JP2008188932A - インクジェットヘッドのメンテナンス装置、インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドのメンテナンス方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インク液滴を吐出する複数の吐出口が列状に形成されたヘッド基板の吐出口が形成されている面に対向し、かつ、ヘッド基板に接触しない位置に配置され、インクジェットヘッドの吐出口の配列方向と平行な方向を長手方向とする少なくとも1つの吸引口が開口された吸引部材、及び、吐出口の配列方向と直交する方向に吸引口を移動させる移動機構を備える除去ユニットと、吸引部材内の空気を吸引する吸引ポンプとを有し、移動機構は、吸引ポンプにより吸引部材内の空気が吸引され、空気および/又はインクを吸引している吸引口を移動させることで上記課題を解決する。
【選択図】図6
Description
このようなインク液滴が吐出口基板の特に吐出口周りに付着すると、インクの吐出方向が不安定になり、高画質な画像を形成することができないという問題がある。
ここで、吐出口基板の表面に付着したインク液滴を除去する装置としては、例えば、特許文献1及び2に示すメンテナンス装置がある。
また、このインク噴射装置は、ノズルプレート状の撥水性膜が劣化することなくインクの除去を行うことができると記載されている。
ここで、例えば、複数のノズルに対して1つのキャップを配置した場合は、隣接するノズル間のインクがノズルプレート(吐出口基板)上に残ってしまうことがあるという問題がある。
また、ポンプとして大型のポンプが必要となるという問題もある。
また、例えば、複数のノズル毎にキャップを設けた場合は、装置構成が複雑になるという問題がある。特にノズルを微細な間隔で配置したインクジェットヘッドでは、キャップを形成することが困難であるという問題がある。
また、本発明の第2の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、効率よく、短時間で、確実にかつ吐出口基板の損傷させることなく、インクジェットヘッドの保守を行うことができるインクジェットヘッドを提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、効率よく、短時間で、確実にかつ吐出口基板を損傷させることなく、インクジェットヘッドの保守を行うことができるインクジェット記録装置を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、効率よく、短時間で、確実にかつ吐出口基板を損傷させることなく、インクジェットヘッドの保守を行うことができるインクジェットヘッドのメンテナンス方法を提供することにある。
前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に対向し、かつ、前記ヘッド基板に接触しない位置に配置され、前記インクジェットヘッドの前記吐出口の配列方向と平行な方向を長手方向とする少なくとも1つの吸引口が開口された吸引部材、及び、前記吐出口の配列方向と直交する方向に前記吸引部材の吸引口を移動させる移動機構を備える除去ユニットと、
前記吸引部材内の空気を吸引する吸引ポンプとを有し、
前記移動機構は、前記吸引ポンプにより空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を移動させるインクジェットヘッドのメンテナンス装置を提供するものである。
また、前記移動機構は、空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を、前記吐出口の配列方向と直交する方向に往復移動させることが好ましい。
また、前記移動機構は、前記吸引部材の空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に平行な方向に移動させることが好ましい。
または、前記移動機構は、前記吸引部材の中心よりも前記吐出口から離れた点を通り、前記吐出口の配列方向に平行な直線を軸として、空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を回動(回転)させることが好ましい。
また、前記浸漬機構は、さらに、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に対向して配置され、前記ヘッド基板の吐出口が形成されている面との間に前記インクジェットヘッドから排出されたインクの流路を形成する液流ガイドを有することが好ましい。
さらに、前記除去ユニットを前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に直交する方向に移動させる除去ユニット離接機構を有することが好ましい。
前記ヘッド基板に対向して、かつ、前記ヘッド基板と接触しない位置に配置され、前記インクジェットヘッドの前記吐出口の配列方向と平行な方向を長手方向とする吸引口が開口された吸引部材、及び前記吸引部材を前記吐出口の配列方向と直交する方向に往復運動させる移動機構を備える除去ユニットと、
前記吸引部材内の空気を吸引する吸引ポンプとを有し、
前記移動機構は、前記吸引ポンプにより空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を移動させるインクジェットヘッドを提供するものである。
または、前記移動機構は、前記吸引部材の空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を、前記配列方向に平行な方向を軸として回動(回転)させることが好ましい。
前記ヘッド基板に対向しかつ、前記ヘッド基板と接触しない位置に配置され、前記インクジェットヘッドの前記吐出口の配列方向と平行な方向を長手方向とする吸引口が開口された吸引部材及び前記吸引部材を前記吐出口の配列方向と直交する方向に往復運動させる移動機構を備える除去ユニット、前記吸引部材内の空気を吸引する吸引ポンプを備え、前記移動機構は、前記吸引ポンプにより空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を移動させるとを有するインクジェット記録装置を提供するものである。
前記吐出口からインクを排出し、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面を前記インクで濡らし、
前記吐出口の配列方向が長手方向となる吸引口を有し、前記吸引口から空気およびインクの少なくとも一方を吸引する吸引部材を、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面の複数の前記吐出口に接触しない位置に近接させ、
前記吸引口から空気およびインクの少なくとも一方を吸引しつつ、前記吸引口を前記吐出口の配列方向に直交する方向に移動させるインクジェットヘッドのメンテナンス方法を提供するものである。
また、吸引口の移動距離を短くすることで、移動機構の構成を簡単にすることができ、さらに、装置を安価にすることができる。
図1は、デジタルラベル印刷装置100の一例を示す概略構成図であり、図2は、図1に示すデジタルラベル印刷装置100に用いるラベル印刷用被記録媒体の縦断面図であり、図3は、図1に示したデジタルラベル印刷装置100の描画部112を拡大して示す概略斜視図である。
ここで、箔押し印刷とは、書籍の表紙や背表紙などに金色箔、銀色箔、色箔などの箔を、加熱した凸版により相手部材に押圧して箔を加熱圧着(箔押し)させるもので、ホットスタンプとも言う。
ここで、本実施形態の被記録媒体Pは、図2に示すように、裏面に粘着剤180aが塗布された粘着シート180を、台紙である剥離紙182上に重ね合わせた2枚構造である。
供給ロール122には、連続紙状のラベル印刷用被記録媒体P(以下「被記録媒体P」という。)がロール状に巻き取られている。搬送ローラ対124、126、128、130、132は、図示しない搬送モータにより回転駆動され、被記録媒体Pを供給ロール122から繰り出して、描画部112、平滑化部116、箔押し部118、ラベル抜き部120へと順次搬送する。
