JP2008189621A - エポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エポキシ基含有カルボン酸(メタ)アリルエステルとオキセタン環を有するアルコールを原料として、エステル交換触媒の存在下で反応させて、収率よく、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を製造する工業的製造方法を確立することを目的とする。
【解決手段】エポキシ基含有カルボン酸(メタ)アリルエステルとオキセタン環を有するアルコールを、エステル交換触媒の存在下に反応させて、エポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を製造する。エステル交換触媒は、ジアルキル錫オキサイド、テトラアルキルチタネ−ト、金属アセチルアセトナート錯体及び炭酸カリウムの群の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】エポキシ基含有カルボン酸(メタ)アリルエステルとオキセタン環を有するアルコールを、エステル交換触媒の存在下に反応させて、エポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を製造する。エステル交換触媒は、ジアルキル錫オキサイド、テトラアルキルチタネ−ト、金属アセチルアセトナート錯体及び炭酸カリウムの群の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ基およびオキセタン環を分子内に含むエステル化合物が得られるように、エポキシ基含有カルボン酸(メタ)アリルエステルとオキセタン環を有するアルコールを原料に用い、エポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を製造する方法に関するものである。
なお、本明細書に記載の(メタ)アリルエステルとは、アリルエステル及び/またはメタリルエステルを意味する。また、本明細書に記載の(メタ)アリル基とは、アリル基及び/またはメタリル基を意味する。さらに、本明細書に記載の(メタ)アリルアルコールとは、アリルアルコール及び/またはメタリルアルコールを意味する。
本発明のエポキシ基含有カルボン酸(メタ)アリルエステルとオキセタン環を有するアルコールとを反応させることによって製造される、エポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物は、反応性の高いモノマーである。各種架橋剤や反応性希釈剤として用いられるほか、そのもの自身の重合物も、電気特性、寸法安定性、耐熱性、耐候性、耐薬品性、機械的特性に優れ各種成形品或いは光学材料としての使用も期待されている。
従来、エポキシ基を有する化合物及びオキセタン環を有する化合物を混合した組成物を用いてカチオン重合を行うと、硬化速度が著しく増加できることが知られている(非特許文献1)。
一方、エポキシ基含有カルボン酸アルキルエステルとオキセタン環を有するアルコールとのエステル交換反応によって、エポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法は、特許文献1に開示されている。しかし、特許文献1は、エポキシ基含有カルボン酸アルキルエステルとオキセタン環を有するアルコールを原料に用いたエステル交換では、反応を効率よく進行させる為には塩基性の強い触媒を用いる必要がある。しかし、上記の原料を用いた場合に塩基性の強い触媒を使用すると、反応中にエポキシ基の開環反応が起きてしまい、エステル化合物の収率が悪くなってしまうという問題があった。また、塩基性がほとんどない、あるいは塩基性の弱いエステル交換触媒を用いると、十分に反応が進行しない。一方、反応を進行させる為に反応温度を高くすると、その結果として、エポキシ基の開環反応を誘発してエステル化合物の収率が低下してしまうという問題を有していた。
イギリス特許969、041号公報
J.POLY.SCI.、Part A、33 P1807(1995)
本発明では上記のような従来の技術の欠点を考慮し、エポキシ基含有カルボン酸エステルとオキセタン環を有するアルコールを原料として、エステル交換触媒の存在下で反応させて、収率よく、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を製造する工業的製造方法を確立することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、対応するエポキシ基含有カルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールをエステル交換反応
により、(メタ)アリルアルコールを留去しながら反応させることにより、効率良く、目的とするエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を合成できることに成功し、本発明を完成するに至った。
により、(メタ)アリルアルコールを留去しながら反応させることにより、効率良く、目的とするエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を合成できることに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールとを、エステル交換触媒を用いて反応させて、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を製造する方法に関する。
さらに言えば、本発明は、以下の[1]〜[5]に示されるエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法に関する。
[1] エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールとを、エステル交換触媒を用いて反応させて、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法。
[2] エステル交換触媒が、ジアルキル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート、金属アセチルアセトナート錯体及び炭酸カリウムの群の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする[1]に記載のエステル化合物の製造方法。
[3] エステル交換触媒が、ジブチル錫オキサイドであることを特徴とする[1]に記載のエステル化合物の製造方法。
[4] オキセタン環を有するアルコールが、下記の一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のエステル化合物の製造方法。
一般式(1)
[1] エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールとを、エステル交換触媒を用いて反応させて、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法。
[2] エステル交換触媒が、ジアルキル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート、金属アセチルアセトナート錯体及び炭酸カリウムの群の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする[1]に記載のエステル化合物の製造方法。
[3] エステル交換触媒が、ジブチル錫オキサイドであることを特徴とする[1]に記載のエステル化合物の製造方法。
[4] オキセタン環を有するアルコールが、下記の一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のエステル化合物の製造方法。
