JP2008180095A - エンジンの始動装置 - Google Patents

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Hiroshi Kihara
博 木原
Shigeru Sakuragi
茂 桜木
Hidehiro Fujita
英弘 藤田
Shoji Yonetani
昭二 米谷
Takaaki Ishida
孝明 石田
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

【課題】追加の機構や追加のセンシングシステムを必要とすることなく、確実に始動開始気筒のピストン停止位置を自己始動可能な範囲内に収めることができ、かつエンジン再始動時における回転速度の急激な吹き上がりをも防止し得る装置を提供する。
【解決手段】点火始動エンジンにおいて、吸気通路(3)に吸気流量制御弁(2a)を備え、エンジン停止指令を受けて燃料噴射弁(7A、7B)からの燃料噴射及び点火プラグ(8A、8B)による火花点火を停止したのちエンジンが惰性で回転している間にこの吸気流量制御弁(2a)を開く開弁制御手段(21)と、この吸気流量制御弁(2a)が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる前にまたはこの吸気流量制御弁(2a)が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる際にこの吸気流量制御弁(2a)を閉じる閉弁制御手段(21)とをエンジンコントローラ(21)が含む。
【選択図】図3

Description

この発明はエンジン(内燃機関)の始動装置、特に直噴ガソリンエンジンの始動技術の改良に関する。
燃焼室内に燃料を直接的に噴射供給する燃料噴射弁と、燃焼室内の混合気に火花点火を行う点火プラグとを備え、これらの燃料噴射弁、点火プラグを用いてエンジンの停止後に膨張行程にある気筒に燃料を噴射供給すると共に火花点火を実行することにより、スタータモータの助けを借りることなくエンジンを再始動させる、いわゆる点火始動エンジンが提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−39038公報
ところで、点火始動エンジンでは、エンジン停止時に始動開始気筒のピストン位置を上死点後5°から上死点後110°までの範囲内、つまり自己始動可能な範囲内に停止させておくことが必須の条件となる。
しかしながら、始動開始気筒のピストン停止位置は一般的に大きくバラツクので、上記特許文献1の技術では必ずしも始動開始気筒のピストン停止位置を自己始動可能な範囲内に停止させることができないため、次のような工夫をしている。
(1)エンジン停止時に自己始動が可能な位置にクランクシャフト12を停止させるために機械的なブレーキ機構を設けておき、このブレーキ機構により機械的に始動開始気筒のピストン停止位置を、自己始動可能な範囲内(上死点後10°〜上死点後140°)に停止させる。
(2)従来エンジンと同じにスタータモータを設けておき、始動開始気筒のピストン停止位置が自己始動可能な範囲内にないときには始動開始気筒のピストン停止位置をこのスタータモータを駆動して自己始動可能な範囲内へと動かす。
(3)自己始動に際して始動開始気筒の燃焼室内吸入空気量に応じて燃料噴射量を算出することが必要なため、エンジン停止直前のエンジン揺り戻し現象も含め停止クランク角度を正確に検出する構成、つまり正逆転の検出及び回転速度がゼロとなったか否かの検出を可能とするセンシングシステムを追加する。
このように、特許文献1の技術によれば、ブレーキ機構を設けておくことやエンジンの正逆転の検出及び回転速度がゼロとなったか否かの検出を可能とする複雑なセンシングシステムを追加することが必要であり、かつ自己始動までの時間が長くなる(自己始動が遅くなる)。
そこで、点火始動エンジンにおいて、エンジン停止指令を受けて燃料噴射及び火花点火を停止したのちエンジンが惰性で回転している間に、吸気通路に設けたスロットル弁(吸気流量制御弁)を開くものを提案した。
この場合、その後にエンジン再始動条件を満たした場合に、スロットル弁が全開状態のままエンジンを再始動させたのではエンジン回転速度が急激に吹き上がり好ましくない。
そこで本発明は、追加の機構や追加のセンシングシステムを必要とすることなく、確実に始動開始気筒のピストン停止位置を自己始動可能な範囲内に収めることができ、かつエンジン再始動時における回転速度の急激な吹き上がりをも防止し得るエンジンの始動装置を提供することを目的とする。
本発明は、燃焼室内に燃料を直接的に噴射供給する燃料供給手段と、燃焼室内の混合気に火花点火を行う火花点火実行手段とを備え、これらの手段を用いてエンジンの停止後に膨張行程にある気筒に燃料を噴射供給すると共に火花点火を実行することにより、スタータモータの助けを借りることなくエンジンを再始動させるエンジンの始動装置において、吸気通路に吸気流量制御弁を備え、エンジン停止指令を受けて燃料噴射及び火花点火を停止したのちエンジンが惰性で回転している間にこの吸気流量制御弁を開き、この吸気流量制御弁が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる前にまたはこの吸気流量制御弁が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる際にこの吸気流量制御弁を閉じるように構成する。