製品巻取部134は、被記録媒体Pの搬送方向の最下流に配置され、搬送ローラ対124、126、128、130、132により搬送され、描画部112、平滑化部116、箔押し部118、ラベル抜き部120を通過した被記録媒体Pを巻き取る。
塗布ロール202は、被記録媒体Pの幅よりも長いロールであり、その表面(外周面)に一定間隔毎に、つまり、均等に凹部が形成されている、いわゆるグラビアローラである。
ここで、塗布ロール202に形成する凹部の形状は特に限定されず、丸、矩形、多角形、星型等の種々の形状とすることができる。また、凹部は、塗布ロールの全周に溝状に形成してもよい。
駆動部204による駆動方法は特に限定されず、ギア駆動、プーリー駆動、ベルト駆動、ダイレクト駆動等の種々の塗布ロール202を回転させる方法を用いることができる。
また、塗布ロール202とブレード206との当接部(接触部)の上部に形成される空間(以下「貯留部208」という。)には、下塗り液が貯留されている。また、貯留部208には、必要に応じて図示しない供給タンクから下塗り液が供給される。
これにより、塗布ロール202は、貯留部208に下塗り液に浸漬された後、かつ、被記録媒体Pと接触する。
ブレード206は、塗布ロール202が貯留部208に浸漬することで、付着した下塗り液のうち必要以上に付着した下塗り液を掻き落とし、塗布ロール202に付着した下塗り液の付着量を一定量にする。具体的には、ブレード206は、塗布ロール202の表面に形成されている凹部に保持された下塗り液を除いて、塗布ロール202の他の部分に付着した下塗り液を掻き落とす。
これにより、塗布ロール202の被記録媒体Pと接触する部分に保持されている下塗り液は、凹部に保持されている下塗り液のみとすることができる。つまり、被記録媒体Pと接触する下塗り液の量を一定にすることができる。
位置決めロール212は、被記録媒体Pの画像が形成される面(下塗り液が塗布される面)とは反対側の面側で、かつ、被記録媒体Pの搬送方向において、搬送ローラ対124と塗布ロール202との間に配置されている。
位置決めロール214は、被記録媒体Pの画像が形成される面とは反対側の面側で、かつ、被記録媒体Pの搬送方向において、塗布ロール202と後述する下塗り液半硬化部216との間に配置されている。
つまり、位置決めロール212及び214は、それぞれ被記録媒体Pを介して塗布ロール202とは反対側に、被記録媒体Pの搬送方向において塗布ロール202を挟むように、つまり、塗布ロール202の上流側と下流側にそれぞれ配置されている。
この位置決めロール212及び214は、被記録媒体Pの画像が形成される面とは反対側の面から被記録媒体Pを支持する。
被記録媒体Pと接触した塗布ロール202は、さらに回転し、再び貯留部208の下塗り液に浸漬される。
このようにして、下塗部111は、塗布ロール202を回転させて、被記録媒体Pの表面に下塗り液を塗布することで、被記録媒体Pの表面に下塗り層を形成する。
下塗り液半硬化部216は、対向する位置を通過する被記録媒体Pの幅方向の全域に紫外線を照射する。
記録ヘッドユニット135は、記録ヘッド(以下「インクジェットヘッド」ともいう。)136Y,136C,136M,136Kを有し、被記録媒体Pの搬送経路に対向する位置、つまり、インク液滴を吐出する吐出部先端が被記録媒体Pに対向して配置されている。
記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kは、図3に示すように、被記録媒体Pの搬送方向に直交する方向の幅が、搬送する被記録媒体Pの最大幅を越える領域に複数の吐出部(ノズル)が列状に配置されているフルライン型のインクジェットヘッドである。記録ヘッドの構造は、後ほど詳細に説明する。
また、被記録媒体Pを搬送しつつ、各記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kからそれぞれ色インクを吐出することにより被記録媒体P上にカラー画像を形成することができる。
インク供給タンクとしては、例えば、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示せず)からタンク内にインクを補充する方式や、タンクごと交換するカートリッジ方式を用いることができる。
インク貯蔵/装填部137の各インク供給タンクは、図示しない管路を介して各記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kと連通されており、各記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kにインクを供給する。
紫外線照射部138は、各記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kを対向する位置を通過し、画像が形成された被記録媒体Pに紫外線を照射する。つまり、紫外線照射部138は、記録ヘッドから吐出され被記録媒体P上に乗ったインクが直後に硬化するエネルギーを被記録媒体上のインクに与え、被記録媒体P上のインクを半硬化、または硬化させる。
また、紫外線照射部138近傍の各部には、光反射防止の処置(例えば、つや消しの黒色処理)を施すのが好ましい。
メンテナンス部114は、記録ヘッド136C,136Y,136M,136Kに対応して複数のメンテナンス装置30が配置されている。
メンテナンス部114と、メンテナンス装置30については、後ほど詳細に説明する。
塗布ロール144,145は、表面に透明液が付着して(含浸されて)おり、搬送手段110により搬送される被記録媒体Pを挟持する位置に配置されている。塗布ロール144,145は、被記録媒体Pを挟持しつつ、被記録媒体Pの移動に対応して(同期して)回転することで、描画部112を通過し画像が形成された被記録媒体Pの表面(画像が形成されている面)に透明液を塗布する。
平面加圧部材146は、上下方向に移動し、被記録媒体Pと接触して、平滑な表面146aで少なくとも被記録媒体Pの箔供与範囲の表面(画像面)を押圧し、被記録媒体Pの表面に吐出され、画像を形成するインクを平滑にする。
なお、平滑な表面146aは、少なくとも箔供与範囲より大きな面積を有する。
箔供給ロール150と箔巻取ロール152とは、所定間隔離間して配置されている。また、ローラ154とローラ156とは、所定間隔離間して、ローラ154とローラ156を結んだ面が被記録媒体Pの表面と平行となり、かつ、箔供給ロール150と箔巻取ロール152よりも被記録媒体Pに近接した位置に配置されている。また、ローラ154及びローラ156は、被記録媒体Pに非常に近い位置に配置されている。
箔158は、箔供給ロール150から供給され、ローラ154及びローラ156に巻き掛けられた後、箔巻取ロール152に巻き取られるように張架されている。ここで、ローラ154とローラ156との間の箔158は、被記録媒体Pと平行となる。
ホットスタンプ版160は、加熱した状態の凸版部160aを、箔158を介して被記録媒体Pと接触させ、押圧することにより、凸版部160aの形状に従って、箔158を被記録媒体P上に加熱圧着する。
搬送バッファを設けることで、平滑化部116と箔押し部118との搬送速度の差によって生じる連続紙状の被記録媒体Pの弛みを吸収することができ、効率よくラベルを製造することができる。
ニスコーター162は、その表面に紫外線硬化型透明液が付着した(含浸された)一対の塗布ロールを有し、被記録媒体Pを挟持しつつ、被記録媒体Pの移動に対応して(同期して)回転することで、箔押しされた被記録媒体Pの表面(画像が形成されている面)に紫外線硬化型透明液を塗布する。
紫外線照射部164は、被記録媒体Pの搬送方向において、ニスコーター162の下流側に配置されている。紫外線照射部164は、活性エネルギー線(本実施形態では、紫外線)を被記録媒体Pに照射して、被記録媒体Pの表面に塗布された紫外線硬化型透明液を硬化させる。
被記録媒体Pの表面に紫外線硬化型透明液を塗布し、硬化することで、被記録媒体Pの画像面に光沢を付与することができ、画像品質を向上することができる。
シリンダカッタ168は、円筒形状のシリンダ168aと、シリンダ168aの円筒面上に巻き付けられ、ラベル状に形成された複数の切抜き刃168bとで構成される。
不要部分が巻き取られた被記録媒体P、つまり、ラベルLのみが剥離紙182に貼付された状態の被記録媒体Pは、製品巻取部134に巻き取られて製品とされる。
