JP2008175528A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱手段を別途設けることなく、冷蔵ショーケース内を加熱することである。
【解決手段】熱源系統に、HC熱交換器(31)を有する第1利用系統と冷凍熱交換器(41)を有する第2利用系統とが並列に接続された冷媒回路(10)を備えている。上記第2利用系統は、上記熱源系統の圧縮機(21a,21b)を高段側として冷媒を2段圧縮するブースタ圧縮機(61)を備えている。そして、HC熱交換器(31)および冷凍熱交換器(41)によって各庫内を冷却する第1運転と、冷凍熱交換器(41)によって庫内を冷却する一方、ブースタ圧縮機(61)の吐出冷媒がHC熱交換器(31)へ供給されて庫内を加熱する第2運転とに切り換える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍装置に関し、特に、冷却と加熱とを行う、いわゆるホット/コールドショーケースを備えた冷凍装置の省エネ対策に係るものである。
従来より、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備え、例えばコンビニエンスストア等に設けられて食品等を冷却する冷凍装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この冷凍装置には、圧縮機と凝縮器と蒸発器とが接続されてなる、室内を冷暖房する空調用、食品等が貯蔵されたショーケース内を冷却する冷蔵用および冷凍用のそれぞれの冷媒回路が形成されている。そして、上記冷凍用の冷媒回路には、圧縮機と共に冷媒を2段圧縮するブースタ圧縮機が設けられている。これにより、冷凍用の蒸発器の冷媒蒸発温度を冷蔵用の蒸発器の冷媒蒸発温度より低くし、冷却能力を高めている。
特開2002−357374号公報
ところで、近年では、上述した冷蔵用ショーケースにおいて、例えば缶コーヒー等を陳列して夏場は冷却する一方、冬場は加温するといった、いわゆるホットアンドコールドショーケースとして用いられることが多くなってきている。その場合、上記ショーケースは、夏場には上述した冷媒回路の蒸発器によって冷却し、冬場には別途設けた電気ヒータによって加温するのが主流となっている。
しかしながら、上記冷蔵用ショーケースの加温方法では、冷凍装置において省エネ運転が行えないという問題があった。つまり、上述した従来の冷凍装置においては、冬場に冷蔵用の蒸発器が機能しないために無駄となるだけでなく、冷媒回路用の他に電気ヒータ用のエネルギが必要になるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブースタ圧縮機を備えて2段圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置において、ブースタ圧縮機の吐出ガスを冷蔵用ショーケースに供給して、電気ヒータなどの加熱手段を別途設けることなく、冷蔵用ショーケース内を加熱することにより、省エネ運転を行うことである。
具体的に、第1の発明は、圧縮機(21a,21b)および熱源側熱交換器(23)を有する熱源系統に、庫内を温調する利用側熱交換器(31,41)を有する第1利用系統と第2利用系統とが並列に接続された冷媒回路(10)を備え、上記第2利用系統は、上記熱源系統の圧縮機(21a,21b)を高段側として冷媒を2段圧縮するための低段側の補助圧縮機(61)を備えている冷凍装置を前提としている。そして、上記第1利用系統および第2利用系統の利用側熱交換器(31,41)が各庫内を冷却する第1運転と、第2利用系統の利用側熱交換器(41)が庫内を冷却する一方、補助圧縮機(61)の吐出冷媒が第1利用系統の利用側熱交換器(31)へ供給されて庫内を加熱する第2運転とに切り換える切換手段(80)を備えている。
上記の発明では、先ず、冷媒回路(10)において冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。本発明の冷凍装置(1)では、例えば、夏場に第1運転が行われ、冬場に第2運転が行われる。この第1運転では、第1利用系統および第2利用系統の庫内が利用側熱交換器(31,41)にて冷媒が蒸発することによって冷却される。そして、上記第2利用系統における蒸発した冷媒は、補助圧縮機(61)によって熱源系統の圧縮機(21a,21b)との間で2段圧縮される。これにより、第2利用系統における冷媒の蒸発温度が第1利用系統における冷媒の蒸発温度よりも低くなり、第2利用系統の庫内が第1利用系統の庫内よりも低い温度で冷却される。次に、上記第2運転では、第2利用系統の庫内が利用側熱交換器(41)にて冷媒が蒸発することによって冷却される。そして、上記第2利用系統の利用側熱交換器(41)で蒸発したガス冷媒は、補助圧縮機(61)で圧縮されて高温のガス冷媒となって吐出され、その吐出冷媒が第1利用系統の利用側熱交換器(31)へ流れることによって庫内が加熱(加温)される。したがって、第1利用系統では、電気ヒータ等の加熱手段を別途設けることなく、庫内が加熱されることになる。
また、第2の発明は、上記第1の発明において、上記第2利用系統が、補助圧縮機(61)の吐出冷媒が圧縮機(21a,21b)の吸入側に繋がるガス管(P2)に流れる第1状態と、補助圧縮機(61)の吐出冷媒が第1利用系統における膨張弁(32)と利用側熱交換器(31)との間に流れる第2状態とに切り換える流路切換手段(67)を備えている。一方、上記切換手段(80)は、上記第1運転時に、第1利用系統の膨張弁(32)を所定開度に設定すると共に流路切換手段(67)を第1状態に切り換え、上記第2運転時に、第1利用系統の膨張弁(32)を閉状態に設定すると共に流路切換手段(67)を第2状態に切り換えるように構成されている。
