JP2008171836A - 金属多層膜の製造方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下層部の金属膜(例えば、Cu膜)の上面が上層部の金属膜(例えば、Cr膜)によって過不足無く覆われた金属多層膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 第1の金属膜と、第1の金属膜に積層された第2の金属膜からなる多層膜を形成する第1の工程と、前記多層膜を所定の平面形状に加工するとともに、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成する第2の工程と、第1の金属膜との付け根で、前記庇を物理的に破断する工程とからなる金属多層膜の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属多層膜の製造方法およびその装置に関し、特に、プラズマ・ディスプレイ・パネル(Plasma Display Panel ; PDP)で用いられる金属多層膜の製造方法およびその装置に関する。
電子機器は、電極が設けられた多数の電子部品とその電子部品を接続する配線によって構成される。そして、その電極や配線は、殆どの場合基板上に形成された金属膜によって構成されている。例えば、PDPのガラス基板、液晶のガラス基板、電子回路のプリント基板、更には半導体基板等には配線が張り巡らされ、これらの配線が、同一基板上に形成された各種電子部品の電極に接続されている。
この電極や配線は、銅(以下、Cuと表す)やアルミニウム(以下、Alと表す)等の電気伝導率の高い金属によって形成される。しかし、これらの金属は単独では使いづらいため、他の金属と重ね合わせて用いられる場合が多い。
例えば、PDPでは、アドレス電極やバス電極はCuで形成されるが、Cuはガラス基板等の下地に密着しずらく剥離し易い。そこで、図8のように、基板1上にクロム(以下、Crと表す)からなる薄膜2を堆積してから、その上にCu膜3を堆積する。
更に、Cuは酸化され易く、その結果形成される酸化銅がPDPの製造上大きな問題を引き起こす。そこで、Cu膜3の上に更にCrからなる薄膜4を堆積して、Cr/Cu/Cr多層膜5を形成する。この多層膜を線状に加工して、アドレス電極またはバス電極とする。
アドレス電極またはバス電極は、Cr/Cu/Cr多層膜5を化学エッチングして形成される。この際、最上部のCrが過剰にエッチングされてCu膜3の上面が露出しないように、Cr/Cu/Cr多層膜5のエッチングは選択性エッチング液によって行われる。しかし、その過程でCu膜がサイドエッチングされ、Cu膜の上にCrの庇が形成されてしまう。このような庇は、アドレス電極等の断線の原因となる。従って、電極形成の最終工程で、この庇は除去される(特許文献1)。
以下、図9にしたがって、従来のCr/Cu/Cr電極の製造方法ついて説明する。
まず、スパッタリング法や蒸着法を用いて、ガラス基板1上に第1のCr膜2、Cu膜3、第2のCr膜4を順次成膜し、Cr/Cu/Cr多層膜を形成する。この際、第2のCr膜4は第1のCr膜2より厚く成膜される(工程(a))。
次に、Cr/Cu/Cr多層膜上に、周知のフォトリソグラフィー法により、配線パターン形成用のレジストパターン6を形成する(工程(b))。
次に、たとえば、塩化アルミニウムと燐酸を主成分とする酸性のエッチング液を用いて、第2のCr膜4を選択的にエッチングする(工程(c)。
次に、たとえば、硫酸第2鉄と硫酸を主成分とする酸性のエッチング液を用いて、Cu膜3を選択的にエッチングする(工程(d))。
次に、第2のCr膜4とCu膜3のエッチングに用いたレジストパターン6を、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムを含むアルカリ性溶液を用いて剥離する(工程(e))。
最後に、たとえば、フェリシアン化カリウムあるいは過マンガン酸カリウムを含むアルカリ性のエッチング液を用いて、第1のCr膜2を選択的にエッチングをする(工程(f))。
Cu膜3の選択エッチングを行う工程(d)によって、第2のCr膜4に対してCu膜3がアンダーカットされ庇7が形成される。この庇7は、第1のCr膜2を工程(f)でエッチングする際、同時に除去される。この時、第2のCr膜4はレジストによって被覆されていないので庇7以外の部分もエッチングされる。しかし、第2のCr膜4は第1のCr膜2より厚く成膜されているので、Cu膜3の上には第2のCr膜4が残される。
