JP2008180355A - 樹脂部材による転がり軸受の固定方法 - Google Patents

樹脂部材による転がり軸受の固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 転がり軸受装置に径方向の荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な転がり軸受の固定方法を提供する。
【解決手段】 ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に収容溝62aを、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面に収容溝62bを形成し、樹脂部材64a、64bを収容溝62a、62bに嵌挿する。次いで、樹脂部材64aおよび内輪14a、樹脂部材64bおよび外輪14bを締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて樹脂部材64a、64bを軟化させる。樹脂部材64a、64bの軟化により締まり嵌めが緩和されるので、クロスローラ軸受14へのストレスが低減される。樹脂部材64a、64bを軟化させる温度は、クロスローラ軸受14の耐熱温度以下に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受およびレゾルバを備える転がり軸受装置の組立時に適用される方法に係り、特に、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な樹脂部材による転がり軸受の固定方法に関する。
従来、転がり軸受装置としては、転がり軸受およびレゾルバを備える転がり軸受装置が知られている。
図5は、従来の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
転がり軸受装置200は、図5に示すように、固定子であるハウジングインナ22と、回転子であるロータ12と、ロータ12とハウジングインナ22の間に介在してロータ12を回転可能に支持するクロスローラ軸受14とを有して構成されている。
クロスローラ軸受14は、内輪14aおよび外輪14bを有して構成されている。内輪14aは、ハウジングインナ22の外周面に嵌合し、内輪押え26により軸方向に押圧された状態でハウジングインナ22に固定されている。外輪14bは、ロータ12の内周面に嵌合し、外輪押え28により軸方向に押圧された状態でロータ12に固定されている。ここで、ハウジングインナ22と内輪14aの嵌め合い、およびロータ12と外輪14bの嵌め合いは、クロスローラ軸受14にストレスを加えないために隙間設定となっている。
ロータ12とハウジングインナ22の間には、ロータ12の回転角度を検出するためのレゾルバ30が設けられている。
レゾルバ30は、クロスローラ軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出する位置検出器20とを有して構成されている。レゾルバロータ18はロータ12の内周面に、位置検出器20はハウジングインナ22の外周面に一体に取り付けられている。レゾルバロータ18を偏心させてレゾルバロータ18と位置検出器20の間の距離を円周方向に変化させることにより、リラクタンスがレゾルバロータ18の位置により変化するようになっている。したがって、ロータ12の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるため、レゾルバ30は、ロータ12の回転角度位置に応じて変化するレゾルバ信号を出力する。
なお、軸方向の予圧を付与して内輪14aおよび外輪14bを固定する転がり軸受装置としては、例えば、特許文献1記載の軸受装置が知られている。
特開2005−69252号公報
しかしながら、上記従来の転がり軸受装置200にあっては、軸方向については予圧を付与して内輪14aおよび外輪14bを固定するが、径方向については隙間設定での嵌合により内輪14aおよび外輪14bを固定する構成となっているため、転がり軸受装置200に径方向の荷重が加わると、ハウジングインナ22と内輪14aの間の距離がその隙間分だけ、ロータ12と外輪14bの間の距離がその隙間分だけそれぞれ変化し、これに伴ってレゾルバ30のギャップが変化する。そのため、ロータ12の回転角度位置を正確に検出することができないという問題があった。
また、この場合、クロスローラ軸受14に内部予圧がかかっているため、焼き嵌めを行うこともできない。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な樹脂部材による転がり軸受の固定方法を提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置の組立時に適用される転がり軸受の固定方法において、前記内輪被支持体の前記内輪の内周面との嵌合面および前記内輪の前記内輪被支持体の外周面との嵌合面の一方に収容溝を形成し、前記収容溝の深さに相当する厚さの樹脂部材を前記収容溝に嵌挿し、前記樹脂部材および前記内輪を締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて前記樹脂部材を軟化させる。
このように、樹脂部材および内輪を締まり嵌め設定で嵌合した後、温度を上昇させて樹脂部材を軟化させると、樹脂部材の軟化により締まり嵌めが緩和されるので、転がり軸受へのストレスが低減される。
転がり軸受装置の組立後は、転がり軸受により、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転可能に支持される。
転がり軸受装置に径方向の荷重が加わると、内輪被支持体と内輪の間に樹脂部材が嵌挿されているので、内輪被支持体と内輪の間の距離が変化するのが抑制される。
ここで、内輪被支持体および外輪被支持体は、転がり軸受により相対的に回転可能に支持されていればよく、内輪被支持体が固定されて外輪被支持体が回転可能に支持されていてもよいし、外輪被支持体が固定されて内輪被支持体が回転可能に支持されていてもよいし、両者が回転可能に支持されていてもよい。以下、発明2の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において同じである。
ここで、収容溝は、内輪被支持体の内輪の内周面との嵌合面であれば任意の箇所に任意の形状で形成することができる。
〔発明2〕 さらに、発明2の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置の組立時に適用される転がり軸受の固定方法において、前記外輪被支持体の前記外輪の外周面との嵌合面および前記外輪の前記外輪被支持体の内周面との嵌合面の一方に収容溝を形成し、前記収容溝の深さに相当する厚さの樹脂部材を前記収容溝に嵌挿し、前記樹脂部材および前記外輪を締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて前記樹脂部材を軟化させる。
