JP2008189220A - 補助シートベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】事故時に衝撃が掛かった場合などにおいても、確実に装着者の身体を自動車シートに保持できる補助シートベルトを提供する。
【解決手段】自動車シートSの背もたれ部分S1に取り付けが可能な取付部と、上記の取付部に取り付けられたものであって、少なくとも装着者Cの右肩と左肩とにそれぞれ当接させることができる2本の装着用ベルト2,2と、この2本の装着用ベルト2,2の先端が取り付けられる接続部材とを備え、この接続部材は、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1に対して接続される第1接続手段3と、車体側シートベルトBにおける受け部分B2に対して接続される第2接続手段4とを備え、車体側シートベルトBにおける上記のベルト部分B1と、上記の受け部分B2とが、上記の両接続手段3,4を介して接続されるものであることを特徴とする補助シートベルトを提供する。
【選択図】図7
【解決手段】自動車シートSの背もたれ部分S1に取り付けが可能な取付部と、上記の取付部に取り付けられたものであって、少なくとも装着者Cの右肩と左肩とにそれぞれ当接させることができる2本の装着用ベルト2,2と、この2本の装着用ベルト2,2の先端が取り付けられる接続部材とを備え、この接続部材は、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1に対して接続される第1接続手段3と、車体側シートベルトBにおける受け部分B2に対して接続される第2接続手段4とを備え、車体側シートベルトBにおける上記のベルト部分B1と、上記の受け部分B2とが、上記の両接続手段3,4を介して接続されるものであることを特徴とする補助シートベルトを提供する。
【選択図】図7
Description
本願発明は、自動車シートと車体側シートベルトとに取り付けられて使用される補助シートベルトに関するものである。
従来から、子供を自動車に乗せる際において、自動車に元から装備されている車体側シートベルトだけでは安定した装着ができず、事故の際や、車に遠心力がかかった際などに、身体が車体側シートベルトからすり抜けてしまい危険であるという問題があった。
このことへの対策として、チャイルドシートが現在よく用いられている。このチャイルドシートは、椅子形あるいは舟形に形成されたものであって、自動車シートに車体側シートベルトを用いて取り付けられ、ここに子供を着席させたり寝かせたりすることができる。
しかし、このチャイルドシートでは、車体側シートベルトが保持することができるのはあくまでもチャイルドシート自体であって、子供の身体は車体側シートベルトによっては直接保持されない。しかもチャイルドシートの構造上、車体側シートベルトが保持する部分はチャイルドシートの下辺部に偏っている。
そのため、急ブレーキをかけた際の慣性力やカーブ走行の際に働く遠心力が子供の身体にかかってしまい、身体が前後左右に揺れやすい。
車体側シートベルトには、自動車のブレーキ動作と連動して車体側にベルトを引き込む、モータ駆動のプリテンショナーが設けられている場合があるが、上記のようにチャイルドシートを取り付けた場合は、このプリテンショナーの機能を子供に直接働かせることもできず、場合によっては、急ブレーキをかけた際にチャイルドシートごと、前のめりになってしまうこともあり得るものであって、安全性の点においてチャイルドシートは完全でない。
このような問題に加え、チャイルドシートを装着している間は自動車シートの一定部分をチャイルドシートが占有することとなり、子供が乗車しない場合においても、そのままでは大人が乗車できないため、自動車の乗車定員が減ってしまうという問題がある。
上記はチャイルドシートシートを用いた場合の問題であるが、子供がやや成長し、チャイルドシートに乗らなくなった後には、冒頭で示したように、自動車に元から装備されている車体側シートベルトだけでは安定した装着ができず、事故などの際に身体が車体側シートベルトからすり抜けてしまい危険であるという問題が発生する。
ここで、主に子供用の補助シートベルトとして、特許文献1〜3に記載のものを始め、種々の発明・考案がなされている。
まず、特許文献1に記載の考案は、自動車シートの背もたれ部分に上下方向に巻き付けられた車側ベルトと、子供の身体に装着するための安全ベルトを備えたものであり、車側ベルトに安全ベルトを取り付けることができるものとされている。
次に、特許文献2に記載の発明は、車体側シートベルトを挿通することにより取り付けられるようにした補助シートベルトである。