本発明によれば、燃料供給手段と、火花点火実行手段とを用いてエンジンの停止後に膨張行程にある気筒に燃料を噴射供給すると共に火花点火を実行することにより、スタータモータの助けを借りることなくエンジンを再始動させるエンジンの始動装置において、吸気通路に吸気流量制御弁を備え、エンジン停止指令を受けて燃料噴射及び火花点火を停止したのちエンジンが惰性で回転している間にこの吸気流量制御弁を開くので、点火始動エンジンにおける従来技術のように、ブレーキ機構を設けておくことやエンジンの正逆転の検出及び回転速度がゼロとなったか否かの検出を可能とする複雑なセンシングシステムを追加することが不要となり、かつ自己始動までの時間が長くなる(自己始動が遅くなる)こともなく、始動開始気筒で常に最適な点火始動位置が得られる。
また、スロットル弁が開いたままエンジンを再始動させるとエンジン回転速度が急上昇するのであるが、本発明では、吸気流量制御弁が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる前にまたはこの吸気流量制御弁が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる際にこの吸気流量制御弁を閉じるので、再始動時のエンジン回転速度の急上昇を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態のエンジンの概略構成図、図2はエンジンの概略平面図、図3はエンジン制御システムの制御ブロック図を示している。ここでのエンジンはV型6気筒直噴ガソリンエンジンである。
図1、図2において、1は左右の各バンク1A、1Bを有するエンジン本体で、吸気通路3の上流側には、スロットル弁2a(吸気流量制御弁)とスロットルモータ2bとからなる電制スロットル装置2を備える。スロットルモータ2bはエンジンコントローラ21からのスロットルモータ制御信号を受けてスロットル弁2aを開閉駆動する。バタフライ型のスロットル弁2aにより調量された吸入空気は吸気通路3を介して吸気マニフォールドのコレクタ部4に一旦蓄えられ、このコレクタ部4より吸気マニフォールド5を経て一方のバンク1Aに属する各気筒の燃焼室6Aに、また他方のバンク1Bに属する各気筒の燃焼室6Bに流入する。
各燃焼室6A、6Bに臨んで燃料噴射弁7A、7B(燃料供給手段)と点火プラグ8A、8B(火花点火実行手段)とが気筒別に設けられている。燃料噴射弁7A、7Bはエンジンコントローラ21からの燃料噴射信号により所定の時期に開かれて燃料を一方のバンク1Aに属する気筒の各燃焼室6Aにあるいは他方のバンク1Bに属する気筒の各燃焼室6B内に直接的に噴射供給し、点火プラグ8A、8Bはエンジンコントローラ21からの点火信号により所定の時期に一方のバンク1Aに属する気筒の各燃焼室6A内の混合気に対してあるいは他方のバンク1Bに属する気筒の各燃焼室6B内の混合気に対して火花点火を行う。
各燃焼室6A、6Bに流入した空気は各燃料噴射弁7A、7Bからの燃料噴霧と混ざりつつ気化して可燃混合気を作り、各点火プラグ8A、8Bにより燃焼し、燃焼したガスは急激に膨張して各燃焼室6A、6B内の圧力を急激に高める。この急激な圧力の上昇を受けて、各気筒のシリンダ9A、9B内を往復動するピストン10A、10Bが下降し、これら各ピストン10A、10Bの直線運動はそれぞれ各コンロッド11A、11Bを介して一本のクランクシャフト12の回転運動へと変換される。
クランクシャフト12に連結されるクランクプーリ13が、図2に示したように下側に見えており、このクランクプーリ13からみて左側のバンク1Aの手前の気筒をNo.1気筒として6つの気筒に対してそれぞれ気筒番号が振られている。この実施形態では、6気筒の点火順序がNo.1−No.2−No.3−No.4−No.5−No.6の順であるため、6つの各気筒では図4に示したようにそれぞれ各行程を迎えることになる。
燃焼したガスは所定のタイミングでそれぞれの気筒の排気弁が開いたとき排気管14A、14Bへと排出される。各排気管14A、14Bには2つの触媒15A、15B、16A、16Bが直列に備えられ、2つの触媒の下流の排気管は下流で1つにまとめられている。
図3に示したように、POSセンサ(ポジションセンサ)22、PHASEセンサ(フェーズセンサ)23からの信号、エアフローメータ24からの吸入空気流量の信号、水温センサ25からのエンジン冷却水温の信号が、イグニッションスイッチ(図示しない)からの信号、アクセルセンサ26からのアクセル開度の信号、ブレーキセンサ27からのブレーキペダルを操作しているか否かの信号、車速センサ28からの車速の信号と共に入力されるエンジンコントローラ21では、これらの信号に基づいてスロットル開度(スロットル弁2aの開度)制御、各燃料噴射弁7A、7Bを介しての気筒毎の燃料噴射制御、各点火プラグ8A、8Bを介しての気筒毎の点火時期制御を行う。スロットル弁開度の制御では、アクセル開度とエンジン回転速度とに基づいて目標吸入空気量を算出し、この目標吸入空気量に基づいて目標スロットル開度を算出し、この目標スロットル開度が得られるようにスロットルモータ2bを駆動する。燃料噴射制御では、エンジン始動後に運転条件(エンジンの負荷と回転速度から定まる)が成層燃焼域にあるのかそれとも均質燃焼域(成層燃焼域より高負荷側あるいは高回転側に設けられている)にあるのかを判定し、運転条件が成層燃焼域にあるときには燃料噴射弁7A、7Bを用いて圧縮行程で燃焼室内に燃料を噴射し、その噴射された燃料噴射弁からの燃料噴霧を吸気流動を用いて混合気塊としつつ点火プラグ8A、8Bに誘導し、かつ点火時期にちょうど点火プラグ8A、8Bの付近にくるように燃料噴射時期とガス流動とを制御して燃焼(成層燃焼)させ、燃焼室全体の空燃比として理論空燃比よりもリーン側の空燃比となるように、また運転条件が均質燃焼域になると燃焼室全体に均質な混合気を満たし空燃比としては理論空燃比となるようにそれぞれ燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する。
