JP2008191269A - 液晶表示装置の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2枚の液晶パネルを重ねた場合に顕著になるモアレの発生を低減させると共に、重ねた液晶パネルの画素に視差が生じることによる映像の影を目立たなくすることで、表示品位の高い液晶表示装置を実現する。
【解決手段】本発明の液晶表示装置の駆動装置は、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルとを重ね合わせ、液晶パネルのそれぞれが映像ソースに基づいた映像を出力するとき、上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備える。上記映像処理回路は、上記映像ソースから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素を含む領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分に応じて上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域のサイズを変化させる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の液晶表示装置の駆動装置は、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルとを重ね合わせ、液晶パネルのそれぞれが映像ソースに基づいた映像を出力するとき、上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備える。上記映像処理回路は、上記映像ソースから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素を含む領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分に応じて上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域のサイズを変化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶パネルを2枚以上重ね合わせた液晶表示装置の駆動装置に関するものである。
液晶表示装置のコントラストを向上させる技術として、例えば特許文献1には、2枚の液晶パネルを重ね合わせて、各偏光板が互いにクロスニコルを形成するようにした複合化液晶表示装置が開示されている。この特許文献7では、1枚のパネルにおけるコントラスト比が100であったものを、2枚のパネルを重ね合わせることでコントラスト比を3〜4桁程度にまで拡大できることが記載されている。
特開平5−88197号公報(公開日:1993年4月9日)
ところが、特許文献1は、2枚の液晶パネルを重ねることで、それぞれの液晶パネルの階調を上げずに、高階調化を図ることを目的としてなされたものであるので、特にモアレ対策が施されていない。このため、モアレによる表示品位が著しく低下する虞があった。
具体的には、特許文献1に開示された複合型液晶表示装置は、第1の液晶パネル、第2の液晶パネル、およびバックライトによって構成され、第2の液晶パネルは、第1の液晶パネルとバックライトの間に位置され、バックライトからの光を変調し、第1の液晶パネルは、第2の液晶パネルによって変調された光を受け、コントラストの高い映像を表示する。
この複合型液晶表示装置では、第2の液晶パネルの変調は、入力された映像信号を元に決定される。このため、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルの画素数(解像度)が同等であり、且つ映像信号そのものもしくは、輝度信号をそのまま表示する場合には下記の問題が生じる。
(1)液晶パネル同士の画素のズレに起因してモアレが発生する。
(2)液晶パネル同士の画素のズレが無くても、視線を傾けた場合に、第1と第2の液晶パネルの画素に視差が生じるので、明るい映像に影が見えてしまう。
上記のような問題が生じることにより、表示品位が著しく低下する。
本発明は、上記の各問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、2枚の液晶パネルを重ねた場合に顕著になるモアレの発生を低減させると共に、重ねた液晶パネルの画素に視差が生じることによる映像の影を目立たなくすることで、表示品位の高い液晶表示装置を実現するための駆動装置を提供することにある。
本発明に係る液晶表示装置の駆動装置は、上記課題を解決するために、液晶パネルを2枚以上重ね合わせ、偏光吸収層が液晶パネルを挟んでクロスニコルの関係に設けられ、該液晶パネルのそれぞれが同じ映像ソースに基づいた映像を出力する、バックライトを備えた液晶表示装置の駆動装置であって、隣接した2枚の液晶パネルのうち、バックライトから離れた位置に配置された液晶パネルを第1の液晶パネルとし、他方の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備え、上記映像処理回路は、上記映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすことを特徴としている。
上記の構成によれば、重ね合わせた液晶パネルのうち、最表面の液晶パネルを第1の液晶パネルとし、該第1の液晶パネルの裏面側の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力するようになっているので、同じ映像ソースであっても、第2の液晶パネルでは、第1の液晶パネルに比べて輪郭をぼかした映像を表示することになる。
つまり、第2の液晶パネルの映像信号にスムージング処理をすることで、結果として、バックライトから第1の液晶パネルに照射される光の量を制御することになる。
これにより、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルに同じ映像信号を入力したときに生じるモアレ、画素のずれによる視差を目立たなくすることが可能となる。
