JP2008169524A - トランクス型パンツ - Google Patents

Abstract

【課題】トランクス型パンツ本来の通気性を損なわず、陰嚢と内股との密着を防止することのできる簡便なトランクス型パンツの提供。
【解決手段】トランクス型のパンツ本体１０の内側に着用者の陰嚢３０を支持するサポータ２０を設けたトランクス型パンツである。サポータ２０は、陰嚢３０の下部を覆う舌片部２１と該舌片部に連続する左右一対の吊手部２２，２２とから成る。舌片部２１は、吊手部２２，２２とは反対側の一端縁２１ａがパンツ本体１０の股下部１０ａに逢着され、吊手部２２，２２は各々その先端側がパンツ本体１０の前部に接続される。
【選択図】図４

Description

本発明は、男性用下着に属するトランクス型パンツに係わり、特に股間の蒸れに起因する陰金田虫や汗疹の発症を防止するのに有効なトランクス型パンツに関する。

男性用下着であるパンツは、トランクス型とブリーフ型に大別されるが、トランクス型パンツはブリーフ型に比べてフィット性が弱く肌に密着しない開放的構造であるために、通気性が良く股間が蒸れ難いという利点がある。

しかし、トランクス型パンツは陰部を圧迫しないために着用に際して陰嚢が内股に密着し、夏期や運動後に陰嚢の密着部分が発汗により蒸れ、これに起因して汗疹や陰金田虫を発症することがあった。

そこで、トランクス型のパンツ本体の前身頃内面に袋状の仕切り布を配備し、着用に際してパンツ本体の前身頃と仕切り布との間に男性局部（陰部）が収容されるようにした男性用パンツが提案されている（例えば、特許文献１）。

実開平６−１２４０４号公報

しかしながら、特許文献１に記載されるパンツによれば、パンツ本体の前身頃と仕切り布との間に陰嚢を含めた男性器（陰部）全体が収容されることから、陰嚢と内股との密着を防止することはできても、トランクス型パンツ特有の通気性が損なわれてしまう上、仕切り布の上部を広げながら着用しないと前身頃との間に陰部が収容されないから着用性が悪く、しかも着用時には陰嚢の基部が仕切り布の上縁により圧迫されるので穿き心地が悪く、違和感を生ずるという欠点がある。

又、パンツ本体の前身頃と仕切り布との間に男性器全体が収容されることから、陰嚢と陰茎が密着し、その両者間が蒸れるので衛生上好ましくない。

本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的はトランクス型パンツ本来の通気性を損なわず、陰嚢と内股との密着を防止することのできる簡便なトランクス型パンツを提供することにある。

本発明は上記の目的を達成するため、
トランクス型のパンツ本体の内側に着用者の陰嚢を支持するサポータを設けたトランクス型パンツであって、
前記サポータは、前記陰嚢の下部を覆う舌片部と該舌片部に連続する左右一対の吊手部とから成り、
前記舌片部は前記吊手部とは反対側の一端縁が前記パンツ本体の股下部に逢着され、前記吊手部は各々その先端側が前記パンツ本体の前部に接続されることを特徴とする。

加えて、前記サポータは、少なくとも前記舌片部が通気性を有するメッシュ生地から成ることを特徴とする。

又、前記パンツ本体の前部に前記吊手部の先端側を接続するための取付部が設けられると共に、前記吊手部には各々その長手方向に沿って前記取付部と着脱自在に係合する係止部が所定の間隔に設けられることを特徴とする。

更に、前記取付部がパンツ本体に逢着されるボタンで、前記係止部がボタン孔であることを特徴とする。

本発明に係るトランクス型パンツによれば、パンツ本体の内側に着用者の陰嚢を支持するサポータが設けられることから、着用者の陰嚢が内股に接触することを防止することができる。このため、高温多湿な夏期などにおいても股間が蒸れず、汗疹や陰金田虫の発症を抑制することができる。