このような成層燃焼を行い得るエンジンを備える車両には、エンジンの自動停止再始動を行う機能がエンジンコントローラ21に組み込まれている。これを図5を参照して説明すると、図5は車両の自動停止から再発進のための待機状態までにブレーキ指令(ブレーキセンサ27の検出信号)、車速、エンジン回転速度、スロットル開度がどのように変化するのかを示している。t1で車両の減速のため運転者がアクセルペダルから足を離すと、これに連動してスロットル弁2aが戻されt2のタイミングでスロットル弁2aが初期位置に戻される(スロットル開度はゼロ)。なお、スロットル開度がゼロになっても、実際にはアイドル時の回転速度を維持できるだけの吸入空気量はスロットル弁2aの隙間を通して流れている。
t3のタイミングでブレーキペダルを踏み込むとブレーキ指令がOFFよりONへと切換わり、少し遅れたt4のタイミングより車速と回転速度とがともに低下してゆく(減速状態)。t5で車両が停止し(車速はゼロ)エンジンはアイドル状態となる。車両が停止状態になったことは、ブレーキセンサ27からの信号と車速センサ28からの車速信号とによりエンジンコントローラ21が把握しているので、t5のタイミングより所定時間T1が経過したt6のタイミングでエンジンを自動停止させるため、エンジンコントローラ21では各燃料噴射弁7A、7Bによる燃料噴射を全て停止し、かつ各点火プラグ8A、8Bによる火花点火を全てやめる。これによりエンジン回転速度はt6のタイミングよりゼロに向かって落ちてゆき、t7のタイミングでゼロ、つまりエンジン停止する。
このエンジン自動停止後であるt8のタイミングで車両の再発進のため運転者がブレーキペダルを離すとブレーキ指令はONよりOFFへと切換わる。これを受けてエンジンコントローラ21ではエンジン自動再始動の操作に入る。すなわち、ブレーキペダルを離したt8のタイミングから所定時間T2が経過したt9のタイミングで各燃料噴射弁7A、7Bによる気筒毎の燃料噴射を再開し、かつ各点火プラグ8A、8Bによる気筒毎の火花点火を行わせ、エンジンを再始動する。エンジンが再始動されるとエンジンはt10のタイミングでアイドル回転速度に到達する(アイドル状態に落ち着く)。
図5においてt6からt8までの範囲でスロットル弁2aを開いているが、これは本発明に係る部分であり後述する。なお、従来のエンジンでは、t6からt8までの範囲でスロットル開度はゼロになっている。
このように、エンジンの自動停止再始動を行う機能を有するエンジンにおいて、エンジンの再始動のたびにスタータモータを用いてクランクシャフト12をクランキングするのでは、スタータモータの使用頻度が極端に高くなったり、スタータモータへの頻繁な電流供給によってバッテリ消費電力が増大したりするなどの問題があるため、スタータモータなしでエンジンを自己始動させようとする、いわゆる点火始動エンジンが提案されている(特開2002−39038公報参照)。この点火始動エンジンにおける従来技術では、4気筒直列噴射エンジンにおいてエンジン停止時に始動開始気筒(例えば1番気筒)のピストン位置を上死点後5°から上死点後110°までの範囲内、つまり自己始動可能な範囲内に停止させておき、エンジン始動時に燃焼室内の吸入空気量に応じた燃料量を燃料噴射弁より噴射した後に点火することで、スタータモータの助けを借りることなくエンジンを自己始動させるようにしている。
しかしながら、始動開始気筒のピストン停止位置は一般的に大きくバラツクので、こうした点火始動エンジンにおける従来技術では必ずしも始動開始気筒のピストン停止位置を自己始動可能な範囲内に停止させることができないため、次のような工夫をしている。
(1)エンジン停止時に自己始動が可能な位置にクランクシャフト12を停止させるために機械的なブレーキ機構を設けておき、このブレーキ機構により機械的に始動開始気筒のピストン停止位置を自己始動可能な範囲内(上死点後10°〜140°)に停止させる。
(2)従来エンジンと同じにスタータモータを設けておき、始動開始気筒のピストン停止位置が自己始動可能な範囲内に収まらなかったときには始動開始気筒のピストン停止位置をこのスタータモータにより自己始動可能な範囲内へと動かす。
(3)自己始動に際して始動開始気筒の燃焼室内吸入空気量に応じて燃料噴射量を算出することが必要なため、エンジン停止直前のエンジン揺り戻し現象も含め停止クランク角度を正確に検出する構成、つまりエンジンが正転しているのか逆転しているのかの正逆転の検出及び回転速度がゼロとなったか否かの検出を可能とするセンシングシステムを追加する。
しかしながら、上記(1)のブレーキ機構を設けておくことや上記(3)のように複雑なセンシングシステムを追加することはコスト高になる。また、上記(2)の構成によれば、自己始動までの時間が長くなる(自己始動が遅くなる)ため運転性が悪化するほか、音振性能が悪化しコストも増大する。
