JP2008175797A - シンチレータ - Google Patents

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圭二 住谷
Hiroyuki Ishibashi
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Abstract

【課題】潮解性の高い希土類ハライドの結晶を備えたパッケージからなるシンチレータであって、融着などのガラス材料及び金属材料の種類に依存する手段に代替する接合手段を採用し、しかも結晶への水分の浸透を十分に抑制することのできるシンチレータを提供する。
【解決手段】本発明は、希土類ハライドを母材とするシンチレータ結晶5と、当該シンチレータ結晶5を収納し開口部20aを有する収納部材20と、収納部材20の開口部20aを閉塞するガラス製の窓部材1と、収納部材20と窓部材1とを接着する接着部材30とを備え、接着部材30は所定の耐透湿性を有する材料から構成されるものであるシンチレータ50を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シンチレータに関するものである。
従来、シンチレータを備えた、いわゆるシンチレータ型放射線検出器が知られている。この放射線検出器では、まずシンチレータにγ線等の放射線が入射して蛍光が発生する。次いで、発生した蛍光を光電子増倍管などの光検出器で検出して電気信号に変換する。次に、種々の電子回路でその電気信号を処理して、計数率、蛍光量、時間情報などの各種情報を得る。そして、その各種情報から、入射した放射線の強度、エネルギー、発生位置・方向などの情報を入手する。このシンチレータ型放射線検出器は、主に核医学、高エネルギー物理、放射線管理、地下検層などの分野で幅広く利用されている。
γ線検出の際にシンチレータ型放射線検出器に求められる特性としては、γ線の検出効率が高いこと、エネルギー弁別能力に優れること、並びに時間分解能に優れることが挙げられる。これらを同時に実現すべくシンチレータに求められる特性としては、その密度及び実効原子番号が高いこと、蛍光量(蛍光強度、蛍光出力)が大きいこと、蛍光波長が光検出器の波長感度に適していること、エネルギー分解能に優れていること、並びに、蛍光の立ち上がりが速く減衰時間が短いこと等が挙げられる。
シンチレータは、その材料の観点から有機シンチレータと無機シンチレータとに大別される。また、その物質状態の観点から固体シンチレータ、液体シンチレータ及び気体シンチレータに大別される。これらのうち、無機固体である単結晶シンチレータは密度が大きく蛍光量も大きいため、特にγ線検出の特性に優れている。
単結晶シンチレータとして最もよく知られているのは、材料にNaI:Tlを用いたものである。この単結晶シンチレータは、1948年にR.Hofstadterによって発見されて以来、現在に至るまでほとんどのγ線検出器分野で最も使用されているシンチレータである。しかしながら、NaIは強い潮解性があるため、その結晶を大気中に放置すると、時間経過と共に大気中の水分を吸収し、変色や潮解が発生する。その結果、シンチレータとしての機能が損なわれてしまう。そこで、吸湿を防止するために、その単結晶と、該単結晶を収納する収納ケースと、単結晶から蛍光を取り出す窓材としての光学ガラスとを備えるパッケージ構造が採用される場合がある。
パッケージ構造としては、結晶側面及び一端面が金属製のケース及びキャップで覆われ、もう一方の端面は結晶内で発生した光を伝達するための光学ガラスからなる窓部材で覆われ、それらの接合部が固着されて密封状態を確保するような構造が知られている。NaI:Tlの単結晶を用いたパッケージの基本的な構造を示すものとして、例えば非特許文献1に開示されたような規格が開示されている。
このようなパッケージは単結晶の吸湿を防止するため、高い密封性とそれを保持する機械的耐久性を兼ね備える必要がある。これを保証するため、上述の非特許文献1では、パッケージに組み付けられたシンチレータの検査方法が記載されている。この非特許文献1には、振動、温度サイクル、圧力試験、耐湿漏れ試験の方法も記載されている。ところが、このようなパッケージは温度が高くなると、内圧の変化やケース材料及び窓材間の熱膨張率の差などにより接合部にクラックやピンホールが生じやすくなる結果、容易に密封性が損なわれてしまう。
したがって、より高い密封性が要求されるシンチレータ結晶のパッケージ技術において最も重要なポイントの一つは、異なる材料からなる各部材間を接合する技術にある。特に、ガラス製窓材と金属製ケースとの接合は金属と非金属との接合になるため、接着技術にも制限があり、材質による熱膨張率の差など考慮しなければならない。
