JP2017117205A - 移動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コスト低減を図りつつ、路面を障害物として誤検知されるのを抑制することができる移動体を提供する。
【解決手段】 電動車椅子1は、電動車椅子1の前方にある被検知物の三次元データDを取得する検知装置40と、三次元データDを、水平方向に複数の区域Gに分割された平面領域Cに投影し、区域Gに三次元データDがある場合に、区域Gを占有区域Fと判断する投影部54と、規定時間間隔の間に、占有区域Fの増大数が、判定閾値Thを越えた場合に、増大した占有区域Fを路面と判定する路面判定部56と、占有区域Fのうち、路面と判定された占有区域Fを除外した占有区域Fを障害物と認識する障害物認識部58と、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、移動体に関する。
従来より、レーザーを前方に向かって放射状に発射し、このレーザーの反射波を受信することにより前方の障害物を検出するセンサを備え、このセンサによって前方に障害物が検出された場合に、障害物との衝突を回避するために、自動的に走行を停止する電動車椅子等の移動体がある。この移動体がうねり(凹凸)のある路面を走行することにより、移動体の前部が下方に移動するように移動体が傾き、センサの俯角が水平面に対して下方側に移動すると、センサから発射されたレーザーが路面に反射して、路面が障害物であると誤検知されて、移動体が減速されて停車する。このように、障害物が無いにも関わらず、移動体がうねりのある路面を走行しているだけで、路面が障害物と誤検知されて、移動体が減速されると、移動体のユーザが違和感を覚える。
そこで、特許文献1に示されるように、路面の距離画像を検出するセンサによって検出された距離画像に基づいて、非線形カルマンフィルタを用いて、センサの俯角を推定する技術がある。特許文献1に示されるように、センサの俯角を推定することができれば、移動体がうねりのある路面を走行することにより、センサの俯角が水平面に対して下方側に移動したことを認識することができる。そして、センサから発射されたレーザーが路面に反射した場合であっても、路面を障害物と誤検出しないことにより、移動体の減速や停車を回避することができる。
特開2013−254474号公報
上述した特許文献1においては、非線形カルマンフィルタを用いて、センサの俯角を推定しているので、高度な演算処理が必要となり、複雑なプログラムと高いスペックの演算装置が必要となり、移動体のコストが増大するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した課題を解消するためになされたもので、コスト低減を図りつつ、路面を障害物として誤検知されるのを抑制することができる移動体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、駆動装置による駆動によって路面を走行する移動体であって、前記移動体の前方にある被検知物の情報を三次元で示される三次元データとして取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記三次元データを、基準平面に複数の区域に分割された平面領域に投影する投影部と、前記三次元データが投影された前記平面領域の前記区域に前記被検知物がある占有区域であるか否かを判定する占有区域判定部と、前記占有区域判定部によって判定された前記占有区域の数の変化率に基づいて、又は前記占有区域判定部によって判定された前記占有区域のうち所定の前記占有区域に前記移動体が近づく速度に基づいて、前記占有区域が前記路面であるか否かを判定する路面判定部と、を有する。
このように、路面判定部は、占有区域判定部によって判定された占有区域の数の変化率に基づいて、又は平面領域は高さ方向に複数に分割され、投影部が高さ方向に複数に分割された平面領域のそれぞれに三次元データを投影する場合に、高さ方向に複数に分割された平面領域にある占有区域に基づいて、占有区域が路面であるか否かを判定する。これにより、占有区域が路面であるか否かが判定されるので、路面が障害物として誤検知されるのが抑制される。また、障害物を検知するための取得部を用いて、占有区域が路面であるか否かを判定するので、移動体のコストの低減を図ることができる。
本発明による移動体の一実施形態である電動車椅子の構成を示す概要図である。 図1の操作装置に入力された操作情報を示す模式図であり、縦軸は、電動車椅子の前後方向を、横軸は電動車椅子の左右方向を表している。 図1に示す第一実施形態の電動車椅子のブロック図である。 図3に示す制御装置に記憶されている第一マップであり、所望直進速度と電動車椅子の直進速度との関係を示したマップである。 図3に示す制御装置に記憶されている第二マップであり、所望旋回速度と電動車椅子の旋回速度との関係を示したマップである。 第一実施形態の電動車椅子が水平な路面を走行している状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 第一実施形態の電動車椅子が前傾した状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 段差に接近する第一実施形態の電動車椅子と、平面領域Cに投影された占有区域Fとの関係を表した図である。 段差に接近する第一実施形態の電動車椅子と、平面領域Cに投影された占有区域Fとの関係を表した図である。 段差に接近する第一実施形態の電動車椅子と、平面領域Cに投影された占有区域Fとの関係を表した図である。 「路面・障害物判定処理」のフローチャートである。 水平な路面を走行し、障害物に接近する第一実施形態の電動車椅子と、平面領域Cとの関係を表した図である。 障害物に接近する第一実施形態の電動車椅子が前傾した状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 障害物に接近する第一実施形態の電動車椅子が前傾した状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子のブロック図である。 第二実施形態の電動車椅子が水平な路面を走行している状態における、第二検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子の前部が下方に傾いている状態におけるにおける、第二検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子の前部が下方に傾いている状態におけるにおける、第二検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3を表した図である。 検知装置の検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3と、第一平面領域C1〜第三平面領域C3との関係を表した図である。 検知装置の検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3と、第一平面領域C1〜第三平面領域C3との関係を表した図である。 検知装置の検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3と、第一平面領域C1〜第三平面領域C3との関係を表した図である。 図11Aの第一空間領域d1〜第三空間領域d3に対応する第一平面領域C1〜第三平面領域C3を表した図である。 図11Bの第一空間領域d1〜第三空間領域d3に対応する第一平面領域C1〜第三平面領域C3を表した図である。 図11Cの第一空間領域d1〜第三空間領域d3に対応する第一平面領域C1〜第三平面領域C3を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子が水平な路面を走行している状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子が前傾した状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 第一実施形態の電動車椅子が前傾した状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子が障害物に近づいている状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子が障害物に近づいている状態と、平面領域Cとの関係を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子が障害物に近づいている状態における、第二検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3を表した図である。 第二実施形態の電動車椅子が障害物に近づいている状態における、第二検出領域の第一空間領域d1〜第三空間領域d3を表した図である。 図15Aの第一空間領域d1〜第三空間領域d3に対応する第一平面領域C1〜第三平面領域C3を表した図である。 図15Bの第一空間領域d1〜第三空間領域d3に対応する第一平面領域C1〜第三平面領域C3を表した図である。
