JP2008181077A - マイクロレンズを成形するための多段式のリソグラフィを用いたグレイスケールレチクルの製造方法 - Google Patents

マイクロレンズを成形するための多段式のリソグラフィを用いたグレイスケールレチクルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安いコストで100%近いフィルファクターを達成するマイクロレンズを作製するためのグレイスケールレチクルの製造方法を提供する。
【解決手段】クオーツウエハ基板を準備するステップと、クオーツ基板の表面にSRO層を堆積するステップと、多段式のリソグラフィを用いて、SRO層をパターニングしてエッチングすることにより、最初のマイクロレンズを形成するステップと、SRO層をパターニングしてエッチングすることにより、SRO層に凹部パターンを形成するステップと、SRO層上に不透明薄膜を堆積するステップと、不透明薄膜をパターニングし、エッチングするステップと、平坦化層を堆積し、平坦化するステップと、クオーツウエハを選択したレチクルブランクよりも小さい大きさの長方形片に切断するステップと、を含む。撮像機器のマイクロレンズアレイは、以上のように製造したグレイスケールレチクルを用いて作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、イメージセンサーに関するものであり、特には、マイクロレンズアレイにおいてほぼ100%近いフィルファクター(fill factor)を有するイメージセンサーを提供する。
カメラから高品質の画像を得るために、可能な限り撮影現場から多くの光を採取することが望まれている。極大検出および信号強度のための活性画素エレメントに、イメージセンサーの表面に作用する光を導くことが望まれている。従来公知のイメージセンサーは、マイクロレンズアレイにおいて、100%近いフィルファクター(FF)を有していない。FFとは、光をイメージセンサーの領域に集め、検出することができる領域量の比率として定義される。
マイクロレンズと称されるような光を集める素子を形成するために用いられる方法には、2つの従来公知の方法がある。最も一般的な方法は、円柱状パターンのフォトレジストを露光し、現像する方法である。1つのユニットセルにつき1つの円柱を用いる。フォトレジストのリフローは、円柱形状を半球形状に変化するために行われる。リフローでは、フォトレジストを融解するために時間/温度の組み合わせを用いる。一般的には、170℃で60分間の条件である。この技術により得られるフィルファクターは、約78%が限界である。これは、半球形状の投影面(footprint)は円形状であるが、所望されているマイクロレンズアレイは四角形であるため、ユニットセルの隅部が使用できない領域となっているからである。この問題は四角形内に円をうまくはめ合わせることで解決することができる。これは、マイクロレンズの成形において経済的な効果のある方法である。しかし、この方法では、利用可能な光を全て集める能力が失われてしまう。
他の方法は、フォトレジストを直接パターニングするようなグレイスケールマスクを用いる方法である。この方法において、フォトマスクは、特有のグレイスケールフォトマスクが用いられる。Wuらの米国特許第6,562,523号明細書(2003年5月13日査定)「Direct write all-glass photomask blanks」(特許文献1)およびWuの米国特許第6,524,523号明細書(2003年2月25日査定)「Grayscale all-glass photomasks」(特許文献2)には、このようなプロセスが開示されている。これらの特許において、フォトマスクは平坦であることが必要不可欠である。約1μmの厚みの亜鉛ケイ酸塩の層は、電子線によって露光される。また、電子線の照射量に応じて、より不透明な層を形成して、伝導特性を変更する。透過率を変えたマイクロレンズをそれぞれ作製することによって、露光し、現像した後の形状が、所望の形状のほぼ完全に100%のフィルファクターとなる。
Aoyamaらの米国特許第5,536,455号明細書(1996年7月16日査定)「Method of manufacturing kens array」(特許文献3)には、多数のレンズをベースとした素子が開示されている。
Abramovichの米国特許第6,221,687号明細書(2001年4月24日査定)「Color image sensor with embedded microlens array」(特許文献4)には、マイクロレンズアレイを形成するためにSixNy層およびリアクティブイオンエッチングを使用することが開示されている。