このように、樹脂部材および外輪を締まり嵌め設定で嵌合した後、温度を上昇させて樹脂部材を軟化させると、樹脂部材の軟化により締まり嵌めが緩和されるので、転がり軸受へのストレスが低減される。
転がり軸受装置の組立後は、転がり軸受により、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転可能に支持される。
転がり軸受装置に径方向の荷重が加わると、外輪被支持体と外輪の間に樹脂部材が嵌挿されているので、外輪被支持体と外輪の間の距離が変化するのが抑制される。
ここで、収容溝は、外輪被支持体の外輪の外周面との嵌合面であれば任意の箇所に任意の形状で形成することができる。
〔発明3〕 さらに、発明3の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明1および2のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として前記収容溝を形成し、円環状の部材からなる前記樹脂部材を前記収容溝に嵌挿する。
〔発明4〕 さらに、発明4の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明1ないし3のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記転がり軸受の耐熱温度以下で前記樹脂部材を軟化させる。
〔発明5〕 さらに、発明5の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明1ないし3のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記樹脂部材を軟化させた後にグリース封入を行う。
〔発明6〕 さらに、発明6の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明1ないし5のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記レゾルバは、内周および外周の一方を前記転がり軸受の軸心に対して偏心させた円環状の被検出体と、前記被検出体との間のリラクタンス変化を検出する検出手段とを有し、前記被検出体の内周および外周のうち偏心している側が前記検出手段に対向するように、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方に前記被検出体を、他方に前記検出手段を設けた。
転がり軸受装置の組立後は、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転すると、これに伴って検出手段および被検出体も相対的に回転する。そして、被検出体の内周および外周のうち検出手段に対向する側が偏心しているので、回転によりリラクタンス変化が生じ、検出手段により、そのリラクタンス変化が検出される。
このように、1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるタイプのレゾルバでは、荷重によるギャップ変化の影響が大きいので、ギャップ変化の抑制は、誤検出防止に効果的である。
ここで、被検出体および検出手段については、内輪被支持体に被検出体を、外輪被支持体に検出手段を設けてもよいし、その逆の配置で設けてもよい。前者の場合は、被検出体の外周を偏心させ、被検出体の外周を検出手段に対向させて被検出体および検出手段を設ける。後者の場合は、被検出体の内周を偏心させ、被検出体の内周を検出手段に対向させて被検出体および検出手段を設ける。
〔発明7〕 さらに、発明7の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明1および2のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記転がり軸受装置は、さらに、軸方向の予圧を付与して前記内輪被支持体に前記内輪を固定する内輪固定手段を備え、前記内輪固定手段を前記内輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記内輪被支持体が前記内輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記内輪固定手段および前記内輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合する。
このような方法より構成された転がり軸受装置によれば、温度が上昇すると、内輪固定手段が内輪被支持体よりも膨張しようとするが、内輪被支持体が径方向外側に配置されているので内輪被支持体により抑制される。したがって、内輪被支持体と内輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
ここで、インロー部は、内輪固定手段および内輪被支持体をインロー嵌合するための凹凸段部であって、内輪固定手段および内輪被支持体の一方に凹段部が、他方に凸段部が設けられていればよい。また、インロー部は、内輪固定手段および内輪被支持体の内周面側に設けられていてもよいし、外周面側に設けられていてもよい。
〔発明8〕 さらに、発明8の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明7の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記内輪固定手段および前記内輪被支持体は、前記内輪固定手段が前記内輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記内輪固定手段と前記内輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定する。
このような方法より構成された転がり軸受装置によれば、使用温度範囲内で内輪固定手段および内輪被支持体が軸方向に膨張しても、凸段部と凹段部、および内輪固定手段と内輪被支持体が接触することがないので、内輪固定手段および内輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、内輪固定手段が内輪を固定する状態を維持することができる。
〔発明9〕 さらに、発明9の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明7および8のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記内輪固定手段は、前記内輪と前記内輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定する。