そして、特許文献3に記載の発明は、自動車シートに取り付けられ、子供の身体に当接できるようにしたベルトの端部を筒状としておき、この筒状の部分に車体側シートベルトを通すことができるものである。
ところが、これら特許文献1〜3に記載の発明・考案には以下の問題がある。
まず、特許文献1に記載の考案は、上記の車側ベルトが自動車シートの背もたれ部分に単に上下方向に巻き付けられただけで、車体に固着させるアンカー部分もないものであり、しかも車体側シートベルトを一切利用していないため、事故時に横方向への衝撃が掛かった場合において全体が横ずれしてしまい、子供を十分に保護できない可能性がある。
そして、特許文献2及び特許文献3に記載の発明にあっても、補助シートベルトに対して車体側シートベルトが単に通されているだけであって、両者が直接結合されていないため、事故時の衝撃により起こる自動車シートに対する身体のずれを有効に防止できないという問題がある。
ここで、上記の問題とは別に、子供以外に、例えば妊婦や高齢者などの種々の装着者の安全性も向上させることのできる補助シートベルトが望まれている。
本願発明は上記種々の点に鑑み、事故時に衝撃が掛かった場合や、慣性力あるいは遠心力がかかった場合においても、確実に装着者の身体を自動車シートに保持できる補助シートベルトを提供することを課題とする。
また、子供以外の種々の装着者の安全性を向上させる補助シートベルトを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、自動車シートSと車体側シートベルトBとに取り付けられ、装着者Cの安全性を向上させる補助シートベルトにおいて、自動車シートSの背もたれ部分S1に取り付けが可能な取付部1と、上記の取付部1に取り付けられたものであって、少なくとも装着者Cの右肩と左肩とにそれぞれ当接させることができる2本の装着用ベルト2,2と、この2本の装着用ベルト2,2の先端が取り付けられる接続部材Jとを備え、この接続部材Jは、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1に対して接続される第1接続手段3と、車体側シートベルトBにおける受け部分B2に対して接続される第2接続手段4とを備え、車体側シートベルトBにおける上記のベルト部分B1と、上記の受け部分B2とが、上記の両接続手段3,4を介して接続されるものであることを特徴とする補助シートベルトを提供する。
また、本願の請求項2に記載の発明は、上記の接続部材Jが、バックル3と、このバックル3と車体側シートベルトBにおける受け部分B2とを接続するための接続ベルト4とを備えたものであり、上記のバックル3は、4箇所の接続部分31R,31L,32R,32Lを備えており、そのうちで上接続部分31R,31Lは上記の各装着用ベルト2,2との接続に用いられるものであり、下接続部分のうち一方32R,32Lは車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1との接続に用いられるものであり、下接続部分のうち他方32L,32Rは上記の接続ベルト4との接続に用いられるものであることを特徴とする、請求項1に記載の補助シートベルトを提供する。
また、本願の請求項3に記載の発明は、上記の取付部1が、自動車シートSの上方に設けられたヘッドレストHの根元部分に固定可能な固定部11と、上記の固定部11に取り付けられ、固定部11から縦方向に延ばされたものであって、自動車シートSの背もたれ部分S1に巻き付けることができる縦ベルト12,12と、上記の各縦ベルト12,12の各々に取り付けられたものであって、自動車シートSの背もたれ部分S1の左右端部を取り巻くように配位できる横ベルト13〜13とを備えたものであり、上記の装着用ベルト2,2が上記の固定部11に取り付けられたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の補助シートベルトを提供する。
本願の請求項1及び2に記載の発明は、自動車シートSの背もたれ部分S1に取付部1が取り付け可能であり、この取付部1には装着用ベルト2,2を備え、接続部材Jには上記の装着用ベルト2が取り付けられると共に車体側シートベルトBが接続されるものであるため、事故時に衝撃が掛かった場合や、慣性力あるいは遠心力がかかった場合においても、装着用ベルト2が横ずれすることがなく、確実に装着者の身体を自動車シートに保持できる補助シートベルトを提供することができたものである。
また、接続部材Jを、種々の装着者Cが最も使いやすいように設計されたものに取り替えるだけで、例えば妊婦や高齢者など、子供以外の装着者Cの安全性も向上させることのできる補助シートベルトを提供することができたものである。