そこで、本発明者は点火始動エンジンにおける従来の考え方に対し発想の転換を行ってみた。すなわち、始動開始気筒のピストン停止位置(=クランクシャフト12の停止位置)がそもそも大きなバラツキを有しているから始動開始気筒のピストン停止位置を自己始動可能な範囲内に収める操作が必要になるのであれば、始動開始気筒のピストン停止位置が自己始動可能な範囲内にとどまるようにできないか、と発想したものである。この発想のもと、始動開始気筒のピストン停止位置はクランクシャフト12に作用する圧力バランスにより定まり、この圧力バランスに影響する因子は主に吸排気弁が閉じた状態での燃焼室内圧力にあると見当を付け、吸排気弁が閉じた状態での燃焼室内圧力を変えて様々に実験を行ってみたところ、エンジン停止指令を受けて燃料噴射及び火花点火を停止したのち、エンジンが惰性で回転している間に燃焼室6A、6Bに大気圧を導入することによって始動開始気筒のピストン停止位置を自己始動可能な範囲内にとどめることに成功した。
図6は本発明者が得た実験結果である。図6において横軸に始動開始気筒のピストン停止位置(=クランクシャフト12の停止位置)を、縦軸に頻度を採っている。従来エンジンの場合(図では「V6装置無し」で記載)には破線で示したように始動開始気筒のピストン停止位置が上死点後40°から上死点後90°の広い範囲にばらついているのに対して、本発明を適用してエンジン停止指令を受けて燃料噴射及び火花点火を停止したのち、エンジンが惰性で回転している間に燃焼室6A、6Bに大気圧を誘導するようにしたエンジンの場合(図では「V6装置付き」で記載)には、実線で示したように始動開始気筒のピストン停止位置が上死点後50°から上死点後65°の非常に狭い範囲にほぼ全数が停止していることがわかる。
この理由は、スロットル弁2a下流の吸気圧力を大気圧に近づけて(大気圧に誘導する)、圧縮行程及び膨張行程にある各ピストン10A、10Bのポンプ仕事を大きくさせることで圧縮行程及び膨張行程にある各ピストン10A、10Bの反力が大きくなり、この大きくなった反力により始動開始気筒のピストン停止位置のバラツキの範囲が狭まるものと思われる。
このようにして、始動開始気筒のピストン停止位置が自己始動可能な範囲にとどまるエンジンが実現されると、点火始動エンジンにおける従来技術のように上記(1)のブレーキ機構を設けておくことや上記(3)のように複雑なセンシングシステムを追加することは不要となる。また、上記(2)のように自己始動までの時間が長くなる(自己始動が遅くなる)こともない。これは、本発明によれば、エンジンが停止する際やエンジンが停止してからのいずれにおいても何もしなくても、エンジン自体の働きにより始動開始気筒のピストン停止位置が自己始動可能な範囲内にとどまるためである。
なお、図4において始動開始気筒は6つの気筒のうちどの気筒にしても良いのであるが、仮にNo.1気筒を始動開始気筒とすると、始動開始気筒の膨張行程で燃料噴射弁からの燃料噴射と点火プラグによる火花点火とを行って自己始動させることとなる。この場合に、No.1気筒の膨張行程と、次気筒であるNo.4気筒の圧縮行程とが全範囲で重なり、かつNo.1気筒の膨張行程と、No.2気筒、No.3気筒、No.5気筒及びNo.6気筒の各圧縮行程とが一部の範囲で重なっている。従って、No.1気筒の発生トルクで自己始動が行われるためには、No.1気筒の発生トルクが、残り5つの気筒(No.2気筒〜No.6気筒)の圧縮トルクの合計より大きいことが必要である。もしもこの条件が満たされずNo.1気筒(始動開始気筒)の発生トルクが残り5つの気筒(No.2気筒〜No.6気筒)の圧縮トルクの合計より小さい場合には(あるいはNo.1気筒の発生トルクが残り5つの気筒の圧縮トルクの合計より確実に大きくなるようにするためには)特開2002−39038公報に開示されている公知の方法を用いて、No.1気筒(始動開始気筒)の発生トルクが残り5つの気筒(No.2気筒〜No.6気筒)の圧縮トルクの合計より大きくなるような対策を施せばよい。本発明は、始動開始気筒のピストン停止位置に関する発明であるので、始動開始気筒の発生トルクと次気筒の圧縮トルクの関係については対象外であるので説明しない。従って、本発明では膨張行程にある始動開始気筒に対して燃料噴射供給と火花点火とを行えば、その始動開始気筒の発生するトルクによって必ず自己始動するものとする。
さて、燃焼室6A、6Bに大気圧を誘導するには、エンジン自動停止条件を満たし、エンジン自動停止指令を受けたエンジンコントロールユニット21が燃料噴射弁7A、7Bによる燃料噴射供給及び点火プラグ8A、8Bによる火花点火を中断したのち、エンジンが惰性で回転低下してエンジン停止するまでのエンジン回転中において、吸気通路3の上流位置に設けているスロットル弁2aを開けばよい。これを図5に戻って説明すると、エンジン停止までの惰性回転中はt6からt7までの期間であるので、このt6〜t7の期間において図5第4段目に示したようにスロットル弁2aを全閉位置より例えば全開位置まで開くこととなる。
ただし、図5第4段目に示したエンジン停止までの惰性回転中(t6〜t7の期間)に行うスロットル弁2aの開弁方法についてはこれに限られるものでなく、様々な態様が考えられる。これをまとめて図7に示す。図7は図5のうちエンジン停止までの惰性回転中におけるエンジン回転速度とスロットル開度とを取り出して示したもので、図5と同じタイミングには同じ符号を付けている。個々に説明すると、図7(b)はエンジン回転の停止開始タイミングであるt6でスロットル開度を全閉位置より全開位置まで、また図7(c)はエンジン回転の停止開始タイミングであるt6でスロットル開度を全閉位置より全開位置でない所定開度までそれぞれステップ的に大きくしたものである。