このような方法より構成された転がり軸受装置によれば、使用温度範囲内で内輪固定手段および内輪被支持体が膨張しても、内輪と内輪固定手段が接触することがないので、内輪と内輪固定手段および内輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、内輪被支持体が内輪を固定する状態を維持することができる。
〔発明10〕 さらに、発明10の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明1および2のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記転がり軸受装置は、さらに、軸方向の予圧を付与して前記外輪被支持体に前記外輪を固定する外輪固定手段を備え、前記外輪固定手段を前記外輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記外輪被支持体が前記外輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記外輪固定手段および前記外輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合する。
このような方法より構成された転がり軸受装置によれば、温度が上昇すると、外輪固定手段が外輪被支持体よりも膨張しようとするが、外輪被支持体が径方向外側に配置されているので外輪被支持体により抑制される。したがって、外輪被支持体と外輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
ここで、インロー部は、外輪固定手段および外輪被支持体をインロー嵌合するための凹凸段部であって、外輪固定手段および外輪被支持体の一方に凹段部が、他方に凸段部が設けられていればよい。また、インロー部は、外輪固定手段および外輪被支持体の内周面側に設けられていてもよいし、外周面側に設けられていてもよい。
〔発明11〕 さらに、発明11の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明10の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記外輪固定手段および前記外輪被支持体は、前記外輪固定手段が前記外輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記外輪固定手段と前記外輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定する。
このような方法より構成された転がり軸受装置によれば、使用温度範囲内で外輪固定手段および外輪被支持体が軸方向に膨張しても、凸段部と凹段部、および外輪固定手段と外輪被支持体が接触することがないので、外輪固定手段および外輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、外輪固定手段が外輪を固定する状態を維持することができる。
〔発明12〕 さらに、発明12の樹脂部材による転がり軸受の固定方法は、発明10および11のいずれか1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法において、前記外輪固定手段は、前記外輪と前記外輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定する。
このような方法より構成された転がり軸受装置によれば、使用温度範囲内で外輪固定手段および外輪被支持体が膨張しても、外輪と外輪固定手段が接触することがないので、外輪と外輪固定手段および外輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、外輪被支持体が外輪を固定する状態を維持することができる。
以上説明したように、発明1の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わっても、従来に比して、内輪被支持体と内輪の間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバのギャップ変化が抑制され、レゾルバが誤検出する可能性を低減することができるという効果が得られる。また、樹脂部材の軟化により締まり嵌めが緩和されるので、転がり軸受へのストレスを低減することができるという効果も得られる。さらに、内輪被支持体および内輪が分解可能となるので、メンテナンス性を向上することができるという効果も得られる。
さらに、発明2の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わっても、従来に比して、外輪被支持体と外輪の間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバのギャップ変化が抑制され、レゾルバが誤検出する可能性を低減することができるという効果が得られる。また、樹脂部材の軟化により締まり嵌めが緩和されるので、転がり軸受へのストレスを低減することができるという効果も得られる。さらに、外輪被支持体および外輪が分解可能となるので、メンテナンス性を向上することができるという効果も得られる。
さらに、発明3の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、内輪被支持体および内輪、または外輪被支持体および外輪をバランスよく固定することができるとともに、樹脂部材の取り付けが容易となるという効果が得られる。
さらに、発明4の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、転がり軸受が熱破損する可能性を低減することができるという効果が得られる。
さらに、発明7の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、温度が上昇しても、内輪被支持体と内輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができるという効果が得られる。
さらに、発明8の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、内輪固定手段および内輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、内輪固定手段が内輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。
さらに、発明9の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、内輪と内輪固定手段および内輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、内輪被支持体が内輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。
