JP2008179071A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体中に混入した気泡をクリーニング動作によって効率よく排出する。
【解決手段】液体収容容器から取り込んだ液体を、拡大通路を経由してフィルタを通過させた後、液体導入通路を介して圧力室に供給し、圧力室内で加圧することによって、ノズルから液体を噴射する。拡大通路では、通路内の断面積が拡大しているために、主流領域と非主流領域とが形成されるが、主流領域内の気泡が非主流領域に移動することを防止する気泡防止部材を拡大通路内に設けておく。こうすれば、クリーニング動作中に、気泡が主流領域から非主流領域に移動することを防止することができるので、インクの流れによって気泡をフィルタに押しつけて、フィルタの上流側の溜まった気泡を効率よく排出することが可能となる。
【選択図】図8

Description

本発明は、ノズルから液体を噴射する技術に関し、詳しくは、ノズルへの液体の供給経路内に混入した気泡を、液体とともにノズルから排出する技術に関する。
印刷媒体上に微細なインク滴を吐出して画像を印刷するプリンタ(いわゆるインクジェットプリンタ)は、高品質の画像を簡便に印刷可能であることから、今日では、画像の出力手段として広く使用されている。また、この技術を応用して、インク滴の代わりに、適切な成分に調製した液体の液滴を、基板上に吐出したり、あるいは液体を連続的に噴射することにより、電極や、センサ、バイオチップなどを製造する技術も開発されている。
これらの技術では、正確な位置に正確な分量の液体を吐出(あるいは噴射)することが肝要であり、このため、専用の吐出ヘッドが開発されている。これら吐出ヘッドには液滴を吐出する微細なノズルが設けられており、容器に収容されているインクなどの液体を吐出ヘッドに導いて、吐出ヘッドで加圧することにより、ノズルから液滴として吐出、あるいは液体を噴射するようになっている。また、調製された液体の成分が揮発したり、あるいは変質することを避けるために、液体は密閉されたカートリッジ式の容器に収容されていることが通常であり、カートリッジが空になった場合には、カートリッジごと新しいものに交換するようになっている。
このような方式を採用している関係上、カートリッジの交換時に、僅かに空気が混入することがあり、カートリッジからノズルまでの間の液体通路内に気泡が発生することがある。また、液滴や液体の噴射中や、あるいはカートリッジを装着した状態での長期の保管中にも、カートリッジの接続部などから僅かに空気が混入して、ノズルまでの間の液体通路内に気泡が発生することがある。そして、このようにして混入した空気が溜まって液体通路内の気泡が成長すると、吐出する液滴(あるいは液体)の分量に誤差が生じたり、液滴の吐出や液体の噴射ができなくなるといった問題が生じる。
そこで、定期的に、あるいは必要に応じて、ノズルから勢いよく液体を吐出または吸引することにより、混入した気泡を液体と一緒に強制的に排出させる動作(クリーニング動作)を行うようになっている。もっとも、クリーニング動作を行うと多量の液体が消費されることから、できるだけ効率よくクリーニング動作を行うことが望ましい。そのため、液体通路の一部に気泡室を設けて、ここに気泡を留めておくことにより、クリーニング動作を開始したら速やかに気泡が排出されるようにした技術も提案されている(特許文献1)。
特開2006−69168号公報
しかし、提案されている技術によっても、カートリッジからノズルまでの間の液体通路に混入した気泡を排出するためには、依然として多量の液体を吐出または吸引しなければならない。従って、より僅かな液体を消費するだけで、液体通路内の気泡を効率よく排出することの可能な技術の開発が望まれている。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、少量の液体を消費するだけで、液体通路内に混入した気泡を効率よく排出可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体噴射装置は次の構成を採用した。すなわち、
液体が収容された液体収容容器から圧力室に液体を導いて加圧することにより、該圧力室の下流側に設けられたノズルから液体を噴射する液体噴射装置において、
前記液体収容容器内の液体を取り込む液体取込口と、
前記液体取込口から取り込まれた液体を、少なくとも該液体取込口よりも大きな断面積を有する開口部に導く拡大通路と、
前記拡大通路の前記開口部に設けられて、前記液体内の異物を濾過するフィルタと、
前記フィルタを通過した液体を前記圧力室に導く液体導入通路と
を備え、
前記拡大通路には、該通路内で断面積が拡大していることに伴って、前記液体が断面内での平均流速以上の速さで流れる主流領域と、該平均流速未満の速さで流れる非主流領域とが内部に形成されるとともに、該主流領域内の気泡が該非主流領域に移動することを防止する気泡防止部材が設けられていることを特徴とする。
かかる本発明の液体噴射装置においては、液体収容容器内の液体を液体取込口から取り込んで、拡大通路を経由してフィルタを通過させた後、液体導入通路を介して圧力室に供給する。こうして液体収容容器内の液体を圧力室に導いて液体を加圧することにより、圧力室の下流側に設けられたノズルから、液体を噴射する。フィルタの上流側に設けられた拡大通路では、通路内の断面積が拡大していることに伴って、液体の流速が速くなると、主流領域と非主流領域とが形成されるが、本発明の液体噴射装置には、主流領域内の気泡が非主流領域に移動することを防止する気泡防止部材が拡大通路内に設けられている。
このように拡大通路内に気泡防止部材を設けておけば、クリーニング動作を行って拡大通路内に主流領域と非主流領域とが形成されたときに、気泡が主流領域から非主流領域に移動することを防止することができる。そして、主流領域に留まっている気泡をインクの流れがフィルタに押しつけるので、フィルタの上流側の溜まった気泡を効率よく排出することが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置においては、少なくとも開口部の近傍に、気泡防止部材を設けることとしてもよい。
フィルタ上流に溜まった気泡を排出する場合、気泡はフィルタの表面に沿って移動しようとする。上述したようにフィルタは、拡大通路の開口部に設けられているから、気泡防止部材を開口部の近傍に設けておけば、フィルタの表面に沿って気泡が移動することを防止することができるので、効率よく気泡防止部材を配置することが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、拡大通路内の断面積が開口部に向かって次第に拡大する拡大部と、その上流側に、通路内の断面積が略同一の直管部とを設けておき、拡大部が開始された近傍から開口部の近傍に亘る範囲に、気泡防止部材を設けることとしてもよい。