これに対して、図7(d)はエンジン回転の停止開始タイミングであるt6よりスロットル開度を一定の速度で増大してゆき、エンジン回転速度がゼロになるエンジン停止タイミングt7で全開位置に達するように、また図7(e)はエンジン回転の停止開始タイミングであるt6よりスロットル開度を一定の速度で徐々に増大してゆき、エンジン回転速度がゼロになるエンジン停止タイミングt7のタイミングで全開位置ではない所定開度に達するようにしたものである。スロットル開度をステップ的に大きくすると、つまり急激にスロットル弁2aを開くと、開弁の前後でポンプ仕事が大きく変化してエンジン振動が大きくなったり、スロットル弁2aを開く際に発生する吸入空気音が大きくなったりするのであるが、このようにスロットル開度をゼロより漸増させることで、急激にスロットル弁2aを開くのと比べ、ポンプ仕事によるエンジン振動を小さくでき、またスロットル弁2aを開く際に発生する吸入空気音も小さくできる。
スロットル弁2aは、t6(燃料噴射及び火花点火を停止した時点)からt7(エンジンが完全に停止する時点)までの範囲で開けばよいので、図7(d)、図7(e)に示したようにそのt6からt7までの全区間で開き続けることは必要でなく、図7(f)に示したようにスロットル開度を増大させるタイミングをエンジン停止タイミングt7のすぐ手前のタイミングt11(エンジンが完全に停止する時点より所定時間T3前の時点)まで遅らせ、エンジン停止タイミングt7で全開位置となるように、また図7(g)に示したようにスロットル開度を増大させるタイミングをエンジン停止タイミングt7のすぐ手前のタイミングt11まで遅らせ、エンジン停止タイミングt7で全開位置でない所定開度となるようにすることができる。
このようにしてエンジンが完全に停止するまでの惰性回転中にスロットル弁2aを開くのであるが、その後にエンジン再始動条件を満たした場合に、スロットル弁2aが全開状態のままエンジンを再始動させたのでは、エンジン回転速度が急激に吹き上がり好ましくない。
そこで本発明ではさらに、スロットル弁2aが開き終わった後でかつエンジンを再始動させる前にまたはスロットル弁2aが開き終わった後でかつエンジンを再始動させる際にスロットル弁2aを全閉位置に戻す。これについて図8、図9、図10を参照して説明すると、図8、図9、図10も図7と同様に図5のうちエンジン回転速度とスロットル開度とを取り出して示したもので、図5と同じタイミングには同じ符号を付けている。ただし、図8、図9、図10はエンジン停止の開始タイミングであるt6でスロットル弁2aを全閉位置から全開位置へとステップ変化させる場合を前提としている。
まず図8は全開位置まで開いたスロットル弁2aをどのタイミングで全閉位置に戻すのかについての基本的な考え方を、つまり図8上2段はエンジン再始動時にスロットル弁2aを全閉位置へと戻す場合を、図8下2段はエンジン停止後直ぐにスロットル弁2aを全閉位置へと戻す場合を示している。すなわち、図8上2段ではエンジン再始動のタイミングであるt9より所定時間T3前のタイミングであるt14を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じエンジン再始動のタイミングであるt9で全閉位置となるように、また図8下2段ではエンジン停止のタイミングであるt7より所定時T4間経過後のt12のタイミングを起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じ所定時間T5経過後であるt13のタイミングで全閉位置となるようにしている。なお、図8第2段目のように「t9より所定時間T3前のタイミングであるt14を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じ」るようにするためには、エンジン停止のタイミングであるt7より所定時間T6が経過するタイミングであるt14を起点としてスロットル弁を徐々に閉じるようにしておけばよい。
図9は全開位置まで開いたスロットル弁2aを全閉位置に戻す場合の具体的な態様を示している。個々に説明すると、図9(b)はエンジン停止のタイミングであるt7でスロットル開度が全開位置よりステップ的に全閉位置となるように(つまりエンジンが停止したら直ぐに閉じる)、図9(c)はエンジン停止のタイミングであるt7より所定時間T7前のt21のタイミングを起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じエンジン停止のタイミングであるt7で全閉位置となるように(つまりエンジンが停止する前にゆっくり閉じる)、図9(d)はエンジン停止のタイミングであるt7を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じエンジン停止のタイミングであるt7より所定時間T8後のタイミングであるt22で全閉位置となるように(つまりエンジン停止したらゆっくり閉じる)するものである。なお、図9(c)のように「t7より所定時間T7前のタイミングであるt21を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じ」るようにするためには、エンジン停止開始のタイミングであるt6より所定時間T10が経過するタイミングであるt21を起点としてスロットル弁を徐々に閉じるようにしておけばよい。