(第一実施形態の移動体)
以下、本発明による第一実施形態の移動体について図面を参照して説明する。本実施形態における移動体として、図1に示す電動車椅子1を例に挙げて説明する。なお、本明細書においては説明の便宜上、図1における上側及び下側をそれぞれ電動車椅子1の上方及び下方とし、同じく左下側及び右上側をそれぞれ電動車椅子1の前方及び後方とし、同じく左上側及び右下側を、それぞれ電動車椅子1の右方及び左方として説明する。また、図1には、各方向を示す矢印を示している。
電動車椅子1は、車椅子本体10、駆動装置20、速度検出部21、操作装置30、検知装置40、及び制御装置50を有している。電動車椅子1は、乗員が搭乗するものであり、乗員による操作装置30への入力に従って駆動される駆動装置20によって走行する移動体である。駆動装置20、操作装置30、検知装置40及び制御装置50は、車椅子本体10に取り付けられている。なお、移動体は、乗員が搭乗しその乗員によって操作されるものに限られず、乗員が搭乗しない自律型のものもある。
車椅子本体10は、フレーム11、乗員が着座する座席12及び車輪13を備えている。座席12及び車輪13は、フレーム11に取り付けられている。車輪13は、回転軸回りに回転可能に構成されている。車輪13は、車椅子本体10の左右両側に配設され、駆動装置20によって駆動される左駆動輪13a及び右駆動輪13b、並びに、電動車椅子1の走行を補助する左補助輪13c及び右補助輪13dを備えている。
駆動装置20は、各駆動輪13a,13bをそれぞれ回転駆動させて、電動車椅子1を走行させるものである。駆動装置20は、例えば、電動モータ(図示なし)と減速機(図示なし)とを組み合わせることにより構成されている。駆動装置20は、各駆動輪13a,13bにそれぞれ1つずつ(合計2つ)設けられている。
速度検出部21は、車輪13の回転速度を検出して、電動車椅子1の速度を検出するためのホール素子等のセンサである。速度検出部21によって検出された検出結果は、後述する制御装置50の判定閾値設定部57及び駆動制御部52に出力される。
操作装置30は、電動車椅子1の直進速度v及び旋回速度wを指示するために乗員によって操作されるものである。直進速度vは、電動車椅子1の前方向(正面方向)における電動車椅子1の速度である。旋回速度wは、電動車椅子1の位置する場所において、電動車椅子1が電動車椅子1の重心を中心に旋回する角速度である。本実施形態において、操作装置30は、ジョイスティックである。操作装置30は、操作されていない位置(以下、ニュートラル位置とする)において、鉛直方向に起立した状態で位置決めされている。操作装置30は、ニュートラル位置から乗員に傾けられることにより操作される。操作装置30が操作された状態は、図2に示すように、操作装置30を水平面と平行なXY平面に投影したときにおける操作装置30の先端の座標によって表すことができる。Y軸の正負方向は、電動車椅子1の前後方向と同じである。X軸の正負方向は、電動車椅子1の左右方向と同じである。Y座標の値は、乗員が所望する電動車椅子1の直進速度である所望直進速度yjsである。X座標の値は、乗員が所望する電動車椅子1の旋回速度である所望旋回速度xjsである。所望直進速度yjs及び所望旋回速度xjsは、操作装置30に入力された情報である操作情報として、制御装置50に第一所定時間毎に出力される。第一所定時間は、例えば、1/25秒である。
検知装置40は、電動車椅子1の前方、つまり、電動車椅子1の進行方向にある被検知物を検知するものである。検知装置40は、3次元測域センサ(レーザーレンジスキャナー(3Dスキャナー))である。検知装置40は、発射受信部41からレーザーを水平方向及び上下方向に(三次元的に)発射して、被検知物からの反射波を発射受信部41にて受信する。これにより、検知装置40は、発射受信部41から被検知物までの直線距離、水平角度(基準(例えば電動車椅子1の直進方向)に対する)、垂直角度(基準(例えば電動車椅子1の水平方向)に対する)を取得することができ、ひいては被検知物に係る三次元データDとして取得することができる。三次元データDは、被検知物の三次元座標を表している。検知装置40は、レーザーを電動車椅子1の前方に放射状に発射する。検知装置40が取得した三次元データDは、制御装置50に出力される。
制御装置50(制御部)は、操作情報に基づいて、駆動装置20の駆動量を制御して電動車椅子1を走行させるものである。制御装置50は、図3に示すように、駆動装置20、操作装置30及び検知装置40が接続されている。さらに、制御装置50は、操作情報取得部51、駆動制御部52、三次元データ取得部53、投影部54、占有区域判定部55、路面判定部56、判定閾値設定部57、障害物認識部58、及び速度制限領域設定部59を備えている。
操作情報取得部51は、操作装置30からの操作情報を取得する。駆動制御部52は、操作情報取得部51によって取得された操作情報に基づいて駆動装置20を制御して電動車椅子1の走行を制御する。
具体的には、操作装置30が操作され、操作装置30からの操作情報を制御装置50が取得した時点から、制御装置50は、走行制御を開始する。制御装置50は、操作装置30からの操作情報(所望直進速度yjs及び所望旋回速度xjs)を、直進速度v及び旋回速度wに変換する。制御装置50は、取得した所望直進速度yjsから、図4Aに示す第一マップM1に基づいて、直進速度vを算出する。第一マップM1は、所望直進速度yjsと直進速度vとの関係を示したものである。また、制御装置50は、取得した所望旋回速度xjsから、図4Bに示す第二マップM2に基づいて、旋回速度wを算出する。第二マップM2は、所望旋回速度xjsと旋回速度wとの関係を示したものである。
第一マップM1は、図4Aに示すように、所望直進速度yjsと直進速度vとが、比例する比例部mv1と、所望直進速度yjsの大きさにかかわらず直進速度vが一定の値である不感部mv2備えている。直進速度vが正である場合、電動車椅子1が前進する。一方、直進速度vが負である場合、電動車椅子1が後退する。また、第二マップM2は、図4Bに示すように、所望旋回速度xjsと旋回速度wとが比例する比例部mw1と、所望旋回速度xjsの大きさにかかわらず旋回速度wが一定の値である不感部mw2を備えている。旋回速度wが正である場合、電動車椅子1が右旋回する。一方、旋回速度wが負である場合、電動車椅子1が左旋回する。
制御装置50は、変換された直進速度v及び旋回速度wに基づいて、駆動装置20の駆動量(回転数)を制御する。具体的には、変換された直進速度v及び旋回速度wが、左駆動輪13aの回転速度及び右駆動輪13bの回転速度にさらに変換される。直進速度vの大きさは、各駆動輪13a,13bの回転速度の大きさに比例する。また、旋回速度wの大きさは、左駆動輪13aと右駆動輪13bとの回転速度の差の大きさに比例する。直進速度v及び旋回速度wと各駆動輪13a,13bの回転速度との関係は、予め実験等により実測されて導出されている。なお、駆動装置20がPWM制御されているため、駆動装置20の制御指令値は、デューティ比にて算出される。
制御装置50が走行制御を行っている際に、乗員が操作装置30の位置をニュートラル位置にした場合、直進速度v及び旋回速度wがゼロとなることで、電動車椅子1が停止する。この場合、制御装置50の走行制御が終了する。
