JP2008186343A - 対象物検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面の勾配変化に起因する対象物の誤検出の発生を抑制する。
【解決手段】車両10において、ECU100は障害物検出処理を実行する。当該処理において、前方ミリ波レーダから出射されるミリ波が前方領域の物体に反射してなる反射波強度Prが閾値S1以上である場合に、当該反射強度に対応する物体が障害物候補と判別される。障害物候補のうち、静止物体でない物体、或いは静止物体であっても車両10の前方位置における路面の勾配変化が小さい場合には、障害物候補がそのまま障害物として抽出される。一方で、静止物体については、自車勾配値G0と前方勾配値Gfとの差分の絶対値が基準値C2以上である場合に、反射波強度Prと、閾値S1よりも大きい閾値S2との比較に基づいた再判別が行われる。再判別に供された障害物候補は、反射波強度Prが閾値S2以上となった場合に障害物として抽出される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載され、接近する前方車両或いは路上の落下物等の各種対象物を検出するための対象物検出装置の技術分野に関する。
この種の装置に係る従来の技術として、道路の勾配を考慮したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された車両用画像処理装置によれば、ナビ情報から自車前方の勾配変化点を検出し、道路曲率半径により先行車認識のための画像処理領域を補正することによって、前車の位置をより正確に検出することができるとされている。
尚、自動車のピッチ角、及びナビ情報やインフラ情報からの道路勾配の変化を考慮して、対象物を検知する画像取得領域である絞込み領域の補正を行う技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、車両の傾斜角変化が検出されてから所定時間内のとき、傾斜角に応じて検知エリアを鈍感側に補正するために閾値を大きくする技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−148816号公報 特開2003−237509号公報 特開2003−194939号公報
路面の勾配が変化した場合、本来対象物とは認識され得ない、例えば路面そのもの、横断歩道等の模様、又は構造物等が対象物と認識され易くなり、対象物の誤検出を招き易い。上述した各種従来の技術では、路面の勾配、又は車両の傾き若しくは車高等を反映して対象物検出のための画像処理領域等(上述した画像取得領域或いは検知エリアを含む)が補正される。ところが、このような誤検出は、画像処理領域等に依存するというよりは、勾配変化によって、対象物である旨の判断が相対的になされ易くなるために生じるものである。従って、従来の技術では結局、補正された画像処理領域内において同様に対象物の誤検出が発生しかねない。即ち、従来の技術には、路面の勾配変化によって対象物の誤検出が発生し易いという技術的な問題点が、十分に解決され得ない問題点として残存する。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、路面の勾配変化に起因する対象物の誤検出の発生を抑制し得る対象物検出装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る対象物検出装置は、前方の検出範囲における物体を検出可能な検出手段を備えた車両において所定種類の対象物を検出する対象物検出装置であって、所定の判別基準に基づいて前記検出された物体が前記対象物であるか否かの判別を行う第1の判別手段と、前記車両の走行位置における勾配を表す第1勾配を特定する第1の特定手段と、前記車両の前方位置における勾配を表す第2勾配を特定する第2の特定手段と、前記特定された第1及び第2勾配の相対関係に応じて前記判別基準を変更する変更手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る車両には、例えば、電波レーダ、レーザレーダ、ソナー、画像センサ或いはビデオカメラ等の各種態様を採り得る検出手段が備わり、当該車両の前方に設定される所定の検出範囲における物体の存在が、例えば、反射電波、反射レーザ光、反射音或いは画像等として検出される。
一方、本発明における「対象物」とは、本発明に係る対象物検出装置に連動する各種のDSS(Driving Support System:運転支援装置)、例えば、PCS(Pre Crush Safety system)等の安全システム、又はACC(Adaptive Cruise Control)、LKA(Lane Keeping Assist)、若しくはIPA(Intelligent Parking Assist)等の運転負荷軽減システム等の作動可否と関連を有する物体であり、その概念は、検出手段により検出される物体の一部として包含される。例えば、対象物とは、車両前方に設定された検出範囲における、例えば停止中であるか走行中であるかに限らず存在する車両(以下、適宜「前方車両」と称する)、又は車両の進路上の落下物、載置物若しくは設置物等を指す。
本発明に係る対象物検出装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1の判別手段の作用により、検出手段により検出された物体が対象物であるか否かの判別が行われる。この際、第1の判別手段は、検出された物体の中から少なくとも実践上有意な利益が享受され得る程度の信頼性を伴って対象物を検出し得るものとして設定され、且つ検出手段の態様に応じて、例えば各種指標値等、各種態様を採り得る所定種類の判別基準に従って当該判別を行う。