これら金属製のケース及びキャップ間の接合、あるいは金属製ケース及びガラス製窓材間の接合に用いられるものとして、標準的なエポキシ系接着剤が挙げられる。エポキシ系接着剤は、種々の金属と種々のガラスとを強力に接合させることが可能であり、また作業性も良好である。しかしながら、エポキシ系樹脂は防水性がそれほど高くないため、高湿下では外部からの水分が接着剤を経由して結晶まで到達してしまう。このため、エポキシ系接着剤を接合用の部材として用いた単結晶シンチレータには、長期の使用による時間経過に伴い蛍光量の著しい低下が生じる。
そこで、このような単結晶シンチレータのパッケージについて、耐湿性を始めとして、耐熱性や耐圧性を高めるための種々の検討がなされている。例えば特許文献1では、エポキシ系樹脂を用いることなく、熱膨張率の差が小さいガラス材料と金属材料とを選択して、それらの材料からなる部材を加熱融着して接合する手法が開示されている。また、特許文献2〜3では、この融着による接合の技術に加えて、熱膨張率を考慮して選択された金属製リングを用いた技術が提案されている。これらの文献によると、金属製リングとガラス製窓材との間の接合を圧縮シールによって補強すると同時に、金属製ケースと金属製リングとを溶接して接合する手段が記載されている。これによって、長期にわたって蛍光量などが大きく低下しないシンチレータを提供することができる、とされている。
一方、Ceを賦活材とした希土類ハライド単結晶が、新しいシンチレータ材料として注目されている。この希土類ハライド単結晶を用いたシンチレータは、蛍光量が大きく、エネルギー分解能に優れ、しかも蛍光減衰時間も短いという利点を有する。シンチレータに用いられる希土類ハライドとしては、LaBr(例えば、特許文献4及び非特許文献2参照)、CeBr(例えば、非特許文献3参照)などが開示されている。これらを材料としたシンチレータの密度、実効原子番号、蛍光量、エネルギー分解能、蛍光の立ち上がり、蛍光減衰時間はNal:Tlよりも優れている。そのため、これらの材料は、あらゆるシンチレータ型放射線検出器の応用分野で期待されている。
以上説明した、従来の材料を用いた主な単結晶シンチレータの特性を表1に示す。
Figure 2008175797


特公平05−014873号公報 特公平03−041798号公報 特公平05−024469号公報 特表2003−523446号公報 JIS−Z4321 Nuclear Instrument And Methods In Physics Research A486(2002)254 IEEE Transactions Nuclear Science, Vol.52(2005)3157
しかしながら、特許文献1〜3に記載の手段は、ガラス材料及び金属材料の熱膨張率や融点を選択する必要があり、使用できるガラス材料及び金属材料が限定される。例えば、加工性のよいアルミニウム系の材料は熱膨張率がガラス材料と比較して大きいため、ほとんどのガラス材料との融着が困難となる。また、光透過性の高い石英ガラスは融点が高すぎるためほとんどの金属材料との融着が困難である。さらに、融着は数百℃度程度の温度保持が可能な電気炉を用いるため、温度の保持時間や昇温・冷却時間など、パッケージの作製条件を厳密に設定する必要がある。
また、LaBr:CeやCeBrの潮解性はNaI:Tlよりも更に強く、大気中の水分と容易に反応してしまうため、これらの単結晶を用いる場合には、より耐湿性の高いパッケージング技術が求められる。
一方で、このようなシンチレータはパッケージングを施した上でシンチレーション光を検出するため、そのシンチレータの蛍光特性は、シンチレータ結晶が固有に有する特性のみでなく、パッケージに用いられるガラス材料の種類、あるいはガラスと結晶とを光学的に接合するフィルムの材質などにも依存する。このため、所望のシンチレータの蛍光特性に合わせてガラス材料やフィルム材料を選択できる余地があると好ましい。また、上述からも明らかなとおり、大気中の水分の漏れ込みなどによる経時劣化を防ぐため、パッケージの密封性及び耐環境性能を極力向上させる必要がある。
ところが、従来の一般的なエポキシ系接着剤のみを使用して金属製ケースとガラス製窓材とを接合した場合、接着強度が十分でなかったり、水分が接着剤に浸透して結晶を潮解させてしまったりする。また、融着及び圧縮シールの技術を適用するために、ガラス材料及び金属材料を選択する必要があり、所望の蛍光特性を有しないシンチレータ結晶を選択せざるを得なくなる場合があり、接合技術の難易度も高い。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、潮解性の高い希土類ハライドの結晶を備えたパッケージからなるシンチレータであって、融着などのガラス材料及び金属材料の種類に依存する手段に代替する接合手段を採用し、しかも結晶への水分の浸透を十分に抑制することのできるシンチレータ及びこれを用いた放射線検出器を提供することを目的とする。
本発明は、希土類ハライドを母材とするシンチレータ結晶と、当該シンチレータ結晶を収納し開口部を有する収納部材と、収納部材の開口部を閉塞するガラス製の窓部材と、収納部材と窓部材とを接着する接着部材とを備え、接着部材は所定の耐透湿性を有する材料から構成されるものであるシンチレータを提供する。