まず、記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kの構造について詳細に説明する。ここで、記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kは、吐出するインクの色を除いて、構成は同一であるので、以下、代表して記録ヘッド136Kについて説明する。
ここで、ヘッド基板13は、複数の吐出部12に共通の板状部材である。ヘッド基板13としては、樹脂材料、高分子材料、シリコン等の種々の材料を用いることができる。
吐出部12は、図4(C)に示すように、ヘッド基板13に形成されたインク室ユニット14と、アクチュエータ24とを有する。
ノズル16は、インク液滴を吐出する管状部材であり、一方の開口がヘッド基板13の表面に形成され、被記録媒体Pと対向しており、他方の開口が圧力室18に接続している。このノズル16のヘッド基板13の表面に形成された開口が吐出口16aとなる。
ノズル16は、吐出口16a側の一部が、吐出口16aに向かうに従って径が小さくなる形状である。
圧力室18は、インク液滴を吐出する方向に垂直な面の平面形状が概略正方形の直方体形状であり、対角線上の両隅部がノズル16と供給口20とに接続されている。
供給口20は、一端が圧力室18と接続し、他端が共通流路22と連通している。
共通流路22は、図4(A)に示すように、ヘッド基板13の内部に形成され、複数の吐出部12のインク室ユニット14と接続し、さらに、供給配管61を介してインクタンク60とも接続している。
このアクチュエータ24は、個別電極28に駆動電圧を印加することで、加圧板26が変形する。
また、インクタンク60と記録ヘッド136Kとを接続している供給配管61には、フィルタ62と、メンテナンス部114のインク加圧機構64及び電磁弁66とが配置されている。
フィルタ62は、インクタンク60から記録ヘッド136Kに供給されるインクに混入している異物や気泡を除去する。フィルタ62としては、メッシュサイズを、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一例としては、20μm以下)とすることが好ましい。
インク加圧機構64及び電磁弁66については、後ほど説明する。
まず、インクタンク60からインクが供給される。
インクタンク60から供給されたインクは、共通流路22、共通口20を通過し、圧力室18及びノズル16に充填される。つまり、圧力室18及びノズル16は、インクに満たされた状態となる。
圧力室18及びノズル16にインクが満ちている状態で、個別電極28に駆動電圧が印加されると、加圧板26が変形し、圧力室18が加圧されて、ノズル16の吐出口16aからインクが吐出される。つまり、アクチュエータ24を駆動させることでノズル16の吐出口16aからインク液滴が吐出される。
また、ノズル16からインク液滴が吐出されると、共通流路22から供給口20を通って新しいインクが圧力室18に供給される。
このように、描画部112は、ノズル16の吐出口16aからインク液滴を吐出することにより被記録媒体P上に画像を形成する。
図5は、描画部112の記録ヘッドユニット135の記録ヘッド136Kとメンテナンス部114のメンテナンス装置30との概略構成を示す側面図であり、図6は、図5に示したメンテナンス装置30の概略構成を示すVI−VI線部分断面図であり、図7は、図6に示した吸引部材の形状を示す概略斜視図である。
各メンテナンス装置30は、同一の機能、形状であるので、代表して記録ヘッド136Kに対向する位置に配置されているメンテナンス装置30について説明する。
また、メンテナンス装置30は、ヘッド基板13に形成されている複数の吐出口16aが配列されている方向(以下「配列方向」ともいう。)、つまり、一列に形成されている複数の吐出口16aを結んだ線と平行な方向の長さが、ヘッド基板13の長さとほぼ同じ長さ、または、ヘッド基板13の長さよりも長い形状である。つまり、メンテナンス装置30は、記録ヘッド136Kの全ての吐出部12に対応する長さで形成されている。
除去機構32は、吸引部材36と、支持体42と、吸引部材移動機構44と、インクトラップ46と吸引ポンプ48とを有する。
また、吸引部材36は、吐出部12側の先端にスリット38が形成されており、スリット38が形成されている面とは反対側の面(対向する面)の一部に接続管39が設けられている。
また、吐出口16aの配列方向に垂直な断面において、吸引部材36の側面、つまり、スリット38が形成されている面と接続管39が形成されている面とで挟まれている面のうち一方の面には、取手40が設けられ、他方の面には、取手41が設けられている。
また、吸引部材36は、図7に示すように、記録ヘッド136Kの長手方向、つまり吐出口16aの配列方向の任意の位置における断面形状が、一部に吸引ポンプ48との接続部が形成されている点を除いて略同一形状である。
吸引部材移動機構44は、吸引部材36の取手40と連結しており、吸引部材36をヘッド基板13の吐出面に平行で、かつ、吐出口16aの配列方向に直交する方向(図6中矢印X方向)に移動させる。
ここで、吸引部材移動機構44は、吸引部材36のスリット38を、吐出口16aの配列方向に直交する方向において、吐出口16aの中心を基準として、吐出口16aの一方の端部よりも離れた部分に対向する位置から、吐出口16aの他方の端部よりも離れた部分に対向する位置まで移動させる。つまり、吐出口16aの中心を通過するように吐出口16aの近傍(吐出口16a周り)を移動させる。言い換えれば、吐出口16aの近傍を吐出口16aの径よりも長い距離移動させる。
なお、吸引部材移動機構44が吸引部材36を移動させる方法は、特に限定されず、カムを用いる方法、エアシリンダを用いる方法、リニア駆動を用いる方法等の種々の方法を用いることができる。
つまり、除去機構移動手段34は、吸引部材36をヘッド基板13の吐出面と所定距離離間した待機位置から、ヘッド基板13に近接した位置まで移動させる。
ドライブスクリュ52は、連結体56に形成された雌ねじ部(図示せず)と螺合する雄ねじ部を持つボールねじ(図示せず)等からなり、ヘッド基板13の吐出面に対して直交する方向が軸方向となる向きで、支持台50に回転自在に支持されている。
ドライブスクリュ52は、支持台50の内部に配置された駆動部により、回転される。
ガイドレール54は、ドライブスクリュ52に隣接して、かつ、ドライブスクリュ52と平行に支持台50に配置されている。
連結体56は、ボルトネジ等の固定部材、または接着剤等により支持体42と接合している。この連結体56には、ドライブスクリュ52が螺合され、ガイドレール54が貫通されている。
連結体56は、ドライブスクリュ52が回転することで、吐出面に対して直交する方向に移動される。また、連結体56は、ガイドレール54が貫通されているため、向きを変えることなく移動される。
除去機構移動手段34は、このようにして、吸引部材36を、吐出部12に対して離接させることができる。つまり、吸引部材36のスリット38と、吐出部12の吐出口16aとの距離を調整することができる。
このように吸引部材36を移動させることで、メンテナンス装置30の使用時は、吸引部材36を記録ヘッド136Kに近接させ、非使用時は、吸引部材36を記録ヘッド136から離すことで、具体的には、吸引部材36を被記録媒体Pの搬送経路よりも記録ヘッド136から離すことで、ラベル作成時にメンテナンス装置30が被記録媒体Pの搬送及び被記録媒体Pへの画像描画に影響を与えること、つまり、被記録媒体Pの搬送及び被記録媒体Pへの画像描画の障害となることを防止できる。
インク加圧機構64は、供給配管61内のインクを加圧することで、記録ヘッド136Kの各吐出部12の吐出口16aからインクを排出させる。
このように供給配管61に電磁弁66を設け、インク加圧機構64による供給配管61内のインクの加圧時に供給配管61を封止することで、供給配管61内のインクがインクタンク60に逆流することを防止できる。
これにより、吐出口16aから所望の量のインク液滴を排出させることができる。
なお、電磁弁は、本実施形態に限定されない。例えば、電磁弁を三方弁とし、供給配管61とインク加圧機構64との連結部に設け、必要に応じて、記録ヘッド136Kとインク加圧機構64とが連通している状態と、記録へッド136Kとインクタンク60とが連通している状態とを切り換えるようにしてもよい。