一般式(1)
(式中、R1はメチル基又はエチル基を表す。)
[5] エポキシ基を有するモノカルボン酸(メタ)アリルエステル又はエポキシ基を有するポリカルボン酸(メタ)アリルエステルが、下記一般式(2)又は下記一般式(3)の群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のエステル化合物の製造方法。
一般式(2)
[5] エポキシ基を有するモノカルボン酸(メタ)アリルエステル又はエポキシ基を有するポリカルボン酸(メタ)アリルエステルが、下記一般式(2)又は下記一般式(3)の群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のエステル化合物の製造方法。
一般式(2)
(式中、R2は(メタ)アリル基を表し、R3〜R11はそれぞれ独立に水素、メチル基、エ
チル基または塩素から選ばれる原子団を表す。)
一般式(3)
チル基または塩素から選ばれる原子団を表す。)
一般式(3)
(式中、R12は(メタ)アリル基を表し、R13〜R21はそれぞれ独立に水素、メチル基、エチル基または塩素から選ばれる原子団を表す。)
本発明では、対応するエポキシ基含有カルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールをエステル交換反応により、(メタ)アリルアルコールを留去しながら反応させることにより、効率良く、目的とするエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を製造することにより、安価な工業的製造方法を提供することが可能になった。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールとを、エステル交換触媒を用いて反応させて、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法である。
本発明は、エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールとを、エステル交換触媒を用いて反応させて、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法である。
まず、最初に、本発明の製造方法の原料成分である、エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルについて説明する。
本発明の製造方法の原料成分である、エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルは、同一分子内に1個以上のエポキシ基と1個以上の(メタ)アリルエステル結合を有する化合物であれば、特に制限はない。
本発明の製造方法の原料成分である、エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルは、同一分子内に1個以上のエポキシ基と1個以上の(メタ)アリルエステル結合を有する化合物であれば、特に制限はない。
エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルの中で、合成の容易さ、或いは入手の容易さを考慮すると、好ましい化合物としては、以下の一般式(2)〜(5)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(2)
一般式(2)
(式中、R2は(メタ)アリル基を表し、R3〜R11はそれぞれ独立に水素、メチル基、エチル基または塩素から選ばれる原子団を表す。)
一般式(3)
一般式(3)
(式中、R12は(メタ)アリル基を表し、R13〜R21はそれぞれ独立に水素、メチル基、エチル基または塩素から選ばれる原子団を表す。)
一般式(4)
一般式(4)
(式中、R22、R23は(メタ)アリル基を表し、R24〜R31はそれぞれ独立に水素、メチル基、エチル基または塩素から選ばれる原子団を表す。)
一般式(5)
一般式(5)
(式中、R32、R33は(メタ)アリル基を表し、R34〜R41はそれぞれ独立に水素、メチル基、エチル基または塩素から選ばれる原子団を表す。)
これらの化合物の中で、特に好ましいものとしては、一般式(2)及び一般式(3)で表される化合物である。
これらの化合物の中で、特に好ましいものとしては、一般式(2)及び一般式(3)で表される化合物である。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の構造式の化合物を挙げることができる。
また、一般式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の構造式の化合物を挙げることができる。
まず、次に、本発明の製造方法の原料成分である、オキセタン環を有するアルコールについて説明する。
本発明の製造方法の原料成分である、オキセタン環を有するアルコールは、同一分子内に1個以上のオキセタン環と1個以上の水酸基を有する化合物であれば、特に制限はない。
本発明の製造方法の原料成分である、オキセタン環を有するアルコールは、同一分子内に1個以上のオキセタン環と1個以上の水酸基を有する化合物であれば、特に制限はない。
オキセタン環を有するアルコールの中で、合成の容易さ、或いは入手の容易さを考慮すると、好ましい化合物としては、以下の一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(1)
一般式(1)
(式中、R1はメチル基又はエチル基を表す。)
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の構造式の化合物を挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の構造式の化合物を挙げることができる。
次に、本発明の製造方法の必須成分である、エステル交換触媒について説明する。
本発明の製造方法で用いるエステル交換触媒としては、エステル基を活性化させアルコールとの反応を起こさせるものなら、基本的にはどのような触媒でも用いることが出来る
。例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、
アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の弱酸塩、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコラート、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの酸化物、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの水酸化物、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの無機酸塩、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnのアルコキシド、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの有機酸塩、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnのアセチルアセトナートのような有機錯体、
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、
ジメチルアニリン、1、4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等の3級アミン等である。
本発明の製造方法で用いるエステル交換触媒としては、エステル基を活性化させアルコールとの反応を起こさせるものなら、基本的にはどのような触媒でも用いることが出来る