しかも、映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようになっているので、差分が大きい場合に、スムージング処理の対象領域を大きくし、差分が小さい場合に、スムージング処理の対象領域を小さくすることが可能となる。これにより、階調差(差分)が大きい場合に生じやすいモアレを抑制し、階調差(差分)が小さい場合に問題となる階調再現性の低下を抑制することが可能となる。
従って、2枚以上の液晶パネルを重ね合わせて一つの液晶表示装置を構成した場合において、モアレの発生を抑えつつ、画素のずれによる視差を目立たなく、低階調時に問題となる階調再現性の低下を抑えることが可能となるので、高品位の映像を表示することができる。
上述した映像処理、すなわち映像ソースから、第2の液晶パネルにおける、注目画素を含む領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分に応じて上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域のサイズを変化させる処理は、以下のようにして実現可能である。
上記映像処理回路は、上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分の上記領域内での最大値の大きさによって、上記領域内の画素数を増減し、画素数が決定された後の領域内における階調の最大値を上記注目画素の階調値として第2の映像データを求めて、上記第1の映像データの注目画素の階調値と、この第1の映像データの注目画素に対応する、上記第2の映像データの上記領域内における各画素の階調値との差分を求めて、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしてもよい。
また、上記映像処理回路は、上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素から離れるにしたがって値が大きくなるようにあらかじめ設定された2次元のフィルタの値を上記第1の映像データの領域内の各画素の階調値から差し引いた値の最大値を該注目画素の階調値とし、この階調値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしてもよい。
すなわち、上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素から離れるにしたがって値が大きくなるようにあらかじめ設定された2次元のフィルタの値を上記第1の映像データの領域内の各画素の階調値から差し引いた値の最大値を該注目画素の階調値とすることで、結果として、上述したような階調値の差分が大きいいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしている。
さらに、上記映像処理回路は、上記映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該領域内の画素の階調値の最大値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしてもよい。
上記の構成によれば、重ね合わせた液晶パネルのうち、最表面の液晶パネルを第1の液晶パネルとし、該第1の液晶パネルの裏面側の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力するようになっているので、同じ映像ソースであっても、第2の液晶パネルでは、第1の液晶パネルに比べて輪郭をぼかした映像を表示することになる。
つまり、第2の液晶パネルの映像信号にスムージング処理をすることで、結果として、バックライトから第1の液晶パネルに照射される光の量を制御することになる。
これにより、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルに同じ映像信号を入力したときに生じるモアレ、画素のずれによる視差を目立たなくすることが可能となる。
しかも、映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該領域内の画素の階調値の最大値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようになっているので、階調値の最大値が大きい場合に生じやすいモアレを抑制し、階調値の最大値が小さい場合に問題となる階調再現性の低下を抑制することが可能となる。
従って、2枚以上の液晶パネルを重ね合わせて一つの液晶表示装置を構成した場合において、モアレの発生を抑えつつ、画素のずれによる視差を目立たなく、低階調時に問題となる階調再現性の低下を抑えることが可能となるので、高品位の映像を表示することができる。
上述した映像処理、すなわち映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該領域内の画素の階調値の最大値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域のサイズを変化させる処理は、以下のようにして実現可能である。
また、上記映像処理回路は、上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内における階調値の最大値の大きさによって、上記領域内の画素数を増減し、画素数が決定された後の領域内における階調の最大値を上記注目画素の階調値として第2の映像データを求めて、該第2の映像データの注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内における階調値の最大値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしてもよい。
さらに、上記スムージング処理は、N×M画素(M,Nは自然数)領域での最大階調値を求め、その値をM×N画素の中心絵素の値とし、その値に対して平滑化フィルタにより平滑化する処理であってもよい。
本発明に係る液晶表示装置の駆動装置は、以上のように、隣接した2枚の液晶パネルのうち、バックライトから離れた位置に配置された液晶パネルを第1の液晶パネルとし、他方の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備え、上記映像処理回路は、 上記映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすことで、モアレの発生を抑えつつ、画素のずれによる視差を目立たなくし、低階調時に問題となる階調再現性の低下を抑えることが可能となるので、高品位の映像を表示することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本実施の形態にかかる液晶表示装置について以下に説明する。