三次元データ取得部53は、検知装置40から、電動車椅子1の前方にある被検知物の情報を三次元で示される三次元データDとして取得する。図5Aに示すように、電動車椅子1が水平な路面99に有る場合に、つまり、検知装置40(発射受信部41)が水平である場合に、路面99から規定高さh(例えば5cm)よりも下の三次元データDが除外される。このようにして、検知装置40で検知され、三次元データ取得部53で取得される三次元データDの領域は、図5A、図5Bで示される検出領域である。図5Aに示すように、電動車椅子1が路面99に対して水平である場合には、路面99は検出領域に入らない。
投影部54は、三次元データ取得部53によって取得された三次元データDを、規定時間間隔(例えば100ms)をおいて、図5A、図5Bに示す平面領域Cに投影する。平面領域Cは、基準平面Pに配設されている。平面領域Cは、検知装置40の発射受信部41の位置を原点C0としている。平面領域Cは、基準平面P方向に、所定間隔(例えば、10cm間隔)に区画された複数の区域Gを有している。基準平面Pは、電動車椅子1が水平面を走行している場合、つまり、検知装置40(発射受信部41)が水平な場合に、水平面と平行になる平面である。つまり、基準平面P方向は、水平方向、つまり、電動車椅子1を基準とした横方向(X1方向)及び前後方向(Y1方向)である。
なお、分割された区域(Gn、m)は、前後方向に発射受信部41に近い列を第1行とし、原点C0に位置する列を第0列とし、原点C0の右側の列を第1列、原点C0の左側の列を第−1列とする。nは行番号を示し、mは列番号を示す。区域G1、0は、第1行、第0列の区域であり、区域G1、3は、第1行、第2列の区域であり、区域G2、−1は、第2行、第−1列の区域である。なお、図5A、図5Bでは、(区域Gn、m)を便宜的に、5列、5行で表しているが、(区域Gn、m)の数は5列、5行に限定されない。三次元データDの基準位置は発射受信部41であり、投影部54は、この基準位置を平面領域Cの原点C0に合わすことにより、三次元データDを平面領域Cに投影することができる。なお、平面領域Cの原点C0は、検知装置40の発射受信部41の位置とする代わりに、例えば電動車椅子1の重心としても良い。また、投影部54は、平面領域Cに代えて、円座標C(平面極座標)を使用して分割するようにしてもよい。
占有区域判定部55は、各区域Gについて、Z1成分が路面に相当する値(上下位置、高さ位置)に対して所定値以上である三次元データDが、電動車椅子1を基準としたZ1方向(上下方向、高さ方向)に規定数(例えば3)以上ある場合に、区域Gに被検知物があると判定して、区域Gを占有区域Fと判定する。このようにして、発射受信部41によって検出された検出値のノイズにより、区域Gに物体が無いにも関わらず、区域Gが占有区域であると判定される誤判定が防止される。
路面判定部56は、投影部54によって平面領域Cに投影された占有区域F、及び判定閾値設定部57によって設定された後述の判定閾値Thに基づいて、占有区域Fが路面であるか否かを判定する。具体的な判定方法については、後述する。
判定閾値設定部57は、速度検出部21によって検出された電動車椅子1の速度Vに基づいて、判定閾値Thを演算する。具体的な演算方法については、後述する。
障害物認識部58は、投影部54によって平面領域Cに投影された占有区域F、及び路面判定部56によって路面と判定された占有区域Fに基づいて、障害物を認識する。具体的な認識方法については、後述する。
速度制限領域設定部59は、電動車椅子1の速度が制限される速度制限領域を設定する。具体的には、速度制限領域設定部59は、操作情報取得部51によって取得された操作情報に基づいて、電動車椅子1の予想進行領域を設定し、この予想進行領域の両側に所定の幅寸法を有する付加領域を付加した領域を速度制限領域として設定する。速度制限領域は、基準平面Pと平行な平面である。
駆動制御部52は、障害物認識部58によって認識された障害物(後述の障害物占有区域Fa)が、速度制限領域設定部59によって設定された速度制限領域内に有ると判断した場合には、電動車椅子1の障害物91への衝突を回避するために、駆動装置20に指令を出力することにより、電動車椅子1の最高速度を制限する。なお、駆動制御部52は、障害物認識部58からの情報に基づいて、電動車椅子1と障害物91との距離が短くなるに従って、電動車椅子1の最高速度をより低い速度に制限する。例えば、駆動制御部52は、電動車椅子1と障害物91との距離が10mである場合には、電動車椅子1の最高速度を10km/hに制限し、電動車椅子1と障害物91との距離が5mである場合には、電動車椅子1の最高速度を5km/hに制限する。そして、駆動制御部52は、障害物認識部58からの情報に基づいて、図6Cに示すように、電動車椅子1と障害物91との距離が規定距離Pd(例えば1m)以下になったと判断した場合には、駆動装置20に指令を出力することにより、電動車椅子1を停止させる。このようにして、電動車椅子1の障害物91への衝突が回避される。
(路面・障害物判別処理の概要)
以下に、図5A及び図5Bを用いて、平面領域Cにある占有区域Fを路面と障害物とに判別するための路面・障害物判別処理の概要について説明する。
図5Aに示すように、電動車椅子1が路面99に対して水平、つまり、検知装置40(発射受信部41)が水平であり、電動車椅子1の前方に障害物が無い場合には、路面99は検出領域に入らないので、平面領域Cに占有区域Fは存在しない。一方で、図5Bに示すように、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1の前部が下方に移動するように電動車椅子1が傾き(以下、単に、電動車椅子1が前傾すると略す)、検知装置40(発射受信部41)が前傾して、路面99が検出領域に入ると、検知装置40によって路面99が三次元データDとして検出される。すると、図5Bの右図に示すように、三次元データDが平面領域Cに投影されて、平面領域Cにおいて占有区域Fが急激に増大(変化)する。そこで、路面判定部56は、規定時間間隔の間に、つまり、平面領域Cのフレーム間において、平面領域C上に占有区域Fが判定閾値Thよりも増大(変化)した場合には、当該占有区域Fを、路面99と判定して、路面占有区域Fb(図5Bの右図示)と判定する。
そして、障害物認識部58は、平面領域Cにある占有区域Fのうち、路面判定部56によって判定された路面占有区域Fbを除外した占有区域Fを、障害物と認識し、当該占有区域Fを障害物占有区域Faと判定して認識する。このため、電動車椅子1の前方に障害物が存在しない状態で、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1が前傾し、平面領域C上に占有区域Fが投影された場合に、電動車椅子1の速度制限や停止が抑制される。
図6A〜図6Cに示すように、電動車椅子1の前方の路面99上に段差95がある場合において、電動車椅子1が段差95に近づく場合には、段差95が検知装置40の検出領域に入り、検知装置40によって、段差95が三次元データDとして検出される。すると、三次元データDが平面領域Cに投影されて、平面領域C上に占有区域Fが、電動車椅子1が段差95に近づくに従って徐々に増大する。
電動車椅子1が段差95に近づく場合には、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1が前傾する場合と比較して、平面領域C上の占有区域Fの単位時間当たりの増大数(変化数の絶対値)が小さい。電動車椅子1が段差95に近づく場合には、段差95を障害物として認識して、電動車椅子1を速度制限するとともに停止させる必要がある。そこで、電動車椅子1が段差95に近づく場合には、段差95が路面99と判定されないように、上記した判定閾値Thを電動車椅子1の速度Vに比例させることにより、電動車椅子1の速度Vが速くなるに従って大きな値となるような判定閾値Thが設定されるようにしている。
判定閾値Thは、下式(1)によって設定される。
Th=V×a…(1)
Th:判定閾値
V:電動車椅子1の速度
a:定数(a>1)
このように設定された判定閾値Thによって、電動車椅子1が段差95に近づく際には、所定時間間隔の間における平面領域C上の占有区域Fの増大数が、判定閾値Thを越えない。このため、占有区域Fが路面占有区域Fbと判定されずに障害物占有区域Faと判定され、障害物占有区域Faが速度制限領域内に入ると、電動車椅子1の速度が制限される。
(路面・障害物判定処理)
以下に、図7に示すフローチャートを用いて、「路面・障害物判定処理」を説明する。