また、この補助シートベルトはチャイルドシートよりも安価に提供できる。また、チャイルドシートとは異なり、補助シートベルトが装着された自動車シートSにも大人がそのまま着席することが可能であり、自動車の乗車定員が減ってしまうことがない。
そして、本願の請求項3に記載の発明は、上記の効果に加え、取付部1がヘッドレストHの根元部分に固定可能な固定部11と、自動車シートSの背もたれ部分S1に巻き付けることができる縦ベルト12,12及び横ベルト13〜13から構成されたものとすることによって、より安全性の高い補助シートベルトを提供することができたものである。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例をとりあげて説明する。図1は本実施例に係る補助シートベルトの一部を示す図であり、図2〜図4は本実施例に係る補助シートベルトの一式を自動車シートに取り付けた様子を示す図であり、図5及び図6は本実施例に係るバックルを示す図であり、図7は本実施例に係る補助シートベルトの使用状態を示す図であり、図8は他の実施例に係る補助シートベルトの一式を自動車シートに取り付けた様子を示す図である。
なお、以下における上下左右の表現に関しては、図2に示したように補助シートベルトを自動車シートSに取り付けて、自動車シートSの正面側から見た場合の方向を基準としている。
本実施例に係る補助シートベルトは、基本的には従来のものと同様であって、自動車シートSと車体側シートベルトBとに取り付けられたことにより、子供などの装着者Cが装着できるものである。この補助シートベルトは、取付部1、装着用ベルト2、接続部材J(図2参照)から構成されている。そして上記の接続部材Jは更に、バックル3と接続ベルト4から構成されている。このような構成により、チャイルドシートよりも安価に提供できるという利点を有する。
取付部1は、自動車シートSの背もたれ部分S1に取り付けが可能なものとされている。この取付部1は、本実施例では固定部11、縦ベルト12,12、横ベルト13〜13を備えている。
固定部11は、自動車シートSの上方に設けられたヘッドレストHの根元部分に固定可能なものとされている。本実施例においては、図1に示したように左側部11aと右側部11b、そしてこれらの各部を結ぶ連結部11cとを備えた略H字状とされている。これは、図4に示したように背もたれ部分S1における上端部分に沿わせることができる程度の柔軟性を有するものであるか、あるいは背もたれ部分S1における上端部分の形状にほぼ一致するようにあらかじめ成型されたものとされており、左側部11aと右側部11bの各々中央に貫通穴111が設けられている。この貫通穴111は、図2に示すように背もたれ部分S1の上端部分から上方に突出するようにして設けられたヘッドレストHの支持棒H1が貫通できるものとされている。
なお、この固定部11については、事故時に衝撃がかかった際にヘッドレストHの支持棒H1によって左側部11aや右側部11bが引きちぎられない程度の強度を備えたものとしておく必要がある。
本実施例に係る固定部11を自動車シートSに取り付ける際には、背もたれ部分S1から一度ヘッドレストHを取り外し、この背もたれ部分S1の上端部分に存在する上記の支持棒H1を配位するための穴に固定部11の貫通穴111を重ね合わせ、その状態で再び貫通穴111に支持棒H1を貫通させるようにしてヘッドレストHを取り付ける。
なお、本願発明における取付部1には、この固定部11を設けることは必須ではなく、下記の縦ベルト12のみで自動車シートSの背もたれ部分S1に取り付けられるようにしても良い。また、固定部11を例えば、ヘッドレストHの支持棒H1に引掛けることのできる、単なるフック状の金具としたり、自動車シートSの表面に貼り付けることのできる面ファスナーとしても良く、種々の形態での実施が可能である。
縦ベルト12,12は、図1に示したように、上記の固定部11における左側部11aと右側部11bの各々端部に取り付けられ、縦方向に延ばされた二列のベルトである。そしてこれら各列の縦ベルト12において、固定部11の正面側(図示下方)に正面側縦ベルト121が、同背面側(図示上方)に背面側縦ベルト122が配位されている。
本実施例に係る正面側縦ベルト121と背面側縦ベルト122とは、各列の縦ベルト12において各々独立したものとされており、各々の端部が上記の固定部11に取り付けられたものとされているが、縦ベルト12と固定部11との関係はこれに限られるものではなく、各列における正面側縦ベルト121と背面側縦ベルト122とを連続した一本のベルトとして形成したものであっても良い。なお、このように一本のベルトとした場合にあっては、上記の固定部11に対して固定されたものとしても良いし、固定部11の左側部11aあるいは右側部11bに対して長手方向にスライドすることを許容する状態で支持されたものであっても良い。