本実施の形態にかかる液晶表示装置について以下に説明する。
図1は、上記液晶表示装置の概略構成断面図を示し、図2は、該液晶表示装置の概略構成図を示している。
本実施の形態にかかる液晶表示装置は、図2に示すように、第1の液晶パネルとバックライトの間に第2の液晶パネルを設置し、第2の液晶パネルによって第1の液晶パネルを照らす光の量を制御し、暗い部分での液晶パネルの光漏れを防ぐ構成となっている。
上記第2の液晶パネルは、白黒表示(カラーフィルタ無し)の液晶パネルを用いる。これは、視差による画素のずれが生じるために、たとえば斜め方向から見ると第2の液晶パネルの赤の画素が第1の液晶パネルの青の画素と重なって見えた場合、青のカラーフィルタは赤い光を通さないので、常に黒くなってしまうからである。しかも、カラーフィルタがないことで、第2の液晶パネルにおける光の透過率も損なわれない。
上記液晶表示装置の構造について詳細に説明する。
上記液晶表示装置は、図1に示すように、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルとを備え、第1の液晶パネルの最表面側に偏光板A、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルとの間に偏光板B、第2の液晶パネルのバックライト側に偏光板Cを配した構成となっている。上記偏光板AとB、偏光板BとCはそれぞれ偏光軸が直交するように配置されている。すなわち、偏光板AとB、偏光板BとCは、それぞれクロスニコルに配置されている。
上記第1の液晶パネルおよび第2の液晶パネルは、それぞれ1対の透明基板1間に液晶を封入してなり、電気的に液晶の配向を変化させることによって、光源から偏光板に入射した偏光を約90度回転させる状態と、偏光を回転させない状態と、その中間状態とを任意に変化させる手段を備える。
また、第1および第2の液晶パネルは、複数の画素により画像を表示できる機能を有している。このような機能を有する表示方式は、TN(TwistedNematic)方式、VA(VerticalAlignment)方式、IPS(InPlainSwitching)方式、FFS方式(Fringe Field Switching)方式またはそれぞれの組み合わせによる方法があるが、単独でも高いコントラストを有するVA方式が適しており、ここではMVA(MultidomainVerticalAlignment)方式を用いて説明するが、IPS方式、FFS方式もノーマリブラック方式であるため、十分な効果がある。駆動方式はTFT(ThinFilmTransistor)によるアクティブマトリックス駆動を用いる。MVAの製造方法についての詳細は、日本国公開特許公報(特開平2001−83523)などに開示されている。
上記液晶表示装置における第1および第2の液晶パネルは、同じ構造であり、いずれも対向基板10とアクティブマトリクス基板20とによって液晶層を挟持した構造である。しかしながら、本実施の形態にかかる液晶表示装置では、第1の液晶パネルのみ対向基板10にカラーフィルタ2(2a〜2c)が設けられている。液晶は、負の誘電率異方性を有するネマチック液晶が用いられている。
第1の液晶パネルの対向基板10は、透明基板1上にカラーフィルタ2、ブラックマトリクス8、対向電極3が形成されたものである。
これに対して、第2の液晶パネルの対向基板10は、透明基板1上に、ブラックマトリクス8、対向電極3が形成されたものである。
また、アクティブマトリクス基板20は、透明基板1上に、TFT6、信号配線5、層間絶縁膜7、画素電極4が形成されたものであり、第1および第2の液晶パネルのいずれにおいても同じ構成である。
ここで、上記構成の液晶表示装置の駆動システムについて説明する。
図3は、駆動システムの概略を示すブロック図である。
上記駆動システムは、図3に示すように、映像信号変換部により、各種映像信号をRGBのデジタル信号に変換したのち、画像処理回路ブロック(映像処理回路)内の第1の液晶パネル用信号処理回路および第2の液晶パネル用信号処理回路にて、第1の液晶パネル用の画像処理、第2の液晶パネル用の画像処理をそれぞれ行なった後、各液晶パネルそれぞれの液晶コントローラに信号を送っている。本実施の形態では、第1の液晶パネル用の画像処理は、タイミングを調整するのみで、映像データそのものは、何も変換しない処理であり、第2の液晶パネル用の画像処理は、上記映像データそのものの変換処理を行っている。この第2の液晶パネル用の画像処理の詳細について後述する。
以下に、本実施の形態にかかる液晶表示装置の駆動方法の原理について説明する。
上記構成の液晶表示装置のように、第1の液晶パネル、第2の液晶パネル、およびバックライトがこの順に配設された場合、第2の液晶パネルは、第1の液晶パネルとバックライトの間に位置することになるので、バックライトからの光を変調して、第1の液晶パネルに照射するようになる。これにより、第1の液晶パネルは、第2の液晶パネルによって変調された光を受けることで、コントラストの高い映像を表示するようになる。
通常、このような液晶表示装置の場合、第2の液晶パネルの変調は、入力された映像信号を元に決定されるが、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルの画素数(解像度)が同等である場合、映像信号そのものもしくは、輝度信号をそのまま表示すると、モアレが生じる。また、視線を傾けた場合に、第1と第2の液晶パネルの画素に視差が生じるので、明るい映像に影が見えてしまう。
これを解消するために、第2の液晶パネルに供給する映像信号に対して、入力された映像信号の信号レベルが高い部分を局所的に数画素広げ、スムージング処理する方法がとられている。ここで、映像信号は、8ビットとする。
具体的には、まず、1画素ごとにRGBで入力される映像信号のRGBの最大値をその画素の値とする。この処理を1フレームの全ての画素に対してそれぞれ行なう。図4にこの処理を行なった後の画素配列の例の一部を示す。映像信号は8ビットなので、それぞれの画素は、0から255の256階調の値をとる。図4の例では、左5列が0階調(黒)で右2列が255階調(白)となる。