一方、本発明に係る対象物検出装置によれば、その動作時には、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1の特定手段の作用により、例えば、カーナビゲーション装置又は傾斜計若しくは傾斜角センサ等を適宜介して、車両の走行位置における勾配を表す第1勾配が特定される。他方、本発明に係る対象物検出装置によれば、その動作時には更に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2の特定手段の作用により、車両の前方位置における勾配を表す第2勾配が特定される。
ここで、これら特定手段に係る「前方位置」とは、車両の走行位置よりも前方である限りにおいて、検出手段の検出範囲内の位置であっても検出範囲外の位置であってもよい。また、本発明に係る「勾配」とは、例えば、水平面或いは鉛直面等予め設定される基準面に対する傾斜角度、及び当該傾斜角度と一対一或いは多対一の関係を有する指標値等を含む広い概念である。
尚、本発明における「特定」とは、例えば、何らかの検出手段を介して直接的に又は間接的に物理的数値又は物理的数値に対応する例えば電気信号等として検出すること、予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する数値を選択する又はそのような選択を介して推定すること、それら検出された物理的数値若しくは電気信号又は選択若しくは推定された数値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式等に従って導出又は推定すること、或いはこのように検出、選択、推定又は導出された値等を単に電気信号等として取得すること等を包括する広い概念である。
ここで特に、検出範囲における路面の勾配によっては、既に述べた如く対象物の誤検出が発生し易い。より具体的には、本来対象物とは判断されないはずの、例えば、路面そのもの、横断歩道若しくは路上標識等の各種模様、又はオーバーブリッジ、ガードレール、設置標識、掲示板若しくはトンネル等の各種構造物等の静止物体が、対象物と判別され易くなる。このような誤検出は、既に述べたように検出範囲の変更等では十分に解消することのできない問題である。
そこで、本発明に係る対象物検出装置では、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る変更手段を備えることにより、係る問題を好適に解決している。即ち、本発明に係る対象物検出装置によれば、その動作時には、当該変更手段により、第1及び第2の特定手段により夫々特定されてなる第1及び第2勾配の相対関係に応じて、前述した判別基準が変更される。判別基準の変更がなされた場合、判別手段は、この変更された判別基準に従って、検出された物体が対象物であるか否かの前述した判別を行う。
ここで、「相対関係」とは、第1勾配と第2勾配とによって規定される、例えば第1勾配の方が大きい又は小さいといった定性的な関係、或いは第1勾配と第2勾配との差分等定量的な関係等を含み、少なくとも対象物の誤検出の発生と因果関係を有する関係を指す。例えば変更手段は、例えば当該相対関係を規定する何らかの指標値が所定の閾値以上となった場合に前述した判別基準を規定する何らかの指標値を二値的に変化させること等によって、或いは、当該相対関係を規定する指標値に応じて連続的に又は段階的に判別基準を規定する指標値を変化させること等によって、判別基準を変更する。
尚、本発明に係る「変更」とは、予め設定された基本となる判別基準、好適には何らかの閾値に対し何らかの数値演算又は論理演算処理を施すこと、又は例えば予め設定された然るべきアルゴリズムに従った、当該基本となる判別基準とは独立した数値演算の結果として、或いは然るべきマップ等から該当する値を選択すること等によって、当該基本となる判別基準とは別個に判別基準を設定すること等を包括する概念である。
判別基準は、上述したように、検出された物体が対象物であるか否かを決定付ける要素であり、当該変更がなされることにより、検出された物体が対象物である旨の判別がなされる確率を上昇させる(即ち、当該判別がなされ易くする)ことも、また低下させる(即ち、当該判別がなされ難くする)ことも可能となる。従って、例えば、基本状態(或いはそれとみなし得る状態)において、当該判別が相対的にみてなされ易く設定され、当該相対関係に基づいて(例えば、第1勾配と第2勾配との間に顕著な差異が認められる場合等に)、適宜当該判別がなされ難くなるような判別基準の変更がなされることによって、或いは、例えば、基本状態において、当該判別が相対的になされ難く設定され、当該相対関係に基づいて(例えば、第1勾配と第2勾配との間にさしたる差異が認められない場合等に)適宜当該判別がなされ易くなるような判別基準の変更がなされることによって、路面の勾配変化が対象物の検出精度に与える影響を低減、理想的には排除することが可能となる。即ち、本発明に係る対象物検出装置によれば、路面の勾配変化に起因する対象物の誤検出の発生が抑制されるのである。
本発明に係る対象物検出装置の一の態様では、前記変更手段は、前記第1勾配と前記第2勾配との乖離の度合いが大きい場合に前記検出された物体が前記対象物である旨の判別がなされ難くなるように前記判別基準を変更する。
この態様によれば、第1勾配と第2勾配との乖離の度合いが大きい場合に、変更手段によって、検出された物体が対象物である旨の判別がなされ難くなるように判別基準が変更されるので、車両の前方で比較的大きく路面勾配が変化している状況等において、例えば路面そのもの、横断歩道若しくは路上標識等の各種模様、又はオーバーブリッジ、ガードレール、設置標識、掲示板若しくはトンネル等の各種構造物等の静止物体等が対象物であると判別される可能性が相対的にみて低下する。即ち、対象物の誤検出の発生が抑制される。尚、「乖離の度合いが大きい場合に」とは、必ずしもこのような場合の全てを指すものではなく、このような場合の少なくとも一部、例えば、第2勾配と第1勾配との差分が所定値以上である、或いは所定値以下である場合等であってもよい趣旨である。
