)を用いて、乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装した。次いで、薄膜層2として、屈折率1.45の上記微粒子を同様に添加すると共に、上記赤顔料を上記バインダー樹脂(2)に対して、樹脂固形分比率濃度が2%になるよう調整した塗料を用いて、乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、本例の塗膜として、図1(g)に示すような塗膜を形成した。
(実施例5−2)
薄膜層1及び2を上記実施例5−1と同様に形成した後、薄膜層3として、上記赤顔料を混合することなく、上記微粒子を同様に添加した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、図1(c)に示すような本例の塗膜を形成した。
(実施例5−3)
薄膜層2における赤顔料の樹脂固形分比率濃度が0.8%、薄膜層3における赤顔料の樹脂固形分比率濃度が0.2%となるように、それぞれの塗料を調整したこと以外は、上記実施例5−2と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
(比較例5−1)
薄膜層1及び2の塗装に際して、いずれも赤顔料の樹脂固形分比率濃度が2.5%となるように調整した同様の塗料を用いた以外は、上記実施例5−1と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
(比較例5−2)
薄膜層1、2及び3の塗装に際して、いずれも微粒子を添加せずに、赤顔料の樹脂固形分比率濃度が1.7%となるように調整したの塗料を用いた以外は、上記実施例5−3と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
上記各実施例及び比較例によって得られた塗膜の質感について、上記要領によって同様に評価した。その結果を表5に示す。
Figure 2008194575
(実施例6−1)
薄膜層1として、屈折率1.49のバインダー樹脂(2)に対して、最大粒子径が10μmで屈折率1.45の微粒子(1)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加すると共に、上記により得られた赤顔料を樹脂固形分比率濃度が4%となるよう調整した塗料(屈折率差:0.04)を用いて、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、図1(a)に示すような塗膜を形成した。
(実施例6−2)
薄膜層1として、屈折率1.45のバインダー樹脂(2)に対して、最大粒子径が10μmで屈折率1.49(屈折率差:0.04)の微粒子(2)を樹脂固形分比率濃度が5%になるよう添加すると共に、上記赤顔料を樹脂固形分比率濃度が4%となるよう調整した塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。次に、薄膜層2として、上記赤顔料の樹脂固形分比率濃度が0.8%となるよう調整した同様の塗料を用いて、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、さらに薄膜層3として、上記赤顔料の樹脂固形分比率濃度が0.2%となるように調整した同様の塗料を用いて、乾燥膜厚が同様に10μmとなるようにスプレー塗装し、図1(c)に示すような本例の塗膜を形成した。
(実施例6−3)
薄膜層1、2及び3の塗装に際して、薄膜層1の赤顔料の樹脂固形分比率濃度が6%、薄膜層2の赤顔料の樹脂固形分比率濃度が1.2%、薄膜層3の赤顔料の樹脂固形分比率濃度が0.3%となるように、それぞれの塗料を調整したこと以外は、上記実施例6−2と同様の操作を繰り返し、本例の塗膜を形成した。
上記各実施例及び比較例によって得られた塗膜の質感について、上記要領によって同様に評価し、その結果を表6に示す。
Figure 2008194575
(a)〜(g)は、本発明の薄膜構造の種々の形態例を示すそれぞれ断面図である。
符号の説明
B 基材
P 微粒子
R バインダー樹脂
1 第1の薄膜層
2 第2の薄膜層
3 第2の薄膜層
5 クリヤー上塗り層

Claims (10)

  1. 基材上に形成される薄膜構造であって、微粒子とバインダー樹脂を含有する少なくとも1層の薄膜層を備え、上記微粒子とバインダー樹脂との屈折率の差が0.005以上であることを特徴とする薄膜構造。
  2. 上記微粒子の最大粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜構造。
  3. 上記薄膜層が複数積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜構造。
  4. 少なくとも1層の薄膜層におけるバインダー樹脂の屈折率が他の層よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の薄膜構造。
  5. 上層側の薄膜層の全光線透過率が下層よりも高いことを特徴とする請求項3又は4に記載の薄膜構造。
  6. 薄膜層に含まれる着色材が各薄膜層間で濃度勾配を有していることを特徴とする請求項3〜5の少なくとも1つの項に記載の薄膜構造。
  7. 上層側の薄膜層の着色材濃度が下層よりも低いことを特徴とする請求項3〜6の少なくとも1つの項に記載の薄膜構造。
  8. 最表層にクリヤー層を備えていることを特徴とする請求項1〜7の少なくとも1つの項に記載の薄膜構造。
  9. 全光線透過率が5%以上であることを特徴とする請求項1〜8の少なくとも1つの項に記載の薄膜構造。
  10. 自動車用部品の表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜9の少なくとも1つの項に記載の薄膜構造。
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