Daniellの米国特許第6,473,238号明細書(2002年10月19日査定)「Lens Arrays」(特許文献5)には、エアギャップを有するレンズアレイが開示されている。
Boettigerらの米国特許第7,068,432号明細書(2006年6月27日査定)「Controlling lens shape in microlens array」(特許文献6)には、マイクロレンズ材料の融解特性を調節することが開示されている。
Jeonの米国特許第7,078,260号明細書(2006年7月18日査定)「CMOS image sensor and method for fabricating the same」(特許文献7)には、十分に扁平な最表面を有するレンズのレンズアレイが開示されている。
Onoらの米国特許出願公開第11/588,891号明細書(2006年10月17日出願)「Grayscale Reticle for Precise Control of Photoresist Exposure」(特許文献8)には、ICリソグラフ処理において用いるグレイスケールマスクの製造のための経済的な技術が開示されている。
米国特許第6,562,523号明細書(2003年5月13日査定) 米国特許第6,524,523号明細書(2003年2月25日査定) 米国特許第5,536,455号明細書(1996年7月16日査定) 米国特許第6,221,687号明細書(2001年4月24日査定) 米国特許第6,473,238号明細書(2002年10月19日査定) 米国特許第7,068,432号明細書(2006年6月27日査定) 米国特許第7,078,260号明細書(2006年7月18日査定) 米国特許出願公開第11/588,891号明細書(2006年10月17日出願)
しかし、上記の方法では、フォトマスクに要するコストが非常に高くなることが問題であり、実際に商業的に使用することは不可能である。これは、例えば、電子線の複数回の照射に引き続いて、各マイクロレンズを露光するなど、フォトマスクの作製プロセスが連続しているからである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、100%近いフィルファクター(FF)を達成するとともに、製造コストを安くマイクロレンズを製造するためのグレイスケールレチクルの製造方法を提供する。また、本発明は、クオーツを基板としたレチクルの製造に用いる方法を提供し、さらには対称または非対称形状のいずれのマイクロレンズも作製できる方法についても提供する。
本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、クオーツウエハ基板を準備するステップと、クオーツ基板の表面にSRO層を堆積するステップと、多段式の(step-over)リソグラフィ(多重リソグラフィ)を用いてSRO層をパターニングしてエッチングすることにより、最初のマイクロレンズパターンを形成するステップと、SRO層と同じ屈折率を有する透明層を堆積して平坦化するステップと、選択したレチクルブランクの領域にうまく合うようにクオーツウエハを切片に切断するステップと、選択したレチクルブランクに切片を接着してグレイスケールレチクルを形成するステップと、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記SRO層を堆積するステップの前に、スクラッチ保護層を形成するステップを含むことが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記長方形片を接着するステップの前に、上記クオーツウエハから上記スクラッチ保護層を除去するステップを含むことが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記SRO層をパターニングし、エッチングすることにより上記SRO層に上記凹部パターンを形成するステップは、所定量の上記SRO層をエッチングするステップを含むことが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記SRO層上に不透明薄膜を堆積するステップにおいて堆積する不透明薄膜の厚みは、上記SRO層をパターニングし、エッチングすることにより上記SRO層に上記凹部パターンを形成するステップにおいて除去する上記所定量のSRO層の厚みと同じであることが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記クオーツウエハ基板は、シリコンウエハのような物理的なSEMI標準寸法規格を有していることが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記SROに堆積する上記不透明薄膜は、Ti膜、TiN膜、Al膜、Cr膜、CrO膜、Cu膜、Pd膜、Pt膜およびその酸化物の膜からなる群より選択されることが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記平坦化層を形成する物質の屈折率の実数部は、上記SRO層の屈折率の実数部と一致していることが好ましい。