尚、「対象物である旨の判別がなされ難くなるように」行われる変更とは、判別基準の態様に応じて必然的に各種の態様を採り得ると共に、対象物の検出精度の低下、即ち、対象物の誤検出を幾らかなり抑制し得る限りにおいてその態様は何ら限定されず、例えば、検出手段がミリ波レーダ等の電波レーダであれば、物体の存在を表すミリ波の反射波の強度との比較に供され得る、例えば対象物であるか否かを規定する閾値等がより高い側に変更されること等であってもよいし、検出手段が例えば画像センサやビデオカメラ等の撮像手段であれば、撮像された画像において例えば対象物である旨の判別がなされるエッジ数の閾値がより高い側に変更されること等であってもよい。また、このような閾値が、車両からの距離に応じて変化する特性を有する場合には、閾値を一律にかさ上げすることによって当該特性の有する性質を維持したまま判別基準の変更がなされてもよいし、又は車両からの距離に応じて連続的若しくは段階的に変化する変更率を乗じること等によって、幾らかなり当該特性の有する性質の変化を伴って判別基準の変更が行われてもよい。
尚、この態様では、前記変更手段は、前記乖離の度合いを規定する前記第1勾配と前記第2勾配との差分の絶対値が所定値以上である場合に前記判別基準を変更してもよい。
この態様によれば、第1勾配と第2勾配との差分の絶対値が、上述した乖離の度合いを規定する指標値として参照され、当該差分が所定値以上である場合に判別基準が変更される。係る差分の絶対値は、即ち、車両の前方が、現在位置と比較して相対的に傾斜角の大きい登坂路又は降板路である場合に顕著に大きくなる値であり、本来対象物と判別される必要のない物体を対象物であると判別してしまう可能性と相関し得る指標値である。従って、当該差分の絶対値が、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、対象物の誤検出が実践上顕在化し得る値等として設定され得る所定値以上である場合に、判別基準が例えば二値的に、段階的に或いは連続的に変更されることにより、路面勾配が対象物の検出精度に与える影響を効率的に排除することが可能となる。
本発明に係る対象物検出装置の他の態様では、前記検出された物体が静止物体であるか否かの判別を行う第2の判別手段を更に具備し、前記変更手段は、前記検出された物体が前記静止物体である旨の判別がなされた場合に前記判別基準を変更する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2の判別手段により、例えば、車両と検出された物体との相対速度等に基づいて、検出手段により検出された物体が、路面、横断歩道若しくは路上標識等の各種模様、又はオーバーブリッジ、ガードレール、設置標識、掲示板若しくはトンネル等の各種構造物等を含む概念としての静止物体(即ち、言い換えれば、路面に対する相対速度がゼロ又はゼロとみなし得る物体)であるか否かが判別される。
ここで、変更手段は、検出された物体が静止物体である旨の判別がなされた場合に判別基準の変更を行う。即ち、この態様によれば、静止物体に対して少なくとも優先的に(好適には静止物体に対してのみ)、判別基準の変更が行われることになる。対象物検出装置の設置目的に鑑みれば、静止物体でない物体(即ち、路面に対する相対速度を有する物体であり、少なくとも実践上高い確率で前方車両(対向車両を含む)である)は、対象物となり得る物体であり、言い換えれば、対象物として検出されることが誤検出とはなり難い、顕著にはそのような可能性が無い物体である。従って、静止物体に対し少なくとも優先的に係る判別基準の変更がなされることにより、路面や各種構造物が対象物である旨の誤った判別(即ち、対象物の誤検出)が行われる可能性(或いは頻度又は度合い)を低下させつつ、本来検出すべき対象物についてはその検出精度及び検出頻度(或いは検出機会)が少なくとも維持され得るといった、実践上極めて高い利益が享受される。
本発明に係る対象物検出装置の他の態様では、前記検出手段は、前記検出範囲に所定の波長を有する電波を出射すると共に該出射された電波が前記物体に反射してなる反射波を受信することにより前記物体を検出可能なレーダを含み、前記第1の判別手段は、前記受信された反射波の強度に対応する指標値と前記判別基準の少なくとも一部をなす第1の閾値との比較に基づいて前記検出された物体が前記対象物であるか否かの判別を行い、前記変更手段は、前記第1の閾値を変更することにより前記判別基準を変更する。
この態様によれば、検出手段が、例えばミリ波等の電波を出射可能に構成され、且つ検出範囲に存在する物体において反射された反射波を受信可能に構成されてなるレーダを含んで構成されており、当該反射波の強度、又は当該反射波の強度と一対一の関係を有し得る何らかの指標値等を含む概念としての指標値と、判別基準の少なくとも一部をなす第1の閾値との比較に基づいて、検出された物体が対象物であるか否かの判別が行われる。従って、この態様によれば、第1の閾値の変更を介して、判別基準が比較的簡便に変更され得る。
この際、第1の閾値の変更量は、対象物の誤検出の発生を幾らかなりとも抑制し得る限りにおいて何ら限定されない趣旨であるが、第1の閾値の変更により本来検出すべき対象物の検出精度にも影響が及び得る場合に備え、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、対象物の誤検出の発生を抑制し得る範囲で可及的に小さい変更量が決定されていてもよい。また、第1の閾値は、例えば、車両からの距離に応じて、或いは更に、第1勾配と第2勾配との相対関係の度合い(例えば、上述した勾配の差分等)等に応じて連続的に又は段階的に可変とされてもよい。