特に、サポータは、陰嚢の下部を覆う舌片部と該舌片部に連続する左右一対の吊手部とから成り、舌片部は吊手部とは反対側の一端縁がパンツ本体の股下部に逢着され、吊手部は各々その先端側がパンツ本体の前部に接続されることから、パンツ本体の着用時に陰嚢の下部が自然に舌片部で支持されて覆われるようになるので穿き易く、しかも一対の吊手部の間に陰茎が位置して当該陰茎と陰嚢が舌片部により仕切られるのでトランクス型パンツ本来の通気性が損なわれず、舌片部により陰茎が圧迫されることもないので穿き心地も良好である。

又、舌片部が通気性を有するメッシュ生地から成るものでは、股間の蒸れを大幅に抑制することが可能である。

更に、パンツ本体の前部に一対の吊手部の先端側を接続するための取付部が設けられると共に、一対の吊手部に各々その長手方向に沿って取付部と着脱自在に係合する係止部が所定の間隔に設けられる態様では、着用者の体格などに応じてパンツ本体に対する吊手部の接続位置を変え、舌片部を陰嚢の下部に適切な接触力で宛がうことができる。

以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係るトランクス型パンツの斜視分解図、図２は同パンツの正面図、図３は同パンツの前部を裏側からみた状態であり、図４には同パンツを広げて上方からみた状態を示している。

これらの図において、１０はトランクス型のパンツ本体であり、このパンツ本体１０はポリエステルなどの生地を所定形状に裁断して得られる左前身頃１１、右前身頃１２、及び後身頃１３をそれぞれ縫合するなどして構成される。

そして、係るパンツ本体１０は、その上部が穿き口１４として開口されると共に、その下部は二股状に分かれて左右一対の脚穿き口１５，１５として開口されている。特に、パンツ本体１０の前部を成す左前身頃１１と右前身頃１２との間は、縫合せずして部分的に重ね合わされた開通部１６とされ、その開通部１６から着用者の陰茎を出し入れできるようにしてある。

又、穿き口１４には、その開口縁に沿ってウエストゴム１７が逢着されており、これにより穿き口１４が全周に亘りギャザーを有して伸縮自在とされている。

一方、２０はパンツ本体１０の着用者の陰嚢を支持するべくパンツ本体１０の内側に設けられるサポータであり、このサポータ２０は着用者の陰嚢下部を包み込むようにして覆う舌片部２１と、該舌片部２１に連続する左右一対の吊手部２２，２２とにより構成される。

特に、サポータ２０は通気性を有するメッシュ生地、好ましくは高い吸湿性を兼ね備えた綿布などの布地から成る。

本例において、舌片部２１は台形状の形態で、平行する長短２つの端縁２１ａ，２１ｂのうち、短い方の端縁２１ａが左右一対の脚穿き口１５，１５の間でパンツ本体１０の股下部１０ａ（左右前身頃１１，１２と後身頃１３との縫合部分）に逢着され、長い方の端縁２１ｂの両側から帯状を成す左右一対の吊手部２２，２２が延び出している。尚、本例では左右一対の吊手部２２，２２を舌片部２１と別体として形成し、その両者２１，２２を縫合しているが、舌片部２１と吊手部２２，２２とを一体に形成してもよい。

ここに、パンツ本体１０の前部上側において、ウエストゴム１７を逢着した穿き口１４の内側面には、吊手部２２，２２の先端側を接続するための取付部１８，１８が設けられる。係る取付部１８，１８は、パンツ本体１０に逢着した円形のボタンであり、これは上記開通部１６の位置を中心としてその左右両側に所定の間隔をあけて逢着されている。

一方、左右一対の吊手部２２，２２には、各々その長手方向に沿って取付部１８，１８と着脱自在に係合する係止部２３，２３が所定の間隔に設けられる。係る係止部２３，２３は、取付部１８，１８を成すボタンに対応する切目状のボタン孔であり、本例ではそれが左右一対の吊手部２２，２２のそれぞれに３つずつ形成されている。