次に、各画素について±2画素の領域の最大値を求め、その値をその画素の値とする。この処理も1フレームの全ての画素に対してそれぞれ行なう。図5にこの処理を行なった後の配列を示す。図4の2重線で囲った画素に注目すると、この画素から±2画素の領域は、図の太線の範囲になる。この範囲での最大値は255階調なので、この画素の値は、255になる。ここでは、領域として±2画素で行なっているが、領域の範囲は±2画素に限らず、±1画素でも±3画素でもよい。ただし、その場合は、後のスムージング処理においても同じ範囲で行なう必要がある。
最後に各画素について±2画素の領域の平均値を求め、小数点以下を四捨五入し、その値をその画素の値とする。図5の2重線で囲った画素に注目すると、この画素から±2画素の領域は、図の太線の範囲になる。この範囲の値の平均値は、255×15÷25=153となるので、この画素の階調は153になる。このようにして数値の大きい範囲(明るい領域)を広げるように階調を滑らかにする。
つまり、上記の駆動方法では、図4に示す各画素の周囲2画素の領域(5画素×5画素の領域)内の最大値をその画素の値に置き換えることにより、図5の配列が得られる。さらに、図5の各画素の周囲2画素の領域(5画素×5画素の領域)の平均値を当該画素の値とすることで図6の配列が得られる。
従って、図4から図6への変化は、階調差が大きい場合の処理の結果、すなわちスムージングサイズを5×5の固定サイズで処理した結果を表わしている。
もし、図7に示すような階調差の小さい分布であれば、スムージングサイズを5×5の固定で処理した場合、図8に示す状態を経て、図9に示すような結果となる。
つまり、図7に示すように階調差が少ない領域については、スムージングサイズ固定(5×5)であれば、図9に示すように、少ない階調差で広がってしまうため、階調再現性が損なわれるという問題が生じる。
そこで、階調差に応じてスムージングサイズを変更することが考えられるが、上述したように、単純に5×5の領域における階調差を見ることによって、スムージングサイズを変更しようとすると、図10に示した階調差の分布になってしまうため、この階調差だけで判断してしまうと、図11に示すように、スムージングサイズが異なる境界で階調変化の大きな段差が生じる。
つまり、全ての部分を同じように画素領域を広げてスムージング処理すると、階調差の少ない特に暗い部分の階調再現性が損なわれてしまうという問題が生じるので、本実施の形態にかかる駆動システムでは、第2の液晶パネルに供給する映像信号に対して、階調差に応じてスムージング処理を行う領域のサイズ(スムージングサイズ)を変更するようになっている。
具体的には、階調差が大きい部分は、スムージングサイズ(上記処理中の±2画素の領域)を大きくし、階調差が少ない部分はスムージングサイズを小さくする。
但し、単に階調差を見て、スムージングサイズを変更するだけでは、スムージングサイズが変わる境界が不連続になってしまうという問題が生じる
たとえば、図4のような配列の場合、±2画素の領域の階調差をそれぞれ求めると図10のような値になる。この値に対してたとえば、128以上であれば±2画素でスムージング処理をおこない、33から127であれば±1画素、32以下であればスムージング処理を行なわないとする。そうして、同様に最大値、平均化処理を行なうと図11のような結果になり、2重線で囲んだ画素とその左の画素とでは、スムージングサイズが異なるので、この境界で段差が生じる。
たとえば、図4のような配列の場合、±2画素の領域の階調差をそれぞれ求めると図10のような値になる。この値に対してたとえば、128以上であれば±2画素でスムージング処理をおこない、33から127であれば±1画素、32以下であればスムージング処理を行なわないとする。そうして、同様に最大値、平均化処理を行なうと図11のような結果になり、2重線で囲んだ画素とその左の画素とでは、スムージングサイズが異なるので、この境界で段差が生じる。
本発明は、スムージングサイズが変わる境界を滑らかにしながら、階調差によってスムージングサイズを変更するための画像処理を簡単な方法で行なうものである。
すなわち、図3に示す画像処理回路ブロックにおける第2の液晶パネル用信号処理回路は、映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしている。
このように、駆動方法を行なうことによって、上記図7〜図9への状態変化は、図12〜図14に示すように、小さい広がりを持った滑らかなつながりになる。以下に、駆動方法についての詳細な説明を行う。
第1の駆動方法は以下のようにして実現する。すなわち、上記画像処理ブロックの第2の液晶パネル用信号処理回路は、上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分の上記領域内での最大値の大きさによって、上記領域内の画素数を増減し、画素数が決定された後の領域内における階調の最大値を上記注目画素の階調値として第2の映像データを求めて、上記第1の映像データの注目画素の階調値と、この第1の映像データの注目画素に対応する、上記第2の映像データの上記領域内における各画素の階調値との差分を求めて、この差分が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしている。
図15は、第1の駆動方法の処理流れの一例を示すフローチャートである。
ここで、第2の液晶パネル用信号処理回路に入力される映像信号は、第1の液晶パネルに入力される映像信号と同様に、RGB各色8ビットの映像信号である。
まず、入力映像信号(RGB24ビット)が入力されると(ステップS1)、RGBの最大値を選択する(ステップS2)。具体的には、各画素のRGBのうちの最大値を1フレーム分に対してとる。この配列を配列Aとする。
次に、基準の画素値と周り5×5ドットの画素値との差を取る(ステップS3)。具体的には、配列Aの各画素に対してたとえば、±2画素のエリア(5×5画素)で中心の画素との差の最大値を取る。