特開2000−11863 特開2006−134772
しかし、化学エッチングの面内均一性は必ずしも高くなく、また堆積した金属膜の厚さも面内で均一でない。従って、Cu膜3上に形成された第2のCr膜4からなる庇を化学エッチングによって除去する従来の配線形成方法では、同一基板上でも場所によって、庇7がエッチングされきれずに残ったり、逆に第2のCr4膜が過剰にエッチングされCu膜3の上面が露出してしまったりする。このような欠陥を持った電極や配線で電子機器を製造すると、種々のトラブルが発生する。
以下、PDPを例として、この問題について具体的に説明する。
図10は、AC(交流)面放電型のPDPの斜視図である。ガラス基板からなる透明な前面側の基板51上に、走査電極52と維持電極53とで対をなすストライプ状の表示電極54が複数形成されている。走査電極52及び維持電極53は、インジウム錫酸化物(ITO)からなる透明電極61と金属膜からなるバス電極62によって構成されている。
そして、表示電極54を覆うように第1の誘電体層55が形成され、その誘電体層55上には保護層56が形成される。一方、ガラス基板からなる背面側の基板57上には、表示電極54と立体交差するように、第2の誘電体層58で覆われた複数のストライプ状のアドレス電極59が形成されている。このアドレス電極59間の誘電体層58上には、アドレス電極59と平行に複数の隔壁(リブ)60が配置され、この隔壁60間の誘電体層58上には蛍光体層71が設けられる。
これらの基板51と基板57とは、表示電極54とアドレス電極59とが直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置される。更に、基板51と基板57は周囲が封止され、そして放電空間には、例えばネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスが放電ガスとして封入される。
バス電極62及びアドレス電極59には、大きな電流を流すことのできるCr/Cu/Cr電極が用いられる。中間層のCuは低抵抗であり、電流を流すためのものである。一方、最下層のCrは、ガラス基板57や透明電極61との密着性を良くするためのものである。また、最上層のCrは、Cuが酸化し抵抗値が上昇することを防止するためのものである。
上述したとおり、バス電極62及びアドレス電極59は、第1及び2の誘電体層55,58で覆われている。誘電体層55,58は、バス電極62及びアドレス電極59が形成された基板51,57上に、誘電体ガラス材料(低融点ガラス)を塗布し焼成することによって形成される。
この時、第2のCr膜4が庇を形成していたり、逆に後退してCu膜の上面の一部が露出していたりすると次のような問題が生じる。
図11は、図9の工程(f)において、第2のCr膜4のエッチングが不十分で庇7が残留してしまったアドレス電極59近傍の断面図である。誘電体層58が形成される過程で、庇7が残留した部分に気泡8が発生する。このような気泡8が発生すると、PDPの動作時にこの場所で集中的に放電9が発生し、大電流がアドレス電極59に流れる。その結果、庇7が残留したアドレス電極59は断線し易くなる。
一方、図9の工程(f)において、第2のCr膜4のエッチングが過剰でCu膜3の上面の一部が露出すると、図12のように、その部分が酸化され酸化銅12で覆われる。このような状態で誘電体ガラス材料を塗布すると、酸化銅12と誘電体ガラスが反応して気泡10が発生する。この気泡10は、表面に向かって上昇し一部は誘電体ガラス58の表面に到達して窪み11を形成する。このまま誘電体ガラスを焼結すると、窪み11および気泡10は誘電体層58に固定される。このため窪み11によってPDPの表面の平坦性は損なわれ、その結果PDPの表示性能が低下する。尚、酸化銅はCu膜3の側面にも形成される。しかし、Cu膜の厚さは高々数μmであり横幅に比べて圧倒的に小さいので、Cu膜3の側面に形成される酸化銅が問題になることは殆どない。従って、図12には、Cu膜3側面の酸化銅は描かなかった。
以上、PDPのアドレス電極を例に挙げ、従来のCr/Cu/Cr配線の製造方法に於ける問題点を説明した。全く同じ問題が、バス電極62にも存在している。更に、同様の問題は、多層膜構造を持つ他の配線(または電極)でも起こる。