接着部材がこのような所定の耐透湿性を示す材料から構成されることにより、初期の蛍光出力に対する、120℃、相対湿度85%、2気圧の環境下に24時間曝した後のシンチレータの蛍光出力の比を0.80以上に保持することが可能となる。接着部材が無機フィラーを含有しないエポキシ系接着剤のみからなる場合、このような耐透湿性は示さない。また、NaI:Tlなどのシンチレータ単結晶は希土類ハライドよりも潮解性が低いため、そのような単結晶を備えた従来のシンチレータでは、希土類ハライドを基準とした「所定の耐透湿性」を示す接着部材は採用されていない。
本発明のシンチレータによると、収納部材とガラス製の窓部材とを接着して接合する接着部材が所定の耐透湿性を備えるため、単結晶への水分の浸透が十分に抑制される。また、収納部材と窓部材との接合手段が融着ではないため、窓部材のガラス材料及び収納部材の材料の選択幅が広がる。
本発明のシンチレータにおいて、接着部材は分散した無機フィラーを含有する液状接着剤の硬化体を含むと好ましい。このような材料を用いると、液状接着剤が窓部材及び収納部材間の空隙に充填され、それらの間での空隙の発生をより確実に防止できる。また、無機フィラーが液状接着剤に浸透する水分の透過を抑制する。これらの結果、外気中の水分の結晶への到達をより十分に抑制することができる。さらに、液状接着剤によると上記部材間の接合が簡易にできるため、シンチレータを製造する際の作業性が向上する。
本発明のシンチレータにおいて、接着部材はフィルム状接着剤の硬化体を含むことが好適である。液状接着剤の硬化体は体積収縮に伴う内部応力が発生しやすく、概して機械的強度がそれほど高くない。また、液状接着剤は塗布したり充填したりする際に気泡を包含しやすい。これらのため、クラック及びピンホールが生じやすい傾向にある。クラックやピンホールの発生は外気中の水分がシンチレータ結晶に到達することにも繋がる。そこで、液状接着剤の硬化体よりも内部応力が発生し難いフィルム状接着剤の硬化体を併用することで、液状接着剤に多少のクラックやピンホールが生じても、フィルム状接着剤の硬化体が水分の透過を抑制する。
一方、フィルム状接着剤では、その接着剤の寸法を空隙の寸法に合わせることは困難であるため、空隙の充填性の観点からは、フィルム状接着剤の硬化体よりも液状接着剤の硬化体の方が優れている。そこでこれらの接着剤を併用すれば、より確実に結晶への水分の浸透が抑制でき、さらに接着部材の機械的強度も高まる。特に、フィルム状接着剤がポリイミド系フィルム状接着剤であると、かかる効果が一層有効に奏される。
希土類ハライドは、シンチレータの蛍光特性により優れている観点から、CeBrであると好適である。また、収納部材は、本発明による上述の効果を有効に奏する観点、並びに機械的強度及び遮光性の観点から、金属製であると好適である。
本発明は、光電面を備えた光電子増倍管と、光電子増倍管の光電面の外側に設けられた上述のシンチレータとを備えた放射線検出器を提供する。かかる放射線検出器は、本発明に係るシンチレータを備えているため、十分に優れた検出特性を長期間に亘って保持することができる。
本発明によれば、潮解性の高い希土類ハライドの結晶を備えたパッケージからなるシンチレータであって、融着などのガラス材料及び金属材料の種類に依存する手段に代替する接合手段を採用し、しかも結晶への水分の浸透を十分に抑制することのできるシンチレータ及びこれを用いた放射線検出器を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明の好適な実施形態に係るシンチレータを模式的に示す断面図である。本実施形態のシンチレータ50は、希土類ハライドを母材とするシンチレータ単結晶5と、当該シンチレータ単結晶5を収納し開口部20aを有する収納部材20と、収納部材20の開口部20aを閉塞するガラス製の窓部材1と、収納部材20と窓部材1とを接着する接着部材30とを備える。このシンチレータ50は図1中Y方向に軸を持つ略円柱状の外形を有している。
シンチレータ単結晶5は図1中Y方向に軸を持つ円柱状の外形を有している。その一端面上には光学フィルム2がその端面に密着して備えられている。また、シンチレータ単結晶5の別の端面及び側面は、反射膜6により被覆されている。
一方、収納部材20は、ケース本体部3及びキャップ部4を備えている。ケース本体部3は、図中Y方向に軸を持つ中空円筒の形状を有しており、その内周に内周径と同じ外径を有する円環状のリブ3aが一体不可分に設けられている。キャップ部4は深さの浅い円筒の一方の開口端を塞ぐように円板が一体不可分に設けられた形状を有している。このキャップ部4は、ケース本体部3の一方の開口端を閉塞するように、ケース本体部3に被せられている。ケース本体部3の外径と、キャップ部4の内径とはほぼ同一であって、キャップ部4にケース本体部3を嵌め込むようにして互いに固定されている。その嵌め込み部分から収納部材20内の空間に水分が浸入しないように、ケース本体部3及びキャップ部4はケース本体部3の外周全体に亘って溶接されている(図1中、符号7で表される部分が溶接部である)。このような構造により収納部材20は、リブ3aの内側に開口部20aを有した状態になっている。
