JP2008170275A - 無線型振動計測システム及び方法 - Google Patents

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廣也 武田
Masaki Murakami
雅規 村上
Yoshiyuki Chiba
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Abstract

【課題】回転体のロータの振動位相計測を効率良く行うことができる振動計測システムを提供することである。
【解決手段】ロータの回転振動変位を振動波形信号として検出する振動センサと、ロータの回転を回転パルス信号として検出する回転検出器と、前記振動センサで検出された振動波形信号及び回転検出器で検出された回転パルス信号に基づいてロータのアンバランス成分を検出する振動位相検出装置と、前記回転検出器で検出した回転パルス信号を無線で前記振動位相検出装置に伝送する無線伝送ユニットとを備え、振動位相検出装置は回転検出器からの回転パルス信号の伝送遅れを補正して振動位相を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転体のロータに発生する振動を検出し回転のアンバランスを評価するための無線型振動計測システム及び方法に関するものである。
大型機械のメンテナンスにおいて振動管理が重要であるが、振動を評価・改善(バランシング等)する場合には、振動波形信号だけでなく振動の位相が必要となる。そこで、振動波形を振動センサで検出するとともに、振動の位相を計測するために、回転体の基準位置にマークを取り付け、そのマークの通過タイミングで回転パルス信号を発生させて回転検出器で検出するようにしている。そして、振動センサで検出された振動波形信号と、回転検出器で検出された回転パルス信号とを振動位相計測装置に取り込み、振動位相を計測する。
振動計と回転パルス計を用いてロータの振動を計測し、振動箇所、そのクリアランスを推定し、接触の場合はクリアランスを広げ接触を防止するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−4413号公報
しかしながら、大型機械になると振動計からの振動波形信号とロータ基準位置の回転パルス信号を振動位相計測装置にケーブルを介して取り込むために、計測点が広範囲及び多数になった場合には、長いケーブルと振動位相計測装置とを移動させる必要があり、数人で計測しなければならなかった。
本発明の目的は、回転体のロータの振動位相計測を効率良く行うことができる無線型振動計測システム及び方法を提供することである。
本発明の無線型振動計測システムは、ロータの回転振動変位を振動波形信号として検出する振動センサと、ロータの回転を回転パルス信号として検出する回転検出器と、前記振動センサで検出された振動波形信号及び回転検出器で検出された回転パルス信号に基づいてロータのアンバランス成分を検出する振動位相検出装置と、前記回転検出器で検出した回転パルス信号を無線で前記振動位相検出装置に伝送する無線伝送ユニットとを備え、前記振動位相検出装置は、前記振動センサで検出された振動波形信号に基づいてロータの振動変位情報を取得する振動検出部と、前記回転検出器で検出された回転パルス信号に基づいてロータの回転速度を検出する回転速度検出部と、前記振動検出部で検出した振動信号に対して前記回転速度検出部で検出したロータ回転速度に応じたトラッキングフィルタ処理を行いトラッキング波形を求めるフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部で得られたトラッキング波形からロータの振動位相を検出する位相検出部と、前記位相検出部で検出した振動位相値に対して前記回転検出器からの回転パルス信号の伝送遅れを補正する位相補正部と、前記位相補正部で得られたロータ振動位相を記録する検出結果保存部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、基準位置信号である回転パス信号を無線で振動位相検出装置に伝送するので、回転パルス計測部分からのケーブルが不要となり、振動センサと振動位相検出装置との間の短いケーブルのみで計測が可能となり作業効率が向上できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる無線型振動計測システムのブロック構成図である。
