以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト9番目)、「リーチ」図柄(例えば、左ベルト6番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出が行われる。また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるBBゲームに移行する。但し、「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と並んで停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
加えて、遊技状態が後述するRBゲームである場合に限り、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「チャンス」図柄と並んで停止した場合と、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「ラッキー」図柄と並んで停止した場合に、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄、各リール42L,42M,42Rの「青年」図柄及び「リーチ」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、各リール42L,42M,42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「青年」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄の組合せである。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが所定数投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77には、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部36と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161が接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また詳細は後述するが、停電信号は表示制御装置111にも供給されるように構成されている。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残払出枚数表示部36、払出枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、当選確率の設定を行う際に使用される設定情報格納エリア153a、BBゲーム等の遊技状態やBBゲーム時に用いる各種データを記憶するためのBB情報格納エリア153b、毎回のゲームで使用する各種データを記憶するための遊技情報格納エリア153c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図32のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続されたストップ検出センサ72a〜74a,投入メダル検出センサ75a,払出検出センサ91a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、後述する開始コマンドや状態コマンド等の各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残払出枚数表示部36及び払出枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS502にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS503では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS504ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS505〜ステップS506に示す設定更新処理を行う。ステップS505では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS503に戻り、操作された場合にはステップS506にて設定値を1更新した後にステップS503に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS504にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS507にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS508にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS509にて設定値を保存し、ステップS510にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等に上部ランプ13等を用いてエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS602では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、打ち止め及び自動精算の設定状態をRAM153に格納し、表示制御装置111等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置111等の初期化が終了した場合、ステップS603〜ステップS614に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS603では、RAM153の遊技情報格納エリア153cに格納されたデータのうち、第3停止情報以外のデータ(例えば前回のゲームで用いた乱数値等)をクリアする。ここで、第3停止情報とは、前回のゲームで発生した第3停止指令を示す情報であり、前回のゲームで最後にリールを停止させるべく操作されたストップスイッチがいずれであるかを示す情報である。その後、ステップS604では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回のゲームで再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行うと共に、投入完了コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入完了コマンドとは、自動投入の完了を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、自動投入処理では、クレジット表示部35に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回のゲームで再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回のゲームを行うことができる。再遊技入賞が成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS207にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。詳細は後述するが、かかるエラー状態はリセットスイッチ123が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ80が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ80が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行うと共に精算コマンドをセットする。ここで、精算コマンドとは、クレジットされた仮想メダルの返却を行っていることを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ80が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ77〜79の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、有効ラインの設定等を行うメダル投入処理を行うと共に、投入コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入コマンドとは、ベット操作がなされたことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ77〜79の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS605では継続処理を行う。継続処理とは、前回のゲームが終了してから今回のゲームが開始されるまでに行われる処理である。
継続処理では、図16のフローチャートに示すように、ステップS701にてメダルがベットされたか否かを判定する。メダルがベットされていない場合には、ステップS702に進み、第3停止操作がなされたか否か、より具体的には、第3停止情報の示すストップスイッチと対応するストップ検出センサからON信号を受信したか否かを判定する。そして、第3停止操作がなされていない場合には、そのまま本処理を終了し、第3停止操作がなされた場合には、ステップS704にて停止操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。ここで、停止操作コマンドとは、停止しているリールに対して停止操作がなされたことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。一方、ステップS701にてメダルがベットされたと判定した場合には、ステップS704に進み、遊技情報格納エリア153cに格納された第3停止情報をクリアし、本処理を終了する。
継続処理の終了後、ステップS606では、メダルのベット数が規定数(本実施形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS604の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS607にてベット後処理を行う。ベット後処理とは、規定数のメダルがベットされてからスタートレバー71が操作されるまでに行われる処理である。
ベット後処理では、図17のフローチャートに示すように、ステップS801にて第1クレジット投入スイッチ77が操作されたか否か、より具体的には、第1クレジット投入検出センサ77aからON信号を受信したか否かを判定する。第1クレジット投入スイッチ77が操作されていない場合には、そのまま本処理を終了し、第1クレジット投入スイッチ77が操作された場合には、ステップS802にてベットコマンドをセットした後に本処理を終了する。ここで、ベットコマンドとは、規定数のメダルがベットされた後にさらにベット操作がなされたことを把握させるべく、表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、ベット後処理では、第1クレジット投入スイッチ77ではなく他のクレジット投入スイッチ78,79が操作された場合にベットコマンドをセットする構成としても良いし、クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが操作された場合にベットコマンドをセットする構成としても良い。
ベット後処理の後、ステップS608では、スタートレバー71が操作されて開始指令が発生したか否かを判定する。開始指令が発生していない場合には、ステップS604の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
開始指令が発生した場合にはステップS609に進み、メダル通路切替ソレノイド83を非励磁状態に切り替えてベットの受付を禁止し、続くステップS610にて開始コマンドをセットする。ここで、開始コマンドとは、開始指令が発生したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。その後、ステップS611の抽選処理、ステップS612のリール制御処理、ステップS613のメダル払出処理、ステップS614のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS603に戻る。
なお、通常処理では、投入完了コマンドや第3停止操作コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであり、表示制御装置111に対してコマンドを送信しない。表示制御装置111へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210にて行われる。
次に、ステップS611の抽選処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
ステップS901では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー71が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。CPU151は、スタートレバー71の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM153の遊技情報格納エリア153cに格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー71が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー71が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
ステップS902では、スロットマシン10の現在の設定状態や遊技状態等に基づき、当否判定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。ここで、抽選テーブルについて、簡単に説明する。図19は、「設定1」の通常状態下で選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、入賞となる役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。すなわち、通常状態下では、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BBの5種類の入賞が発生し得る(図8参照)ため、1〜5の5つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほどBB役と対応するポイント値PVが大きく設定されている。
ステップS903ではインデックス値IVを1とし、続くステップS904では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS901にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS905ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS906にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをセットする。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS603参照)。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
ステップS905にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS907にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS908ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS904に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS904では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS905では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図19に示した抽選テーブルが選択された場合、BB当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、ベル当選確率は約7.0分の1、チェリー及びスイカ当選確率は128分の1である。
ステップS906にて当選フラグをセットした後、又はステップS908にて当否判定すべき役がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS909及びステップS910にて設定値コマンドと抽選結果コマンドをセットする。ここで、設定値コマンドとは、現在の設定値を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
その後、ステップS911にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本実施の形態では、スベリテーブルに関するデータ構成に特徴を有するので、その点について説明する。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、主制御装置131の記憶容量を削減することが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、21バイトからなるスベリテーブルが約60種類予めROM152に記憶されている。
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
上述した処理を経て、CPU151は各リール42L,42M,42Rの停止データを解凍データとして把握することができる。なお、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる構成であればよく、例えば各停止データをまとめて5進数と仮定して圧縮データを作成してもよい。停止データが1バイト内におさまる条件としては、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備可能な最大数を乗算したときに得られる値が256以下であればよい。従って、各リール42L,42M,42Rにおいて、準備可能な停止データの最大数が同一である必要もない。例えば、左リール42Lに6種類、中リール42Mに8種類、右リール42Rに4種類の停止データを準備可能とした場合であっても、停止データ全体の組合せパターンは6×8×4=192通りとなり、1バイトで表現できる最大値256以下となるため、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。ちなみに、かかる場合には、圧縮データを「(右リール42Rのデータ)×48+(中リール42Mのデータ)×6+(左リール42Lのデータ)」とし、解凍処理では、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「48」で除算して得られた商を右リール42Rの停止データとし、その除算して得られた余りを「6」で除算して得られた商を中リール42Mの停止データとし、更にその余りを左リール42Lの停止データとして把握することとなる。
図20は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの8番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは滑り数が0の図柄が下ライン上に到達するまで滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数2、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