また、製造したグレイスレールレチクルを用いて作製するフォトセンサーのマイクロレンズアレイも本発明の範疇に含まれる。
実際の生産では、グレイスケール領域に加えて不透明領域が必要である。すなわち、さらなる処理ステップが必要とされている。クオーツウエハブランクを準備するステップと、クオーツウエハの表面にSRO層を堆積するステップと、アレイ領域において多段式のリソグラフィ(多重リソグラフィ)を用いて、SRO層をパターニングしてエッチングし、マイクロレンズアレイを形成するステップと、周辺部のSRO層をパターニングしてエッチングし、所望の不透明領域とするステップと、平坦化層を堆積し、平坦化するステップと、選択したレチクルブランクの領域中にうまく合うようにクオーツウエハを切片に切断するステップと、選択したレチクルブランクに切片を接着し、グレイスケールレチクルを形成するステップと、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記SRO層を堆積するステップの前に、上記クオーツウエハにスクラッチ保護層を形成するステップを含むことが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記クオーツウエハの切片を接着するステップの前に、上記クオーツウエハから上記スクラッチ保護層を除去するステップを含むことが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記クオーツウエハ基板は、シリコンウエハと同様に物理的なSEMI標準寸法規格を有していることが好ましい。
また、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、さらに、上記SROに堆積する上記不透明薄膜は、Ti膜、TiN膜、Al膜、Cr膜、CrO膜、Cu膜、Pd膜、Pt膜およびその酸化物の膜からなる群より選択されることが好ましい。
また、製造したグレイスレールレチクルを用いて作製するフォトセンサーのマイクロレンズアレイも本発明の範疇に含まれる。
本発明の目的は、100%近いフィルファクターを有するマイクロレンズアレイを提供することである。
また、本発明の他の目的は、クオーツ(石英)を基板としたレチクルの製造に用いることができる方法を提供することである。
この概略および本発明の目的により、本発明の特性を迅速に理解することができる。本発明のさらなる理解は、図面と関連して以下に記載した本発明における好適な実施形態の詳細な説明を参照することによりなされるであろう。
以上のように、本発明に係るグレイスケールレチクルの製造方法は、クオーツウエハ基板を準備するステップと、クオーツウエハ基板の表面にシリコン過剰酸化物層(SRO層)を堆積するステップと、多段式のリソグラフィーを用いて、SRO層をパターニングし、エッチングすることにより最初のマイクロレンズを形成するステップと、SROをパターニングし、エッチングすることによりSRO層に凹部パターンを形成するステップと、SRO層上に不透明薄膜を堆積するステップと、不透明薄膜をパターニングし、エッチングするステップと、平坦化層を堆積し、平坦化するステップと、クオーツウエハを選択したレチクルブランクよりも小さい大きさの長方形片に切断するステップと、選択したレチクルブランクにクオーツウエハの長方形片を接着し、グレイスケールレチクルを形成するステップと、を含む。
本発明に係る製造方法により製造されたグレイスケールレチクルを用いることによって、100%近いフィルファクターのマイクロレンズを安いコストで作製することができる効果を奏する。
本発明に係る方法において、シリコン過剰酸化物(SRO層)は、部分的に透過層として用いられる。SRO層の厚みは、フォトレジストの露光を制御することにより様々変化される。また、3次元構造は、SRO薄膜のパターニングおよびエッチングにより加工される。基板として用いられるクオーツ(Qz)ウエハ上に堆積される最初の薄膜の膜厚は、約0.75μmである。