振動位相検出装置11は、回転体のロータの回転振動変位を検出してロータの回転によるアンバランス成分を検出するものである。ロータ各所の軸受部に常設されている振動センサ(図示せず)の近傍に振動センサ12が仮設されている。図1ではロータの異なる位置に2個の振動センサ12a、12bが設けられた場合を示している。振動センサ12としては、振動加速度センサ、振動速度センサ、振動変位センサが用いられる。振動センサ12で検出された振動波形信号はケーブルを介して振動位相検出装置11に入力される。
一方、回転体のロータには回転検出器14が設けられている。これは、例えば光学式回転検出器であり、光学式検出器から発光した光がロータの基準位置に貼られた反射マークで反射したときにパルスを発生するものである。すなわち、ロータの回転により反射マークが貼られた基準位置が光学式回転検出器を通過したときに反射光が生じるのでその反射光を光学式検出器で受光する。これによりロータが1回転する毎に反射光が受信でき、回転パルス信号として検出する。
この回転パルス信号は、ロータの回転検出器14が設置された箇所に設けられた無線信号伝送ユニット15aを経由して、振動位相検出装置11の近傍に設けられた無線信号伝送ユニット15bで受信し振動位相検出装置11に入力する。
一方、振動センサ12a、12bで検出された振動波形信号はケーブルを介して振動位相検出装置11の振動検出部13に入力される。振動検出部13は振動センサ12a、12bの種類に応じて振動変位情報を取得する。例えば、2個の振動センサ12a、12bが振動加速度センサである場合には、振動検出部13にて振動加速度センサから得られた加速度信号を2回積分して振動変位情報を取得する。一方、振動センサ12a、12bが振動速度センサである場合には、振動速度センサで検出された振動速度信号を1回積分することにより振動変位情報を取得する。また、振動センサが振動変位センサである場合には、直接振動変位を入力することができる。
無線信号伝送ユニット15a、15bを経由して振動位相検出装置11に入力された回転パルス信号は、回転速度検出部16でロータ回転速度として検出される。回転速度検出部16にて検出されたロータの回転速度信号はフィルタ処理部17に入力される。フィルタ処理部17は、振動検出部13で検出された振動信号に対して回転速度に応じたトラッキングフィルタ処理を行いトラッキング波形を求める。位相検出部18はフィルタ処理部17により得られた振動のトラッキング波形とロータの基準位置を示す回転パルス信号とからロータの振動位相を検出する。
ここで、回転検出器14で検出した回転パルス信号は、無線伝送ユニット15a、15bを経由して振動位相検出装置11に入力されるため、伝送遅れ時間Td(秒)を含んでおり、実際の振動位相値φrは位相検出部18で検出した振動位相値φnに伝送遅れによる位相差φdを考慮しなければならない。
図2は、振動位相検出の説明図であり、これに基づき伝送遅れによる位相差φdを算出すると、ロータの回転数がN(min-1)の場合は、(A)式で示される。
φd=(Td/Tn)×360=Td×6×N …(A)
また、これから、実際の振動位相値φrは、(B)式で示される。
φr=φn+φd=φn+(Td×6×N) …(B)
ここで、Td:伝送遅れ時間(秒)、Tn:ロータ回転数Nの時の回転周期(秒)、φd:伝送遅れ時間Td(秒)による位相差(°)、φn:ロータ回転数Nの時の見掛けの(位相検出部18による)振動位相(°)、φr:ロータ回転数Nの時の実際の(位相補正部19による)振動位相(°)である。
したがって、位相補正部19では、既知の伝送遅れ時間(Td)(秒)と回転速度検出部16で検出したロータ回転数(N)(min-1)とから(A)式により伝送遅れによる位相差φdを算出し、(B)式により位相検出部18で検出した振動位相値φnを補正して、実際の振動位相値φrを算出する。ここで、無線伝送の遅れ時間をその都度算出するのではなく、予め算出してデータベースに記憶しておき、データベースより選択できるようにしてもよい。
次に、検出結果保存部20は、振動検出部13で取得した振動変位情報、位相補正部19で算出した振動位相値、回転速度検出部16で検出された回転パルス情報、フィルタ処理部17で得られたトラッキングフィルタ処理後の振動波形情報等を記憶装置21に記録する。