図21に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS1001にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS1002に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号を、遊技情報格納エリア153cに設けられた当選番号格納エリアにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS1003では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルを、遊技情報格納エリア153cに設けられたスベリテーブル格納エリアにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図20に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカ当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。また、中リール42Mの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは3図柄分だけ滑って8番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの4番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは3図柄分だけ滑って7番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、8番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。このように、中リール42M及び右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。
但し、左リール42Lについては、上ライン又は下ラインのいずれかに「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は上ライン上に停止し、8番の「リプレイ」図柄又は9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は下ライン上に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるための工夫である。
また、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、5番の「スイカ」図柄から9番の「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、9番の「スイカ」図柄から5番の「スイカ」図柄までは16図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。本スロットマシン10では、かかる「スイカ」図柄の他、「7」図柄及び「チェリー」図柄についても5図柄分以上離れた区間を設定している。つまり、スイカ入賞、BB入賞、チェリー入賞については、ストップスイッチの押されたタイミングによって取りこぼしが発生し得る。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付された図柄の配列順序を、図7の左リール42Lを参照しながら説明する。
小役入賞となる図柄の組合せを形成する「ベル」図柄と、再遊技入賞となる図柄の組合せを形成する「リプレイ」図柄は、下ライン上に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。例えば、7番の「ベル」図柄と10番の「ベル」図柄との間は2図柄離れるようにして、10番の「ベル」図柄と15番の「ベル」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。このように、「ベル」図柄と「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。左リール42Lは、左ストップスイッチ72の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又はリプレイ当選フラグがセットされていれば「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させることができる。具体的には、11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達するタイミング、すなわち「ベル」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合であっても、左リール42Lを4図柄分滑らせることにより、15番の「ベル」図柄を下ライン上に停止させることができる。
一方、小役入賞となる図柄の組合せを形成する「スイカ」図柄は、9番の位置に1つだけ配置されている。従って、「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。つまり、左リール42Lの場合、同一の「スイカ」図柄すなわち9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「スイカ」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、10番の「ベル」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって8番の「リプレイ」図柄までの間に、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。なお、下ライン上に「スイカ」図柄を停止させるためには、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されなければならないが、表示窓32Lから3個の図柄が視認可能であって、各位置について有効ラインが設定される構成においては、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作されたとしても、9番の「スイカ」図柄を上ライン上に停止させることができる。
「チェリー」図柄は、5番と13番の2カ所に配置されている。従って、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが8図柄分回転する必要がある。同様に、13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが13図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「チェリー」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、6番の「リーチ」図柄から12番の「チャンス」図柄までの間と、14番の「青年」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって4番の「チャンス」図柄までの間に、「チェリー」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
さらに、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、3図柄分離れるようにして配置されている。すなわち、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、5図柄の範囲内に配置されている。これは、リールの停止態様として5パターンを有するスロットマシン10において、小役入賞及び再遊技入賞の全てに対応できる位置を設定するための工夫であり、左ストップスイッチ72の操作タイミングをより限定するための工夫である。換言すれば、5番の「チェリー」図柄から9番の「スイカ」図柄までの間と、9番の「スイカ」図柄から13番の「チェリー」図柄までの間に、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄を有効ライン上に停止させることができる区間を形成したとも言える。また、かかる構成においては、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄のいずれか一方の図柄が有効ライン上に停止した場合、他方の図柄は有効ライン上に停止しない。従って、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上に停止する図柄配列とした場合、最初に左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合に、役の複合が発生しないよう例えば停止位置を限定する等の制御が必要となり、複数のスベリテーブルを予め用意する必要が生じるからである。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リール42Lの「チェリー」図柄が下ライン上に停止する場合のように、複数の入賞が同時に発生する場合をいう。
加えて、「チェリー」図柄の上下には、入賞と関与しない無特典図柄としての「チャンス」図柄、「リーチ」図柄、「青年」図柄が配置されている。これは、「ベル」図柄等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立する「チェリー」図柄とで役の複合が発生することを抑制するための工夫であり、かかる構成とすることにより、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。全リール42L,42M,42Rが回転している状況下で左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合、役の複合を回避させるべく例えば「ベル」図柄等の組合せ図柄の停止する有効ラインを限定する必要が生じるが、「チェリー」図柄と少なくとも1図柄分離れて配置されているため、停止させる位置に制約を受けることを抑制することが可能となり、予め用意するスベリテーブル数の増加を抑制することが可能となるからである。この他、「7」図柄の上流側には「青年」図柄が配置されており、20番の「リプレイ」図柄と2番の「ベル」図柄との間には無特典図柄としての「ラッキー」図柄が配置されている。これら無特典図柄は、停止出目が単調化することを抑制するための工夫である。仮に特典と関与する図柄のみからなる図柄配列とした場合、本実施形態では5種類の図柄しか各リール42L,42M,42Rに配置することができず、停止出目が単調化する可能性があるからである。ちなみに、9種類の図柄全てを特典と関与する図柄とした場合、各リール42L,42M,42Rの滑り数が予め決められている中で、取りこぼしの発生する頻度が高まることが懸念される。
以上の通り、「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても有効ライン上に停止させることができる。「スイカ」図柄は、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。「チェリー」図柄は、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。換言すれば、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72が操作されれば、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させることができるとも言える。
状態移行図柄としての「7」図柄は、17番の位置に1つだけ配置されている。従って、例えば「7」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。つまり、左リール42Lの場合、「7」図柄が下ライン上に到達するためには、同一の「7」図柄すなわち17番図柄たる「7」図柄が下ライン上に到達する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「7」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。「7」図柄を有効ライン上に停止させるためには、11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから17番の「7」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。一方、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない。「7」図柄は、5番の「チェリー」図柄に対して左リール42Lの回転する上流側に11図柄分離れると共に下流側に8図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄に対して上流側に7図柄分離れると共に下流側に12図柄分離れているからである。
また、「7」図柄は、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄の非配置区間に配置されているとも言える。具体的に説明すると、「7」図柄は、13番の「チェリー」図柄から3図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄から7図柄分離れており、5番の「チェリー」図柄から11図柄分離れている。また、5番の「チェリー」図柄は、「7」図柄から8図柄分離れている。従って、「7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しない。かかる構成とすることにより、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄と「7」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を軽減させることが可能となる。
なお、中リール42M及び右リール42Rについても、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない図柄配列となっている。但し、中リール42M及び右リール42Rについては、「チェリー」図柄が入賞と関与しない無特典図柄であるため、有効ライン上に停止させるべく所定のタイミングでストップスイッチ73,74を操作する必要のある図柄は、「スイカ」図柄と「7」図柄である。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、ステップS1001にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS1004にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS1002〜ステップS1003の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS1005に進み、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号を遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS1006では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルを遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。さらに、他の当選フラグが小役当選フラグたるベル当選フラグである場合には、上述した設定に加えて、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能であれば「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
次に、ステップS612のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。なお、理解を容易なものとするため、ここでは実際のゲームの進行に即して説明すると共に図7の図柄配列を適宜参照しながら説明することとする。
リール制御処理では、先ずステップS1101において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS1201にて前回のゲームでリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認する。経過していない場合には、ステップS1202にてウエイト待ちコマンドをセットするとともにステップS1203にて開始後処理を行い、ウエイト時間が経過するまで待機する。ここで、ウエイト待ちコマンドとは、ウエイト時間を経過していないことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。また、開始後処理とは、ゲームが開始されてからストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されるまで行われる処理である。
開始後処理では、図24のフローチャートに示すように、ステップS1301にてスタートレバーが操作されたか否か、より具体的には、スタート検出センサ71aからON信号を受信したか否かを判定する。スタートレバー71が操作されていない場合には、そのまま本処理を終了し、スタートレバー71が操作された場合には、ステップS1302にて開始操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。ここで、開始操作コマンドとは、開始指令の発生後にさらに開始操作がなされたことを把握させるべく、表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
ウエイト時間が経過した場合には、ステップS1204にて次回のゲームのためのウエイト時間を再設定する。その後、ステップS1205ではウエイト終了コマンドをセットし、続くステップS1206では、タイマ割込み処理のカウンタ処理S209にて外部集中端子板171へ出力するメダルのベット数をセットする。ここで、ウエイト終了コマンドとは、ウエイト時間が経過したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。ステップS1207では、遊技情報格納エリア153cに設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S206にてステッピングモータ61L〜61Rの加速処理が開始され、各リール42L,42M,42Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。
ステップS1208では、回転情報コマンドをセットする。ここで、回転情報コマンドとは、各リール42L,42M,42Rの回転状況を表示制御装置111に把握させるべく送信されるコマンドである。ステップS1209では、上述した開始後処理を行う。ステップS1210では、各リール42L,42M,42Rが所定の回転速度で定速回転しているか否かを判定し、定速回転していない場合には、各リール42L,42M,42Rが定速回転するまで開始後処理を行いつつ待機する。その後、各リール42L,42M,42Rが定速回転となった場合にはステップS1211に進み、定速回転コマンドをセットして本処理を終了する。ここで、定速回転コマンドとは、各リール42L,42M,42Rの回転速度が一定となったことを表示制御装置111に把握させるべく送信されるコマンドである。また、CPU151は、各リール42L,42M,42Rが定速回転となった場合、各ストップスイッチ72〜74の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS1102では停止前処理を行う。停止前処理とは、リールを停止させる前に行われる処理である。
停止前処理では、図25のフローチャートに示すように、ステップS1401にていずれかのリールが停止しているか否かを判定する。現在は全リール42L,42M,42Rが回転しているため否定判定を行い、ステップS1402にて上述した開始後処理を行う。開始後処理を行った後、ステップS1403では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されたか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定する。いずれのストップスイッチ72〜74も操作されていない場合には、ステップS1401に戻り、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されるまで開始後処理を行う。