そして、差が127よりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。ここで、差が127よりも大きい、すなわち128以上であると判定された場合、5×5ドットの最大値を取る(ステップS5)。つまり、この差が128以上であった場合、±2画素のエリア(5画素×5画素)の最大値をその画素の値として、ステップS6に移行する。
一方、ステップS4において、差が127以下であると判定されれば、ステップS7に移行して、基準の画素値と周りの3×3ドットの画素値との差を取る。
そして、差が32よりも大きいか否かを判定する(ステップS8)。ここで、差が32よりも大きい、すなわち33以上であると判定された場合、3×3ドットの最大値を取る(ステップS9)。つまり、この差が33以上であった場合、±1画素のエリア(3画素×3画素)のエリアの最大値をその画素の値として、ステップS6に移行する。
一方、ステップS8において、差が32以下であると判定された場合、基準の画素値を取る(ステップS10)。つまり、差が32以下である場合、画素値を変更しないで、ステップS6に移行する。
以上のようにして、ステップS5,S9,S10において、各エリアの最大値を取った値の配列を配列Bとする。
その後、ステップS6において、基準の画素値と最大値を取った後の周りの5×5ドットとの差を取る。すなわち、配列Aの各要素の値と、配列Bのその位置に対応する要素の±2画素のエリア(5画素×5画素)との差の最大値をとる。
続いて、上記の差が127よりも大きいか否かを判定する(ステップS11)。ここで、この差が127よりも大きい、すなわち128以上であると判定された場合、5×5ドットの平均値を取る(ステップS12)。すなわち、注目画素を中心として±2画素のエリアの平均値をその位置の値とする。
一方、ステップS11において、差が127以下であると判定された場合、基準の画素値と最大値を取った後の周り3×3ドットの画素値との差を取る(ステップS13)。すなわち、注目画素を中心として±1画素のエリア(3画素×3画素)の領域に対して、ステップS6と同様に差をとる。
そして、上記の差が32よりも大きいか否かを判定する(ステップS14)。ここで、この差が32よりも大きい、すなわち33以上であると判定された場合、3×3ドットの平均値を取る(ステップS15)。すなわち、注目画素を中心として±1画素のエリアの平均値をその位置の値とする。
一方、ステップS14において、差が32以下であると判定された場合、最大値を取った後の画素値を取る(ステップS16)。すなわち、配列Bのその位置の要素をそのままとる。
たとえば、配列Aが図4のようであったら、配列Bは、図5のようになり、最終結果は、図6のようになる。すなわち、注目画素を中心として±2画素でスムージング処理を行なった場合と同じになる。
次に、配列Aが図12のようであった場合、±2画素の階調差が128を超える画素はなく、±1画素の階調差が33以上の領域は、5列目と6列目なので、その最大値をとるとすなわち配列Bは、図13のようになる。ここで、配列Aの2重線で囲った画素に注目すると、この画素の値と、配列Bのこの画素の位置に値する画素(2重線で囲った画素)の±2画素の領域のそれぞれの値との差の最大値は100であるので、128以上を満たさない。したがって、±1画素の領域のそれぞれの値との差を見るとその最大値は100になるので、±1画素の領域の平均値を取る。結果として、図14のようになる。
このようにして、第2の液晶パネルに表示する映像信号を第1の液晶パネルに表示する映像信号より、その値が高い部分が広がるようなスムージング処理を行い、輝度差によってスムージングサイズが変更される。
以上のように、上記の駆動方法においては、映像信号から得られた配列A(図4あるいは図12)を階調差に応じて信号レベルが高い部分を2画素、あるいは1画素広げることで、配列B(図5あるいは図13)を得、この配列Bを元の信号との階調差に応じてスムージング処理していることになる。
上記の第1の駆動方法では、配列Aから配列Bを得ることによって、第2の液晶パネルに対してスムージング処理を施す例について説明したが、下記の第2の駆動方法では、上記の配列Bを用いない例について説明する。
上記第2の駆動方法は以下のようにして実現する。すなわち、上記画像処理ブロックの第2の液晶パネル用信号処理回路は、上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素から離れるにしたがって値が大きくなるようにあらかじめ設定された2次元のフィルタの値を上記第1の映像データの領域内の各画素の階調値から差し引いた値の最大値を該注目画素の階調値とし、この階調値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしている。
図16は、第2の駆動方法の処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、第2の液晶パネル用信号処理回路に入力される映像信号は、第1の液晶パネルに入力される映像信号と同様に、RGB各色8ビットの映像信号である。
まず、入力映像信号(RGB24ビット)が入力されると(ステップS21)、RGBの最大値を選択する(ステップS22)。具体的には、各画素のRGBのうちの最大値を1フレーム分に対してとる。この配列を配列Aとする。
次に、配列Aの各画素に対して、9×9ドットの値からフィルタの値をそれぞれ引く(ステップS23)。すなわち、注目画素に対して±4画素のエリア(9画素×9画素)の各要素に対して、図17に示すフィルタにおいて設定されている定数をそれぞれ引く。このフィルタでは、図17に示すように、中心からの距離に対して遠いほど大きくなるような値を定数として設定している。
ステップS23においてそれぞれ引いた値が負の数になる場合は、0とする(ステップS24)。なお、負の数にならない場合には、引いた値をそのままにする。
そして、差分をとった9×9画素の配列の最大値をその中心の位置の値とする(ステップS25)。この作業を1フレーム内の全部の画素に対して行なう。このようにして、第2の液晶パネルに表示する映像信号を第1の液晶パネルに表示する映像信号より、その値が高い部分が広がるようなスムージング処理を行い、輝度差によってスムージングサイズが変更される。