尚、この態様における電波とは、厳密には周波数30Hzから3THzの電磁波を包括する概念であるが、好適な一態様としては、30〜300GHzのミリ波(本発明に係る対象物検出装置においては更に76〜77GHz帯が顕著に使用される)或いは赤外線等が採用される。
本発明に係る対象物検出装置の他の態様では、前記検出手段は、前記検出範囲を撮像可能な撮像手段を含み、前記第1の判別手段は、前記撮像手段を介して得られた画像における立体物の有無を規定する指標値と前記判別基準の少なくとも一部をなす第2の閾値との比較に基づいて前記検出された物体が前記対象物であるか否かの判別を行い、前記変更手段は、前記第2の閾値を変更することにより前記判別基準を変更する。
この態様によれば、検出手段が、例えば、モノラル(単眼)又はステレオ(複眼)等各種態様を有する画像センサ又はビデオカメラ等の撮像装置を含んで構成される。或いは更に、撮像された画像から公知の各種エッジ検出処理等によってエッジ数を検出可能な装置を含んで構成される。
一方、第1の判別手段は、撮像された画像における立体物の有無を規定する、例えば上述したエッジ数(顕著には例えばモノラル画像である場合)或いは、複数の画像相互間の対応点の数(顕著には例えば、ステレオ画像である場合)等の各種指標値と前記判別基準の少なくとも一部をなす第2の閾値との比較に基づいて、検出された物体が対象物であるか否かの判別を行う。従って、この態様によれば、第2の閾値の変更を介して、判別基準が比較的簡便に変更され得る。
この際、第2の閾値の変更量は、対象物の誤検出の発生を幾らかなりとも抑制し得る限りにおいて何ら限定されない趣旨であるが、第2の閾値の変更により本来検出すべき対象物の検出精度にも影響が及び得る場合に備え、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、対象物の誤検出の発生を抑制し得る範囲で可及的に小さい変更量が決定されていてもよい。また、第2の閾値は、例えば、車両からの距離に応じて、或いは、第1勾配と第2勾配との相対関係(例えば、上述した各勾配の差分等)等に応じて連続的に又は段階的に可変とされてもよい。
本発明に係る対象物検出装置の他の態様では、前記車両は、前記車両の走行位置に関する所定種類の位置情報を取得することが可能な位置情報取得手段を更に具備し、前記第1及び第2の特定手段のうち少なくとも一方は、前記取得された位置情報に基づいて該少なくとも一方に対応する前記第1及び第2勾配のうち少なくとも一方を特定する。
この態様によれば、車両に、カーナビゲーション装置或いはGPS(Global Positioning System)等を利用した測位システム等の態様を採り得る位置情報取得手段が備わっており、例えば、然るべき地図上の座標位置、或いは絶対緯度、絶対経度又は絶対高度等、車両の走行位置を特定し得る情報を包括する概念としての所定種類の位置情報が取得される。
ここで、第1及び第2の特定手段のうち少なくとも一方は、この取得された位置情報に基づいて、夫々対応する勾配を特定する。従って、この態様によれば、第1及び第2勾配のうち少なくとも一方、好適には両方が、相対的に高精度に特定され得、路面の勾配変化に応じた判別基準の変更を、より精細に行うことが可能となる。尚、このようなカーナビゲーション装置等が車両に搭載される場合、走行経路が予め設定されていれば、或いは走行履歴や周囲の道路環境等に鑑みて近未来的な走行経路が推定可能である場合等には、近未来的に第1勾配との比較に供し得る第2勾配を、比較的大量に記憶しておくことも可能である。そのような場合には、記憶された第2勾配を実際に第1勾配との比較に供する際に、処理を円滑に実行することが可能となり好適である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10において本発明に係る対象物検出装置に関係する部分の構成を概念的に表してなるブロック図である。
図1において、車両10は、ECU100、ナビゲーション装置200、前方ミリ波レーダ300及び車速センサ400を備える。
ECU100は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、不図示のエンジンを含む図1の各要素の動作を制御すると共に、ROMに格納された制御用のプログラムに従って後述する障害物検出処理を実行することにより、本発明に係る「対象物検出装置」の一例として機能するように構成されている。
ナビゲーション装置200は、HDD(Hard Disk Drive)等、然るべき記憶手段に記憶された地図データに基づいて液晶表示パネル等の各種表示手段上に表示される地図画面上に、GPS等の各種測位システムを介して得られた絶対位置情報を表示することが可能に構成された、本発明に係る「位置情報取得手段」の一例である。ナビゲーション装置200は、ECU100と電気的に接続されており、車両10が走行している道路に関するデータ、より具体的には車両10の走行位置における路面の勾配に関するデータ(以下、適宜「勾配データ」と称する)は、表示手段上に地図画面が表示されているか否かにかかわらず、測位システムが稼動中である限りにおいて絶えず、或いは一定又は不定の周期で、ECU100に把握される構成となっている。
前方ミリ波レーダ300は、物体検出用のミリ波(即ち、本発明に係る「電波」の一例)を車両10の前方領域に出射可能であると共に、当該前方領域において物体に反射した出射波たる反射波を受信することが可能に構成された、本発明に係る「検出手段」の一例である。前方ミリ波レーダ300は、ECU100と電気的に接続されており、その動作状態はECU100により上位に制御される構成となっている。前方ミリ波レーダ300は更に、出射されるミリ波の伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差など基づいて、障害物の位置(即ち、車両10からの距離)及び障害物と車両10との相対速度等を検出することが可能に構成されている。