このように拡大部の上流側に直管部を設けると、拡大通路内を流れる液体の流速が上がったときに、比較的明確な主流領域および非主流領域を形成することができる。そして、拡大部が開始された近傍から開口部の近傍に亘って気泡防止部材を設けておけば、主流領域から非主流領域に気泡が移動することを、より確実に防止することができるので、フィルタの上流側に溜まった気泡を効率よく排出することが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置においては、非主流領域内の気泡を主流領域内に還流させる気泡還流部を、拡大通路内に設けておいても良い。
気泡防止部材が設けられていても、一部の気泡が非主流領域に入り込むことがあり、非主流領域の気泡は、フィルタを通過させて排出することは困難である。しかし、たとえ僅かずつであっても、気泡を非主流領域から主流領域へと還流させれば、最終的には非主流領域に入り込んだ気泡も排出することが可能となる。
尚、気泡を非主流領域から主流領域に還流させるための動力としては、最も簡便には気泡に働く浮力を利用することができる。すなわち、気泡は浮力を受けて非主流領域内を上昇しようとするから、非主流領域の上部に気泡還流部を設けて主流領域と連通させておけば、非主流領域を上昇する気泡の動きを導いてやることで、気泡を主流領域に還流させることができる。もちろん、浮力を利用する場合に限らず、例えば、非主流領域から主流領域に還流するような液体の流れを意図的に発生させておき、この流れに載せて気泡を主流領域に還流させることも可能である。
また、このような本発明の液体噴射装置においては、拡大通路の内面を次のような形状に形成しても良い。すなわち、非主流領域の断面積が反重力方向に向かって次第に減少するように形成することにより、非主流領域を構成する部分の拡大通路の内面が、気泡還流部として機能するような形状としても良い。
気泡は浮力によって上昇するから、非主流領域の断面積が反重力方向に向かって次第に減少するようにしておけば、非主流領域内の気泡は、やがては拡大通路の内面に沿って上昇するようになり、主流領域に還流させることが可能となる。従って、何ら特別な構造を設けることなく、非主流領域内の気泡を、簡便に且つ確実に主流領域に還流させることが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、非主流領域を構成する拡大通路の内面から主流領域に向かってリブを突設し、このリブの略先端に、左右方向に延びる板状の気泡防止部材を設けることとしてもよい。
こうすれば、気泡防止部材と拡大通路の内面とがリブによって接続されるので、気泡防止部材の強度を確保することができる。このため、製造時あるいは液滴の吐出中などに、気泡防止部材が欠損するといった問題を、未然に回避することが可能となるので好適である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.装置構成:
A−1.液体噴射装置の構成:
A−2.吐出ヘッドの構造:
A−3.クリーニング動作の概要:
B.本実施例のインク取込部:
B−1.インク取込部の構造:
B−2.効率よく気泡を排出可能な原理:
C.変形例:
C−1.第1の変形例:
C−2.第2の変形例:
C−3.第3の変形例:
C−4.第4の変形例:
C−5.第5の変形例:
A.装置構成 :
A−1.液体噴射装置の構成 :
図1は、いわゆるインクジェットプリンタを例に用いて本実施例の液体噴射装置の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように、インクジェットプリンタ10は、主走査方向に往復動しながら印刷媒体2上にインクドットを形成するキャリッジ20と、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30と、印刷媒体2の紙送りを行うためのプラテンローラ40と、正常に印刷可能なようにメンテナンスを行うメンテナンス機構50などから構成されている。キャリッジ20には、インクを収容したインクカートリッジ26や、インクカートリッジ26が装着されるキャリッジケース22、キャリッジケース22の底面側(印刷媒体2に向いた側)に搭載されてインク滴を吐出するインク吐出ヘッド24などが設けられており、インクカートリッジ26内のインクがインク吐出ヘッド24からインク滴として吐出されて、印刷媒体2上にインクドットが形成されるようになっている。
キャリッジ20を往復動させる駆動機構30は、主走査方向に延設されたガイドレール38と、内側に複数の歯形が形成されたタイミングベルト32と、タイミングベルト32の歯形と噛み合う駆動プーリ34と、駆動プーリ34を駆動するためのステップモータ36などから構成されている。タイミングベルト32は一箇所でキャリッジケース22に固定されており、タイミングベルト32を駆動することによって、ガイドレール38に沿ってキャリッジケース22を移動させることができる。また、タイミングベルト32と駆動プーリ34とは歯形によって互いに噛み合っているので、ステップモータ36で駆動プーリ34を駆動すると、駆動量に応じて精度良くキャリッジケース22を移動させることが可能となっている。
印刷媒体2の紙送りを行うプラテンローラ40は、図示しない駆動モータやギア機構によって駆動されて、印刷媒体2を副走査方向に所定量ずつ紙送りすることが可能である。また、メンテナンス機構50は、ホームポジションと呼ばれる印字領域外に設けられており、インク吐出ヘッド24の表面を払拭するワイパーブレード52や、インク吐出ヘッド24に押しつけられてインク吐出ヘッド24との間に密閉空間を形成するキャップ部54、キャップ部54の密閉空間に接続された吸引ポンプ56などから構成されている。印刷を行わないときには、キャリッジ20をホームポジションまで移動させて、ワイパーブレード52でインク吐出ヘッド24の表面を払拭するとともに、キャップ部54を押しつけてインク吐出ヘッド24の表面に密閉空間を形成することによって、インクの乾きを防止する。そして、必要に応じて(あるいは定期的に)吸引ポンプ56を作動させて密閉空間を負圧にすることにより、インク吐出ヘッド24からインクを吸い出す動作(クリーニング動作)を行う。詳細には後述するが、必要に応じて(あるいは定期的に)クリーニング動作を行うことにより、正常な印字状態を保つことが可能となる。
A−2.インク吐出ヘッドの構造 :
図2は、キャリッジ20に搭載されたインク吐出ヘッド24の構造を示す分解斜視図である。図示されるようにインク吐出ヘッド24は、硬質樹脂によって形成された基台240の下面側に、回路基板242と、硬質樹脂製のヘッドベース244と、流路ユニット246と、ステンレス製の薄板によって形成されたヘッドカバー248とが、取付ネジ249によって共締めされて構成されている。尚、図示が煩雑となることを避けるために、図2では、シール用の部材については表示を省略している。