そして、正面側縦ベルト121の端部には結合具123を備えている。この結合具123は、バンドを留めるために一般的に使用されているものであって、本実施例では背面側縦ベルト122を通した状態で留めることのできる枠状のものである。
この結合具123を利用し、図1の右半分で示したように正面側縦ベルト121と背面側縦ベルト122とをループ状として、図2〜図4に示したように、自動車シートSの背もたれ部分S1に巻き付けることができる。
なお、背面側縦ベルト122の端部にはフック124が設けられており、縦ベルト12を上記のようにループ状とした際の、ループを構成しないで垂れている余り部分を、自動車シートSのスライドレールなど、車体の一部に引掛けることで、縦ベルト12を車体に固着させるアンカーとして機能させることができる。つまり、事故の場合や急ブレーキを掛けた場合に生じる慣性力により、自動車シートSと共に装着者の身体が前のめりに移動してしまうことを防ぐことができる。
横ベルト13〜13は、上記の各縦ベルト12,12の各々に取り付けられたものであって、本実施例では、図2〜図4に示したように、自動車シートSの背もたれ部分S1の左右端部を取り巻くように配位できるものである。各横ベルト13は、上記の正面側縦ベルト121に対して直交する方向であって、他列側の正面側縦ベルト121とは反対側へと延ばされた正面側横ベルト131と、上記の背面側縦ベルト122に対して直交する方向であって、他列側の背面側縦ベルト122とは反対側へと延ばされた背面側横ベルト132とを、縦ベルト12の一列当たりに2本ずつ備えている。
上記の縦ベルト12と同様に、この各正面側横ベルト131の端部にも結合具133を備えており、これを利用し、図1の右側に示したように正面側横ベルト131と背面側横ベルト132とをループ状として、自動車シートSの背もたれ部分S1における左右部分に巻き付けることができる。なお、横ベルト13としてゴムなどからなる伸縮性を有するベルトを用い、正面側横ベルト131と背面側横ベルト132とを一体とすることで、結合具133を省略しても良い。
このように、本願発明に係る補助シートベルトは、取付部1のうち縦ベルト12,12と横ベルト13〜13とを自動車シートSの背もたれ部分S1に巻き付けることができるため、上記に示した特許文献1に記載の考案のように、車側ベルトが自動車シートの背もたれ部分に単に上下方向に巻き付けられただけのものに比べて、事故時に横方向への衝撃が掛かった場合や、慣性力あるいは遠心力がかかった場合においても、取付部1が横ずれしてしまうことがなく、確実に装着者Cの身体を自動車シートSに保持できるという利点を有する。特に本実施例では、上記のように固定部11がヘッドレストHに固定されているため、より強固に横ずれを防止することができる。
そして、この横ベルト13〜13を自動車シートSの背もたれ部分S1に巻き付けることにより、図4に示したように、縦ベルト12を背もたれ部分S1の立体形状に沿わせることができる。
ここで本実施例では、上記のように取付部1として縦ベルト12,12と横ベルト13〜13とを備えたものとされ、図4に示したように、この縦ベルト12,12と横ベルト13〜13とが梯子状とされて自動車シートSに掛け渡されたものとされているが、これに限られるものではなく、例えば取付部1が網状のものとされた、自動車シートSに被せるようなものであっても良い。
また、取付部1として縦ベルト12と横ベルト13に加え、図8に示すように、各ベルト12,13の外側を覆うようにして、袋状のシートカバー14を設けたものであっても良い。このようにシートカバー14を設けることにより美観を向上させることができ、また、装着者Cが各ベルト12,13の存在により背中に感じる違和感(出っ張り感)を軽減させることができる。ここで設けられるシートカバー14は、各ベルト12,13と一体とされていても良いし、別体であって取り外しが可能なものであっても良い。
また、縦ベルト12,12と横ベルト13〜13とは、本実施例では上記のように直交する関係とされているが、直角以外の角度を持って、斜め方向に交差するものであっても良い。
