JP2008188172A - コンベア型食器洗浄機 - Google Patents

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【課題】ラックの端に位置する食器の汚れ落ちを確実なものにしたコンベア型食器洗浄機を提供する。
【解決手段】洗浄室10内に配置された水返し部材40,41は、ラック4の搬送方向に延在するので、洗浄室10内に横長の洗浄ノズル14,15を仮想的に作り出すことができ、さらに、この水返し部材40,41は、水平に対して傾斜しているので、洗浄室10内に縦長の洗浄ノズル14,15をも仮想的に作り出すことができる。従って、ラック4が食器洗浄機1内を移動する間に、ラック4の端にある食器3に対して満遍なく洗浄水又は濯ぎ水を当てることができるので、食器3をムラ無く洗浄又は濯ぎを行うことができ、食器3の汚れ落ち又は濯ぎを確実なものにする。さらに、必要以上に噴射を外向きにする必要がないので、洗浄水を効率良く食器3に当てることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンベアによってラックを搬送しながら食器の洗浄及び濯ぎを行うことができるコンベア型食器洗浄機に関するものである。
従来、このような分野の技術として、特開平11−253380号公報がある。この公報に記載されたコンベア型食器洗浄機の洗浄室は、カーテンで仕切られ、入口側が洗浄領域となり、出口側が濯ぎ領域となる。また、洗浄領域内には、食器の洗浄を行なうための上下一対の洗浄ノズルが配置され、濯ぎ領域内には、食器の濯ぎを行うための上下一対の濯ぎノズルが配置されている。そして、コンベア上に配置されたラックが入口から出口に向かって徐々に進みながら、洗浄室内で食器の洗浄及び濯ぎが自動的に行われる。
特開平11−253380号公報 特開2002−238825号公報
しかしながら、前述した従来のコンベア型食器洗浄機は、上下の洗浄ノズルから食器に向かって洗浄水を噴射し、ラック内の食器を満遍なく洗浄するために、この噴射は、食器を載せたラックより外側に広がるようになっているが、ラックの端にある食器の汚れ落ちが悪くなり、しかも洗浄水に無駄が発生するといった問題点がある。
なお、特開2002−238825号公報には、洗浄室の内壁面に固定された反射手段が開示されている。この反射手段は、洗浄ノズルから噴射された洗浄水を食器に向けて反射させて、食器の洗浄能力を向上させるようにしているが、この食器洗浄機は、コンベア型ではなく据え置き型であり、この食器洗浄機に適用されている反射手段は、単に水平方向に延在しているのみで、ラックの搬送方向において、水平方向に対して傾斜して延在するといった技術的思想を有していない。
本発明は、ラックの端に位置する食器の汚れ落ちを確実なものにしたコンベア型食器洗浄機を提供することを目的とする。
本発明に係るコンベア型食器洗浄機は、ラック内に収容された食器を洗浄機本体の洗浄室内でコンベアによって搬送させながら、洗浄ノズルによって食器を洗浄し、濯ぎノズルによって食器の濯ぎが行われるコンベア型食器洗浄機において、
洗浄室内には、洗浄ノズル又は濯ぎノズルから噴射した水を食器に向けて反射させる水返し部材が配置され、水返し部材は、ラックの搬送方向に延在すると共に、水平に対して傾斜して延在していることを特徴とする。
このコンベア型食器洗浄機の洗浄室内に配置された水返し部材は、ラックの搬送方向に延在するので、洗浄室内に横長の洗浄ノズル又は濯ぎノズルを仮想的に作り出すことができ、さらに、この水返し部材は、水平に対して傾斜しているので、洗浄室内に縦長の洗浄ノズル又は濯ぎノズルをも仮想的に作り出すことができる。従って、ラックが食器洗浄機内を移動する間に、ラックの端にある食器に対して満遍なく洗浄水又は濯ぎ水を当てることができるので、コンベア型食器洗浄機にあっては、食器をムラ無く洗浄又は濯ぎを行うことができ、食器の汚れ落ち又は濯ぎを確実なものにする。
本発明によれば、ラックの端に位置する食器の汚れ落ちを確実なものにする。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るコンベア型食器洗浄機の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、コンベア型食器洗浄機1にあっては、作業者側から見て洗浄機本体2の左側には、汚れた食器(例えば皿)3を収容したラック4を載せるためのソイルドテーブル5が設置され、右側には、洗浄後の食器3を収容したラック4を載せるためのクリーンテーブル6が設置されている。そして、ラック4は、ソイルドテーブル5とクリーンテーブル6との間に配置されたコンベア20によって一方向に搬送される。