電動車椅子1に電源が投入されると、プログラムはステップS11に進む。
ステップS11において、三次元データ取得部53は、検知装置40から、電動車椅子1の前方にある被検知物の情報を三次元で示される三次元データDとして取得して、プログラムをステップS12に進める。
ステップS12において、投影部54は、上述したように、三次元データ取得部53によって取得された三次元データDを、平面領域Cの複数の区域Gに投影し、プログラムをステップS13に進める。
占有区域判定部55は、ステップS13において、各区域Gについて、Z1成分が所定値以上である三次元データDが、Z1方向に規定数以上ある場合に(ステップS13:YES)、ステップS14において、区域Gに物体が存在すると判定して、区域Gを占有区域Fと判定する。
一方で、占有区域判定部55は、ステップS13において、各区域Gについて、Z1成分が0よりも大きい0所定値以上である三次元データDが、Z1方向に規定数よりも少ない場合に(ステップS13:NO)、ステップS15において、区域Gに物体が存在しないと判定して、区域Gが占有区域Fでないと判定する。
ステップS14又はステップS15が終了すると、プログラムはステップS16に進む。
ステップS16において、占有区域判定部55は、全ての区域Gについて、この区域Gが占有区域Fであるか否かの判定が完了したと判断した場合には(ステップS16:YES)、プログラムをステップS21に進める。一方で、占有区域判定部55は、全ての区域Gについて、この区域Gが占有区域Fであるか否かの判定が完了していないと判断した場合には(ステップS16:NO)、プログラムをステップS13に戻す。
ステップS21において、路面判定部56は、平面領域Cにある占有区域Fの個数を演算して、平面領域Cにある占有区域Fの個数を記憶し、プログラムをステップS22に進める。
ステップS22において、路面判定部56は、前回のステップS21における平面領域Cにある占有区域Fの個数から、今回のステップS21における平面領域Cにある占有区域Fの個数の増加数(変化数の絶対値)を演算する。なお、「路面・障害物判定処理」のステップS11からステップS27までの1サイクルは、規定時間間隔(例えば100ms)であり、ステップS22は、規定時間間隔をおいて実行される。ステップS22が終了すると、路面判定部56は、プログラムをステップS23に進める。
ステップS23において、判定閾値設定部57は、速度検出部21によって検出された電動車椅子1の速度Vに基づいて、上式(1)を用いて、判定閾値Thを演算し、プログラムをステップS24に進める。
ステップS24において、路面判定部56は、ステップS22において演算された平面領域Cにおける占有区域Fの増加数(変化数の絶対値)が、ステップS23において演算された判定閾値Thよりも多いと判断した場合には(ステップS24:YES)、プログラムをステップS25に進める。一方で、路面判定部56は、ステップS22において演算された平面領域Cにおける占有区域Fの増加数(変化数の絶対値)が、ステップS23において演算された判定閾値Th以下であると判断した場合には(ステップS24:NO)、プログラムをステップS27に進める。
ステップS25において、路面判定部56は、平面領域Cにおいて、増加した占有区域Fを、路面と判定して、路面占有区域Fbと判定し、プログラムをステップS27に進める。
ステップS27において、障害物認識部58は、平面領域Cにある占有区域Fのうち、ステップS25において、路面と判定された路面占有区域Fbを除外し、残った占有区域Fを障害物占有区域Faと判定して、認識する。ステップS27が終了すると、プログラムはステップS11に戻る。
図8Aに示すように、電動車椅子1が水平な路面99を走行し、電動車椅子1の前方に障害物91がある場合には、平面領域Cにおいて、占有区域Fが急激に増加しないので、ステップS24においてNOと判断されて、ステップS27において、占有区域Fが障害物占有区域Faと判定される。
図8Bに示すように、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1が前傾し、平面領域Cにおいて、占有区域Fが急激に増加し、定時間間隔における占有区域Fの増加数が判定閾値Thよりも多くなる。すると、ステップS24においてYESと判断されて、増加した占有区域Fが路面99であると判定されて、路面占有区域Fbと判定される。すると、ステップS27において、平面領域Cにある占有区域Fのうち、路面99と判定された路面占有区域Fbが除外され、残った占有区域Fが障害物占有区域Faと判定され、障害物91が認識される(図8Cの右図示)。このため、電動車椅子1の前方に障害物91がある場合に、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1が前傾した場合であっても、障害物91が認識されて、電動車椅子1の速度が制限されて、電動車椅子1が減速する。
(第一実施形態の移動体による効果)
以上の説明から明らかなように、路面判定部56は、占有区域Fの変化率、つまり、占有区域Fの数の規定時間間隔における増加数に基づいて、占有区域Fが路面であるか否かを判定する。このように、占有区域Fが路面99であるか否かが判定されるので、路面99が障害物91として誤検知されるのが抑制される。また、障害物91を検知するための検知装置40を用いて、占有区域Fが路面99であるか否を判定するので、電動車椅子1のコストを低減させることができる。更に、路面判定部56は、占有区域Fが路面99であるか否かを判定するに際して、複雑な演算を行わないので、高度な演算処理が不要であり、複雑なプログラムと高いスペックの演算装置が不要であるので、電動車椅子1のコストを低減させることができる。
電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1が前傾した場合には、路面99が検知装置40の検出領域に入り、平面領域Cにおいて占有区域Fが急激に増大する。そこで、路面判定部56は、規定時間間隔の間に、占有区域Fの増大数が判定閾値Thよりも多い場合(占有区域Fの変化率が判定閾値よりも大きい場合)に、増大した占有区域Fを路面99と判定する。このため、平面領域Cにおいて増大した占有区域Fが路面99であるか否かが確実に判定される。
図6A〜図6Cに示すように、電動車椅子1の前方の路面99上に段差95がある場合において、電動車椅子1が段差95に近づく場合には、検知装置40によって、段差95が物体として検出される。そして、図6A〜図6Cに示すように、三次元データDが平面領域Cに投影されて、平面領域C上に占有区域Fが、電動車椅子1が段差95に近づくに従って徐々に増大する。電動車椅子1が段差95に近づく場合には、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1が前傾した場合と比較して、平面領域C上の占有区域Fの単位時間当たりの増大数(変化率)が小さい。そこで、判定閾値設定部57は、電動車椅子1が段差95に近づく際に、所定時間間隔の間における平面領域C上の占有区域Fの増大数が、判定閾値Thを越えないように、上式(2)を用いて、速度検出部21によって検出された電動車椅子1の速度Vが速くなるに従って、大きな値となるような判定閾値Thを設定する。これにより、段差95が路面99と判定されず、障害物と判定される。このため、段差95が路面99と判定されることに起因して、電動車椅子1の減速や停止が実行されないことが防止される。
障害物認識部58は、占有区域判定部55によって判定された占有区域Fのうち、路面判定部56によって路面99と判定された路面占有区域Fbを除外した占有区域Fを障害物占有区域Faと判定して、障害物91と認識する。そして、駆動制御部52は、障害物認識部58によって認識された障害物占有区域Fa(障害物91)が、速度制限領域設定部59によって設定された速度制限領域内にある場合に、電動車椅子1の速度を制限する。このように、路面99と判定された路面占有区域Fbが除外された占有区域Fである障害物占有区域Faに基づいて、電動車椅子1の進行方向に障害物91があるか否かが判断されて、電動車椅子1の速度を制限するか否かが判断されるので、電動車椅子1が障害物91に衝突する可能性が無いにも関わらず、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行しているだけで、電動車椅子1が減速されない。