たとえば、配列Aが図4のような場合、二重線で囲まれた画素の±4画素のエリアに対して図17のフィルタの値をそれぞれ引くとその最大値は、2画素右隣の255からその位置のフィルタの値102を引いた153になる。このように全画素に対して処理を行なうと結果は、図6と同じになる。つまり、ある隣接間の階調差がこのフィルタの隣接間の階調差より大きい場合には、フィルタの隣接間の階調をとるようにすることができる。
以上のように、上記の第2の駆動方法では、第1の駆動方法で用いた配列Bを得る代わりに、図17に示すフィルタを用いて配列Aをスムージング処理している。
上記構成の液晶表示装置による効果について、図18〜図21を参照しながら以下に説明する。
図18は、第2の液晶パネルに対して本実施の形態で述べた画像処理、すなわちスムージング処理を施していない場合の見え方を説明する図である。
図19は、第2の液晶パネルに対して本実施の形態で述べた画像処理、すなわちスムージング処理を施した場合の見え方を説明する図である。
通常、2枚の液晶パネル(第1の液晶パネル、第2の液晶パネル)に同じ映像信号を入力した場合、2枚の液晶パネルのガラスの厚みによる視差が生じ、光が干渉してモアレが見える。また、図18に示すように視線を傾けたときに2組の液晶パネルの画素がずれて見えるので、第2の液晶パネルの透過率が高い画素を通して第1の液晶パネルの透過率が低い部分が見えてしまう。
そこで、第2の液晶パネルの透過率が高い部分を第1の液晶パネルに比べて広げるようにスムージング処理することにより、光の干渉によるモアレを抑制し、図19に示すように視線を傾けたときでも第2の液晶パネルの暗い部分は見えないようにできる。
しかしながら、全ての場合において同じように透過率が高い部分を広げてしまうと以下に示すような問題が生じる。具体的には、図20に示すように、階調差が少ないところでも同じように透過率が高い部分が広がってしまうので、階調再現性が損なわれたり、輪郭がぼけたりしてしまう。
そこで、上記した本実施の形態にかかる駆動方法(第1、第2の駆動方法のいずれか一方)を用いることで、階調の差が少ない部分では、透過率が高い部分を広げる量を少なくする、あるいは、広げないようにすることにより、階調再現性を保ち、図21に示すように輪郭がぼけないようにすることができる。
本実施の形態1では、駆動方法として、スムージング処理対象領域の画素数を、該領域の階調差の大きさに応じて調整する駆動方法(第1、第2の駆動方法)について説明したが、以下の実施の形態2では、スムージング処理対象領域の画素数を、該領域の階調の最大値の大きさに応じて調整する駆動方法(第3の駆動方法)の例について説明する。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態で説明する駆動方法(第3の駆動方法)を適用する液晶表示装置は、前記実施の形態1で説明した図2に示す液晶表示装置と同じ構成であるので、詳細については省略する。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態で説明する駆動方法(第3の駆動方法)を適用する液晶表示装置は、前記実施の形態1で説明した図2に示す液晶表示装置と同じ構成であるので、詳細については省略する。
第3の駆動方法は以下のようにして実現する。すなわち、上記画像処理ブロックの第2の液晶パネル用信号処理回路は、上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内での階調の最大値の大きさによって、上記領域内の画素数を増減し、画素数が決定された後の領域内における階調の最大値を上記注目画素の階調値として第2の映像データを求めて、この第2の映像データの上記領域内における階調の最大値を求めて、この最大値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすようにしている。
図22は、上記第3の駆動方法の処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、第2の液晶パネル用信号処理回路に入力される映像信号は、第1の液晶パネルに入力される映像信号と同様に、RGB各色8ビットの映像信号である。
まず、入力映像信号(RGB24ビット)が入力されると(ステップS31)、RGBの最大値を選択する(ステップS32)。具体的には、各画素のRGBのうちの最大値を1フレーム分に対してとる。この配列を配列Aとする。
次に、基準の画素値を中心とする周り5×5ドットの画素値の最大値を取る(ステップS33)。具体的には、配列Aの各画素に対してたとえば、±2画素のエリア(5×5画素)での最大値Mを取る。
そして、この最大値Mが127よりも大きいか否かを判定する(ステップS34)。ここで、最大値Mが127よりも大きい、すなわち128以上であると判定された場合、5×5ドットの最大値Mを取る(ステップS35)。つまり、この最大値Mが128以上であった場合、±2画素のエリア(5画素×5画素)の最大値Mをその画素の値として、ステップS36に移行する。
一方、ステップS34において、最大値Mが127以下であると判定されれば、ステップS37に移行して、基準の画素値の周りの3×3ドットの画素値の最大値Nを取る。
そして、この最大値Nが32よりも大きいか否かを判定する(ステップS38)。ここで、最大値Nが32よりも大きい、すなわち33以上であると判定された場合、3×3ドットの最大値Nを取る(ステップS39)。つまり、この最大値Nが33以上であった場合、±1画素のエリア(3画素×3画素)のエリアの最大値Nをその画素の値として、ステップS36に移行する。
一方、ステップS38において、最大値Nが32以下であると判定された場合、基準の画素値を取る(ステップS40)。つまり、最大値Nが32以下である場合、画素値を変更しないで、ステップS36に移行する。
以上のようにして、ステップS35,S39,S40において、各エリアの最大値を取った値の配列を配列Bとする。
その後、ステップS36において、最大値を取った後の周りの5×5ドットの最大値M2を取る。すなわち、配列Bのその位置に対応する要素の±2画素のエリア(5画素×5画素)の最大値M2をとる。
続いて、上記の最大値M2が127よりも大きいか否かを判定する(ステップS41)。ここで、この最大値M2が127よりも大きい、すなわち128以上であると判定された場合、5×5ドットの平均値を取る(ステップS42)。すなわち、注目画素を中心として±2画素のエリアの平均値をその位置の値とする。