デジタルラベル印刷装置100は、基本的に以上のような構成である。
ここで、図8(A)〜(C)は、それぞれ下塗り液の表面にインク液滴を打滴した状態を示す断面図であり、図9(A)は、画像面に凹凸がある被記録媒体の要部を示す断面図であり、図9(B)は、平滑化せずに箔押しされた被記録媒体の要部を示す断面図であり、図9(C)は、平滑化部により凹凸を平滑化して箔押した被記録媒体の要部を示す断面図である。
図1に示すように、ロール状に巻かれた供給ロール122から送り出された被記録媒体Pは、搬送部110(搬送ローラ対124,126)により、下塗部111に搬送される。
ここで、塗布ロール202は、駆動部204により被記録媒体Pの搬送方向と逆方向に回転させられている。すなわち、駆動部204は、塗布ロール202を、塗布ロール202と被記録媒体Pとの接触位置における、塗布ロール202表面の移動方向と、被記録媒体Pの移動方向とが逆方向となる方向に回転させている。
下塗り液半硬化部216は、対向する位置を通過する下塗り液が塗布された被記録媒体Pに紫外線を照射し、被記録媒体P上の下塗り層Uを半硬化させる。
この半硬化状態は、被記録媒体P上に塗布された下塗り液および/またはインク液滴の半硬化過程の終了後(活性エネルギー線の照射後や加熱後、つまり、本実施形態では、下塗り液半硬化部216および/または紫外線照射部138により紫外線を照射した後)かつ次工程のインク液滴の打滴前に、普通紙などの浸透媒体を押し当てて、浸透媒体に下塗り液および/またはインク液滴の表面(一部)が転写したかどうかによって判断することができる。
すなわち、押し当てた浸透媒体に下塗り液および/またはインク液が全く転写しない場合を全硬化したものとし、被記録媒体上に硬化した下塗り液および/またはインク液が残ると共に、浸透媒体に下塗り液および/またはインク液の一部が転写した場合を、半硬化状態、つまり、少なくとも最表面が流動性を持ち内部硬化した状態にあるものとする。
ここで、重合率は、赤外吸収スペクトルによって検出される重合性基による赤外吸収ピーク強度の比、具体的には、A(重合後)/A(重合前)で定義する。A(重合後)とは、重合反応後の重合性基による赤外吸収ピークの吸収光度であり、A(重合前)とは、重合反応前の重合性基による赤外吸収ピークの吸収光度である。
ここで、画像の彩度を高くする観点から、A(重合後)/A(重合前)は、0.10以上0.98以下であることが好ましく、0.15以上0.97以下であることがより好ましく、0.20以上0.96以下であることが特に好ましい。
また、赤外吸収スペクトルを測定する手段としては、市販の赤外分光光度計を用いることができ、透過型および反射型のいずれでも良く、サンプルの形態で適宜選択することが好ましい。例えば、BIO−RODO社製赤外分光光度計FTS−6000を用いて測定することができる。
具体的には、半硬化状態の下塗り液および/またはインク液滴は、断面において、打滴したインク液滴の一部が下塗り液および/またはインク液滴の液面よりも記録媒体側にある形状となることが好ましい。
ここで、本発明において、インク液滴の断面を、被記録媒体の表面に対して垂直な方向に切断して得られる液滴の断面において、該断面の面積Sが最大になる断面と定義する。
また、本発明に下塗り液および/またはインク液滴の液面とは、インク液滴が打滴される前の液面である。
なお、断面観察の方法は、特に限定されるものではないが、例えば市販のミクロトームと市販の光学顕微鏡を用いて観察することができる。
ここで、図8(A)〜(C)は、それぞれ下塗り液(下塗り層)Uの表面にインク液滴を打滴した状態を示す断面図である。
図8(A)は、半硬化させた下塗り液の表面にインク液滴を打滴した一例の断面形状を示す断面図である。図8(A)に示すように、半硬化させた下塗り液U上にインク液滴を吐出すると、下塗り液U上に吐出されたインク液滴daは、その全体が下塗り液面α(図中点線)よりも下にある状態となる。すなわち、インク液滴daの全体が下塗り液Uに潜り込んだ状態となる。図8(A)に示すように、インク液滴の全体が下塗り液Uの液面αに潜り込んだ状態は、好ましい「半硬化状態」の一形態である。
インク液滴の全体が下塗り液Uの液面αに潜り込むように下塗り液を硬化することにより、インク液滴同士が干渉することを防止でき、かつ彩度の高い画像を形成することができる。
また、断面観察時には半硬化膜、つまり、半硬化状態の下塗り液および/またはインク液を何らかの方法で固化させておくことが好ましい。固化させる方法としては特に限定されるものではないが、冷凍や重合による硬化などを用いることができる。
なお、断面積は、市販の画像解析ソフト、例えばアドビ社製フォトショップを用いて画素数をカウントすることで計測することができる。
つまり、被記録媒体Pは、記録ヘッド136Y,136C,136Mに対向する位置の通過時に、記録ヘッド136Y,136C,136Mから被記録媒体Pに向けてインク液滴が吐出され、その後、紫外線照射部138から紫外線が照射され、被記録媒体P上に着弾した各インクが半硬化される。さらに、被記録媒体Pは、記録ヘッド136Kを対向する位置の通過時に、記録ヘッド136Kから被記録媒体Pに向けてインク液滴が吐出され、その後、紫外線照射部138から紫外線が照射され、被記録媒体P上に着弾した全てのインク及び下塗り液を硬化させる。
これにより、被記録媒体Pの表面に画像が形成される。
このとき、ダイカッタ166は、上述したように、間欠的に揺動しながらラベルLの形状の切れ目180bを入れるので、切れ目180bを連続して形成することができ、被記録媒体Pに無駄になる部分が発生することはない。
その後、被記録媒体Pの粘着シート180のラベルL以外の不要部分は、剥離紙182から剥離されてカス取り部172によって巻き取られる。ラベルLのみが剥離紙182上に貼付された状態の被記録媒体Pは、製品巻取部134に巻き取られて製品となる。
以上のようにして、ラベルが作成される。
これにより、被記録媒体Pと箔158との密着度を向上させて良好な箔押し印刷を行うことができる。また、平面加圧部材146により平滑にするので、短時間で平滑化することができ、生産性の向上を図ることができる。
つまり、被記録媒体上に半硬化した下塗り液の層を形成することにより、記録ヘッドから吐出されたインク液滴が被記録媒体上に近接して着弾した場合、例えば、単一色のインク液滴が重なり部分を有して被記録媒体上に着弾した場合や、色違いのインク液滴が重なり部分を有して被記録媒体上に着弾した場合もインク液滴が移動することを防止できる。
これにより、画像の滲み、画像中の細線などの線幅の不均一及び着色面の色ムラの発生を効果的に防止することができ、均一幅で先鋭なライン形成が可能であり、反転文字など打滴密度の高いインクジェット画像の記録を細線等の微細像を再現よく行うことができる。つまり、被記録媒体により高画質な画像を形成することが可能となる。
また、半硬化した下塗り層および/またはインク液滴の表面層の粘度(25℃)は、100mPa・s以上5000mPa・s以下とすることが好ましい。
また、半硬化した下塗り層および/またはインク液滴の内部層の粘度(25℃)は、半硬化したおよび/またはインク液滴の表面層の粘度(25℃)の1.5倍以上とすることが好ましく、2倍以上とすることがより好ましく、3倍以上とすることがさらに好ましい。
上記範囲とすることで、下塗り層および/またはインク液滴を好適に半硬化させることができる。
上記範囲とすることで、下塗り層を好適に半硬化させることができる。
なお、インクジェットヘッド(記録ヘッド)のメンテナンス方法は、記録ヘッド136Y,136C,136M,136Kのいずれにおいても同様の方法であるので、代表して記録ヘッド136Kの場合について説明する。
図10(A)及び(B)は、メンテナンス部114による記録ヘッドのメンテナンス方法を説明するための工程図である。
ラベル印刷装置100によるラベルの作製が終了し、記録ヘッド136Kのメンテナンスを行う場合は、まず、メンテナンス装置30は、吸引部材移動機構44により、図10(B)に示すように、吸引部材36をヘッド基板13の吐出面に向けて移動させ、つまり吸引部材36を記録ヘッド136K側に移動させる。つまり、吸引部材36のスリット38を吐出部12の吐出口16aに近接させる。言いかえれば、スリット38aを吐出口16a側に吐出口16aと接触しない位置まで移動させる。