そして、上記のような取付部１８と係止部２３によれば、着用者の体格などに応じてパンツ本体１０に対する吊手部２２，２２の接続位置を変え、以って着用者の陰嚢に対する舌片部２１の接触力を段階的に調節することができる。尚、ボタンとボタン孔に代えて、取付部１８と係止部２３にワンタッチでの着脱が可能なホックを利用したり、あるいはマジックテープ（登録商標）を利用したりしてもよく、特にマジックテープ（登録商標）ではパンツ本体１０に対する吊手部２２，２２の接続位置を無段階で微調整できるという有利な効果を得ることができる。又、吊手部２２，２２をパンツ本体１０に対して着脱自在とせず、パンツ本体１０のサイズに合わせて吊手部２２，２２の先端部をパンツ本体１０に逢着してもよい。

次に、図５は上記のように構成される本願パンツの使用状態を示す。図５から明らかなように、本願パンツによれば、着用に際して舌片部２１が着用者の陰嚢３０を受け、当該陰嚢３０の下部側が舌片部２１により覆われるようになるのであり、このため着用者の陰嚢３０と内股との接触が回避され、ひいては陰嚢３０と内股との密着による蒸れが抑制され、高温多湿な夏期などにおいても股間における汗疹や陰金田虫の発症を防止することができる。

又、図５で明らかなように、着用者の陰茎４０は、左右一対の吊手部２２，２２（図５において吊手部２２，２２は図面上で重なり合って一方のみが示される）の間にあってパンツ本体１０と舌片部２１との間に位置付けられるようになるのであり、このため陰茎４０と陰嚢３０も舌片部２１により仕切られて非接触状態となり、その両者３０，４０間の蒸れが抑制され、しかも舌片部２１により陰茎４０が圧迫されないので不快感がなく、良好な着用感が得られる。

以上、本発明に係るトランクス型パンツの構成例を図面に示して説明したが、係るトランクス型パンツは上記例に限定されるものではない。例えば、吊手部２２，２２は図示例のような帯状のもののほか、紐状であってもよく、要は左右一対の吊手部２２，２２が所定の間隔を有してその相互間から着用者の陰茎４０をパンツ本体１０の前部側に出し得るようになっていればよい。

又、舌片部２１は、上記例のようにパンツ本体１０の股下側が幅の狭い台形状とされていることが好ましいが、これを方形その他の形状とすることもできる。

本発明に係るトランクス型パンツの斜視分解図 同パンツの正面図 同パンツの前部を裏側からみた状態を示す説明図 同パンツを広げて上方からみた状態を示す説明図 同パンツの使用状態を示す説明図

符号の説明

１０ パンツ本体
１０ａ 股下部
１１ 左前身頃
１２ 右前身頃
１３ 後身頃
１４ 穿き口
１５ 脚穿き口
１６ 開通部
１７ ウエストゴム
１８ 取付部
２０ サポータ
２１ 舌片部
２２ 吊手部
２３ 係止部
３０ 陰嚢
４０ 陰茎

Claims (4)

1. トランクス型のパンツ本体の内側に着用者の陰嚢を支持するサポータを設けたトランクス型パンツであって、
   前記サポータは、前記陰嚢の下部を覆う舌片部と該舌片部に連続する左右一対の吊手部とから成り、
   前記舌片部は前記吊手部とは反対側の一端縁が前記パンツ本体の股下部に逢着され、前記吊手部は各々その先端側が前記パンツ本体の前部に接続されることを特徴とするトランクス型パンツ。
2. 前記サポータは、少なくとも前記舌片部が通気性を有するメッシュ生地から成ることを特徴とする請求項１記載のトランクス型パンツ。
3. 前記パンツ本体の前部に前記吊手部の先端側を接続するための取付部が設けられると共に、前記吊手部には各々その長手方向に沿って前記取付部と着脱自在に係合する係止部が所定の間隔に設けられることを特徴とする請求項１、又は２記載のトランクス型パンツ。
4. 前記取付部がパンツ本体に逢着されるボタンで、前記係止部がボタン孔であることを特徴とする請求項３記載のトランクス型パンツ。

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