上記の発明では、第1運転の場合、第1利用系統において、熱源系統からの冷媒が膨張弁(32)によって所定の圧力に減圧された後、利用側熱交換器(31)で蒸発することによって庫内が冷却される。また、第2運転の場合、第1利用系統において、熱源系統からの冷媒は膨張弁(32)で遮断されることによって利用側熱交換器(31)へは流れず、第2利用系統の補助圧縮機(61)からの吐出冷媒が膨張弁(32)と利用側熱交換器(31)との間に流れた後、利用側熱交換器(31)へ流入することによって庫内が加熱される。したがって、上記第1利用系統の利用側熱交換器(31)によって庫内の冷却および加熱が確実に且つ容易に行われる。
また、第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記圧縮機(21a,21b)の吸入側に繋がるガス管(P2)の途中に、気液分離器(75)が設けられている。
上記の発明では、第2運転の際に第1利用系統の利用側熱交換器(31)において、例えば流れ込んだ補助圧縮機(61)の吐出冷媒の一部が凝縮液化してガス管(P2)へ流れた場合でも、その液冷媒は気液分離器(75)にて分離除去されるので、熱源系統の圧縮機(21a,21b)へ液冷媒が吸入されるのを防止できる。これにより、圧縮機(21a,21b)における液圧縮が防止され、機器の信頼性が向上する。なお、上記気液分離器(75)で分離された液冷媒は、そのまま気液分離器(75)に貯留される。
また、第4の発明は、上記第3の発明において、上記第2利用系統の液管(P3)の途中に、液冷媒を過冷却するための過冷却熱交換器(71)が設けられている。そして、上記過冷却熱交換器(71)には、気液分離器(75)の液相の冷媒が導入されて過冷却熱交換器(71)の液冷媒を過冷却し且つ過冷却後の気液分離器(75)の冷媒をガス管(P2)における気液分離器(75)と圧縮機(21a,21b)の吸入側との間に導く液抜き管(77)が接続されている。
上記の発明では、気液分離器(75)の液冷媒が液抜き管(77)を通じて過冷却熱交換器(71)へ流れ、液管(P3)の液冷媒を過冷却して蒸発した後、ガス管(P2)に戻って圧縮機(21a,21b)へ吸入される。一方、上記過冷却熱交換器(71)で過冷却された液冷媒は、第2利用系統の利用側熱交換器(41)へ流れて蒸発する。これにより、第2利用系統では、利用側熱交換器(41)における冷媒の熱量が増大し、冷却能力が向上する。
また、第5の発明は、上記第4の発明において、上記液抜き管(77)に、開閉弁(76)を有して過冷却後の気液分離器(75)の冷媒を補助圧縮機(61)の吸入側にインジェクションするインジェクション管(78)が接続されている。
上記の発明では、第2利用系統の利用側熱交換器(41)で蒸発したガス冷媒と過冷却後の気液分離器(75)の冷媒とが混合して補助圧縮機(61)に吸入されるので、補助圧縮機(61)の吸入温度および吐出温度が低下する。したがって、装置の信頼性が向上する。
したがって、第1の発明によれば、第1利用系統および第2利用系統の利用側熱交換器(31,41)が各庫内を冷却する第1運転と、第2利用系統の利用側熱交換器(41)が庫内を冷却する一方、補助圧縮機(61)の吐出冷媒が第1利用系統の利用側熱交換器(31)へ供給されて庫内を加熱する第2運転とを切り換えるようにしたので、電気ヒータ等の加熱手段を別途設けることなく、第1利用系統において庫内の冷却および加熱の双方を行うことができる。したがって、省エネ運転を行うことができる。
特に、第2の発明によれば、補助圧縮機(61)の吐出冷媒を圧縮機(21a,21b)へ繋がるガス管(P2)へ流す第1状態と、第1利用系統の利用側熱交換器(31)へ流す第2状態とに切り換える流路切換手段(67)を設け、第1運転時には第1利用系統の膨張弁(32)を所定開度に設定すると共に流路切換手段(67)を第1状態に切り換えるようにしたので、膨張弁(32)で減圧された冷媒を利用側熱交換器(31)で蒸発させて庫内を冷却することができる。また、第2運転時には、第1利用系統の膨張弁(32)を閉状態に設定すると共に流路切換手段(67)を第2状態に設定するようにしたので、補助圧縮機(61)の吐出冷媒のみを利用側熱交換器(31)へ流して庫内を加熱することができる。したがって、確実に且つ容易に第1利用系統の利用側熱交換器(31)によって庫内の冷却および加熱を行うことができる。
また、第3の発明によれば、圧縮機(21a,21b)の吸入側に繋がるガス管(P2)の途中に気液分離器(75)を設けるようにしたので、例えば第2運転時に第1利用系統の利用側熱交換器(31)において一部の冷媒が凝縮液化した場合であっても、その液冷媒を気液分離器(75)にて分離除去することができる。したがって、圧縮機(21a,21b)において、液冷媒の吸入を防止でき、液圧縮を防止することができる。この結果、機器の信頼性を向上させることができる。
また、第4の発明によれば、第2利用系統の利用側熱交換器(41)へ流れる液冷媒が気液分離器(75)の貯留された液相の冷媒と熱交換して過冷却される過冷却熱交換器(71)を設けるようにしたので、第2利用系統ににおける庫内の冷却能力を向上させることができる。