図9(e)はエンジン再始動のタイミングであるt9でスロットル開度が全開位置よりステップ的に全閉位置となるように(自己始動したら直ぐ閉じる)、図9(f)はエンジン再始動のタイミングであるt9を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じエンジン再始動のタイミングであるt9より所定時間T8後のタイミング(エンジン回転速度がアイドル回転速度に到達するタイミング)であるt10で全閉位置となるように(つまりエンジン回転速度の上昇に合わせて閉じる)するものである。このように、エンジンの再始動時にスロットル弁2aを全閉位置に戻すといっても、エンジンを再始動するタイミングの前に戻しておく必要はなく、エンジン再始動のタイミング(t9)でスロットル弁2aをステップ的にあるいは徐々に全閉位置へと戻してもエンジン回転速度が急上昇することはない。実験に用いたV型6気筒直噴エンジンでは、1発目の膨張行程の自己始動に始まり、3点火目までは吸気管(3、4、5)内の圧力は大気と同じ状態であるのでスロットル弁2aを全閉位置に閉じていても全開位置に開いていても変化がみられないが、4点火目からはスロットル弁を開いて始動するとエンジン回転速度が急上昇した。これより、エンジン再始動のタイミング(t9)でスロットル弁2aをステップ的にあるいは徐々に全閉位置へと戻してやればよいことがわかる。
図9(g)はエンジン停止の開始タイミングであるt6を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じエンジン停止のタイミングであるt7で全閉位置となるように(エンジン回転速度の低下に合わせて閉じる)するものである。
一方、図10は、図8、図9と相違してエンジンが停止する前のエンジンの惰性回転中にエンジン再始動条件が満たされこれによってエンジンが再始動される場合に、全開位置まで開いたスロットル弁2aをどのタイミングで全閉位置に戻すのかを示している。すなわち、図9最上段に示したように、エンジン再始動条件が満たされエンジンの惰性回転途中のタイミングであるt31でエンジンが再始動されたために、エンジン回転速度がこのt31より上昇し、所定時間T12経過後のタイミングであるt32でアイドル回転速度に到達している。この場合に、図9(b)はエンジンの惰性回転途中のタイミングであるt31でスロットル開度が全開位置よりステップ的に全閉位置となるように(自己始動したらすぐ閉じる)、図9(c)はエンジンの惰性回転途中のタイミングであるt31を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じエンジンの惰性回転途中のタイミングであるt31より所定時間T12後のタイミング(エンジン回転速度がアイドル回転速度に到達したタイミング)であるt32で全閉位置となるように(つまりエンジン回転速度の上昇に合わせて閉じる)、図9(d)はエンジンの惰性回転途中のタイミングであるt31より所定時間T11前のタイミングであるt33を起点としてスロットル弁2aを徐々に閉じエンジンの惰性回転途中のタイミングであるt31で全閉位置となるように(つまり自己始動する前に閉じる)したものである。
次に、エンジンコントローラ21で実行されるエンジン自動停止・再始動の制御を図11のフローチャートを参照して説明する。図11のフローは時系列的な手順を示すものである。ただし、スロットル弁2aは図9(e)に示したように所定のタイミング(t6)で全閉位置より全開位置へとステップ的に開きかつ所定のタイミング(t9)で全開位置より全閉位置へとステップ的に閉じる場合とする。
ステップ1では車速センサ28により検出される車速がゼロであるか否かをみる。車速がゼロでない場合には車両が停止していないのでそのまま待機する。
車速がゼロの場合にはステップ2に進みブレーキペダルが踏まれているか否かをみる。ブレーキペダルが踏まれていない場合にはブレーキセンサ27はOFFであり、ブレーキペダルが踏まれるとブレーキセンサ27はONになる。従って、ブレーキペダルが踏まれていない場合には車両が確実に停止していないと判断してステップ1に戻る。
ブレーキペダルが踏まれている場合にはステップ2よりステップ3に進み、車両停止状態に近い状態になってから(ステップ1、2の要件を満たしてから)一定時間T1(図5参照)が経過しているか否かをみる。一定時間T1が経過していない場合には車両は確実に停止していないと判断し、ステップ1に戻る。
車両停止状態に近い状態になってから一定時間T1が経過している場合には車両が確実に停止していると判断し、ステップ3よりステップ4、5に進み、ステップ4及び5の操作を同時に行わせる。すなわち、各燃料噴射弁7A、7Bからの燃料噴射を全て中断し、各点火プラグ8A、8Bによる火花点火を全てカットする。これにより、エンジンはトルクを発生しなくなり、エンジンが惰性で回転しつつエンジン停止状態へと向かう。
ステップ6ではステップ4、5の操作とほぼ同時に行う操作で、スロットル弁2aを全開位置へとステップ的に開く。これにより、エンジン回転が惰性で回転しつつエンジン停止状態に向かっている間、各気筒の燃焼室6A、6B内にほぼ大気圧の吸入空気が導入(誘導)される。