そこで、発明の目的は、図8のように下層部の金属膜(例えば、Cu膜3)の上面が上層部の金属膜(例えば、第2のCr膜4)によって過不足無く覆われた金属多層膜、すなわち庇の形成も上層部の金属の後退もない金属多層膜を、基板全体に亘って均一に形成する金属多層膜の製造方法およびそのための装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面は、第1の金属膜と、第1の金属膜に積層された第2の金属膜からなる多層膜を形成する第1の工程と、前記多層膜を所定の平面形状に加工するとともに、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成する第2の工程と、第1の金属膜との付け根で、前記庇を物理的に破断する工程とからなる金属多層膜の製造方法である。
本発明の第1の側面によれば、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成しこの庇を物理的に破断するので、第1の金属膜の頂上が過不足なく第2の金属膜で覆われた金属多層膜を形成することができる。
本発明の第2の側面は、第1の側面において、前記第2の工程が、流体を噴き当てて、前記付け根で、前記庇を破断する工程であることを特徴とする。
本発明の第2の側面によれば、流体を噴き当てて前記庇を破断するので、前記庇を効率的に破断することができる。また、流体とともに破断した庇を洗い流すことができる。
本発明の第3の側面は、第1または第2の側面において、前記金属多層膜が、プラズマ・ディスプレイ・パネルに形成されたアドレス電極、維持電極上に形成されたバス電極、または走査電極上に形成されたバス電極の何れかであることを特徴とする。
本発明の第3の側面によれば、アドレス電極またはバス電極近傍の誘電体層の欠陥をなくすことができ、放電電流の集中による電極の断線や誘電体層表面の窪みをなくすことができる。
本発明の第4の側面は、第1乃至3の側面において、前記多層膜が、基板上に形成されたCr膜と、前記Cr膜上に積層されたCuからなる第1の金属膜と、第1の金属膜に積層されたCrからなる第2の金属膜とからなる多層膜であることを特徴とする。
本発明の第4の側面によれば、Cr/Cu/Cr多層膜からなるアドレス電極またはバス電極近傍の誘電体層の欠陥をなくすことができ、放電電流の集中による電極の断線や誘電体層表面の窪みをなくすことができる。
本発明の第5の側面は、第1の金属膜と第1の金属膜に積層された第2の金属膜からなり、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成した多層膜が設けられた基板を載せる支持台と、前記基板に流体を噴き当てる流体噴射装置とからなる金属多層膜の製造装置である。
本発明の第5の側面によれば、第1の金属膜の頂上が過不足なく第2の金属で覆われた金属多層膜を形成することができる。また、流体とともに破断した庇を洗い流すことができる。
本発明の第6の側面は、第1の金属膜と第1の金属膜に積層された第2の金属膜からなり、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成した多層膜が設けられた基板を載せる支持台と、前記基板に流体を噴き当てる流体噴射装置と、前記支持台が前記基板を一方向に搬送する搬送機構を有し、前記流体噴射装置が、前記一方向に垂直な面内で前記流体の噴射流を広げて、前記基板に前記流体を噴き当てる流体噴射機構を有する金属多層膜の製造装置である。
本発明の第6の側面によれば、第1の金属膜の頂上が過不足なく第2の金属で覆われた金属多層膜を効率的に形成することができる。
本発明によれば、図8のように下層部の金属膜(例えば、Cu膜3)の上面が上層部の金属膜(例えば、第2のCr膜4)によって過不足無く覆われた配線(または電極)、すなわち庇の形成も上層部の金属の後退もない金属多層膜を、基板全体に亘って均一に形成することができる。
従って、本発明によってPDPのアドレス電極やバス電極を製造すれば、これらの電極近傍で発生する誘電体層の欠陥をなくすことができ、その結果放電電流の集中による電極の断線や誘電体層表面の窪みによる表示性能の劣化をなくすことができる。
また、従来の金属多層膜の製造方法における庇をエッチングで除去する工程がなくなるので、そのためのエッチング液が不要になり、製造コストを抑えることができる。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