5μm未満であり1μmよりも大きいピッチを有するマイクロレンズアレイを生産することを目的としたグレイスケールレチクルの具体的な製造方法を開示する。典型的なマイクロレンズは、凸面を有しており、通常は放物面または半球の機能的な形状を有している。レンズは屈折変化率を有しているために、レンズのいずれかの部位に当たった光は、その表面において屈折され、光検出器の活性領域に対して偏光される。フォトレジストにおける放物形状または半球形状は、光の透過率を変化したグレイスケールマスクを用いることにより形成することができる。すなわち、所望する3次元形状を成形するように制御した形状にフォトレジストを露光する。
100%近いフィルファクター(FF)は、本発明に係る方法を用いることにより達成することができる。また、本発明は、この高いフィルファクターを達成するための方法における経済的に効果的なプロセスも提供する。本発明は、マイクロレンズの形成に限定されるものではない。本発明は、結果として所望の形状となるようにフォトレジストパターンの形状を制御する。すなわち、マイクロレンズアレイ以外のパターン構造にも用いることができる。本発明は、対称または非対称形状のいずれのマイクロレンズも形成することができる一般的な手法を提供する。
SRO層または吸光性の薄膜をパターニングすることによって、透過率はその厚みと同様に変化される。また、SRO薄膜の透明度と一致する薄膜を(具体的には、各材質の屈折率の実数部が一致する薄膜)を用いることによって、干渉効果が生じず、また光の屈折も引き起こされない。結果として、精密なグレイスケールフォトマスクとすることができる。
はじめに、元となるフォトマスクの上に、様々な大きさのパターンのアレイ(全てが同一のレンズピッチである)が設計される。すなわち、従来のCr/CrOおよびクオーツからなる二成分フォトマスクを用いたマイクロレンズアレイが製造される。Cr/CrO薄膜は、完全に遮光する。一方、クオーツ領域は、フォトマスクを貫通して光を通過させる。この元となるフォトマスク(通常、レチクルまたは親レチクルと称される)は、本発明におけるグレイスケールレチクルではないが、本発明のグレイスケールレチクルの製造に用いられる。グレイスケールレチクルは、CMOSまたはCCD ICプロセスにおけるマイクロレンズアレイの製造に用いられる。親レチクルを用いて様々な大きさのパターンを重ねあわせることによって、予め定められた露光を施す。露光した同軸のパターンの複合物は、所望のフォトレジスト形状パターンとなる。このパターンは、マイクロレンズアレイの製造に用いられる。
本発明に係る方法は、一般的に以下に説明するステップ(10により示す各ステップ)を含んでいる(図1参照)。第1のステップでは、基板として用いるクオーツ(Qz)ウエハを準備する(ステップS12)。このクオーツウエハ基板は、シリコンウエハと同様に、物理的なSEMI標準寸法規格である。
スクラッチ保護層は、クオーツウエハに形成される(ステップS14)。完成したクオーツ基板の上面および下面は、後にダイシングされ、接着されて光学表面となるため、不具合を抑制することができる。不具合には、グレイスケールフォトマスクの露光の間の光路に影響する引っかき傷および粒子が含まれる。スクラッチ保護層は、クオーツ基板の光学特性に影響を及ぼすことなく除去することができる酸化物、窒化物、ポリイミド、金属またはその他の物質を含む。スクラッチ保護層は、形成してもよく、また形成しなくてもよい。しかし、好適な実施形態では、スクラッチ保護層をクオーツ基板の上面(または表面)、ならびに下面(または裏面)に形成することが好ましい。スクラッチ保護層は、まず上面に、そして続いて下面に形成することが好ましい。次に、表面のスクラッチ保護層が除去される。表面のスクラッチ保護層は、裏面にスクラッチ保護物質を堆積する間、その表面を保護する役割を果たす。
スクラッチ保護層の形成プロセスは、以下の通りである。クオーツウエハの表面に対して、手動操作でチタン薄膜を蒸着する。したがって、エッジ部のみは、引っかき傷に対して無防備である。次に、クオーツウエハの裏面に対して、再度手動操作でチタン薄膜を蒸着する。そして、この表面において引っかき傷が形成される可能性のある処理中に、クオーツウエハの裏面に対して、自動操作でTEOSをPECVDする。これにより、いかなるスクラッチもチタン層に防がれる。最後に、表面のチタンをウェットエッチングにより除去する。これは高い選択性を有しており、クオーツウエハの裏面には影響を与えない。TEOS層は、表面のチタン層をウェットエッチングする間、裏面のチタン層を保護する。このような、または類似したスクラッチ保護層のステップは、本発明の方法の一部として求められている。スクラッチ保護層の形成ステップは、従来のシリコン処理手段においても用いられているが、従来のシリコン処理手段は、通常、シリコンウエハの裏面の保護には用いられない。ウエハの裏面の保護は、本発明に係る方法によって製造される光学レチクルにおいて要求されるものである。このように、本発明に係る方法では、従来のシリコン処理手段によってクオーツウエハに損傷が生じないような、さらなる処理ステップが含まれている。