このうちの流路ユニット246には、複数本の微細なインク流路が形成されており、流路ユニット246の下面側にはインク滴を吐出する微細なノズルが、インク流路毎に設けられている。また、それぞれのインク流路には、インクを加圧してノズルからインク滴を吐出するための圧力室も形成されている。流路ユニット246の詳細な構造については後ほど別図を用いて後述するが、圧力室の上面側は弾性変形可能に構成されており、圧電素子を用いて圧力室の上面側を変形させることによって、圧力室内のインクを加圧するようになっている。
回路基板242には圧電素子アセンブリ242pが組み込まれており、この圧電素子アセンブリ242pの先端には、圧力室を変形させてインクを加圧するための圧電素子が取り付けられている。周知のように圧電素子は、電圧を加えると高い応答速度で伸縮する特性を有しており、この特性を利用することで、圧力室内のインクを高い応答速度で加圧して微細なインク滴を吐出することが可能となっている。圧電素子アセンブリ242pの詳細な構造については、別図を用いて後述する。また、回路基板242には、圧電素子を駆動する電気回路や、回路を構成する各種の電子部品なども搭載されている。
ヘッドベース244には、細長い貫通穴244gが設けられており、回路基板242とヘッドベース244とを組み付けると、回路基板242に組み付けられた圧電素子アセンブリ242pが、この貫通穴244gに収容されて、圧電素子アセンブリ242pの先端に設けられた圧電素子が、流路ユニット246の圧力室の上面に当接するようになっている。また、ヘッドベース244に設けられた貫通穴244gは、圧電素子が圧力室の上面の適切な位置に適切な角度で当接するように圧電素子アセンブリ242pを位置決めする機能も有している。
基台240には、インクカートリッジ26からインクを取り込むためのインク取込部241が設けられている。インクカートリッジ26をキャリッジケース22に装着すると、カートリッジ内のインクがインク取込部241から取り込めるようになっている。基台240の内部には、インク取込部241から下面に貫通するインクの通路が設けられており、インク取込部241から流入したインクは、この通路を通って基台240の下面側の開口部から流出する。
基台240の直ぐ下方に組み付けられる回路基板242には、基台240内のインクの通路が下面側で開口する位置に、インク通過穴242hが設けられている。また、この回路基板242の直ぐ下方に組み付けられるヘッドベース244にも、インクが通過するインク通路244hが設けられている。このため、インクカートリッジ26を基台240に装着すると、インクカートリッジ26の内部のインクがインク取込部241から取り込まれて、基台240内部に設けられたインクの通路を通過した後、インク通過穴242h、インク通路244hを通って、流路ユニット246に供給されるようになっている。
図3は、インク取込部241から取り込まれたインクが、基台240およびヘッドベース244を経由して、流路ユニット246に供給される様子を概念的に示した説明図である。図中に示した太い実線は、基台240内を通過するインクの流路を概念的に表している。また、太い一点鎖線は、ヘッドベース244内を通過するインクの流路を概念的に表している。このように、インク取込部241から取り込まれたインクは、それぞれのインク通路を通って流路ユニット246に供給され、流路ユニット246内で、各ノズルに分配される。以下では、流路ユニット246の構造と、流路ユニット246内で各ノズルにインクが供給される様子について説明する。
図4は、流路ユニット246の構造を示した分解組立図である。流路ユニット246は、シリコン製のキャビティ246sの上面側および下面側に、それぞれ弾性フィルム製のシート246uと、ステンレス製のノズルプレート246nとを、エポキシ樹脂系の接着剤で積層した構造となっている。キャビティ246sには、大きな共通インク室246gと、ノズル毎に設けられた微細な圧力室、更に共通インク室246gとそれぞれの圧力室とを繋ぐ溝などが、エッチング加工によって形成されている。そして、上面側および下面側にシート246uとノズルプレート246nとを積層することで、共通インク室246gからノズル毎の圧力室へとインクを供給するインク通路が形成されるようになっている。
シート246uは、ステンレス製の薄い金属泊に、弾性フィルムをラミネート加工で接着することによって形成されている。図4では、ステンレス製の薄膜の部分を、斜線を付すことによって表示している。また、シート246uには、ヘッドベース244からインクが供給される箇所に連通孔246hが設けられており、ヘッドベース244を通過したインクは、連通孔246hからキャビティ246sの共通インク室246gに流入した後、共通インク室246gから、それぞれの圧力室に供給されるようになっている。また、ノズルプレート246nには、各圧力室に対応する位置に1つずつノズル穴が形成されており、このノズル穴からインク滴が吐出される。
図5は、流路ユニット246内で共通インク室246gから、それぞれの圧力室246pにインクが供給される通路の形状を示した説明図である。図5(a)には、共通インク室246gおよび圧力室246pの部分で流路ユニット246の断面を取った拡大図が示されている。また、図5(b)には、流路ユニット246内に圧力室246pが形成されている様子が、斜視図によって示されている。図示されているように、圧力室246pは、共通インク室246gと連通しており、共通インク室246gに供給されたインクは、圧力室246pに流入するようになっている。また、圧力室246pの上流側(共通インク室246gに接続している側)には突起246tが設けられており、この部分でインクの流路が一旦、狭められて流路抵抗の高い部分が設けられている。更に、圧力室246pの底面(ノズルプレート246n)には、インク滴を吐出するためのノズル246zが、各圧力室246pに1つずつ設けられている。
以上に説明したように、本実施例のインクジェットプリンタ10では、キャリッジケース22にインクカートリッジ26を装着すると、インクカートリッジ26内のインクが、インク取込部241を介してインク吐出ヘッド24内に取り込まれ、基台240およびヘッドベース244を通過して、流路ユニット246内の共通インク室246gに流入する。そして、共通インク室246gから圧力室246pに流入して、それぞれの圧力室246pがインクで満たされるようになっている。このように圧力室246pがインクで満たされた状態で、圧力室246pの上面側を押圧すると、圧力室246p内のインクが加圧されて、ノズル246zからインク滴として吐出される。