さらに、発明10の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、温度が上昇しても、外輪被支持体と外輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができるという効果が得られる。
さらに、発明11の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、外輪固定手段および外輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、外輪固定手段が外輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。
さらに、発明12の樹脂部材による転がり軸受の固定方法によれば、外輪と外輪固定手段および外輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、外輪被支持体が外輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る樹脂部材による転がり軸受の固定方法の第1の実施の形態を示す図である。
まず、本発明を適用するダイレクトドライブモータの構成を説明する。
図1は、ダイレクトドライブモータ100の軸方向の断面図である。
ダイレクトドライブモータ100は、図1に示すように、固定子であるハウジングインナ22と、回転子であるロータ12と、ロータ12とハウジングインナ22の間に介在してロータ12を回転可能に支持するクロスローラ軸受14とを有して構成されている。
ロータ12とハウジングインナ22の間には、ロータ12に回転トルクを付与するコイル16と、ロータ12の回転角度を検出するためのレゾルバ30とが設けられている。
レゾルバ30は、クロスローラ軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出する位置検出器20とを有して構成されている。レゾルバロータ18は、ボルト18aによりロータ12の内周面に一体に取り付けられ、位置検出器20は、ボルト20aによりハウジングインナ22の外周面に一体に取り付けられている。レゾルバロータ18を偏心させてレゾルバロータ18と位置検出器20の間の距離を円周方向に変化させることにより、リラクタンスがレゾルバロータ18の位置により変化するようになっている。したがって、ロータ12の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるため、レゾルバ30は、ロータ12の回転角度位置に応じて変化するレゾルバ信号を出力する。
そして、コイル16に通電することにより、ロータ12およびレゾルバロータ18が一体に回転し、位置検出器20によりリアクタンス変化を検出し、制御器(不図示)により回転速度や位置決めの制御を行う構造となっている。
本実施の形態では、モータの外側が回転するアウターロータ型にて説明しているが、モータの内側が回転するインナーロータ型に採用しても何等問題はない。ダイレクトドライブモータ100は、軸受構成部分を除いて従来のダイレクトドライブモータと同一の周知構成であるため、以下、本発明の特徴的部分である軸受構成について説明する。なお、ダイレクトドライブモータ100の軸受構成部分を除いた構成にあっては、特に図示例に限定されるものではなく、他の周知構成が本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
クロスローラ軸受14は、内輪14aと、外輪14bと、内輪14aおよび外輪14bの間で転動可能に設けられた複数のクロスローラ(ころ)14cとを有して構成されている。クロスローラ14cは、直径が長さよりわずかに大きな略円筒状で、軌道上偶数番目の回転軸と、軌道上奇数番目の回転軸が互いに90°傾斜している。
ハウジングインナ22の外周面には、径方向外側に突出したフランジ22aが形成され、内輪14aの下面をフランジ22aに接触させてハウジングインナ22の外周面に内輪14aが嵌合されている。そして、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでハウジングインナ22に締結することにより、内輪14aは、ハウジングインナ22に軸方向に押圧された状態でハウジングインナ22に固定される。
一方、ロータ12の内周面には、径方向内側に突出したフランジ12aが形成され、外輪14bの下面をフランジ12aに接触させてロータ12の内周面に外輪14bが嵌合されている。そして、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの上面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12に締結することにより、外輪14bは、ロータ12に軸方向に押圧された状態でロータ12に固定される。
ハウジングインナ22と内輪14aの嵌め合い、およびロータ12と外輪14bの嵌め合いは、クロスローラ軸受14にストレスを加えないために隙間設定となっている。
ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面には、収容溝62aが形成されている。収容溝62aは、径方向内側に略コの字形状に窪み、かつ、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として形成されている。収容溝62aには、収容溝62aの深さに相当する厚さの円環状の樹脂部材64aが嵌挿されている。
一方、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面には、収容溝62bが形成されている。収容溝62bは、径方向外側に略コの字形状に窪み、かつ、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として形成されている。収容溝62bには、収容溝62bの深さに相当する厚さの円環状の樹脂部材64aが嵌挿されている。
次に、ダイレクトドライブモータ100の組立時にクロスローラ軸受14を固定する方法を説明する。
内輪14a側については、樹脂部材64aを収容溝62aに嵌挿し、樹脂部材64aおよび内輪14aを締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて樹脂部材64aを軟化させる。樹脂部材64aの軟化により締まり嵌めが緩和されるので、クロスローラ軸受14へのストレスが低減される。
外輪14b側については、樹脂部材64bを収容溝62bに嵌挿し、樹脂部材64bおよび外輪14bを締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて樹脂部材64bを軟化させる。樹脂部材64bの軟化により締まり嵌めが緩和されるので、クロスローラ軸受14へのストレスが低減される。