本実施の形態は、図8のように下層部の金属膜(例えば、Cu膜3)の上面が上層部の金属膜(例えば、第2のCr膜4)によって過不足無く覆われた金属多層膜の製造方法及びそのための装置に係るものである。
本実施の形態では、まず下層金属膜の頂上を覆う上層金属膜の幅を下層金属膜の幅より広くして庇を設けた金属多層膜を基板全面に形成し、この金属多層膜に流体(純水等)を噴き当てることにより、付け根部分からこの庇を破断して下層部の金属膜の上面が過不足無く上層部の金属膜で覆われた金属多層膜を形成する。
図1は、この工程を模式的に示したものである。
まず、図1(a)のように基板1の上に、第1の金属膜20、第2の金属膜21及び第3の金属膜22からなる多層膜を堆積し、第3の金属膜22が庇7を形成するようにこの多層膜を加工する。尚、図1(a)の下半分に描かれた図面は平面図であり、上半分に記載された図面はA−A´線における断面を矢印の方向から見た断面図である(以下、同じ)。
このように庇7の形成された多層膜23に、ノズル等から噴射した流体(純水等)を当てる図1(b)。すると、庇7は、流体24の圧力に耐え切れずにその付け根25で破断され、第2の金属膜21の上面が第3の金属膜22によって過不足無く覆われた金属多層膜が形成される(図1(c))。最後に、噴き当てらた流体の流れにのせて、破断された庇7を基板1表面から取洗い流す(図1(d))。
この結果、第2の金属膜21の上面が第3の金属膜22によって過不足無く覆われた金属多層膜が形成される。また、破断された庇7は基板1上から除去される。
以下、PDPのアドレス電極およびバス電極の製造に、本実施の形態に係る製造法およびその装置を適用した例について説明する。
(1)PDPの製造工程
まず、本実施の形態における多層電極の製造方法を適用した、PDPの製造工程の全体像を説明する。
図7は、本実施の形態におけるPDPの製造工程の概要である。この図に示された範囲では、PDPの一般的な製造工程と異なる点はない。また、図7に示す製造工程で製造されるPDPは、電極構造を除き、図10に示したPDPと同一である。
まず、S1〜S4の工程で、表示電極の設けられた前面板が形成される。一方、S5〜S8の工程で、アドレス電極の設けられた背面板が形成される。この二つの基板がS9の工程で組み立てられ、S10の工程で放電ガスが封入されてPDPが完成される。
前面板は、以下のように形成される。まず、ガラス基板51にインジウム錫酸化物(ITO)膜をスパッタ法で堆積し、この堆積膜をストライプ状に加工して透明電極61を形成する(S1)。次に、透明電極61が形成されたガラス基板51上に、第1のCr膜2、Cu膜3、第2のCr膜4を順次堆積してCr/Cu/Cr多層膜を成膜する。次に、このCr/Cu/Cr多層膜をストライプ状に加工してバス電極62を形成する(S2)。次に、バス電極62が形成された基板51に誘電体ガラス材料(低融点ガラス)をスクリーン印刷し焼成して誘電体層55を形成する(S3)。最後に、この誘電体層55上にMgOを蒸着して保護膜56を形成する(S4)。
後面板は、以下のように形成される。まず、ガラス基板57上に、第1のCr膜2、Cu膜3、第2のCr膜4を順次堆積してCr/Cu/Cr多層膜を成膜する。次に、このCr/Cu/Cr多層膜をストライプ状に加工してアドレス電極59を形成する(S5)。次に、アドレス電極59の形成されたガラス基板57上に誘電体ガラス材料(低融点ガラス)をスクリーン印刷し焼成して誘電体層58を形成する(S6)。次に、誘電体層58上に誘電体ガラス材料(低融点ガラス)を再度塗布し、塗布された誘電体ガラス材料をサンドブラストによってリブ状に加工する。その後、リブ状に加工された誘電体ガラス材料を焼成して隔壁60を形成する(S7)。最後に、隔壁60の間に蛍光体をペースト印刷し、その後焼成して蛍光体層71を形成する。(S8)。
以上のようにして形成した前面板と背面板を、表示電極54とアドレス電極59とが直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置し、基板51と基板57の周囲を封止する(S9)。最後に、この放電空間に、例えばネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスを放電ガスとして封入する(S10)。
(2)アドレス電極およびバス電極の製造工程