次に、装着用ベルト2,2は、上記の固定部11の正面側に取り付けられたものであって、縦方向に延ばされた二列のベルトである。この装着用ベルト2,2は上記の正面側縦ベルト121,121の正面側に重ねられている。装着用ベルト2の幅寸法は特に限定されるものではないが、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1の幅と一致させた方が美観上望ましい。
この装着用ベルト2は、図7に示したように、少なくとも装着者Cの右肩と左肩とにそれぞれ当接させることができるものとされている。なお、本実施例では装着用ベルト2が2本用いられたものであって、各々が縦方向に平行に延び、装着者Cの正面側を上下に沿うものとされているが、例えば、装着者Cの正面側で交差してたすき掛けされるように、上記の固定部11から斜め方向に延びるものとしても良く、種々に変更して実施できる。
装着用ベルト2の端部にはバックル接続部21が設けられている。本実施例では、このバックル接続部21は車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1の先端接続金具と同一構造のものとされている。具体的には、図5に示すように、固定用穴211aが開けられた平板状部分211を有しており、この平板状部分211をバックル3の接続部分31R,31L,32R,32Lの空間に挿入することにより、上記の固定用穴211aにバックル3側に設けられた閂部材(図示しない)が引っ掛かり、これによりバックル3とバックル接続部21とを接続することができる。
また、この装着用ベルト2は端部において二重に折り返されており、長さ調整具22によって適当な長さに調整することができる。
また、本実施例においては、上記のように二列設けられた装着用ベルト2,2の間に渡しベルト23が設けられている。この渡しベルト23は、例えば端部がループ状に形成されたことにより、装着用ベルト2に対して上下方向にずらせることができる。この渡しベルト23は、装着用ベルト2の間隔を保持するために設けられたものであって、装着者Cの体格に合わせて適宜位置を調整して使用することができる。なお、この渡しベルト23は本願発明において必須のものではなく、設けなくても良い。
接続部材Jは、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1に対して接続される第1接続手段3と、車体側シートベルトBにおける受け部分B2に対して接続される第2接続手段4とを備える。本実施例ではバックル3と接続ベルト4から構成されており、前記の第1接続手段3がバックル3に対応し、第2接続手段4が接続ベルト4に対応しているが、その他の形態を取っても良い。
この接続部材Jは、上記装着用ベルト2,2の先端が取り付けられる部分である。装着用ベルト2,2の取り付けに関しては、本実施例のように着脱可能に取り付けられるものであっても良いし、縫着などの手段により一体に取り付けられ、着脱不能とされていても良い。
また、第1接続手段3と第2接続手段4に関しては、本実施例のように別体であっても良いし一体であっても良い。つまり、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1と受け部分B2とが、両接続手段3,4を介して接続されるものでさえあれば良い。
上記両接続手段3,4を一体とした場合として、妊婦の腹部を覆うことのできる柔軟なシート状体やネット状体として実施することが例示できる。この実施形態においては、上記両接続手段3,4が一体とされた接続部材Jに少なくとも、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1及び受け部分B2の各々に対して接続できる接続部分が設けられている必要がある。この接続部分とは、具体的には、後述するバックル3の右下接続部分32R、及び、接続ベルト4の車体接続部42と同様の部分である。そして、上記の接続部分が設けられると共に、上記装着用ベルト2,2の先端が、上記のように着脱可能あるいは着脱不能に取り付けられるようにしておく必要がある。
本実施例におけるバックル3は、上記の装着用ベルト2と車体側シートベルトBと結合させて一体とさせるために用いられるものである。このバックル3は、図5に示すように4箇所の接続部分31R,31L,32R,32Lを備えている。本実施例では、右上接続部分31R及び左上接続部分31Lは上記の装着用ベルト2との接続に用いられる。そして、右下接続部分32Rは車体側シートベルトBのうちベルト部分B1との接続に用いられるものであり、左下接続部分32Lは下記の接続ベルト4との接続に用いられる。なお、右下接続部分32Rと左下接続部分32Lとは、役割が上記と左右逆転したものであっても良い。