樹脂部材64a、64bを軟化させる温度は、クロスローラ軸受14の耐熱温度以下に設定する。これが実現できない場合は、樹脂部材64a、64bを軟化させた後にグリース封入を行う。
以上により、ハウジングインナ22および内輪14aが樹脂部材64aにより、ロータ12および外輪14bが樹脂部材64bにより固定される。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
コイル16に通電すると、ロータ12に回転トルクが付与され、ロータ12が回転する。そして、位置検出器20により、ロータ12と一体に回転するレゾルバロータ18との間のリラクタンス変化が検出され、制御器(不図示)により回転速度や位置決めの制御が行われる。
ダイレクトドライブモータ100に径方向の荷重が加わると、ハウジングインナ22と内輪14aの間に樹脂部材64aが、ロータ12と外輪14bの間に樹脂部材64bが嵌挿されているので、ハウジングインナ22と内輪14aの間の距離、およびロータ12と外輪14bの間の距離が変化するのが抑制される。その結果、レゾルバのギャップ変化が抑制される。
このようにして、本実施の形態では、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に収容溝62aを形成し、収容溝62aの深さに相当する厚さの樹脂部材64aを収容溝62aに嵌挿し、樹脂部材64aおよび内輪14aを締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて樹脂部材64aを軟化させる。
これにより、ダイレクトドライブモータ100に径方向の荷重が加わっても、従来に比して、ハウジングインナ22と内輪14aの間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバ30のギャップ変化が抑制され、レゾルバ30が誤検出する可能性を低減することができる。また、樹脂部材64aの軟化により締まり嵌めが緩和されるので、クロスローラ軸受14へのストレスを低減することができる。さらに、ハウジングインナ22および内輪14aが分解可能となるので、メンテナンス性を向上することができる。
さらに、本実施の形態では、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面に収容溝62bを形成し、収容溝62bの深さに相当する厚さの樹脂部材64bを収容溝62bに嵌挿し、樹脂部材64bおよび外輪14bを締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて樹脂部材64bを軟化させる。
これにより、ダイレクトドライブモータ100に径方向の荷重が加わっても、ロータ12と外輪14bの間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバ30のギャップ変化が抑制され、レゾルバ30が誤検出する可能性をさらに低減することができる。また、樹脂部材64bの軟化により締まり嵌めが緩和されるので、クロスローラ軸受14へのストレスを低減することができる。さらに、ロータ12および外輪14bが分解可能となるので、メンテナンス性を向上することができる。
さらに、本実施の形態では、嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として収容溝62a、62bを形成し、円環状の部材からなる樹脂部材64a、64bを収容溝62a、62bに嵌挿する。
これにより、ハウジングインナ22および内輪14a、またはロータ12および外輪14bをバランスよく固定することができるとともに、樹脂部材64a、64bの取り付けが容易となる。
さらに、本実施の形態では、クロスローラ軸受14の耐熱温度以下で樹脂部材64a、64bを軟化させる。
これにより、クロスローラ軸受14が熱破損する可能性を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、レゾルバ30は、クロスローラ軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出する位置検出器20とを有して構成されている。
このように、1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるタイプのレゾルバ30では、荷重によるギャップ変化の影響が大きいので、ギャップ変化の抑制は、誤検出防止に効果的である。
上記第1の実施の形態において、クロスローラ軸受14は、発明1ないし6の転がり軸受に対応し、ハウジングインナ22は、発明1、2または6の内輪被支持体に対応し、ロータ12は、発明1、2または6の外輪被支持体に対応し、レゾルバロータ18は、発明6の被検出体に対応している。また、位置検出器20は、発明6の検出手段に対応している。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図2および図3は、本発明に係る樹脂部材による転がり軸受の固定方法の第2の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、内輪押え26とハウジングインナ22、および外輪押え28とロータ12をそれぞれ熱膨張率の異なる材質で構成し、それらをインロー嵌合した点が異なる。
まず、本発明を適用するダイレクトドライブモータの構成を説明する。
図2は、ダイレクトドライブモータ100の軸方向の部分断面図である。
ロータ12およびハウジングインナ22は、内輪押え26および外輪押え28よりも熱膨張率の低い材質(例えば、鉄)で構成されている。これに対し、内輪押え26および外輪押え28は、ロータ12およびハウジングインナ22よりも熱膨張率の高い材質(例えば、アルミ)で構成されている。このように熱膨張率に差がある場合、内輪押え26および外輪押え28の熱膨張量に対してロータ12およびハウジングインナ22の熱膨張量が小さくなる。そこで、本実施の形態では、温度が上昇したときに、この熱膨張量の差を利用してインロー嵌合部に径方向の隙間が生じるのを防止する。
内輪押え26の下面の内周面側には、図2に示すように、ハウジングインナ22とインロー嵌合するための凸段部34aが軸方向に突出して形成され、ハウジングインナ22の上面の内周面側には、内輪押え26とインロー嵌合するための凹段部34bが形成されている。
そして、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでハウジングインナ22に締結することにより、内輪14aは、ハウジングインナ22に軸方向に押圧された状態でハウジングインナ22に固定されるとともに、内輪押え26およびハウジングインナ22は、凸段部34aおよび凹段部34bで軸方向にインロー嵌合される。