本実施例のインクジェットプリンタ10では、圧電素子アセンブリ242pに組み込まれた圧電素子を用いて圧力室246pの上面を押圧しており、この圧電素子アセンブリ242pは、図2に示したように、回路基板242に搭載されている。このように、圧力室246pが形成されている流路ユニット246と、圧電素子が組み込まれている回路基板242とが別部品として構成されていることから、流路ユニット246および圧電素子アセンブリ242pは、ヘッドベース244によって互いに位置決めされた状態で組み付けられるようになっている。しかし、それでも、圧電素子が押圧する位置が、設計上の押圧位置から若干ずれてしまうことも生じ得る。そこで、シート246uには、圧力室246pのほぼ中央にある設計上の押圧位置に、ステンレス製の金属薄膜が設けられている。尚、この金属薄膜の部分は、島246iと呼ばれることがある。前述したように、シート246u自体は弾性フィルムによって形成されているが、島246iの部分は弾性フィルムよりも固いので、圧電素子の押圧位置が多少ずれたとしても、島246i全体で圧力室246pを押圧することになる。その結果、位置ずれによる圧力室246pの変形量の違い、延いてはインク吐出量の違いを吸収することが可能となっている。
尚、以上の説明では、圧力室246p内のインクを加圧する手法として、圧電素子を用いて圧力室246pを変形させる手法を用いた場合について説明した。しかし、圧力室246p内のインクを加圧することが可能であれば、どのような方法を用いても良く、例えば、圧力室内の一部に発熱体を組み込んでおき、発熱体を発熱させることによって、圧力室内のインクを加圧することも可能である。
最後に、インクを収容したインクカートリッジ26について簡単に説明しておく。図6は、本実施例のインクジェットプリンタ10で用いられるインクカートリッジ26の外観形状を示した斜視図である。図示されるように、インクカートリッジ26は略長方形に形成された箱形の容器であり、底面には、取付孔26hが設けられている。工場からの出荷時には、取付孔26hはフィルムによって封止されており、カートリッジ内のインクが外気に触れないようになっている。そして、インクカートリッジ26をキャリッジケース22に装着すると、取付孔26hを封止していたフィルムを破って、インク取込部241と取付孔26hとが接続され、インクカートリッジ26内のインクがインク吐出ヘッド24側に供給されるようになっている。また、インクカートリッジ26のインクが空になった場合には、インクカートリッジ26毎、新たなものに交換すればよい。
もっとも、インクカートリッジ26を交換する際に、インク取込部241から空気が混入することがある。また、印刷時にキャリッジ20が往復動することによる振動などにより、インクカートリッジ26の装着後にも、少しずつ空気が混入することがある。そして、図2ないし図5を用いて説明したように、インク吐出ヘッド24の内部は極めて微細な構造となっているので、例えば、気泡で共通インク室246g内が塞がれてしまうと、それより先の圧力室246pにはインクが供給されず、インク滴が吐出できなくなってしまうという不具合が発生する。あるいは、圧力室246pに気泡が発生すると、圧電素子で押圧しても気泡が縮むだけでインクは加圧されず、その圧力室246pのノズルNzからはインク滴が吐出できなくなってしまう。そこで、こうした問題の発生を回避するために、定期的に、あるいは必要に応じて、インクと一緒に気泡をノズルNzから強制的に排出させるクリーニング動作が行われる。
A−3.クリーニング動作の概要 :
クリーニング動作は、キャリッジ20をホームポジションまで移動させた状態で行われる。図1を用いて説明したように、印刷を行わないときには、印字領域の外側に設けられたホームポジションにキャリッジ20を退避させておき、ホームポジションに設けられたキャップ部54でインク吐出ヘッド24のノズル面を封止して、インクの乾きを防止するようになっている。また、印字領域とホームポジションとの間にはワイパーブレード52が設けられており、キャリッジ20をホームポジションに退避させる際には、インク吐出ヘッド24のノズル面に付着した異物や余分なインクなどを、ワイパーブレード52で拭い取るようになっている。
図7は、インク吐出ヘッド24のノズル面をキャップ部54で封止した状態を概念的に表した説明図である。キャップ部54は、図示しないアクチュエータによって上下方向に移動可能に構成されており、キャリッジ20をホームポジションに退避させた後、キャップ部54をノズル面に押しつけると、インク吐出ヘッド24のノズル面とキャップ部54との間に密閉された空間が形成される。これにより、インクの乾きを防止することが可能となっている。
また、キャップ部54の下方には吸引ポンプ56が設けられており、吸引ポンプ56の吸い込み口がキャップ部54の内側に開口している。このため、キャップ部54を押しつけた状態で吸引ポンプ56を作動させると、インク吐出ヘッド24のノズル面とキャップ部54との間に形成された空間が負圧となり、ノズル246zからインクが吸い出されて、通常の印刷では生じないような速いインクの流れが発生する。インクに混入した気泡がインク通路の何処かに引っ掛かっている場合でも、このインクの流れに押し流されるようにして、ノズル246zから排出することが可能となる。クリーニング動作では、このようにして、インクを勢いよく吸い出すことにより、インク取込部241からノズル246zまでのインク通路に混入している気泡をインクとともに排出する。
こうしたクリーニング動作では、多量のインクを消費するので、できるだけ効率よく気泡を排出する必要がある。すなわち、1回のクリーニング動作で吸い出すインク量はできるだけ少ないことが望ましく、また、吸い出すインク量が同じであれば、できるだけ完全に気泡を排出する方が望ましい。たとえ、1回のクリーニング動作で消費するインク量が同じであっても、クリーニング動作後に残存する気泡の量が少なければ、クリーニング動作の頻度が少なくなるので、結局、インク消費を抑制することが可能である。このような効率よいクリーニング動作を実現するために、本実施例のインクジェットプリンタ10では、インク取込部241の形状を次のような形状としている。
B.本実施例のインク取込部 :
B−1.インク取込部の構造 :
図8は、本実施例のインク取込部241の構造を示す断面図である。図8(a)には、インク取込部241の中心軸上で取った断面図が示されている。図示されているようにインク取込部241は、大まかには円柱の下側が円錐形に拡大したような外観形状をしており、その内側の形成された空間に突設してリブが設けられた構造となっている。図8(a)では、理解の便宜を図って、内側に設けられたリブ241bの部分には粗いハッチングを施し、インク取込部241の本体部241aには、細かいハッチングを施して表示してある。