反射膜6に覆われたシンチレータ単結晶5は、収納部材20におけるケース本体部3の内壁、キャップ部4の円板、リブ3a及びその内側の開口部20aによって形成された円柱状の空間に収容されている。反射膜6に覆われたシンチレータ単結晶5の形状及び寸法は、上記円柱状の空間の形状及び寸法と同様になっており、ケース本体部3の内壁及び反射膜6は接触しているか、さもなければ僅かに離間している。また、シンチレータ単結晶5の高さは、ケース本体部3のキャップ部4側の端面とリブ3aのキャップ部4側の環状面との距離と同じか僅かに短い程度である。
シンチレータ単結晶5のキャップ部4側とは反対側の端面上には光学フィルム2が密着して設けられている。光学フィルム2は円形膜であり、その直径はリブ3a内側の開口部20aと同程度である。また、リブ3aのキャップ部4側とは反対側の環状面10上には、接着部材30の一部である円環状の第1接着部8が配設されており、リブ3aに接着している。第1接着部8の内径はリブ3aの内径と同程度か僅かに大きい程度である。
さらに光学フィルム2及び第1接着部8上には円板状の窓部材1が備えられている。窓部材1は、第1接着部8により収納部材20のリブ3aと接合されており、その直径はケース本体部3の内径よりも僅かに小さくなっている。これにより、窓部材1の外径側面とケース本体部3の内壁との間には僅かに隙間が生じており、その隙間部分を充填するようにして接着部材30の一部である第2接着部9が設けられている。この第2接着部9により窓部材1はケース本体部3の内壁と接合されている。こうした第1接着部8及び第2接着部9による接合により、窓部材1は収納部材20と互いに固定されている。
シンチレータ単結晶5としては、他のシンチレータ材料よりも蛍光特性に優れた希土類ハライドを母材とするものであれば特に限定されない。希土類ハライドとしては、例えばCeBr、LaBr、LaCl、LuIなどが挙げられる。これらのなかでも特に本発明による上述の効果をより有効に発揮する観点、並びにシンチレータ特性が優れている観点から、CeBr又はLaBrがより好ましい。すなわち、これらの希土類ハライドを母材とする結晶はシンチレータ特性に優れているものの、潮解性が高いためにその特性が劣化しやすい面を有している。本発明のシンチレータ50によると、シンチレータ単結晶5への水分の接触が良好に防止されるため、これらの希土類ハライドを母材とするシンチレータ単結晶5を備えていても、優れたシンチレータ特性を長期間に亘り維持することが可能となる。同様の観点から、CeBrが更に好ましい。また、シンチレータ単結晶5中には、従来公知のドーパント(蛍光賦活剤)や種々の添加剤が微量添加されていてもよい。
また、シンチレータ単結晶5は、光学フィルム2と密着する端面が鏡面化されていると、そこから蛍光が取り出しやすくなるため好ましい。
シンチレータ単結晶5の製造方法には、例えば、ハロゲン化物粉末を、必要に応じて蛍光賦活剤粉末及び/又は添加剤粉末と共に加熱して溶融した後、冷却して結晶化するような、例えば、ブリッジマン法やチョクラルスキー法を採用することができる。
以下に、シンチレータ単結晶5を、ブリッジマン法によって製造する方法の一例を説明する。
図2は、ブリッジマン法に用いられる炉(VB炉)の構造を示す模式断面図である。図2に示すVB炉100は、原料13を収納し昇降方向に可動するるつぼ12と、るつぼ12の降下方向(図中矢印)に沿って温度勾配を形成するためのヒーター16と、るつぼ12を昇降方向に可動するためのシャフト18と、これらを取り囲む断熱部材17と、これら全てを外包する気密化可能な容器14とから構成されている。なお、容器14の側面には排気口15が設けられている。
シンチレータ単結晶5の母材の原料は母材に応じて用意すればよく、例えば商業的に入手可能なCeBrを用いることができる。これらの原料は、粉末であって乾燥状態がよいものが好ましい。また、これらの原料の純度は高い方が好ましく、99.9質量%以上であることがより好ましく、99.99質量%以上であることがさらに好ましい。
るつぼ12としては、1000℃程度の高温においても溶融しない、例えば石英ガラス、カーボン、白金等の材質のるつぼを用いることができる。このるつぼに、原料13を投入することができる。
るつぼ12として、例えば石英ガラス製の管を用いる場合は、原料13を投入した管内は1Pa以下の減圧状態にして封管し、アンプルとすることが好ましい。一方、カーボン製や白金製のるつぼを用いる場合は、使用するVB炉100を10−2Pa以下の減圧状態とするか、窒素などの不活性ガスで満たすことが好ましい。なお、VB炉100は、排気口15から排気して減圧状態で気密することができるような構造とすることができる。