インロー嵌合部(凸段部34aおよび凹段部34bが嵌合する部分)では、熱膨張率の低いハウジングインナ22が熱膨張率の高い内輪押え26を径方向外側から嵌合する配置となっている。そのため、温度が上昇すると、内輪押え26がハウジングインナ22よりも膨張しようとするが、ハウジングインナ22が径方向外側に配置されているのでハウジングインナ22により抑制される。したがって、ハウジングインナ22と内輪押え26の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
図3は、インロー嵌合部での配置を逆にした場合を示す図である。
仮に、図3(a)に示すように、ハウジングインナ22と内輪押え26のインロー嵌合部において内輪押え26を径方向外側に配置する図2とは逆の配置を採用した場合は、温度が上昇すると、内輪押え26がハウジングインナ22よりも膨張することにより、図3(b)に示すように、ハウジングインナ22と内輪押え26の間に径方向の隙間が生じてしまう。
また、内輪押え26およびハウジングインナ22は、図2に示すように、ボルト26aの締結により内輪押え26の押圧部26bが内輪14aの上面に接触して固定されている状態において、凸段部34aの下面と凹段部34bの上面の間に軸方向の隙間h1が、内輪押え26の下面とハウジングインナ22の上面の間に軸方向の隙間h2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で内輪押え26およびハウジングインナ22が軸方向に膨張しても、凸段部34aの下面と凹段部34bの上面、および内輪押え26の下面とハウジングインナ22の上面が接触することがないので、内輪押え26およびハウジングインナ22の軸方向の嵌合については、常に、内輪押え26が内輪14aを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該軸方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、内輪押え26の押圧部26bと内輪14aの上面が接触する位置を基準として行われる。
また、内輪押え26は、内輪14aの側面と内輪押え26の側面の間に径方向の隙間w1が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で内輪押え26およびハウジングインナ22が膨張しても、内輪14aの側面と内輪押え26の側面が接触することがないので、内輪14aと内輪押え26およびハウジングインナ22の径方向の嵌合については、常に、ハウジングインナ22が内輪14aを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該径方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、ハウジングインナ22と内輪14aが接触する位置を基準として行われる。
一方、外輪押え28の下面の内周面側には、ロータ12とインロー嵌合するための凸段部36aが軸方向に突出して形成され、ロータ12の上面の内周面側には、外輪押え28とインロー嵌合するための凹段部36bが形成されている。
そして、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの上面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12に締結することにより、外輪14bは、ロータ12に軸方向に押圧された状態でロータ12に固定されるとともに、外輪押え28およびロータ12は、凸段部36aおよび凹段部36bで軸方向にインロー嵌合される。
インロー嵌合部(凸段部36aおよび凹段部36bが嵌合する部分)では、熱膨張率の低いロータ12が熱膨張率の高い外輪押え28を径方向外側から嵌合する配置となっている。そのため、温度が上昇すると、外輪押え28がロータ12よりも膨張しようとするが、ロータ12が径方向外側に配置されているのでロータ12により抑制される。したがって、ロータ12と外輪押え28の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
仮に、図3(a)に示すように、ロータ12と外輪押え28のインロー嵌合部において外輪押え28を径方向外側に配置する図2とは逆の配置を採用した場合は、温度が上昇すると、外輪押え28がロータ12よりも膨張することにより、図3(b)に示すように、ロータ12と外輪押え28の間に径方向の隙間が生じてしまう。
また、外輪押え28およびロータ12は、図2に示すように、ボルト28aの締結により外輪押え28の押圧部28bが外輪14bの上面に接触して固定されている状態において、凸段部36aの下面と凹段部36bの上面の間に軸方向の隙間h3が、外輪押え28の下面とロータ12の上面の間に軸方向の隙間h4が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で外輪押え28およびロータ12が軸方向に膨張しても、凸段部36aの下面と凹段部36bの上面、および外輪押え28の下面とロータ12の上面が接触することがないので、外輪押え28およびロータ12の軸方向の嵌合については、常に、外輪押え28が外輪14bを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該軸方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、外輪押え28の押圧部28bと外輪14bの上面が接触する位置を基準として行われる。
また、外輪押え28は、外輪14bの側面と外輪押え28の側面の間に径方向の隙間w2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で外輪押え28およびロータ12が膨張しても、外輪14bの側面と外輪押え28の側面が接触することがないので、外輪14bと外輪押え28およびロータ12の径方向の嵌合については、常に、ロータ12が外輪14bを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該径方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、ロータ12と外輪14bが接触する位置を基準として行われる。
このようにして、本実施の形態では、内輪押え26をハウジングインナ22よりも熱膨張率の高い材質で構成し、ハウジングインナ22が内輪押え26を径方向外側から嵌合するように内輪押え26およびハウジングインナ22を軸方向にインロー嵌合した。
これにより、温度が上昇しても、ハウジングインナ22と内輪押え26の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
