JP2008178056A - コンテンツ受信装置、コンテンツ受信方法、コンテンツ配信装置、エッジルータ装置及びプログラム - Google Patents
コンテンツ受信装置、コンテンツ受信方法、コンテンツ配信装置、エッジルータ装置及びプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】コンテンツ配信装置が同一コンテンツを複数のストリームで配信する場合に、より効果的に再生・一時停止・早送り・早戻し等の視聴制御を実現可能なコンテンツ受信装置を提供すること。
【解決手段】視聴制御検出部22は、視聴制御インタフェース21によりユーザが要求した視聴制御を検出する。ストリーム選定部24は、同一コンテンツの配信に用いる複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を示すストリームグループ情報と、要求された視聴制御の種類を特定可能とする情報やコンテンツに対する現在の視聴状態を含む視聴制御状態情報と、現時刻情報とに基づいて、要求された視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを選定する。視聴ストリーム切換部25は、そのアドレスに受信を切換えさせ、コンテンツ受信部26は、そのアドレスによりコンテンツを受信する。
【選択図】 図1
【解決手段】視聴制御検出部22は、視聴制御インタフェース21によりユーザが要求した視聴制御を検出する。ストリーム選定部24は、同一コンテンツの配信に用いる複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を示すストリームグループ情報と、要求された視聴制御の種類を特定可能とする情報やコンテンツに対する現在の視聴状態を含む視聴制御状態情報と、現時刻情報とに基づいて、要求された視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを選定する。視聴ストリーム切換部25は、そのアドレスに受信を切換えさせ、コンテンツ受信部26は、そのアドレスによりコンテンツを受信する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コンテンツを配信するコンテンツ配信装置、コンテンツを受信するコンテンツ受信装置、コンテンツを中継するエッジルータ装置、コンテンツ受信方法及びプログラムに関する。
近年、ブロードバンドの普及を背景として、IP通信を利用したマルチメディアコンテンツ配信サービスが、様々な通信・サービス事業者によって運営されており、そのユーザ数は拡大の一途を辿っている。
こうしたマルチメディアコンテンツ配信サービスの実現形態は、ビデオオンデマンドシステム(VOD(Video On Demand))システムとニアビデオオンデマンドシステム(NVOD(Near Video On Demand))システムの2通りに大別される。
VODは、ユーザが見たい番組を選択し、ユーザの指示に従って番組を送信するシステムであり、IP通信を利用する場合、VODサーバ−クライアント間でのRTP(Real-Time Transport Protocol)、あるいは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)ユニキャスト通信によって、コンテンツを伝送する。VODサーバは、視聴者数のユニキャストコネクションをコンテンツ配信のために維持する必要があり、同一コンテンツであっても視聴者数のユニキャストストリームを送出しなければならない。このため、新規公開コンテンツへの視聴偏重を考慮すると、サーバの構築コストが高くなってしまう問題がある。しかしながら、RTSP(Real Time Streaming Protocol)等のコンテンツ再生制御プロトコルを利用することで、視聴者は、再生、停止、一時停止、早送り・早戻し、といった視聴制御を自由に行うことが出来る。
一方、NVODは、(複数のストリームを使って)一定間隔で同じ番組を放送することにより、視聴者が視聴開始時間をある程度選択できる放送システムであり、IP通信を利用する場合、NVODサーバがマルチキャストストリームを送信し、これをクライアントが受信する形態をとる。NVODサーバは、同一コンテンツつき最低1本のマルチキャストストリームを送出すればよいので、サーバへの負荷は、VODと比較して低い。しかしながら、マルチキャスト通信という一種の放送の形態を採るため、視聴者は、自由に視聴制御を行うことが出来ない。
NVODの欠点を補う技術として特許文献1がある。これは、短間隔(数秒〜数分オーダーの間隔)のマルチキャストストリームの多重送信によって、ユーザが所望の時間に視聴開始でき、かつ、視聴を中断しても視聴再開する際に適切なストリーム選択することで、一時停止的な効果を得るものである。しかしながら、この方法は、あくまでユーザがチャネルを切り替えることによって所望のストリームを再生するものであり、「一時停止」や「早送り」といった操作インタフェースにマッピング可能な形でVODの操作性を実現するものではない。
また、特許文献2は、NVODのマルチキャストストリームを受信装置にキャッシュしておき、このキャッシュを利用することでVODの操作性を実現するものであるが、「一時停止」、「早送り」、「早戻し」等を実現するためには、相応のキャッシュを保持する必要があり、特にHD(High Definition)クラスの映像コンテンツを想定すると、クライアントへの負担が大きい。
特開2004−088315号公報
特開2004−007637号公報
従来、NVODシステムにおいて、コンテンツ受信装置でより効果的に再生・一時停止・早送り・早戻し等の視聴制御を実現することは出来なかった。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、例えばNVODシステムのように、コンテンツ配信装置が同一コンテンツを複数のストリームで配信する場合に、より効果的に再生・一時停止・早送り・早戻し等の視聴制御を実現することができるコンテンツ受信装置、コンテンツ受信方法、コンテンツ配信装置、エッジルータ装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置から、所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置であって、前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶する第1の記憶手段と、前記コンテンツに対する所定の種類の視聴制御の命令をユーザから入力するための入力手段と、前記入力手段により入力された前記命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報を記憶する第2の記憶手段と、前記ストリームグループ情報と前記管理情報と現時刻を示す情報とに基づいて、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定する選定手段と、選定された前記マルチキャストストリームのアドレスに受信を切換えさせる切換手段と、切換えられた前記マルチキャストストリームのアドレスにより前記コンテンツを受信する受信手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより、コンテンツ受信装置へ配信するコンテンツ配信装置であって、配信対象となるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶するストリームグループ情報記憶手段と、前記ストリームグループ情報により特定されるマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻に従って、前記コンテンツを配信する配信手段と、前記コンテンツ受信装置からの要求に応じて、該コンテンツ受信装置へ前記ストリームグループ情報を提供する提供手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより、コンテンツ受信装置へ配信するコンテンツ配信装置であって、配信対象となるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶するストリームグループ情報記憶手段と、前記ストリームグループ情報により特定されるマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻に従って、前記コンテンツを配信する配信手段と、前記コンテンツ受信装置から受信した、前記コンテンツ受信装置において入力された前記コンテンツに対する視聴制御の命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツ受信装置における前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報、並びに前記ストリームグループ情報及び現時刻を示す情報に基づいて、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定し、前記コンテンツ受信装置へ応答する制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置から、所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置であって、前記コンテンツに対する所定の種類の視聴制御の命令をユーザから入力するための入力手段と、前記入力手段により入力された前記命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、前記管理情報を前記コンテンツ配信装置に通知し、これに対する応答として、該コンテンツ配信装置から、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定した結果を受ける制御手段と、選定された前記マルチキャストストリームのアドレスに受信を切換えさせる切換手段と、切換えられた前記マルチキャストストリームのアドレスにより前記コンテンツを受信する受信手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ受信装置。
また、本発明は、同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置と、該コンテンツ配信装置から所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置とに介在するエッジルータ装置であって、前記コンテンツごとに、そのコンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶する記憶手段と、前記コンテンツごとに、そのコンテンツの先頭から一定時間分のストリームを予めキャッシュする事前キャッシュ手段と、前記コンテンツ受信装置が送信した、或るコンテンツに対する再生の開始に係る第1の視聴制御の命令を受信した場合に、該或るコンテンツについて前記事前キャッシュ手段に予めキャッシュされているストリームの該コンテンツ受信装置への送信を開始する送信手段と、前記ストリームグループ情報に基づいて、前記或るコンテンツに係る前記複数のマルチキャストストリームのうちから、前記事前キャッシュ手段に予めキャッシュされている前記ストリームに含まれるいずれかの再生位置を現に送出しているマルチキャストストリームを選定する選定手段と、選定された前記ストリームを所定の再生位置から受信する受信手段と、受信された前記ストリームを一時的に保持する保持手段とを備え、前記送信手段は、前記或るコンテンツについて、前記事前キャッシュ手段からのストリームの送信を前記所定の再生位置まで行った後に、続けて前記保持手段からのストリームの送信を開始することを特徴とする。
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
本発明によれば、コンテンツ配信装置が同一コンテンツを複数のストリームで配信する場合に、より効果的に再生・一時停止・早送り・早戻し等の視聴制御を実現することができるようになる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成例を示す。
図1に、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成例を示す。
図1に示されるように、本コンテンツ配信システムには、コンテンツ配信装置1と、このコンテンツ配信装置1からコンテンツ配信サービスを受ける複数のコンテンツ受信装置2とが含まれている。
コンテンツ配信装置1及び各々のコンテンツ受信装置2は、ネットワーク8を介した通信を行うことが可能である。ネットワーク8としては、例えばCDN(Contents Delivery Network)のようなコンテンツ配信用のIP通信ネットワークを想定して説明するが、これに限定されるものではない。なお、ネットワーク8中には1以上のエッジルータ装置9が存在し(図1では3台例示している)、各エッジルータ装置9にそれぞれ1以上のコンテンツ受信装置2が接続され、各コンテンツ受信装置2はそれぞれ対応するエッジルータ装置9を介してネットワーク8に接続される。
コンテンツ配信装置1は、NVODのように、所定のコンテンツ(例えば、マルチメディアコンテンツ)を、複数のストリーム(ただし、ストリーム間では、コンテンツの配信開始時刻に所定の間隔が設けられる。)で配信するサーバ装置である。所定のコンテンツは、例えば、映像コンテンツ(音声を伴うものを含む)や音声コンテンツなどのマルチメディアコンテンツである。コンテンツ配信装置1は、例えば、コンテンツ配信サービスを提供するサービス提供事業者(例えば、通信事業者)により運営される。
コンテンツ配信装置1は、ネットワーク8に直接接続するものであっても構わないし、(例えば上記事業者に係る企業内LAN等の内部にあって)他のルータ等の装置を介してネットワーク8に接続するものであっても構わない。
コンテンツ受信装置2は、コンテンツ配信装置1により配信される上記所定のコンテンツを受信するクライアント装置。コンテンツ受信装置2は、具体的には、例えば、デジタルTVあるいはビデオレコーダなどである。
本実施形態においては、コンテンツ配信装置1が上記のようにNVODのようなコンテンツ配信を行うのに対して、コンテンツ受信装置2に、例えばVODクライアントが備えるようなストリーム視聴制御インタフェース(図4参照)を設けることができ、ユーザは、このストリーム視聴制御インタフェースを介してコンテンツに対する所定の種類の視聴制御(例えば、再生、一時停止、停止、早送り、早戻し(或いは巻き戻し)など)を行うことができるようにしている。なお、本実施形態は、これを実現するための制御を主としてコンテンツ受信装置2側で行うものであり、後述する第2の実施形態は、主としてコンテンツ配信装置1側で行うものであり、後述する第3の実施形態は、主としてエッジルータ装置9側で行うものである。
コンテンツ受信装置2は、エッジルータ装置9に直接接続するものであっても構わないし、(例えばユーザの家庭内LAN等の内部にあって)他のルータ等の装置を介してエッジルータ装置9に接続するものであっても構わない。また、後者の場合において、その家庭内LAN等の内部に、1つのコンテンツ受信装置2が存在してもよいし、複数のコンテンツ受信装置2が存在してもよい。
なお、図1において、コンテンツ配信装置1が複数存在して構わないが、以下では、或る一つのコンテンツ配信装置1と、或る一つのコンテンツ受信装置2との間のコンテンツ配信に着目して説明することになる。また、コンテンツ配信装置1は、複数のコンテンツを同時に配信するものであっても構わないが、以下では、或る一つのコンテンツの配信に着目して説明することになる。
図2に、本実施形態のコンテンツ配信装置1の構成例を示す。
図2に示されるように、本実施形態のコンテンツ配信装置1は、ストリームグループ情報提供部11、コンテンツ配信部12、コンテンツ記憶部18、ストリームグループ情報記憶部19を備えている。各部の概要は下記の通りである。