ステップS1403にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合には、ステップS1404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生した場合には、ステップS1405に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。全リール42L,42M,42Rが回転しているときにストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合、今回の停止指令は第1停止指令であることを意味する。かかる場合には、ステップS1405にて否定判定を行うとともにステップS1406にてスベリテーブル第1変更処理を行い、本処理を終了する。スベリテーブル第1変更処理とは、停止指令の発生に基づいてリールを停止させる前に行うスベリテーブルの変更処理である。
スベリテーブル第1変更処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1501にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため、ステップS1502〜ステップS1508に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1502にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1503では、操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ72か否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作されていた場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図21参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルをセットしているためである。
一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序(すなわち左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の順序)と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1504に進み、遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1505では、確認した当選番号から再遊技に当選しているか否かを把握する。具体的には、確認した当選番号が、再遊技当選を意味する第1当選番号又は再遊技当選とBB当選を意味する第2当選番号か否かを判定する。再遊技に当選している場合にはステップS1506に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、再遊技入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。ここで、入賞確定用スベリテーブルとは、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生を回避するためのスベリテーブルである。
図27は、再遊技当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止し、中リール42Mの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止し、右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止するように設定されている。すなわち、再遊技当選時の入賞確定用スベリテーブルは、再遊技入賞が右下がりライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつ再遊技入賞を成立させるための工夫である。左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、再遊技入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止している状況下で左リール42Lの3番図柄たる「リプレイ」図柄を下ライン上に停止させた場合、上ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、再遊技入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理において再遊技とチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には右下がりライン上に再遊技入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつ再遊技入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1505にて再遊技当選していないと判定した場合、ステップS1507にてベル当選のみしているか否か、具体的にはステップS1504にて確認した当選番号がベル当選を意味する第1当選番号と一致するか否かを確認する。そして、ベルにのみ当選していた場合、上述したステップS1506に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ベル入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。詳細な説明は省略するが、ベル当選時の入賞確定用スベリテーブルは、ベル入賞が中ライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつベル入賞を成立させるための工夫である。例えば、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が上ライン上に停止している状況下で左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄を上ライン上に停止させた場合、下ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、ベル入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理においてベルとチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には中ライン上にベル入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつベル入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1507にて否定判定をした場合、すなわちBB等の再遊技とベル以外の役に当選した場合又はいずれの役にも当選していない場合には、ステップS1508に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと一義的に対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lに複数設定されたスベリテーブルから、操作されたストップスイッチと対応するリールに複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、取りこぼしの発生頻度を低減させるための工夫である。図20に示すスベリテーブルを例に説明すると、例えば中リール42Mの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合、かかるスベリテーブルでは12番の「青年」図柄が下ライン上に停止し、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。つまり、図20に示すスベリテーブルに基づいて中リール42Mを停止させた場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、スイカ入賞を取りこぼしてしまうこととなる。そこで、かかる不具合の発生を抑制すべく、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、変則押し用スベリテーブルに変更することとしている。
リール制御処理の説明に戻り、停止前処理が終了した後、ステップS1103では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS1104では、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS1105にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS1106では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS1107にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS1108では、現在の各リール42L,42M,42Rの回転状況を表示制御装置111に把握させるべく回転情報コマンドをセットし、ステップS1109では停止図柄コマンドをセットする。ここで、停止図柄コマンドとは、表示窓から視認可能な範囲(上段、中段、下段)に停止した図柄を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。そして、ステップS1110では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第1停止指令に基づいて上述したステップS1102〜ステップS1109の処理を行った場合、未だに2つのリールは回転中である。かかる場合にはステップS1110にて否定判定を行い、続くステップS1111にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理とは、リールを停止させた後に行うスベリテーブルの変更処理である。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図28のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1601にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1602に進み、遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1603では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1604にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1605では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致している場合にはステップS1606に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が回転中の他のリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、停止出目が単調化することを抑制するための工夫である。
例えば図20に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、左リール42Lの「スイカ」図柄は上ライン又は下ライン上に停止する一方、中リール42Mの「スイカ」図柄は中ライン上にしか停止しない。ところが、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく上ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。同様に、左リール42Lの「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく下ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。つまり、図20に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、中リール42Mの停止出目が過剰に制約を受けることとなる。そこで本スロットマシン10では、停止したリールの停止図柄を確認し、確認結果に応じたライン変更用スベリテーブルに変更することとしている。具体的には、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、上ライン又は中ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。また、左リール42Lの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中ライン又は下ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。
ちなみに、本スロットマシン10では、停止図柄と変更図柄が一致した場合、以下に示すようなスベリテーブルに変更する。左リール42Lが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1603にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1607では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1604〜ステップS1606の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1608にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図29のフローチャートに示すように、ステップS1701にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1702に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に停止しているか否かを判定する。例えば、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、17番図柄たる「7」図柄が上ライン上に停止することとなる。従って、第1停止指令に基づいて左リール42Lが停止した段階では、BB入賞、ベル入賞共に成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1703に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄及び「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが可能に設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更し、第1停止指令に基づいて中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。なお、これら同時成立用スベリテーブルは、「7」図柄と「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させるように、さらに「7」図柄を有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「ベル」図柄を有効ライン上に停止させるように設定されている。
ステップS1702において否定判定をした場合、続くステップS1704ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1705に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1704にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1706に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「ベル」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1701にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカ又はチェリーであることを意味する。かかる場合にはステップS1707に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1708に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1707にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1709に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、BB以外の当選役と対応する図柄(「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄)が有効ライン上に停止するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
以上のように、第1停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS1112では、第1停止指令として操作されたストップスイッチを示す第1停止情報を遊技情報格納エリア153cに格納し、ステップS1102の停止前処理に戻る。
1リール停止後の停止前処理では、ステップS1401にて肯定判定を行うため、開始後処理を行うことなくストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されるまで待機する。
ステップS1403にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合には、ステップS1404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。ここで、既に停止したリールと対応するストップスイッチが操作された場合、停止指令が発生していないことを意味する。かかる場合にはステップS1407に進み、操作されたストップスイッチと第1停止情報の示すストップスイッチとが一致するか否かを判定する。より詳しくは、第1停止情報〜第3停止情報の各停止情報が格納されているかを判定し、最後に格納された停止情報の示すストップスイッチと操作されたストップスイッチとが一致するか否かを判定する。1リール停止後の停止前処理では、第1停止情報のみが格納されており、第2停止情報と第3停止情報は格納されていない。そこで、第1停止情報の示すストップスイッチと操作されたストップスイッチとが一致するか否かを判定する。また、1つのリールが停止している状況下における当該処理では、既に停止したリールと対応するストップスイッチが1つしかないため必ず肯定判定を行い、ステップS1408にて停止操作コマンドをセットし、ステップS1403に戻る。
ステップS1404にて回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS1405に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。いずれか1つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第2停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS1405にて否定判定を行うとともにステップS1406にてスベリテーブル第1変更処理を行い、本処理を終了する。