さらに、本実施の形態では、内輪押え26およびハウジングインナ22は、内輪押え26の押圧部26bが内輪14aの上面に接触する状態において、凸段部34aの下面と凹段部34bの上面の間に軸方向の隙間h1が、内輪押え26の下面とハウジングインナ22の上面の間に軸方向の隙間h2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
これにより、内輪押え26およびハウジングインナ22の軸方向の嵌合については、常に、内輪押え26が内輪14aを固定する状態を維持することができる。
さらに、本実施の形態では、内輪押え26は、内輪14aの側面と内輪押え26の側面の間に径方向の隙間w1が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
これにより、内輪14aと内輪押え26およびハウジングインナ22の径方向の嵌合については、常に、ハウジングインナ22が内輪14aを固定する状態を維持することができる。
さらに、本実施の形態では、外輪押え28をロータ12よりも熱膨張率の高い材質で構成し、ロータ12が外輪押え28を径方向外側から嵌合するように外輪押え28およびロータ12を軸方向にインロー嵌合した。
これにより、温度が上昇しても、ロータ12と外輪押え28の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
さらに、本実施の形態では、外輪押え28およびロータ12は、外輪押え28の押圧部28bが外輪14bの上面に接触する状態において、凸段部36aの下面と凹段部36bの上面の間に軸方向の隙間h3が、外輪押え28の下面とロータ12の上面の間に軸方向の隙間h4が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
これにより、外輪押え28およびロータ12の軸方向の嵌合については、常に、外輪押え28が外輪14bを固定する状態を維持することができる。
さらに、本実施の形態では、外輪押え28は、外輪14bの側面と外輪押え28の側面の間に径方向の隙間w2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
これにより、外輪14bと外輪押え28およびロータ12の径方向の嵌合については、常に、ロータ12が外輪14bを固定する状態を維持することができる。
上記第2の実施の形態において、ハウジングインナ22は、発明7または8の内輪被支持体に対応し、内輪押え26は、発明7ないし9の内輪固定手段に対応し、ロータ12は、発明10または11の外輪被支持体に対応し、外輪押え28は、発明10ないし12の外輪固定手段に対応している。
なお、上記第1および第2の実施の形態においては、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に収容溝62aを、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面に収容溝62bを形成し、樹脂部材64a、64bを収容溝62a、62bに嵌挿して構成したが、これに限らず、図2に示すように構成することもできる。
図4は、内輪14a、外輪14bに収容溝66a、66bを形成した場合の断面図である。
内輪14aのハウジングインナ22の外周面との嵌合面には、図4に示すように、収容溝66aが形成されている。収容溝66aは、径方向外側に略コの字形状に窪み、かつ、内輪14aのハウジングインナ22の外周面との嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として形成されている。収容溝66aには、樹脂部材64aが嵌挿されている。
一方、外輪14bのロータ12の内周面との嵌合面には、収容溝66bが形成されている。収容溝66bは、径方向内側に略コの字形状に窪み、かつ、外輪14bのロータ12の内周面との嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として形成されている。収容溝66bには、樹脂部材64aが嵌挿されている。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として収容溝62a、62bを形成して構成したが、これに限らず、嵌合面であれば任意の箇所に任意の形状で形成して構成することもできる。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に収容溝62aを1つ形成して構成したが、これに限らず、同嵌合面に複数の収容溝62aを形成し、各収容溝62aに樹脂部材64aを嵌挿して構成することもできる。
これにより、ハウジングインナ22と内輪14aの間の距離が変化するのをさらに抑制することができる。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面に収容溝62bを1つ形成して構成したが、これに限らず、同嵌合面に複数の収容溝62bを形成し、各収容溝62bに樹脂部材64bを嵌挿して構成することもできる。
これにより、ロータ12と外輪14bの間の距離が変化するのをさらに抑制することができる。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、クロスローラ軸受14を適用したが、これに限定するものではなく、アンギュラ玉軸受、深溝玉軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受などを適用してもよい。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、本発明に係る樹脂部材による転がり軸受の固定方法を、ハウジングインナ22とロータ12を回転可能に支持する構造に適用したが、これに限らず、2つの部材の間に介在してそれらを相対的に回転可能に支持する構造であればどのような構造にも適用することもできる。
ダイレクトドライブモータ100の軸方向の断面図である。 ダイレクトドライブモータ100の軸方向の部分断面図である。 インロー嵌合部での配置を逆にした場合を示す図である。 内輪14a、外輪14bに収容溝66a、66bを形成した場合の断面図である。 従来の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
符号の説明
100 ダイレクトドライブモータ
12 ロータ
14 クロスローラ軸受
14a 内輪
14b 外輪
14c クロスローラ
16 コイル
18 レゾルバロータ
20 位置検出器
22 ハウジングインナ
26 内輪押え
28 外輪押え
34a、36a 凸段部
34b、36b 凹段部
1〜h4、w1、w2、32a、32b 隙間
62a、62b、66a、66b 収容溝
64a、64b 樹脂部材
12a、22a フランジ
26b、28b 押圧部
18a、20a、26a、28a ボルト

Claims (12)