シンチレータ単結晶5の育成は、原料13を投入したるつぼ12をVB炉100内に設置し、原料13を800℃程度に加熱して溶融した後、るつぼ12を3℃/cm〜10℃/cmの温度勾配を有するVB炉内で徐々に降下(図2の矢印方向)させて冷却することによって行う。
るつぼ12の降下速度は、クラックがなく、透明度の高い結晶を得易くする観点から、3mm/h以下が好ましく、1mm/h以下がより好ましく、0.5mm/h以下がさらに好ましい。
このようにして単結晶インゴットが得られる。この単結晶インゴットを図1に示すものと同様の形状に切り出すことにより、シンチレータ単結晶5が作製される。
収納部材20は、シンチレータ単結晶5を外気から保護すると共に、シンチレータ単結晶5から発した蛍光を遮断でき、高い機械的強度を有する材料から構成されていればよく、特に金属製であると好ましい。そのような金属としては例えばアルミニウム、銅等の金属、それらを含有する合金、並びにステンレス綱、コバール等の合金が挙げられる。これらの金属はシンチレータの用途に応じて適切なものも採用すればよく、安価で良好な加工性を有する観点から、アルミニウムが好ましい。なお、ケース本体部3及びキャップ部4の材料は互いに異なっていても同一であってもよい。
反射膜6は、シンチレータ単結晶5から発した蛍光を効率よく反射するために設けられる。したがって、反射膜6の材料としては反射率が高いものが好ましく、例えばアルミニウム箔、ポリテトラフルオロエチレンテープが挙げられる。
光学フィルム2は、シンチレータ単結晶5から発した蛍光を、窓部材1に透過するためのものであり、高い透明性を有しているフィルムが採用される。光学フィルム2に用いられるのに適した材料は、光透過性が良好である他、シンチレータ単結晶5及び窓部材1との密着性に優れており、シンチレータ単結晶5及び窓部材1と屈折率が同程度であり、シンチレータ単結晶5及び窓部材1の割れを防ぐクッション性を有する材料である。これらの観点から、光学フィルム2としては、シリコンフィルム、光透過性エポキシ系樹脂フィルム好適であり、特にクッション性に優れ扱いやすい観点からシリコンフィルムがより好ましい。
窓部材1はガラス製であり、シンチレータ単結晶5から発した蛍光を効率よく取り出すことのできる光学ガラスであればよい。蛍光をより効率的に取り出す観点から、窓部材1に採用される光学ガラスとしては、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、又はソーダ石灰ガラスが好ましい。また、窓部材1は収納部材20に対して熱膨張係数の差異が小さいと、温度変化があってもこれらの間の良好な接合が維持される。かかる観点及び特に光透過性に優れている観点から、収納部材20が金属製である場合、窓部材1に採用される光学ガラスは石英ガラスであるとより好ましい。
接着部材30のうち、第1接着部8はフィルム状接着剤の硬化体であると好ましい。シンチレータ50の作製において、第1接着部8をリブ3aの環状面10上に載置してから、窓部材1を第1接着部8上に載置し、それらの積層方向に加圧及び必要に応じて加熱することで、窓部材1と収納部材20とを第1接着部8により接合する。第1接着部8をリブ3aの環状面10上に載置する際又は加圧する際、第1接着部8の原料が液状接着剤(ワニス)であると、接着剤が開口部20aに浸入した際に、所望の開口面積が得られ難くなり蛍光の取り出し効率が低減してしまう。また、液状接着剤を硬化させると、フィルム状接着剤を硬化させた場合と比較して硬化体中に内部応力が生じやすい。これは液状接着剤に含まれる溶剤等の成分が揮発するためである。一方、フィルム状接着剤は溶剤がほとんど含まれていないか、含まれていても微量である。さらにフィルム状をなすために弾性に富んだ樹脂材料が含まれている。その結果、フィルム状接着剤は、液状接着剤よりもその硬化体に内部応力が生じ難く、これに起因して、クラックの発生が抑制される。また、液状接着剤は塗布の際にその内部に気泡を含みやすいのに対して、フィルム状接着剤はその内部に気泡を含み難い。これに起因して、ピンホールの発生が抑制される。
このフィルム状接着剤としては、ポリイミド系フィルム状接着剤が挙げられる。このフィルム状接着剤は上記所定の耐透湿性を有するものであってもよい。ただし、後述する第2接着部9が所定の耐透湿性を有するもの、あるいは第2接着部9との組合せにより所定の耐透湿性を有するものであれば、このフィルム状接着剤は単独で所定の耐透湿性を有していなくてもよい。これらの中から、接着性に特に優れ耐熱性も顕著に高い点から、ポリイミド系フィルム状接着剤であると好ましい。なお、ポリイミド系フィルム状接着剤は、その主成分(硬化成分)がポリイミド骨格を有するものである。フィルム状接着剤は常法により作製してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、LaRC−TPI(商品名、NASA製)が挙げられる。