スベリテーブル第1変更処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1501にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため、ステップS1509〜ステップS1514に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、ステップS1509にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1510に進み、第1停止指令及び第2停止指令がいずれのストップスイッチ72〜74に対してどのような順序でなされたかを確認する。続くステップS1511では、確認結果が左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73の順に操作される順押し操作であったか否かを判定し、順押し操作であった場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル第2変更処理において、左ストップスイッチ72が最初に操作された場合は次に中ストップスイッチ73が操作されることを想定したスベリテーブルに変更しているためであり、スベリテーブル第2変更処理においてスベリテーブルを変更していない場合であっても、先のスベリテーブル設定処理において中リール42Mの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するスベリテーブルをセットしているためである。
ステップS1511において順押し操作でないと判定した場合にはステップS1512に進み、第1停止指令に基づいて停止したリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1513では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1514に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が第2停止指令に基づいて停止させるリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。例えば、スイカ当選フラグがセットされ、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止している状況下で右ストップスイッチ74が第2停止指令として操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには右リール42Rの「スイカ」図柄を上ライン又は下ライン上に停止させればよい。そこで、左ストップスイッチ72→右ストップスイッチ74の順にストップスイッチが操作された場合には、右リール42Rの「スイカ」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
リール制御処理の説明に戻り、停止前処理が終了した後、ステップS1103では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS1104では、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS1105にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS1106では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS1107にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS1108では、現在の各リール42L,42M,42Rの回転状況を表示制御装置111に把握させるべく回転情報コマンドをセットし、ステップS1109では、今回のリール停止処理により表示窓から視認可能な範囲に停止した図柄を把握させるべく停止図柄コマンドをセットする。そして、ステップS1110では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第2停止指令に基づいて上述したステップS1102〜ステップS1109の処理を行った場合、未だに1つのリールが回転中である。かかる場合にはステップS1110にて否定判定を行い、続くステップS1111にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図28のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1601にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1602に進み、遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1603では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1604にて現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1605では、各停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号とそれぞれ一致しているか否かを判定し、少なくとも一方が一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。各停止図柄の図柄番号と各変更図柄の図柄番号が共に一致した場合にはステップS1606に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、スイカ当選フラグがセットされている状況下で左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ライン上に停止した場合、右リール42Rの「スイカ」図柄が下ライン上に停止するスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1603にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1607では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1604〜ステップS1606の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1608にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図29のフローチャートに示すように、ステップS1701にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1702に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した各停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に並んで停止しているか否かを判定する。本実施形態では、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止しているか否かを判定している。これら各図柄が下ライン上に停止している場合、下ライン上に「ベル」図柄が並んで停止し、上ライン上に「7」図柄が並んで停止していることとなり、右リール42Rの停止結果によってBB入賞及びベル入賞のいずれも成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1703に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄を上ライン上に停止させることが可能な場合には「7」図柄を上ライン上に停止させるように、且つ停止させることが不可能な場合には「ベル」図柄を下ライン上に停止させるように設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1702において否定判定をした場合、続くステップS1704ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1705に進み、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1704にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1706に進み、ベル入賞が成立するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1701にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカ又はチェリーであることを意味する。かかる場合にはステップS1707に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1708に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1707にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1709に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、BB以外の当選役と対応する入賞が成立するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
以上のように、第2停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS1112では、第2停止指令として操作されたストップスイッチを示す第2停止情報を遊技情報格納エリア153cに格納し、ステップS1102の停止前処理に戻る。
2リール停止後の停止前処理では、1リール停止後の停止前処理と同様にステップS1401にて肯定判定を行うため、開始後処理を行うことなくストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されるまで待機する。
ステップS1403にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合には、ステップS1404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。ここで、既に停止したリールと対応するストップスイッチが操作された場合、停止指令が発生していないことを意味する。かかる場合にはステップS1407に進み、操作されたストップスイッチと第2停止情報の示すストップスイッチとが一致するか否かを判定する。より詳しくは、第1停止情報〜第3停止情報の各停止情報が格納されているかを判定し、最後に格納された停止情報の示すストップスイッチと操作されたストップスイッチとが一致するか否かを判定する。2リール停止後の停止前処理では、第1停止情報と第2停止情報が格納されており、第3停止情報は格納されていない。そこで、第2停止情報の示すストップスイッチと操作されたストップスイッチとが一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS1408にて停止操作コマンドをセットした後にステップS1403に戻り、一致しない場合には、停止操作コマンドをセットすることなくそのままステップS1403に戻る。したがって、第1停止指令時に操作されたストップスイッチが2リール停止後に再度操作された場合、停止操作コマンドをセットすることなくステップS1403に戻る。
ステップS1404にて回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS1405に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。2つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第3停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS1405にて肯定判定を行い、スベリテーブル第1変更処理を行うことなく本処理を終了する。
リール制御処理の説明に戻り、停止前処理が終了した後、ステップS1103では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS1104では、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS1105にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS1106では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS1107にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS1110では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第3停止指令に基づいて上述したステップS1102〜ステップS1109の処理を行った場合には、全てのリールが回転を停止している。かかる場合にはステップS1110にて肯定判定を行い、ステップS1113に進む。ステップS1113では、第3停止指令として操作されたストップスイッチを示す第3停止情報を遊技情報格納エリア153cに格納し、続くステップS1114では払出判定処理を行い、本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。
払出判定処理では、図30のフローチャートに示すように、ステップS1801にて現在の遊技状態に基づき有効ラインを確認する。詳細は後述するが、これは、遊技状態がBBゲームに移行した場合、有効ラインが5ラインから1ライン(中ライン)に変更されるためである。ステップS1802では、各リール42L,42M,42Rの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号から所定有効ライン上の図柄の組合せを導出し、ステップS1803にて入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合にはステップS1804に進み、入賞成立役が抽選処理にてセットされた当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致していない場合にはステップS1805に進み、スロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。その後、ステップS1806では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定し、リセットスイッチ123が操作されるまで待機する。リセットスイッチ123が操作された場合には、エラー状態から復帰してそれ以降の処理を開始する。すなわち、リセットスイッチ123が操作された場合又はステップS1804にて入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、ステップS1807にて入賞成立役をセットすると共に、ステップS1808にて遊技情報格納エリア153cの払出予定数格納エリアに入賞成立役と対応する払出数をセットする。その後、ステップS1809では全ての有効ラインについて払出判定が終了したか否かを判別し、終了していない場合にはステップS1802に戻る。つまり、本実施形態では、メダルが3枚ベットされて有効ラインが5ライン設定されている場合、各有効ラインについて入賞が成立しているか否かを順次判定する。
例えば、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン上に停止した場合、上ラインに関するステップS1802〜ステップS1808の処理にて払出予定数として2がセットされ、右下がりラインに関するステップS1802〜ステップS1808の処理にて払出予定数として再度2がセットされる。この結果、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン上に停止した場合には、払出予定数として4がセットされることとなり、後述するメダル払出処理にて4枚のメダル払出が行われる。
全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、ステップS1810にて入賞コマンドをセットすると共にステップS1811にて入賞ラインコマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、入賞コマンドとは、いずれの入賞が成立したかを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、入賞ラインコマンドとは、入賞がいずれの有効ラインで成立したかを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
次に、ステップS613のメダル払出処理について、図31のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1901にて払出予定数格納エリアに格納された払出予定数が0か否かを判定する。払出予定数が0の場合、先の払出判定処理S1114にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合にはステップS1902に進み、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、再遊技入賞が成立している場合には、ステップS1903にて遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行うと共に、ステップS1904にて再遊技コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、再遊技コマンドとは、次回のゲームが再遊技であることを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、先に説明した開始待ち処理S604では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
ステップS1901にて払出予定数が0でない場合、ステップS1905では払出開始コマンドをセットする。ここで、払出開始コマンドとは、メダル払出を開始したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。ステップS1906では、払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1907にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1908,S1910にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1911では、クレジット表示部35及び払出枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1907にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1909にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1910ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1911にて払出枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。