車速センサ400は、車両10の速度たる車速Vvを検出することが可能に構成されたセンサである。車速センサ400は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vvは、ECU100により絶えず或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
<実施形態の動作>
<障害物検出処理の概要>
ECU100は、障害物検出処理を実行することにより、車両10が走行している路面上の障害物(即ち、本発明に係る「対象物」の一例)を検出することが可能に構成される。障害物検出処理による障害物の検出結果は、例えば上述したPCS等の安全システム、又はACC、LKA、若しくはIPA等の運転負荷軽減システム等の動作可否、動作タイミング或いは動作量等の決定に供され、車両10の安全性向上が図られる。或いは車両10における運転者の運転操作が支援される。
一方で、上述したように、路面の勾配変化によっては、障害物に該当しない物体を障害物として誤検出する可能性があるが、この場合、上述した如き各種安全システム及び運転負荷軽減システムの誤動作も誘発しかねない。この結果、例えば、進路上に何ら障害物が存在しないにもかかわらず、車両に強制的に制動力が作用したり、或いは運転に警告が発せられたりする等、快適性はおろか、かえって安全性の低下すら招かれかねない。そこで、本実施形態に係るECU100は、障害物検出処理を実行することによって、路面の勾配変化が障害物の検出精度に与える影響を低下せしめ、もって誤検出の発生を抑制することが可能となっている。
<障害物検出処理の詳細>
ここで、図2を参照して、障害物検出処理の詳細について説明する。ここに、図2は、障害物検出処理のフローチャートである。
図2において、ECU100は、前方ミリ波レーダ300から、車両10の前方領域に存在する物体において反射されるミリ波(即ち、反射波)の強度(以下、適宜「反射波強度」と称する)Prを取得する(ステップA10)。当該反射波が取得された段階で、車両10の前方領域における物体の存在が検出される。次に、ECU100は、取得された反射波強度Prと、予め設定される閾値S(即ち、本発明に係る「第1の閾値」の一例)との比較に基づいて、検出された物体が障害物であるか否かの判別を行う(ステップA11)。
ここで、図3を参照し、閾値Sの特性について説明する。ここに、図3は、閾値Sの特性を概念的に表す模式図である。
図3において、閾値Sは、縦軸及び横軸に夫々反射波強度Pr及び前方領域における車両10からの距離Dfが表されてなる座標系における図示特性線PRF_S1として表される。図示するように、特性線PRF_S1は、距離Dfが長くなる程、即ち車両10から遠ざかる程、減少する曲線として表される。ECU100は、図2におけるステップA11に係る処理において、取得された反射波強度Prと、係る反射強度Prに対応する距離における、PRF_S1によって規定される閾値S(ここでは便宜的に閾値S1と表現する)とを比較し、取得された反射波強度Prが閾値S1以上である場合に、当該反射波強度Prに対応する物体を、障害物の可能性がある物体(以下、適宜「障害物候補」と称する)であると判別する。
図2に戻り、ECU100は、ステップA11に係る処理の結果、障害物候補が存在するか否かを判別する(ステップA12)。尚、ステップA12に係る処理では、上述したように閾値S1以上となる反射波強度Prのピークの個数が、障害物候補数Nとして取得される。尚、この際、当該障害物候補の各々について、車両10との距離を表す距離Df及び車両10の相対速度Vrが併せて取得される。取得された障害物候補数N、並びに障害物候補各々に対応するピーク値、距離Df及び相対速度Vrは、ECU100のRAMに一時的に記憶される。尚、障害物候補は、必ずしも反射波強度Prのピークとして検出されずともよい。
障害物候補が存在しない場合(ステップA12:NO)、ECU100は、処理をステップA10に戻し、実質的に処理を待機状態に制御すると共に、障害物候補が存在する場合(ステップA12:YES)、ECU100は、障害物候補を特定するためのカウンタj(j=1,2,・・・,N)を「1」に設定する(ステップA13)。即ち、M(M≦N)個の障害物候補が検出された場合、障害物候補は夫々1、2、・・・、M番目の障害物候補として扱われる。尚、以降の説明において、j番目の障害物候補に係る反射波強度PrをPrjと表記する。
次に、ECU100は、現時点のカウンタjの値に対応する障害物候補の相対速度Vrjと車速センサ400により検出される車速Vvを取得し(ステップA14)、当該車速Vvと相対速度Vrjとの差分の絶対値が基準値C1未満であるか否かを判別する(ステップA15)。ここで、基準値C1は、ゼロ又はゼロとみなし得る程度に小さい値に設定されており、ステップA15に係る処理は、即ち、対象となる障害物候補が静止物体であるか否かを判別する処理となっている。より具体的には、障害物候補が静止物体であれば、車両10との相対速度Vrjは車速Vvとほぼ同一であり、当該絶対値は相対的に小さくなって、ステップA15に係る判別処理は「YES」となる。一方、障害物候補が前方車両等であれば、車速の違いはあるにせよ相対速度Vrjは車速Vvに対し十分に小さい値となり易く、当該絶対値は相対的に大きくなって、ステップA15に係る判別処理は「NO」となる。
ステップA15に係る判別処理の結果が「NO」である、即ち、現時点のカウンタjの値に対応するj番目の障害物候補が静止物体でないと判断される場合、ECU100は、当該障害物候補を障害物として抽出する(ステップA22)。本実施形態においては、ステップA22に係る処理で障害物である旨が決定された障害物候補が、最終的に障害物として上述した各種後処理の対象となる。