接着部材30のうち、第2接着部9は分散した無機フィラーを含有する液状接着剤の硬化体であると好ましい。耐透湿性を高めるためには、シンチレータ50の作製において、上述のとおり、窓部材1と収納部材20とを第1接着部8により接合した後、窓部材1の外周端面及び収納部材20の内壁間の隙間を隈無く第2接着部9で充填することが好ましい。この観点から、第2接着部9は液状接着体の硬化体であることが好ましい。また、この液状接着体の硬化体に無機フィラーを分散させれば、その無機フィラーが外気からの水分の浸入を有効に防ぐので好ましい。
液状接着剤としては、例えば、エポキシ系液状接着剤が挙げられる。なお、エポキシ系液状接着剤は、その主成分(硬化成分)が末端にエポキシ基を有するものである。液状接着剤は常法により作製してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、一液型であっても二液型であってもよく、例えば、アラルダイトHY−951、同CY−230(商品名、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製、二液型)、EP001(商品名、セメダイン社製)が挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ/アルミナ、カーボン、アルミニウム、銀、ニッケルが挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの粒径、液状接着剤中での分散量は、所望の耐透湿性によって調整すればよい。
以上説明した、本発明の好適な実施形態のシンチレータ50では、シンチレータ単結晶5が吸収した放射線のエネルギーを光エネルギーに変換することで蛍光を発する。シンチレータ単結晶5が希土類ハライドを母材とすることにより、この際の光エネルギーへの変換効率が、従来のアルカリハライド系などのシンチレータ単結晶よりも高くなる。生じた蛍光は、反射膜6で被覆されていない端面から光学フィルム2を経由して窓部材1より外部に取り出される。シンチレータ50は、第1接着部8及び第2接着部9を備え、これらの接着部8、9の材料や物質状態の組合せを調整することができる。これにより、シンチレータ単結晶5の材質に応じて、かつ所望の蛍光特性や耐熱性、機械的強度に応じて、その蛍光特性の経時的低下を十分に抑制することができる。
次に、シンチレータにおける耐透湿性の評価方法について説明する。まず、シンチレータ50の蛍光出力を測定する。次に、シンチレータを、高温、高湿、高圧環境下に一定時間静置し、その後の蛍光出力を測定する。そして、高温、高湿、高圧環境下に静置する前の蛍光出力に対する静置した後の蛍光出力の比率を算出する。算出した数値が高い程、耐透湿性に優れているといえる。
なお、高温、高湿、高圧環境下に一定時間静置するには、例えばPC−304R(商品名、平山製作所製)のような恒温恒湿槽内の雰囲気を120℃、相対湿度85%、2気圧の条件に設定して、その槽内にシンチレータを24時間静置すればよい。
蛍光出力は、例えば、放射線計測に向いた応答速度の速い光電子増倍管とシンチレータとを組み合わせ、単一のエネルギーのγ線、例えば137Csから得られる約662KeVのγ線をシンチレータに照射し、そのγ線のエネルギーがシンチレータ内で吸収されたときに得られる蛍光量の平均値として表される。
蛍光出力は大きな値を示すほどよく、実質的にシンチレータ放射線検出器の性能を表すひとつの指標となる。
また、接着部材の接着性の評価は、上述の高温、高湿、高圧環境下に一定時間静置した後のシンチレータについて行われる。評価基準としては、静置後直ちに窓部材が脱落してしまったものをC、静置後窓部材を手でつまんで引っ張った程度で脱落したものをB、いずれでも脱落しなかったものをAとして判断する。
本発明の放射線検出器は、光電面を備えた光電子増倍管と、その光電子増倍管の光電面の外側に設けられたシンチレータとを備えるものであり、シンチレータが上述のシンチレータ50である以外は公知の放射線検出器と同様の構成を有する。このような放射線検出器は、公知の放射線検出器と同様に陽電子放出型断層撮像装置に組み込んで使用することができる。このような放射線検出器は、公知の放射線検出器と同様に、γカメラ、PET、実験物理、サーベイメータ及び石油探査に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、本発明のシンチレータの構造、形状は上述のシンチレータ50におけるものに限定されない。すなわち、本発明のシンチレータは、希土類ハライドを母材とするシンチレータ結晶と、当該シンチレータ結晶を収納し開口部を有する収納部材と、収納部材の開口部を閉塞するガラス製の窓部材と、収納部材と窓部材とを接着する接着部材とを備えるものであればよく、その他の構成については公知のシンチレータと同様であってもよい。よって、本発明の別の実施形態において、シンチレータの外形は略円柱状でなくてもよく、その用途に応じて角柱状等、様々な形状であってもよい。