ステップS1911にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1906に戻る。ステップS1906で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1912にて払出終了コマンドをセットする。ここで、払出終了コマンドとは、メダル払出が終了したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。ステップS1913では、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1914にて後述する残払出数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残払出枚数表示部36の枚数を減算する処理を行い、本処理を終了する。なお、残払出枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1911の表示部変更処理にて行ってもよい。
次に、ステップS614のボーナスゲーム処理について、図32のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BBゲームは、複数回のRBゲームで構成されている。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、1枚ベットのみが許容されるゲームであり、JAC図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりJAC入賞成立の確率が非常に高いゲームである。つまり、JACゲームでは、先述した通常処理のステップS606において、ベット数が1であれば規定数であるとして肯定判定される。RBゲームでJAC入賞が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRBゲームが終了する。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RBゲームの途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BBゲームのみならずRBゲームも終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RBゲームに移行する図柄の組合せを設定しておらず、BBゲームに移行した直後及びRBゲームが終了した直後にRBゲームに移行する構成としている。故に、BBゲームとは、所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行するゲームであるとも言える。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS2001にて遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS2002〜ステップS2006に示すボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS2002にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS2003に進み、払出判定処理S1114にてセットした入賞成立役に基づいて、BB入賞が成立したか否かを判定する。BB入賞が成立したときには、ステップS2004においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選フラグをリセットすると共にBB設定フラグをBB情報格納エリア153bにセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに400をセットすると共に、残払出枚数表示部36に400を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かの判定は、BB設定フラグのセット有無により判定している。続くステップS2005ではRB開始処理を行う。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。なお、残払出数カウンタや残JAC入賞カウンタ等の各カウンタは、BB情報格納エリア153bに設けられている。RB開始処理を行った後、ステップS2006では、RBゲームが開始されることを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるRBコマンドをセットする。
ステップS2007では、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、現在の遊技状態を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。すなわち、ステップS2002においてBB当選フラグがセットされていないと判定した場合には通常ゲームであることを意味する状態コマンドをセットし、ステップS2003においてBB入賞が成立していないと判定した場合にはBB持越しゲームであることを意味する状態コマンドをセットし、ステップS2006においてRBコマンドをセットした場合にはBBゲームであることを意味する状態コマンドをセットする。続くステップS2008では、ゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。ゲーム数表示処理では、現在の遊技状態がBBゲーム(RBゲーム)でない場合、残払出枚数表示部36や払出枚数表示部37等の表示をクリアする処理等を行う。
ステップS2001で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS2009に進み、払出判定処理S1114にてセットした入賞成立役に基づいて、JAC入賞が成立したか否かを判定する。JAC入賞が成立したときには、ステップS2010にて残JAC入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS2009にてJAC入賞が成立しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS2011にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS2012では残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS2013にて残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を行う。続くステップS2014では、残払出数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS2015にて先述したRB開始処理を行い、ステップS2016にてRBコマンドをセットする。その後、ステップS2007にてBBゲームであることを意味する状態コマンドをセットすると共にステップS2008にてゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。
また、ステップS2012において残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS2017に進み、残払出数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS2007にてBBゲームであることを意味する状態コマンドをセットすると共にステップS2008にてゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。一方、残払出数カウンタのカウント値が0である場合には、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS2018〜ステップS2019に示す特別遊技状態終了処理を行う。特別遊技状態終了処理では、先ずステップS2018において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS2019にてBB情報格納エリア153bのデータをクリアするBB終了処理を行う。また、前記ステップS2014にて残払出数カウンタのカウント値が0である場合にも、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS2019にてBB終了処理を行う。BB終了処理を行った後は、ステップS2007にて通常ゲームであることを意味する状態コマンドをセットすると共にステップS2008にてゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。
次に、表示制御装置111により実行される各制御処理を説明するに先立ち、表示制御装置111の電気的構成について図33のブロック図に基づき説明する。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。
CPU181には、主制御装置131から送信されるコマンド等の制御信号をラッチする信号ラッチ回路182と、クロック回路183から1msec毎に発生されるクロック信号をラッチするラッチ回路184と、CPU181によって実行される各種の制御プログラムや上部ランプ13等を駆動させるための固定値データを記憶したROM185と、このROM185内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM186が接続されている。また、CPU181には、入力ポート187を介して電源装置161が接続されており、駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下した場合に停電信号が入力されるように構成されている。CPU181は、主制御装置131から送信される各種コマンドに基づいて各種の制御処理を行い、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15の駆動制御を実行する。以下では、上部ランプ13、スピーカ14、補助表示部15を総称して補助演出部とも言う。なお、上述したROM185やRAM186、信号ラッチ回路182やクロック回路183等がCPUに内蔵された1チップマイコンをCPUとして使用してもよい。
続いて、表示制御装置111内のCPU181により実行される各制御処理を図34〜図43のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPUの処理としては大別して、電源投入に伴い起動される表示メイン処理と、定期的に(本実施の形態では1msec周期で)起動される表示タイマ割込み処理と、主制御装置131からの制御信号の入力に基づいて起動されるコマンド割込み処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめに表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを説明し、その後、表示メイン処理を説明する。
図34は、表示制御装置111で定期的に実行される表示タイマ割込み処理のフローチャートである。表示制御装置111のCPU181は、クロック回路183から発生されるクロック信号に基づき、例えば1msecごとに表示タイマ割込み処理を実行する。
表示タイマ割込み処理では、先ずステップS2101にて次回のコマンド割込みを禁止し、ステップS2102にて割込みフラグを読み込む。ステップS2103では、読み込んだ割込みフラグが有効か否かを判定し、有効でない場合にはそのまま本処理を終了する。割込みフラグが有効な場合には、ステップS2104にて割込みタイマカウンタに1を加算すると共に、ステップS2105にて割込みフラグをクリアする。ここで、割込みタイマカウンタとは、表示タイマ割込み処理を行った回数を記憶しておくためのカウンタであり、タイマ割込みは1msecごとに発生するため、かかるカウンタ値により例えば所定の処理を行ってからの経過時間を把握することができる。割込みフラグが有効でない場合、又は割込みタイマカウンタの値を更新した後には、ステップS2106にて次回のコマンド割込みを許可し、本処理を終了する。
図35は、コマンド割込み処理を示すフローチャートである。上述した通り、主制御装置131は、現在の遊技状態や遊技の進行状況等に応じて各種コマンドを表示制御装置111に対して送信する。表示制御装置111は、主制御装置131から送信されたコマンドの受信に基づいて、より具体的には信号ラッチ回路182からの信号入力に基づいて、直ちにコマンド割込み処理を実行する。
コマンド割込み処理では、ステップS2201にて次回のタイマ割り込みを禁止し、ステップS2202にてストローブ信号が正常か否かを判定する。ストローブ信号は主制御装置131からコマンドと共に送信される信号であり、CPU181は、このストローブ信号の受信に基づいてコマンド割り込み処理を開始する。ストローブ信号が正常の場合には、ステップS2203にてコマンドデータを取得すると共に、ステップS2204にて取得したコマンドデータが正常か否かを判定する。コマンドデータが正常な場合には、ステップS2205にていずれのコマンドを受信したかを把握するコマンド受信処理を行い、ステップS2206にてリトライカウンタに最大数をセットする。また、コマンドデータが正常でない場合には、ステップS2207にてリトライカウンタの値を1加算する。一方、ステップS2202においてストローブ信号が正常でない場合には、何らかの誤動作であると判断し、ステップS2208にてリトライカウンタに最大数をセットする。
ステップS2209では、リトライカウンタの値が最大値か否かを判定する。リトライカウンタの値が最大値の場合、主制御装置131からのコマンドを正常に受信した、又は、主制御装置131からのコマンドに何らかの異常があり、許容されるリトライ回数分のコマンド割込み処理を行ったにも関わらずコマンドを正常に受信できなかったことを意味する。かかる場合にはステップS2210に進み、割込みフラグを読み込む。その後、ステップS2211にてリトライカウンタの値をクリアすると共に、ステップS2212にて割込みフラグをクリアする。
ステップS2209にてリトライカウンタの値が最大値であった場合、又はステップS2212にて割込みフラグをクリアした場合には、ステップS2213にて次回のタイマ割込みを許可し、本処理を終了する。
なお、表示タイマ割込み処理の最中に主制御装置131からコマンドを受信した場合、このコマンドは信号ラッチ回路182にてラッチされ、表示タイマ割込み処理が終了した後に直ちにコマンド割込み処理を実行する。同様に、コマンド割込み処理の最中に表示タイマ割込み処理の実行タイミングとなった場合には、クロック信号がラッチ回路184にてラッチされ、コマンド割込み処理が終了した後に直ちに表示タイマ割込み処理を実行する。つまり、本スロットマシン10では、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理の間で多重割込みが発生しない構成となっている。
図36は電源投入後に実行されるCPU181の表示メイン処理を示すフローチャートである。表示メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS2301では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU181内に設定すると共に、コマンド割込み処理や表示タイマ割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU181内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
初期化処理が終了すると、ステップS2302では、システム状態が電圧低下状態か否か、すなわち駆動電圧が所定電圧(本実施形態では10ボルト未満)まで低下したか否かを判定する。そして、システム状態が電圧低下状態である場合には電源が遮断されたものと判断し、ステップS2303にて停電処理を行う。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、ステップS2304にて割込みタイマカウンタの値が0か否かを確認する。割込みタイマカウンタの値が0でない場合、上述した表示タイマ割込み処理にて割込みタイマカウンタ値の更新が行われたことを意味する。かかる場合にはステップS2305に進み、補助演出部を駆動させるべく駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う。この駆動データ出力処理については詳細を後述する。
割込みタイマカウンタの値が0の場合、又は駆動データ出力処理の終了後には、ステップS2306にて主制御装置131からコマンドを受信しているか否か、より詳しくはコマンド割込み処理にてコマンドを受信しているか否かを確認する。
コマンドを受信している場合には、ステップS2307にて受信コマンドチェック処理を行う。受信コマンドチェック処理では、先のコマンド割り込み処理にていずれのコマンドを受信したかを判別し、受信したコマンドの種別に基づいて行うべき補助演出を決定する等の処理を行う。受信コマンドチェック処理にて行われる処理としては、状態コマンドの受信に基づいて行う状態コマンド処理、開始コマンド受信に基づいて行う開始コマンド処理、抽選結果コマンドの受信に基づいて行う抽選結果コマンド処理、回転情報コマンドの受信に基づいて行う回転情報コマンド処理、停止操作コマンドの受信に基づいて行う停止操作コマンド処理、停止図柄コマンドの受信に基づいて行う停止図柄コマンド処理、ベットコマンドの受信に基づいて行うベットコマンド処理、開始操作コマンドの受信に基づいて行う開始操作コマンド処理、入賞コマンドの受信に基づいて行う入賞コマンド処理、入賞ラインコマンドの受信に基づいて行う入賞ラインコマンド処理などがある。詳細は後述するが、受信コマンドチェック処理では、主制御装置131から受信したコマンドデータに基づいて補助演出部の駆動制御内容を決定している。
コマンドを受信していない場合、又は受信コマンドチェック処理の終了後にはステップS2308に進み、補助演出の選択等の際に用いる乱数値の更新処理を行い、ステップS2302に戻る。
ここで、ステップS2305の駆動データ出力処理について、図37のフローチャートに基づき説明する。駆動データ出力処理とは、補助演出部を駆動させるべく駆動データを出力する処理である。つまり、本スロットマシン10では、コマンド割込み処理にて主制御装置131からのコマンドデータを取得し、受信コマンドチェック処理にて取得したコマンドデータに基づいて補助演出を決定し、駆動データ出力処理にて補助演出部の駆動を行っている。
駆動データ出力処理では、先ずステップS2401にて誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値をリセットする。ステップS2402では、起動時コマンドチェック処理を行う。上述した通り、電源投入がなされた場合、主制御装置131から表示制御装置111に対して復電コマンドが送信される(ステップS410)。そこで、電源投入から所定時間以内(本実施形態では2秒以内)に復電コマンドを受信しなかった場合には、起動時コマンドチェック処理において補助演出部の駆動制御を実行し、エラーの発生を報知する。ステップS2403では、デバイス制御処理を行う。詳細は後述するが、主制御装置131から各種コマンドを受信した場合、受信したコマンドに基づいて補助演出部に行わせるべき補助演出が決定される。デバイス制御処理では、決定した補助演出を行わせるべく対応する駆動データを補助演出部に対して出力する処理を行う。かかる処理を行うことにより、例えば上部ランプ13が所定の色で点灯したり、補助表示部15に所定のキャラクターが表示されたりする等の補助演出が行われる。ステップS2404では、システム状態変更処理を行う。システム状態には電圧低下状態、初期化状態、通常状態があり、その都度のシステム状態に応じて補助表示部15の初期化処理を行う。ステップS2405では、電圧低下チェック処理を行う。電圧低下チェック処理では入力ポート187から供給される停電信号を監視し、停電信号がOFF状態からON状態に切り替った場合にシステム状態を通常状態から電圧低下状態に変更する。ステップS2406では、特定時間処理を行う。特定時間処理とは、予め定めた特定時間(本実施形態では10msec)ごとに定期的に行う処理であり、例えば上部ランプ13を駆動するためのLEDデータテーブルによる出力データ用バッファの更新、スピーカ14から出力する楽音のボリューム変更等を行う処理である。