また、第5の発明によれば、過冷却熱交換器(71)における過冷却後の気液分離器(75)の冷媒を補助圧縮機(61)の吸入側にインジェクションするようにしたので、補助圧縮機(61)の吸入温度および吐出温度、ひいては熱源系統の圧縮機(21a,21b)の吸入温度の低下を図ることができる。したがって、装置の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の冷凍装置は、コンビニエンスストア等に設置されて、店内の空気調和とショーケース内の冷却等を行うものである。図1に示すように、この冷凍装置(1)は、室外ユニット(1A)と、ホットアンドコールドショーケース(以下、HCショーケース(1B)という。)と、冷凍ショーケース(1C)と、空調ユニット(1D)と、ブースタユニット(1E)と、過冷却ユニット(1F)とを備えている。そして、この冷凍装置(1)では、上記室外ユニット(1A)に残りのHCショーケース(1B)等が配管で接続されることによって冷媒回路(10)が構成されている。この冷媒回路(10)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように構成されている。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(1A)は、2台の圧縮機(21a,21b)と、流路切換手段である四路切換弁(22)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(23)とを備えている。そして、これら圧縮機(21a,21b)と、・・・室外熱交換器(23)とは、熱源系統を構成している。
上記2台の圧縮機(21a,21b)は、固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)であり、何れも全密閉型の高圧ドーム型スクロール圧縮機で構成されている。上記固定容量圧縮機(21a)は、電動機が常に一定の回転数で駆動し、容量が変更不能な圧縮機である。一方、上記可変容量圧縮機(21b)は、電動機がインバータ制御されて容量が段階的または連続的に可変となる圧縮機である。そして、上記2台の圧縮機(21a,21b)は、互いに並列に接続されて室外ユニット(1A)の圧縮機構を構成している。
上記2台の圧縮機(21a,21b)の吐出側は、共通の吐出管(11)に接続され、該吐出管(11)が四路切換弁(22)の1つのポートに接続されている。上記四路切換弁(22)の1つのポートには、第1室外ガス管(12)を介して室外熱交換器(23)の一端であるガス側端部が接続され、該室外熱交換器(23)の他端である液側端部は、液ラインである室外液管(13)の一端に接続されている。この室外液管(13)の他端は、レシーバ(24)を経た後2本に分岐し、それぞれが閉鎖弁(28)を介して室外ユニット(1A)の外部に配設された冷却系統の第1連絡液配管(P1)と空調系統の第2連絡液配管(P5)とに接続されている。なお、上記室外液管(13)における第2連絡液配管(P5)側に分岐した配管には、レシーバ(24)から閉鎖弁(28)に向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV3)が設けられている。
上記2台の圧縮機(21a,21b)の吸入側は、共通の低圧ガス管(18)に接続され、該低圧ガス管(18)が閉鎖弁(28)を介して室外ユニット(1A)の外部に配設された冷却系統の第1連絡ガス配管(P2)の一端に接続されている。この第1連絡ガス配管(P2)の他端は、過冷却ユニット(1F)を介してHCショーケース(1B)に接続されている。上記四路切換弁(22)の1つのポートには、第2室外ガス管(14)の一端が接続され、該第2室外ガス管(14)の他端が閉鎖弁(28)を介して室外ユニット(1A)の外部に配設された空調系統の第2連絡ガス配管(P6)に接続されている。上記四路切換弁(22)の残り1つのポートには、接続ガス管(15)の一端が接続され、該接続ガス管(15)の他端が低圧ガス管(18)に接続されている。
上記室外熱交換器(23)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、室外ファン(25)および外気温センサ(26)が近接して配置されている。上記外気温センサ(26)は、室外ファン(25)によって取り込まれる室外空気の温度を検出する温度検出手段を構成している。そして、上記室外熱交換器(23)は、冷媒と室外空気とが熱交換するように構成されている。
上記四路切換弁(22)は、吐出管(11)と第1室外ガス管(12)とが連通し且つ第2室外ガス管(14)と接続ガス管(15)とが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、吐出管(11)と第2室外ガス管(14)とが連通し且つ第1室外ガス管(12)と接続ガス管(15)とが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。
上記室外液管(13)は、膨張機構である室外膨張弁(27)を有し、レシーバ(24)をバイパスする補助液管(16)を備えている。また、上記室外液管(13)における補助液管(16)の接続部とレシーバ(24)の上流側との間には、レシーバ(24)へ向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV1)が設けられている。さらに、上記室外液管(13)には、分岐液管(17)が設けられている。この分岐液管(17)は、一端が上記逆止弁(CV1)とレシーバ(24)との間に接続され、他端が室外液管(13)の第2連絡液配管(P5)側に分岐した配管における逆止弁(CV3)と閉鎖弁(28)との間に接続されている。この分岐液管(17)には、閉鎖弁(28)からレシーバ(24)へ向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV2)が設けられている。
〈空調ユニット〉
上記空調ユニット(1D)は、店内を冷暖房して空気調和を行う空調系統を構成している。具体的に、この空調ユニット(1D)は、利用側熱交換器である空調熱交換器(51)と、膨張機構である空調膨張弁(52)とを備えている。この空調膨張弁(52)には、電子膨張弁が用いられている。上記空調熱交換器(51)の一端である液側端部には、空調膨張弁(52)を介して第2連絡液配管(P5)が接続されている。一方、上記空調熱交換器(51)の他端であるガス側端部には、第2連絡ガス配管(P6)が接続されている。
