JP2008185578A

JP2008185578A - 極似自然きずを有する超音波対比試験片

Info

Publication number: JP2008185578A
Application number: JP2007044604A
Authority: JP
Inventors: Ryo Hashimoto; 凉橋本
Original assignee: Showa Seisakusho Co Ltd; Showa Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Showa Corp; Showa Manufacturing Co Ltd
Priority date: 2007-01-26
Filing date: 2007-01-26
Publication date: 2008-08-14

Abstract

【課題】限りなく自然きずに近い人工欠陥を試験体内に保有し、形状、大きさ、位置精度の優れた、超音波探傷試験用の対比試験片を提供する。
【解決手段】少なくとも１体の自然きずあるいは人工きずを有する部材とその周囲に、同種材料からなる、少なくとも１体の欠陥のない健全なる部材を少なくとも上下あるいはその周囲（前後、左右、上下）に配置し、拡散接合にて面接合して、位置精度、形状、大きさの復元性に優れた対比試験片を提供可能となる。
【選択図】図１

Description

本発明は非破壊検査、特に超音波探傷試験用対比試験片に関する。

従来の試験片は、ＪＩＳＺ２３４５超音波探傷試験用標準試験片および各社で定義される対比試験片において、平底穴と称される切削底面が平坦な止まり穴や貫通孔が人工欠陥として広く用いられている。

平底穴は特殊な切削工具を用い、その加工法から中心部は切削速度は理論的に０であるため特殊な技能を必要とするものである。そのため作業者の熟練度がそれら製品の品質を左右すると言っても過言ではない。

垂直探傷用では超音波探傷技術の検定用に、また技術力の向上確認のため、平底穴の所在を隠すためおよび内部の腐食を防止するため穴埋め作業を行うのが常である。

また、溶接欠陥を模した、斜角探傷用の水平、Ｔ字型継ぎ手等には、融合不良を模した異種金属で融点の高い邪魔板を溶接前に設置し、溶接を行っている。また、微小な欠陥には溶接条件、後処理を考慮して人工的に欠陥を付与している。そのため特殊な溶接技能が要求されるものである。また、溶接条件、後処理の不適正のため位置ずれを発生したり、消失の可能性もあり、事後の確認作業を必要とするものである。

垂直探傷用、斜角探傷用ともにその加工法から、一方が開放型になったり、二次元の加工法しか採用できない制約もあり、位置制御、形状制御がしにくい製品とならざるを得ない。このため三次元的広がりを有する自然欠陥とはほど遠い製品となり、調整用としては有用であるが、厳密は意味での基準片とはなりがたい特質を有している。

本発明は、以上に述べた従来技術の欠点を廃し、位置精度、再現性の優れた超音波探傷試験用の対比試験片を提供するものである。

すなわち、基本的に自然きずあるいは人工きずを有する１体の部材Ａと同種材料からなる欠陥のない健全な１体の部材Ｂを上下に配置し、拡散接合にて面接合して、欠陥の形状、大きさ、位置精度の明確性かつ超音波の透過性を確保した対比試験片を供給するものである。

また、上記を基本として、複数の自然きずあるいは人工きずを有する部材（部材Ａ群）と同種材料からなる欠陥のない複数の健全な部材（部材Ｂ群）を連続あるいは交互に周囲に配置し、拡散接合による面接合を施工することにより、欠陥を密封した試験体および位置精度の明確、超音波透過性の良い対比試験片を供給することが可能である。

上述したように、自然きずおよび自然きずに限りなく近い人工きずを保有する（極似自然キス）試験体と健全部を有する試験体を組み合わせて面接合することにより、外面あるいは内部にきずを有する試験体をその元々の形状を損なうことなく、かつ位置精度の良い対比試験片を供給できる。

以下、本発明の実施の形態を図１〜図３に基づいて説明する。

図１は基本形を示している。すなわち、欠陥のない健全な部材Ｂと同種材料からなり、中央部に貫通孔を有した部材Ａを上下に配置し拡散接合した基本の対比試験片を透視図で示している。貫通孔と他面との接円部分が人工欠陥となり、この円内で超音波は反射することになる。なお、通常行われている、穴位置の隠蔽と防食を目的とする穴埋めは図示していない。

図２は部材Ａの貫通孔に変えドリルのごとくきわめて一般的な切削工具により止まり穴を配し、通常行われている穴位置の隠蔽と防食を目的とする穴埋めを省略している。なお、この止まり穴をボールエンドミルなどの切削工具を用い部材Ａのみを上下に配置し、接面を拡散接合すると密閉された球状欠陥を模擬することが可能になる。これらの部材を厚さ、形状、大きさおよび位置を変えることにより、密閉された基準となる欠陥を自由に配置することが可能となる。

図３は自然きずに近い、３次元の広がりを持つ例として、Ｔ字型の欠陥およびＩ字型の欠陥、大きな欠陥を持つ部材Ａ群と同種材料からなる欠陥のない健全な部材Ｂ群を交互に積層し面接合して比較試験片を構成した１例を示す。部材Ａ群を自然きずとし、複数部材を組み合わせることにより所望する比較試験片を供給可能となる。

本発明は非破壊検査の超音波探傷試験用対比試験片を主体にしているが、同じく非破壊試験の表面探傷試験である磁気探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験等の比較試験片にも適用可能である。

部材Ａと部材Ｂを上下に配置した基本形を示す。人工欠陥を内部に密閉した応用例を示す。部材Ａ群と部材Ｂ群を交互に配置した応用例を示す。

Claims

少なくとも１体の自然きずあるいは人工きずを有する部材（部材Ａまたは部材Ａ群）とその周囲に、同種材料からなる、少なくとも１体の欠陥のない健全な部材（部材Ｂまたは部材Ｂ群）を少なくとも上下あるいはその周囲（前後、左右、上下）に配置し、拡散接合にて面接合して、欠陥の形状、大きさ、位置精度の明確性かつ超音波の透過性を確保した対比試験片。