このコンベア20は、洗浄機本体2の筐体7内に設けられた洗浄室10内に配置され、ラック4は、モータによって前後に往復運動するコンベア20に設けられた爪部20aによって一定のピッチづつ送られ続ける。なお、洗浄機本体2は、ステンレス製の筐体7の下端に設けられた4本の脚8によって支持され、洗浄機本体2には、開閉扉9が設けられている。
図2に示すように、洗浄室10は、カーテン11で仕切られ、入口側が洗浄領域S1となり、出口側が濯ぎ領域S2となる。さらに、洗浄機本体2の入口Aを塞ぐようにカーテン12が筐体7に固定され、洗浄機本体2の出口Bを塞ぐようにカーテン13が筐体7に固定されている。
カーテン11とカーテン12との間の洗浄領域S1内には、上方に配置された上側洗浄ノズル14と下方に配置された下側洗浄ノズル15とが収容され、上側洗浄ノズル14と下側洗浄ノズル15は給水パイプ16を介して洗浄ポンプP1に連結されている。この洗浄ポンプP1の吸込み口は洗浄タンク17内に連通し、この洗浄タンク17内には洗浄後及び濯ぎ後の水が貯留され、洗浄タンク17内の筐体7余剰な洗浄水は、オーバフローパイプ18によって外部に排出される。
カーテン11とカーテン13との間の濯ぎ領域S2内には、上方に配置された上側濯ぎノズル21と下方に配置された下側濯ぎノズル22とが収容され、上側濯ぎノズル21と下側濯ぎノズル22は給水パイプ23を介して濯ぎポンプP2に連結されている。この濯ぎポンプP2の吸込み口は濯ぎタンク24内に連通し、この濯ぎタンク24内には、ガスブースタ又は電気ブースタなどで濯ぎに適した温度まで加熱された清浄な水が貯留されている。
さらに、洗浄室10内には、ソイルドテーブル5とクリーンテーブル6との間を架け渡すように延在する左右一対のラックレール30が設けられている。図3及び図4に示すように、各ラックレール30は、水平方向に延在してラック4の底面を下から支持する断面略円形のベースバー30aと、ベースバー30aに対して平行に延在してラック4の側面に当接する断面略円形のサイドバー30bと、ベースバー30a及びサイドバー30bに溶接によって固定されると共に、ネジ31によって筐体7の側壁7aに固定されるL形のブラケット30cとからなる。
ラックレール30において、ベースバー30a及びサイドバー30bが、略円形の断面を有しているので、次のような効果を奏する。
水切れが良くなり、洗浄領域S1から濯ぎ領域S2へラックレール30を伝って洗浄水が流れ込み難くなる。ラックレール30に当たった洗浄水や濯ぎ水が飛散し難くなるので、入口A及び出口Bから水が飛び出し難くする。下側洗浄ノズル15から噴射する洗浄水や下側濯ぎノズル22から噴射する濯ぎ水がラックレール30に邪魔される事態が少なくなって、ラック4の裏側の縁に洗浄水及び濯ぎ水を確実に当てることができ、ラック4自体及び食器3の汚れ落ちも良くなり、衛生面が向上する。ベースバー30a及びサイドバー30bとラック4とが略線接触状態になるので、ラック4の移動抵抗が少なくなり、コンベア20に利用されるモータの負荷抵抗を少なくすることができる。
なお、ベースバー30a及びサイドバー30bは、略楕円、略三角又は多角形であっても同様の効果を奏する。
図5に示すように、カーテン11〜13は、二枚の第1のカーテン部33と第2のカーテン部34とが、固定板35によって水平方向において互いに重なり合わないように所定の間隔(例えば30mm)をもって配置されている。固定板35は、洗浄室10内の略天井付近に固定された吊り下げ棒36に対して溶接により固定され、各カーテン部33,34の上端は、固定板35に接着剤により固定されている。
さらに、第1のカーテン部33に設けられたスリット33aと第2のカーテン部34に設けられたスリット34aとは、搬送方向からみて互いに重ならないように形成されている。また、スリット33a,34aによって形成された各短冊部33b,34bは、ラック4上に並べられた食器3の間にスムーズに入り込めるような幅が好ましい。従って、洗浄領域S1と濯ぎ領域S2との間に設けられたカーテン11によって、カーテン効果を維持しながら、領域S1,S2への飛水が適切に防止される。同様に、入口A側のカーテン12によって、入口Aからの飛水が適切に防止され、出口B側のカーテン13によって、出口Bからの飛水が適切に防止される。
前述した構造のカーテン11〜13を採用することで、さらに次のような効果を奏する。
第1のカーテン部33と第2のカーテン部34との間に所定の間隔を設け、互い違いにスリット33a,34aを配置することで、食器3がカーテン11〜13を通過するとき、カーテン11〜13における第1のカーテン部33と第2のカーテン部34とが同時に一体化してめくれ上がることがなくなり、上方から食器3に洗浄水又は濯ぎ水を確実に噴射することができ、下方から噴射された洗浄水又は濯ぎ水が入口A又は出口Bから機外に飛水し難くなる。さらに、各カーテン部33,34の清掃が容易になり、衛生面上良好である。