上記空調熱交換器(51)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、空調ファン(55)および室温センサ(56)が近接して配置されている。この室温センサ(56)は、空調ファン(55)によって取り込まれた室内空気(店内空気)の温度を検出する温度検出手段を構成している。また、上記空調熱交換器(51)には、該空調熱交換器(51)における冷媒温度である蒸発温度または凝縮温度を検出する温度検出手段としての空調熱交換センサ(53)が設けられると共に、ガス側にガス冷媒の温度を検出する温度検出手段としてのガス温センサ(54)が設けられている。そして、上記空調熱交換器(51)は、冷媒と室内空気とが熱交換するように構成されている。
〈HCショーケース〉
上記HCショーケース(1B)は、食品等(例えば、缶コーヒー)を冷却および加熱する冷却系統を構成している。具体的に、このHCショーケース(1B)は、利用側熱交換器であるHC熱交換器(31)と、膨張機構であるHC膨張弁(32)とを備えている。このHC膨張弁(32)には、電子膨張弁が用いられている。上記HC熱交換器(31)の一端である液側端部には、HC膨張弁(32)を介して第1連絡液配管(P1)が接続されている。一方、上記HC熱交換器(31)の他端であるガス側端部には、第1連絡ガス配管(P2)の一端が接続されている。
上記HC熱交換器(31)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、HCファン(35)およびHC温度センサ(36)が近接して配置されている。上記HC温度センサ(36)は、HCファン(35)によって取り込まれたショーケース内空気(庫内空気)の温度を検出する温度検出手段を構成している。また、上記HC熱交換器(31)には、該HC熱交換器(31)における冷媒温度である蒸発温度または凝縮温度を検出する温度検出手段としてのHC熱交換センサ(33)が設けられると共に、ガス側にガス冷媒の温度を検出する温度検出手段としてのガス温センサ(34)が設けられている。そして、上記HC熱交換器(31)は、冷媒とショーケース内空気とが熱交換するように構成されている。
〈冷凍ショーケース〉
上記冷凍ショーケース(1C)は、食品等を冷凍する冷却系統を構成している。具体的に、この冷凍ショーケース(1C)は、利用側熱交換器である冷凍熱交換器(41)と、膨張機構である冷凍膨張弁(42)とを備えている。この冷凍膨張弁(42)には、電子膨張弁が用いられている。上記冷凍熱交換器(41)の一端である液側端部には、冷凍膨張弁(42)を介して冷凍ショーケース(1C)の外部に配設された第2分岐液配管(P4)の一端に接続されている。この第2分岐液配管(P4)の他端は、過冷却ユニット(1F)に接続されている。一方、上記冷凍熱交換器(41)の他端であるガス側端部には、冷凍ショーケース(1C)とブースタユニット(1E)とを連絡する接続ガス管(62)が接続されている。
上記冷凍熱交換器(41)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷凍ファン(45)および冷凍温度センサ(46)が近接して配置されている。上記冷凍温度センサ(46)は、冷凍ファン(45)によって取り込まれたショーケース内空気(庫内空気)の温度を検出する温度検出手段を構成している。また、上記冷凍熱交換器(41)には、該冷凍熱交換器(41)における冷媒温度である蒸発温度を検出する温度検出手段としての冷凍熱交換センサ(43)が設けられると共に、ガス側にガス温センサ(44)が設けられている。そして、上記冷凍熱交換器(41)は、冷媒とショーケース内空気と熱交換するように構成されている。
〈ブースタユニット〉
上記ブースタユニット(1E)は、室外ユニット(1A)における圧縮機(21a,21b)の補助圧縮機であるブースタ圧縮機(61)を備えている。このブースタ圧縮機(61)の吸入側には、冷凍ショーケース(1C)より延びる接続ガス管(62)が吸入管として接続され、吐出側には、吐出管(64)が接続されている。この吐出管(64)には、ブースタ圧縮機(61)側から順に油分離器(63)および逆止弁(CV4)が設けられている。上記油分離器(63)と接続ガス管(62)との間には、膨張機構であるキャピラリチューブ(CP)を有する油戻し管(65)が接続されている。
上記ブースタ圧縮機(61)は、全密閉型の高圧ドーム型スクロール圧縮機で構成されている。このブースタ圧縮機(61)は、電動機がインバータ制御されて容量が段階的または連続的に可変となる圧縮機である。そして、このブースタ圧縮機(61)は、冷凍ショーケース(1C)の冷凍熱交換器(41)における冷媒の蒸発温度がHCショーケース(1B)のHC熱交換器(31)における冷媒の蒸発温度より低くなるように、室外ユニット(1A)の圧縮機(21a,21b)との間で冷媒を2段圧縮している。つまり、上記ブースタ圧縮機(61)が低段側の圧縮機を構成し、室外ユニット(1A)の圧縮機(21a,21b)が高段側の圧縮機を構成している。
また、上記ブースタユニット(1E)は、本発明の特徴として、流路切換手段である三路切換弁(67)を備えている。この三路切換弁(67)は、ブースタ圧縮機(61)より延びる吐出管(64)に接続されている。そして、この三路切換弁(67)の残り2つのポートには、それぞれ分岐ガス配管(69)およびガス供給配管(68)の一端が接続されている。上記分岐ガス配管(69)の他端は、第1連絡ガス配管(P2)に接続されている。一方、上記ガス供給配管(68)の他端は、HCショーケース(1B)におけるHC熱交換器(31)の液側端部とHC膨張弁(32)との間に接続されている。