一方、ステップA15に係る判別処理の結果が「YES」である、即ち、j番目の障害物候補が静止物体であると判別された場合、ECU100は、更に、カーナビゲーション装置200を介して、車両10の現在位置における路面の勾配値である自車勾配値G0を取得し(ステップA16)、更に車両10の前方位置における路面の勾配値である前方勾配値Gfを取得する(ステップA17)。ここで、前方勾配値が規定される位置の、車両10からの距離は、必ずしも前方ミリ波レーダ300の検出範囲内になくてもよい。また、当該距離は、固定値であっても可変値であってもよく、可変である場合には、例えばステップA12に係る処理において障害物候補と判別された物体の位置(相互に異なり得る)各々に対し、可及的に近接した位置となるように設定されてもよい。更には、カーナビゲーション装置200によれば、前方勾配値を規定する距離を比較的自由に選択可能であるから、その都度障害物である旨の判別がなされた物体の位置に対応する距離が設定されてもよい。
自車勾配値G0及び前方勾配値Gfが取得されると、ECU100は、それらの差分の絶対値を算出し、当該算出された絶対値が基準値C2以上であるか否かを判別する(ステップA18)。ここで、基準値C2は、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、障害物の誤検出に影響を与え得る路面の勾配変化の度合いを規定する値として設定されており、本発明に係る「所定値」の一例をなしている。
ここで、係る勾配値の差分の絶対値が基準値C2未満である場合(ステップA18:NO)、ECU100は、処理をステップA22に移行し、先の静止物体に係る判別の際と同様に、j番目の障害物候補を障害物として抽出する。即ち、定性的にはこの場合、検出された障害物候補が静止物体であっても路面の勾配変化が誤検出を招かない程度であるとみなされ、障害物であるか否かの判別に関する判別基準の変更は行われない。
一方で、係る勾配値の差分の絶対値が基準値C2以上である場合(ステップA18:YES)、ECU100は、先に述べた閾値Sを変更する(ステップA19)。ここで、図4を参照し、変更後の閾値Sについて説明する。ここに、図4は、閾値Sの特性を概念的に表す他の模式図である。尚、同図において、図3と重複する個所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、閾値Sは、縦軸及び横軸に夫々反射波強度Pr及び前方領域における車両10からの距離Dfが表されてなる座標系における図示特性線PRF_S2(実線)として表される。図示するように、特性線PRF_S2は、距離Dfが長くなる程、即ち車両10から遠ざかる程、減少する曲線であり、先に述べた特性線PRF_S1(一点鎖線)と波形は等しく、特性線PRF_S1に対し所定のオフセットを与えてかさ上げしたものとなっている。ECU100は、図2におけるステップA19に係る処理において、変更前の閾値S(即ち、閾値S1)に対し所定値を加算することにより、閾値S1を図示特性線PRF_S2によって規定される閾値(ここでは便宜的に閾値S2と表現する)に変更する。
尚、閾値Sの変更の態様は上述したものに限定されず、閾値S1は、例えば、図4において特性線PRF_S2’として表されるように、閾値S1に対し距離Dfの増加に応じて減少する加算量を加算してなる値に変更されてもよい。即ち、この場合、距離Dfの増加に伴い、変更前後の閾値Sを規定する曲線は相互に漸近する。
図2に戻り、閾値Sが閾値S1から閾値S2に変更されると、ECU100は、変更後の閾値S2とj番目の障害物候補に対応する反射波強度Prjとを比較し、j番目の障害物候補が障害物であるか否かを閾値S2に基づいて再判別する(ステップA20)。j番目の障害物候補が障害物である旨の判別がなされた場合(ステップA20:YES)、即ち、反射波強度Prjが変更後の閾値S2以上である場合、ECU100は、j番目の障害物候補を障害物として抽出する(ステップA21)。
一方、j番目の障害物候補が障害物でないと判別された場合(ステップA20:NO)、即ち、反射波強度Prjが、閾値S2未満である場合、或いはステップA21に係る処理の結果、現時点のカウンタに対応する障害物候補が障害物として抽出された場合(ステップA21)、ECU100は、カウンタjを「1」インクリメントし(ステップA22)、インクリメントされたカウンタjの値が、ステップA12において取得された障害物候補数Nよりも大きくなったか否かを判別する(ステップA23)。
カウンタjの値が障害物候補数N以下である場合(ステップA23:NO)、ECU100は処理をステップA14に戻し、ステップA14以降の処理を繰り返し実行し、ステップA12に係る処理において検出された障害物候補(即ち、反射波強度Prのピーク値が閾値S1以上である物体)全てについて、ステップA14からステップA21に至る処理を繰り返す。ステップA23において、カウンタjの値が障害物候補数Nを超えた場合(ステップA23:YES)、ECU100は処理をステップA10に戻し、一連の処理を繰り返し実行する。
以上、説明したように、本実施形態に係る障害物検出処理によれば、ミリ波の反射強度Prのピーク値が閾値S1以上である物体として規定される障害物候補の各々について、車両10と障害物候補との相対速度に基づいて障害物候補が静止物体であるか否かの判別がなされ、静止物体である旨の判別がなされた場合には更に、車両10の現在位置の勾配と前方位置の勾配との差分の絶対値に基づいて、路面の勾配変化が大きいか否かが判別される。当該勾配変化が大きい場合には、閾値S1が閾値S2(S2>S1)に変更され、より障害物である旨の判別条件が厳しくされた状態で、再び該当する障害物候補の反射波強度が閾値S2との比較に供される。この際、反射波強度が閾値S2以上である場合に限り、当該障害物候補が障害物として後処理に供される。従って、車両10の前方において路面の勾配変化が大きい場合に、本来障害物として検出する必要の無い、例えば路面そのもの、横断歩道若しくは路上標識等の各種模様、又はオーバーブリッジ、ガードレール、設置標識、掲示板若しくはトンネル等の各種構造物等の静止物体を障害物であると誤検出する確率が低下する。即ち、路面の勾配変化に起因する障害物の誤検出の発生が抑制されるのである。