また、インク取込部241の上端には、インクカートリッジ26からインクを取り込むための小さなインク取込口241iが設けられており、そこから続くインク取込部241の内側には、暫くの間、断面積がほぼ同一の直管部241sが形成され、次いで、断面積が次第に拡大する拡径部241eが形成されている。そして、図8(a)に示すように、インク取込部241は、拡径部241eの開口した端面で、フィルタ240fを介して基台240に取り付けられている。尚、このフィルタ240fは、インクカートリッジ26から供給されるインク中の異物を取り除くために設けられており、前述したように、流路ユニット246の内部は非常に微細なインク通路が形成されていることから、この通路を詰まらせるような異物は全て除去することができるように、フィルタ240fは、たいへんに目の細かいフィルタが用いられている。
図8(b)には、図8(a)中のA−A位置で断面を取ることによって、リブ241bの形状を示した説明図である。図示されているように、リブ241bは、拡径部241eの中心に向かって先端部分に、左右方向に延びる板状部が設けられており、T字型の断面形状となっている。そして本実施例のインク取込部241では、リブ241bの先端に設けられた板状部が、気泡防止部材として機能することにより、クリーニング動作において効率よく気泡を排出することが可能となっている。
B−2.効率よく気泡を排出可能な原理 :
以下では、先端が左右方向に延びたT字型のリブ241bを設けることにより、クリーニング動作において効率よく気泡を排出可能な理由について説明するが、その準備として、リブ241bが設けられていない通常のインク取込部241で、クリーニング動作を行って気泡を排出する様子について、簡単に説明しておく。
図9は、内側にリブなどが設けられていない通常のインク取込部900において、クリーニング動作を行って気泡を排出する様子を示した説明図である。図9(a)は、画像印刷におけるインク取込部900内の状態を概念的に表している。図中に示した矢印はインクの流れを表しており、白丸はインクに混入した気泡を表している。画像の印刷中は、ノズル246zからインク滴が吐出されるのに伴って、吐出されたインク量に相当するゆっくりとしたインクの流れが生じている。また、このようにインクがゆっくりと流れている場合は、直管部241sから拡径部241eに入ってインク通路の断面積が次第に大きくなると、それに合わせてインクの流れも、ほぼ断面に一様に広がり、更に流速が低下した状態でフィルタ240fを通過する。
上述したようにフィルタ240fは、大変に目の細かいフィルタが用いられているために大きな通過抵抗を有しているが、このようにフィルタ240fの広い範囲に亘ってゆっくりとインクが通過するので、フィルタ240fの通過抵抗がインクの供給に支障を来すことはない。逆に言えば、異物の十分な濾過能力を確保しようとすると、フィルタ240fは目の細かい(従って、通過抵抗の大きい)物に成らざるを得ず、インク吐出ヘッド24へのインクの供給に支障を来さないようにするためには、十分な広さの濾過面積が必要となる。このため、本実施例のインク吐出ヘッド24を含めて、インク取込部には、フィルタ240fの上流側に拡径部241eが設けられているのである。
また、インク取込口241iなどからインク中に混入した気泡は、インクに流されてフィルタ240fの方向に移動したり、あるいは浮力によってインクの流れの中を遡ったりしながら、フィルタ240fの上流側に滞留している。もちろん気泡の中には、インクの流れに載ってフィルタ240fに到達するものも発生するが、気泡はフィルタ240fの上面に付着したままで、フィルタ240fを通過することはない。これは、次のような理由によるものと考えられている。
気泡の表面は、空気を主成分とする気体と、液体であるインクとが接触した不連続な状態となっている。このような不連続面は、界面と呼ばれている。液体の分子にとっては、界面で気体と接触している状態よりは、同じ液体分子に取り囲まれている状態の方が安定であり、従って、液体は、できるだけ安定な部分が大きくなるように、換言すれば、界面の表面積が小さくなるように変形する。その結果、何らかの外力を受けない限りは、インク中の気泡は球形となる。このような現象は、界面に一種のエネルギ(表面エネルギ)が蓄えられており、気泡は表面エネルギができるだけ小さくなる形状をとると考えることもできる。また、外力が作用する気泡は変形するが、変形による気泡の表面積が増加したことによる表面エネルギの増加は、外力から受けた仕事に対応している。
ここで、前述したように、フィルタ240fは、流路ユニット246内に形成された微細なインクの通路に異物が詰まることの無いように、極めて細かい目のフィルタが用いられている。従って、気泡がフィルタ240fを通過するためには、細かい目を通過し得る程度の大きさ(代表的には20μm前後)まで小さくならなければならず、このことは、気泡の表面エネルギを大幅に増加させなければならないことを意味している。しかし、画像の印刷中はインクの流れが遅いので、気泡をフィルタ240fに押しつける力も小さく、このため気泡がフィルタ240fを通過することはない。
これに対してクリーニング動作では、図7を用いて前述したように、吸引ポンプ56を用いて、インク吐出ヘッド24の全ノズルから一斉にインクを吸い出している。このため、インク取込部900内に十分な速さのインクの流れが発生するので、気泡がフィルタ240fに強く押しつけられて、フィルタ240fを通過することができる。こうして、フィルタ240fを通過した気泡は非常に細かくなっており、そのままインクの流れに載ってノズル246zから排出される。もっとも、実際には、全ての気泡が、このようにしてフィルタ240fを通過して排出されるわけではない。T字型の断面形状をしたリブ241bを持たない通常のインク取込部900では、かなりの気泡が、フィルタ240fを通過することなく、フィルタ240fの上流側に残ってしまう。これは、次のような理由によるものと考えられる。
図9(b)は、通常のインク取込部900でクリーニング動作を行ったときのインクの流れ、および気泡の挙動を概念的に示した説明図である。クリーニング動作中はインクが勢い良く流れるから、直管部241sから拡径部241eに入った部分で、インクの流れが通路断面積の拡大に追従することができず、直管部241sを流れて来たそのままの状態で拡径部241eを流れようとする。このため、拡径部241eの内部には、インク流速の速い領域(主流領域)と、インク流速の遅い領域(非主流領域)とが発生することになる。
このようにインク流速の速い領域(主流領域)と遅い領域(非主流領域)とが発生すると、主流領域の気泡はフィルタ240fに強い力で押しつけられるのでフィルタ240fを通過することができるが、非主流領域の気泡はフィルタ240fに押しつけられる力が弱いためにフィルタ240fを通過することができない。更には、主流領域にある気泡も、フィルタ240fに押しつけられて通過している間に、一部が非主流領域に移動してしまい、フィルタ240fの上流側に残ってしまう。そして、非主流領域の気泡を排出するためには、吸引ポンプ56でインクを吸い出す負圧を大きくして、インク取込部900の内部全体のインク流速を速くしなければならず、多量のインクを消費してしまう。