。例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、
アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の弱酸塩、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコラート、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの酸化物、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの水酸化物、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの無機酸塩、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnのアルコキシド、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnの有機酸塩、
Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、CoおよびSnのアセチルアセトナートのような有機錯体、
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、
ジメチルアニリン、1、4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等の3級アミン等である。
これらの中で、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等のジアルキル錫オキサイド、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート、マンガンアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、ハフニウムアセチルアセトナ−ト等の金属アセチルアセトナート錯体、炭酸カリウムを用いることが好ましい。
これらの中で、特に好ましいものとしては、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等のジアルキル錫オキサイド、マンガンアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、ハフニウムアセチルアセトナ−ト等の金属アセチルアセトナート錯体であり、最も好ましいものとしては、ジブチル錫オキサイドである。
反応は、エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルとオキセタン環を有するアルコールとをエステル交換触媒の存在下に加熱することにより行う。反応温度は、使用するエステル交換触媒の種類によっても異なるが、30〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲から選ばれ、常圧または加圧下、または必要に応じて減圧下で、不活性ガス雰囲気中で行われることが望ましい。さらに、反応を効率的に行うためには、生成するアルコールを反応系外に速やかに留出させたほうがよい。
オキセタン環を有するアルコールの使用量としては、原料エステルに対して理論量は最低限必要であり、反応速度、平衡等を考慮すれば、更に過剰モル使用したほうがよい。しかし、オキセタン環を有するアルコールをあまりに大過剰用いても、その過剰量に見合う効果が出ないので経済的に好ましくない。このため通常オキセタン環を有するアルコールは原料エステルの理論量に対して、1.05〜5倍モルより好ましくは1.1〜4倍モル程度を使用する。その際の仕込方法としては反応の最初に仕込んでもよいし、反応途中に順次加えて入ってもよい。
エステル交換触媒の使用量としては、原料エステルに対して0.01質量%〜3質量%、好ましくは0.05質量%〜2質量%程度である。この場合も、少なすぎる場合には反応速度が遅くなるし、多い場合にはその量に見合う効果が得られないばかりか、着色がひどくなり、また副反応のためにかえって収率が低下してしまう場合すらある。また、使用するエステル交換触媒の種類によっては、過剰の使用は、エステル交換触媒との分離に多大な時間や労力を要するという問題がある。
本反応系で生成したエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の単離法としては、使用する触媒の種類によって異なるが、例えば、ジブチル錫ジオキシドを使用した場合には、(メタ)アリリアルコール及びオキセタン環を有するアルコールを留去後、生成したエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物が蒸留可能な化合物の場合には、蒸留精製を行うだけで、製品として使用できる精製品を得ることができる。また、生成したエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物が蒸留できない化合物の場合には、水洗等手段を使用して精製することが可能である。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ制限されるものではない。
(実施例1)
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリル 182.2g(1モル)、3−エチル−3−ヒドロキシメ
チルオキセタン 145.2g(1.25モル)及びジブチル錫オキシド 0.182gを入れ、140℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるアリルアルコールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、10時間反応を行った。反応終了後、GC分析により3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルに対し、90.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物206.7g(収率86%)を得た。
(実施例1)
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリル 182.2g(1モル)、3−エチル−3−ヒドロキシメ
チルオキセタン 145.2g(1.25モル)及びジブチル錫オキシド 0.182gを入れ、140℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるアリルアルコールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、10時間反応を行った。反応終了後、GC分析により3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルに対し、90.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物206.7g(収率86%)を得た。
(実施例2)
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メタリル 196.2g(1モル)、3−エチル−3−ヒドロキシ
メチルオキセタン 145.2g(1.25モル)及びジブチル錫オキシド 0.182gを入れ、140℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるアリルアルコールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、10時間反応を行った。反応終了後、GC分析により3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メタリルに対し、90.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物206.7g(収率86%)を得た。