次に、シリコン過剰酸化物(SRO)(Si)が基板の表面に堆積され、エッチングされる(ステップS16)。パターニングされ、エッチングされたSRO層は、最初のマイクロレンズパターンとなる。SRO層は、製造するフォトマスクのグレイスケール特性のための重要なキーポイントである。このグレイスケールフォトマスクが設けられた他の基板を露光するために用いられる光の透過率は、SRO層を通過するとき、その強度が減衰される。減衰は、ビアーの法則に従って生じており、出力される光の強度を「I」、SRO層を通過した後、入力した光の強度から減衰される強度を「I」とすると、以下の式となる。
I=I*exp(-αd)
ここで、αは 1/距離 の次元での吸光度であり、dは薄膜の厚みである。
SRO層は凹部パターンを形成するために、その表面をフォトレジストで被覆され、パターニングされ、エッチングされる(ステップS18)。このステップでは、ドライまたはウェットエッチングのいずれかの方法により所定量のSRO薄膜を除去する。除去されるSRO量は、パターニング領域の不透明薄膜の厚みと同じとなるように決定する。このステップは、行ってもよいし、行わなくてもよい。このステップの目的は、処理したクオーツウエハの表面全体の高さを均一に維持するためである。すなわち、このステップは、本発明に係る方法のグレイスケールレチクルの製造において重要ステップである。
不透明薄膜の層は、SRO層の上に堆積された後、パターニングされ、そしてエッチングされる(ステップS20)。好適な実施形態において、不透明薄膜の層(チタン層)は、ステップ18においてエッチングしたSROの量と同じとなるように堆積される。凹部領域において不透明薄膜をパターニングすることによって、パターニング領域、線列マーク、マスク識別などを明確とすることができる。不透明薄膜としては、例えばTi、TiN、Cr、CrO、Cu、PdまたはPtおよびそれらの酸化物などを用いることができる。通常は、金属製の薄膜が用いられる。先述したとおり、不透明薄膜の厚みは、上記の凹部を形成するためのエッチングにより除去したSROの量と同じである。
続いて、好適な実施形態では、SiOの層である平坦化層を堆積する(ステップS22)。平坦化層の一部分は、続くCMPステップにおいて除去される。薄膜(平坦化層)と、SRO層との屈折率実数部は一致するようにするべきである。また、吸光係数はゼロであるべきである。屈折率実数部が一致しない場合には、最終的なマイクロレンズアレイおいて2つの不利な点が生じる。1つめは、反射および干渉効果により透過率の制御が失われることである。2つめは、SROの形状により生じる屈折である。この屈折は、フォトレジストの表面における画像面での放射強度の改変に影響する可能性がある。部分的な露光の強さの制御は、本発明に係る方法を商業的に実行可能な技術として提供するための重要な要素である。
SiOの堆積は、均一に積層するタイプのPECVDであるため、SiOの屈折率は微調整することができる。また、処理したクオーツウエハの表面は平坦ではなく、SRO層におけるパターンの輪郭に追随している。CMPステップ(ステップS24)は、この表面を十分に平坦化するために行う。
クオーツウエハを適切な大きさに切断する(ステップS26)。そして、円形状のウエハを長方形にする。長方形片は、レチクルブランク基板に接着する。この処理ステップは、本質的に粒子状物質を製造するステップである。クオーツ基板は、ダイヤモンドソーブレードを用いて物理的に切断する。基板は、徹底的に洗浄しなければならない。水により簡単にすすぎ洗いし、乾燥ステップでは十分に洗浄を行わない。基板上にはいかなる粒子も残すべきではない。粒子は、後にフォトマスクにより生じる不具合として影響を及ぼすからである。
クオーツウエハにスクラッチ保護層を形成している場合には、クオーツウエハの下面に残っているスクラッチ保護層を除去する(ステップS28)。ステップS28は、化学的な除去により行う。すなわち、スクラッチ保護層を除去し、レチクルの接着部の最終的な表面を洗浄する。長方形のクオーツ基板の両側は、接着ステップに先んじて不具合のないようにしなくてはならない。
本発明に係る方法の最後のステップは、接着である(ステップS30)。仮接着洗浄は、必要不可欠な処理であり、長方形のクオーツ基板およびレチクルブランクの双方において実行される。洗浄後、これら2つの部品は、互いに位置あわせをした後、接着される。粒子が部品間に残っている場合には、2つの表面の接着が妨げられる。すなわち、2つの表面は、互いに物理的に分離されないようにしなければならない。接着が不十分な場合には、肉眼で視認できるニュートンリングが現れる。ニュートンリングが存在する場合には、干渉効果が起きるため、フォトレジスト面における開口強度の制御能力に悪影響が生じる。