また、上記接着部材30における第1接着部8と第2接着部9との組合せは、フィルム状接着剤の硬化体と分散した無機フィラーを含有する液状接着剤の硬化体との組合せの他、分散した無機フィラーを含有するフィルム状接着剤の硬化体と無機フィラーを含有しない液状接着剤の硬化体との組合せであってもよい。これにより、上述の好適な実施形態と同程度の耐透湿性及び接着性を得ることができる。
さらに、第1接着部8と第2接着部9との組合せは、分散した無機フィラーを含有する液状接着剤の硬化体と分散した無機フィラーを含有する液状接着剤の硬化体との組合せであってもよい。これにより、上述の好適な実施形態と比較して、機械的強度が若干低下するものの、耐透湿性を更に高めることができる。
また、第1接着部8と第2接着部9との組合せは、無機フィラーを含有しないフィルム状接着剤の硬化体と無機フィラーを含有しない液状接着剤の硬化体との組合せであってもよい。これにより、上述の好適な実施形態と比較して、耐透湿性が若干低下するものの所定の耐透湿性を得ることは可能である。
さらに、第1接着部8と第2接着部9との組合せは、無機フィラーを含有しない液状接着剤の硬化体と分散した無機フィラーを含有する液状接着剤の硬化体との組合せであってもよい。これにより、上述の好適な実施形態と比較して、機械的強度及び耐透湿性が若干低下するものの、所定の耐透湿性を得ることは可能である。
また、シンチレータ結晶として単結晶5に代えて多結晶を用いてもよい。ただし、高い透明度を得るためには単結晶の方が好ましい。又、溶接部7に代えてエポキシ接着剤等の接着剤により、ケース本体部3及びキャップ部4を接合してもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、説明中の符号は図1に基づいている。
(実施例1)
シンチレータ単結晶としての原料としてCeBr粉末(アルドリッチ社製、純度99.99%)25gを石英ガラス製の管(るつぼ)内に投入し、その管内を1Pa以下に減圧して、その状態で密閉することにより石英アンプルを得た。次いで、その石英アンプルをVB炉内の所定の位置に設置し、以下に示すとおりブリッジマン法により単結晶育成を行った。
まず、ヒーターを800℃に加熱し、その加熱状態で24時間保持して原料粉末を溶融した。その後、石英アンプルを0.5mm/hの速度で200時間かけて下降して冷却することにより単結晶の育成を行った。得られた単結晶インゴットは、直径8×50mm程度の大きさであった。この単結晶インゴットを直径8×高さ25mmの円柱状に加工し端面を機械研磨してシンチレータ単結晶5を得た。得られたシンチレータ単結晶5に反射膜6としてのポリフッ化エチレン系繊維テープを、単結晶の一端面以外の表面に巻きつけ被覆した。
次に、アルミニウム−銅合金(JIS−H4000で規定された合金番号2017)製のケース本体部3におけるリブ3aの環状面10上に、円環状のポリイミド系フィルム状接着剤(商品名「LaRC−TPI」、NASA製)を載置した。更にその上に窓部材1としての円板状の石英ガラスを載置して、200℃に加熱しながら圧着して、収納部材20と窓部材1とを接合した。以下、この工程を単に「接合工程」という。
次いで、二液型エポキシ系液状接着剤(商品名「アラルダイトHY−951」、「アラルダイトCY−230」、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)に無機フィラーとしてシリカ粉末を体積比で70%になるよう配合して分散したものを混合した。この混合物(以下、「無機フィラー分散液状接着剤」という。)をケース本体部3内壁と窓部材1の外周端面間の隙間に注入して充填し、常温で24時間静置することによって硬化させた。
続いて、リブ3a内側の開口部20aに、光学フィルム2としてのシリコンフィルム(商品名「EL560」、ELJEN Technology社製)を収容した。さらに、上述の一端面以外の表面を反射膜6で被覆されたシンチレータ単結晶5を収納部材20内の空間に収容した。この際、反射膜6で被覆されていない端面が光学フィルム2に対向するようにしてシンチレータ単結晶5を収容した。そして、ケース本体部3の開口端を閉塞するように、ケース本体部3と同材料で作製されたキャップ部4をケース本体部3に被せて、それらの嵌め込み部分をケース本体部3の外周全体に亘って溶接した。こうして、シンチレータ50を得た。
得られたシンチレータ50を120℃、湿度85%、2気圧の恒温恒温槽(商品名「PC−304R7」、平山製作所製)内に24時間静置した。その後、上述のようにして接着性及び蛍光出力を評価した。その結果、接着性はA、蛍光出力の比率は0.95となり、蛍光出力の低下は抑制されていた。
(実施例2)