コンテンツ記憶部18は、配信対象のコンテンツを記憶する。
ストリームグループ情報記憶部19は、コンテンツの配信に使用する複数のストリームに関する情報(例えば、アドレスや開始時刻等)又はこれを特定可能とする情報を含むストリームグループ情報を記憶する。
ストリームグループ情報提供部11は、コンテンツ受信装置2からの要求に応じて、要求元のコンテンツ受信装置2へ、ストリームグループ情報を提供する。
コンテンツ配信部12は、ストリームグループ情報に従って、コンテンツを送出する。
図3に、本実施形態のコンテンツ受信装置2の構成例を示す。
図3に示されるように、本実施形態のコンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21、視聴制御検出部22、ストリームグループ情報検出部23、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24、視聴ストリーム切換部25、コンテンツ受信部26、視聴制御状態記憶部28、ストリームグループ情報記憶部29を備えている。各部の概要は下記の通りである。
ストリームグループ情報検出部23は、コンテンツ配信装置1に対し要求を行うことによって、ストリームグループ情報を取得する。
ストリームグループ情報記憶部29は、取得されたストリームグループ情報を記憶する。
ストリーム視聴制御インタフェース21は、ユーザがストリーム視聴制御に関する操作を行う(ストリーム視聴制御に関する所定の種類の視聴制御の命令を入力する)ことを可能にするインタフェースである。
視聴制御検出部22は、ストリーム視聴制御インタフェース21により入力された操作を検出する(すなわち、ストリーム視聴制御インタフェース21を介して、上記視聴制御の命令を入力する)。
視聴制御状態記憶部28は、視聴制御状態を示す視聴制御状態情報を記憶する。
視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態情報やストリームグループ情報等に基づいて、ストリーム視聴制御を実現するための処理(例えば、視聴ストリームを選定する処理)を行う。
視聴ストリーム切換部25は、視聴ストリームの切り換え(のための処理)を行う。
コンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1が同一コンテンツに対して複数配信しているストリームのうち、上記視聴ストリームにより配信されるコンテンツを受信する。
なお、図2及び図3において、ネットワークを介した通信のための処理を行う部分や、受信したストリームの利用のための処理を行う部分は省略している。また、以下において、ネットワークを介した通信のための処理や受信したストリームの利用のための処理については説明を省略するものとする。
図4に、コンテンツ受信装置2のストリーム視聴制御インタフェース21の一例(ストリーム視聴制御インタフェースをGUIにより実現する場合のインタフェース画面の一例)を示す。この例では、コンテンツ再生画面211、タイムバー212、再生・一時停止ボタン213、早送りボタン214、早戻し(或いは巻き戻し)ボタン215、停止ボタン216が設けられている。ユーザは、このストリーム視聴制御インタフェース21を介してコンテンツの視聴制御を行うことができる。なお、図4のGUIは一例であり、様々なバリエーションが可能である。また、ストリーム視聴制御インタフェース21は、GUIにより実現するのに加えて又はこれに代えて、現実の装置(例えば、装置本体又はリモコンの操作パネルなど)によって実現することも可能である。また、図4に例示された視聴制御は一例であり、この他にも、種々の視聴制御が可能である。
さて、本実施形態のコンテンツ配信装置1は、配信対象となるコンテンツを、所定の間隔のマルチキャストストリーム多重送信によって提供するものとする。
その際、隣接するマルチキャストストリーム間の送出間隔は一定であるものとして説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、視聴が集中する時間帯を、短間隔(例えば数秒〜数分間隔)のマルチキャストストリーム多重送信によって提供し、視聴が集中しない時間帯を、より長い間隔のマルチキャストストリーム多重送信によって提供する、あるいは、コンテンツの特定の部分(例えば、開始部分)の前後の一定範囲を、短間隔(例えば数秒〜数分間隔)のマルチキャストストリーム多重送信によって提供し、それ以外の部分の前後の一定範囲を、より長い間隔のマルチキャストストリーム多重送信によって提供する、というように、種々の状況を考慮して送出間隔を変化させるようにしてもよい。
また、送出間隔の設定の仕方は、コンテンツにかかわらずに同じにしてもよいが、例えば、新作・話題作など視聴が集中するコンテンツを、短間隔(例えば数秒〜数分間隔)のマルチキャストストリーム多重送信によって提供し、視聴が集中しないコンテンツを、より長い間隔のマルチキャストストリーム多重送信によって提供するというように、配信対象となるコンテンツの属性等に応じて、送出間隔を変化させるなど、種々のバリエーションが可能である。
なお、このときコンテンツの再生時間が送出間隔の整数倍になるように設定をすることによって、コンテンツ受信装置2を利用する視聴者は、常に一定周期で視聴を開始することが可能となる。
図5に、或る一つのコンテンツを、複数のマルチキャストストリームとして、繰り返し送出する様子を例示する(ここでは、隣接するマルチキャストストリーム間の送出間隔が一定の値である場合を例にとっている)。
図5において、個々の実線の全長が、コンテンツの1回分の配信の開始から終了までを示し、各実線の前後が前回分や次回分の配信を示している。また、上側にあるストリームほど、早い順番で配信が開始される。
コンテンツの再生時間がT(sec)で、送出間隔がΔT(sec)とすると、多重送信されるマルチキャストストリームの本数mは、m=T/ΔTとなる(ここでは、ΔTは一定で、TはΔTの整数倍とする)。この場合、例えば、1番目のストリームの配信が開始したΔT秒後に、2番目のストリームの配信が開始され、T/ΔT番目のストリーム(最後の順番のストリーム)は、1番目のストリームの配信が完了するΔT秒前に開始され、さらに、T/ΔT番目のストリームが開始されたΔT秒後に、1番目のストリームの次の回の配信が開始される。なお、例えば、T=120(min)=120×60(sec)、ΔT=6(sec)とすると、ストリーム本数mは、1200となる。
図5において、各ストリームと時刻t1を示す直線とが交わる部分が、当該ストリームにおける時刻t1における送出部分になり、コンテンツが映像コンテンツであるとすると、それらは相異なるフレームになる(t2についても同様である)。隣接ストリーム間で、同一のフレームは、送出間隔と同じ間隔をもって配信されることになるので、送出間隔が一定の値である場合には、その同一のフレームについて、これを各ストリームが送出する時刻を結ぶと、fで示すような直線になる(すなわち、直線f上においては、同一のフレームが送出されることになる)。
コンテンツ受信装置2は、図5のいずれかのストリームによる受信を開始した後に、受信するストリームを切り換えることによって、コンテンツ中の任意の部分に移ることができるので、受信するストリームを所望のストリームに切り換え、あるいは、受信するストリームの切り換え方を変えることによって、詳しくは後述するように、一時停止、早送り、早戻し(或いは巻き戻し)などのような各種の視聴制御(トリックプレイ)が可能になる。
ここで、以下の説明において用いる具体例について説明する。本具体例において、配信対象となるコンテンツ(以下、コンテンツAと呼ぶ)は、120分の(例えば映画のような)コンテンツであるものとする。コンテンツ配信装置1は、コンテンツAを配信するにあたって、6秒間隔のマルチキャストストリーム多重送信によって提供するものとする。コンテンツAは再生時間が120分であるので、送出間隔を6秒にした場合、1200本のマルチキャストストリームを1周期として、繰り返し送出することになる。なお、この設定においては、コンテンツの再生時間が送出間隔の整数倍になるので、コンテンツ受信装置2を利用する視聴者は、常に6秒周期で視聴を開始することが可能となる。
次に、ストリームグループ情報について説明する。
コンテンツ配信装置1は、図5のような配信スケジュールを指示するために、配信対象となるコンテンツ(例えばコンテンツA)について、これを伝送する所定の本数(例えば1200本)のマルチキャストストリームのアドレスと、その送出順序などを特定可能とする情報を含むストリームグループ情報を、ストリームグループ情報記憶部19に記憶し、少なくともそのコンテンツの配信サービスを行っている期間は、これを保持する。また、コンテンツ配信装置1は、ストリームグループ情報記憶部19に保持しているストリームグループ情報に従って、コンテンツ配信部12によって、そのコンテンツを送出する。
なお、本実施形態は、ストリームグループ情報記憶部19に記憶されるストリームグループ情報は、一日分の配信スケジュールを含み、ストリームグループ情報が更新されるまでは、毎日、同じ配信スケジュールでコンテンツ配信がなされ、あるいは、毎日、更新されるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、日以外の任意の期間(例えば、1週分、1ヶ月分、特定の年月日時分秒から特定の年月日時分秒までの期間、など)の配信スケジュールを含むものであってもよい。もちろん、ストリームグループ情報を更新するタイミングにも特に制限はない。なお、本具体例では、ストリームグループ情報は、一日分の配信スケジュールを含む場合を例にとって説明する。
さて、このストリームグループ情報は、コンテンツ配信部12がコンテンツを送出するスケジュールを指示するための情報であるとともに、コンテンツ受信装置2が制御のもとにする情報であるので、ストリームグループ情報のフォーマットには、コンテンツ受信装置2が、ユーザからの視聴制御に対するフィードバックとして、適切なストリームを選択するための充分な情報を含まれていることが必要であり、様々な形式で提供されることが想定されるが、ここでは、図6〜図8に示す3通りのフォーマットを例示する(図6〜図8の括弧内の数値は具体例である)。
図6に、ストリームグループ情報の第1のフォーマット例を示す。このフォーマットは、ストリームグループ情報は、同一コンテンツを伝送する全てのマルチキャストストリームのアドレスの個数nと、nセットの{マルチキャスアドレス,そのマルチキャスアドレスによるコンテンツ(ストリーム)送出開始時刻の個数m,m個のコンテンツ(ストリーム)送出開始時刻}を列挙したリストを含むものである。このフォーマットは、ストリームグループ情報の必要条件を満たす最も単純なフォーマットである。
図6の具体例では、マルチキャストアドレス数n=1200、1番目のリスト情報において、マルチキャストアドレス=(ffee:1000::1)、コンテンツ送出開始時刻数m=12、コンテンツ送出開始時刻={1:00:00,3:00:00,5:00:00,…,19:00:00,21:00:00,23:00:00}、2番目のリスト情報において、マルチキャストアドレス=(ffee:1000::2)、コンテンツ送出開始時刻数m=12、コンテンツ送出開始時刻={1:00:06,3:00:06,5:00:06,…,19:00:06,21:00:06,23:00:06}…となっている。
例えば、図6に示す具体例において、11時00分30秒に送出が開始されるマルチキャストストリームのアドレスは、コンテンツ送出開始時刻に“11:00:30”を持つマルチキャストアドレスを検索することによって求めることができる。
なお、図6のフォーマットに対して、ヘッダ情報として、コンテンツ再生時間(本具体例では120min)、コンテンツ送出間隔(本具体例では6sec)を含めるようにしてもよい。
図7に、ストリームグループ情報の第2のフォーマット例を示す。このフォーマットは、ストリームグループ情報は、同一コンテンツを伝送する全てのマルチキャストストリームのうち、最初のストリームの送出開始時刻(本具体例では1:00:00)と、コンテンツ再生時間(本具体例では120min)と、コンテンツ送出間隔(本具体例では6sec)とを含むヘッダ情報を持ち、更に、マルチキャストアドレスの個数nと、nセットの{送出順序,その送出順序のマルチキャスアドレス}を列挙したリストを持つものである。なお、送出順序は、どのような情報で示してもよい(具体例では、0からn−1までの整数値で示すものとしている)。また、リストにおいては、必ずしも送出順に従って列挙されていなくてもよい(さらに、リストにおいて必ず送出順に従って列挙するものとする場合には、送出順序の情報を省くこともできる)。
例えば、図7に示す具体例において、11時00分30秒に送出が開始されるマルチキャストストリームのアドレスは、(送出順序i=0のマルチキャストアドレスによる送出が直近では11時00分00秒に開始されることから、それらの時差は30秒となるので、)時差30秒/送出間隔6秒=5となり、送出順序i=5を持つマルチキャストアドレスを検索することによって求めることができる。
図8に、ストリームグループ情報の第3のフォーマット例を示す。このフォーマットは、ストリームグループ情報は、マルチキャストアドレス自体を利用するものである。例えば、IPv6マルチキャストを利用する場合に、コンテンツを識別する情報(コンテンツ識別子)として、IPv6マルチキャストアドレスの上位64ビットを利用し、下位64ビットに送出順序を示す送出順序情報(あるいは、例えば、0:00:00からの経過秒数を示す時間情報など)を指定する。このフォーマットにおいては、最初のストリームの送出開始時刻、コンテンツ再生時間、コンテンツ送出間隔を含むヘッダ情報と、上記のようなコンテンツ識別子とを持つことで、ストリームグループ情報の必要条件を満たすことが出来る。
例えば、図8に示す具体例において、コンテンツ識別子を“ffee:1000::0/64”、送出開始時刻を“1:00:00”、コンテンツ再生時間を“120分”、コンテンツ送出間隔を“6秒”とすると、11時00分30秒に送出が開始されるマルチキャストストリームのアドレスは、(マルチキャストアドレス“ffee:1000::1”による送出が直近では11時00分00秒に開始されることから、それらの時差は30秒となるので、時差30秒/送出間隔6秒=5となり、)“ffee:1000::6”であると一意に特定できる。
なお、これら複数のフォーマットを同時に利用することも可能である。この場合には、例えば、ストリームグループ情報の先頭に、フォーマット識別情報を含めるものとし、このフォーマット識別情報を参照することによって、フォーマットを識別するようにしてもよい。
また、ストリームグループ情報は、コンテンツ配信装置1からコンテンツ受信装置2へ提供されるものであるが、コンテンツ受信装置2において、コンテンツ配信装置1から取得したストリームグループ情報に対して有効期限を設けるようにしてもよい。この場合に、例えば、コンテンツ配信装置1からコンテンツ受信装置2へストリームグループ情報を提供するにあたって、ストリームグループ情報に、その情報が有効な期限を示す有効期限情報(例えば1日など)を付加してもよい。あるいは、有効期限情報を付加せずに、ストリームグループ情報が有効である期間を特定する方法を予め決めておくようにしてもよい(例えば、受信時刻から24時間が経過するまで有効とする、そのコンテンツの視聴を完了するまで有効とする、など)。あるいは、上記した例では、送出開始時刻を時分秒で記述したが、その代わりに、送出開始時刻を年月日時分秒で記述するようにしてもよい。コンテンツ受信装置2において、ストリームグループ情報に対して有効期限を設けるようにする場合において、コンテンツ受信装置2は、有効なストリームグループ情報が確保されている間は、ストリームグループ情報の取得を省略することもできる。一方、1回のコンテンツの視聴に対して、ストリームグループ情報の有効期限が十分長い場合に、コンテンツ受信装置2は、ストリームグループ情報の有効期限を考慮せず、コンテンツの受信を開始するにあたって、必ずストリームグループ情報を取得するようにすることもできる。