次に、本実施の形態における、アドレス電極59およびバス電極62の製造工程を詳しく説明する。図2及び図3は、本実施の形態におけるアドレス電極59の製造工程を、要部断面図によって示したものである。
まず洗浄したガラス基板57の上にスパッタリング法によって、第1のCr膜2、Cu膜3、および第2のCr膜4を成膜する。ここで第1のCr膜2は約0.05μm、Cu膜3は1〜3μm、第2のCr膜4は約0.15μmの膜厚で成膜する(図2(a))。
これらの膜厚は、夫々の金属膜が果す役割に応じて最適化されている。第1のCr膜2は、ガラス基板57にアドレス電極59を密着させるためのものである。Cu膜3は放電電流を流すためのものであり、電流の大きさにより1〜3μmの範囲で膜厚が設定される。第2のCr膜4は、Cu膜3の酸化を防止するためのものである。
次に、第2のCr膜4の上に感光性のレジスト71を塗布し(図2(a))、フォトリソグラフィー法によってレジスト75をストライプ状のレジストパターン72に加工する(図2(b))。レジスト71としては、アルカリ性水溶液によって剥離する安価なレジストを用いる。
次に、レジストパターン72を保護マスクとして、第2のCr膜4を塩酸(HCl)水溶液で選択的にエッチングする(図2(c))。
次に、Cu膜3を塩化第二鉄(FeCl3)水溶液で選択的にエッチングする。この際、Cu膜3がサイドエッチングされる(図2(d))。
次に、第1のCr膜2を塩酸(HCl)水溶液で選択的にエッチングする(図3(e))。
次に、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性の溶液でレジスト膜71を剥離する(図3(f))。尚、図2(a)〜図3(e)に示された工程で用いられたエッチング液は、総て酸性である。従って、これらのエッチング液によってはレジスト膜71は剥離されない。
次に、下記「(3)金属多層膜の製造装置」で説明する金属多層膜の製造装置を用いて、上記Cr/Cu/Cr多層膜が形成されたガラス基板57全体に、ノズルから噴射された純水30を当てて庇7をその付け根25の部分で破断する(図3(g))。この際、破断された庇は、噴き当てられた流体によって洗い流され、ガラス基板57上から取り除かれる。
最後に、上記「金属多層膜の製造装置」からガラス基板57を取り出し乾燥させると、Cu膜3の上面が第2のCr膜4によって過不足無く覆われたアドレス電極が、ガラス基板57全体に亘って均一に形成される(図3(h))。
以上説明したように、本実施の形態では、まず、第1のCr膜2と、Cu膜3と、第2のCr膜4からなる多層膜を形成する。次に、このCr/Cu/Cr多層膜をストライプ状の平面形状に加工するが、その際、第2のCr膜4によってCu膜3の縁に庇が形成されるようにする。最後に、流体を噴き当てて前記庇をCu膜3との付け根で破断して、アドレス電極を形成する。この結果、Cu膜3の上面が第2のCr膜4によって過不足無く覆われたアドレス電極が形成される。
このため、以後の誘電体層の形成工程(S6)によって、アドレス電極59側面に気泡8が形成されたり、誘電体層58の表面に窪み11が形成されたりすることはない。従って、気泡8の形成された部分に放電が集中してアドレス電極が断線したり、窪み11によって誘電体層58の表面の平坦性が損なわれて表示性能が低下することはない。
以上、アドレス電極59の製造方法について説明したが、バス電極62も全く同じようにして製造することができる。ただし、電極の形成される下地が、ガラス基板57であるか透明電極61であるかという点では相違する。すなわち、バス電極62は、透明電極61を介してガラス基板57の上に形成される点でアドレス電極59とは相違する。
なお、庇付きCr/Cu/Cr多層膜に純水を噴き当てる工程は、レジストパターン72の剥離液を洗浄する工程と共通化してもよい。その場合には、下記「金属多層膜の製造装置」ではなくレジスト剥離液洗浄装置を用い、レジスト剥離液を洗い流すためにガラス基板57に浴びせる流水の速度を適宜強くすればよい。
(3)金属多層膜の製造装置
図4および図5は、本実施の形態における金属多層膜の製造装置80の構成を示す。図4は、この金属多層膜の製造装置80のブロック図である。