上記三路切換弁(67)は、吐出管(64)と分岐ガス配管(69)とが連通する第1状態(図1に破線で示す状態)と、吐出管(64)とガス供給配管(68)とが連通する第2状態(図1に実線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。具体的に、上記ブースタユニット(1E)は、三路切換弁(67)が第1状態に切り換わると共に、HC膨張弁(32)が所定開度に設定されると、ブースタ圧縮機(61)の吐出ガスが分岐ガス配管(69)を介して第1連絡ガス配管(P2)へ流れ、HC熱交換器(31)では第1連絡液配管(P1)より流れた冷媒が庫内空気と熱交換して蒸発し、庫内空気を冷却するように構成されている。一方、上記ブースタユニット(1E)は、三路切換弁(67)が第2状態に切り換わると共に、HC膨張弁(32)が閉状態に設定されると、ブースタ圧縮機(61)の吐出ガスがガス供給配管(68)を介してHC熱交換器(31)へ供給され、庫内空気と熱交換して庫内空気を加熱するように構成されている。
なお、上記ブースタユニット(1E)には、接続ガス管(62)と吐出管(64)との間に接続されるバイパス管(66)が設けられている。このバイパス管(66)は、一端が油戻し管(65)の接続部より上流側に接続され、他端が逆止弁(CV4)と三路切換弁(67)との間に接続されている。このバイパス管(66)は、ブースタ圧縮機(61)の故障等の停止時に接続ガス管(62)の冷媒がブースタ圧縮機(61)および油分離器(63)をバイパスして三路切換弁(67)へ流れるように構成されている。また、上記逆止弁(CV4)は、ブースタ圧縮機(61)から三路切換弁(67)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。
上記室外ユニット(1A)および過冷却ユニット(1F)を除く、空調ユニット(1D)やHCショーケース(1B)等は、利用系統を構成し、特にHCショーケース(1B)は本発明に係る第1利用系統を、冷凍ショーケース(1C)およびブースタユニット(1E)は、本発明に係る第2利用系統をそれぞれ構成している。
〈過冷却ユニット〉
上記過冷却ユニット(1F)は、上述したように第1連絡ガス配管(P2)に接続されると共に、第1連絡液配管(P1)より分岐する第1分岐液配管(P3)と第2分岐液配管(P4)とに接続されている。この過冷却ユニット(1F)は、過冷却熱交換器(71)と気液分離器(75)とを備えている。
上記気液分離器(75)は、第1連絡ガス配管(P2)の途中に接続されている。そして、この気液分離器(75)は、第1連絡ガス配管(P2)より流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離してガス冷媒を第2連絡ガス配管(P5)へ流し、液冷媒を貯留するように構成されている。また、この気液分離器(75)には、該気液分離器(75)の液貯留部と第2連絡ガス配管(P5)における気液分離器(75)と圧縮機(21a,21b)の吸入側との間を繋ぐ液抜き管(77)が接続されている。この液抜き管(77)には、気液分離器(75)側から順に、膨張機構である膨張弁(74)と逆止弁(CV6)とが設けられている。そして、この液抜き管(77)は、気液分離器(75)に貯留された液冷媒が流れるように構成され、上記逆止弁(CV6)は、第2連絡ガス配管(P5)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。上記膨張弁(74)には、電子膨張弁が用いられている。
上記過冷却熱交換器(71)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成され、内部に第1流路(72)と第2流路(73)とが複数ずつ形成されている。上記第1流路(72)の入口端には、第1分岐液配管(P3)が接続され、出口端には、第2分岐液配管(P4)が接続されている。これら第1分岐液配管(P3)および第2分岐液配管(P4)は、第2利用系統の液管を構成している。一方、上記第2流路(73)は、液抜き管(77)における膨張弁(74)と逆止弁(CV6)との間に接続されている。そして、上記過冷却熱交換器(71)は、第2流路(73)を流れる気液分離器(75)の液相の冷媒が第1流路(72)を流れる液冷媒と熱交換して蒸発し、該第1流路(72)の液冷媒を過冷却するように構成されている。
また、上記ブースタユニット(1E)と過冷却ユニット(1F)との間には、インジェクション管(78)が接続されている。このインジェクション管(78)は、一端が過冷却ユニット(1F)の液抜き管(77)における過冷却熱交換器(71)と逆止弁(CV6)との間に接続され、他端がブースタユニット(1E)の接続ガス管(62)における油戻し管(65)とバイパス管(66)の接続点の間に接続されている。そして、このインジェクション管(78)には、開閉弁である電磁弁(76)が設けられている。つまり、上記インジェクション管(78)は、過冷却熱交換器(71)における過冷却後の気液分離器(75)の冷媒をブースタ圧縮機(61)の吸入側にインジェクションするように構成されている。
また、上記冷凍装置(1)は、切換手段であるコントローラ(80)を備えている。このコントローラ(80)は、冷凍装置(1)を第1運転である冷房冷凍運転と、第2運転である暖房冷凍運転とに切り換える。具体的に、このコントローラ(80)は、冷房冷凍運転の場合、室外ユニット(1A)の四路切換弁(22)を第1状態に、ブースタユニット(1E)の三路切換弁(67)を第1状態に、HCショーケース(1B)のHC膨張弁(32)を所定開度にそれぞれ切り換えるように構成されている。また、上記コントローラ(80)は、暖房冷凍運転の場合、室外ユニット(1A)の四路切換弁(22)を第2状態に、ブースタユニット(1E)の三路切換弁(67)を第2状態に、HCショーケース(1B)のHC膨張弁(32)を閉状態にそれぞれ切り換えるように構成されている。
−運転動作−