ここで、特定時間処理について、図38のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2501では、10msecタイマカウンタの値を更新する処理を行う。具体的には、10msecタイマカウンタの値に現在の割込みタイマカウンタの値を加算する処理を行う。続くステップS2502では、10msecタイマカウンタの値が10以上か否かを判定し、10より小さい場合にはそのまま本処理を終了する。一方、10msecタイマカウンタの値が10以上の場合、特定時間が経過したことを意味する。かかる場合にはステップS2503にて10msecタイマカウンタの値を10減算し、ステップS2504〜ステップS2508に示す駆動データ変更処理を行って本処理を終了する。
駆動データ変更処理では、ステップS2504において、LEDデータテーブルから出力用データバッファへのデータセットを行うLEDデータ変更処理を行う。ステップS2505では、ボーナスゲーム中のBGMとLED演出とを同期させるための補助演出同期チェック処理を行う。ステップS2506では、BGM再生中に何もせずに放置された場合、30秒後にBGMの音量を小さくするフェードアウト処理を行う。ステップS2507では、何もせずに放置された場合、60秒後にデモ演出を開始させるデモ開始チェック処理を行う。ステップS2508では、ボリュームつまみの値をチェックし、音声のボリュームを変更させるためのボリュームチェック処理を行う。
駆動データ出力処理の説明に戻り、特定時間処理の終了後、ステップS2407では駆動データ切換処理を行う。駆動データ切換処理とは、主制御装置131からのコマンド受信を契機とする場合以外で、時間経過、遊技状態等により駆動データの切換を行う処理である。駆動データ切換処理では、例えば上部ランプ13を点灯させる色の切換、補助表示部15に表示している表示場面の切換等の処理を行っている。つまり、駆動データ変更処理は、先の特定時間処理とは異なり、補助演出を時間と共に変化させていくための処理である。
ステップS2408では割り込みタイマカウンタの値をクリアし、ステップS2409ではシステム状態が電圧低下状態か否かを再度確認する。システム状態が電圧低下状態の場合には停電処理を行い、電圧低下状態でない場合にはそのまま本処理を終了する。
ここで、受信コマンドチェック処理のうち補助演出を決定する際に行う各種処理について、図39〜図43のフローチャートを用いて詳細に説明する。
説明に先立ち、本スロットマシン10が行う補助演出について説明する。本スロットマシン10では、大別して、タイミング演出と、ストーリー演出と、連続演出とを行うようになっている。タイミング演出とは、第1〜第3停止指令発生のいずれかのタイミングに基づいて役の抽選結果(当選役又は外れ)を報知する演出である。ストーリー演出とは、スタートレバー71操作時から開始され、第1〜第3停止指令の各停止指令の発生とともに演出が進行し、第3停止指令発生後すなわち全リール42L,42M,42R停止後に抽選結果を示唆する演出である。連続演出とは、複数のゲーム(本実施の形態では2ゲーム)にわたって行われる演出であり、1ゲーム目のスタートレバー71操作時から開始され、各ゲームにおける第1〜第3停止指令の各停止指令の発生とともに演出が進行し、2ゲーム目の第3停止指令発生後にBB当選有無を示唆する演出である。
さて、抽選結果コマンド処理では、図39のフローチャートに示すように、ステップS2601にて抽選結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。
抽選結果コマンドを受信した場合にはステップS2602に進み、抽選結果コマンドの示す情報、すなわち主制御装置131にて行われた役の抽選結果をRAMに格納する。ステップS2603では、現在のゲームにおいて連続演出を行っているか否かを判定し、連続演出を行っている場合にはそのまま本処理を終了する。連続演出を行っていない場合には、ステップS2604〜ステップS2606に示す補助演出決定処理を行う。補助演出決定処理として、先ずステップS2604では乱数を取得する。ステップS2605では、役の抽選結果に応じた補助演出決定用の演出テーブルを選択する。演出テーブルについて簡単に説明すると、演出テーブルには、各乱数値と行うべき補助演出とが一義的に対応付けられており、表示制御装置111のROM185には、当選役がBBと他の役である場合も含めた各役と対応する演出テーブルが予め記憶されている。ステップS2606では、選択した演出テーブルと取得した乱数とを参照する。参照結果が補助演出を行わない結果である場合にはそのまま本処理を終了し、補助演出を行う結果である場合にはステップS2607〜ステップS2612に示す補助演出設定処理を行う。
補助演出設定処理では、ステップS2607にてタイミング演出を行うか否かを判定し、タイミング演出を行う場合には、抽選結果の報知タイミングと対応するタイミング演出フラグをセットし、本処理を終了する。タイミング演出を行わない場合には、ステップS2609にてストーリー演出を行うか否かを判定し、行う場合には、ステップS2610にてストーリー演出フラグをセットする。その後、ステップS2611では、第1停止指令が発生するまでに行わせるストーリー演出用の初期駆動データを設定し、本処理を終了する。また、連続演出を行う場合には、ステップS2612にて連続演出フラグをセットするとともに、ステップS2611にて連続演出用の初期駆動データを設定し、本処理を終了する。なお、設定された初期駆動データの補助演出部への出力は、表示メイン処理の駆動データ出力処理S2305にて行われる。
次に、回転情報コマンド処理について、図40のフローチャートを用いて説明する。
ステップS2701では、回転情報コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。
回転情報コマンドを受信した場合には、ステップS2702に進み、回転情報コマンドの示す情報、すなわち各リール42L,42M,42Rの回転状況をRAMに格納する。続くステップS2703では、停止指令の発生回数をカウントすべくRAM186に設けられた停止指令カウンタの値を1加算する。ステップS2704では、停止指令カウンタの値が2か否かを判定する。上述した通り、回転情報コマンドは、全リール42L,42M,42Rの回転を開始させた場合すなわちスタートレバー71の操作に基づくゲーム開始段階と、いずれかのリールの回転を停止させた場合に主制御装置131から送信される。また、詳細は後述するが、停止指令カウンタの値は、ベットコマンドを最初に受信した場合、又はベットコマンドを受信することなく開始コマンドを受信した場合にリセットされる。つまり、停止指令カウンタの値は、ゲームの開始段階であって回転情報コマンドを受信する前の段階でリセットされる。したがって、停止指令カウンタの値が2である場合、第1停止指令が発生していずれかのリールが停止したことを意味する。かかる場合にはステップS2705に進み、開始操作の発生回数をカウントすべくRAM186に設けられた開始操作カウンタの値をリセットする。開始操作カウンタの値をリセットした後、又は停止指令カウンタの値が2でない場合には、ステップS2706に進み、停止操作の発生回数をカウントすべくRAM186に設けられた停止操作カウンタの値をリセットする。ステップS2707では、いずれかの演出フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。
いずれかの演出フラグがセットされている場合には、ステップS2708にてタイミング演出フラグがセットされているか否かを判定する。タイミング演出フラグがセットされている場合には、ステップS2709に進み、セットされているタイミング演出フラグと、停止指令カウンタの値とを参照し、当選役の報知タイミングか否かを判定する。報知タイミングでない場合には、そのまま本処理を終了し、報知タイミングである場合には、ステップS2710にて役の抽選結果を報知するための結果報知用駆動データを設定する。その後、ステップS2711にてタイミング演出フラグをクリアし、本処理を終了する。一方、ステップS2708にてタイミング演出フラグがセットされていないと判定した場合には、ストーリー演出フラグ又は連続演出フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS2712にて停止指令カウンタの値を参照し、ステップS2713では設定されている駆動データを停止指令カウンタの値と対応する駆動データに変更する。例えば停止指令カウンタの値が2である場合、抽選結果コマンド処理にて設定した初期駆動データから、第2停止指令が発生するまでに行わせる第1停止指令後駆動データに変更する。ステップS2714では、最終駆動データに変更したか否かを判定する。より具体的には、ストーリー演出フラグがセットされている場合、停止指令カウンタの値が4のとき、すなわち全リール42L,42M,42Rの停止後に設定される駆動データに変更したか否かを判定し、連続演出フラグがセットされている場合、2ゲーム目の停止指令カウンタの値が4のとき、すなわち連続演出が開始されてから2ゲーム目の全リール42L,42M,42R停止後に設定される駆動データに変更したか否かを判定する。そして、最終駆動データでない場合には、そのまま本処理を終了し、最終駆動データに変更した場合には、ステップS2711にて対応する演出フラグをクリアし、本処理を終了する。
次に、停止操作コマンド処理について、図41のフローチャートを用いて説明する。
ステップS2801では、停止操作コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。
停止操作コマンドを受信した場合には、現在のゲームの進行状況において最後にリールを停止させるべく操作されたストップスイッチがリールの停止後に再度操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS2802に進み、停止操作の発生回数をカウントすべくRAM186に設けられた停止操作カウンタの値を1加算する。ステップS2803では、停止操作カウンタの値が5か否かを判定し、5でない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、停止操作カウンタの値が5である場合には、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが対応するリールの停止後に5回操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS2804〜ステップS2810に示す補助演出変更処理を行う。
補助演出変更処理では、先ずステップS2804にていずれかの演出フラグがセットされているか否かを判定する。演出フラグがセットされている場合には、ステップS2805に進み、タイミング演出フラグがセットされているか否かを判定する。タイミング演出フラグがセットされている場合には、ステップS2806に進み、結果報知用駆動データを設定する。その後、ステップS2807にてタイミング演出フラグをクリアし、本処理を終了する。つまり、抽選結果コマンド処理にてタイミング演出を行うと決定した状況下で停止操作カウンタの値が5となった場合、抽選結果コマンド処理にて決定した報知タイミングか否かに関わらず、役の抽選結果を報知すべく結果報知用駆動データを設定する。換言すれば、CPU181は、タイミング演出を行うと決定した状況下で所定の操作がなされた場合、役の抽選結果の報知タイミングを変更するとも言える。
一方、ステップS2805にてタイミング演出フラグがセットされていないと判定した場合には、ストーリー演出フラグ又は連続演出フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS2808にて停止指令カウンタの値を1加算し、ステップS2809にて停止指令カウンタの値と対応する駆動データに変更する。その後ステップS2810では、最終駆動データに変更したか否かを判定する。そして、最終駆動データでない場合には、そのまま本処理を終了し、最終駆動データに変更した場合には、ステップS2811にて対応する演出フラグをクリアし、本処理を終了する。つまり、抽選結果コマンド処理にてストーリー演出又は連続演出を行うと決定した状況下で停止操作カウンタの値が5となった場合、その後の停止指令の発生より先んじて演出を進行させるべく駆動データを変更する。換言すれば、CPU181は、リールの停止(遊技の進行)を契機として進行する演出を行うと決定した状況下で所定の操作がなされた場合、演出の進行契機を変更するとも言える。
さらに、ステップS2804にて演出フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS2812に進み、結果報知用駆動データを設定し、本処理を終了する。つまり、抽選結果コマンド処理にて補助演出を行わないと決定した状況下で停止操作カウンタの値が5となった場合、その決定結果にも関わらず、役の抽選結果を報知すべく結果報知用駆動データを設定する。換言すれば、CPU181は、補助演出を行わないと決定した状況下で所定の操作がなされた場合、補助演出の実行有無に関する決定結果を変更するとも言える。ちなみに、例えば第1停止指令発生後に抽選結果を報知するタイミング演出を行い、第2停止指令発生後に停止操作カウンタの値が5となった場合には、抽選結果が再度報知されることとなる。ストーリー演出や連続演出の場合についても同様である。
次に、ベットコマンド処理について、図42のフローチャートを用いて説明する。
ステップS2901では、ベットコマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。
ベットコマンドを受信した場合には、ステップS2902に進み、ベットカウンタの値が0か否かを判定する。ここで、ベットカウンタとは、第1クレジット投入スイッチ77の操作回数をカウントすべくRAM186に設けられたカウンタである。ベットカウンタの値が0である場合には、ステップS2903にて停止操作カウンタの値をリセットするとともに、ステップS2904にて停止指令カウンタの値をリセットする。その後又はベットカウンタの値が0でない場合には、ステップS2905に進み、ベットカウンタの値を1加算する。ステップS2906では、ベットカウンタの値が5か否かを判定し、5でない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ベットカウンタの値が5である場合には、第1クレジット投入スイッチ77が5回操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS2907にて結果報知用駆動データを設定するとともに、ステップS2908にて演出フラグをクリアし、本処理を終了する。
ここで、主制御装置131にてベットコマンドがセットされる期間は、規定数のメダルがベットされてからスタートレバー71が操作される前までである。つまり、ベットコマンドがセットされるタイミングでは、当該ゲームを開始させるべく規定数のメダルがベットされているもののゲーム自体は開始されておらず、当該ゲームにおける役の抽選が行われていない。したがって、ステップS2907では、BB当選が持ち越されているか否か(BB当選の有無)を示す結果報知用駆動データが設定されることとなる。また、ステップS2907では、演出フラグの有無に関わらず結果報知用駆動データを設定する。つまり、前回のゲームから連続演出を継続して行っている場合であっても、ベットカウンタの値が5になると結果報知用駆動データが設定される。換言すれば、演出内容が連続演出からタイミング演出に変更されているとも言える。
次に、開始操作コマンド処理について、図43のフローチャートを用いて説明する。
ステップS3001では、開始操作コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。
開始操作コマンドを受信した場合には、ステップS3002に進み、開始操作カウンタの値が0か否かを判定する。開始操作カウンタの値が0である場合には、ステップS3003にてベットカウンタの値をリセットする。その後又は開始操作カウンタの値が0でない場合には、ステップS3004に進み、開始操作カウンタの値を1加算する。ステップS3005では、開始操作カウンタの値が5か否かを判定し、5でない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、開始操作カウンタの値が5である場合には、スタートレバー71が5回操作されたことを意味する。また、主制御装置131から開始操作コマンドが送信される期間は、スタートレバー71が操作されてから第1停止指令が発生する前までである。この期間に遊技者がスタートレバー71を5回操作した場合、遊技者には役の抽選結果を把握した上で各ストップスイッチ72〜74を操作したい意図があると考えられる。そこで、かかる場合には、ステップS3006にて連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS3007にて最終駆動データを設定するとともに、ステップS3008にて連続演出フラグをクリアし、本処理を終了する。また、連続演出フラグがセットされていない場合には、ステップS3009にて役の抽選結果を報知すべく結果報知用駆動データを設定するとともに、ステップS3008にて演出フラグをクリアし、本処理を終了する。
ここで、補助演出として補助表示部15にてどのような表示演出が行われ、停止操作が5回行われた場合又は開始操作が5回行われた場合に補助演出がどのように変更されるのかを、ストーリー演出が行われる場合を例に図44及び図45を用いて説明する。図44は、遊技の進行とストーリー演出の進行との関係を示す説明図、図45は、ストーリー演出の一連の表示態様を示す図である。
先ず始めに、開始操作と停止操作をいずれも行うことなく遊技を進行させた場合について、図44(a)を用いて説明する。
ストーリー演出は、規定数のメダルがベットされたタイミングt1では開始されず、スタートレバー71の操作されたタイミングt2で開始される。タイミングt2からは、図45(a)に示すように、ストーリー演出用の初期駆動データに基づいて、表示画面の中央に杖を持った少女キャラクタが表示され、この少女キャラクタがこれから当選役と対応する図柄に変身する旨が教示される。その後、第1停止指令が発生するタイミングt3では、初期駆動データから第1停止指令後駆動データに変更され、図45(b)に示すように、少女キャラクタが呪文を唱えながら杖を上空にかざす様が表示され、呪文と共に少女キャラクタが眩い光に囲まれる様が表示される。第2停止指令が発生するタイミングt4では、第1停止指令後駆動データから第2停止指令後駆動データに変更され、図45(c)に示すように、眩い光が少女キャラクタのみならず表示画面全体を包むとともに、少女キャラクタが種々の図柄に変身していく様が表示される。その後、第3停止指令が発生するタイミングt5では、第2停止指令後駆動データから最終駆動データに変更され、図45(d)に示すように、少女キャラクタが当選役と対応する図柄である「7」図柄に変身し、BBに当選していることが教示される。そして、当該ストーリー演出は、次ゲームを開始させるべくメダルがベットされたタイミングt6で終了される。
次に、停止操作を5回行いつつ遊技を進行させた場合について、図44(b)を用いて説明する。
ストーリー演出は、規定数のメダルがベットされたタイミングt1では開始されず、スタートレバー71の操作されたタイミングt2で開始される。タイミングt2からは、図45(a)に示すように、ストーリー演出用の初期駆動データに基づいて、表示画面の中央に杖を持った少女キャラクタが表示され、この少女キャラクタがこれから当選役と対応する図柄に変身する旨が教示される。その後、第1停止指令が発生するタイミングt3では、初期駆動データから第1停止指令後駆動データに変更され、図45(b)に示すように、少女キャラクタが呪文を唱えながら杖を上空にかざす様が表示され、呪文と共に少女キャラクタが眩い光に囲まれる様が表示される。その後、第1停止指令の際に操作されたストップスイッチが第2停止指令の発生前に5回操作されたタイミングt31では、第1停止指令後駆動データから第2停止指令後駆動データに変更され、図45(c)に示すように、少女キャラクタが呪文を唱えながら杖を上空にかざす様が表示され、呪文と共に少女キャラクタが眩い光に囲まれる様が表示される。つまり、第2停止指令の発生前に停止操作が5回行われた場合には、第1停止指令後駆動データに基づくストーリー演出の表示時間が短縮され、第2停止指令の発生前に第2停止指令後駆動データに基づくストーリー演出が表示される。そして、第2停止指令が発生するタイミングt4では、第2停止指令後駆動データから最終駆動データに変更され、図45(d)に示すように、少女キャラクタが当選役と対応する図柄である「7」図柄に変身し、BBに当選していることが教示される。このように、停止操作を5回行った場合には、最終駆動データに変更されるタイミングが停止操作を5回行わなかった場合よりも早いタイミングとなり、当選役を早いタイミングで把握することができる。