なお、本具体例では、ストリームグループ情報に図8のフォーマット例を利用するものとして説明するものとする。
次に、本実施形態の動作について上記した具体例を用いながら詳しく説明する。
ここでは、コンテンツ受信装置2を起点として、視聴制御の種類毎に、その動作シーケンスについてそれぞれ説明する。
まず、第1に、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生を開始する「コンテンツ再生シーケンス」について説明する。
図9に、コンテンツ再生シーケンスにおけるコンテンツ配信装置1と、コンテンツ受信装置2との通信シーケンス例を示す。また、図10に、コンテンツ再生シーケンスにおけるコンテンツ受信装置2の処理手順例を示す。
まず、コンテンツ受信装置2は、予めコンテンツAのコンテンツパス情報(RTSPサーバ上でのコンテンツ識別情報)を取得しているものとする。コンテンツパス情報を取得する方法は、どのような方法でも良く、例えば、コンテンツ配信装置1の提供するポータル画面コンテンツに埋め込まれているコンテンツパス情報を取得する方法や、ECG(Electronic Content Guide:電子コンテンツガイド、放送におけるEPG(Electronic Program Guide)のVOD版)のためのメタデータ情報として一括取得したりする方法などが可能である。
さて、コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの『再生・一時停止』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(図9のステップS11、図10のステップS21)。ここで、押下された時刻は“13:00:40”であったものとする。
視聴制御検出部22は、視聴制御状態情報として、「『再生・一時停止』ボタン押下であること」、「コンテンツAの再生開始前であること」、及び「押下された時刻が“13:00:40”」であることを、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS11、ステップS22)。なお、時刻は、例えば、当該コンテンツ受信装置2が内蔵する時計装置から得ればよい。
視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から視聴制御状態情報を取得し、「1回目(奇数回目)『再生・一時停止』ボタン押下であること」及び「コンテンツ再生前の状態であること(すなわちコンテンツ再生開始要求であること)」を検出し、ストリームグループ情報検出部23に対して、ストリームグループ情報の取得を要求する(ステップS11)。
次に、ストリームグループ情報検出部23は、コンテンツAのコンテンツパス情報を宛先として、RTSP DESCRIBEリクエストを、コンテンツ配信装置1に送信する(ステップS12、ステップS23)。
コンテンツ配信装置1のストリームグループ情報提供部11は、コンテンツ受信装置2からのRTSP DESCRIBEリクエストを受信し、ストリームグループ情報記憶部19から、コンテンツAのストリームグループ情報を取得し(ステップS13)、これをRTSP DESCRIBEリクエストへの応答として返す(ステップS14)。
コンテンツ受信装置2のストリームグループ情報検出部23は、コンテンツ配信装置1からの応答から、コンテンツAのストリームグループ情報を取得し、これをストリームグループ情報記憶部29に記憶する(ステップS15、ステップS24)。
ここで、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴すべきストリームを選定するために、「現在の時刻情報」と、「視聴制御状態情報(ユーザがコンテンツAの先頭からの「再生」を求めていること)」と、取得した「ストリームグループ情報」とから、現時刻においてコンテンツAのストリーム送出を最初に開始するマルチキャストアドレスを算出する(ステップS16、ステップS25)。例えば、ストリームグループ情報として、コンテンツ識別情報に“ffee:1000::0/64”、コンテンツ送出開始時刻“9:00:00”、コンテンツ再生時間に“7200”秒、コンテンツ送出間隔に“6”秒が指定されていた場合、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、“13:00:42”にストリーム送出が開始される、マルチキャストアドレス“ffee:1000::7”を算出する。
視聴ストリーム切換部25は、算出したマルチキャストアドレスに対する参加要求を、エッジルータ装置9に対して送信する(ステップS17、ステップS26)。
これによって、コンテンツ受信装置2のコンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1から当該マルチキャストアドレス(本具体例では、“ffee:1000::7”)により配信開始されるコンテンツAを(コンテンツの開始部分から)受信開始する(ステップS18、ステップS27)。
受信されたコンテンツAは、例えば、復号等された後に表示装置に表示され、あるいは、所定の記録媒体に記録され、あるいは、他の装置に転送されるなど、所定の利用に供される。
なお、ここでは、コンテンツの再生箇所について、時刻情報を用いたが、その代わりに、フレーム番号を用いるものとし、必要に応じてフレーム番号と時刻情報との変換を行うようにしてもよい(この点は、以降の各シーケンス例においても同様である)。
また、ここでは、「再生」と「一時停止」を同一のボタンに割り当て、そのボタンの押下回数により、「再生」と「一時停止」を区別するものとしているが、「再生」ボタンと、「一時停止」ボタンとを独立にしてもよい(この点は、以降の各シーケンス例においても同様である)。
以上により、ユーザからのコンテンツAの再生開始を意図する『再生/一時停止』ボタン押下を契機とし、コンテンツ受信装置2は、現時刻において最初にストリーム送出を開始するアドレスを導出することで、NVODシステムのような放送形態において、VODシステムのような再生シーケンスを擬似的に実現することができる。
次に、第2に、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生を中断し再開する「コンテンツ一時停止シーケンス」について説明する。
ここで、図11を参照しながら、再生の一時停止と、一時停止からの視聴の再開の制御について説明する。
例えば、図11において、1番目のストリームを再生しているときに、時刻t3において、『再生・一時停止』ボタン押下がなされ、一時停止したとする。このとき、例えば、時刻t3のときのフレームの内容が静止画として表示される。次に、時刻t4において、『再生・一時停止』ボタン押下がなされたとする。このとき、1番目のストリームの時刻t3のときのフレームは、時刻t4の直近では、時刻t5に6番目のストリームにより配信されることから、コンテンツ受信装置2は、視聴するストリームを、1番目のものから6番目のものに切り換えることによって、一時停止からの再開を実現することができる。
図12に、コンテンツ一時停止シーケンスにおける「コンテンツ再生の中断(一時停止)」に該当する場合のコンテンツ受信装置2の内部処理手順例を示す。また、図13に、コンテンツ一時停止シーケンスにおける「コンテンツ再生を中断(一時停止)した後の再開」に該当する場合のコンテンツ受信装置2の内部処理手順例を示す。
本具体例では、コンテンツ受信装置2は、前述したコンテンツ再生シーケンスが完了し、ユーザが(“13:00:42”にストリーム送出が開始されるマルチキャストアドレス“ffee:1000::7”により)コンテンツAの視聴を開始して、一定時経過(ここでは、3600秒とする)した状態にあるものとする。
コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの『再生・一時停止』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(図12のステップS31)。
視聴制御検出部22は、「『再生・一時停止』ボタン押下であること」、「コンテンツAの再生位置が先頭から3600秒経過した位置にあること」、及び「押下された時刻が“14:00:42”であること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS32)。
視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から情報を取得し、「2回目(偶数回目)『再生・一時停止』ボタン押下であること(すなわち一時停止要求であること)」を検出し、視聴ストリーム切換部25に対して、視聴ストリームの受信停止を要求する(ステップS33)。
視聴ストリーム切換部25は、これを受けて、コンテンツAの受信を停止するために、受信中のマルチキャストアドレスに対する離脱要求を、エッジルータ装置9に対して送信する(ステップS34)。
これによって、コンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1から当該マルチキャストアドレス(本具体例では、“ffee:1000::7”)により配信されるコンテンツAの受信を終了する(ステップS35)。
この結果、一時停止が実現される。一時停止の間は、例えば、静止画が表示される。
続いて、コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの再度の『再生・一時停止』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(図13のステップS41)。
視聴制御検出部22は、「『再生・一時停止』ボタン押下であること」、及び「押下された時刻が“15:00:42”であること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS42)。
次に、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から、「3回目(奇数回目)『再生・一時停止』ボタン押下であること(つまり再生再開要求であること)」、「2回目の押下から3600秒(15:00:42−14:00:42)が経過していること」、及び「コンテンツの一時停止位置が先頭から3600秒経過した位置であること」を示す視聴制御状態情報を取得する(ステップS43)。さらに、ストリームグループ情報記憶部29からストリームグループ情報を引き出し、現在時刻を加味して、コンテンツAの再生を再開するためのストリームのマルチキャストアドレス(好ましくは、最適なストリームのマルチキャストアドレス)を算出する(ステップS44)。
具体的には、例えば、現時刻“15:00:42”において、送出開始から3600秒が経過しているストリーム(すなわち、“14:00:42”に送出開始されたストリーム)のマルチキャストアドレスを算出することになり、送出順序情報が3642/6=607、hex(607)=25fであることから、受信するマルチキャストアドレスは、“ffee:1000::25f”となる。
視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24からの要求に基づき、視聴ストリーム切換部25は、マルチキャストアドレス“ffee:1000::25f”に対する参加要求を、エッジルータ装置9に対して送信する(ステップS45)。
これによって、コンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1から当該マルチキャストアドレス(本具体例では、“ffee:1000::25f”)により配信されるコンテンツAを、視聴を中断した位置(具体例では、送出開始から3600秒が経過した位置)から、受信開始する(ステップ46)。
この結果、一時停止した後の視聴の再開(一時停止の解除)が実現される。
なお、上記では、一時停止した後の視聴の再開を、一時停止したときのコンテンツの部分(例えば、一時停止したときのフレーム)から開始するようにしたが、一時停止したときのコンテンツの部分よりも一定時間前に当たる部分(例えば、一時停止したときのフレームより所定数だけ前のフレーム)から開始するように、切り替え先のマルチキャストアドレスを選択するようにしてもよい。
以上により、ユーザからのコンテンツAの一時停止と、再生再開を意図する『再生/一時停止』ボタン押下を契機とし、コンテンツ受信装置2は、再生再開に最適の(一時停止した時点での再生位置を、現時刻において再生している)ストリームのマルチキャストアドレスを導出することで、NVODシステムのような放送形態において、VODシステムのような一時停止シーケンスを擬似的に実現することができる。
ここで、図14を参照しながら、以下で説明する早送りの制御及び早戻しの制御等について説明する。
例えば、図14において、7番目のストリームを通常再生しているときに、時刻t11において、『早送り』ボタン押下がなされたとする。このとき、例えば、c1で示す時間経過とストリーム遷移との関係にそうように、まず、6番目のストリームに切り替え、次に、5番目のストリームに切り替え、次に、4番目のストリームに切り替え、次に、3番目のストリームに切り替え、次に、2番目のストリームに切り替え、というように、視聴ストリームを遷移していく。そして、時刻t12で、通常再生に戻す操作(例えば、『再生・一時停止』ボタン押下など)がなされたとすると、2番目のストリームにより通常再生を行う。ここで、2番目のストリームにおいて時刻t12で配信されるフレームは、もとの7番目のストリームでは、それより先の時刻t13で配信されるフレームと同じである(図14のfとf’参照)。すなわち、上記制御によって、時刻t11から時刻t12において、もとの2番目のストリームにおける時刻t11から時刻t13に相当する部分を、早送りするのと同等の視聴制御を実現することができる。なお、c2で示す関係に従えば、c1より低速度の早送りになり、c3で示す関係に従えば、c1より高速度の早送りになる。
また、例えば、図14において、7番目のストリームを通常再生しているときに、時刻t11において、『早戻し』ボタン押下がなされたとする。このとき、例えば、c4で示す時間経過とストリーム遷移との関係にそうように、まず、8番目のストリームに切り替え、次に、9番目のストリームに切り替え、…というように、視聴ストリームを遷移していく。そして、時刻t12で、通常再生に戻す操作(例えば、『再生・一時停止』ボタン押下など)がなされたとすると、14番目のストリームにより通常再生を行う。ここで、14番目のストリームにおいて時刻t12で配信されるフレームは、もとの7番目のストリームでは、時刻t11より前の時刻t14で配信されるフレームと同じである(図14のfとf’’参照)。すなわち、上記制御によって、時刻t11から時刻t12において、もとの2番目のストリームにおける時刻t11から時刻t14に相当する部分を、早戻りするのと同等の視聴制御を実現することができる。なお、早送りと同様、c4より低速度の早戻しや、c4より高速度の早戻しが可能である。また、c4の直線の傾きの絶対値が、fで示す直線の傾きの絶対値に近くなると、1倍速未満のスローの巻き戻しも可能である。
なお、c4の直線の傾きの絶対値が、fで示す直線の傾きの絶対値より小さくなると、1倍速未満のスロー再生と同等の視聴制御になる。
また、例えば図4のタイムバー212をスライドさせるなどして、任意の時刻が指示されたような場合には、c5やc6のように、直接、他のストリームに移ることによって、その任意の時刻からの再生を行わせることが可能になる。
さて、第3に、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生中に早送りする「コンテンツ早送りシーケンス」について説明する。
図15に、コンテンツ早送りシーケンスにおけるコンテンツ受信装置2の内部処理手順例を示す。
本具体例では、コンテンツ受信装置2は、前述したコンテンツ再生シーケンスが完了し、ユーザがコンテンツAの視聴を開始してから所定の時間が経過した状態(ここでは、開始してから6秒経過後とする)にあるものとする。