続くステップ7ではクランク角センサ(22、23)からの信号に基づいてエンジンが停止したか否かをみる。エンジンが停止していない場合にはそのまま待機する。やがてエンジンが停止した場合にはステップ7よりステップ8に進んでブレーキペダルが踏まれているか否かをみる。ブレーキペダルが踏まれたままである場合にはそのまま待機する。
この場合に本発明では、エンジンが惰性で回転している間にスロットル弁2aが開くことで、始動開始気筒(例えばNo.1気筒)のピストン停止位置が自己始動可能な範囲内にとどまる。
ブレーキペダルが離された場合(エンジン再始動条件を満たした場合)には車両発進が行われることを予測してステップ9、10、11に進み、ステップ9、10及び11の操作を同時に行わせる。すなわち、スロットル弁2aを初期位置(全閉位置)へとステップ的に戻し、各燃料噴射弁7A、7Bからの燃料噴射を再開し、各点火プラグ8A、8Bによる火花点火を実行する。これによってエンジンが再始動され車両発進に備えられる。
ここで、本発明によれば始動開始気筒のピストン停止位置は、図6に示したように自己始動可能な範囲内のうちの狭い範囲にとどまるので、始動開始気筒のピストン停止位置より始動開始気筒の燃焼室内の吸入空気量を予め知ることができる。つまり、点火始動エンジンにおける従来技術のように、自己始動に際して始動開始気筒の燃焼室内吸入空気量に応じて燃料噴射量を算出することは不要であるので、自己始動の初回には始動開始気筒に一定値の燃料噴射量を与えればよい。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、燃焼室6A、6B内に燃料を直接的に噴射供給するする燃料噴射弁7A、7B(燃料供給手段)と、燃焼室6A、6B内の混合気に火花点火を行う点火プラグ8A、8B(火花点火実行手段)とを備え、これらの燃料噴射弁7A、7B、点火プラグ8A、8Bを用いてエンジンの停止後に膨張行程にある気筒に燃料を噴射供給すると共に火花点火を実行することにより、スタータモータの助けを借りることなくエンジンを再始動させるエンジンの始動装置において、吸気通路3にスロットル弁2a(吸気流量制御弁)を備え、エンジン停止指令を受けて燃料噴射及び火花点火を停止したのちエンジンが惰性で回転している間にスロットル弁2aを全開位置へと開くので(図8第2段目、第4段目、図9(b)〜図9(g)、図10(b)〜図10(d)、図11のステップ4、5、6参照)、点火始動エンジンにおける従来技術のように、ブレーキ機構を設けておくことやエンジンの正逆転の検出及び回転速度がゼロとなったか否かの検出を可能とする複雑なセンシングシステムを追加することが不要となり、かつ自己始動までの時間が長くなる(自己始動が遅くなる)こともなく、始動開始気筒で常に最適な点火始動位置が得られる。
また、スロットル弁2aが全開位置で開いたままエンジンを再始動させるとエンジン回転速度が急上昇するのであるが、本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、スロットル弁2a(吸気流量制御弁)が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる前にまたはスロットル弁2aが開き終わった後でかつエンジンを再始動させる際にスロットル弁2aを全閉位置へと閉じるので(図8第2段目、第4段目、図9(b)〜図9(g)、図10(b)〜図10(d)、図11のステップ7、8、9、10参照)、再始動時のエンジン回転速度の急上昇を防止することができる。
エンジンを再始動するに際して、まずスロットル弁2aを開く動作を行い、この動作が終了したあとに再始動に入るとすれば、スロットル弁2aを開く動作を終了させるまでの時間が再始動までの待機時間となってしまうが、本実施形態(請求項2に記載の発明)によれば、スロットル弁2aが開き終わった後、エンジンが停止した後にまたはエンジンが停止する前にスロットル弁2aを全閉位置へと閉じるので(図8第4段目、図9(b)〜図9(d)、図11のステップ1、2、3、6参照)、エンジン再始動までの待機時間を短縮でき、エンジン再始動を素早く行うことができる。
エンジンが惰性で回転している間にエンジンを再始動させる条件を満たした場合にもエンジンが停止するのを待って再始動を行わせるのではエンジン再始動までの待機時間が長くなってしまうが、本実施形態(請求項3に記載の発明)によれば、エンジンが惰性で回転している間にエンジンを再始動させる条件を満たした場合に、エンジンを再始動させると同時にまたはエンジンを再始動させる前にスロットル弁2aを全閉位置へと閉じるので(図10(b)〜図10(d)参照)、エンジンが停止するのを待たなくてよくなりエンジン再始動までの待機時間を短縮でき、エンジン再始動を素早く行うことができる。
図12は、第2実施形態の吸気系の概略構成図を示している。第2実施形態は、スロットル弁2aをバイパスする補助空気通路31を設け、この補助空気通路31の開口面積を可変に制御し得る電磁バルブ32(吸気流量制御弁)をこの補助空気通路31に介装し、この電磁バルブ32で図8第2段目、第4段目、図9(b)〜図9(g)、図10(b)〜図10(d)に示した各スロットル開度の変化と同様の変化を行わせるものである。すなわち、図8第2段目、第4段目、図9(b)〜図9(g)、図10(b)〜図10(d)では縦軸がスロットル開度になっているが、第2実施形態としては、縦軸を電磁バルブ32の開口面積に置き換えて適用すればよい。例えば、図9(b)に示したスロットル開度の変化に相当する電磁バルブ32の開口面積の変化を図13(a)に示すと、エンジン回転の停止開始タイミングであるt6で電磁バルブ32の開口面積を状態2より状態1へとステップ的に切換え、またエンジンの停止タイミングであるt7で電磁バルブ32の開口面積を状態1(最小値)より状態2(最大値)へとステップ的に切換えている。ここで、状態1とは図10(b)左側に示したように電磁バルブ32の開口面積がゼロでない所定値(例えば最大値)にある状態、状態2とは図10(b)右側に示したように電磁バルブ32の開口面積がゼロ(最小値)の状態のことである。