ちなみに、第1停止指令の発生タイミングt3から第2停止指令の発生タイミングt4までの期間に停止操作が5回行われず、第2停止指令の発生タイミングt4から第3停止指令の発生タイミングt5までの期間に停止操作が5回行われた場合には、第2停止指令後駆動データに基づくストーリー演出の表示時間が短縮され、第3停止指令の発生前に第最終駆動データに基づくストーリー演出が表示される。
次に、開始操作を5回行いつつ遊技を進行させた場合について、図44(c)を用いて説明する。
ストーリー演出は、規定数のメダルがベットされたタイミングt1では開始されず、スタートレバー71の操作されたタイミングt2で開始される。タイミングt2からは、図45(a)に示すように、ストーリー演出用の初期駆動データに基づいて、表示画面の中央に杖を持った少女キャラクタが表示され、この少女キャラクタがこれから当選役と対応する図柄に変身する旨が教示される。その後、第1停止指令の発生前に開始操作(スタートレバー71の操作)が5回行われた場合、すなわちタイミングt2〜タイミングt3の期間に開始操作が5回行われた場合には、初期駆動データから最終駆動データに変更され、図45(d)に示すように、少女キャラクタが当選役と対応する図柄である「7」図柄に変身し、BBに当選していることが教示される。つまり、全リール42L,42M,42Rが回転している最中に開始操作が5回行われた場合には、初期駆動データに基づくストーリー演出の表示時間が短縮されるとともに、各停止指令後駆動データに基づくストーリー演出が省略され、最終駆動データに基づくストーリー演出が表示される。このように、開始操作を5回行った場合には、各リール42L,42M,42Rを停止させる前段階で当選役を把握することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
表示制御装置111が抽選結果コマンド処理にて補助演出を行わないと決定した状況下において、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが対応するリールの停止後に5回操作された場合、役の抽選結果を報知する補助演出を行う構成とした。かかる構成においては、前記ストップスイッチを5回操作することなく回転中のリールと対応するストップスイッチを操作して遊技を進行させた場合、補助演出決定処理の抽選に当選した場合に限って補助演出が行われることとなり、補助演出の抽選に当選しなかったゲームでは各リール42L,42M,42Rの停止結果から役の抽選結果を把握する必要が生じる。また、前記ストップスイッチを5回操作してから回転中のリールと対応するストップスイッチを操作して遊技を進行させた場合、役の抽選結果を把握した上で遊技を進行させることができるため、BB当選を察知することなく遊技を終了してしまう機会や、取りこぼしの発生する機会を低減させることが可能となる。つまり、遊技者が補助演出を通じて役の抽選結果を把握したいと考える遊技回では、遊技者が前記ストップスイッチを5回操作することで補助演出を行わせることが可能となる。故に、遊技者が補助演出を通じて役の抽選結果を把握したいと考えるゲームで、さらには遊技者の望むタイミングで補助演出を行うことが可能となり、遊技者の遊技意欲を減退させることなく遊技者が不利益を被る機会を低減させることが可能となる。
先の停止指令時に操作されたストップスイッチが対応するリールの停止後に複数回(5回)操作されたことを条件として役の抽選結果を報知する補助演出を行う構成とすることにより、遊技の進行に関わるスタートレバー71やストップスイッチ72〜74と別個に補助演出を行わせるためのスイッチ等を設ける必要が無くなり、スロットマシン10の部品点数増加を抑制することが可能となる。
停止操作カウンタの値が5である場合に補助演出変更処理を行う構成としたため、役の抽選結果を把握したい遊技者に、先の停止指令時に操作したストップスイッチを積極的に操作するよう促すことが可能となり、遊技の進行のみならず補助演出の変更契機についても遊技者を積極参加させることが可能となる。また、遊技者の意図しないタイミングで補助演出が変更される機会を低減することも可能となる。
確かに、停止操作カウンタの値が1、すなわち先の停止指令時に操作されたストップスイッチが再度操作された場合に補助演出を変更する構成とすることも確かに可能である。しかしながら、回転中のリールを停止させるべく対応するストップスイッチを操作しようとし、誤って回転を停止したリールと対応するストップスイッチを操作してしまう可能性が考えられ、上記構成においては、遊技者の意図しないタイミングで補助演出が変更されてしまう可能性が生じ得る。一方、5回の停止操作を条件として補助演出を変更する本スロットマシン10の場合、先の停止指令時に操作されたストップスイッチを遊技者が誤って5回操作してしまう可能性より、補助演出を変更させるべく前記ストップスイッチを遊技者が意図的に5回操作した可能性の方が高いと考えられる。故に、補助演出の変更契機について遊技者を積極参加させつつ、遊技者の意図しないタイミングで補助演出が変更される機会を低減することが可能となる。
主制御装置131は、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが停止操作されたか否かを判定し、操作された場合に停止操作コマンドを出力する構成とした。かかる構成においては、補助演出を変更したい場合、回転中のリールを停止させるべくストップスイッチを操作した後に続けて当該ストップスイッチを操作すれば良い。故に、遊技を進行させるべく各ストップスイッチが操作される一連の流れの中で、澱みなく補助演出を変更するための操作を行わせることが可能となる。
表示制御装置111が抽選結果コマンド処理にてタイミング演出を行うと決定し、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが対応するリールの停止後に5回操作された場合、役の抽選結果の報知タイミングを停止操作が5回なされたタイミングに変更する構成とした。表示制御装置111側で定めたタイミングではなく停止操作が5回なされたタイミングで役の抽選結果を報知することにより、遊技者の意向に即した補助演出を行うことが可能となる。故に、役の抽選結果の報知タイミングについて遊技者を積極関与させることが可能となる。また、リールの停止数を増加させることなく役の抽選結果の報知タイミングを早めることが可能となるため、取りこぼしの発生する機会を低減させることが可能となる。
抽選結果コマンド処理にてストーリー演出又は連続演出を行うと決定した状況下で停止操作カウンタの値が5となった場合、その後の停止指令の発生より先んじて演出を進行させるべく駆動データを変更する構成とした。かかる構成とすることにより、遊技を進行させることなく、すなわちリールの停止数を増加させることなく、補助演出のその後の展開を確認することが可能となり、その結果として役の抽選結果の報知タイミングを早めることが可能となる。また、最終駆動データではなく停止指令カウンタの値と対応する駆動データに変更する構成とすることにより、折角用意したストーリー演出と連続演出が無駄なものとなってしまう機会を低減させつつ、役の抽選結果の報知タイミングを早めることが可能となる。
抽選結果コマンド処理にて補助演出を行わないと決定した状況下で停止操作カウンタの値が5となった場合、補助演出を行わないという決定結果にも関わらず、役の抽選結果を報知すべく結果報知用駆動データを設定する構成とした。かかる構成とすることにより、補助演出を行う予定がないゲームであっても、先の停止指令時に操作したストップスイッチを5回操作すれば、役の抽選結果を把握できるようになる。したがって、例えば遊技者が遊技を終了しようと考えたゲームでBBに当選し、当該ゲームで補助演出が行われなかった場合であっても、全リール42L,42M,42Rの停止後に第3停止指令時に操作したストップスイッチを5回操作すれば、BBに当選していることを把握することができる。故に、遊技者が不利益を被る機会を好適に低減させることが可能となる。
スタートレバー71が操作されてから第1停止指令が発生する前までにスタートレバー71が5回操作された場合、役の抽選結果を報知すべく駆動データを設定する構成とした。すなわち、連続演出中であればBB当選の有無が示唆される最終駆動データに変更し、連続演出中でなければ結果報知用駆動データを設定する構成とした。かかる構成とすることにより、遊技者の意図を好適な形で補助演出に反映することが可能となる。前記期間に遊技者がスタートレバー71を5回操作した場合、遊技者には役の抽選結果を把握した上で各ストップスイッチ72〜74を操作したい意図があると考えられるからである。
ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作された場合に限って有効ライン上に到達するように「スイカ」図柄,「チェリー」図柄,「7」図柄を配置し、役の抽選結果がスイカ当選又はチェリー当選である場合にはそのゲームの終了後に前記抽選結果を無効とする構成とした。かかる構成においては、スイカ又はチェリーに当選したゲームで対応する入賞を成立させる必要があり、入賞を成立させなかった場合には取りこぼしが発生することとなる。そこで、遊技者が補助演出を通じて役の抽選結果を把握したいと考えたゲームで補助演出を行うことが可能な構成とすることにより、取りこぼしの発生する機会を好適に低減させることが可能となる。
主制御装置131から遊技状態やゲームの進行状況に応じて各種コマンドを出力し、表示制御装置111が受信したコマンドに基づいて補助演出部の駆動制御を行う構成とすることにより、主制御装置131に処理負荷が集中することを抑制することが可能となる。
表示制御装置111において、電源投入に伴い起動される表示メイン処理にて駆動データ出力処理を行い、主制御装置131からのコマンドが入力した場合には表示メイン処理に割り込んでコマンド受信処理を行う構成とすることにより、補助演出部を駆動する処理より優先してコマンド受信処理を行うことが可能となる。故に、補助演出部を駆動する処理を行っていたがためにコマンド受信処理を行うタイミングが遅れ、ゲームの進行状況と補助演出とにずれが生じることを抑制することが可能となる。
表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの値を更新する処理のみを行う構成とすることにより、表示タイマ割込み処理を短時間で終了させて表示メイン処理に復帰させることが可能となる。故に、表示タイマ割込み処理が複数回にわたって連続して行われたためにコマンド受信処理に移行するタイミングが遅れる等の不具合の発生を抑制することが可能となる。また、表示メイン処理にて駆動データを出力する構成とした場合、補助演出を時間的に同期させる方法が問題となる。表示タイマ割込み処理にて駆動データ出力処理を行う構成とすればほぼ定期的に駆動データを出力できる一方、表示メイン処理にて駆動データ出力処理を行う構成とした場合、駆動データ出力処理を行ってから次に駆動データ出力処理を行うまでに要する時間が変動し得るからである。そこで、表示タイマ割込み処理にて割込みタイマカウンタの値を更新する処理を行うと共に、割込みタイマカウンタの値に基づいて駆動データ出力処理を行う構成とすることにより、主制御装置131から補助演出を同期させるためのコマンドを出力せずとも表示制御装置111側にてゲームの進行に即した補助演出部の駆動制御を行うことが可能となり、主制御装置131の処理負荷を好適に分散することが可能となる。さらにいうと、主制御装置131と表示制御装置111の協働の下でゲームの進行に即した補助演出を行う方法として、駆動データ出力処理を表示タイマ割込み処理で行う構成とし、表示タイマ割込み処理の最中にコマンド入力があった場合にはコマンド受信処理に移行する構成、すなわち多重割込みを許可する構成とすることも確かに可能である。しかしながら、かかる構成とした場合にはコマンド受信処理を割り込ませるタイミングを予め想定した上でプログラムを作成する必要があり、プログラムの複雑化に伴うデバック工数の増大化が懸念されることとなる。
表示メイン処理における受信コマンドチェック処理にて行うべき補助演出を決定する構成とすることにより、コマンド割込み処理を比較的短時間で終了させつつ表示メイン処理に復帰させることが可能となる。故に、表示メイン処理に割り込んでコマンド受信処理を行っている最中に表示タイマ割込み処理を行うタイミングが来る機会を低減させることが可能となり、割込みタイマカウンタの更新処理を行うタイミングが遅れることを抑制することが可能となる。この結果、各処理を好適な形で並列的に行うことが可能となり、主制御装置111と表示制御装置131の協働の下でゲームの進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
主制御装置131は、タイマ割込み処理のコマンド出力処理S210にて各種コマンドを表示制御装置111に対して送信する。主制御装置131のタイマ割込み処理は1.49msec毎に行われる処理であるため、各種コマンドは表示制御装置111に対して1.49msec間隔で送信されることとなる。したがって、表示制御装置111では、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを1.49msec以内に終了させる構成とすれば、表示メイン処理下でコマンドを受信する機会を高めることが可能となり、コマンドを受信した際に速やかにコマンド割込み処理に移行することが可能となる。そこで、表示タイマ割込み処理では駆動データの出力処理を行うことなく割込みタイマカウンタの更新処理のみを行う構成とすることにより、表示タイマ割込み処理に要する時間を短縮させることができ、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを1.49msec以内に終了させることが可能となる。さらに、コマンド割込み処理においてもいずれのコマンドを受信したかを把握する処理のみを行い、補助演出の具体的な決定は表示メイン処理下で行う構成とすることにより、コマンド割込み処理に要する時間を短縮させることができる。ちなみに、かかる構成における表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理に要する処理時間の総和は約100μsecであり、1.49msecより十分に短い。故に、いずれかの割込み処理を行っていたがためにコマンド受信処理を行うタイミングが遅れ、ゲームの進行状況と補助演出とにずれが生じることを好適に抑制することが可能となる。
表示メイン処理が駆動データ出力処理と受信コマンドチェック処理とを行ってループする構成とし、コマンドが入力した場合と1msecが経過した場合に表示メイン処理に割り込んでコマンド割込み処理と表示タイマ割込み処理を行う構成とすることにより、主制御装置131からのコマンド入力に基づいて決定した補助演出の最新駆動データを補助演出部に出力することが可能となる。例えば表示タイマ割込み処理にて駆動データを出力する構成とした場合、コマンド受信処理はタイマ割込み処理の終了後すなわち駆動データ出力処理の終了後に行われることとなる。しかしながら、タイマ割込み処理が1msec以内に終了しなかった場合、タイマ割込み処理が複数回にわたって繰り返し行われることとなり、それに伴ってコマンド受信処理が遅れることとなる。これは、ゲームの進行状況に変化が訪れているにも関わらず、それ以前に決定された補助演出を行うための駆動データが繰り返し出力されることに繋がる。一方、本実施形態の場合、駆動データ出力処理を行っている最中であってもコマンド割込み処理に移行することができ、駆動データ出力処理が終了した後には受信したコマンドに基づいて受信コマンドチェック処理を行うことができる。つまり、次回の駆動データ出力処理時には受信コマンドチェック処理にて決定した補助演出を行わせるための最新駆動データを出力できる。故に、ゲームの進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
割込みタイマカウンタの値が0でない場合、すなわち表示タイマ割込み処理が行われた場合に駆動データ出力処理を行う構成とすることにより、駆動データの出力を定期的に行うことが可能となる。表示タイマ割込み処理は定期的(1msec毎)に行われる処理だからである。また、割込みタイマカウンタの値が0の場合には駆動データ出力処理を行わないため、速やかに受信コマンドの有無を確認することが可能となる。以上の結果、表示メイン処理のうちループ内で行われる処理(S2302〜S2308)に要する時間を短くすることが可能となり、ゲームの進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
駆動データ出力処理において、割込みタイマカウンタの値を10msecタイマカウンタの値に加算する処理を行い、10msecタイマカウンタの値が10以上となった場合に駆動データ変更処理を行う構成とすることにより、駆動データの変更タイミングを計る機能を10msecカウンタに付与することが可能となり、割込みタイマカウンタに駆動データ出力処理を行うタイミングを計る機能と駆動データの変更タイミングを計る機能という機能の集中化が生じることを回避することが可能となる。故に、プログラムの簡素化を図ることが可能となる。仮に割込みタイマカウンタの値に基づいて10msecが経過したか否かを判定する構成とした場合、割込みタイマカウンタが更新された場合に駆動データ出力処理を行う構成とするためには、前回の処理で確認した割込みタイマカウンタの値を記憶しておく必要が生じ、プログラムが複雑化するからである。また、表示メイン処理において駆動データ出力処理を行う構成の場合、割込みタイマカウンタ値を確認してから次回の割込みタイマカウンタ値を確認するまでの間に、駆動データ出力処理又は受信コマンドチェック処理に時間を要し、表示タイマ割り込み処理が複数回行われる可能性がある。故に、10msecタイマカウンタの値が10以上となった場合に駆動データ変更処理を行う構成とすることにより、ほぼ10msecが経過する毎に駆動データ変更処理を行うことが可能となる。さらに、10msecが経過していない状況下では駆動データ変更処理を行うことなく次の処理に移行するため、表示メイン処理における1回のループに要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。さらにいうと、駆動データ変更処理では、遊技者が遊技を進行させずに放置した場合を想定した駆動データの変更処理等を行うため、補助演出を行わせるべく駆動データを出力する駆動データ出力処理と比して、多少の時間的な揺らぎは許容されることが一般的である。そこで、駆動データ変更処理は10msecタイマカウンタの値が10以上となった場合に行う構成とすることにより、定期的に且つ効率よく駆動データ変更処理を行うことが可能となる。
駆動データ出力処理において、駆動データ切換処理を行った後に割込みタイマカウンタの値をクリアする構成とすることにより、駆動データ出力処理を行うか否かを判定する場合に割込みタイマカウンタの値が0か否かを判定すればよく、前回の処理時における割込みタイマカウンタの値を記憶しておく必要がない。故に、プログラムの簡素化を図ることが可能となると共に、定期的な駆動データの出力を行うことが可能となる。また、駆動データ出力処理と受信コマンドチェック処理を行っている最中に割込みタイマカウンタの値が複数回更新された場合であっても、割込みタイマカウンタの更新回数分だけ駆動データ出力処理を行うといった事象が発生しない。故に、タイマ割込み処理が複数回にわたって繰り返し行われたためにコマンド割込み処理への移行が遅れるといった不具合も発生しない。つまり、割込みタイマカウンタの値が複数化更新された場合であっても、次回の駆動データ出力処理時には受信コマンドチェック処理にて決定した補助演出を行わせるための最新駆動データを出力できる。以上の結果、ゲームの進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