また、ここでは、「早送り」に段階があり、一段階目の早送り要求は2倍速の早送り要求であるものとする。
コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの『早送り』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(ステップS51)。
視聴制御検出部22は、「『早送り』ボタン押下であること」、「コンテンツAの再生位置が先頭から6秒経過した位置にあること」、及び「押下された時刻が“13:00:48”であること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS52)。このとき、「コンテンツAの再生位置が先頭から6秒経過した位置にあること」及び「押下された時刻が“13:00:48”であること」は、現在受信中のマルチキャストストリームのアドレスの算出に利用するために記録するのであるが、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24において、現在受信中のマルチキャストストリームのアドレスを保持する場合は、必ずしもこれらの情報を記録する必要は無い。
次に、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から蓄積情報を取得し、「1回目の『早送り』ボタン押下であること(すなわち一段階目の早送り要求であること)」を検出する(ステップS53)。そして、ストリームグループ情報を利用して、擬似的な2倍速を実現するためのストリーム切換スケジュールを作成し、視聴ストリーム切換部25に対して、このスケジュールに則った視聴ストリームの切換処理を要求する(ステップS54)。
視聴ストリーム切換部25は、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24からの要求に基づき、受信すべきマルチキャストアドレスを、再生順序のより早いものへ遷移させていくような参加要求と離脱要求を、エッジルータ装置9に対して繰り返して行う(ステップS55)。
コンテンツ受信部26は、マルチキャストアドレスが切り替わりながら受信したストリームを、擬似的な「早送り」ストリームとして出力する(ステップS56)。
例えば、コンテンツAの送出間隔が6秒である場合に、2倍速の早送りを実現するためのストリーム切換スケジュールとしては、一例として、“3秒毎に[現再生順序−1]のストリームに受信を切換えること”等とすることができる。すなわち、『早送り』ボタン押下されたときに受信しているマルチキャストアドレスが“ffee:1000::7”であるものとして、3秒毎に“ffee:1000::6”、“ffee:1000::5”、“ffee:1000::4”、…と受信するストリームを切り換えるように視聴ストリーム切換部25に要求することで、擬似的な2倍速を実現することができる。
さらに『早送り』ボタンが複数回押されて、例えば、60倍速の早送りを実現する場合は、0.5秒毎に[現再生順序−5]のストリームの受信に、あるいは1秒毎に[現再生順序−10]のストリームの受信に、順次切り換えるようなストリーム切換スケジュールを作成することで、60倍速の早送りを実現することができる。
もちろん、例えば送出間隔や早送りの速度などに応じて、種々のストリーム切換スケジュールを作成することができる。また、早送りの速度は、必ずしも一定でなくてもよく、早送り中にその速度が変化するようなストリーム切換スケジュールを作成することもできる。
なお、ここでは、早送りや早戻しの速度に段階を設ける場合に、『早送り』ボタンや『早戻し』ボタンの押下回数により、速度を区別するものとしているが、異なる速度毎にボタンを独立に設けるようにしてもよい(この点は、以降の各シーケンス例においても同様である)。
以上により、ユーザからのコンテンツAの『早送り』ボタン押下を契機とし、コンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、連続的かつ定期的に受信ストリームの切換え要求を、視聴ストリーム切換部25に対して行うことで、擬似的な早送りを実現することができる。
次に、第4に、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生中に早戻しする「コンテンツ早戻しシーケンス」について説明する。
図16は、コンテンツ早戻しシーケンスにおけるコンテンツ受信装置2の内部処理手順例を示す。
本具体例では、コンテンツ受信装置2は、前述したコンテンツ再生シーケンスが完了し、ユーザがコンテンツAの視聴を開始してから所定の時間が経過した状態(ここでは、開始してから3600秒経過後とする)にあるものとする。
また、ここでは、「早戻し」に段階があり、一段階目の早戻し要求は2倍速の早戻し要求であるものとする。
コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの『早戻し』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(ステップS61)。
視聴制御検出部22は、「『早戻し』ボタン押下であること」、「コンテンツAの再生位置が先頭から3600秒経過した位置にあること」、及び「押下された時刻が“14:00:42”であること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS62)。このとき、「コンテンツAの再生位置が先頭から3600秒経過した位置にあること」及び「押下された時刻が“14:00:42”であること」は、現在受信中のマルチキャストストリームのアドレスの算出に利用するために記録するのであるが、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24において、現在受信中のマルチキャストストリームのアドレスを保持する場合は、必ずしもこれらの情報を記録する必要は無い。
次に、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から蓄積情報を取得し、「1回目の『早戻し』ボタン押下であること(すなわち一段階目の早戻し要求であること)」を検出する(ステップS63)。そして、ストリームグループ情報を利用して、擬似的な2倍速の早戻しを実現するためのストリーム切換スケジュールを作成し、視聴ストリーム切換部25に対して、このスケジュールに則った視聴ストリームの切換処理を要求する(ステップS64)。
視聴ストリーム切換部25は、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24からの要求に基づき、受信すべきマルチキャストアドレスを、再生順序のより遅いものへ遷移させていくような参加要求と離脱要求を、エッジルータ装置9に対して繰り返して行う(ステップS65)。
コンテンツ受信部26は、マルチキャストアドレスが切り替わりながら受信したストリームを、擬似的な「早戻し」ストリームとして出力する(ステップS66)。
例えば、コンテンツAの送出間隔が6秒である場合に、2倍速の早戻しを実現するための、ストリーム切換スケジュールとしては、一例として、“3秒毎に[現再生順序+1]のストリームに受信を切換え、切り替え後に受信したストリームの先頭の1画像を静止画として(3秒間ずつ)出力する”等とすることができる。すなわち、『早戻し』ボタン押下されたときに受信しているマルチキャストアドレスが“ffee:1000::7”であるものとして、3秒毎に“ffee:1000::8”、“ffee:1000::9”、“ffee:1000::10”、…と受信するストリームを切り換えるように視聴ストリーム切換部25に要求することで、擬似的な2倍速の早戻しを実現することができる。
さらに『早戻し』ボタンが複数回押されて、例えば、60倍速の早戻しを実現する場合は、0.5秒毎に[現再生順序−5]のストリームの受信に、順次切り換えるようなストリーム切換スケジュールを作成し、受信したストリームの先頭の1画像を静止画として出力することで60倍速の早戻しを、擬似的に実現することができる。
もちろん、例えば送出間隔や早戻しの速度などに応じて、種々のストリーム切換スケジュールを作成することができる。また、早戻しの速度は、必ずしも一定でなくてもよく、早戻し中にその速度が変化するようなストリーム切換スケジュールを作成することもできる。
以上により、ユーザからのコンテンツAの『早戻し』ボタン押下を契機とし、コンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、連続的かつ定期的に受信ストリームの切換え要求を、視聴ストリーム切換部25に対して行うことで、擬似的な早戻しを実現することができる。
ところで、上記のトリックプレイ(すなわち、早送りや早戻しなど)について、コンテンツのコーデックに特化した方法をとることで、より滑らかな擬似ストリームを実現できる場合がある。
以下、MPEGに特化した例を説明する。
例えば、MPEGでは、30フレーム/秒のもと、GOP(Group Of Picture)という15フレームのかたまりを1単位として、画像データの圧縮・伸張を行う。MPEGでは、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームという3種類のフレームが存在し、GOPは、I・B・B・P・B・B・P・B・B・P・B・B・P・B・Bで構成される。ここで、Iフレームは、画像を圧縮した基本フレーム、Pフレームは、前のIフレームまたはPフレームからの差分を利用した時間型圧縮したフレーム、Bフレームは、前後フレームとの差分情報を利用した双方向予測的圧縮したフレームである。
コンテンツ受信装置2は、このGOPの構成を利用して、早送りの場合は、I,Pフレームのみを利用し、早戻しの場合は、Iフレームのみを利用するなどの方法が考えられる。
ストリーム切替え時間の最小値を2秒とし、NVODストリームの送出間隔が6秒間である場合を例にとって、具体的な方法について説明する。
早送りを実現する場合、3倍速以下(x倍速)であれば、6/x秒毎に受信ストリームを1つ先のストリームに切替え、切替え後、0.5秒毎に1つ含まれるIフレームを取得し、デコーダに渡す。以降、Bフレームを抜いて、I,Pフレームを逐次取得し、次のストリームのIフレームを受信するまで、P,Iフレームをデコーダに渡す。3倍速より早い場合、常に2秒毎に先のストリームに切り替え(例えば、6倍速の場合、2秒毎に2つ先のストリームに切替え、30倍速の場合、2秒毎に10先のストリームに切替え)、Iフレームのみをデコーダに渡す。
また、早戻しを実現する場合、3倍速以下(x倍速)であれば、6/x秒毎に受信ストリームを1つ前のストリームに切替え、切替え後、0.5秒毎に1つ含まれるIフレームを取得し、デコーダに渡す。以降、B,Pフレームを抜いて、Iフレームを逐次取得し、次のストリームのIフレームを受信するまで、Iフレームをデコーダに渡す。3倍速より早い場合、常に2秒毎に先のストリームに切り替え(例えば、6倍速の場合、2秒毎に2つ前のストリームに切替え、30倍速の場合、2秒毎に10前のストリームに切替え)、Iフレームのみをデコーダに渡す。
このような方法により、GOPを利用しないものよりも、視覚的により滑らかなトリックプレイを実現することができる。
以上、幾つかのトリックプレイの実現について説明してきたが、本実施形態によれば、これまで説明した以外の種々のトリックプレイを実現することができる。
ところで、擬似的な早送り、早戻しストリーム等を実現するために、短期間で受信ストリームを切換える必要がある場合、なめらかな擬似ストリームを実現するために切換え処理に要する遅延を考慮することも考えられる。
図17に、この場合のコンテンツ受信装置2の構成例を示す。
図17の構成例は、図3の構成例に対して、視聴ストリームの切り換えに要する遅延を算出する切換遅延算出部27を追加したものである。
この場合、まず、コンテンツ受信装置2の切換遅延算出部27が、ネットワーク8におけるマルチキャストストリームの受信切換えに要する遅延時間をモニタリングし、例えば、その平均値を蓄積する。かりに、遅延時間の平均が100ミリ秒であった場合に、視聴ストリーム切換部25は、切換遅延算出部27を利用し、次のストリームへの切換えを、100ミリ秒早く行う。
あるいは、切換遅延算出部27を利用せず、スケジュールによって予め決まっている次のストリームを1本(もしくはネットワーク帯域が許容するなら一定数本)受信しておく方法も考えられる。例えば、常に3本のマルチキャストストリームを受信可能な場合、出画中の一本目のストリームとは別に、2本目、3本目のストリームを受信しておく。スケジュールにのっとって2本目のストリームを出画する際に、1本目のストリームの受信を終了し、新たに、4本目のストリームの受信要求を行う。
また、コンテンツの配信スケジュールによっては、視聴制御を行う際に、切り換え先のストリームがないケースがあり得る。例えば。少なくとも、新たなコンテンツの配信サービスの開始前や、そのコンテンツの配信サービスの終了後は、ストリームが存在しないし、例えば時間帯によって隣接ストリーム間の送出間隔を非常に大きくするような場合には、ストリームが存在しないことがあり得る。
ユーザが指示した視聴制御に基づいて算出した切り換え先のストリームが存在しない場合には、その視聴制御を行うことができないので、ユーザに対して視聴制御ができない旨のメッセージを提示するようにしてもよい。
あるいは、予め、用意された視聴制御のそれぞれについて、ストリームグループ情報を参照して、当該視聴制御が指示されたときに、それが可能であるか不能であるかを判断し(あるいは、不能である期間を求め)、不能である視聴制御について、例えば、これに対応するGUI上のボタンを無効化し、あるいは、ボタンが押されたときに、警告音を鳴らすなどして、現在、その視聴制御が使用できない旨をユーザに提示するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、コンテンツ配信装置が同一コンテンツを複数のストリームで配信する場合に、より効果的に再生・一時停止・早送り・早戻し等の視聴制御を実現することができるようになる。例えば、視聴傾向の偏りに対しても一定数のマルチキャストストリームに抑制可能なNVODシステムの利点は維持しつつ、コンテンツ受信装置が、VODのような操作性を備えた視聴制御機能を実現することできる。
さらに、コンテンツ受信装置は、マルチキャストストリームをキャッシュする必要が無いという利点もある。ただし、本実施形態において、キャッシュを併用することによって、さらに効果的な視聴制御機能を実現することも可能になる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理を主としてコンテンツ受信装置2側で行うものであったが、この第2の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理を主としてコンテンツ配信装置1で行うようにしたものである。以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
第1の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理を主としてコンテンツ受信装置2側で行うものであったが、この第2の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理を主としてコンテンツ配信装置1で行うようにしたものである。以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
本実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成例は、第1の実施形態(図1)と同様である。
図18に、本実施形態のコンテンツ配信装置1の構成例を示す。
図18のコンテンツ配信装置1の構成例は、第1の実施形態(図2)の構成例に対して、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14を更に備えている点が相違している。