このようにして第2実施形態によっても第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
第2実施形態では補助空気通路31に電磁バルブ32を設けているが、これに限られない。例えば電磁バルブに代えてバタフライ型の第2のスロットル弁を設け、この第2のスロットル弁により図8第2段目、第4段目、図9(b)〜図9(g)、図10(b)〜図10(d)に示した各スロットル開度の変化を行わせるようにしてもかまわない。このとき例えば、図13(a)に示した状態1、状態2は図13(c)に示したようになる。また、電磁バルブに代えて機械式バルブで構成してもかまわない。
実施形態では、V型6気筒直噴エンジンについて検討したのみで、V型8気筒直噴エンジンや直列の直噴エンジンについては検討していない。しかしながら、V型8気筒直噴エンジンや直列の直噴エンジンにも適用できるように思われる。
本発明の第1実施形態のエンジンの概略構成図。 エンジンの概略平面図。 エンジン制御システムの制御ブロック図。 V型6気筒エンジンの行程図。 車両の自動停止から再発進のための待機状態までの動きを示す波形図。 クランクシャフトの停止位置に対する頻度分布を示す特性図。 エンジン停止までの惰性回転中に行うスロットル弁の開弁方法を示す波形図。 全開位置まで開いたスロットル弁をどのタイミングで全閉位置に戻すのかについての基本的な考え方を示す波形図。 全開位置まで開いたスロットル弁を全閉位置に戻す場合の具体的な態様を示す波形図。 エンジンが停止する前のエンジンの惰性回転中にエンジン再始動条件が満たされこれによってエンジンが再始動される場合に、全開位置まで開いたスロットル弁をどのタイミングで全閉位置に戻すのかを示す波形図。 エンジン自動停止・再始動の制御を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の吸気系の概略構成図。 第2実施形態のエンジン停止までの惰性回転中に行う電磁バルブの開弁方法と、電磁バルブの開弁を終了した後に行う電磁バルブの閉弁方法とを示す波形図。
符号の説明
1 エンジン本体
2a スロットル弁(吸気流量制御弁)
6A、6B 燃焼室
7A、7B 燃料噴射弁(燃料供給手段)
8A、8B 点火プラグ(火花点火実行手段)
12 クランクシャフト
21 エンジンコントローラ

Claims (6)

  1. 燃焼室内に燃料を直接的に噴射供給する燃料供給手段と、
    燃焼室内の混合気に火花点火を行う火花点火実行手段と
    を備え、
    これらの手段を用いてエンジンの停止後に膨張行程にある気筒に燃料を噴射供給すると共に火花点火を実行することにより、スタータモータの助けを借りることなくエンジンを再始動させるエンジンの始動装置において、
    吸気通路に設けた吸気流量制御弁と、
    エンジン停止指令を受けて燃料噴射及び火花点火を停止したのちエンジンが惰性で回転している間にこの吸気流量制御弁を開く開弁制御手段と、
    この吸気流量制御弁が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる前にまたはこの吸気流量制御弁が開き終わった後でかつエンジンを再始動させる際にこの吸気流量制御弁を閉じる閉弁制御手段と
    を含むことを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 前記吸気流量制御弁が開き終わった後、エンジンが停止した後にまたはエンジンが停止する前に前記吸気流量制御弁を閉じることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  3. 前記エンジンが惰性で回転している間にエンジンを再始動させる条件を満たした場合に、エンジンを再始動させると同時にまたはエンジンを再始動させる前に前記吸気流量制御弁を閉じることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  4. 前記吸気流量制御弁を閉じる時期は、吸気流量制御弁が開き終わった時点からエンジンを再始動させることによってエンジン回転速度がアイドル回転速度に到達する時点までの範囲内とすることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  5. 前記吸気流量制御弁はアイドル時に全閉位置に制御されるスロットル弁であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  6. 前記吸気流量制御弁はスロットル弁をバイパスする補助空気通路を開口する面積を調整可能な流量制御弁であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置。
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