JP2008192507A - 機能性光学装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機能性光学装置10は、外部からの入射光に作用して特定波長域の光を減衰または遮断する光学フィルタ部11と、特定波長域の光を発光する光源部15と有している。そして混光部12は、光学フィルタ部11からの出射光と光源部15から出射した光とを混光して出射させる。これにより既存光源や太陽光等を活用した簡易なシステム構成で、生体等へ特定の影響を与える特定波長域の光を自在に増減制御することが可能となる。
【選択図】図1
Description
また特許文献2には、発光波長の異なる複数の光源を用いて、その出力光量を制御することにより、所望の波長域の光エネルギーを増減させる擬似太陽光照射装置が開示されている。
さらに特許文献3には、480〜505nmの波長域における分光成分を遮断するフィルタを備えることにより、メラトニンの分泌抑制を避け、入眠促進を妨げない照明装置が開示されている。
また本発明の機能性光学装置を用いることにより、当然既存の光源をそのまま活用できるため、光源交換を行うことなく機能性光学装置を付加するだけで所望の機能が得られ、太陽光や月光はもちろん、交換することが困難な場所にある光源であっても、その光源により発光された特定波長域の光を活用することもできるようになる。
機能性光学装置10は、ユーザによる手動操作もしくは遠隔操作が可能な操作部13を備えている。そして操作部13に対して特定波長域の光の増減を指示する操作情報が入力されると、制御部14は、その操作情報を光量制御情報に変換する。光量制御情報は、光源部15から発光される光の光量を所定の値に制御するための情報である。
そして光源部15は、制御部14からの光量制御情報に基づいて、特定波長域の光を所定光量に制御して発光し、混光部12へ入射させる。
混光部12は、導光板や空隙、あるいは波長域に応じて出射光路を制御するダイクロイックミラーやプリズム等によって構成され、光源部15で発光された特定波長域の光と、光学フィルタ部11を通過した光とを混光して略均一な光を作り、機能性光学装置10の外部へ出射させる。
まず操作部13が、特定波長域の光の増減を指示する操作情報を取得した場合(ステップS1)、制御部14はその操作情報を光源部15の光量制御情報に変換する(ステップS2)。そして光源部15は、制御部14が生成した光量制御情報に基づいて、特定波長域の光を所定光量発する(ステップS3)。
まず操作部13が、特定波長域の光の増減を指示する操作情報を取得した場合(ステップS11)、制御部14は、その操作情報が外部入射光の特性を再現する指示情報であるかどうかを判別する(ステップS12)。そして外部入射光の特性を再現する指示情報であれば、測光ユニット16は、外部入射光のうち、特定波長域の光量情報を取得し(ステップS13)、制御部14は、測光ユニット16からの光量情報を光源部15の光量制御情報に変換する(ステップS14)。
機能性光学装置10の光学フィルタ部11には、屈折率の異なる複数の薄膜を積層して光の干渉効果により特定波長域の光成分の透過光量を減衰させるかまたは遮断するノッチフィルタやダイクロイックミラー、ダイクロイックプリズムなどを適用することができ、あるいは屈折率が連続的に変化する酸化膜層を用いたルーゲート・ノッチフィルタ等を用いることができる。
本実施形態では、光源部15としてLED光源101を使用する。この場合、LED光源101としては特定波長域の光を発光するものを選択する。この場合、LED光源101は、基本的には特定波長域の光のみを発光するものを使用するが、特定波長域以外の光が含まれている場合であっても特定波長域を制御するという目的は達成することができ、機能性光学装置の用途や要求特性等に応じて適宜適用することができる。
つまり本実施形態においては、LED光源101が図1の光源部15に該当し、ノッチフィルタ103が光学フィルタ部11に該当し、導光板102が混光部12に該当することになる。
またダイクロイックミラー106は、特定波長域の光を反射し、他の波長域の光を透過するように形成されている。そして光源105から出射した光源光は、ダイクロイックミラー106に入射し、特定波長域の光のみが前方(矢印方向)に反射し、他の波長域の光が後方に向けて透過する。