本実施形態のコンテンツ受信装置2の構成例は、基本的には第1の実施形態(図3または図17)と同様で構わない。ただし、本実施形態では、第1の実施形態においてコンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24が行ったストリーム選定等を、コンテンツ配信装置1の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14が行うので、コンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、ストリームの選定等を、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14に行って貰う点が、第1の実施形態と相違する。
次に、ストリームグループ情報について説明する。
ストリームグループ情報は、第1の実施形態に示したものを用いても構わないが、ここでは、図19に示すような、トリックプレイ用のストリームも含む構成を持つストリームグループ情報を利用するものとする。図19に示すフォーマット例は、図8のフォーマットを拡張したものであり、同一コンテンツを伝送する全ての通常再生用マルチキャストストリームを特定可能とする情報に加え、トリックプレイ(早送り、早戻し)用コンテンツのマルチキャストストリームのアドレス体系をリストとして持つ。図19の例では、2倍速の早送り、4倍速の早送り、8倍速の早送り、16倍速の早送り、2倍速の早戻し、4倍速の早戻し、8倍速の早戻し、16倍速の早戻しのそれぞれについて用意された各々のトリックプレイ用コンテンツのマルチキャストストリームのアドレス体系をリストとして持つものである。
なお、図19のトリックプレイ用コンテンツのマルチキャストストリームのアドレス体系は、もともとのコンテンツのコンテンツ識別子について図8で説明したものと同様である。例えば、IPv6マルチキャストを利用する場合に、コンテンツを識別する情報(コンテンツ識別子)として、IPv6マルチキャストアドレスの上位64ビットを利用し、下位64ビットに送出順序を示す送出順序情報(あるいは、例えば、0:00:00からの経過秒数を示す時間情報など)を指定する。
また、図19では、マルチキャストアドレスに、トリックプレイに関する情報(この場合、早戻しや早送りにおける倍速値と、早戻しか早送りかの区別とを特定可能な情報)を含めるようにした例を示している。
もちろん、図6又は図7のフォーマットに、上記のようなトリックプレイ(早送り、早戻し)用コンテンツのマルチキャストストリームのアドレス体系を示すリストを付加したものを用いても構わない。
次に、本実施形態の動作について第1の実施形態と同様の具体例を用いながら詳しく説明する。
ここでは、コンテンツ受信装置2を起点として、視聴制御の種類毎に、その動作シーケンスについてそれぞれ説明する。
まず、第1に、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生を開始する「コンテンツ再生シーケンス」について説明する。
図20に、コンテンツ再生シーケンスにおけるコンテンツ配信装置1と、コンテンツ受信装置2との通信シーケンス例を示す。また、図21に、コンテンツ再生シーケンスにおけるコンテンツ受信装置2の処理手順例を示す。
まず、コンテンツ受信装置2は、第1の実施形態と同様、予めコンテンツAのコンテンツパス情報(RTSPサーバ上でのコンテンツ識別情報)を取得しているものとする。
コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの『再生・一時停止』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(図20のステップS111、図21のステップS121)。視聴制御検出部22は、視聴制御状態情報として、「『再生・一時停止』ボタン押下であること」、及び「コンテンツAの再生開始前であること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS111、ステップS122)。視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から視聴制御状態情報を取得し、「1回目(奇数回目)『再生・一時停止』ボタン押下であること」及び「コンテンツ再生前の状態であること(すなわちコンテンツ再生開始要求であること)」を検出し、コンテンツAのコンテンツパス情報を宛先として、RTSP DESCRIBEリクエストを、コンテンツ配信装置1に送信する(S112、S123)。
コンテンツ配信装置1のストリームグループ情報提供部11は、コンテンツ受信装置2からのRTSP DESCRIBEリクエストを受信し、ストリームグループ情報記憶部19から、コンテンツAのストリームグループ情報を取得し(ステップS113)、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14により、ストリーム配信要求の受信時刻が“13:00:40”であることから(なお、時刻は、例えば、当該コンテンツ配信装置1が内蔵する時計装置から得ればよい)、マルチキャストアドレス(好ましくは、最適なマルチキャストアドレス)を算出・選定して(ステップS114)、これをRTSP DESCRIBEリクエストへの応答として返す(ステップS115)。例えば、ストリームグループ情報として、コンテンツ識別情報に“ffee:1000::0/64”、コンテンツ送出開始時刻“9:00:00”、コンテンツ再生時間に“7200”秒、コンテンツ送出間隔に“6”秒が指定されていた場合、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14は、“13:00:42”にストリーム送出が開始される、マルチキャストアドレス“ffee:1000::7”を算出し、これを返す。
コンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、コンテンツ配信装置1からの応答から、コンテンツAのマルチキャストアドレス(ffee:1000::7)を取得し、これを視聴ストリーム切換部25に渡す(ステップS123)。視聴ストリーム切換部25は、算出したマルチキャストアドレスに対する参加要求を、エッジルータ装置9に対して送信する(ステップS116、S124)。
これによって、コンテンツ受信装置2のコンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1から当該マルチキャストアドレス(本具体例では、“ffee:1000::7”)により配信開始されるコンテンツAを(コンテンツの開始部分から)受信開始する(ステップS117、ステップS125)。
受信されたコンテンツAは、例えば、復号等された後に表示装置に表示され、あるいは、所定の記録媒体に記録され、あるいは、他の装置に転送されるなど、所定の利用に供される。
以上により、ユーザからのコンテンツAの再生開始を意図する『再生/一時停止』ボタン押下を契機とし、コンテンツ配信装置1が現時刻において視聴するストリームのマルチキャストアドレス(好ましくは、最適なストリームのマルチキャストアドレス)を導出し、これをコンテンツ受信装置2に通知することで、NVODシステムのような放送形態において、VODシステムのような再生シーケンスを擬似的に実現することができる。
第2に、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生を中断し再開する「コンテンツ一時停止シーケンス」について説明する。
図22に、コンテンツ一時停止シーケンスにおける「コンテンツ再生の中断(一時停止)」に該当する場合のコンテンツ受信装置2の内部処理手順例を示す。また、図23に、コンテンツ一時停止シーケンスにおける「コンテンツ再生を中断(一時停止)した後の再開」に該当する場合のコンテンツ受信装置2の内部処理手順例を示す。
本具体例では、第1の実施形態と同様、コンテンツ受信装置2は、前述したコンテンツ再生シーケンスが完了し、ユーザが(“13:00:42”にストリーム送出が開始されるマルチキャストアドレス“ffee:1000::7”により)コンテンツAの視聴を開始して、一定時経過(ここでは、3600秒とする)した状態にあるものとする。
コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの『再生・一時停止』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(図22のステップS131)。
視聴制御検出部22は、「『再生・一時停止』ボタン押下であること」、及び「コンテンツAの再生位置が先頭から3600秒経過した位置にあること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS132)。
視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から情報を取得し、「2回目(偶数回目)『再生・一時停止』ボタン押下であること(すなわち一時停止要求であること)」を検出し、視聴ストリーム切換部25に対して、視聴ストリームの受信停止を要求する(ステップS133)。
視聴ストリーム切換部25は、これを受けて、コンテンツAの受信を停止するために、受信中のマルチキャストアドレスに対する離脱要求を、エッジルータ装置9に対して送信する(ステップS134)。
これによって、コンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1から当該マルチキャストアドレス(本具体例では、“ffee:1000::7”)により配信されるコンテンツAの受信を終了する(ステップS35)。
この結果、一時停止が実現される。一時停止の間は、例えば、静止画が表示される。
続いて、コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの再度の『再生・一時停止』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(図23のステップS141)。
視聴制御検出部22は、「『再生・一時停止』ボタン押下であること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する。
次に、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から、「3回目(奇数回目)『再生・一時停止』ボタン押下であること(つまり再生再開要求であること)」、及び「コンテンツの一時停止位置が先頭から3600秒経過した位置であること」を示す視聴制御状態情報を取得し、コンテンツ配信装置1に対して、上記視聴制御状態情報をRTSP DESCRIBEリクエストで通知する(ステップS143)。
コンテンツ配信装置1は、RTSP DESCRIBEリクエストを受信すると、現在時刻において、先頭から3600秒経過した位置を再生しているマルチキャストアドレスを、視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14で算出する。
具体的には、例えば、現時刻“15:00:42”において、送出開始から3600秒が経過しているストリーム(すなわち、“14:00:42”に送出開始されたストリーム)のマルチキャストアドレスを算出することになり、送出順序情報が3642/6=607、hex(607)=25fであることから、受信するマルチキャストアドレスは、“ffee:1000::25f”となる。
コンテンツ配信装置1は、RTSP DESCRIBEリクエストへの応答として、この算出したアドレスを、コンテンツ受信装置2に通知する。
視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、コンテンツ配信装置1から取得したマルチキャストアドレスに切り換えさせるために、視聴ストリーム切換部25に切換え要求を出す(ステップS143)。
視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24からの要求に基づき、視聴ストリーム切換部25は、マルチキャストアドレス“ffee:1000::25f”に対する参加要求を、エッジルータ装置9に対して送信する(ステップS144)。
これによって、コンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1から当該マルチキャストアドレス(本具体例では、“ffee:1000::25f”)により配信されるコンテンツAを、視聴を中断した位置(具体例では、送出開始から3600秒が経過した位置)から、受信開始する(ステップS145)。
この結果、一時停止の解除(再生の再開)が実現される。
以上により、ユーザからのコンテンツAの一時停止と、再生再開を意図する『再生/一時停止』ボタン押下を契機とし、コンテンツ受信装置2は、再生再開に最適の(一時停止した時点での再生位置を、現時刻において再生している)ストリームのマルチキャストアドレスを導出することで、NVODシステムのような放送形態において、VODシステムのような一時停止シーケンスを擬似的に実現する。
最後に、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生中の早送り、早戻しシーケンスについて説明する。
本実施形態においては、コンテンツ配信装置1の側でストリーム選定をおこなうために、早送りや早戻しは、第1の実施形態に示した擬似的なストリームの切換えによっては、実現できない。そこで、ここでは、トリックプレイ用のストリームを利用する場合について説明する。
コンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、一時停止の場合と同様、視聴制御状態情報から、早送り、早戻しの押下回数、現在の再生位置(先頭からの経過時間)情報を、RTSP DESCRIBEリクエストで、コンテンツ配信装置1へ通知する。コンテンツ配信装置1の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14は、受信した視聴制御状態情報と、現在時刻と、図19に示すストリームグループ情報に基づき、トリックプレイ用ストリーム(好ましくは、要求に最適なトリックプレイ用ストリーム)を選定し、そのアドレスをコンテンツ受信装置2に通知する。視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、受信したアドレスに切換えるよう視聴ストリーム切換部25に要求する。例えば、図19においては、トリックプレイの倍速値情報を、マルチキャストアドレスの先頭から5バイト目(早戻しの倍速値)、6バイト目(早送りの倍速値)に、含めている。
これによって、ユーザからのコンテンツAの『早送り』ボタン押下や『早戻し』ボタン押下を契機として、擬似的な早送りや早戻しを実現することができる。
なお、コンテンツ配信装置1は、これらトリックプレイ用のストリームを生成するときに、第1の実施形態に示したようにGOPを利用した生成方法を採ってもよい。
例えば、早送りを実現する場合、コンテンツ配信装置1は、3倍速以下では、I,Pフレームのすべてを、所定の倍速値になるタイミングで送出し、15倍速以下では、IフレームとPフレームの一部を、所定の倍速値になるタイミング且つ通常再生のビットレートを超えないレベルで送出し、15倍速超では、Iフレームのみを、所定の倍速値になるタイミング且つ通常再生のビットレートを超えないレベルで送出する。
また、例えば、早戻しを実現する場合、コンテンツ配信装置1は、Iフレームのみを、所定の倍速値になるタイミング且つ通常再生のビットレートを超えないレベルで送出する。