具体的には、メンテナンス装置30は、スリット38をヘッド基板13の吐出面に近接させた状態でスリット38から空気および/又はインクを吸引させつつ、吸引部材36を、図10(B)に示す実線の位置から点線の位置に移動させる。つまり、吸引部材36のスリットは、吐出口16aの両端部を通過する。
このように吐出口16a周りのインク液滴、汚れを吸引し、除去することで、吐出口16aから吐出されるインク液滴の吐出方向を一定方向とすることができる。つまり、インク液滴の着弾位置にずれが生じることを防止できる。
これにより、被記録媒体上に高画質な画像を安定して形成することができる。
特に、本実施形態のように、吸引部材の配列方向の長さを、ヘッド基板の長さと同じ長さとすることで、つまり、本実施形態では吸引部材のスリットの配列方向の長さを列状に配置された全ての吐出口を覆う長さとすることで、1つの吸引部材でヘッド基板に列状に形成された全ての吐出口を同時にメンテナンスすることができ、さらに、吸引部材を吐出口の配列方向に移動させることなく、記録ヘッドをメンテナンスすることができる。
また、吸引部材のスリットを移動させつつ、吸引することにより、スリットの開口径を小さくすることができる。つまり、開口径の小さいスリットでも、吐出口周りの全域を走査させ、吐出口周りのインク液滴、汚れを除去することができる。
このように、スリットの開口径を小さくすることで、安価なポンプを用いることができる。吸引力が小さいポンプを用いた場合でも、スリットの開口径を小さくすることで、スリットから吸引する空気の吸引力は、高くすることができる。さらに、スリットから吸引する吸引力を高くすることで、吐出口周りのインク液滴、汚れをより確実に吸引することができる。
スリットを吐出口に対して往復移動させることで、吐出口周りのインク液滴、汚れをより確実に吸引し、除去することができる。
また、配列方向に直交する方向においてスリットを往復移動させる領域は、1つの吐出部の周りのみであるため、短時間でかつ簡単な装置構成で吸引部材(スリット)を往復移動させることができる。
吸引部材の移動距離を上記条件とすることで、ヘッド基板の吐出面の吐出口周りのインク液滴、汚れをより短時間でかつ確実に除去することができる。
スリットの大きさが上記範囲を満足する形状とすることで、上述した効果をより好適にえることができる。
図11(A)〜(E)は、記録ヘッドのメンテナンス方法の他の一例を説明するための工程図である。
具体的には、スリットを吐出口に近接させ、空気および/又はインクを吸引する状態のスリットを移動させ、ヘッド基板13の吐出面に付着したインク液滴、汚れを吸引する。
また、ヘッド基板13の吐出面の吐出口周りに付着した汚れを、吐出口からのインクの排出と共に除去することができ、また汚れ(固着物)をインクで濡らすことにより吸引しやすい状態とすることができる。
このように、ヘッド基板13の吐出面に対向する位置に液流ガイド70を配置し、ヘッド基板13の吐出面と液流ガイドとの間に、吐出口から排出されたインクの流路を形成することができる。
このように、液流ガイド70を配置することにより、ヘッド基板13の吐出面をより簡単にかつ少量のインクで濡らすことが可能となる。
また、ヘッド基板13の吐出面と液流ガイド70との間に形成された流路を流れるインクの液流によりヘッド基板13の吐出面に付着した固形物、つまり汚れを洗い流すことができ、より確実に吐出面に付着した汚れを除去することが可能となる。
なお、図13に示すメンテナンス装置80は、除去機構82の構成を除いて他の部分は、図6に示したメンテナンス装置30と同様の構成であるので、同一の部分には、同一の符号を付して、その説明は省略し、以下、メンテナンス装置80に特有の点を重点的に説明する。
除去機構82は、吸引部材84と、支持体42と、吸引部材移動機構44と、インクトラップ機構46と、吸引ポンプ48とを有する。支持体42と、吸引部材移動機構44と、インクトラップ機構46と、吸引ポンプ48とは、上述したメンテナンス装置30と同様の構成であるのでその詳細な説明は省略する。
また、吸引部材84は、吐出部12側の先端にスリット38が形成されており、スリット38が形成されている面の一部に接続管39が形成されている。
さらに、吸引部材36の側面、つまり、吐出口16aの配列方向に垂直な断面において、スリット38が形成されている面と接続管39が形成されている面とで挟まれている一方の面には、1つの取手86が設けられ、他方の面には、1つの取手88が設けられている。
さらに、吸引部材84は、中心よりも接続管39側に軸90が配置されている。
軸90は、棒状の部材であり、吐出口16aの配列方向と平行に配置され、両端が支持体42に回転自在に支持されている。
つまり、吸引部材84は、軸90を回転軸として、回転自在な状態で支持されている。
吸引部材84を回動させることで、ヘッド基板13の吐出面の吐出口16a周りに付着したインク液滴、汚れを吸引し、除去することができる。
つまり、図14(A)及び(B)に示すように、除去機構の待機位置を、ヘッド基板の吐出面に対向する位置から、吐出口の配列方向と平行な方向に所定距離離間した位置、具体的には、被記録媒体Pの搬送経路の幅方向よりも外側とし、除去機構移動機構が除去機構を待機位置(図14(A)中実線)からヘッド基板に対向する位置(図14(A)中点線)まで移動させるようにしてもよい。
ここで、図14(A)及び(B)では、図示を省略したが、除去機構を吐出口の配列方向と平行な方向に移動させる移動機構は特に限定されず、例えば、吸引部材(除去機構)をヘッド基板の吐出面に直交する方向に移動させる方法と同様にボールネジを用いた方法、リニア駆動、ベルト搬送等種々の移動手段を用いることができる。
このように、除去機構の待機位置を被記録媒体の搬送経路よりも外側とし、メンテナンス装置をヘッド基板の吐出面に平行で、かつ吐出口の配列方向に平行に移動させることでも、移動装置が大型化し、装置全体としても大きくなるが、画像記録時にメンテナンス装置が被記録媒体Pの搬送の障害になることを防止できる。
このように、吸引口を吐出部の配列方向と直交する方向に分割することで、吸引時に吸引口の一部がインク液滴、汚れにより詰まった場合でも他の吸引口から、インク液滴、汚れを吸引することができる。これにより、より確実に吐出口周りのインク液滴、汚れを除去することができる。
図16に示すデジタルラベル印刷装置101は、バッファの位置を除いて他の構成は、図1に示すデジタルラベル印刷装置100と同じ構成のものである。従って、両者で同一の構成要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下に、デジタルラベル印刷装置101に特有の点を重点的に説明する。
図16に示すデジタルラベル印刷装置101は、描画部112と平滑化部116との間バッファが配置されている。このように、搬送バッファの位置は特に限定されず、種々の位置とすることができる。
また、下塗り液は、より均一に塗布することができるため、本実施形態のように塗布ロールを逆回転させて塗布することが好ましいが、下塗り液の塗布方法も特に限定されず、スプレー塗布、インクジェット記録方式を用いた塗布等種々の方法を用いることができる。
また、メンテナンス装置をインクジェットヘッドとを1つのユニットすること、つまり、メンテナンス装置を有するインクジェットヘッドとすることもできる。
さらに、本実施形態のデジタルラベル印刷装置のように、少なくともインクジェットヘッドとメンテナンス装置を有するインクジェット記録装置とすることもできる。
ここで、被記録媒体上に吐出されるインク(液滴)の物性としては、装置により異なるが一般には25℃での粘度が、5〜100mPa・sであることが好ましく、10〜80mPa・sであることがより好ましい。また、下塗り液の内部硬化前の粘度(25℃)は、10〜500mPa・sであることが好ましく、50〜300mPa・s以内であることがより好ましい。
(A)下塗り液の表面張力は、被記録媒体上に吐出されるいずれかのインクの表面張力よりも小さい。
(B)下塗り液に含まれる界面活性剤のうち少なくとも1種類は、
γs(0)−γs(飽和)>0(mN/m)
の関係を満たす。
(C)下塗り液の表面張力は、
γs<(γs(0)+γs(飽和)最大)/2