  1. 内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置の組立時に適用される転がり軸受の固定方法において、
    前記内輪被支持体の前記内輪の内周面との嵌合面および前記内輪の前記内輪被支持体の外周面との嵌合面の一方に収容溝を形成し、前記収容溝の深さに相当する厚さの樹脂部材を前記収容溝に嵌挿し、前記樹脂部材および前記内輪を締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて前記樹脂部材を軟化させることを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  2. 内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置の組立時に適用される転がり軸受の固定方法において、
    前記外輪被支持体の前記外輪の外周面との嵌合面および前記外輪の前記外輪被支持体の内周面との嵌合面の一方に収容溝を形成し、前記収容溝の深さに相当する厚さの樹脂部材を前記収容溝に嵌挿し、前記樹脂部材および前記外輪を締まり嵌め設定で嵌合し、その後、温度を上昇させて前記樹脂部材を軟化させることを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  3. 請求項1および2のいずれか1項において、
    前記嵌合面の円周方向に伸長する円環状の溝として前記収容溝を形成し、円環状の部材からなる前記樹脂部材を前記収容溝に嵌挿することを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記転がり軸受の耐熱温度以下で前記樹脂部材を軟化させることを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記樹脂部材を軟化させた後にグリース封入を行うことを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記レゾルバは、内周および外周の一方を前記転がり軸受の軸心に対して偏心させた円環状の被検出体と、前記被検出体との間のリラクタンス変化を検出する検出手段とを有し、前記被検出体の内周および外周のうち偏心している側が前記検出手段に対向するように、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方に前記被検出体を、他方に前記検出手段を設けたことを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  7. 請求項1および2のいずれか1項において、
    前記転がり軸受装置は、さらに、軸方向の予圧を付与して前記内輪被支持体に前記内輪を固定する内輪固定手段を備え、
    前記内輪固定手段を前記内輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記内輪被支持体が前記内輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記内輪固定手段および前記内輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合することを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  8. 請求項7において、
    前記内輪固定手段および前記内輪被支持体は、前記内輪固定手段が前記内輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記内輪固定手段と前記内輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定することを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  9. 請求項7および8のいずれか1項において、
    前記内輪固定手段は、前記内輪と前記内輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定することを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  10. 請求項1および2のいずれか1項において、
    前記転がり軸受装置は、さらに、軸方向の予圧を付与して前記外輪被支持体に前記外輪を固定する外輪固定手段を備え、
    前記外輪固定手段を前記外輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記外輪被支持体が前記外輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記外輪固定手段および前記外輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合することを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  11. 請求項10において、
    前記外輪固定手段および前記外輪被支持体は、前記外輪固定手段が前記外輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記外輪固定手段と前記外輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定することを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
  12. 請求項10および11のいずれか1項において、
    前記外輪固定手段は、前記外輪と前記外輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定することを特徴とする樹脂部材による転がり軸受の固定方法。
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JPWO2008013286A1 (ja) * 2006-07-28 2009-12-17 京セラ株式会社 無線通信方法及び無線基地局
WO2023171080A1 (ja) * 2022-03-07 2023-09-14 日本トムソン株式会社 樹脂製の軌道輪を備えるクロスローラ軸受

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4658198B2 (ja) * 2006-07-28 2011-03-23 京セラ株式会社 無線通信方法及び無線基地局
WO2023171080A1 (ja) * 2022-03-07 2023-09-14 日本トムソン株式会社 樹脂製の軌道輪を備えるクロスローラ軸受

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