このような方法により、GOPを利用しないものよりも、視覚的により滑らかなトリックプレイを実現することができる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理をそれぞれ主としてコンテンツ受信装置2側、コンテンツ配信装置1側で行うものであったが、この第3の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理を主としてエッジルータ装置9で行うようにしたものである。また、第1及び第2の実施形態は、コンテンツ配信装置1とコンテンツ受信装置2の2者間の通信によって視聴制御を実現するものであったが、第3の実施形態は、これらにエッジルータ装置9を介在させた3者間の通信によって視聴制御を実現するものである。
第1、第2の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理をそれぞれ主としてコンテンツ受信装置2側、コンテンツ配信装置1側で行うものであったが、この第3の実施形態は、ユーザによる視聴制御を実現するための処理を主としてエッジルータ装置9で行うようにしたものである。また、第1及び第2の実施形態は、コンテンツ配信装置1とコンテンツ受信装置2の2者間の通信によって視聴制御を実現するものであったが、第3の実施形態は、これらにエッジルータ装置9を介在させた3者間の通信によって視聴制御を実現するものである。
本実施形態では、エッジルータ装置9を利用することにより、コンテンツ配信装置1が送信するNVODストリームの送出間隔を長く設定しても、コンテンツ受信装置2を待たせることなく、任意の時間からのコンテンツ再生の開始を実現することができる。
本実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成例は、第1及び第2の実施形態(図1)と同様である。
以下、本実施形態が第1、第2の実施形態と相違する点を中心に説明する。
まず、図24を参照しながら、本実施形態の視聴制御について説明する。
本実施形態においても、基本的には、コンテンツ配信装置1が、あるコンテンツに対する複数のマルチキャストストリームを送出し、これをエッジルータ装置9が受信し、コンテンツ受信装置2が、そのコンテンツに対する参加要求を送出すると、これを受けたエッジルータ装置9が、そのコンテンツ受信装置2に、要求されたコンテンツのマルチキャストストリームを転送する。
ここで、あるコンテンツに対する複数のマルチキャストストリームの送出間隔をT秒とすると、本実施形態のエッジルータ装置9は、そのコンテンツについて、先頭からT秒間経過するまでの間の部分(先頭部分と呼ぶものとする)を事前キャッシュしておく。この事前キャッシュは、コンテンツごとに行う。
なお、コンテンツ配信装置1が、事前キャッシュ用に設けた先頭部分のデータをエッジルータ装置9へ提供するようにしてもよいし、そのようなデータを特別に設けずに、エッジルータ装置9が送出している複数のマルチキャストストリームのうちのいずれかを受信して、先頭部分のデータを事前キャッシュするようにしてもよい。
本実施形態では、エッジルータ装置9が、コンテンツ受信装置2へのコンテンツ配信に供すべきマルチキャストアドレスを選択することから、コンテンツ受信装置2が、所望のコンテンツに係るマルチキャストアドレスに対する参加要求を送出するにあたって、該参加要求で指定するマルチキャストアドレスとして、例えば、当該コンテンツに対する複数のマルチキャストアドレスのうちから(エッジルータ装置9又はコンテンツ受信装置2が)適当に一つを選択したものを用いる方法、コンテンツの代表アドレスとして予め決められたマルチキャストアドレス(例えば、第1番目の順位を持つマルチキャストストリームのマルチキャストアドレス)を用いる方法、マルチキャストアドレスの全ビットのうち、コンテンツを識別する部分のみを特定したもの(他の部分は任意)を用いる方法など、種々の方法がある(いずれの方法においても、エッジルータ装置9は、マルチキャストアドレスの全ビットのうち、コンテンツを識別する部分を参照すればよい)。
ここで、エッジルータ装置9は、コンテンツ受信装置2が送出した(コンテンツ再生開始に係る)参加要求を受信すると、直ちに、要求されたコンテンツについて事前キャッシュしておいたデータを、コンテンツ受信装置2へ送出し始める。この事前キャッシュしておいたデータにより、最大T秒間だけ送出を続けることができる。
また、エッジルータ装置9は、上記のように送出を開始するとともに、T秒以内に事前キャッシュから実際に配信されているマルチキャストストリームへの切り替えを行うために、次の処理を開始する。
すなわち、要求されたコンテンツに対する複数のマルチキャストストリームのうち、現時点(例えば、参加要求受信時刻とする)において、そのコンテンツの先頭からT秒以内の部分を送信しているマルチキャストアドレスを選択する。ここで、参加要求受信時点で、選択されたマルチキャストアドレスにおいて送信されている部分は、そのコンテンツの先頭からt秒経過した部分であったものとする。
例えば図24(a)のように、T秒間隔で、“ffee:1000::0”、“ffee:1000::T”、“ffee:1000::2T”、…のようなマルチキャストアドレスにて複数のマルチキャストストリーム(図24(a)の各長方形が一つのマルチキャストストリームのコンテンツの開始から終了までを表しているものとする)が繰り返し送信されている場合に、図示したようなタイミングで参加要求が受信されると、参加要求受信時点で先頭からT秒以内の部分(この例では先頭からt秒経過した部分)を送信しているマルチキャストアドレスである“ffee:1000::T”が選択される。以下、“ffee:1000::T”が選択された場合を例にとって説明する。
エッジルータ装置9は、選択した“ffee:1000::T”のマルチキャストストリームについて、(直ちに転送できず、遅延を設ける必要があるので)一時キャッシュを開始する。
さて、エッジルータ装置9は、例えば図24(b)のように、事前キャッシュしておいたデータを、先頭からt秒間だけ送出するものとすると、続けて、 “ffee:1000::T” のマルチキャストストリームを利用して、コンテンツの先頭からt秒間経過したところ以降を、コンテンツの終了まで、コンテンツ受信装置2へ送出する。ただし、“ffee:1000::T” のマルチキャストストリームのコンテンツ受信装置2への転送は、“ffee:1000::T” のマルチキャストストリームの開始時刻から参加要求受信時刻までのt秒間だけ遅延しているので、エッジルータ装置9は、図24(b)のように、“ffee:1000::T” のマルチキャストストリームの先頭からt秒間経過した以降の部分について、それを受信してからt秒間だけ一時キャッシュして遅延させた後に送信する。
なお、事前キャッシュ分から“ffee:1000::T” のマルチキャストストリームへの切り替えは、上記ではコンテンツの先頭からt秒経過した時点で行ったが、「先頭からt秒経過した時点」と「先頭からT秒経過した時点」との間の任意の時点で行うようにすることが可能である。
なお、上記した視聴制御は、コンテンツ受信装置2ごとに行う(コンテンツ受信装置2が同時に複数の参加要求を行うことができる場合には、コンテンツ受信装置2ごと、参加要求ごとに行う)。
上記した視聴制御は、コンテンツ受信装置2がコンテンツの(先頭部分からの)再生の開始を要求する場合であるが、コンテンツ受信装置2がコンテンツの再生の中断を要求し、次いでコンテンツの再生の再開を要求する場合も、基本的には同様の制御により実現可能である。
まず、コンテンツの再生を中断(一時停止)する場合について説明する。
エッジルータ装置9は、コンテンツ受信装置2から、中断(一時停止)に係る離脱要求を受信すると、基本的にはこれまでの実施形態と同様に処理を行うが、その際に、例えばそれまで使用していたマルチキャストストリームを利用して、前述の事前キャッシュと同様に、コンテンツの中断箇所(先頭からp秒経過した箇所とする。)を起点としてT秒間だけデータをキャッシュ(再開用キャッシュと呼ぶものとする)しておく。
次に、コンテンツの再生を再開する場合について説明する。
エッジルータ装置9は、上記の後にコンテンツ受信装置2から参加要求を受信すると、直ちに、要求されたコンテンツについて再開用キャッシュしておいたデータを、コンテンツ受信装置2へ送出し始める。
一方、エッジルータ装置9は、上記参加要求を受信すると、要求されたコンテンツに対する複数のマルチキャストストリームのうち、現時点(例えば、参加要求受信時刻とする)において、そのコンテンツの「先頭からp秒経過した箇所」からT秒以内の部分を送信しているマルチキャストアドレスを選択し、一時キャッシュを開始する。
以降の制御は、前述のコンテンツ再生開始時の制御と同様である。
なお、上記では、コンテンツ再生の中断箇所から再開する場合であるが、例えばコンテンツ再生の中断箇所から一定時間Δpだけ前の箇所から再開する場合には、上記の“p”を“p−Δp”として制御すればよい。
なお、上記では、T秒間のデータ(先頭からT秒間経過するまでの間の部分、あるいは、中断箇所からT秒間経過するまでの間の部分)をキャッシュするものとしたが、T´(>T)秒間のデータをキャッシュすることも可能である。この場合、事前キャッシュあるいは再開用キャッシュから選択したマルチキャストストリームへの切り替えは、t秒経過した時点とT´秒経過した時点との間の任意の時点で行うようにすることが可能である。
以下では、本実施形態の構成及び動作を詳しく説明する。
図25に、本実施形態のコンテンツ配信装置1の構成例を示す。
本実施形態のコンテンツ配信装置1の構成は、第2の実施形態(図18)の構成例に対して、NVODコンテンツ情報提供部17、エッジルータ情報蓄積部31、エッジルータ情報取得部32、エッジルータ接続クライアント識別部33を追加したものになっている(なお、第1の実施形態(図2)の構成例との相違は、これらに更に視聴制御フィードバック用ストリーム選定部14を備えている点である)。
図26に、本実施形態のエッジルータ装置9の構成例を示す。
図26に示されるように、本実施形態のエッジルータ装置9は、ストリームグループ情報記憶部91、ストリームアドレス生成部92、ストリーム受信要求受付部93、ストリームデータキャッシュ部94、ストリーム受信部95、ストリーム送信部96、NVODコンテンツ情報収集部97、受信ストリーム選定部98、ストリームアドレス提供部99を備えている。
なお、エッジルータ装置9は、制御に必要な情報を記載した管理情報を保持してもよい。図27に、管理情報の一例を示す。この例の場合、管理情報には、サービスを提供しているクライアント(コンテンツ受信装置2)を識別する情報、そのクライアントに配信しているコンテンツを識別する情報、そのコンテンツの配信に使用しているマルチキャストアドレスを識別する情報(配信サーバが送出するマルチキャストアドレス、および、エッジルータ装置が送出するマルチキャストアドレス)、そのマルチキャストアドレスの転送に設けている遅延時間、コンテンツ再生の中断があった場合の中断箇所(又は次の再開箇所)を示す情報、当該クライアント専用に使用しているバッファ(キャッシュ)を示す情報が含まれている。
本実施形態のコンテンツ受信装置2の構成例は、基本的には第2の実施形態(図3または図17)と同様で構わない。なお、本実施形態では、実際にはエッジルータ装置9の受信ストリーム選定部98がストリーム選定等を行うので、コンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、ストリームの選定等を、エッジルータ装置9の受信ストリーム選定部98に行って貰う点が、第1、第2の実施形態と相違する。
次に、本実施形態の動作について第1、第2の実施形態と同様の具体例を用いながら詳しく説明する。ただし、第1、第2の実施形態の具体例では、コンテンツ配信装置1がNVODストリームを送出する間隔を「6秒の間隔」としたが、ここでは、コンテンツ配信装置1がNVODストリームを「60秒の間隔」で送出するものとする。例えば、コンテンツの再生時間が120分の場合に、“ffee:1000::0”、“ffee:1000::60”、“ffee:1000::120”、…、“ffee:1000::7200”の60本のマルチキャストストリームが送出されることになる。これは、第1、第2の実施形態の具体例(6秒の間隔)の10倍の送出間隔であるが、このようにストリームの間隔を長くしても本実施形態では同等以上の視聴制御が実現できる。
以下、エッジルータ装置9を起点として、コンテンツ受信装置2がコンテンツAの再生を開始する「コンテンツ再生シーケンス」について説明する。
図28に、コンテンツ再生シーケンスにおけるコンテンツ配信装置1とエッジルータ装置9とコンテンツ受信装置2との通信シーケンス例を示す。また、図29に、コンテンツ再生シーケンスにおけるコンテンツ受信装置2の処理手順例を示す。
まず、コンテンツ配信装置1のエッジルータ情報蓄積部31に対して、エッジルータ装置9ごとに、そのエッジルータ装置9の配下に接続されるクライアント(コンテンツ受信装置2)に対して払い出すIPアドレスのプレフィックス情報と、そのエッジルータ装置9が持つRTSPサーバのURI情報とを、予め登録しておく(ステップS200)。これは、管理者がオフラインで実施してもよいし、エッジルータ装置9(の例えば図示しないエッジルータ情報通知部など)からコンテンツ配信装置1のエッジルータ情報取得部32へネットワーク8を介して行ってもよい。
エッジルータ装置9のNVODコンテンツ情報収集部97は、コンテンツ配信装置1のNVODコンテンツ提供部17から、NVOD配信しているコンテンツリストを取得する。これは、例えば限られた新作の映画コンテンツが、NVODによって配信される場合などを想定している。エッジルータ装置9は、例えばHTTP GETリクエストによって、このNVODコンテンツリストの取得を要求し(ステップS201)、コンテンツ配信装置1のNVODコンテンツ情報提供部17が受信した該HTTP GETリクエストに対する応答(200 OK)として、NVODコンテンツリストを応答する(ステップS202)。NVODコンテンツリストには、コンテンツ毎のストリームグループ情報が含まれており、エッジルータ装置9は、この情報をストリームグループ情報記憶部91に蓄積する。
なお、本具体例では、ストリームグループ情報に図8のフォーマット例を利用するものとするが、図6や図7など他のフォーマットを利用しても構わない。
なお、ストリームグループ情報に記載されている送出間隔は60秒とする。エッジルータ装置9は、ストリームグループ情報をもって、コンテンツ配信装置1からの送出間隔が60秒であることを把握する。エッジルータ装置9は、この本来の送出間隔をコンテンツ受信装置2には隠蔽し、例えば送出間隔1秒の、より細粒度のマルチキャストサービスを提供する。ただし、この送出間隔1秒というのは、本具体例においてはコンテンツ受信装置2側が判断するものである。コンテンツ受信装置2は、後述するリダイレクトされたRTSPリクエストに対するエッジルータ装置9からのレスポンスによって、エッジルータ装置9配下の受信装置がJOIN可能なストリームグループ情報を取得する。すなわち、コンテンツ受信装置2は、例えば0時1分10秒に対応するアドレスとして、“ffee:1000::70”をエッジルータ装置9から受信するが、実際にはコンテンツ配信装置1は、“ffee:1000::0”、“ffee:1000::60”、“ffee:1000::120”、…のマルチキャストアドレスにて1分間隔でNVODストリームを送出している(以下、この例に従って記述する)。なお、エッジルータ装置9による再送信間隔を1秒としているが、これは下限値を1つの例として使用しているだけであり、再送信間隔自体は、元の送出間隔の約数として一般化できる。元の送出間隔が60秒ならば、2、3、4、5、6…秒間隔であってもよい。これは、エッジルータ装置9が、コンテンツ受信装置2にRTSPのレスポンスとして提供するストリームグループ情報によって規定するものである。
エッジルータ装置9は、個々のNVODコンテンツの先頭60秒をキャッシュするために、該当するマルチキャストストリームの受信処理を、ストリーム受信部95により行う。このとき、エッジルータ装置9は、自身にMulticast Listener Reportメッセージを送信するか、あるいは、同等の処理をルータ間プロトコルPIMによって実現する(ステップS203,S204)。エッジルータ装置9は、受信した全てのマルチキャストストリームを、先頭から1分間分ずつ、ストリームデータキャッシュ部94に蓄積する(ステップS205)。