の関係を満たす。
本発明において、前述の通り、被記録媒体上に目的の大きさのインクドットを形成するためには、下塗り液の表面張力γsを、いずれかのインクの表面張力γkよりも小さくすることが好ましい。
さらに、着滴から露光までの間のインクドットの拡大をより効果的に防ぐ観点から、γs<γk−3(mN/m)であることがより好ましく、γs<γk−5(mN/m)であることが特に好ましい。
また、フルカラーの画像を形成(印字、描画)する場合は、画像の鮮鋭性を向上させる観点から、下塗り液の表面張力γsは、少なくとも視感度の高い着色剤を含有するインクの表面張力よりも小さくすることが好ましく、全てのインクの表面張力より小さくすることがより好ましい。なお、視感度の高い着色剤としては、マゼンタ、ブラック及びシアンの色を呈する着色剤が挙げられる。
また、吐出適正の観点から、インクの表面張力γkと下塗り液の表面張力γsとは、インクの表面張力γkと下塗り液の表面張力γsの値が上記の関係を満たし、かつ、それぞれ15mN/m以上50mN/m以下の範囲内であることが好ましく、18mN/m以上40mN/m以下の範囲内であることがより好ましく、20mN/m以上38mN/m以下の範囲内であることが特に好ましい。
両者の値を15mN/m以上とすることで、インクジェットヘッドによる打滴時に液滴を好適に形成することができ、不吐出が生じることを防止できる。つまり、インク液滴を好適に吐出させることができる。また、50mN/m以下とすることで、インクジェットヘッドとの濡れ性を高くすることができ、インク液滴を好適に吐出させることができる。つまり、液滴の不吐出が生じることを防止できる。両者の値を、18mN/m以上40mN/m以下の範囲内、さらには、20mN/m以上38mN/m以下の範囲内とすることで、上記効果をより好適に得ることができ、インク液滴を確実に吐出させることができる。
ここで、本実施形態において、表面張力は、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温20℃、60%RHにて測定した値である。
本発明において、下塗り液は、少なくとも1種類以上の界面活性剤を含有することが好ましい。下塗り液に少なくとも一種類以上の界面活性剤を含有させることで、被記録媒体上に目的の大きさのインクドットをより確実に形成させることができる。なお、この場合は、下塗り液に含まれる界面活性剤のうち少なくとも1種類は、下記の条件(B)を満たすことが好ましい。
γs(0)−γs(飽和)>0(mN/m) …条件(B)
さらに、下塗り液の表面張力は、下記の条件(C)の関係を満たすことが好ましい。
γs<(γs(0)+γs(飽和)最大)/2 …条件(C)
例えば、下塗り液(例1)を構成する成分が、高沸点溶媒(フタル酸ジエチル、和光純薬工業(株)製)、重合性材料(ジプロピレングリコールジアクリレート、Akcros社製)、重合開始剤(TPO、下記の開始剤−1)、フッ素系界面活性剤(メガファックF475、大日本インキ化学工業(株)製)、炭化水素系界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム)とした場合、γs(0)、γs(飽和)1(フッ素系界面活性剤を添加した時)、γs(飽和)2(炭化水素系界面活性剤を添加した時)、γs(飽和)、及び、γs(飽和)最大は、下記の通りとなる。
以上より、それらを纏めると下記のようになる。
γs(0)=36.7mN/m
γs(飽和)1=20.2mN/m(フッ素系界面活性剤を添加した時)
γs(飽和)2=30.5mN/m(炭化水素系界面活性剤を添加した時)
γs(飽和)最大=30.5mN/m
γs<(γs(0)+γs(飽和)最大)/2=33.6mN/m
の関係を満たすことが好ましい。
なお、前記条件(C)については、着滴から露光までの間のインク滴の拡大をより効果的に防ぐ観点から、下塗り液の表面張力としては、
γs<γs(0)−3×{γs(0)−γs(飽和)最大}/4
の関係を満たすことがより好ましく、
γs≦γs(飽和)最大
の関係を満たすことが特に好ましい。
本発明において界面活性剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、p−キシレン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ブチルカルビトール、シクロヘキサノン、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、メタノール、水、イソボニルアクリレート、1,6−ヘキサンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートのうち少なくとも1種類の溶媒に対して強い表面活性を有する物質、好ましくは、ヘキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソボニルアクリレート、1,6−ヘキサンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートのうち少なくとも1種類の溶媒に対して強い表面活性を有する物質であり、さらに好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソボニルアクリレート、1,6−ヘキサンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートのうち少なくとも1種類の溶媒に対して強い表面活性を有する物質、特に好ましくは、イソボニルアクリレート、1,6−ヘキサンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートのうち少なくとも1種類の溶媒に対して強い表面活性を有する物質を用いることが好ましい。
(手順)
上記に列挙した溶媒から1種類の溶媒を選択し、該溶媒の表面張力γ溶媒(0)を測定する。前記γ溶媒(0)を求めた溶媒と同じ液に該化合物を添加し、該化合物の濃度を0.01質量%ずつ増加させ、該化合物濃度の変化に対する表面張力の変化が0.01mN/m以下になったときの溶液の表面張力γ溶媒(飽和)を測定する。前記γ溶媒(0)と前記γ溶媒(飽和)の関係が、
γ溶媒(0) − γ溶媒(飽和) > 1 (mN/m)
であれば、該化合物は該溶媒に対して強い表面活性を有する物質であると判断することができる。
本発明において、インクの硬化感度は、下塗り液の硬化感度と同等又はそれ以上とすることが好ましい。また、インクの硬化感度は、下塗り液の硬化感度以上かつ下塗り液の硬化感度の4倍以下とすることがより好ましく、下塗り液の硬化感度以上かつ下塗り液の硬化感度の2倍以下とすることが更に好ましい。
ここで硬化感度とは、水銀灯(超高圧、高圧、中圧等、好ましくは超高圧水銀灯)を使用してインク及び/又は下塗り液を硬化する場合において、完全に硬化するために必要なエネルギー量をいい、エネルギー量が小さいほど高感度である。したがって硬化感度が2倍であるとは、完全に硬化するために必要なエネルギー量が1/2であることを意味する。
また、硬化感度が同等であるとは、比較する両者の硬化感度の差が2倍以下であり、より好ましくは1.5倍以下であることをいう。
本実施形態のインクジェット記録装置においては、被記録媒体として、浸透性の被記録媒体、非浸透性の被記録媒体、及び緩浸透性の被記録媒体のいずれも使用することができる。中でも、被記録媒体として、非浸透性ないし緩浸透性の被記録媒体を用いた場合は、本発明の効果をより顕著に得ることができる。ここで、浸透性の被記録媒体とは、例えば、10pL(ピコリットル)の液滴を被記録媒体上に滴下した場合に、全液量が浸透するまでの時間が100ms以下である被記録媒体をいう。また、非浸透性の被記録媒体とは、実質的に液滴が浸透しない被記録媒体をいう。「実質的に浸透しない」とは、例えば、1分後の液滴の浸透率が5%以下であることをいう。また、緩浸透性の被記録媒体とは、10pLの液滴を被記録媒体上に滴下した場合に、全液量が浸透するまでの時間が100ms以上である被記録媒体をいう。
非浸透性ないし緩浸透性の被記録媒体としては、例えば、アート紙、合成樹脂、ゴム、樹脂コート紙、ガラス、金属、陶器及び木材等が挙げられる。また本発明においては、機能付加の目的で、これら材質を複数組み合わせて複合化した被記録媒体も使用できる。