ここで、接続ベルト4は、図2に示すように、上記のバックル3と車体側シートベルトBのうち受け部分B2とを接続するために用いられる。上記のように、本願発明に係る補助シートベルトは、自動車に元から装備されている車体側シートベルトBを利用するものであり、車体側シートベルトBのうちベルト部分B1が上記のようにバックル3に接続されるため、別にバックル3と受け部分B2との間を接続するためのものが必要になり、このために用いられるものがすなわち接続ベルト4である。この接続ベルト4は、一端にバックル接続部41、他端に車体接続部42を備えたものとされており、上記の装着用ベルト2と同様、長さの調整ができるように長さ調整具43が設けられている。
次にバックル3の説明に戻る。このバックル3は種々の形態で実施可能であり、一例として図5に示したものが子供用、図6に示したものが妊婦用のものである。ただし、例示したバックル3の形態は、主な装着者Cを上記のように想定して形成されたものではあるが、対応する装着者Cが必ずしも限定されているわけではなく、上記以外の装着者Cであっても使用するのに何ら問題はない。このように、バックル3を、種々の装着者Cが最も使いやすいように設計されたものに取り替えることによって、例えば妊婦や高齢者など、種々の装着者Cの安全性を向上させる補助シートベルトを提供することができる。
図5に示したものは、正面中央に解除ボタン33が設けられたものとされており、この解除ボタン33を押すことにより、図2に示したようにバックル3を右側部分3Rと左側部分3Lとに二分割できる。なお、この解除ボタン33と共に、または、解除ボタン33の代わりに各接続部分31R,31L,32R,32L毎の解除ボタンを設けたものとしても良い。その他、バックル3の右側部分3Rに設けられた接続部分31R,32Rを一括して解除するための解除ボタンと、左側部分3Lに設けられた接続部分31L,32Lを一括して解除するための解除ボタンとを各々設けても良い。
また、図6に示したものは、上記のように二分割されるものではなく、正面中央に設けられた解除ボタン33を押すことで、例えばバックル3の右側部分に設けられた接続部分31R,32Rを一括して解除することができるものとされている。このものにあっても、上記と同様に、各接続部分31R,31L,32R,32L毎の解除ボタンを設けたものとしても良い。
なお、本実施例においては、図5に示すように、右上接続部分31R及び左上接続部分31Lについてはバックル3の本体側に固定されているが、右下接続部分32R及び左下接続部分32Lについては、図中に破線で示したようにヒンジなどで支持されたことにより、バックル3の本体側に対し所定範囲内で回動可能とされており、バックル3と車体側シートベルトBのうちベルト部分B1との間、及び、バックル3と接続ベルト4との間の各々における接続が装着者Cの体格に合わせてなされるため、補助シートベルトを装着者Cに対して最適な状態で装着することができる。
また、上記の接続部分31R,31L,32R,32Lのうち、車体側シートベルトBに直接接続される部分(本実施例においては右下接続部分32R)については、車体側シートベルトBにおけるベルト部分B1の先端接続金具が車種により種々の形状を有していることから、これら種々の先端接続金具に対応できるように、例えばこの接続部分のみを取り替えることができるものとすることが望ましい。
次に、本実施例に係る補助シートベルトの装着方法について、図5に係るバックル3を用いた場合について説明する。まず、上記でも説明したように、一度ヘッドレストHを自動車シートSの背もたれ部分S1から取り外し、固定部11の貫通穴111,111にヘッドレストHの支持棒H1,H1を貫通させて、背もたれ部分S1の上端部分に固定部11を取り付ける。そして、縦ベルト12,12を背もたれ部分S1に対して縦方向に巻き付ける。次に横ベルト13〜13を背もたれ部分S1の左右部分に巻き付ける。そして、バックル3の右上接続部分31R及び左上接続部分31Lに装着用ベルト2,2を接続し、左下接続部分32Lに接続ベルト4の一端側を接続する。接続ベルト4の他端側は車体側シートベルトBの受け部分B2に接続する。また、バックル3の右下接続部分32Rには車体側シートベルトBのベルト部分B1を接続する。最後に、装着者Cの体格に合わせて、装着用ベルト2、接続ベルト4、車体側シートベルトBのベルト部分B1の長さを調整し、渡しベルト23の位置を調整する。また、上記のようにアンカーの機能を有するフック124を車体の一部に引掛ける。
上記のようにして補助シートベルトが装着された自動車シートSに装着者Cが着席した状態を図7に示す。この補助シートベルトは四点支持が可能であるため、確実に装着者Cの身体を自動車シートSに保持できる。また、チャイルドシートとは異なり、補助シートベルトが装着された自動車シートSにも大人が着席することが可能であり、自動車の乗車定員が減ってしまうことがない。