なお、ステップS201〜S205の処理は、例えばコンテンツ配信装置1とエッジルータ装置9との双方をサービス事業者が提供するような場合には、専用回線上のサービス独自方法によって実現することも可能である。
なお、ここまでの一連の処理は、例えば、NVODコンテンツのラインナップの変更時に(例えば1日1回程度)行われることを想定している。
以降は、コンテンツ受信装置2が、所望の時刻からコンテンツAの再生を行うシーケンスになる。コンテンツ受信装置2の動作は、基本的には第2の実施形態と同様であるが、コンテンツ配信装置1からエッジルータ装置9へRTSP DESCRIBEリクエストがリダイレクトされる点が異なる。
まず、コンテンツ受信装置2は、第1の実施形態と同様、予めコンテンツAのコンテンツパス情報(RTSPサーバ上でのコンテンツ識別情報)を取得しているものとする。
コンテンツ受信装置2は、ストリーム視聴制御インタフェース21経由でのユーザからの『再生・一時停止』ボタン押下操作を、視聴制御検出部22によって検知する(図28のステップS206、図29のステップS221)。視聴制御検出部22は、視聴制御状態情報として、「『再生・一時停止』ボタン押下であること」、及び「コンテンツAの再生開始前であること」を、視聴制御状態記憶部28に記録する(ステップS206、ステップS222)。視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、視聴制御状態記憶部28から視聴制御状態情報を取得し、「1回目(奇数回目)『再生・一時停止』ボタン押下であること」及び「コンテンツ再生前の状態であること(すなわちコンテンツ再生開始要求であること)」を検出し、コンテンツAのコンテンツパス情報を宛先として、RTSP DESCRIBEリクエストを、コンテンツ配信装置1に送信する(S207、S223)。
コンテンツ配信装置1のエッジルータ接続クライアント識別部23は、コンテンツ受信装置2からのRTSP DESCRIBEリクエストを受信し、該RTSP DESCRIBEリクエストのリクエスト元のアドレスから、エッジルータ情報蓄積部31に記憶されたエッジルータ情報を利用して、接続されているエッジルータ装置9を判別し(ステップS208)、当該エッジルータ装置9のRTSPサーバURIへ、コンテンツ受信装置2からのリクエストをリダイレクトする。これは、RTSPプロトコルの302 Moved Temporarilyレスポンスを利用して行う(ステップS209、S223)。コンテンツ受信装置2は、該302 Moved Temporarily レスポンスを受信して、レスポンスに記載されているリダイレクト先(エッジルータ装置9上のRTSPサーバURI)に対して、再度、RTSP DESCRIBEリクエストを送信する(ステップS210、S224)。
エッジルータ装置9のストリームアドレス提供部99は、RTSP DESCRIBEリクエストを受付けると、その時点において最適なストリームのアドレスを決定し(ステップS211)、決定したストリームアドレスのマルチキャストアドレスを含むコンテンツ情報をコンテンツ受信装置2へ返す(ステップS212、S224)。このとき、コンテンツ配信装置1は、前述したようにエッジルータ上で1秒間隔の図8の生成規則に基づくアドレスを返してもよいし、(ストリームアドレス生成部92で)クライアント毎に任意のストリームを送出するためのアドレスを新たに生成して返してもよい。あるいは、コンテンツの代表アドレスとして予め決められたマルチキャストアドレスを返してもよい。
コンテンツ受信装置2の視聴制御フィードバック用ストリーム選定部24は、エッジルータ装置9からのRTSP DESCRIBEレスポンス(200 OK)から、コンテンツAのマルチキャストアドレスを取得し、これを視聴ストリーム切換部25に渡す(ステップS224)。視聴ストリーム切換部25は、該マルチキャストアドレスに対する参加要求メッセージを、エッジルータ装置9に対して送信する(ステップS213、S225)。
エッジルータ装置9は、ストリーム受信要求受付部93にて、上記参加要求メッセージを受信すると、ストリーム送信部96にて、要求されたコンテンツAについてキャッシュしているデータを先頭から順に、コンテンツ受信装置2へ送信する(ステップS214)。同時に、送信間隔T(具体例ではT=60)として、エッジルータ装置9の受信ストリーム選定部98は、コンテンツAの先頭からT秒以内の部分(先頭からt秒の部分であったものとする。)を送信しているマルチキャストアドレスを選定し、選定したマルチキャストアドレスの少なくともt秒間の一時キャッシュ処理を開始する(ステップS215)。ここで、具体例として、“ffee:1000::60”で特定されるストリームが、先頭から10秒の位置を再生しているものとすると、このストリームが選定され、このストリームの少なくとも10秒間の一時キャッシュが開始される。
コンテンツ受信装置2のコンテンツ受信部26は、コンテンツ配信装置1から当該マルチキャストアドレス(本具体例では、“ffee:1000::60”)で配信されるコンテンツAをコンテンツの開始部分から受信開始することになる(ステップS214、ステップS226)。
続いて、エッジルータ装置9は、もともとキャッシュしていたコンテンツAをt(本具体例ではt=10)秒分送信した後、ステップS213において一時キャッシュしていたストリームに切り替えて送出する(ステップS216)。本具体例では、“ffee:1000::60”のコンテンツAの先頭から10秒の位置を基点として一時キャッシュを行っているため、この切り替えが可能となる。
これによって、コンテンツ受信装置2のコンテンツ受信部26は、エッジルータ装置9にキャッシュされたコンテンツAの先頭t(本具体例ではt=10)秒分のストリームと、続く部分について上記選定されたストリーム(上記例では“ffee:1000::60”のストリーム)を受信することによって、任意時刻からのコンテンツ再生を実現することができる。ただし、このとき常に上記選定されたストリーム(上記例では“ffee:1000::60”のストリーム)は、エッジルータ装置によってt(本具体例ではt=10)秒間キャッシュされた後に送出されることになる(すなわち、コンテンツ受信装置2は、 “ffee:1000::60”で配信されるコンテンツAを、10秒だけ遅延して受信することになる)。なお、コンテンツ配信装置1が送出するマルチキャストアドレスと、エッジルータ装置9が送出するマルチキャストアドレスは独立したものである。コンテンツ受信装置2は、コンテンツ配信装置1の送出するマルチキャストアドレスを認識する必要は無い。
以上により、ユーザからのコンテンツAの再生開始を意図する『再生/一時停止』ボタン押下を契機とし、コンテンツ配信装置1が現時刻において視聴するストリームのマルチキャストアドレス(好ましくは、最適なストリームのマルチキャストアドレス)を導出し、これをコンテンツ受信装置2に通知することで、NVODシステムのような放送形態において、VODシステムのような再生シーケンスを擬似的に実現することができる。
受信されたコンテンツAは、例えば、復号等された後に表示装置に表示され、あるいは、所定の記録媒体に記録され、あるいは、他の装置に転送されるなど、所定の利用に供される。
以上により、ユーザからのコンテンツAの再生開始を意図する『再生/一時停止』ボタン押下を契機とし、コンテンツ配信装置1が現時刻において視聴するストリームのマルチキャストアドレス(好ましくは、最適なストリームのマルチキャストアドレス)を導出し、エッジルータ装置9のキャッシュを利用することで、NVODシステムのような放送形態において、VODシステムのような再生シーケンスを擬似的に実現することができる。
なお、その他の視聴制御処理(一時停止・再開、トリックプレイ)も同様にエッジルータ装置のキャッシュの枠組みによって実現でき、この場合には、ユーザが再生中(一時停止中)のコンテンツ位置に応じてストリームのキャッシュを更新し続けるようにすればよい。
なお、本実施形態おけるコンテンツ受信装置2は、第2の実施形態と同じ機能で実現できるが、コンテンツ配信装置1に、エッジルータ装置9とエッジルータ配下の受信装置を紐付けするテーブルが必要である。
ところで、本実施形態の他の実現手法としては、コンテンツ配信装置1とコンテンツ受信装置2とがそれぞれ第1の実施形態と同一(図2と図3)のまま、エッジルータ装置9が介在する方法が考えられる。このとき、コンテンツ配信装置1は、コンテンツを1分間隔で送出しているにもかかわらず、ストリームグループ情報として、送出間隔1秒の図8のテーブルを返す。受信装置は、第1の実施形態と同様の方法で、最適なアドレスを自身で決定し、そのアドレスに対して参加要求を出す。これを受けて、エッジルータ装置9は、実際の送出間隔のずれを隠蔽して、要求されたマルチキャストアドレスに対するストリームを生成して流す。この方法により、第1の実施形態から配信装置、受信装置を変更せずに、エッジルータ装置を介在させるだけで、第3の実施形態と同様の機能を実現できる。
なお、第1の実施形態と、第2の実施形態と、第3の実施形態を、任意に組み合わせて実施することが可能である。例えば、あるコンテンツの配信サービスは、第2の実施形態によって実施し、他のコンテンツの配信サービスは、第3の実施形態によって実施するようにすることも可能である。
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとして記述し適当な機構をもったコンピュータに処理させても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための、あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるためのプログラムとして実施することもできる。加えて該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための、あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるためのプログラムとして実施することもできる。加えて該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…コンテンツ配信装置、2…コンテンツ受信装置、8…ネットワーク、9…エッジルータ装置、11…ストリームグループ情報提供部、12…コンテンツ配信部、14,24…視聴制御フィードバック用ストリーム選定部、17…NVODコンテンツ情報提供部、18…コンテンツ記憶部、19,29,91…ストリームグループ情報記憶部、21…ストリーム視聴制御インタフェース、22…視聴制御検出部、23…ストリームグループ情報検出部、25…視聴ストリーム切換部、26…コンテンツ受信部、27…切換遅延算出部、28…視聴制御状態記憶部、31…エッジルータ情報蓄積部、32…エッジルータ情報取得部、33…エッジルータ接続クライアント識別部、92…ストリームアドレス生成部、93…ストリーム受信要求受付部、94…ストリームデータキャッシュ部、95…ストリーム受信部、96…ストリーム送信部、97…NVODコンテンツ情報収集部、98…受信ストリーム選定部、99…ストリームアドレス提供部
Claims (33)
- 同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置から、所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置であって、
前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記コンテンツに対する所定の種類の視聴制御の命令をユーザから入力するための入力手段と、
前記入力手段により入力された前記命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記ストリームグループ情報と前記管理情報と現時刻を示す情報とに基づいて、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定する選定手段と、
選定された前記マルチキャストストリームのアドレスに受信を切換えさせる切換手段と、
切換えられた前記マルチキャストストリームのアドレスにより前記コンテンツを受信する受信手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ受信装置。 - 前記視聴制御の種類には、再生、一時停止、早送り、早戻し及び停止が含まれることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記選定手段は、前記コンテンツに対する現在の視聴状態が再生中である場合に、前記視聴制御の種類を一時停止とする命令を受けたときは、前記コンテンツにおいて一時停止される箇所を特定可能とする情報を前記管理情報に記録するとともに、前記コンテンツの再生を一時停止させることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記選定手段は、前記コンテンツに対する現在の視聴状態が一時停止中である場合に、前記視聴制御の種類を再生再開とする命令を受けたときは、前記管理情報に含まれる前記コンテンツにおいて一時停止されている箇所を特定可能とする情報並びに前記ストリームグループ情報及び現時刻を示す情報に基づいて、再生再開するにあたって切換えるべきマルチキャストストリームのアドレスを選定することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記選定手段は、前記視聴制御の種類を早送りとする命令を受けた場合には、前記ストリームグループ情報及び前記管理情報に基づいて、該早送りに係る命令が有効である間に遷移させていくべきマルチキャストストリームのアドレスと、その遷移させていくべきタイミングとを特定可能とする情報を含むストリーム切換スケジュールを作成し、
前記切換手段は、作成さえた前記スケジュールに従って、前記切換えを行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ受信装置。 - 前記選定手段は、前記視聴制御の種類を早戻しとする命令を受けた場合には、前記ストリームグループ情報及び前記管理情報に基づいて、該早戻しに係る命令が有効である間に遷移させていくべきマルチキャストストリームのアドレスと、その遷移させていくべきタイミングとを特定可能とする情報を含むストリーム切換スケジュールを作成し、
前記切換手段は、作成さえた前記スケジュールに従って、前記切換えを行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ受信装置。 - 前記ストリームグループ情報は、前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのすべてについて、そのアドレス及び配信開始時刻を列記した情報を含むものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記複数のマルチキャストストリームについて、相前後して配信開始するマルチキャストストリームの配信開始時刻の間の間隔が一定であって、前記マルチキャストストリームの数と、前記コンテンツの再生時間を前記間隔で除して得た値とが等しくなるように設定されたものであり、