以下、本発明に好適に用いることができるインク及び下塗り液について詳細に説明する。
下塗り液は、重合性又は架橋性材料を少なくとも1種含み、必要に応じて重合開始剤、親油性溶剤、着色剤及び他の成分を用いて構成されることが好ましい。また、下塗り液は、インクと組成が異なるように構成することが好ましい。
また、下塗り液は、ラジカル重合性組成物を含むことが好ましい。本発明において、ラジカル重合性組成物とは、少なくとも1種のラジカル重合性材料と少なくとも1種のラジカル重合開始剤とを含む組成物である。下塗り液がラジカル重合性組成物を含むことで、下塗り液の硬化反応を高感度に短時間で行うことができる。
また、インクは、着色剤を含有するものであることが好ましい。また、このインクと組み合わせて用いられる下塗り液は、着色剤を含有しないもしくは着色剤の含有量が1質量%未満の構成、又は、下塗り液が着色剤として白色顔料を含む構成のいずれかであることが好ましい。
以下、インク及び/又は下塗り液を構成する各成分について詳述する。
重合性又は架橋性材料は、後述する重合開始剤などから発生するラジカルなどの開始種により重合又は架橋反応を生起し、これらを含有する組成物を硬化させる機能を有するものである。
重合性又は架橋性材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、ビニルエーテル類及び内部二重結合を有する化合物(マレイン酸など)等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをさし、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかをさす。
単官能の(メタ)アクリレート類の具体例としては、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
なお、ビニルエーテル化合物としては、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点からジ又はトリビニルエーテル化合物を用いることが好ましく、特にジビニルエーテル化合物を用いることがより好ましい。
また、液滴中における含有量としては、各液滴の全質量に対して、20〜98質量%の範囲とすることが好ましく、40〜95質量%の範囲がより好ましく、50〜90質量%の範囲とすることが特に好ましい。
また、少なくとも下塗り液、または、インク及び下塗り液は、少なくとも1種の重合開始剤をを含有することが好ましい。この重合開始剤は、活性光、熱、あるいはその両方のエネルギーの付与によりラジカルなどの開始種を発生し、既述の重合性又は架橋性材料の重合又は架橋反応を開始、促進させ、硬化する化合物である。
光重合開始剤は、光の作用、増感色素の電子励起状態との相互作用によって化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物であり、中でも、露光という簡便な手段で重合開始させることができるという観点から光ラジカル発生剤であることが好ましい。
また、(g)アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号、並びに特公昭46−42363号の各公報に記載のN−O結合を有する化合物群が上げられる。
また、インク及び/または下塗り液には、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加することが好ましい。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げられる。
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは一般式(IX)に示したものと同義である。
式(XI)中、A2は硫黄原子又は−NR59−を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
さらに、インク及び/または下塗り液には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えることが好ましい。
共増感剤の例としては、アミン類、例えばM.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
少なくともインク、もしくは、インク及び下塗り液は、少なくとも一種の着色剤を含有する。なお、着色剤はインク以外に下塗り液やその他の液体に含有してもよい。
〈顔料〉
着色剤として、顔料を用いる態様が好ましい。
顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用できるが、黒色顔料としては、カーボンブラック顔料等が好ましく挙げられる。また、一般には黒色、並びにシアン、マゼンタ、及びイエローの3原色の顔料が用いられるが、その他の色相、例えば、赤、緑、青、茶、白等の色相を有する顔料や金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料なども目的に応じて用いることができる。
ン系顔料、C.I.ピグメント・オレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメント・レッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、又はC.I.ピグメント・バイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
また着色剤としては、2種類以上の有機顔料又は有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。
また、インク及び/または下塗り液には、上記した成分以外に、公知の添加剤などを目的に応じて併用することができる。
インク及び下塗り液(特にインク)には、保存中における好ましくない重合を抑制する目的で、貯蔵安定剤を添加することが好ましい。貯蔵安定剤は、重合性又は架橋性材料と共存させて用いることが好ましく、また、含有する液滴又は液体あるいは共存の他成分に可溶性のものを用いることが好ましい。
導電性塩類は、導電性を向上させる固体の化合物である。本発明においては、保存時に析出する懸念が大きいために実質的に使用しないことが好ましいが、導電性塩類の溶解性を上げたり、液体成分に溶解性の高いものを用いたりすることで溶解性がよい場合には、適当量添加してもよい。
前記導電性塩類の例としては、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などが挙げられる。
本発明においては、必要に応じて公知の溶剤を用いることができる。溶剤としては、液(インク)の極性や粘度、表面張力、着色材料の溶解性・分散性の向上、導電性の調整、及び印字性能の調整などの目的で使用できる。
なお、溶剤は、非水溶性の液体であって水性溶媒を含有しないことが、速乾性及び線幅の均一な高画質画像を記録する点で好ましいことから、高沸点有機溶媒を用いた構成とするのが望ましい。
高沸点有機溶媒としては、構成素材、特にモノマーとの相溶性に優れる性質を有するものが好ましい。
具体的には、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテルを用いることが好ましい。
さらに、ポリマー、表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤等の公知の添加剤を併用することができる。
表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤に関しては、公知の化合物を適宜選択して用いればよいが、具体的には例えば、特開2001−181549号公報に記載されている添加剤などを用いることができる。
ここで、1組の化合物の反応例としては、酸/塩基反応、カルボン酸/アミド基含有化合物による水素結合反応、ボロン酸/ジオールに代表される架橋反応、カチオン/アニオンによる静電的相互作用による反応等が挙げられる。
なお、下塗り液及びインクを半硬化させる方法としては、熱を与えるまたは、上述した活性エネルギー線を照射することにより硬化反応を起こさせる方法を用いることが好ましい。
13 ヘッド基板