カーテン11〜13の他の例として、図6に示すように、前側のカーテン部36の上端を巻き付けて固定された吊り下げ棒37と、後側のカーテン部38の上端を巻き付けて固定された吊り下げ棒39とを所定の間隔で配置させてもよい。また、カーテン11〜13は、三枚以上のカーテン部を備えていてもよい。
次に、図8に示すように、洗浄ノズル14,15から噴射される洗浄水は噴射孔から放射状に噴射され、洗浄水は、ラック4の全域に確実に当てるためにラック4の幅よりも広い範囲に噴射され、ラック4に当たらなかった洗浄水の一部は洗浄室10を形成する筐体7の側壁7aに噴射される。洗浄ノズル14,15のこのような特性を利用して、洗浄室内10には、上側の洗浄ノズル14から噴射した水をラック4上の食器3に向けて反射させる上側水返し部材40と、上側水返し部材40に対して平行に延在すると共に、下側の洗浄ノズル15から噴射した水をラック4上の食器3に向けて反射させる下側水返し部材41とが配置され、各水返し部材40,41は、筐体7の両側壁7aに溶接により固定されている。
図2、図7及び図8に示すように、上側水返し部材40は、断面「く」の字状に形成され、上部のベース部40aは側壁7aに対して溶接により固定され、下部の反射部40bは、斜め上方から端の食器3側に向けて突出している。また、下側水返し部材41は、断面「く」の字状に形成され、上部のベース部41aは側壁7aに対して溶接により固定され、下部の反射部41bは、斜め下方から端の食器3側に向けて突出している。さらに、各水返し部材40,41は、ラック4の搬送方向に延在すると共に、水平線Hに対して所定の傾斜角度α(例えば15度)で延在している。
このコンベア型食器洗浄機1において、洗浄室10内に配置された水返し部材40,41は、ラック4の搬送方向に延在するので、洗浄室10内に横長の洗浄ノズル14,15を仮想的に作り出すことができ、さらに、この水返し部材40,41は、水平に対して傾斜しているので、洗浄室10内に縦長の洗浄ノズル14,15をも仮想的に作り出すことができる。従って、ラック4が食器洗浄機1内を移動する間に、ラック4の端にある食器3に対して満遍なく洗浄水又は濯ぎ水を当てることができるので、食器3をムラ無く洗浄又は濯ぎを行うことができ、食器3の汚れ落ち又は濯ぎを確実なものにする。さらに、必要以上に噴射を外向きにする必要がないので、洗浄水を効率良く食器3に当てることができる。
図9に示すように、他の例の水返し部材50は、ベース部50aと反射部50bとの間を円弧状にして、断面「し」字状に形成されている。さらに他の例の水返し部材60は、図10に示すように、上側の反射面60aと下側の反射面60bとにより断面「V」字状に形成されている。従って、上方から噴射された洗浄水は、上側の反射面60aによって端の食器3側に向かい、下方から噴射された洗浄水は、下側の反射面60bによって端の食器3側に向かわせることができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、水返し部材40,41,50,60は、濯ぎ室S2内に適用してもよい。水返し部材40,41,50,60は、作業者側から見て、右上がり又は左上がりに傾斜していれば所期の目的を達成することができる。
本発明に係るコンベア型食器洗浄機の一実施形態を示す斜視図である。 コンベア型食器洗浄機の断面図である。 ラックレールを示す斜視図である。 ラックレールの断面図である。 (a)はカーテンの一例を示す斜視図、(b)は(a)に対応する正面図である。 カーテンの他の例を示す斜視図である。 水返し部材の一例を示す斜視図である。 筐体内の上下左右に配置された水返し部材を示す断面図である。 水返し部材の他の例を示す斜視図である。 水返し部材の更に他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1…コンベア型食器洗浄機、2…洗浄機本体、3…食器、4…ラック、10…洗浄室、14,15…洗浄ノズル、20…コンベア、21,22…濯ぎノズル、40,41,50,60…水返し部材。

Claims (1)

  1. ラック内に収容された食器を洗浄機本体の洗浄室内でコンベアによって搬送させながら、洗浄ノズルによって前記食器を洗浄し、濯ぎノズルによって前記食器の濯ぎが行われるコンベア型食器洗浄機において、
    前記洗浄室内には、前記洗浄ノズル又は前記濯ぎノズルから噴射した水を前記食器に向けて反射させる水返し部材が配置され、前記水返し部材は、前記ラックの搬送方向に延在すると共に、水平に対して傾斜して延在していることを特徴とするコンベア型食器洗浄機。
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