次に、上述した冷凍装置(1)の運転動作について説明する。この冷凍装置(1)は、主として、室外熱交換器(23)で冷媒が凝縮し、HC熱交換器(31)と冷凍熱交換器(41)と空調熱交換器(51)で冷媒が蒸発する「冷房冷凍運転」と、空調熱交換器(51)で冷媒が凝縮し、室外熱交換器(23)および冷凍熱交換器(41)で冷媒が蒸発し、HC熱交換器(31)で冷媒が庫内空気を加熱する「暖房冷凍運転」とに切換可能に構成されている。
〈冷房冷凍運転〉
この冷房冷凍運転は、空調ユニット(1D)で室内空気の冷却を行って店内を冷房すると同時に、HCショーケース(1B)および冷凍ショーケース(1C)において庫内空気の冷却を行うものである。
先ず、図2に示すように、上記コントローラ(80)により、四路切換弁(22)および三路切換弁(67)を第1状態に、室外膨張弁(27)を閉状態に、空調膨張弁(52)、HC膨張弁(32)および冷凍膨張弁(42)を所定開度にそれぞれ設定する。この状態において、固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)から吐出されたガス冷媒は、吐出管(11)で合流し、四路切換弁(22)から第1室外ガス管(12)を経て室外熱交換器(23)に流れ、室外ファン(25)によって取り込まれた室外空気と熱交換して凝縮する。この凝縮した液冷媒は、室外液管(13)を流れ、レシーバ(24)を経て第1連絡液配管(P1)と第2連絡液配管(P5)とに分流する。上記第2連絡液配管(P5)に分流した液冷媒は、空調膨張弁(52)で減圧された後、空調熱交換器(51)に流れ、空調ファン(55)によって取り込まれた店内空気と熱交換して蒸発し、店内空気が冷却される。この蒸発したガス冷媒は、第2連絡ガス配管(P6)から第2室外ガス管(14)、四路切換弁(22)および接続ガス管(15)を介し、低圧ガス管(18)から固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)に再び吸入される。
一方、上記第1連絡液配管(P1)に流れた液冷媒の一部は、HC膨張弁(32)で減圧された後、HC熱交換器(31)に流れ、HCファン(35)によって取り込まれた庫内空気と熱交換して蒸発し、庫内空気が冷却される。この蒸発したガス冷媒は、第1連絡ガス配管(P2)へ流れ、気液分離器(75)を介して室外ユニット(1A)へ流れる。また、上記第1連絡液配管(P1)に流れた液冷媒の残りは、第1分岐液配管(P3)へ分流し、過冷却熱交換器(71)で気液分離器(75)の液相の冷媒と熱交換して過冷却される。この過冷却された液冷媒は、第2分岐液配管(P4)を通って冷凍膨張弁(42)で減圧された後、冷凍熱交換器(41)に流れ、冷凍ファン(45)によって取り込まれた庫内空気と熱交換して蒸発し、庫内空気が冷却される。ここで、冷凍熱交換器(41)において、過冷却により冷媒の熱量が増大しているので、庫内の冷却能力を向上させることができる。この蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機(61)に吸入されて圧縮され、三路切換弁(67)から分岐ガス配管(69)を介して第1連絡ガス配管(P2)に流れ、HCショーケース(1B)からのガス冷媒と合流する。また、上記過冷却熱交換器(71)で過冷却した気液分離器(75)の冷媒は、液抜き管(77)を通じて第1連絡ガス配管(P2)に流れてHCショーケース(1B)および冷凍ショーケース(1C)からのガス冷媒と合流する。なお、上記液抜き管(77)の膨張弁(74)は、開度が全開状態に設定されている。すなわち、上記気液分離器(75)の冷媒は、高段側である圧縮機(21a,21b)の吸入側と同じ低温低圧状態となるので、過冷却熱交換器(71)を流れる高温高圧の液冷媒が気液分離器(75)の冷媒と熱交換して確実に冷却されることになる。上記室外ユニット(1A)に流れたガス冷媒は、低圧ガス管(18)にて空調ユニット(1D)からのガス冷媒と合流して固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)に再び吸入される。
〈暖房冷凍運転〉
この暖房冷凍運転は、空調ユニット(1D)で室内空気の加熱を行って店内を暖房すると同時に、HCショーケース(1B)において庫内空気の加熱を行い、冷凍ショーケース(1C)において庫内空気の冷却を行うものである。
先ず、図3に示すように、上記コントローラ(80)により、四路切換弁(22)および三路切換弁(67)を第2状態に設定すると共に、室外膨張弁(27)および冷凍膨張弁(42)を所定開度に、空調膨張弁(52)を全開状態に、HC膨張弁(32)を全閉状態にそれぞれ設定する。この状態において、固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)から吐出されたガス冷媒は、吐出管(11)で合流し、四路切換弁(22)から第2室外ガス管(14)および第2連絡ガス配管(P6)を経て空調熱交換器(51)で凝縮し、店内空気が加熱される。この凝縮した液冷媒は、空調膨張弁(52)を介して第2連絡液配管(P5)に流れ、レシーバ(24)を経て室外液管(13)に流れる。この室外液管(13)に流れた液冷媒の一部は、第1連絡液配管(P1)に流れ、残りは、室外熱交換器(23)に流れて蒸発した後、第1室外ガス管(12)、四路切換弁(22)、接続ガス管(15)および低圧ガス管(18)を通じて固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)に再び吸入される。