前記ストリームグループ情報は、前記再生時間、前記間隔、前記複数のマルチキャストストリームのうち、配信開始順位として第1番目の順位を持つマルチキャストストリームの配信開始時刻、及びすべての配信開始順位のマルチキャストストリームのアドレスを列記した情報又は個々の配信開始順位を持つマルチキャストストリームのアドレスを特定可能とする情報を含むものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコンテンツ受信装置。 - 前記ストリームグループ情報により特定される前記マルチキャストストリームのアドレスの一部を、前記配信開始時刻の指定とトリックプレイの倍速値情報の指定との少なくとも一方に利用することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記入力手段は、GUIによる視聴制御インタフェースにより前記命令を入力することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記第2の記憶手段は、前記管理情報に含まれる前記命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報として、前記視聴制御インタフェースにおいて操作されたインタフェース種別及び当該インタフェース種別が操作された回数を記憶し、前記要求を受けた時刻として、当該インタフェース種別が操作された時刻及び期間を記憶し、前記コンテンツに対する現在の視聴状態として、前記コンテンツの現再生位置を記憶することを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記切換手段は、前記コンテンツ配信装置との通信を行う際に利用するネットワークのエッジルータ装置に対して、新たに受信すべきマルチキャストストリームのアドレスに対する参加要求の送信及び又は受信を止めるべきマルチキャストストリームのアドレスに対する離脱要求の送信とを行うものであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記ストリームグループ情報を、前記コンテンツ配信装置から取得する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のコンテンツ受信装置。
- 前記コンテンツは、MPEGで符号化されたものであり、
前記視聴制御の種類を早送り又は早戻しとする命令を受けた場合に、前記コンテンツのフレームのうち、Iフレーム及びPフレームのみ、又はIフレームのみを、当該早送り又は早戻しのために用いることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のコンテンツ受信装置。 - 同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置から、所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置におけるコンテンツ受信方法であって、
前記コンテンツ受信装置が備える第1の記憶手段が、前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶するステップと、
前記コンテンツ受信装置が備える入力手段が、前記コンテンツに対する所定の種類の視聴制御の命令をユーザから入力するステップと、
前記コンテンツ受信装置が備える第2の記憶手段が、前記命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報を記憶するステップと、
前記コンテンツ受信装置が備える選定手段が、前記ストリームグループ情報と前記管理情報と現時刻を示す情報とに基づいて、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定するステップと、
前記コンテンツ受信装置が備える切換手段が、選定された前記マルチキャストストリームのアドレスに受信を切換えさせるステップと、
前記コンテンツ受信装置が備える受信手段が、切換えられた前記マルチキャストストリームのアドレスにより前記コンテンツを受信するステップとを有することを特徴とするコンテンツ受信方法。 - 同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置から、所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記コンテンツに対する所定の種類の視聴制御の命令をユーザから入力するための入力手段と、
前記入力手段により入力された前記命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記ストリームグループ情報と前記管理情報と現時刻を示す情報とに基づいて、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定する選定手段と、
選定された前記マルチキャストストリームのアドレスに受信を切換えさせる切換手段と、
切換えられた前記マルチキャストストリームのアドレスにより前記コンテンツを受信する受信手段とをコンピュータに実現させるためのプログラム。 - 同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより、コンテンツ受信装置へ配信するコンテンツ配信装置であって、
配信対象となるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶するストリームグループ情報記憶手段と、
前記ストリームグループ情報により特定されるマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻に従って、前記コンテンツを配信する配信手段と、
前記コンテンツ受信装置からの要求に応じて、該コンテンツ受信装置へ前記ストリームグループ情報を提供する提供手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ配信装置。 - 同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより、コンテンツ受信装置へ配信するコンテンツ配信装置であって、
配信対象となるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶するストリームグループ情報記憶手段と、
前記ストリームグループ情報により特定されるマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻に従って、前記コンテンツを配信する配信手段と、
前記コンテンツ受信装置から受信した、前記コンテンツ受信装置において入力された前記コンテンツに対する視聴制御の命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツ受信装置における前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報、並びに前記ストリームグループ情報及び現時刻を示す情報に基づいて、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定し、前記コンテンツ受信装置へ応答する制御手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ配信装置。 - 前記視聴制御の種類には、再生、一時停止、早送り、早戻し及び停止が含まれることを特徴とする請求項18に記載のコンテンツ配信装置。
- 前記選定手段は、前記管理情報に含まれる前記視聴状態が再生前であり且つ前記命令に係る種類が再生開始である場合に、現時刻を示す情報及び前記ストリームグループ情報に基づいて、再生開始するにあたって使用すべきマルチキャストストリームのアドレスを選定することを特徴とする請求項18に記載のコンテンツ配信装置。
- 前記選定手段は、前記管理情報に含まれる前記視聴状態が一時停止中であり且つ前記命令に係る種類が再生再開である場合に、前記管理情報に含まれる前記コンテンツにおいて一時停止されている箇所を特定可能とする情報及び前記ストリームグループ情報及び現時刻を示す情報に基づいて、再生再開するにあたって切換えるべきマルチキャストストリームのアドレスを選定することを特徴とする請求項18に記載のコンテンツ配信装置。
- 前記コンテンツ配信装置は、前記コンテンツに対するトリックプレイ用のコンテンツについて、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するものであり、
前記ストリームグループ情報は、各トリックプレイ用のコンテンツごとに、個々の配信開始順位を持つマルチキャストストリームのアドレスを特定可能とする情報を含むものであり、
前記制御手段は、前記コンテンツ受信装置から受信した前記管理情報に含まれる前記命令に係る種類及び前記コンテンツにおいて現在再生されている箇所を特定可能とする情報並びに前記ストリームグループ情報及び現時刻を示す情報に基づいて、前記トリックプレイ用のコンテンツのマルチキャストストリームのアドレスのうちから、該命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを選定し、前記コンテンツ受信装置へ応答することを特徴とする請求項18に記載のコンテンツ配信装置。 - 前記ストリームグループ情報は、前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのすべてについて、そのアドレス及び配信開始時刻を列記した情報を含むものであることを特徴とする請求項18ないし22のいずれか1項に記載のコンテンツ配信装置。
- 前記複数のマルチキャストストリームについて、相前後して配信開始するマルチキャストストリームの配信開始時刻の間の間隔が一定であって、前記マルチキャストストリームの数と、前記コンテンツの再生時間を前記間隔で除して得た値とが等しくなるように設定されたものであり、
前記ストリームグループ情報は、前記再生時間、前記間隔、前記複数のマルチキャストストリームのうち、配信開始順位として第1番目の順位を持つマルチキャストストリームの配信開始時刻、及びすべての配信開始順位のマルチキャストストリームのアドレスを列記した情報又は個々の配信開始順位を持つマルチキャストストリームのアドレスを特定可能とする情報を含むものであることを特徴とする請求項18ないし22のいずれか1項に記載のコンテンツ配信装置。 - 前記ストリームグループ情報により特定される前記マルチキャストストリームのアドレスの一部を、前記配信開始時刻の指定とトリックプレイの倍速値情報の指定との少なくとも一方に利用することを特徴とする請求項18ないし22のいずれか1項に記載のコンテンツ配信装置。
- 前記コンテンツは、MPEGで符号化されたものであり、
前記コンテンツ受信装置は、前記視聴制御の種類を早送り又は早戻しとする命令を受けた場合に、前記コンテンツのフレームのうち、Iフレーム及びPフレームのみ、又はIフレームのみを、当該早送り又は早戻しのために用いることを特徴とする請求項18ないし25のいずれか1項に記載のコンテンツ配信装置。 - 同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置から、所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置であって、
前記コンテンツに対する所定の種類の視聴制御の命令をユーザから入力するための入力手段と、
前記入力手段により入力された前記命令に係る視聴制御の種類を特定可能とする情報及び前記コンテンツに対する現在の視聴状態を含む管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、
前記管理情報を前記コンテンツ配信装置に通知し、これに対する応答として、該コンテンツ配信装置から、前記命令に係る種類の視聴制御を実現するために受信すべきマルチキャストストリームのアドレスを、前記複数のマルチキャストストリームのアドレスのうちから選定した結果を受ける制御手段と、
選定された前記マルチキャストストリームのアドレスに受信を切換えさせる切換手段と、
切換えられた前記マルチキャストストリームのアドレスにより前記コンテンツを受信する受信手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ受信装置。 - 同一のコンテンツを、配信開始時刻を異ならせた複数のマルチキャストストリームにより配信するコンテンツ配信装置と、該コンテンツ配信装置から所望のストリームを受信するコンテンツ受信装置とに介在するエッジルータ装置であって、
前記コンテンツごとに、そのコンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのアドレス及び配信開始時刻を特定可能とするストリームグループ情報を記憶する記憶手段と、
前記コンテンツごとに、そのコンテンツの先頭から一定時間分のストリームを予めキャッシュする事前キャッシュ手段と、
前記コンテンツ受信装置が送信した、或るコンテンツに対する再生の開始に係る第1の視聴制御の命令を受信した場合に、該或るコンテンツについて前記事前キャッシュ手段に予めキャッシュされているストリームの該コンテンツ受信装置への送信を開始する送信手段と、
前記ストリームグループ情報に基づいて、前記或るコンテンツに係る前記複数のマルチキャストストリームのうちから、前記事前キャッシュ手段に予めキャッシュされている前記ストリームに含まれるいずれかの再生位置を現に送出しているマルチキャストストリームを選定する選定手段と、
選定された前記ストリームを所定の再生位置から受信する受信手段と、
受信された前記ストリームを一時的に保持する保持手段とを備え、
前記送信手段は、前記或るコンテンツについて、前記事前キャッシュ手段からのストリームの送信を前記所定の再生位置まで行った後に、続けて前記保持手段からのストリームの送信を開始することを特徴とするエッジルータ装置。 - 前記コンテンツ受信装置が送信した、前記或るコンテンツに対する再生の一時停止に係る第2の視聴制御の命令を受信した場合に、該或るコンテンツについて、次に再開する再生位置から一定時間分のストリームをキャッシュする再開用キャッシュ手段を更に備えたことを特徴とする請求項28に記載のエッジルータ装置。
- 前記コンテンツ受信装置が送信した、前記或るコンテンツに対する再生の再開に係る第3の視聴制御の命令を受信した場合に、前記送信手段は、該或るコンテンツについて前記再開用キャッシュ手段にキャッシュされているストリームの該コンテンツ受信装置への送信を開始し、
前記選定手段は、前記ストリームグループ情報に基づいて、前記或るコンテンツに係る前記複数のマルチキャストストリームのうちから、前記再開用キャッシュ手段にキャッシュされている前記ストリームに含まれるいずれかの再生位置を現に送出しているマルチキャストストリームを再生再開のために選定し、
前記受信手段は、選定された前記ストリームを再生再開のために所定の再生位置から受信し、
前記保持手段は、再生再開のために受信された前記ストリームを一時的に保持し、
前記送信手段は、前記或るコンテンツについて、前記再開用キャッシュ手段からのストリームの送信を前記所定の再生位置まで行った後に、続けて前記保持手段からのストリームの送信を開始することを請求項29に記載のエッジルータ装置。 - 前記ストリームグループ情報は、前記コンテンツの配信に用いられる前記複数のマルチキャストストリームのすべてについて、そのアドレス及び配信開始時刻を列記した情報を含むものであることを特徴とする請求項28ないし30のいずれか1項に記載のエッジルータ装置。
- 前記複数のマルチキャストストリームについて、相前後して配信開始するマルチキャストストリームの配信開始時刻の間の間隔が一定であって、前記マルチキャストストリームの数と、前記コンテンツの再生時間を前記間隔で除して得た値とが等しくなるように設定されたものであり、
前記ストリームグループ情報は、前記再生時間、前記間隔、前記複数のマルチキャストストリームのうち、配信開始順位として第1番目の順位を持つマルチキャストストリームの配信開始時刻、及びすべての配信開始順位のマルチキャストストリームのアドレスを列記した情報又は個々の配信開始順位を持つマルチキャストストリームのアドレスを特定可能とする情報を含むものであることを特徴とする請求項28ないし30のいずれか1項に記載のエッジルータ装置。 - 前記ストリームグループ情報により特定される前記マルチキャストストリームのアドレスの一部を、前記配信開始時刻の指定に利用することを特徴とする請求項28ないし320のいずれか1項に記載のエッジルータ装置。
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