グレイスケールレチクルは成熟したICプロセスを用いて形成される。プロセスの最後のステップは、レチクルブランクに対するダイシングしたクオーツウエハの接着である。上記ステップは、図2および3に示す。クオーツレチクルブランク32を準備する。クオーツウエハ34(図2には接着されて示されている)には、マイクロレンズアレイ36が形成されている。接着剤は、マイクロレンズアレイ36とクオーツレチクルブランク32との間に示されている。外部領域38は、基準点40を含んでいる。非活性領域42は、活性領域44を取り囲んでおり、データラベル46は、非活性領域42に設けられている。プレートラベル48は、外部領域38に設けられている。
本発明に係る方法におけるステップの詳細は、図4〜図7に示す。従来のレチクル50を準備する。レチクル50は、クオーツウエハ53上のSRO層52を露光するために、すなわち親レチクルを形成するために用いられる。続いて、クオーツウエハ53はダイシングされ、レチクルブランク54に接着される。最終的なマイクロレンズアレイは、CMOSまたはCCDウエハ56上に形成される。
(従来のレチクル上でのパターンの設計)
半導体デバイスの製造および本発明に係る方法に用いられる代表的なフォトリソグラフィックステッパーは、1/5縮小投影ステッパーであり、Hgランプのi線(365nm)により露光を施す。グレイスケールレチクルは、同様のステッパーを用いることを意図しているため、マイクロレンズアレイの寸法は、親レチクルのレンズピッチにより決定される。すなわち、目的としたCMOSまたはCCDイメージセンサーにおける所望のピッチは、25倍であることが効果的である。現世代のイメージセンサーは、2μm×2μmのピッチまたはユニットセルサイズであり、親レチクルのピッチは50μmであり、グレイスケールマスクのピッチは10μmである。親レチクルは、多数のアレイを含んでおり、ピッチは全て50μmで同じであるが、様々な直径の円を含んでいる。特定の大きさの直径を有するアレイをゾーン(zone)と定義する。グレイスケールマスクを作製するために、多数のゾーンがSRO層上にパターニングされる。各ゾーンにより、SROの厚みに差異が生じる。本発明に係る方法のグレイスケールマスクを用いて、平坦なマイクロレンズ形状を実現するためには、多くのゾーンが必要とされている。これは、連続的に用いられた異なる2つのゾーン間の直径の差が、ステッパーの分解能よりも小さくなることを確実とする必要があるからである。例えば、CMOSまたはCCDウエハにおいて、ユニットセルサイズが2μm×2μmであり、露光装置のサブ分解能が0.2μm領域である場合、斜めに沿って、
(SQRT(2)μm/(0.2μm/ゾーン))=7ゾーン
となる。
結果として、グレイスケールレチクルにおけるゾーンは、1μm/ゾーン離れている。また、さらには、従来のレチクルにおけるゾーンは、5μm/ゾーン離れている。
図8および図9に、従来のレチクルにおける4つのゾーンパターンの配置を表す2つの例を示す。一方は明視野(LF)であり、他方は暗視野(DF)である。図8および図9に表されている従来のレチクルは、4つのゾーンパターンの配置であり、お互いに逆極性である。図8および図9における各ゾーンには、円状の巨大アレイが示されている。また、いずれのゾーンの大きさも同じである。
(従来のレチクルを用いたクオーツウエハの露光)
露光ステップについて、図10および11を参照して説明する。ウエハの中央部分は、ETL、ETR、EBLおよびEBRによって示されるような露光を受ける。これら4つの独立した露光は、それぞれ、図8および9のクオーツウエハ面において施される。それぞれの露光は、いずれも、同心円状に重ね合わせた多段式のリソグラフィを用いて施される。図10および11におけるEACCの図は、クオーツウエハ面での累積した露光を表している。図10および11ぞれぞれにおける断面図、すなわちEXPに対するPRTの描写を示す図は、露光する光のフォトレジスト感応曲線である。これは用いる適切な照射線量の決定のために用いられる。最後に、図10および11におけるPRの図は、露光および現像した後のフォトレジスト特性を表している。PRTは、露光の前の初めのフォトレジストの厚みである。
フォトレジスト感応曲線は、所望のフォトレジスト特性から逆行してそれぞれの露光を決定するために使用される。フォトレジスト感応曲線の使用は、フォトレジストの階段状に積み重ねた高さと照射線量との間の直接的な相関関係に基づいている。曲線は、露光軸において、できるだけ範囲の広いことが好ましい。曲線の範囲がより広ければ、露光と、結果として生じるフォトレジストの階段状に積み重ねた高さとの間の相関関係をより一層正確なものすることができる。