(第一実施形態の移動体の別例)
上記説明の実施形態では、路面判定部56は、規定時間間隔の間に、平面領域Cにおける占有区域Fの増加数が、判定閾値Thよりも多いと判断した場合に、増大した占有区域Fを路面99と判定している。しかし、路面判定部56は、規定時間間隔の間に、平面領域Cにおける占有区域Fの減少数の絶対値(変化数)が、判定閾値Thよりも多いと判断した場合に、減少した占有区域Fを路面99と判定する実施形態であっても差し支え無い。上述したように、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行し、電動車椅子1が前傾すると、平面領域Cにおける占有区域Fが急激に増加する。そして、電動車椅子1が路面99に対して水平な状態に復帰すると、平面領域Cにおける占有区域Fが急激に減少する。このため、規定時間間隔の間に、平面領域Cにおける占有区域Fの減少数の絶対値(変化数)が、判定閾値Thよりも多い場合に、減少した占有区域Fを路面99と判定することができる。このように、路面判定部56は、平面領域Cにおける占有区域Fの変化率に基づいて、占有区域Fが路面99であるか否かを判定することができる。
なお、上記説明の実施形態では、障害物として路面の凸形状部を対象としているが、路面の凹形状部を対象としてもよい。
(第二実施形態の移動体)
以下に、第一実施形態と異なる点について、第二実施形態の移動体(電動車椅子1)を説明する。
図9に示すように、第二実施形態の制御装置50(制御部)は、操作情報取得部51、駆動制御部52、三次元データ取得部53、速度制限領域設定部59、第一投影部61、第二投影部62、第三投影部63、第一占有区域判定部64、第二占有区域判定部65、第三占有区域判定部66、占有区域演算部67、代表占有区域演算部68、路面判定部69、速度制限判断部70、被検知物投影部81、被検知物占有区域判定部82、及び被検知物認識部83を備えている。第二実施形態の操作情報取得部51、三次元データ取得部53、及び速度制限領域設定部59は、それぞれ、上記した第一実施形態の操作情報取得部51、三次元データ取得部53、及び速度制限領域設定部59と同じである。第二実施形態の駆動制御部52が、上記した第一実施形態の駆動制御部52と異なる点については、後述する。
被検知物投影部81は、第一実施形態の投影部54と同様に、三次元データ取得部53によって取得された三次元データDを平面領域Cに投影する。
被検知物占有区域判定部82は、第一実施形態の占有区域判定部55と同様に、Z1成分が0よりも大きい所定値以上である三次元データDが、電動車椅子1を基準としたZ1方向に規定数以上ある場合に、区域Gに物体が存在すると判定して、区域Gを占有区域Fと判定する。
被検知物投影部81及び被検知物占有区域判定部82は、上述した図7のフローチャートのS11〜S16と同様の処理を実行する。
被検知物認識部83は、被検知物占有区域判定部82によって判定された占有区域Fを、被検知物であると認識する。なお、被検知物には、路面99と障害物91の両方が含まれる。
駆動制御部52は、被検知物認識部83によって認識された被検知物が、後述する速度制限領域設定部59によって設定された速度制限領域内に無いと判断した場合に、電動車椅子1の速度を制限しない。
駆動制御部52は、被検知物認識部83によって認識された被検知物が、速度制限領域設定部59によって設定された速度制限領域内に有ると判断し、且つ、後述するように、速度制限判断部70が電動車椅子1の速度制限を許容すると判断した場合には、駆動制御部52は、第一実施形態と同様に、電動車椅子1の速度を制限する。
第二実施形態では、図10A〜図10Cに示すように、三次元データ取得部53が三次元データDを検知装置40から取得する範囲として、第二検出領域が設定されている。但し、第二検出領域は、第一投影部61〜第三投影部63が三次元データDを後述する第一平面領域C1〜第三平面領域C3に投影する場合において、三次元データ取得部53が三次元データDを検知装置40から取得する範囲である。図11Aに示すように、電動車椅子1(検知装置40)を基準としたZ1座標方向(上下方向)に関して、第二検出領域は、下方から上方に順番に、層状の第一空間領域d1、第二空間領域d2、及び第三空間領域d3に分割されている。電動車椅子1が路面99に対して水平である場合、つまり、検知装置40(発射受信部41)が水平な場合には、第一空間領域d1の下端は、路面99から第一規定距離h1離れ、路面99と対向している。つまり、電動車椅子1が路面99に対して水平である場合には、路面99は第一空間領域d1に入らない。第一空間領域d1のZ1座標方向の高さは、第二規定距離h2である。
第二空間領域d2は、第一空間領域d1の上側に隣接して配置されている。つまり、第二空間領域d2の下面は、第一空間領域d1の上面と隣接している。第二空間領域d2のZ1座標方向の高さは、第三規定距離h3である。第三空間領域d3は、第二空間領域d2の上側に隣接して配置されている。つまり、第三空間領域d3の下端は、第二空間領域d2の上端と隣接している。
第一空間領域d1〜第三空間領域d3は、基準平面Pと平行な領域である。基準平面Pは、電動車椅子1が水平面を走行している場合、つまり、検知装置40(発射受信部41)が水平な場合に、水平面と平行になる平面である。このため、図10Bや図10Cに示すように、電動車椅子1が水平面に対して傾き、検知装置40(発射受信部41)が水平面に対して傾くと、第一空間領域d1〜第三空間領域d3も水平面に対して傾く。このように、電動車椅子1が前傾すると、路面99が第二検出領域に入り、路面99が第一空間領域d1に入り、場合によっては、路面99が第二空間領域d2に入る。
図11A〜図11Cの左側の各図は、電動車椅子1(検知装置40)を基準としたY1座標(前後方向)を紙面に対して水平に配置した図である。図11A〜図11Cの右側の各図に示す第一平面領域C1〜第三平面領域C3は、それぞれ、図11A〜図11Cの左側の各図に示す第一空間領域d1〜第三空間領域d3に対応している。第一平面領域C1〜第三平面領域C3は、水平面と平行となる平面であり、基準平面Pと平行となる平面である。また、第一平面領域C1〜第三平面領域C3は、検知装置40の発射受信部41の位置を原点C0とするとともに、図11A〜図11Cの右側を電動車椅子1の前方とした座標である。第一平面領域C1は、基準平面P方向に、所定間隔(例えば、10cm間隔)に区画された複数の第一区域C1(n、m)を有している。同様に、第二平面領域C2は、基準平面P方向に、所定間隔に区画された複数の第二区域C2(n、m)を有している。同様に、第三平面領域C3は、基準平面P方向に、所定間隔に区画された複数の第三区域C3(n、m)を有している。
各区域C1(n、m)〜C3(n、m)は、前後方向に発射受信部41に近い列を第1行とし、原点C0に位置する列を第0列とし、原点C0の右側の列を第1列、原点C0の左側の列を第−1列とする。nは行番号を示し、mは列番号を示す。第一区域C1(1、0)は、第一平面領域C1における第1行、第0列の区域であり、第一区域C1(2、1)は、第一平面領域C1における第2行、第1列の区域である。図11A〜図11Cでは、区域C1(n、m)〜C3(n、m)の数を、8行、3列で表しているが、区域C1(n、m)〜C3(n、m)の数は、8行、3列に限定されない。なお、第一平面領域C1〜第三平面領域C3は、円座標、つまり、平面極座標を使用して、複数の区域C1(n、m)〜C3(n、m)に分割されていても差し支え無い。
第一投影部61は、三次元データ取得部53によって取得された第一空間領域d1内にある三次元データDを、第一平面領域C1に投影する。第一占有区域判定部64は、第一区域C1(n、m)に三次元データDが有る場合に、この第一区域C1(n、m)を第一占有区域F1と判定する。第一投影部61及び第一占有区域判定部64は、上述した図7に示す「路面・障害物判定処理」のステップS11〜S16と同様の処理を実行する。
第二投影部62は、三次元データ取得部53によって取得された第二空間領域d2内にある三次元データDを、第二平面領域C2に投影する。第二占有区域判定部65は、第二区域C2(n、m)に三次元データDが有る場合に、この第二区域C2(n、m)を第二占有区域F2と判定する。第二投影部62及び第二占有区域判定部65は、上述した図7に示す「路面・障害物判定処理」のステップS11〜S16と同様の処理を実行する。