もちろん、吸引ポンプ56の能力にも限界がある。従って、非主流領域に気泡が残ってしまう場合も生じ得る。このような気泡は、画像の印刷もクリーニング動作も行っていない間に、浮力によって上昇し、直管部241sの上部に集まり、やがては複数の気泡が合体して大きな気泡に成長する。図9(c)には、画像の印刷もクリーニング動作も行っていない間に、気泡が直管部241sの上部に集まって合体し、大きな気泡に成長する様子が概念的に示されている。そして、このようにして成長した気泡が直管部241sを閉塞した状態になると、次に画像を印刷しようとしても、インク取込口241iからインクを取り込むことができず、画像の印刷ができなくなってしまう。
クリーニング動作中のインクの消費を嫌って、インクの吸引速度あるいは吸引時間を抑制すると、フィルタ240fの上流側に多くの気泡が残ってしまうので、直管部241sが気泡で閉塞され易くなり、印刷できない事態を招き易くなる。このような事態を避けるため、図9に示したような通常のインク取込部900では、インクの消費量の増加にはある程度まで目をつぶって、吸引ポンプ56の吸引速度および吸引時間が設定されている。これに対して、本実施例のインク取込部241には、図8に示したように、T字型の断面形状をしたリブ241bが、インク取込部241の内部に設けられているので、少ないインク吸引量で、速やかに気泡を排出することが可能となっている。
図10は、本実施例のインク取込部241にT字型断面のリブ241bを設けることにより、クリーニング動作で効率よく気泡を排出することが可能な原理を示す説明図である。図10(a)には、画像の印刷中におけるインク取込部241内の様子が概念的に表されている。図中に示した矢印は、インクの流れを概念的に表している。図示されているように、画像の印刷中は、フィルタ240fのほぼ全面から均等にインクが通過していく。これは、前述したように、画像の印刷中はインク取込部241の内部をゆっくりとインクが流れるので、直管部241sから拡径部241eに入ったところで通路の断面積が拡大しても、インクの流れが十分に追従することが可能なためである。もちろん、T字型断面のリブ241bとリブ241bとの間は狭くなっているので、この部分がインクの流れにとって何某かの通路抵抗ともなり得るが、フィルタ240fが有する通路抵抗と比べればほとんど無視できる程度でしかない。このため、直管部241sから拡径部241eに流入したインクは、T字型断面のリブ241bとリブ241bとの間を通り抜けて裏側に回り込み、フィルタ240fのほぼ全面を均等に通過していくことになる。
また、前述したように、画像に印刷中はインクの流れが遅いので、インク中に混入した気泡は、インクに流されてフィルタ240fの方向に移動したり、あるいは浮力によってインクの流れの中を遡ったりしながら、フィルタ240fの上流側に滞留した状態となっている。更に、たとえ一部の気泡がフィルタ240fに達したとしても、フィルタ240fの目は非常に細かいので、気泡がフィルタ240fを通過することはない。
図10(b)は、T字型断面のリブ241bを有する本実施例のインク取込部241でクリーニング動作を行ったときの、インクの流れ、および気泡の挙動を概念的に示した説明図である。クリーニング動作中はインクが勢い良く流れるから、前述したように、直管部241sから拡径部241eに流れ出たインクは通路断面積の拡大に追従することができず、直管部241sを流れて来たそのままの状態で拡径部241eを流れようとする。その結果、図9を用いて前述した通常の(T字型断面のリブ241bの無い)インク取込部900と同様に、拡径部241eの内部には、インク流速の速い領域(主流領域)と遅い領域(非主流領域)とが発生する。
更に、T字型断面のリブ241bを有する本実施例のインク取込部241では、拡径部241eに設けられたT字型断面のリブ241bが、主流領域の流れが非主流領域に分散することを抑制する機能を果たすので、複数のリブ241bで囲まれた拡径部241eの中央部分に明確な主流領域が形成され、この部分に一層速いインクの流れが形成される。このため、吸引ポンプ56で吸引するインクの吸引速度が同じであっても、本実施例のインク取込部241では、より強い力で気泡をフィルタ240fに押しつけることが可能となる。逆に言えば、同じ力で気泡を押しつけるのであれば、リブ241bの無い通常のインク取込部900よりも、インクの吸引速度を小さな値に設定することが可能となる。
加えて、本実施例のインク取込部241では、主流領域と非主流領域とがT字型断面のリブ241bによって隔てられている。このため、主流領域の気泡が強い力でフィルタ240fに押しつけられても、リブ241bの先端に左右方向に延びる板状部材によって気泡の動きが防止され、気泡が非主流領域に移動することを回避することができる。その結果、吸引ポンプ56の吸引速度をむやみに増加させずとも、インクに混入した気泡を強い力で押しつけてフィルタ240fを通過させて、ノズル246zからインクとともに気泡を外部に排出することが可能となる。
もちろん、T字型断面のリブ241bとリブ241bとの間には隙間があるから、気泡の一部は、この隙間からリブ241bの裏側(すなわち、非主流領域)に入り込む可能性もある。また、T字型断面のリブ241bとフィルタ240fとの間にも隙間があるから、フィルタ240fに押しつけられた気泡が変形して、一部が非主流領域に入り込んでしまうことも生じ得る。そして、本実施例のインク取込部241では、T字型断面のリブ241bを設けて、クリーニング動作中のインクの流れを主流領域に集中させているから、この作用の裏返しとして、非主流領域のインクの流れがゆっくりした流れとなっている。このため、非主流領域に入り込んだ気泡については、クリーニング動作を行っても、フィルタ240fに押しつけて排出することは難しい。しかし、このような気泡についても、次のようにして非主流領域から主流領域に還流させて、主流領域のインクの流れに載せて排出することが可能となっている。
図10(c)は、画像の印刷もクリーニング動作も行っていない間の気泡の挙動を概念的に示した説明図である。画像の印刷もクリーニング動作も行っていない間は、インク取込部241内にインクの流れが生じていないから、非主流領域に残った気泡は浮力を受けて、拡径部241eの壁面に沿って上昇して行く。そして、図8を用いて前述したように、T字型断面のリブ241bとリブ241bとの間には隙間が設けられているから、非主流領域内を上昇した気泡は、この隙間の部分を通って主流領域内に還流されることになる。図10(c)に一点鎖線で示した矢印は、非主流領域内に残った気泡が浮力によって上昇して、主流領域に還流される様子を概念的に表している。
以上に説明したように、本実施例のインク取込部241では、拡径部241eにT字型断面のリブ241bを設けることで、次のような理由から、効率よくクリーニング動作を行ってインク取込部241内の気泡を排出することが可能となっている。