(グレイスケールフォトマスクを用いたCCDまたはCMOSウエハもしくは他の基板の露光)
グレイスケールが製造される以前は、フォトレジストにおけるマイクロレンズアレイの直接的なパターニングが用いられていた。このパターニングは、マイクロレンズアレイの製造において使用する下地フィルムに対してエッチングし、転写している。
図12は、様々なk値におけるSRO薄膜の厚みに対する透過率のグラフである。kは、複素屈折率に用いられる虚数部であり、曲線A〜Eのぞれぞれに、0.01/nmずつ0〜0.04/nmまで変化している。装置におけるSROの両側は、外気に接している。曲線Aにおける注目点は、強度の減衰がみられないことであり、薄膜の厚みによる干渉効果により正弦曲線となっている。曲線Eにおける注目点は、最も減衰が生じていることである。曲線Eのk値は最も大きい。透過率の指数関数的な減衰は、SROの厚みの正弦波干渉作用と結び付けられる。
CMPは接着ステップの前に行う必要があるため、SROの厚みとそれを覆うSiOの厚みとの合計の厚みは一定である。図13に示すように、この積層薄膜は、CMPステップにより一定の厚みtとなる。
光学距離は、図13に示す積層薄膜の厚み全体である。例えば、減衰係数がゼロに等しいSiOまたはSiOなどのような非吸光薄膜を積層薄膜の最上面の薄膜として用いるとき、SRO層と非吸光薄膜との屈折率実数部を一致させる必要があることに注意しなければならない。積層薄膜の厚みを一定とすることによって、干渉効果がなくなるため、積層薄膜を介した透過率における振幅が生じなくなる。図14は、この点について図示したグラフであり、SiOおよびSiOを用いたSRO層の厚みに対する透過率Tを示している。曲線は、積層薄膜の厚み(tfilmstack)を用いた以下の公式から導き出される。
filmstack=tSRO+tSiOxNy=c
または、
filmstack=tSRO+tSiO2=c
ここで、cは、一定値である。
図15は、図14に示すSROに対する透過率の算出において用いられる上記公式の応用を表したものである。ここで留意するべきは、積層薄膜が一定値に保たれていることである。したがって、グレイスケールフォトマスクを用いるときの露光に用いる光の照射量の十分な制御のために、SRO薄膜を覆う薄膜とSRO薄膜との屈折率を一致させる必要がある。
このように、本明細書等において、グレイスケールレチクルの製造方法を開示した。さらなる変形例および改良は、添付されている特許請求の範囲において定義されている本発明の範疇に含まれ得ることを理解するであろう。
本発明に係る製造方法によって製造されるグレイスケールレチクルは、イメージセンサーにおけるマイクロレンズアレイの生産に好適に利用することができる。
本発明に係る製造方法を示すブロック図である。 グレイスケールレチクルを示す断面図である。 グレイスケールレチクルを示す平面図である。 本発明に係る製造方法の処理シーケンスを示す図である。 本発明に係る製造方法の処理シーケンスを示す図である。 本発明に係る製造方法の処理シーケンスを示す図である。 本発明に係る製造方法の処理シーケンスを示す図である。 図9に示すレチクルと逆極性を有する従来のレチクルを示す図である。 図8に示すレチクルと逆極性を有する従来のレチクルを示す図である。 図8に示すレチクルの製造に使用するフォトレジストの露光特性を示す図である。 図9に示すレチクルの製造に使用するフォトレジストの露光特性を示す図である。 SROの厚みに対する透過率を示すグラフである。 積層薄膜を示す図である。 2つの異なる積層薄膜におけるSROの厚みに対する透過率を示す図である。 SiOまたはSiOに対するSROの相対的な厚みの関係を示す図である。

Claims (14)

  1. クオーツウエハ基板を準備するステップと、
    上記クオーツウエハ基板の表面にシリコン過剰酸化物層(SRO層)を堆積するステップと、
    多段式のリソグラフィーを用いて、上記SRO層をパターニングし、エッチングすることにより最初のマイクロレンズを形成するステップと、
    上記SRO層をパターニングし、エッチングすることにより上記SRO層に凹部パターンを形成するステップと、
    上記SRO層上に不透明薄膜を堆積するステップと、
    上記不透明薄膜をパターニングし、エッチングするステップと、
    平坦化層を堆積し、平坦化するステップと、
    上記クオーツウエハを、選択したレチクルブランクよりも小さい大きさの長方形片に切断するステップと、