第三投影部63は、三次元データ取得部53によって取得された第三空間領域d3内にある三次元データDを、第三平面領域C3に投影する。第三占有区域判定部66は、第三区域C3(n、m)に三次元データDが有る場合に、この第三区域C3(n、m)を第三占有区域F3と判定する。第三投影部63及び第三占有区域判定部66は、上述した図7に示す「路面・障害物判定処理」のステップS11〜S16と同様の処理を実行する。
占有区域演算部67は、第一占有区域判定部64〜第三占有区域判定部66による演算結果に基づいて、以下に示す論理演算式(2)を用いて、図12A〜図12Cに示すように、基準平面P方向に、複数の最終演算区域Ccf(n、m)に分割された最終演算平面領域Ccfの各最終演算区域Ccf(n、m)に占有区域Fがあるか否かを演算する。
Ccf(n、m)=C1(n、m) AND (C1(n、m) XOR (C2(n、m) OR C3(n、m)))…(2)
Ccf(n、m):最終演算区域
C1(n、m):第一区域
C2(n、m):第二区域
C3(n、m):第三区域
AND:論理積演算
XOR:排他的論理和演算
OR:論理和演算
なお、最終演算区域Ccf(n、m)の”(n、m)”の意味は、上記した第一平面領域C1の各区域C1(n、m)の”(n、m)”と同様である。
占有区域演算部67は、各区域C1(n、m)〜C3(n、m)に、占有区域F1〜F3が存在する場合に、各区域C1(n、m)〜C3(n、m)の数値を1とし、各区域C1(n、m)〜C3(n、m)に、占有区域F1〜F3が存在しない場合に、各区域C1(n、m)〜C3(n、m)の数値を0として、上記論理式(2)を演算する。そして、占有区域演算部67は、上記論理式(2)の演算結果が1である場合には、該当する最終演算平面領域Ccfの各最終演算区域Ccf(n、m)に最終演算占有区域Fcfが存在すると判定し、演算結果が0である場合には、該当する最終演算平面領域Ccfの各最終演算区域Ccf(n、m)に最終演算占有区域Fcfが存在しないと判定する。
図9に示すように、占有区域演算部67は、上記論理式(2)を演算するためのOR演算部67a、XOR演算部67b、及びAND演算部67cを有している。以下に、図12A〜図12Cを用いて、OR演算部67a、XOR演算部67b、及びAND演算部67cが実行する処理について説明する。
図12A〜図12Cに示すように、第一演算平面領域Cc1は、基準平面P方向に、複数の第一演算区域Cc1(n、m)に分割されている。
第二演算平面領域Cc2は、基準平面P方向に、複数の第二演算区域Cc2(n、m)に分割されている。
なお、各第一演算区域Cc1(n、m)、及び各第二演算区域Cc2(n、m)の”(n、m)”の意味は、上記した第一平面領域C1の各第一区域C1(n、m)の”(n、m)”と同様である。
OR演算部67aは、第二投影部62及び第三投影部63の演算結果に基づいて、同一位置の各第二区域C2(n、m)及び各第三区域C3(n、m)について、第二占有区域F2及び第三占有区域F3のいずれかが存在する場合に、第二区域C2(n、m)及び各第三区域C3(n、m)に対応する位置の第一演算区域Cc1(n、m)に、第一演算占有区域Fc1が存在すると演算する(OR演算)。そして、OR演算部67aは、上記以外の場合に、第一演算平面領域Cc1における、第二区域C2(n、m)及び各第三区域C3(n、m)に対応する位置の第一演算区域Cc1(n、m)に、第一演算占有区域Fc1が存在しないと演算する(OR演算)。
XOR演算部67bは、第一投影部61及びOR演算部67aの演算結果に基づいて、同一位置の各第一区域C1(n、m)及び各第一演算区域Cc1(n、m)について、第一占有区域F1及び第一演算占有区域Fc1のいずれか一方のみが存在する場合に、第一区域C1(n、m)及び第一演算区域Cc1(n、m)に対応する位置の第二演算区域Cc2(n、m)に、第二演算占有区域Fc2が存在すると演算する(XOR演算)。そして、XOR演算部67bは、上記以外の場合に、第一区域C1(n、m)及び第一演算区域Cc1(n、m)に対応する位置の第二演算区域Cc2(n、m)に、第二演算占有区域Fc2が存在しないと演算する(XOR演算)。
AND演算部67cは、第一投影部61及びXOR演算部67bの演算結果に基づいて、同一位置の各第一区域C1(n、m)及び各第二演算区域Cc2(n、m)について、第一占有区域F1及び第二演算占有区域Fc2の両方が存在する場合に、第一区域C1(n、m)及び第二演算区域Cc2(n、m)に対応する位置の最終演算区域Ccf(n、m)に、最終演算占有区域Fcfが存在すると演算する(AND演算)。そして、AND演算部67cは、上記以外の場合に、第一区域C1(n、m)及び第二演算区域Cc2(n、m)に対応する位置の最終演算区域Ccf(n、m)に、最終演算占有区域Fcfが存在しないと演算する(AND演算)。
代表占有区域演算部68は、最終演算平面領域Ccfにある最終演算占有区域Fcfのうち、最も電動車椅子1(原点C0)に近い最終演算占有区域Fcfを代表占有区域Fdであると演算する。このように演算された代表占有区域Fdは、電動車椅子1が前傾した場合において、検知装置40で検出された路面99のうち、最も電動車椅子1(原点C0)に近い部分である。
路面判定部69は、代表占有区域演算部68によって演算された代表占有区域Fdに電動車椅子1(原点C0)が近づく速度である接近速度Vaを演算する。具体的には、路面判定部69は、前回演算した代表占有区域Fdと原点C0との距離から今回演算した代表占有区域Fdと原点C0との距離を減算し、前回の代表占有区域Fdを演算した時から今回の代表占有区域Fdを演算した時までの経過時間(演算周期)で除算することにより接近速度Vaを演算する。このように演算された接近速度Vaは、電動車椅子1が前傾した場合において、検知装置40で検出された路面99のうち、最も電動車椅子1に近い部分に電動車椅子1(原点C0)が接近する速度である。
次に、路面判定部69は、演算した接近速度Vaと、速度検出部21によって検出された電動車椅子1の速度Vに基づいて、代表占有区域Fdと電動車椅子1との実際の相対速度である実接近速度Vrを演算する。具体的は、路面判定部69は、接近速度Vaから電動車椅子1の速度Vを減算することにより、実接近速度Vrを演算する。このように演算された実接近速度Vrは、電動車椅子1が前傾した場合において、検知装置40で検出された路面99のうち、最も電動車椅子1に近い部分と電動車椅子1(原点C0)との実際の相対速度であり、代表占有区域Fdに電動車椅子1(原点C0)が近づく実際の速度である。
次に、路面判定部69は、演算した実接近速度Vrが規定速度Vp以上である場合に、第一平面領域C1にある第一占有区域F1を路面99であると判定する。一方で、路面判定部69は、演算した実接近速度Vrが規定速度Vp未満である場合に、第一平面領域C1にある第一占有区域F1を路面99でないと判定する。また、路面判定部69は、第一平面領域C1に第一占有区域F1(代表占有区域Fd)が無いと判断した場合には、第一平面領域C1に路面99が無いと判定する。
速度制限判断部70は、路面判定部69が第一平面領域C1にある第一占有区域F1を路面99であると判断した場合には、電動車椅子1の速度制限を許容しないと判断する。一方で、速度制限判断部70は、路面判定部69が第一平面領域C1にある第一占有区域F1を路面99でないと判断した場合や、路面判定部69が第一平面領域C1に路面99が無いと判断した場合には、電動車椅子1の速度制限を許容すると判断する。
駆動制御部52が、被検知物認識部83によって認識された被検知物が、速度制限領域設定部59によって設定された速度制限領域内に有ると判断した場合であっても、速度制限判断部70が電動車椅子1の速度制限を許容しないと判断した場合には、駆動制御部52は、電動車椅子1の速度を制限しない。
図13Aに示すように、電動車椅子1の進行方向に障害物が無い場合において、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行することにより、電動車椅子1が前傾した場合には、図13Bや図13Cに示すように、電動車椅子1が前傾することによって、路面99が検知装置40の検出領域に入り、平面領域Cにおいて占有区域Fが増加し、この占有区域Fが被検知物認識部83によって被検知物であると認識される。