先ず、本実施例のインク取込部241では、拡径部241eに設けられたT字型断面のリブ241bの作用により、クリーニング動作中に主流領域から非主流領域に気泡が移動することを防ぐことができるので、主流領域のほぼ全ての気泡を、フィルタ240fを通過させてノズル246zから排出することが可能となる。上述したように非主流領域に気泡も主流領域に還流されることから、主流領域の気泡をほぼ完全に排出しておけば、インク取込部241内の気泡をほぼ完全に排出することができる。このため、1回のクリーニング動作を行っておけば、かなりの長い期間、クリーニング動作を行う必要が無く、クリーニング動作の頻度を少なくすることが可能となる。
次いで、拡径部241eにT字型断面のリブ241bが設けられているために、クリーニング動作中に、気泡が主流領域から非主流領域に逃げることがない。このため、主流領域のインクの流れによって気泡を効率よくフィルタ240fに押しつけることが可能となり、1回のクリーニング動作で消費するインク量も抑制することが可能である。
更に加えて、拡径部241eに設けられたT字型断面のリブ241bは、主流領域のインクの流れが非主流領域に分散することを抑制する効果も有している。このため、吸引ポンプ56の吸引速度が小さくても、主流領域に強いインクの流れを発生させて、気泡をフィルタ240fに強く押しつけることができる。その結果、本実施例のインク取込部241では、1回のクリーニング動作で消費するインク量を、より一層抑制することが可能である。
本実施例のインク取込部241では、拡径部241eにT字型断面のリブ241bを設けたことにより、次のような効果が相乗的に発揮されて、極めて効率よくクリーニング動作を行うことが可能であり、クリーニング動作によって消費されるインク量を大幅に抑制することが可能となっているのである。
C.変形例 :
上述した本実施例のインク取込部241には、種々の変形例が存在している。以下では、これら変形例について簡単に説明する。
C−1.第1の変形例 :
上述した実施例では、T字型断面のリブ241bは、インク取込部241と一体に成形されているものとして説明した。しかし、リブ241bを、インク取込部241とは別部品として形成しても良い。図11には、T字型断面のリブ241bが別部品として形成された第1の変形例のインク取込部241を概念的に示した説明図である。図示した例では、リブ241bの無いインク取込部241に、別部品として形成されたリブ241bを組み付けた後、フィルタ240fを介して、基台240に取り付ける。図11(a)には、リブ241bをインク取込部241に組み付けた後、基台240に取り付ける様子が概念的に示されている。また、図11(b)には、別部品として形成されたリブ241bの外観形状が例示されている。
このように、リブ241bをインク取込部241と別部品としておけば、リブ241bの上端部分で、インク取込部241の拡径部241eとの間に、比較的大きな隙間を確保することができる。このため、非主流領域内を浮力によって上昇した気泡を、速やかに主流領域に還流させることができる。図11(c)には、リブ241bの上端と拡径部241eとの間の隙間を通って、非主流領域の気泡が主流領域に還流する様子が概念的に示されている。また、リブ241bと拡径部241eとの間に比較的大きな隙間が確保することができるので、非主流領域の気泡がかなり大きな場合でも、リブ241bの上端付近に気泡が引っ掛かることを回避することが可能となる。
C−2.第2の変形例 :
上述した実施例では、リブ241bの断面形状は、単純なT字型であるものとして説明した。しかし、リブ241bの断面形状を工夫することによって、種々の効果を得ることができる。図12には、第2の変形例として、リブ241bの断面形状に工夫を加えた3つの例が示されている。例えば、図12(a)では、T字型の断面の角に丸みが付けられている。通路の壁面からリブ241bが突設された根本の部分や、リブ241bの先端から左右に延びる板状部材の根本の部分のような、面と面とが交わる角の部分には、気泡が付着し易い傾向がある。そこで、図12(a)に例示したように、このような隅の部分にまるみをつけておけば、非主流領域の気泡が引っ掛かってしまい、主流領域に還流できなくなる事態を回避することが可能となる。
また、図12(b)に示したように、リブ241bの先端で左右に延びる板状部材の内側(主流領域側)に、凹状に形成した気泡捕捉部241hを設けることとしても良い。気泡捕捉部241hの形状としては、図12(b)に示したように、曲面などで凹状に形成しておいてもよいし、あるいは複数の平面を組み合わせて凹状に形成しても良い。このように気泡捕捉部241hを形成しておけば、主流領域の気泡を気泡捕捉部241hで捕捉することができるので、非主流領域に回り込むことをより確実に回避することが可能となる。
更には、図12(c)に示したように、リブ241bの先端で左右に延びる板状部材の内側(主流領域側)に、溝241gを設けることとしても良い。このように溝241gを設けておけば、たとえ何らかの理由でインク取込部241内に大きな気泡が発生した場合でも、溝241gからインクを供給することができるので、インク取込部241内が気泡によって完全に閉塞されることがない。このようにインクの流れを確保しておけば、クリーニング動作を行うことで、インク取込部241内の気泡をインクとともにノズル246zから排出することが可能となる。
C−3.第3の変形例 :
また、上述した各種の実施例では、リブ241bの断面形状は、何れもほぼT字型であるものとして説明した。しかし、クリーニング動作中に、インクの主流領域から非主流領域へと気泡が移動することを防止(あるいは抑制)することができるのであれば、リブ241bの形状はどのような形状であってもよく、リブとは呼べないような形状とすることも可能である。
図13には、このような第3の変形例のインク取込部241が概念的に示されている。図13(a)に示した例では、拡径部241eが始まった辺りから、板状の部材241fが下方に向けて設けられている。図13(b)には、図13(a)中のB−B位置で取った断面形状が示されている。このような板状の部材241fを設けることによっても、上述した実施例のリブ241bと同様な機能を発揮させることができるので、クリーニング動作を効率よく行うことが可能となる。
更には、このような板状の部材241fの代わりに、例えば円柱状の部材241pを設けることとしてもよい。図13(c)は、このような円柱状の部材241pが設けられたインク取込部241を、図13(a)に示したC−C位置で切断したときの断面図が示されている。このような円柱状の部材241pであっても、間に適切な隙間が形成されるように設けておけば、気泡が主流領域から非主流領域に移動することを防止(あるいは抑制)することができるので、上述した各種の効果を発揮させることが可能となる。