なお、本実施例は、助手席に装備された三点式シートベルトに適合する補助シートベルトについて示したが、本願発明はこれに限られるものではなく、後部座席に装備された二点式シートベルトに適合するものであっても良く、種々の構成にて実施可能である。
また、装着者Cは必ずしも人に限定されるものではなく、場合によっては動物や、荷物などの物体であっても良い。例えば、本願発明に係る補助シートベルトを、荷物を自動車シートSに保持するために用いた場合にあっては、急ブレーキやカーブ走行の場合でも、荷物を自動車シートSに確実に保持しておくことが可能であるため有利である。
1 取付部
11 固定部
12 縦ベルト
13 横ベルト
2 装着用ベルト
3 第1接続手段、バックル
31R バックルの右上接続部分
31L バックルの左上接続部分
32R バックルの右下接続部分
32L バックルの左下接続部分
4 第2接続手段、接続ベルト
B 車体側シートベルト
B1 車体側シートベルトのベルト部分
B2 車体側シートベルトの受け部分
C 装着者
H ヘッドレスト
J 接続部材
S 自動車シート
S1 背もたれ部分
11 固定部
12 縦ベルト
13 横ベルト
2 装着用ベルト
3 第1接続手段、バックル
31R バックルの右上接続部分
31L バックルの左上接続部分
32R バックルの右下接続部分
32L バックルの左下接続部分
4 第2接続手段、接続ベルト
B 車体側シートベルト
B1 車体側シートベルトのベルト部分
B2 車体側シートベルトの受け部分
C 装着者
H ヘッドレスト
J 接続部材
S 自動車シート
S1 背もたれ部分
Claims (3)
- 自動車シート(S)と車体側シートベルト(B)とに取り付けられ、装着者(C)の安全性を向上させる補助シートベルトにおいて、
自動車シート(S)の背もたれ部分(S1)に取り付けが可能な取付部(1)と、
上記の取付部(1)に取り付けられたものであって、少なくとも装着者(C)の右肩と左肩とにそれぞれ当接させることができる2本の装着用ベルト(2,2)と、
この2本の装着用ベルト(2,2)の先端が取り付けられる接続部材(J)とを備え、
この接続部材(J)は、車体側シートベルト(B)におけるベルト部分(B1)に対して接続される第1接続手段(3)と、
車体側シートベルト(B)における受け部分(B2)に対して接続される第2接続手段(4)とを備え、
車体側シートベルト(B)における上記のベルト部分(B1)と、上記の受け部分(B2)とが、上記の両接続手段(3,4)を介して接続されるものであることを特徴とする補助シートベルト。 - 上記の接続部材(J)が、バックル(3)と、このバックル(3)と車体側シートベルト(B)における受け部分(B2)とを接続するための接続ベルト(4)とを備えたものであり、
上記のバックル(3)は、4箇所の接続部分(31R,31L,32R,32L)を備えており、
そのうちで上接続部分(31R,31L)は上記の各装着用ベルト(2,2)との接続に用いられるものであり、
下接続部分のうち一方(32R,32L)は車体側シートベルト(B)におけるベルト部分(B1)との接続に用いられるものであり、
下接続部分のうち他方(32L,32R)は上記の接続ベルト(4)との接続に用いられるものであることを特徴とする、請求項1に記載の補助シートベルト。 - 上記の取付部(1)が、自動車シート(S)の上方に設けられたヘッドレスト(H)の根元部分に固定可能な固定部(11)と、
上記の固定部(11)に取り付けられ、固定部(11)から縦方向に延ばされたものであって、自動車シート(S)の背もたれ部分(S1)に巻き付けることができる縦ベルト(12,12)と、
上記の各縦ベルト(12,12)の各々に取り付けられたものであって、自動車シート(S)の背もたれ部分(S1)の左右端部を取り巻くように配位できる横ベルト(13〜13)とを備えたものであり、
上記の装着用ベルト(2,2)が上記の固定部(11)に取り付けられたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の補助シートベルト。
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JP2007027639A JP2008189220A (ja) | 2007-02-07 | 2007-02-07 | 補助シートベルト |
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