ここで、振動位相検出装置11はPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置に組み込まれ、機能を実現することができるが、PC(Personal Computer)を用いても同様に適用できる。
本発明の実施の形態によれば、ロータの基準位置検出信号である回転パルス信号を無線伝送ユニットを介して無線で振動位相検出装置に取り込み、これにより検出された振動位相の値に無線伝送による信号の遅れ分を補正するので、無線による遅れを補正できる。また、従来、人手を掛け長いケーブルを引き回していた振動位相計測の作業効率を向上することが可能になる。特に被測定部始端から終端までの長さが50mにも及ぶ大型機械の場合、振動位相計測の作業効率は、従来に比べ格段に向上する。
本発明の実施の形態に係わる無線型振動計測システムのブロック構成図。 本発明の実施の形態に係わる振動位相検出の仕方の説明図。
符号の説明
11…振動位相検出装置、12…振動センサ、13…振動検出部、14…回転検出器、15…無線伝送ユニット、16…回転速度検出部、17…フィルタ処理部、18…位相検出部、19…位相補正部、20…検出結果保存部、21…記憶装置

Claims (7)

  1. ロータの回転振動変位を振動波形信号として検出する振動センサと、ロータの回転を回転パルス信号として検出する回転検出器と、前記振動センサで検出された振動波形信号及び回転検出器で検出された回転パルス信号に基づいてロータのアンバランス成分を検出する振動位相検出装置と、前記回転検出器で検出した回転パルス信号を無線で前記振動位相検出装置に伝送する無線伝送ユニットとを備え、前記振動位相検出装置は、前記振動センサで検出された振動波形信号に基づいてロータの振動変位情報を取得する振動検出部と、前記回転検出器で検出された回転パルス信号に基づいてロータの回転速度を検出する回転速度検出部と、前記振動検出部で検出した振動信号に対して前記回転速度検出部で検出したロータ回転速度に応じたトラッキングフィルタ処理を行いトラッキング波形を求めるフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部で得られたトラッキング波形からロータの振動位相を検出する位相検出部と、前記位相検出部で検出した振動位相値に対して前記回転検出器からの回転パルス信号の伝送遅れを補正する位相補正部と、前記位相補正部で得られたロータ振動位相を記録する検出結果保存部とを備えたことを特徴とする無線型振動計測システム。
  2. 前記振動センサは1個または2個以上の振動加速度センサであり、前記振動検出部は、1個または2個以上の振動加速度センサより検出された振動加速度信号の2回積分処理を行うことにより振動変位情報を取得することを特徴とする請求項1記載の無線型振動計測システム。
  3. 前記振動センサは1個または2個以上の振動速度センサであり、前記振動検出部は、1個または2個以上の振動速度センサより検出された振動速度信号の積分処理を行うことにより振動変位情報を取得することを特徴とする請求項1記載の無線型振動計測システム。
  4. 前記振動センサは1個または2個以上の振動変位センサであり、前記振動検出部は、1個または2個以上の振動変位センサより検出された振動変位信号を取得することを特徴とする請求項1記載の無線型振動計測システム。
  5. 前記位相補正部は、回転パルス信号を無線伝送するときの伝送遅れ時間を基に前記位相検出部で検出した振動位相を補正する機能を有することを特徴とする請求項1乃至6記載の無線型振動計測システム。
  6. 前記位相補正部は、前記位相検出部で検出した振動位相を補正するために使用する無線伝送の遅れ時間をデータベースより選択できることを特徴とする請求項1乃至6記載の無線型振動計測システム。
  7. ロータの回転振動変位を振動波形信号として検出する振動センサで検出された振動波形信号に基づいてロータの振動変位情報を取得し、ロータの回転を回転パルス信号として検出する回転検出器で検出された回転パルス信号に基づいてロータの回転速度を検出し、検出した振動信号に対して検出したロータ回転速度に応じたトラッキングフィルタ処理を行いトラッキング波形を求め、求めたたトラッキング波形からロータの振動位相を検出し、検出した振動位相値に対して回転パルス信号の伝送遅れを補正し、補正したロータ振動位相を記録することを特徴とする無線型振動計測方法。
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