<第2実施形態>
<実施形態の構成>
物体を検出する手段は、第1実施形態における前方ミリ波レーダ300に限定されない。ここでは、このような本発明の第2実施形態について説明する。始めに、図5を参照し、第2実施形態に係る車両11の構成について説明する。ここに、図5は、車両11において本発明に係る対象物検出装置に関係する部分の構成を概念的に表してなるブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図5において、車両11は、第1実施形態に係る前方ミリ波レーダ300を有さず、本発明における「検出手段」の他の一例として単眼画像センサ500(即ち、本発明に係る「撮像手段」の一例)を備える点において、第1実施形態に係る車両10と相違している。
単眼画像センサ500は、車両11の前方領域を撮像する単眼の撮像部、撮像された前方領域の画像を生成する画像処理部、及び生成された画像におけるエッジの数(即ち、エッジ数)を検出するエッジ検出部(いずれも不図示)を備えており、車両10の前方領域における物体を検出することが可能に構成されている。単眼画像センサ500は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたエッジ数は、ECU100により絶えず、或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。尚、単眼画像センサ500におけるエッジ検出の手法としては、一次微分を利用して画像の空間的な濃度変化を求める手法が採用されるが、エッジ検出に関しては公知の様々な手法を利用することが可能である。尚、撮像された画像におけるエッジ数は、ECU100により実行されてもよいし、他の画像処理装置によりなされてもよい。
<実施形態の動作>
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態に係る障害物検出処理について説明する。ここに、図6は、故障検出処理のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、ECU100は、単眼画像センサ500により撮像された車両10の前方領域の画像におけるエッジ数EGを取得する(ステップB10)。エッジ数EGを取得すると、ECU100は、第1実施形態と同様に自車勾配値G0及び前方勾配値Gfの差分の絶対値が基準値C2以上であるか否かを判別し(ステップA16〜ステップA18)、基準値C2未満である場合(ステップA18:NO)、即ち、前方の路面の勾配変化が相対的にみて大きくない場合には、障害物の判別に係る閾値EGthを予めROMに格納されてなる閾値EG1に設定する(ステップB12)。
一方、当該差分の絶対値が基準値C2以上である場合(ステップA18:YES)、即ち、前方の路面の勾配変化が相対的にみて大きい場合に、ECU100は、障害物の判別に係る閾値EGthを前述したEG1よりも大きい閾値EG2に設定する。閾値EG2の値もROMに格納されている。尚、第2実施形態では、このように変更前後の閾値(各々、本発明に係る「判別基準」の一例をなす)が、予めROM等然るべき記憶手段に記憶されており、変更前、即ち平常時の閾値EG1に対し、何らかの数値演算又は論理演算の結果として閾値EG2が設定される訳ではない。言い換えれば、閾値EG1と閾値EG2とは相互に並列の関係であるが、このような場合も、路面の勾配変化に基づいて判別基準が変更されることには変わりなく、本発明に係る「変更」の範疇である。
このようにして閾値が設定されると、ECU100は、ステップB10に係る処理において取得されたエッジ数EGが当該閾値EGth以上であるか否かを判別する(ステップB13)。エッジ数EGが閾値EGth以上である場合には(ステップB13:YES)、ECU100は、当該エッジ数が得られた画像部分を立体物と判断し、障害物として抽出する(ステップB14)。図2におけるステップB21に係る処理と同様、ステップB14において障害物として抽出された画像は、上述した各種の後処理装置における障害物として扱われる。ステップB14に係る処理を経ると、処理はステップB10に戻され、一連の処理が繰り返し実行される。
一方、エッジ数EGが閾値EGth未満である場合(ステップB13:NO)、ECU100は、判断に供されたエッジ数に対応する画像部分が障害物ではないものと判断し、そのまま処理をステップB10に移行して一連の処理を繰り返し実行する。
このように、第2実施形態に係る障害物判別処理によれば、第1実施形態の前方ミリ波レーダ300の代わりに単眼画像センサ500を備え、路面の勾配変化の度合いが相対的にみて大きい場合には、障害物である旨の判別がなされる閾値EGthをより高くする(即ち、障害物である旨の判別がなされ難くなるように判別基準が変更される)ことにより、第1実施形態と同様に、路面の勾配変化によって生じ得る障害物の誤検出の発生を抑制することが可能となるのである。
尚、上述した第1及び第2実施形態では、本発明に係る「相対関係」の一例として、路面の勾配変化の度合いが採用され、自車勾配値G0と前方勾配値Gfとの差分の絶対値として基準値C2との比較判別に供されるが、当該相対関係を規定する指標値は、これに限定されない。また、当該差分の絶対値の算出に際し、自車勾配値G0は、カーナビゲーション装置200により得られる位置情報に基づいて取得されているが、例えば、車両に、例えば振り子式加速度センサが備わる場合等には、当該振り子式加速度センサにより検出される加速度値と、車速センサ400から得られる車速Vvの時間微分値として得られる加速度値との比較等に基づいて自車勾配値G0が取得されてもよい。