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メタリル 196.2g(1モル)、3−エチル−3−ヒドロキシ
メチルオキセタン 145.2g(1.25モル)及びジブチル錫オキシド 0.182gを入れ、140℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるアリルアルコールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、10時間反応を行った。反応終了後、GC分析により3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メタリルに対し、90.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物206.7g(収率86%)を得た。
(実施例3)
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに1−メチル−3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリル 196.2g(1モル)、3−エチル−3−
ヒドロキシメチルオキセタン 145.2g(1.25モル)及びジブチル錫オキシド 0.182gを入れ、140℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるアリルアルコールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、10時間反応を行った。反応終了後、GC分析により1−メチル−3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルに対し、90.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物213.6g(収率84%)を得た。
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに1−メチル−3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリル 196.2g(1モル)、3−エチル−3−
ヒドロキシメチルオキセタン 145.2g(1.25モル)及びジブチル錫オキシド 0.182gを入れ、140℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるアリルアルコールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、10時間反応を行った。反応終了後、GC分析により1−メチル−3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルに対し、90.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物213.6g(収率84%)を得た。
(比較例1)
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メチル 31.2g(0.2モル)、3−エチル−3−ヒドロキシ
メチルオキセタン145.2g(1.25モル)及びテトラブチルチタネート1gを入れ、120℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるメタノールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、22時間反応を行った。この間、反応系は2.0kPaに減圧していた。反応終了後、GC分析により3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メチルに対し、75.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物34.1g(収率71%)を得た。
温度計、精留塔のついた300ml三ッ口丸底フラスコに3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メチル 31.2g(0.2モル)、3−エチル−3−ヒドロキシ
メチルオキセタン145.2g(1.25モル)及びテトラブチルチタネート1gを入れ、120℃に調節した油浴により加熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくるメタノールを精留塔から留出させて100mlナス型フラスコで取得し、22時間反応を行った。この間、反応系は2.0kPaに減圧していた。反応終了後、GC分析により3、4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸メチルに対し、75.0%の下記構造式の化合物が生成していることを確認した。また、この後、系内に残っている3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを減圧下に留去した。その後、三ッ口丸底フラスコ内の内容物を、ナス型フラスコ入れ替え、減圧蒸留を行い、沸点124℃〜125℃/2.9Paの無色透明な下記構造式の化合物34.1g(収率71%)を得た。
上記の結果から明らかなように、本発明の製造方法は、従来の方法に比較して、効率良く、目的とするエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物を提供することが可能になった。
Claims (5)
- エポキシ基を有するカルボン酸(メタ)アリルエステルと、オキセタン環を有するアルコールとを、エステル交換触媒を用いて反応させて、対応するエポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法。
- エステル交換触媒が、ジアルキル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート、金属アセチルアセトナート錯体及び炭酸カリウムの群の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のエステル化合物の製造方法。
- エステル交換触媒が、ジブチル錫オキサイドであることを特徴とする請求項1に記載のエステル化合物の製造方法。
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JP2007027964A JP2008189621A (ja) | 2007-02-07 | 2007-02-07 | エポキシ基とオキセタン環を有するエステル化合物の製造方法 |
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JP2010006754A (ja) * | 2008-06-27 | 2010-01-14 | Showa Denko Kk | 脂環式エポキシ基含有エステル化合物の製造方法 |
CN102775397A (zh) * | 2011-05-12 | 2012-11-14 | 第一毛织株式会社 | 氧杂环丁烷环状环氧化合物、制法、复合片和显示器基板 |
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2007
- 2007-02-07 JP JP2007027964A patent/JP2008189621A/ja active Pending
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