一方、上記第1連絡液配管(P1)に流れた液冷媒の全体は、第1分岐液配管(P3)を通って過冷却熱交換器(71)で過冷却された後、上述した運転と同様に冷凍熱交換器(41)で蒸発してブースタ圧縮機(61)に吸入される。このブースタ圧縮機(61)で圧縮されたガス冷媒は、三路切換弁(67)からガス供給配管(68)を通ってHC熱交換器(31)に流れる。このHC熱交換器(31)において、ガス冷媒がHCファン(35)によって取り込まれた庫内空気と熱交換し、庫内空気が加熱される。ここで、熱交換によって冷媒の一部が凝縮液化した場合、この液冷媒を含む冷媒は、第1連絡ガス配管(P2)を通って気液分離器(75)に流れ、液冷媒が分離されて貯留される。この分離後のガス冷媒は、気液分離器(75)から流出し、低圧ガス管(18)を通って固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)に再び吸入される。このように、万一HC熱交換器(31)で凝縮した冷媒は、気液分離器(75)で確実に分離除去されるので、固定容量圧縮機(21a)および可変容量圧縮機(21b)に液冷媒が吸入されて圧縮されるのを防止することができる。
また、上記過冷却ユニット(1F)におけるインジェクション管(78)の電磁弁(76)が開状態に設定され、液抜き管(77)の膨張弁(74)が所定開度に設定されている。したがって、上記過冷却熱交換器(71)における過冷却後の気液分離器(75)の冷媒は、インジェクション管(78)を通って冷凍熱交換器(41)からのガス冷媒と混合してブースタ圧縮機(61)に吸入される。これにより、ブースタ圧縮機(61)における吸入温度が低下し、吐出温度も低下する。また、上記気液分離器(75)の冷媒は、低段側であるブースタ圧縮機(61)の吸入側と同じ低温低圧状態となるので、過冷却熱交換器(71)を流れる高温高圧の液冷媒が気液分離器(75)の冷媒と熱交換して確実に冷却されることになる。
〈デフロスト運転〉
このデフロスト運転は、上述した冷房冷凍運転において、一定条件下で三路切換弁(67)を切り換えることによりHC熱交換器(31)のデフロストを行う運転である。
具体的に、上記冷房冷凍運転時に、HC熱交換センサ(33)が検出するHC熱交換器(31)における冷媒の蒸発温度が所定温度より低くなると、コントローラ(80)が三路切換弁(67)を第1状態から第2状態へ切り換える。つまり、コントローラ(80)は、冷媒の蒸発温度が所定温度よりも低くなると、HC熱交換器(31)に着霜したと判断してブースタ圧縮機(61)の高温の吐出ガス冷媒をHC熱交換器(31)へ流す。これにより、HC熱交換器(31)がそのガス冷媒のによって加熱され、デフロストが行われる。
なお、上記コントローラ(80)は、冷媒の蒸発温度以外の条件に基づいて三路切換弁(67)を切り換えるようにしてもよい。
例えば、上記コントローラ(80)は、HC熱交換器(31)における冷媒圧力(蒸発圧力)、すなわち圧縮機(21a,21b)の吸入圧力が所定圧力よりも低くなると、またはHC膨張弁(32)の開度が所定開度よりも小さくなると、HC熱交換器(31)が着霜したと判断して、三路切換弁(67)を第2状態へ切り換えるようにしてもよい。
また、上記コントローラ(80)は、HCファン(35)のモータ電流値が所定値よりも大きくなると、三路切換弁(67)を第2状態へ切り換えるようにしてもよい。つまり、HC熱交換器(31)の着霜がすすむに従って冷媒と庫内空気との熱交換率が低下するため、HCファン(35)が風量を増大させて所定の熱交換量を稼ごうとする。これにより、HCファン(35)のモータ電流値が上昇する。
−実施形態の効果−
以上説明したように、本実施形態によれば、HCショーケース(1B)において、HC熱交換器(31)に室外熱交換器(23)で凝縮した液冷媒をHC熱交換器(31)へ流して蒸発させることによって庫内を冷却する運転と、ブースタ圧縮機(61)の吐出ガスをHC熱交換器(31)へ流して庫内を加熱する運転とを切り換えるようにしたので、電気ヒータ等の加熱手段を別途設けることなく、庫内の冷却および加熱の双方を行うことができる。したがって、省エネルギな運転を行うことができる。
特に、上記ブースタユニット(1E)に流路切換手段である三路切換弁(67)を設け、ブースタ圧縮機(61)の吐出ガスをHC熱交換器(31)へ流す状態と、第1連絡ガス配管(P2)へ流す状態とに切り換えるようにしたので、確実に且つ容易にHC熱交換器(31)によって庫内の冷却および加熱を行うことができる。
また、上記第1連絡ガス配管(P2)の途中に気液分離器(75)を設けるようにしたので、万一HC熱交換器(31)においてブースタ圧縮機(61)の吐出冷媒の一部が凝縮した場合でも、圧縮機(21a,21b)に吸入される前にその液冷媒を気液分離器(75)で除去することができる。これにより、圧縮機(21a,21b)における液圧縮を確実に防止することができる。したがって、装置の信頼性を向上させることができる。
また、上記冷凍熱交換器(41)へ流れる液冷媒が気液分離器(75)の貯留された液相の冷媒と熱交換して過冷却される過冷却熱交換器(71)を設けるようにしたので、冷凍ショーケース(1C)における冷却能力を向上させることができる。特に、上記気液分離器(75)に貯留された冷媒は、冷房冷凍運転の場合は高段側の圧縮機(21a,21b)の吸入側と同じ低温低圧状態となり、また暖房冷凍運転の場合は低段側のブースタ圧縮機(61)の吸入側と同じ低温低圧状態となるので、過冷却熱交換器(71)を流れる高温高圧の液冷媒を確実に過冷却することができる。
また、上記過冷却熱交換器(71)における過冷却後の気液分離器(75)の冷媒をブースタ圧縮機(61)の吸入側にインジェクションするようにしたので、ブースタ圧縮機(61)の吸入温度および吐出温度、ひいては熱源系統の圧縮機(21a,21b)の吸入温度の低下を図ることができる。したがって、機器の信頼性を向上させることができる。