尚、上述した各種実施形態では、本発明に係る検出手段の一例として、夫々ミリ波レーダ又は単眼画像センサが備わっているが、無論、本発明に係る検出手段とは、物理的、機械的、機構的、又は電気的な構成の異なる複数の手段から構成されていてもよい。より具体的には、例えば、車両にはミリ波レーダ等の電波測位手段及び単眼画像センサ等の撮像手段の両方が備わっていてもよい。例えば、ミリ波レーダは、あくまで物体を反射波として検出するから、物体の幅や三次元的な形状等は検出しにくいが、距離や速度等の物理量は正確に検出される。一方、単眼画像センサは、距離や速度等の物理量の検出精度はミリ波に劣る場合があるが、物体の幅、形状等は比較的正確に検出することができる。従って、これらを併せ持つことにより、上述したように誤検出の発生を抑制しつつ、より高精度に障害物の検出を行うことができる。
また、ミリ波レーダ及び単眼画像センサの各々において各々異なる手法で物体が検出される場合、例えば、各々の手法で得られた物体までの距離が相互に同一とみなし得れば、同一の物体が検出されたものと判別され、例えば、その後処理として障害物であるか否かの判別に供される。この際、物体までの距離は、各手法相互間で当然ながら誤差があるから、同一であるか否かを規定する許容量を小さくすれば、同一の物体であるとみなされ難くなり、最終的には障害物の誤検出が防止されることになる。従って、このような複数の検出手段により検出された物体の融合を図る際の許容量も、本発明に係る判別基準の一例となり得る。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う対象物検出装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る車両において本発明に係る対象物検出装置に関係する部分の構成を概念的に表してなるブロック図である。 図1の車両における障害物検出処理のフローチャートである。 反射波強度の閾値の特性を概念的に表す模式図である。 反射波強度の閾値の特性を概念的に表す他の模式図である。 本発明の第2実施形態に係る車両において本発明に係る対象物検出装置に関係する部分の構成を概念的に表してなるブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る障害物検出処理のフローチャートである。
符号の説明
10…車両、100…ECU、200…カーナビゲーション装置、300…前方ミリ波レーダ、400…車速センサ、500…単眼画像センサ。

Claims (7)

  1. 前方の検出範囲における物体を検出可能な検出手段を備えた車両において所定種類の対象物を検出する対象物検出装置であって、
    所定の判別基準に基づいて前記検出された物体が前記対象物であるか否かの判別を行う第1の判別手段と、
    前記車両の走行位置における勾配を表す第1勾配を特定する第1の特定手段と、
    前記車両の前方位置における勾配を表す第2勾配を特定する第2の特定手段と、
    前記特定された第1及び第2勾配の相対関係に応じて前記判別基準を変更する変更手段と
    を具備することを特徴とする対象物検出装置。
  2. 前記変更手段は、前記第1勾配と前記第2勾配との乖離の度合いが大きい場合に前記検出された物体が前記対象物である旨の判別がなされ難くなるように前記判別基準を変更する
    ことを特徴する請求項1に記載の対象物検出装置。
  3. 前記変更手段は、前記乖離の度合いを規定する前記第1勾配と前記第2勾配との差分の絶対値が所定値以上である場合に前記判別基準を変更する
    ことを特徴とする請求項2に記載の対象物検出装置。
  4. 前記検出された物体が静止物体であるか否かの判別を行う第2の判別手段を更に具備し、
    前記変更手段は、前記検出された物体が前記静止物体である旨の判別がなされた場合に前記判別基準を変更する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の対象物検出装置。
  5. 前記検出手段は、前記検出範囲に所定の波長を有する電波を出射すると共に該出射された電波が前記物体に反射してなる反射波を受信することにより前記物体を検出可能なレーダを含み、
    前記第1の判別手段は、前記受信された反射波の強度に対応する指標値と前記判別基準の少なくとも一部をなす第1の閾値との比較に基づいて前記検出された物体が前記対象物であるか否かの判別を行い、
    前記変更手段は、前記第1の閾値を変更することにより前記判別基準を変更する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の対象物検出装置。
  6. 前記検出手段は、前記検出範囲を撮像可能な撮像手段を含み、
    前記第1の判別手段は、前記撮像手段を介して得られた画像における立体物の有無を規定する指標値と前記判別基準の少なくとも一部をなす第2の閾値との比較に基づいて前記検出された物体が前記対象物であるか否かの判別を行い、
    前記変更手段は、前記第2の閾値を変更することにより前記判別基準を変更する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の対象物検出装置。
  7. 前記車両は、前記車両の走行位置に関する所定種類の位置情報を取得することが可能な位置情報取得手段を更に具備し、
    前記第1及び第2の特定手段のうち少なくとも一方は、前記取得された位置情報に基づいて該少なくとも一方に対応する前記第1及び第2勾配のうち少なくとも一方を特定する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の対象物検出装置。
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