電動車椅子1の進行方向に障害物が無いにも関わらず、占有区域Fが被検知物認識部83によって被検知物であると認識されているが、電動車椅子1の進行方向に障害物が無いので、電動車椅子1の最高速度を制限する必要が無い。そこで、上述したように、電動車椅子1が前傾することによって、代表占有区域Fdの実接近速度Vrが規定速度Vp以上となった場合に、路面判定部69は、第一平面領域C1にある第一占有区域F1を路面99であると判定し、速度制限判断部70は電動車椅子1の速度制限をしないと判断する。これにより、電動車椅子1の進行方向に障害物が無いにも関わらず、電動車椅子1の速度が制限されて、電動車椅子1が減速することや、電動車椅子1が停止することが防止される。
図14A、図14B、図15A、図15B、図16A、及び図16Bを用いて、第二実施形態の電動車椅子1が段差等の障害物91に近づく場合について説明する。なお、図16Aは図15Aに対応し、図16Bは図15Bに対応している。
図14A及び図14Bに示すように電動車椅子1が障害物91に近づく場合には、障害物91が検出領域に入り、平面領域Cに占有区域Fが現れ、被検知物認識部83は被検知物を認識する。一方で、図16A及び図16Bに示すように、占有区域演算部67は、最終演算平面領域Ccfに占有区域Fが無いと演算する。そして、路面判定部69は第一平面領域C1に路面99が無いと判断し、速度制限判断部70は、電動車椅子1の速度制限を許容すると判断する。そして、駆動制御部52は、被検知物認識部83によって認識された被検知物が、速度制限領域設定部59によって設定された速度制限領域内に有ると判断し、電動車椅子1の速度を制限する。
(第二実施形態の移動体の効果)
以上の説明から明らかなように、路面判定部69は、高さ方向に複数に分割された平面領域のうち最も下方にある第一平面領域C1にある占有区域である第一占有区域F1の代表占有区域Fdに電動車椅子1が近づく速度に基づいて、第一占有区域F1が路面99であるか否かを判定する。電動車椅子1が前傾すると、路面99が検知装置40によって検知されて、高さ方向に複数に分割された平面領域のうち最も下方にある第一平面領域C1に第一占有区域F1が現れ、第一占有区域F1のうち最も電動車椅子1に近い代表占有区域Fdに電動車椅子1が近づく。このため、代表占有区域Fdに電動車椅子1が近づく速度に基づいて、当該速度が判定速度以上であれば、第一占有区域F1が路面99であると判定することができる。このように、第一占有区域F1が路面99であるか否かが判定されるので、路面99が障害物91として誤検知されるのが抑制される。また、障害物91を検知するための検知装置40を用いて、移動体の前部が下方に移動するような移動体の路面に対する傾きを検知するので、移動体のコストの低減を図ることができる。
XOR演算部67bは、同一位置の各第一区域C1(n、m)及び各第一演算区域Cc1(n、m)について、第一占有区域F1及び第一演算占有区域Fc1のいずれか一方のみが存在する場合に、基準平面P方向に、複数の第二演算区域Cc2に分割された第二演算平面領域Cc2における、第一区域C1(n、m)及び第一演算区域Cc1(n、m)に対応する位置の第二演算区域Cc2(n、m)に、第二演算占有区域Fc2が存在すると演算する。
また、AND演算部67cは、同一位置の各第一区域C1(n、m)及び各第二演算区域Cc2(n、m)について、第一占有区域F1及び第二演算占有区域Fc2の両方が存在する場合に、基準平面P方向に、複数の最終演算区域Ccf(n、m)に分割された最終演算平面領域Ccfにおける、第一区域C1(n、m)及び第二演算区域Cc2(n、m)に対応する位置の最終演算区域Ccf(n、m)に、最終演算占有区域Fcfが存在すると演算する。
そして、代表占有区域演算部68は、最終演算平面領域Ccfにある最終演算占有区域Fcfのうち、最も原点C0に近い最終演算占有区域Fcfを代表占有区域Fdであると演算する。このように演算された代表占有区域Fdは、電動車椅子1が前傾した場合に、検知装置40で検出された路面99のうち、最も電動車椅子1(原点C0)に近い部分である。このように、検知装置40で検出された路面99のうち、最も電動車椅子1(原点C0)に近い部分を検出することができる。
図10Aや図10Bに示すように、電動車椅子1がうねりのある路面99を走行することにより、電動車椅子1が前傾した場合には、代表占有区域Fdに電動車椅子1(原点C0)が急激に近づく。そこで、路面判定部69は、代表占有区域演算部68によって演算された代表占有区域Fdに電動車椅子1が近づく速度である実接近速度Vr(特許請求の範囲に記載の接近速度)が規定速度Vp以上である場合に、第一占有区域判定部によって判定された第一占有区域F1を路面99と判定する。これにより、第一平面領域C1にある各区域C1(n、m)が路面99であるか否を判定することができる。路面判定部69は、第一占有区域F1が路面99であるか否かを判定するに際して、複雑な演算を行わないので、高度な演算処理が不要であり、複雑なプログラムと高いスペックの演算装置が不要であるので、電動車椅子1のコストを低減させることができる。
また、路面判定部69は、速度検出部21によって検出された電動車椅子1の速度Vに基づいて、接近速度Vaから電動車椅子1の速度Vを減算することにより、実接近速度Vrを演算する。これにより、電動車椅子1が前傾した場合において、検知装置40で検出された路面99のうち、最も電動車椅子1に近い部分と電動車椅子との実際の相対速度である実接近速度Vrが正確に演算される。このため、電動車椅子1が所定以上の速い速度で走行した場合に、第一占有区域F1が路面99であると誤判定されることが防止される。
速度制限判断部70は、路面判定部69が第一占有区域判定部64によって判定された第一占有区域F1を路面99と判定した場合に、電動車椅子1の速度制限を許容しないと判断する。そして、速度制限判断部70は、路面判定部69が第一占有区域判定部64によって判定された第一占有区域F1を路面99と判定しない場合、又は第一平面領域C1に路面99が無いと判断した場合には、電動車椅子1の速度制限を許容すると判断する。駆動制御部52は、速度制限判断部70が電動車椅子1の速度制限を許容すると判断した場合に、被検知物認識部83によって認識された被検知物が、速度制限領域設定部59によって設定された速度制限領域内にある場合に、電動車椅子1の速度を制限する。一方で、駆動制御部52は、速度制限判断部70が電動車椅子1の速度制限を許容しないと判断した場合に、電動車椅子1の速度を制限しない。これにより、電動車椅子1が前傾して、路面判定部69が第一占有区域F1を路面99と判定した場合に、電動車椅子1の速度が制限されない。このため、電動車椅子1の進行方向に障害物91が無く、電動車椅子1が前傾しただけで、電動車椅子1が障害物91に衝突する可能性が無いにも関わらず、電動車椅子1が減速されることが防止される。
(第二実施形態の別例)
以上説明した実施形態では、検出領域は、下方から上方に順番に、第一空間領域d1、第二空間領域d2、第三空間領域d3に分割されている。しかし、検出領域が、下方から上方に順番に、第一空間領域d1及び第二空間領域d2に分割されている実施形態であっても差し支え無い。この実施形態では、制御装置50は第三投影部63を有さず、占有区域演算部67は、OR演算部67aを有さない。この実施形態では、占有区域演算部67は、第一投影部61及び第二投影部62による演算結果に基づいて、以下に示す論理演算式(3)を用いて、最終演算平面領域Ccfの各最終演算区域Ccf(n、m)に占有区域Fがあるか否かを演算する。
Ccf(n、m)=C1(n、m) AND (C1(n、m) XOR C2(n、m))…(3)
つまり、XOR演算部67bは、第一投影部61及び第二投影部62の演算結果に基づいて、第一平面領域C1及び第二平面領域C2のうち同一位置の各区域C1(n、m)、C2(n、m)について、当該区域C1(n、m)、C2(n、m)のいずれか一方のみに占有区域Fが存在する場合に、第二演算平面領域Cc2の区域Cc2(n、m)に第二演算占有区域Fc2が存在すると演算し、そうでない場合に、第二演算平面領域Cc2の区域Cc2(n、m)に第二演算占有区域Fc2が存在しないと演算する。