コマンド割込み処理を行っている最中には表示タイマ割込み処理の割り込みを禁止し、表示タイマ割込み処理を行っている最中にはコマンド割り込み処理の割込みを禁止する構成とすることにより、表示メイン処理に割り込んで一方の割込み処理を行っているにも関わらずさらに他方の割込み処理が割り込む多重割込み構成を回避することが可能となり、プログラム構成を比較的簡単なものとすると共にデバック工数の増大化を抑制することが可能となる。さらにいうと、多重割込み構成を回避した場合、上述した通りコマンドデータを読み込むタイミングが遅れる可能性が懸念されることとなる。しかしながら、本実施形態の場合、表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの更新処理を行うのみであるため、前記懸念を最小限に留めることができる。
表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの値を更新する処理のみを行う構成とすることにより、表示制御装置111は、補助演出部に駆動データを出力しつつコマンド入力を待つことが可能となり、コマンド入力があった場合には速やかにコマンド受信処理に移行することが可能となる。したがって、ゲームの進行状況と補助演出とにずれが生じることを好適に抑制することが可能となる。
スロットマシンの場合、遊技者によるスタートレバー71やストップスイッチ72〜74の操作に基づいてゲームが進行するため、同じ補助演出を行う場合であってもその変更タイミングや終了タイミングは遊技者の操作に応じて変動することとなる。つまり、主制御装置131からコマンドが送信されるタイミングはその都度変動するため、表示制御装置111がコマンドを適正なタイミングで受信できなかった場合、ゲームの進行状況と補助演出とにずれが生じることが多分に生じ得る。したがって、表示メイン処理にて駆動データ出力処理を行うと共に表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの更新処理のみを行う構成とすることにより、主制御装置131と表示制御装置111の協働の下でゲームの進行に即した補助演出を好適に行うことが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、タイミング演出、ストーリー演出、連続演出と大別して3種類の補助演出を行うスロットマシンを例に説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、タイミング演出のみを行うスロットマシンに適用しても良いし、ストーリー演出のみを行うスロットマシンに適用しても良い。すなわち、役の抽選結果を示唆する補助演出を備えたスロットマシンにおいて、所定の操作がなされた場合に補助演出が行われる構成であれば良い。
(2)上記実施の形態では、ストーリー演出や連続演出を行っている最中に停止操作コマンドを5回受信した場合、その後の停止指令の発生より先んじて演出を進行させるべく駆動データを変更する構成としたが、これに代えて、役の抽選結果を示唆する駆動データに変更する構成としても良い。例えば、全リール42L,42M,42R停止後に役の抽選結果を示唆するストーリー演出を有する場合、第1停止指令後駆動データ等のリールの停止状況に応じた途中の駆動データを設定することなく最終駆動データに変更する。
(3)上記実施の形態では、抽選結果コマンド処理にて補助演出を行うか否かを決定する構成としたが、決定しなくても良い。すなわち、表示制御装置111側では補助演出の実行有無を事前に決定せず、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが5回操作された場合等の所定の操作がなされた場合に限って補助演出を行う構成とする。かかる構成とした場合であっても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(4)上記実施の形態では、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが再度操作された場合に主制御装置131が停止操作コマンドを出力する構成としたが、既に停止したリールと対応するストップスイッチが操作された場合に停止操作コマンドを出力する構成としても良いし、スタートレバー71やクレジット投入スイッチ77〜79が操作された場合に停止操作コマンドを出力する構成としても良い。つまり、補助演出の変更契機は、先の停止指令時に操作されたストップスイッチの操作に限定されるものではなく、遊技の進行との関与が終了した操作手段の操作であれば良い。
(5)上記実施の形態では、規定数のメダルがベットされた後に第1クレジット投入スイッチ77が5回操作された場合、結果報知用駆動データを設定する構成としたが、設定しない構成としても良い。すなわち、ベットコマンド処理を行わずとも良い。同様に、開始操作コマンド処理を行わずとも良い。但し、開始操作コマンド処理を行わない構成とした場合には、役の抽選結果を把握した上で各ストップスイッチ72〜74を操作できなくなる。このため、第1〜第3停止指令発生のいずれかのタイミングに基づいて役の抽選結果を報知するタイミング演出に加えて、例えば全リール42L,42M,42R回転開始時等の第1停止指令発生前のタイミングで役の抽選結果を報知するタイミング演出を備えることが望ましい。
(6)上記実施の形態では、補助演出の変更契機として、規定数のメダルがベットされた後に第1クレジット投入スイッチ77が5回操作された場合と、スタートレバー71が操作されてから第1停止指令が発生する前までの期間にスタートレバー71が5回操作された場合と、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが対応するリールの停止後に5回操作された場合と、を備える構成について説明したが、かかる構成を変更する。
例えば、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー71が操作されてから当該スタートレバー71がさらに所定回数(例えば5回)操作された場合に、補助演出を変更する構成とする。かかる構成とした場合であっても、遊技を進行させることなく役の抽選結果を把握することが可能となるため、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。このとき、所定回数の操作を、スタートレバー71が操作されてから第1停止指令が発生する前までの期間と限定するのではなく、スタートレバー71が操作されてから次ゲームを開始させるべく規定数のメダルがベットされるまでの期間としても良いことは言うまでもない。
(7)上記実施の形態では、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが5回操作された場合に補助演出変更処理を行う、すなわち同一の操作手段を複数回操作された場合に補助演出変更処理を行う構成としたが、複数の操作手段を操作された場合に補助演出変更処理を行う構成としても良い。例えば、スタートレバー71と、既に停止したストップスイッチとを操作された場合に補助演出変更処理を行う構成とする。
また、遊技の進行との関与が終了した操作手段を所定の順序で操作された場合に補助演出変更処理を行う構成としても良い。例えば、スタートレバー71→第1クレジット投入スイッチ77の順番で操作された場合に補助演出を変更する構成とする。なお、遊技の進行状況に応じて補助演出の変更契機が異なる構成としても良い。例えば、全リール42L,42M,42Rが回転している状況下では、スタートレバー71→第1クレジット投入スイッチ77の順番で操作された場合に補助演出を変更し、1つのリールが停止している状況下では、第1停止指令時に操作されたストップスイッチを5回操作された場合に補助演出を変更し、2つのリールが停止している状況下では、第1停止指令時に操作されたストップスイッチ→第2停止指令時に操作されたストップスイッチの順番で操作された場合に補助演出を変更し、全リール42L,42M,42Rが停止しているとともに規定数のメダルがベットされていない状況下では、第1クレジット投入スイッチ77→スタートレバー71→先のゲームで各ストップスイッチ72〜74を操作した順番で操作された場合に補助演出を変更する構成とする。
(8)上記実施の形態では、先の停止指令時に操作したストップスイッチが5回操作された場合に補助演出変更処理を行う構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、1回操作された場合に補助演出変更処理を行う構成としても良いし、3回操作された場合に補助演出変更処理を行う構成としても良い。すなわち、操作回数は任意である。但し、1回操作された場合に補助演出変更処理を行う構成とすると、上述した通り遊技者が誤って前記ストップスイッチを操作してしまった可能性が考えられるため、複数回を条件とすることが望ましい。開始操作、ベット操作等の処理においても同様である。
(9)上記実施の形態では、表示制御装置111が停止操作コマンド等の各種コマンドを受信した場合に対応するカウンタの値を1加算し、当該カウンタの値が5となったか否かを判定する構成、すなわち、サブ制御基板たる表示制御装置111側で各操作のなされた回数を把握する構成としたが、メイン制御基板たる主制御装置131側で各操作のなされた回数を把握する構成としても良い。具体的には、主制御装置131に停止操作カウンタ等の各種カウンタを設け、対応するカウンタの値が5となった場合に表示制御装置111に特定操作コマンドを出力する構成とする。表示制御装置111は、特定操作コマンドを受信した場合に、結果報知用駆動データを設定したり、駆動データを変更したりする等の処理を行う構成とする。
また、表示制御装置111側で各ストップスイッチ72〜74の操作状況を把握する構成としても良い。具体的には、ストップ検出センサ72a〜74aの検出信号が主制御装置111に入力された場合、いずれのストップスイッチ72〜74が操作されたかを示すストップ操作コマンドを主制御装置131が表示制御装置111に出力する構成とする。ストップ操作コマンドが表示制御装置111に入力された場合、表示制御装置111は、回転情報コマンドの示す各リール42L,42M,42Rの回転状況に基づいて、停止指令と停止操作のいずれが発生したのか、又はいずれの操作でもない操作がなされたのかを判断する。そして、停止操作がなされたと判定した場合に停止操作カウンタの値を1加算する構成とする。開始操作、ベット操作等の処理においても同様である。
(10)次ゲームのベット操作がなされた場合に役の抽選結果を報知するタイミング演出を備える構成としても良い。また、第1停止指令発生前に予告音を発生させ、所定のタイミングで役の抽選結果を報知するタイミング演出を備える構成としても良い。これらを備える構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(11)上記実施の形態では、規定数のメダルがベットされた後にさらにベット操作が5回なされた場合、結果報知用駆動データを設定する構成としたが、これに代えて又は加えて、規定数のメダルがベットされる前にベット操作が5回なされた場合、結果報知用駆動データを設定する構成としても良い。なお、規定数のメダルがベットされる前のベット操作としては、例えばクレジットされた仮想メダルが存在しない状況下でクレジット投入スイッチ77〜79のいずれかを操作されることが代表例として挙げられる。
(12)上記実施の形態では、回転情報コマンドを受信した場合、表示制御装置111は停止操作カウンタの値をリセットする構成としたが、かかる構成を変更する。すなわち、前記タイミングでは停止操作カウンタの値をリセットせず、開始コマンドを受信した場合に停止操作カウンタの値をリセットする構成とする。そして、停止操作カウンタの値が所定値となった場合に、補助演出を変更する構成とする。補助演出の変更タイミングとなる所定値としては、例えばタイミング演出のみを有する構成であれば、上記実施の形態と同様に5を設定すれば良く、3段階に進行するストーリー演出を有する構成であれば、5,10,15の各値を設定すれば良い。
かかる構成とした場合には、各停止指令を発生させた後に行った停止操作を次ゲームの開始段階まで有効とすることができ、補助演出の変更契機について遊技者を積極参加させることが可能となる。例えば第1停止指令を発生させた後に4回停止操作を行い、その後に誤って停止操作ではなく第2停止指令を発生させてしまった場合であっても、第2停止指令を発生させたストップスイッチをリールの停止後に1回操作すれば補助演出を変更することができるからである。
(13)上記実施の形態では、セットされている当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、通常処理のステップS603、すなわち次ゲームを開始させるためのメダルをベットされる前に当選フラグをリセットする構成としたが、少なくとも次ゲームの抽選処理にて役の当否判定を開始する前までに当選フラグをリセットする構成であれば良い。例えば、開始指令の発生を以って当選フラグをリセットする構成とした場合、ベット操作が5回なされた場合に、BB当選の有無のみならず、前のゲームにおける役の抽選結果をも報知することが可能となる。
(14)上記実施の形態では、先の停止指令時に操作されたストップスイッチが5回操作された場合等の所定の操作がなされた場合、抽選結果コマンド処理にて決定した補助演出の実行有無に関わらず補助演出を行う構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、所定条件が成立し、且つ前記所定の操作がなされた場合に、補助演出を行う構成としても良い。所定条件としては、前記所定の操作がなされた場合に補助演出を行うと決定されていること、所定の役に当選していること等が代表例として挙げられる。前者の所定条件を設定する場合には、抽選結果コマンド処理において前記所定条件成立有無を抽選する構成としても良いし、前記所定の操作がなされた場合に前記所定条件成立有無を抽選する構成としても良い。但し、遊技者が不利益を被る機会を低減できるよう、BBに当選している場合と、スイカ等の取りこぼしの発生し得る役に当選している場合とには、少なくとも所定条件が成立する構成とすることが望ましい。
(15)表示タイマ割込み処理を行う場合にはコマンド割込み処理を禁止し、コマンド割込み処理を行う場合には表示タイマ割込み処理を禁止する構成としたが、各割込み処理を行う場合に他の割込み処理を許可する多重割込み可能な構成としてもよい。但し、かかる場合にはプログラムの複雑化に伴うデバック工数の増大化が懸念されることとなる。
(16)上記実施の形態では、表示タイマ割込み処理を行っている場合にはコマンド割込み処理を禁止する構成としたが、主制御装置131からの制御信号が表示制御装置111のNMI端子に入力されるように構成し、制御信号が入力した場合にはコマンド割込み処理が即座に実行される構成としてもよい。
(17)上記実施の形態では、表示メイン処理において、駆動データ出力処理の終了後に受信コマンドチェック処理を行う構成としたが、受信コマンドチェック処理を行った後に駆動データ出力処理を行う構成としてもよい。表示メイン処理はステップS2302〜S2308の処理がループする構成であるため、かかる構成としても上記実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(18)上記実施の形態では、補助演出を決定する受信コマンドチェック処理を表示メイン処理の下で行う構成としたが、コマンド割込み処理の下で行う構成としてもよい。但し、かかる構成とした場合にはコマンド割込み処理に要する時間が多大なものとなる可能性が生じるため、表示タイマ割込み処理を定期的に行えない可能性が懸念されることとなる。
(19)上記実施の形態では、駆動データ変更処理の終了後に割込みタイマカウンタの値をクリアする構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、10msecタイマカウンタの更新処理以降であれば、割込みタイマカウンタの値をクリアするタイミングは任意である。
(20)上記実施の形態では、表示制御装置111が上部ランプ13,スピーカ14,補助表示部15を駆動制御する構成としたが、これに加えて各種表示部32〜37や各ストップスイッチ72〜74のランプ等を駆動制御する構成としてもよい。つまり、各リール42L,42M,42Rやホッパ装置91等の遊技者の利益に関わる装置類を主制御装置131が駆動制御する構成とし、上部ランプ13や補助表示部15等の補助演出に関わる装置類を表示制御装置111が駆動制御する構成としてもよい。
(21)上記実施の形態では、遊技状態が通常ゲームである場合、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。但し、かかる構成の場合には、ベット状況に応じた抽選テーブルを予め記憶させておく必要がある。
(22)上記実施の形態では、10msecタイマカウンタの値が10以上である場合に駆動データ変更処理を行う構成としたが、さらに複数のタイマカウンタを設け、これらタイマカウンタの値に基づいて駆動データ変更処理を行う構成としてもよいことは言うまでもない。例えばステップS2106では、BGM再生中に何もせずに放置された場合、30秒後にBGMの音量を小さくするフェードアウト処理を行う。したがって、フェードアウト処理用の30sタイマカウンタを設け、駆動データ変更処理を行う毎に30sタイマカウンタの値を1加算する構成とする。かかる構成とすれば、30sタイマカウンタの値が300となった場合に30秒経過したことを意味するため、30sタイマカウンタの値に基づいてBGMの音量を小さくすることができる。
(23)上記実施の形態では、表示タイマ割込み処理にてコマンド割込みの禁止と許可をプログラムにて行う、すなわちソフトを用いてコマンド割込みの禁止と許可を行う構成としたが、電気回路的に禁止と許可を行う、すなわちハードを用いてコマンド割込みの禁止と許可を行う構成としてもよい。かかる構成とすれば、表示タイマ割込み処理にて割込みタイマカウンタの更新処理のみを行うことが可能となり、表示タイマ割込み処理に要する処理時間を好適に短縮させることが可能となる。
(24)上記実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(25)上記実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(26)上記実施の形態では、状態移行図柄としての「7」図柄が有効ライン上に揃った場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。
(27)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(28)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(29)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(30)上記実施の形態では、ベットされたメダル数に応じて設定される有効ライン数が変化するスロットマシン10について説明したが、ベットされたメダル数に関わらず一定数(例えば5本)の有効ラインを設定するスロットマシンに適用してもよい。かかるスロットマシンに適用した場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(31)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
10…遊技機としてのスロットマシン、11…遊技機本体の一部を構成する筐体、12…遊技機本体の一部又は遊技機本体の開閉部材を構成する前面扉、13…補助演出部又は補助演出手段を構成する上部ランプ、14…補助演出部又は補助演出手段を構成するスピーカ、15…補助演出部又は補助演出手段を構成する補助表示部、31…表示窓、42…循環表示手段を構成すると共に周回体又は無端状ベルトとしてのリール、61…循環表示手段を構成すると共に駆動手段としてのステッピングモータ、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、111…サブ制御基板としての表示制御装置、131…メイン制御基板としての主制御装置、151…メイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU、152,153…記憶手段としてのROM,RAM、161…電源装置。