また、冷房冷凍運転時に、HC熱交換器(31)が着霜していると判断した場合、三路切換弁(67)を第1状態から第2状態へ切り換えるようにしたので、HC熱交換器(31)のデフロストを行うことができる。すなわち、上記三路切換弁(67)がHC熱交換器(31)の冷蔵および加温の通常の運転切換だけでなく、HC熱交換器(31)のデフロスト運転への切換手段としても用いられる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態において、気液分離器(75)または過冷却熱交換器(71)を省略してもよいし、過冷却ユニット(1F)自体を省略するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、利用系統の1つとして空調系統である空調ユニット(1D)を設けるようにしたが、本発明はこれを省略した構成であっても適用される。
また、上記実施形態では、第2利用系統として庫内の食品等を冷凍する冷凍ショーケース(1C)により構成したが、これに代えて、庫内の食品等を冷蔵する冷蔵ショーケースにより構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態は、HCショーケース(1B)および冷凍ショーケース(1C)を各1台ずつ設けるようにしたが、本発明は、それぞれのショーケースを複数台設けるようにしてもよいことは勿論である。すなわち、本発明は、少なくともHCショーケース(1B)を1台、ブースタ圧縮機(61)で2段圧縮した冷媒を用いて庫内を冷蔵または冷凍するショーケースを1台設けていればよい。
また、上記ブースタ圧縮機(61)の吐出ガスの流路切換手段として三路切換弁(67)を用いるようにしたが、これに限らず、ブースタ圧縮機(61)の吐出ガスがHC熱交換器(31)へ流れる状態と、第1連絡ガス配管(P2)へ流れる状態とに切換可能であれば如何なるものであってもよい。例えば、上記三路切換弁(67)に代えて、ブースタ圧縮機(61)の吐出管(64)に分岐ガス配管(69)とガス供給配管(68)とを接続してこれらの配管(68,69)に開閉弁を設けた構成とし、各開閉弁の開閉切換を適宜行うようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、庫内を冷却および加熱するショーケースを備えた冷凍装置として有用である。
実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 実施形態に係る冷凍装置の冷房冷凍運転の動作を示す冷媒回路図である。 実施形態に係る冷凍装置の暖房冷凍運転の動作を示す冷媒回路図である。
符号の説明
1 冷凍装置
10 冷媒回路
21a 固定容量圧縮機(圧縮機)
21b 可変容量圧縮機(圧縮機)
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
31 HC熱交換器(利用側熱交換器)
32 HC膨張弁(膨張弁)
41 冷凍熱交換器(利用側熱交換器)
61 ブースタ圧縮機(補助圧縮機構)
67 三路切換弁(流路切換手段)
71 過冷却熱交換器
75 気液分離器
76 電磁弁(開閉弁)
77 液抜き管
78 インジェクション管
P2 第1連絡ガス配管(ガス管)
P3 第1分岐液配管(液管)

Claims (5)

  1. 圧縮機(21a,21b)および熱源側熱交換器(23)を有する熱源系統に、庫内を温調する利用側熱交換器(31,41)を有する第1利用系統と第2利用系統とが並列に接続された冷媒回路(10)を備え、
    上記第2利用系統は、上記熱源系統の圧縮機(21a,21b)を高段側として冷媒を2段圧縮するための低段側の補助圧縮機(61)を備えている冷凍装置であって、
    上記第1利用系統および第2利用系統の利用側熱交換器(31,41)が各庫内を冷却する第1運転と、第2利用系統の利用側熱交換器(41)が庫内を冷却する一方、補助圧縮機(61)の吐出冷媒が第1利用系統の利用側熱交換器(31)へ供給されて庫内を加熱する第2運転とに切り換える切換手段(80)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記第2利用系統は、補助圧縮機(61)の吐出冷媒が圧縮機(21a,21b)の吸入側に繋がるガス管(P2)に流れる第1状態と、補助圧縮機(61)の吐出冷媒が第1利用系統における膨張弁(32)と利用側熱交換器(31)との間に流れる第2状態とに切り換える流路切換手段(67)を備える一方、
    上記切換手段(80)は、上記第1運転時に、第1利用系統の膨張弁(32)を所定開度に設定すると共に流路切換手段(67)を第1状態に切り換え、上記第2運転時に、第1利用系統の膨張弁(32)を閉状態に設定すると共に流路切換手段(67)を第2状態に切り換えるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記圧縮機(21a,21b)の吸入側に繋がるガス管(P2)の途中には、気液分離器(75)が設けられている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項3において、
    上記第2利用系統の液管(P3)の途中には、液冷媒を過冷却するための過冷却熱交換器(71)が設けられ、
    上記過冷却熱交換器(71)には、気液分離器(75)の液相の冷媒が導入されて過冷却熱交換器(71)の液冷媒を過冷却し且つ過冷却後の気液分離器(75)の冷媒をガス管(P2)における気液分離器(75)と圧縮機(21a,21b)の吸入側との間に導く液抜き管(77)が接続されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    上記液抜き管(77)には、開閉弁(76)を有して過冷却後の気液分離器(75)の冷媒を補助圧縮機(61)の吸入側にインジェクションするインジェクション管(78)が接続されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
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