一方、ステップS41において、最大値M2が127以下であると判定された場合、周り3×3ドットの画素値の最大値N2を取る(ステップS43)。すなわち、注目画素を中心として±1画素のエリア(3画素×3画素)の領域に対して、ステップS36と同様に最大値をとる。
そして、上記の最大値N2が32よりも大きいか否かを判定する(ステップS44)。ここで、この最大値N2が32よりも大きい、すなわち33以上であると判定された場合、3×3ドットの平均値を取る(ステップS45)。すなわち、注目画素を中心として±1画素のエリアの平均値をその位置の値とする。
一方、ステップS14において、最大値N2が32以下であると判定された場合、最大値を取った後の画素値を取る(ステップS46)。すなわち、配列Bのその位置の要素をそのままとる。
たとえば、配列Aが図23のようであったら、配列Bは、図24のようになり、最終結果は、図25のようになる。すなわち、注目画素を中心として±2画素でスムージング処理を行なった場合と同じになる。
次に、配列Aが図26のようであった場合、±2画素の最大値Mが128を超える画素はなく、±1画素の最大値Nが33以上の領域は、5列目と6列目なので、その最大値Nをとるとすなわち配列Bは、図27のようになる。つぎに、配列Bの±2画素の領域における最大値Mが128超える画素もなく、±1画素の領域の最大値Nが33以上の領域は、4〜6列目なので、±1画素の領域の平均値を取る。結果として、図28のようになる。
このようにして、第2の液晶パネルに表示する映像信号を第1の液晶パネルに表示する映像信号より、その値が高い部分が広がるようなスムージング処理を行い、画素の最大値によってスムージングサイズが変更される。
以上のように、上記の第3の駆動方法においては、映像信号から得られた配列A(図23あるいは図26)を階調値の大きさに応じて信号レベルが高い部分を2画素、あるいは1画素広げることで、配列B(図24あるいは図27)を得、この配列Bの階調値の大きさに応じてスムージング処理していることになる。
以上、本実施の形態では、液晶パネルを2枚重ね合わせた場合の例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液晶パネルを3枚重ね合わせた場合であっても同様の効果を奏することできる。以下の実施の形態3では、液晶パネルを3枚重ね合わせた例について説明する。
〔実施の形態3〕
図29は、液晶パネルを3枚重ね合わせた場合の液晶表示装置の概略を示す図である。
図29は、液晶パネルを3枚重ね合わせた場合の液晶表示装置の概略を示す図である。
上記液晶表示装置は、図2に示す液晶表示装置において、第2の液晶パネルとバックライトユニットとの間に第3の液晶パネルを配した構成となっている。
上記構成の液晶表示装置において、第3の液晶パネルと第2の液晶パネルとの間隙は、第1の液晶パネルと第2の液晶パネルとの間隙と同じとして、第3の液晶パネルと第2の液晶パネルにも同様に、モアレが生じ、斜め視差からの影が問題となる。
したがって、第3の液晶パネルに入力する映像信号のスムージング処理は、第2の液晶パネルに入力するスムージング処理よりさらに1から2画素広げた領域で行なう必要がある。
具体的には、上記実施の形態1における第2の液晶パネルへの信号のスムージングサイズが5×5の領域を9×9に、3×3の領域を5×5にする。この際、各液晶パネルのγ設定を調整する必要がある。
上記構成の液晶表示装置における駆動方法について図30〜図35を参照しながら以下に説明する。なお、図30〜図35に示す配列は、第3の液晶パネルにおける配列を示している。
図30は、入力映像信号のRGBの最大値を画素ごとに取った結果を示す図である。
図30の2重線で囲まれた画素の周り4画素の領域(図の全領域)における最大の階調差は、255となるので、その領域における最大値を2重線で囲まれた画素の値とする。この処理を全画素について行なった結果が、図24となる。さらに、図30の2重線で囲まれた画素と図31の全領域における画素との最大の階調差も255となるので、図31では、各画素の周り4画素の領域の平均値をその画素の値とする。
この処理を各画素ごとに行なった結果は、図32に示すようになる。このように階調差が大きいところでは、広がりも大きくなることで、モアレを抑制し、斜め視角からの裏パネル(第3の液晶パネル)の陰になる部分も見えなくなる。
続いて、液晶パネルに入力される映像信号において、階調差がやや小さい場合のスムージング処理について説明する。図33は、入力映像信号のRGBの最大値を画素ごとに取った結果を示している。この場合、図33の2重線で囲んだ画素から見て周り4画素の領域におけるこの画素自身との階調差は、最大100となるので、この大きさで最大値をとる処理は行わない。
次に、図33の2重線で囲まれた画素から見て、周り2画素の領域(図の太線で囲まれた領域)における2重線で囲まれた画素との最大階調差は、100となるので、この大きさで最大値を取得する。この処理を全ての画素において行なった結果を図34に示す。
同様に、図33の2重線で囲まれた画素と、図34の太線で囲まれた領域の最大階調差は、100となるので、この領域の平均値を中心の画素値とする。全ての画素において処理を行なった結果を図35に示す。
図32および、図35の結果を第3の液晶パネルに入力し、図6および、図14の結果を第2の液晶パネルに入力し、図4、および図12の映像信号を第1の液晶パネルに入力することにより、暗部がより黒く締まった映像を出力することが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
テレビジョン受信機、モニター等の広視野角表示が必要な、液晶パネルを2枚以上重ね合わせた液晶表示装置に好適である。
1 透明基板
2 カラーフィルタ
3 対向電極
4 画素電極
5 信号配線
6 TFT
7 層間絶縁膜
8 ブラックマトリクス
10 対向基板
20 アクティブマトリクス基板
A 偏光板
B 偏光板
C 偏光板
2 カラーフィルタ
3 対向電極
4 画素電極
5 信号配線
6 TFT
7 層間絶縁膜
8 ブラックマトリクス
10 対向基板
20 アクティブマトリクス基板
A 偏光板
B 偏光板
C 偏光板
Claims (6)
- 液晶パネルを2枚以上重ね合わせ、偏光吸収層が液晶パネルを挟んでクロスニコルの関係に設けられ、該液晶パネルのそれぞれが同じ映像ソースに基づいた映像を出力する、バックライトを備えた液晶表示装置の駆動装置であって、