14 インク室ユニット
16 ノズル
16a 吐出口
18 圧力室
20 供給口
22 共通流路
24 アクチュエータ
26 加圧板
28 個別電極
30、80 メンテナンス装置
32、82 除去機構
34 除去機構移動手段
36、84 吸引部材
38 スリット
40、41、86、88 取手
42 支持体
44 吸引部材移動機構
45 チューブ
46 インクトラップ
48 吸引ポンプ
50 支持台
52 ドライブスクリュ
54 ガイドレール
56 連結体
60 インクタンク
61 供給配管
62 フィルタ
64 インク加圧機構
66 電磁弁
70 液流ガイド
90 軸
100 デジタルラベル印刷装置
110 搬送部
111 下塗部
112 描画部
114 メンテナンス部
116 平滑化部
118 箔押し部
120 ラベル抜き部
121 制御部
122 供給ロール
124、126、128、130、132 搬送ローラ対
134 製品巻取部
135 記録ヘッドユニット
136C、136C、136M、136K 記録ヘッド(インクジェットヘッド)
137 インク貯蔵/装填部
138 紫外線照射部
142 ニスコーター
144、145 塗布ロール
146 平面加圧部材
148 紫外線照射部
150 箔供給ロール
152 箔巻取ロール
154、156 ローラ
158 箔
160 ホットスタンプ版
162 ニスコーター
164 紫外線照射部
166 ダイカッタ
168 シリンダカッタ
170 受けローラ
172 カス取り部
202 塗布ロール
204 駆動部
206 ブレード
208 貯留部
210 位置決め部
212、214 位置決めローラ
216 下塗液半硬化部
Claims (14)
- インク液滴を吐出する複数の吐出口がヘッド基板に列状に形成されたインクジェットヘッドのメンテナンス装置であって、
前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に対向し、かつ、前記ヘッド基板に接触しない位置に配置され、前記インクジェットヘッドの前記吐出口の配列方向と平行な方向を長手方向とする少なくとも1つの吸引口が開口された吸引部材、及び、前記吐出口の配列方向と直交する方向に前記吸引部材の吸引口を移動させる移動機構を備える除去ユニットと、
前記吸引部材内の空気を吸引する吸引ポンプとを有し、
前記移動機構は、前記吸引ポンプにより空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を移動させるインクジェットヘッドのメンテナンス装置。 - 前記移動機構は、前記吸引部材の前記吸引口を、前記吐出口の配列方向に直交する方向において、前記吐出口の中心を基準として、前記吐出口の一方の端部よりも離れた部分に対向する位置から前記吐出口の他方の端部よりも離れた部分に対向する位置まで、空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を移動させる請求項1に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
- 前記移動機構は、空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を、前記吐出口の配列方向と直交する方向に往復移動させる請求項1または2に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
- 前記移動機構は、前記吸引部材の空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に平行な方向に移動させる請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
- 前記移動機構は、前記吸引部材の中心よりも前記吐出口から離れた点を通り、前記吐出口の配列方向に平行な直線を軸として、空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を回動させる請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
- さらに、前記インクジェットヘッドの前記吐出口からインクを排出させ、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面をインクで濡らす浸漬機構を有する請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
- 前記浸漬機構は、さらに、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に対向して配置され、前記ヘッド基板の吐出口が形成されている面との間に前記インクジェットヘッドから排出されたインクの流路を形成する液流ガイドを有する請求項6に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
- さらに、前記除去ユニットを前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に直交する方向に移動させる除去ユニット離接機構を有する請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
- インク液滴を吐出する複数の吐出口がヘッド基板に列状に形成されたインクジェットヘッドと、
前記ヘッド基板に対向して、かつ、前記ヘッド基板と接触しない位置に配置され、前記インクジェットヘッドの前記吐出口の配列方向と平行な方向を長手方向とする吸引口が開口された吸引部材、及び前記吸引部材を前記吐出口の配列方向と直交する方向に往復運動させる移動機構を備える除去ユニットと、
前記吸引部材内の空気を吸引する吸引ポンプとを有し、
前記移動機構は、前記吸引ポンプにより空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を移動させるインクジェットヘッド。 - 前記移動機構は、前記吸引部材の空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面に平行な方向に移動させる請求項9に記載のインクジェットヘッド。
- 前記移動機構は、前記吸引部材の空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を、前記配列方向に平行な方向を軸として回動させる請求項9に記載のインクジェットヘッド。
- インク液滴を吐出する複数の吐出口がヘッド基板に列状に形成されたインクジェットヘッドと、
前記ヘッド基板に対向しかつ、前記ヘッド基板と接触しない位置に配置され、前記インクジェットヘッドの前記吐出口の配列方向と平行な方向を長手方向とする吸引口が開口された吸引部材及び前記吸引部材を前記吐出口の配列方向と直交する方向に往復運動させる移動機構を備える除去ユニット、前記吸引部材内の空気を吸引する吸引ポンプを備え、前記移動機構は、前記吸引ポンプにより空気およびインクの少なくとも一方を吸引している前記吸引口を移動させるメンテナンス装置とを有するインクジェット記録装置。 - インク液滴を吐出する複数の吐出口がヘッド基板に列状に形成されたインクジェットヘッドのメンテナンス方法であって、
前記吐出口からインクを排出し、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面を前記インクで濡らし、
前記吐出口の配列方向が長手方向となる吸引口を有し、前記吸引口から空気およびインクの少なくとも一方を吸引する吸引部材を、前記ヘッド基板の前記吐出口が形成されている面の複数の前記吐出口に接触しない位置に近接させ、
前記吸引口から空気およびインクの少なくとも一方を吸引しつつ、前記吸引口を前記吐出口の配列方向に直交する方向に移動させるインクジェットヘッドのメンテナンス方法。 - 前記吸引部材の内部を負圧とし、前記吸引口から空気およびインクの少なくとも一方を吸引しつつ、前記吸引口を前記吐出口の配列方向に直交する方向に往復移動させる請求項13に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
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