つまり本実施形態では、ノッチフィルタ103が図2の光学フィルタ部11に該当し、ダイクロイックミラー106が混光部12に該当し、光源105とダイクロイックミラー106が、特定波長域の光を発する光源部15に該当する。このような構成により、特定波長域の光を減衰または遮断した外部からの入射光と、光源105で発光した特定波長域の光とを混光して出射させることができる。そして光源105による光量を制御することにより、ダイクロイックミラー106から出射させる特定波長域の光の光量を制御することができる。
つまり本実施形態では、ノッチフィルタ103が図1の光学フィルタ部11に該当し、ダイクロイックプリズム107を形成した透明基板108が混光部12に該当し、光源105とダイクロイックプリズム107とが、特定波長域の光を発光する光源部15に該当する。このような構成により、特定波長域の光を減衰または遮断した外部からの入射光と、特定波長域の光源光とを混光して出射させることができる。そして光源105による光量を制御することにより、ダイクロイックプリズム107から出射させる特定波長域の光の光量を制御することができる。
つまり本実施形態では、ノッチフィルタ103が図1の光学フィルタ部11に該当し、ダイクロイックミラー109aを備えた透明基板109が混光部12に該当し、光源105とダイクロイックミラー109aが、特定波長域の光を発光する光源部15に該当する。このような構成により、特定波長域の光を減衰または遮断した外部からの入射光と、特定波長域の光源光とを混光して出射させることができる。そして光源105による光量を制御することにより、透明基板109から出射させる特定波長域の光の光量を制御することができる。
例えば、波長460nm付近の青色成分を減衰または遮断する光学フィルタ部11と、少なくともその波長成分の光を発する光源部15とを組み合わせて機能性光学装置10を構成すると、利用者の覚醒度に及ぼす影響を調整することが可能となる。
図12は、各種昆虫の走光性視感度曲線を示す図で、“季刊誌「TESRA(建設電気技術)」、Vol.148,2005、社団法人建設電気技術協会”に記載されたものである。人は紫外光を明るさとして目で感じることはできないが、図12に示すように昆虫は青色波長成分から紫外成分にかけての光を感じ取ることがわかっている。またさらに、昆虫によっては、夜間照明光の青色から紫外にかけての波長域の光を感じ取ると、それに誘導された走光性を示す。
そして図13に示すように、時刻情報取得部17による自動制御機構を付加することにより、虫が誘導される夕方から夜間においては虫の誘導効果を低く抑えるかもしくは遮断する。そして日中においては、通常の太陽光等の外部照明を活用し、かつその外部照明の分光スペクトルを再現するように機能性光学装置を制御する。
これにより、人に不快感や危害を及ぼしたり、植物に害を与えたりするような害虫が集まってくることを効率よく防ぎながら、日中の人の行動や植物の活動には悪影響を与えないような光制御が可能となる。
波長約780nm以上の赤外線は熱線とも呼ばれ、調理や暖房に活用されている。この赤外波長域の光を制御するような機能性光学装置10を作成し、例えば窓等の採光部や屋内照明部等に設置することにより、室内の温度制御を行うことが可能となる。
さらに、上記の時刻情報取得部17に日付設定を行う機能を付加することで、例えば、一年周期で、暑い夏季には屋内への赤外線入射を低く保つかまたは遮断し、寒い冬季には赤外線を多く入射させて、屋内環境を快適な温度に保つことが可能となる。
そしてこの場合には、例えば測温ユニット18で測温した温度情報に従って、操作部13で外気と連動した制御を指示したり、屋内を略一定温度に保つ制御を指示したりすることによって、自動的に屋内温度の制御を行うことができるようになる。
こうした機能をもつ機能性光学装置10により、屋内の温度制御を行っているエアーコンディショナー(エアコン)の補助的な温度制御の役割を果たすことができ、エアコンだけで温度制御を行う場合に比べて消費電力を削減できる効果が得られる。
Claims (12)