C−4.第4の変形例 :
また、上述した各種の実施例では、インク取込部241は、フィルタ240fのほぼ中央位置に、そして垂直に取り付けられているものとして説明した。しかし、インク取込部241をフィルタ240fに対して偏心させたり、あるいは傾けて取り付けるようにしてもよい。
図14は、フィルタ240fに対して偏心させた状態でインク取込部241が取り付けられている様子を示した説明図である。図14(a)には、インク取込部241の対象面で取った断面形状が示されており、図14(b)には、図14(a)中のC−C位置で取った断面形状が示されている。このように、フィルタ240fに対してインク取込部241が偏心した状態で取り付けられている場合、偏心方向と反対側に大きな非主流領域が形成される。そして、仮にT字型断面のリブ241bがなければ、この大きな非主流領域に大きな気泡が発生し易くなり、延いては、インク取込部の内部が気泡によって閉塞されてしまう。これに対して、インク取込部241内にT字型断面のリブ241bを設けておけば、気泡が非主流領域に移動することを防止(あるいは抑制)することができるので、クリーニング動作を行うことで効率よく気泡を排出することが可能となる。
C−5.第5の変形例 :
また、インク取込部241内の主流領域が、拡径部241eの内壁面の近傍に形成される場合には、内壁面の一部を、気泡の移動を防止するリブ241bの代わりに流用しても良い。図15には、このような第5の変形例のインク取込部241の構造を概念的に示した説明図である。図示されている例では、一部のリブ241bを、拡径部241eの内壁面で流用しているために、インク取込部241の構造を簡素なものとすることが可能である。
以上、本実施例の印刷装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
インクジェットプリンタを例に用いて本実施例の液体噴射装置の大まかな構成を示した説明図である。 キャリッジに搭載されたインク吐出ヘッドの構造を示す分解斜視図である。 インク取込部から取り込まれたインクが流路ユニットに供給される様子を概念的に示した説明図である。 流路ユニットの構造を示した分解組立図である。 流路ユニット内で共通インク室から圧力室にインクを供給する通路の形状を示した説明図である。 インクカートリッジの外観形状を示した斜視図である。 インク吐出ヘッドのノズル面をキャップ部で封止した状態を概念的に表した説明図である。 本実施例のインク取込部の構造を示す断面図である。 内側にリブなどが設けられていない通常のインク取込部においてクリーニング動作を行って気泡を排出する様子を示した説明図である。 インク取込部にT字型断面のリブを設けることによりクリーニング動作で効率よく気泡を排出することが可能な原理を示す説明図である。 T字型断面のリブが別部品として形成された第1の変形例を示した説明図である。 第2の変形例のインク取込部を例示した説明図である。 第3の変形例のインク取込部を例示した説明図である。 第4の変形例のインク取込部がフィルタに対して偏心した状態で取り付けられている様子を例示した説明図である。 第5の変形例のインク取込部を例示した説明図である。
符号の説明
10…インクジェットプリンタ、 20…キャリッジ、
22…キャリッジケース、 24…インク吐出ヘッド、
26…インクカートリッジ、 26h…取付孔、 30…駆動機構、
32…タイミングベルト、 40…プラテンローラ、
50…メンテナンス機構、 54…キャップ部、 56…吸引ポンプ、
240…基台、 240f…フィルタ、 241…インク取込部、
241a…本体部、 241b…リブ、 241e…拡径部、
241g…溝、 241h…気泡捕捉部、 241i…インク取込口、
241s…直管部、 242…回路基板、 242h…インク通過穴、
242p…圧電素子アセンブリ、 244…ヘッドベース、
244g…貫通穴、 244h…インク通路、 246…流路ユニット、
246g…共通インク室、 246h…連通孔、 246i…島、
246n…ノズルプレート、 246p…圧力室、 246s…キャビティ、
246t…突起、 246u…シート、 246z…ノズル

Claims (6)

  1. 液体が収容された液体収容容器から圧力室に液体を導いて加圧することにより、該圧力室の下流側に設けられたノズルから液体を噴射する液体噴射装置において、
    前記液体収容容器内の液体を取り込む液体取込口と、
    前記液体取込口から取り込まれた液体を、少なくとも該液体取込口よりも大きな断面積を有する開口部に導く拡大通路と、
    前記拡大通路の前記開口部に設けられて、前記液体内の異物を濾過するフィルタと、
    前記フィルタを通過した液体を前記圧力室に導く液体導入通路と
    を備え、
    前記拡大通路には、該通路内で断面積が拡大していることに伴って、前記液体が断面内での平均流速以上の速さで流れる主流領域と、該平均流速未満の速さで流れる非主流領域とが内部に形成されるとともに、該主流領域内の気泡が該非主流領域に移動することを防止する気泡防止部材が設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記拡大通路には、前記開口部の少なくとも近傍に、前記気泡防止部材が設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記拡大通路には、該通路内の断面積が前記開口部に向かって次第に拡大する拡大部と、該拡大部の上流側に設けられて該通路内の断面積が略同一の直管部とが設けられており、
    前記気泡防止部材は、前記拡大部が開始された近傍から前記開口部の近傍に亘る範囲に設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記拡大通路には、前記非主流領域内の気泡を、前記主流領域内に還流させる気泡還流部が形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項4に記載の液体噴射装置において、
    前記拡大通路は、前記非主流領域の断面積が、反重力方向に向かって次第に減少する形状に形成されており、該非主流領域を構成する該拡大通路の内面が、前記気泡還流部として機能することを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の液体噴射装置において、
    前記拡大通路には、前記非主流領域を構成する該拡大通路の内面から前記主流領域に向かってリブが突設されており、該リブの略先端に左右方向に延びる板状の前記気泡防止部材が設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
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