金属多層膜の製造装置80は、庇付きの金属多層膜が形成された基板81が搬入されるチャンバー84と、チャンバー84内で基板81を搬送する搬送ローラ82と、純水を供給する供給タンク85と、供給タンク85から供給を受けた純水を加圧して送出する高圧発生装置86と、高圧発生装置86から送出された純水を濾過し送出するフィルター87と、フィルター87から送出された純水を基板81に向かって噴出する高圧ノズル83(高圧均等扇形ノズル)とから構成されている。そして、チャンバー84には、基板搬入口88と基板搬出口89が設けられている。
図5(a)は、基板81が、搬送ローラ82によってチャンバー84内を搬送され、純水を噴き当てられている状態を横から見た図である。一方、図5(b)は、この状態を搬送方向100から見た図である。
本実施の形態で搬送される基板81すなわちPDPの前面板(または背面板)の長さLは1460mm、幅Wは1030mmである。チャンバー84および搬送ローラ82は、このようなPDPの前面板(または背面板)に適合するように構成されている。
高圧ノズル83に純水を供給するノズル配管90が、搬送方向100に対して垂直つまり形成される電極の延在方向に沿った方向に配置されている。このノズル配管89には、高圧ノズル83が8本等間隔で配置されている。高圧ノズル83と基板81の間隔Tが約300mmになるように、ノズル配管89が設置される。
高圧ノズル83の噴霧パターンは扇形であり、図5(b)のように搬送方向100に対して垂直な方向に広がっている。噴霧流量は、噴出方向に依らず略一定である。図6は、ノズルの噴霧パターンを説明する図である。噴霧パターンの広がり角をθ、基板81上における噴霧パターンの幅をl、基板81までの距離をTとすると、θ=25°,l=133mm ,T=300mmである。
高圧発生装置86によって純水に印加される圧力は10MPaであり、個々の高圧ノズル83は、この圧力を受けて11.4L/minの流量で純水を噴射する。
次に、この金属多層膜の製造装置80を用いて金属多層膜から庇を破断してアドレス電極を形成する工程について説明する。
まず、図3(f)のような庇7付きのCr/Cu/Cr多層膜が形成された背面板を、基板搬入口88からチャンバー84に搬入する。搬入された基板81は、搬送ローラ82によって基板搬出口89に向かって搬送される。搬送される途中で、基板81は、8本の高圧ノズル83によって噴射される純水のシャワー101を順次前方から後方に向かって浴びる。シャワーの幅WHは、噴霧パターンの幅lの約8倍すなわち1070mmである。この幅は、基板81(背面板)の幅1030mmより広い。従って、基板81全体が、均等に純水のシャワー101を浴びることになる。
基板81上のCr/Cu/Cr多層膜は、純水のシャワー101の下を通過する時、純水の高速流に晒され庇7がその根元で破断される(図3(g))。破断された庇は、純水とともに流され供給タンク85に回収される。従って、破断された庇が基板81上に残留して、PDPの動作不良の原因となることはない。
庇7の破断は、基板81の搬送にともなって、基板81の前方から後方に進む。従って、基板81全体がチャンバー84の搬出口から搬出された時には、基板81全面で庇の破断が完了し、図3(h)に示すようなCu膜3の頂上が第2のCr膜4によって過不足無く覆われたアドレス電極が形成される。
一方、基板81に噴射された純水は、庇の除去後供給タンク85に回収され再利用される。庇を含む純粋は高圧発生装置86に供給され、10MPaに加圧されてフィルタ87に送出される。ここで、純水に混入された庇はフィルター87により捕捉され、基板81には清浄な純水が、高圧ノズル83によって噴き当てられる。
尚、フィルター87と高圧ノズル83の間には、図示されていない圧力計や流量計が取り付けられている。これらの計器によって測定される圧力値や流量値からフィルター87や高圧ノズル83を、交換または清掃する時期を判断する。従って、加工条件のバラツキを抑えることができる。
以上、PDPで用いられるCr/Cu/Cr多層膜からなる電極を例に本発明を説明してきた。しかし、本発明に係る金属多層膜は、Cr/Cu/C多層膜に限られるものでなく、例えばAl/Cr/Al多層膜(特許文献2)のような他の金属多層膜であってもよい。また、金属多層膜の層数も3層に限られるものではなく、2層または4層以上であってもよい。
また、金属多層膜に形成した庇を破断する方法としては、純水を噴き当てる以外にも、他の液体や気体を噴き当ててもよい。更に、流体を噴き当てるのではなく、金属多層膜を純水中に浸し超音波を照射してもよい。すなわち、庇をその付け根で破断する方法としては、物理的な種々の方法を採用してもよい。