    上記選択したレチクルブランクに上記クオーツウエハの長方形片を接着し、グレイスケールレチクルを形成するステップと、
    を含むことを特徴とするグレイスケールレチクルの製造方法。
  2. 上記SRO層を堆積するステップの前に、スクラッチ保護層を形成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  3. 上記長方形片を接着するステップの前に、上記クオーツウエハから上記スクラッチ保護層を除去するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  4. 上記SRO層をパターニングし、エッチングすることにより上記SRO層に上記凹部パターンを形成するステップは、所定量の上記SRO層をエッチングするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  5. 上記SRO層上に不透明薄膜を堆積するステップにおいて堆積する不透明薄膜の厚みは、上記SRO層をパターニングし、エッチングすることにより上記SRO層に上記凹部パターンを形成するステップにおいて除去する上記所定量のSRO層の厚みと同じであることを特徴とする請求項4に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  6. 上記クオーツウエハ基板は、シリコンウエハのような物理的なSEMI標準寸法規格を有していることを特徴とする請求項1に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  7. 上記SRO層に堆積する上記不透明薄膜は、Ti膜、TiN膜、Al膜、Cr膜、CrO膜、Cu膜、Pd膜、Pt膜およびその酸化物の膜からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  8. 上記平坦化層を形成する物質の屈折率の実数部は、上記SRO層の屈折率の実数部と一致していることを特徴とする請求項1に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  9. クオーツウエハ基板を準備するステップと、
    上記クオーツウエハ基板の表面にシリコン過剰酸化物層(SRO層)を堆積するステップと、
    多段式のリソグラフィを用いて、SRO層をパターニングし、エッチングすることにより最初のマイクロレンズを形成するステップと、
    上記SRO層をパターニングし、エッチングすることにより所定量の上記SROを除去するステップと、
    上記SRO層に不透明薄膜を堆積するステップと、
    上記不透明薄膜をパターニングし、エッチングするステップと、
    上記SRO層の屈折率実数部と一致するような屈折率実数部を有する物質からなり、除去した所定量のSROと同じ厚みの平坦化層を堆積し、平坦化するステップと、
    上記クオーツウエハを、選択したレチクルブランクよりも小さい大きさの切片に切断するステップと、
    上記選択したレチクルブランクに上記クオーツウエハの切片を接着するステップと、
    を含むことを特徴とするグレイスケールレチクルの製造方法。
  10. 上記SRO層を堆積するステップの前に、上記クオーツウエハにスクラッチ保護層を形成するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  11. 上記クオーツウエハの切片を接着するステップの前に、上記クオーツウエハから上記スクラッチ保護層を除去するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  12. 上記クオーツウエハ基板は、シリコンウエハと同様に物理的なSEMI標準寸法規格を有していることを特徴とする請求項9に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  13. 上記SRO層に不透明薄膜を堆積するステップは、Ti膜、TiN膜、Al膜、Cr膜、CrO膜、Cu膜、Pd膜、Pt膜およびその酸化物の膜からなる群より選択される薄膜を堆積するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載のグレイスケールレチクルの製造方法。
  14. 請求項1または9に記載のグレイスケールレチクルを用いて撮像機器のマイクロレンズアレイを作製するステップを含むことを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
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