無機フィラー分散液状接着剤に代えて、二液型エポキシ系液状接着剤(商品名「アラルダイトHY−951」、「アラルダイトCY−230」、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、シンチレータ50を得た。得られたシンチレータ50について、実施例1と同様にして接着性及び蛍光出力を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2008175797

(実施例3)
実施例1における接合工程を以下の工程に代えた以外は実施例1と同様にして、シンチレータ50を得た。すなわち、アルミニウム−銅合金(JIS−H4000で規定された合金番号2017)製のケース本体部3におけるリブ3aの環状面10上全体に、無機フィラー分散液状接着剤を塗布した。更にその上に窓部材1としての円板状の石英ガラスを載置して、軽くリブ3a側に押し付けた。その後常温で24時間静置して収納部材20と窓部材1とを接合した。得られたシンチレータ50について、実施例1と同様にして接着性及び蛍光出力を評価した。結果を表2に示す。
(実施例4)
リブ3aの環状面10上に塗布した無機フィラー分散液状接着剤に代えて、二液型エポキシ系液状接着剤(商品名「アラルダイトHY−951」、「アラルダイトCY−230」、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)を用いた以外は実施例3と同様にして、シンチレータ50を得た。得られたシンチレータ50について、実施例1と同様にして接着性及び蛍光出力を評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
無機フィラー分散液状接着剤に代えて、二液型エポキシ系液状接着剤(商品名「アラルダイトHY−951」、「アラルダイトCY−230」、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)を用いた以外は実施例4と同様にして、シンチレータ50を得た。得られたシンチレータ50について、実施例1と同様にして接着性及び蛍光出力を評価した。結果を表2に示す。なお、静置後の蛍光出力が測定限界下限以下であったため、その比率を算出できなかった。
(比較例2)
リブ3aの環状面10上に塗布し、ケース本体部3内壁と窓部材1の外周端面間の隙間に注入した二液型エポキシ系液状接着剤(商品名「アラルダイトHY−951」、「アラルダイトCY−230」、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)に代えて、二液型エポキシ系液状接着剤(商品名「EP−001」、セメダイン社製)を用いた以外は比較例1と同様にして、シンチレータ50を得た。得られたシンチレータ50について、実施例1と同様にして接着性及び蛍光出力を評価した。結果を表2に示す。なお、静置後の蛍光出力が測定限界下限以下であったため、その比率を算出できなかった。
以上説明した本発明のシンチレータは、希土類ハライドをシンチレータ結晶として用いたものである。ただし、希土類ハライドに代えて、NaI:Tl、CsI:Na、CsI:Tl等のアルカリハライド結晶を用いた場合であっても、当然に良好な耐透湿性等を示すことができる。
本発明の好適な実施形態に係るシンチレータの模式断面図である。 ブリッジマン法に用いられる炉(VB炉)の構造を示す模式断面図である。
符号の説明
1…窓部材、2…光学フィルム、3…ケース本体部、4…キャップ部、5…シンチレータ単結晶、6…反射膜、7…溶接部、8…第1接着部、9…第2接着部、20…収納部材、30…接着部材、50…シンチレータ。

Claims (7)

  1. 希土類ハライドを母材とするシンチレータ結晶と、
    当該シンチレータ結晶を収納し開口部を有する収納部材と、
    前記収納部材の前記開口部を閉塞するガラス製の窓部材と、
    前記収納部材と前記窓部材とを接着する接着部材と、を備え、
    前記接着部材は所定の耐透湿性を有する材料から構成されるものである
    シンチレータ。
  2. 前記接着部材は分散した無機フィラーを含有する液状接着剤の硬化体を含む、請求項1記載のシンチレータ。
  3. 前記接着部材はフィルム状接着剤の硬化体を含む、請求項1又は2に記載のシンチレータ。
  4. 前記フィルム状接着剤はポリイミド系フィルム状接着剤である、請求項3記載のシンチレータ。
  5. 前記希土類ハライドはCeBrである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  6. 前記収納部材は金属製である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  7. 光電面を備えた光電子増倍管と、前記光電子増倍管の前記光電面の外側に設けられた請求項1〜6のいずれか一項に記載のシンチレータとを備えた放射線検出器。
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