本発明は、電子機器の製造業、特にPDPの製造業において利用することができる。
本発明の実施の形態における多層金属膜の製造方法の工程図である。 本発明の実施の形態におけるアドレス電極の製造工程を、要部断面図によって示した第1の工程図である。 本発明の実施の形態におけるアドレス電極の製造工程を、要部断面図によって示した第2の工程図である。 本発明の実施の形態における金属多層膜の製造装置のブロック図である。 本発明の実施の形態における金属多層膜の製造装置によって、基板が搬送ローラによってチャンバー内を搬送され、純水を噴き当てられている状態を示す図である。 高圧ノズルの噴霧パターンである。 本発明の実施の形態における多層電極の製造方法を適用した、PDPの製造工程である。 Cr/Cu/Cr多層膜の概念図である。 従来のCr/Cu/Cr電極の製造方法を示す概念図である。 PDPの斜視図である。 従来の製造方法で形成したCr/Cu/Cr電極の問題点を説明する第1の概念図である。 従来の製造方法で形成したCr/Cu/Cr電極の問題点を説明する第2の概念図である。
符号の説明
1 基板
2,4 Cr膜
3 Cu膜
5 Cr/Cu/Cr多層膜
6 レジストパターン
7 庇
8,10 気泡
9 放電
11 窪み
12 酸化銅
20 第1の金属膜
21 第2の金属膜
22 第3の金属膜
23 多層膜
24 流体
25 庇の付け根
30 ノズルから噴射された純水
51 前面側の基板
52 走査電極
53 維持電極
54 表示電極
55 第1の誘電体層
56 保護膜
57 背面側の基板
58 第2の誘電体層
59 アドレス電極
60 隔壁(リブ)
61 透明電極
62 バス電極
71 蛍光体層
72 レジストパターン
75 レジスト
80 金属多層膜の製造装置
81 庇付きの金属多層膜が形成された基板
82 搬送ローラ
83 高圧ノズル
84 チャンバー
85 供給タンク
86 高圧発生装置
87 フィルター
88 基板搬入口
89 基板搬出口
90 ノズル配管
100 搬送方向
101 純水のシャワー

Claims (6)

  1. 第1の金属膜と、第1の金属膜に積層された第2の金属膜からなる多層膜を形成する第1の工程と、
    前記多層膜を所定の平面形状に加工するとともに、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成する第2の工程と、
    第1の金属膜との付け根で、前記庇を物理的に破断する工程とからなる金属多層膜の製造方法。
  2. 前記第2の工程が、
    流体を噴き当てて、前記付け根で、前記庇を破断する工程であることを特徴とする請求項1に記載の金属多層膜の製造方法。
  3. 前記金属多層膜が、プラズマ・ディスプレイ・パネルに形成されたアドレス電極、維持電極上に形成されたバス電極、または走査電極上に形成されたバス電極の何れかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属多層膜の製造方法。
  4. 前記多層膜が、基板上に形成されたCr膜と、前記Cr膜上に積層されたCuからなる第1の金属膜と、第1の金属膜に積層されたCrからなる第2の金属膜とからなる多層膜であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の金属多層膜の製造方法。
  5. 第1の金属膜と第1の金属膜に積層された第2の金属膜からなり、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成した多層膜が設けられた基板を載せる支持台と、
    前記基板に流体を噴き当てる流体噴射装置とからなる金属多層膜の製造装置。
  6. 第1の金属膜と第1の金属膜に積層された第2の金属膜からなり、第1の金属膜の頂上を覆う第2の金属膜の幅を第1の金属膜の幅より広くして庇を形成した多層膜が設けられた基板を載せる支持台と、
    前記基板に流体を噴き当てる流体噴射装置と、
    前記支持台が前記基板を一方向に搬送する搬送機構を有し、
    前記流体噴射装置が、前記一方向に垂直な面内で前記流体の噴射流を広げて、前記基板に前記流体を噴き当てる流体噴射機構を有する金属多層膜の製造装置。
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