- 外部からの入射光に作用して特定波長域の光を減衰または遮断する光学フィルタと、
前記特定波長域の光を発光する光源とを有し、
前記光学フィルタからの出射光と前記光源から出射した光とを混光して出射させることを特徴とする機能性光学装置。 - 請求項1に記載の機能性光学装置において、前記光源から発する光を拡散する導光板を備え、該導光板により、前記光学フィルタからの出射光と前記光源から出射した光とを混光することを特徴とする機能性光学装置。
- 請求項2に記載の機能性光学装置において、前記光源として前記特定波長域の光を発光するLEDを使用し、前記LEDからの出射光を前記導光板の側方から該導光板に入射させ、前記導光板の背面側から前記光学フィルタからの出射光を前記導光板に入射させ、前記LEDからの出射光と前記導光板を通過する前記光学フィルタからの出射光とを混光することを特徴とする機能性光学装置。
- 請求項2に記載の機能性光学装置において、前記光源として前記特定波長域の光を発光するLEDを使用し、前記LEDを前記導光板の表面に配置して、前記導光板の背面側から前記光学フィルタからの出射光を前記導光板に入射させ、前記LEDからの出射光と、前記導光板を通過する前記光学フィルタからの出射光とを混光することを特徴とする機能性光学装置。
- 請求項1に記載の機能性光学装置において、前記光源として透明な面光源である透明平板発光素子を使用し、前記導光板の背面側から前記光学フィルタからの出射光を前記透明平板発光素子に入射させ、前記透明平板発光素子が発光した光と、前記導光板を通過する前記光学フィルタからの出射光とを混光することを特徴とする機能性光学装置。
- 請求項1に記載の機能性光学装置において、前記光源は、前記特定波長域を少なくとも含む波長域の光を出射する光源であって、
前記光学フィルタとして、前記特定波長域の光を反射し、該特定波長域を除く波長域の光を透過するダイクロイックミラーを有し、
該ダイクロイックミラーは、前記光源から出射した光のうち前記特定波長域の光を反射し、かつ前記外部からの入射光のうち特定波長域を除く波長域の光を透過させて、前記反射した光と前記透過した光とを混光して出射させることを特徴とする機能性光学装置。 - 請求項1に記載の機能性光学装置において、前記光源は、前記特定波長域を少なくとも含む波長域の光を出射する光源であって、
前記光学フィルタとして、前記特定波長域の光を反射し、該特定波長域を除く波長域の光を透過するダイクロイックプリズムを有し、
該ダイクロイックプリズムは、前記光源から出射した光のうち前記特定波長域の光を反射し、かつ前記外部からの入射光のうち特定波長域を除く波長域の光を透過させて、前記反射した光と前記透過した光とを混光して出射させることを特徴とする機能性光学装置。 - 請求項1ないし7のいずれか1に記載の機能性光学装置において、前記光源の発光強度を制御する制御部を有し、
該制御部の制御に応じて、前記機能性光学装置から出射させる前記特定波長域の光の出射光量を制御可能としたことを特徴とする機能性光学装置。 - 請求項8に記載の機能性光学装置において、前記光学フィルタに作用させる前記外部からの入射光の光量を検出する光量検出部を備え、
前記制御部は、該光量検出部の検出結果に応じて前記光源の発光強度を制御することを特徴とする機能性光学装置。 - 請求項8に記載の機能性光学装置において、現在の時刻情報を取得する時刻情報取得部を有し、
前記制御部は、前記時刻情報取得部により取得した時刻情報に基づいて前記光源の発光強度を制御することを特徴とする機能性光学装置。 - 請求項8に記載の機能性光学装置において、前記外部からの入射光が入射する側の雰囲気温度と、前記混光した光を出射させる側の雰囲気の温度とを測定する測温部を有し、
前記制御部は、前記測温部が測定した温度情報に基づいて、前記光源の発光強度を制御することを特徴とする機能性光学装置。 - 請求項1ないし11のいずれか1に記載の機能性光学装置において、
前記光学フィルタは、前記特定波長域を除く波長域の光の透過率が、該特定波長域の光の透過率よりも大きいことを特徴とする機能性光学装置。
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