また、検出領域が、下方から上方に順番に、4以上の領域に分割されている実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、路面判定部69は、実接近速度Vrが規定速度Vp以上である場合に、第一占有区域F1を路面99と判定し、実接近速度Vrが規定速度Vp未満である場合に、第一占有区域F1を路面99と判定しない。しかし、路面判定部69は、接近速度Vaが規定速度Vp以上である場合に、第一占有区域F1を路面99と判定し、接近速度Vaが規定速度Vp未満である場合に、第一占有区域F1を路面99と判定しない実施形態であっても差し支え無い。電動車椅子1の前傾による代表占有区域Fdに電動車椅子1が近づく速度である接近速度Vaは、電動車椅子1の速度Vと比較して十分に速いので、電動車椅子1の速度Vを考慮しなくても、第一占有区域F1が路面99であるか否かを判定することができる。
駆動制御部52は、被検知物認識部83によって認識された障害物と電動車椅子1との距離が所定の遠距離(例えば100m)以上である場合には、電動車椅子1の速度を制限しない実施形態であっても差し支え無い。この実施形態では、電動車椅子1が短時間で障害物と衝突しないにも関わらず、無駄に電動車椅子1が減速されることが防止される。
速度制限判断部70は、速度検出部21によって検出された電動車椅子1の速度Vが所定の低速度(例えば1km/h)よりも遅い場合に限って、電動車椅子1の速度制限をしないと判断する実施形態であっても差し支え無い。電動車椅子1の速度Vが、十分に低い場合には、電動車椅子1の進行方向に障害物がある場合であっても、駆動制御部52によって、電動車椅子1の最高速度が制限されないので、速度制限判断部70が電動車椅子1の速度制限をしないと判断する必要が無い。このため、速度制限判断部70が無駄に電動車椅子1の速度制限をしないと判断することが回避される。
1…電動車椅子(移動体)、20…駆動装置、21…速度検出部、52…駆動制御部、53…三次元データ取得部(取得部)、54…投影部、56…路面判定部、57…判定閾値設定部、58…障害物認識部、59…速度制限領域設定部、61…第一投影部、62…第二投影部、64…第一占有区域判定部、65…第二占有区域判定部、67b…XOR演算部、67c…AND演算部、68…代表占有区域演算部、70…速度制限判断部、81…被検知物投影部(投影部)、82…被検知物占有区域判定部(投影部)、83…被検知物認識部、

Claims (8)

  1. 駆動装置による駆動によって路面を走行する移動体であって、
    前記移動体の前方にある被検知物の情報を三次元で示される三次元データとして取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記三次元データを、基準平面方向に複数の区域に分割された平面領域に投影する投影部と、
    前記三次元データが投影された前記平面領域の前記区域に前記被検知物がある占有区域であるか否かを判定する占有区域判定部と、
    前記占有区域判定部によって判定された前記占有区域の数の変化率に基づいて、又は前記占有区域判定部によって判定された前記占有区域のうち所定の前記占有区域に前記移動体が近づく速度に基づいて、前記占有区域が前記路面であるか否かを判定する路面判定部と、を有する移動体。
  2. 前記路面判定部は、規定時間間隔の間に、前記占有区域判定部によって判断された前記占有区域の数の絶対値の変化数が、判定閾値よりも大きい場合に、変化した前記占有区域を前記路面と判定する請求項1に記載の移動体。
  3. 前記移動体の速度を検出する速度検出部と、
    前記速度検出部によって検出された前記移動体の速度が速くなるに従って、大きな値となるように、前記判定閾値を設定する判定閾値設定部と、を有する請求項2に記載の移動装置。
  4. 前記占有区域判定部によって判定された前記占有区域のうち、前記路面判定部によって前記路面と判定された前記占有区域を除外した前記占有区域を障害物と認識する障害物認識部と、
    前記移動体の速度が制限される速度制限領域を設定する速度制限領域設定部と、
    前記障害物認識部によって認識された前記障害物が、前記速度制限領域設定部によって設定された前記速度制限領域内にある場合に、前記移動体の速度を制限する駆動制御部と、を有する請求項2又は請求項3に記載の移動体。
  5. 前記路面判定部は、前記高さ方向に複数に分割された前記平面領域のうち最も下方にある第一平面領域にある前記占有区域である第一占有区域に前記移動体が近づく速度に基づいて、前記第一占有区域が前記路面であるか否かを判定する請求項1に記載の移動体。
  6. 前記投影部は、
    前記取得部によって取得された前記三次元データのうち、前記移動体が前記路面に対して水平である場合に、下端が前記路面から所定距離離れ、上下方向に所定の高さを有する前記第一空間領域内にある前記三次元データを、前記基準平面方向に複数の第一区域に分割された第一平面領域に投影する第一投影部と、
    前記取得部によって取得された前記三次元データのうち、前記第一空間領域内の上側に隣接して配置され、上下方向に所定の高さを有する第二空間領域内にある前記三次元データを、前記基準平面方向に複数の第二区域に分割された第二平面領域に投影する第二投影部と、を有し、
    前記占有区域判定部は、
    前記三次元データが投影された前記第一平面領域の前記第一区域に前記三次元データがある場合に、前記第一区域を前記第一占有区域と判定する前記第一占有区域判定部と、
    前記三次元データが投影された前記第二平面領域の前記第二区域に前記三次元データがある場合に、前記第二区域を第二占有区域と判定する第二占有区域判定部と、を有し、
    同一位置の各前記第一区域及び各前記第二区域について、前記第一占有区域及び前記第二占有区域のいずれか一方のみが存在する場合に、前記基準平面方向に複数の演算区域に分割された演算平面領域における、前記第一区域及び前記第二区域と対応する位置の前記演算区域に、演算占有区域が存在すると判定するXOR演算部と、
    同一位置の各前記第一区域及び各前記演算区域について、前記第一占有区域と前記演算占有区域の両方が存在する場合に、前記基準平面方向に複数の最終演算区域に分割された最終演算平面領域における、前記第一区域及び前記演算区域と対応する位置の前記最終演算区域に最終演算占有区域が存在すると判定するAND演算部と、
    前記AND演算部によって演算された前記最終演算平面領域にある前記最終演算占有区域のうち、最も前記移動体に近い前記最終演算占有区域を代表占有区域と演算する代表占有区域演算部と、を有し、
    前記路面判定部は、前記代表占有区域演算部によって演算された前記代表占有区域に前記移動体が近づく速度である接近速度が規定速度以上である場合に、前記第一占有区域判定部によって判定された前記第一占有区域を前記路面と判定する請求項5に記載の移動体。
  7. 前記移動体の速度を検出する速度検出部を有し、
    前記路面判定部は、前記速度検出部によって検出された前記移動体の速度に基づいて、前記接近速度を演算する請求項6に記載の移動体。
  8. 前記路面判定部が前記第一占有区域判定部によって判定された前記第一占有区域を前記路面と判定した場合に、前記移動体の速度制限を許容しないと判断し、前記路面判定部が前記第一占有区域判定部によって判定された前記第一占有区域を前記路面と判定しない場合、又は前記第一平面領域に前記第一占有区域が無いと判断した場合には、前記移動体の速度制限を許容すると判断する速度制限判断部と、
    前記移動体の速度が制限される速度制限領域を設定する速度制限領域設定部と、
    前記占有区域判定部によって判定された前記占有区域を被検知物と認識する被検知物認識部と、
    前記速度制限判断部が前記移動体の速度制限を許容すると判断した場合に、前記被検知物認識部によって認識された前記被検知物が、前記速度制限領域設定部によって設定された前記速度制限領域内にある場合に、前記移動体の速度を制限し、前記速度制限判断部が前記移動体の速度制限を許容しないと判断した場合に、前記移動体の速度を制限しない駆動制御部と、を有する請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の移動体。
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