隣接した2枚の液晶パネルのうち、バックライトから離れた位置に配置された液晶パネルを第1の液晶パネルとし、他方の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、
上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備え、
上記映像処理回路は、
上記映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすことを特徴とする液晶表示装置の駆動装置。 - 液晶パネルを2枚以上重ね合わせ、偏光吸収層が液晶パネルを挟んでクロスニコルの関係に設けられ、該液晶パネルのそれぞれが同じ映像ソースに基づいた映像を出力する液晶表示装置の駆動装置であって、
隣接した2枚の液晶パネルのうち、バックライトから離れた位置に配置された液晶パネルを第1の液晶パネルとし、他方の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、
上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備え、
上記映像処理回路は、
上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、
上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素の階調値と、残りの画素の階調値との差分を求めて、この差分の上記領域内での最大値の大きさによって、上記領域内の画素数を増減し、画素数が決定された後の領域内における階調の最大値を上記注目画素の階調値として第2の映像データを求めて、上記第1の映像データの注目画素の階調値と、この第1の映像データの注目画素に対応する、上記第2の映像データの上記領域内における各画素の階調値との差分を求めて、この差分が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすことを特徴とする液晶表示装置の駆動装置。 - 液晶パネルを2枚以上重ね合わせ、偏光吸収層が液晶パネルを挟んでクロスニコルの関係に設けられ、該液晶パネルのそれぞれが同じ映像ソースに基づいた映像を出力する液晶表示装置の駆動装置であって、
隣接した2枚の液晶パネルのうち、バックライトから離れた位置に配置された液晶パネルを第1の液晶パネルとし、他方の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、
上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備え、
上記映像処理回路は、
上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、
上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該注目画素から離れるにしたがって値が大きくなるようにあらかじめ設定された2次元のフィルタの値を上記第1の映像データの領域内の各画素の階調値から差し引いた値の最大値を該注目画素の階調値とし、この階調値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすことを特徴とする液晶表示装置の駆動装置。 - 液晶パネルを2枚以上重ね合わせ、偏光吸収層が液晶パネルを挟んでクロスニコルの関係に設けられ、該液晶パネルのそれぞれが同じ映像ソースに基づいた映像を出力する、バックライトを備えた液晶表示装置の駆動装置であって、
隣接した2枚の液晶パネルのうち、バックライトから離れた位置に配置された液晶パネルを第1の液晶パネルとし、他方の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、
上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備え、
上記映像処理回路は、
上記映像ソースから得られる映像データから、上記第2の液晶パネルにおける、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内で、該領域内の画素の階調値の最大値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすことを特徴とする液晶表示装置の駆動装置。 - 液晶パネルを2枚以上重ね合わせ、偏光吸収層が液晶パネルを挟んでクロスニコルの関係に設けられ、該液晶パネルのそれぞれが同じ映像ソースに基づいた映像を出力する液晶表示装置の駆動装置であって、
隣接した2枚の液晶パネルのうち、バックライトから離れた位置に配置された液晶パネルを第1の液晶パネルとし、他方の液晶パネルを第2の液晶パネルとしたときに、
上記第1の液晶パネルに対して、映像ソースに応じた映像を出力するとともに、上記第2の液晶パネルに対して、上記映像ソースをスムージング処理した映像を出力する映像処理回路とを備え、
上記映像処理回路は、
上記映像ソースがRGBの映像信号であるとき、上記第2の液晶パネルにおける、各画素のRGBの階調の最大値をそれぞれ求めて第1の映像データを得て、
上記第1の映像データから、注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内における階調値の最大値の大きさによって、上記領域内の画素数を増減し、画素数が決定された後の領域内における階調の最大値を上記注目画素の階調値として第2の映像データを求めて、該第2の映像データの注目画素と該注目画素に隣接する複数の画素からなる領域内における階調値の最大値が大きいほど、上記注目画素を含むスムージング処理の対象となる領域内の画素数を増やすことを特徴とする液晶表示装置の駆動装置。 - 上記スムージング処理は、
N×M(N,Mは自然数)画素領域での最大階調値を求め、その値をM×N画素の中心画素の値とし、その値に対して平滑化フィルタにより平滑化する処理であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の液晶表示装置の駆動装置。
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