JP2008168039A - X線発生装置およびx線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】陰極からの電子線を軌道変更せず直線的に陽極に衝突させるX線発生装置において、X線焦点の位置や大きさを所望の位置や大きさに容易に変更可能とする。
【解決手段】電子線の衝突によりX線を発生する電子衝突面を含む陽極と、それぞれが熱電子発生容量を略等しく有する複数の電子発生源であって、発生する個々の電子線が直線的に電子衝突面に衝突しその衝突の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数の電子発生源を含む陰極とを有するX線管と、当該X線管を制御して複数の電子発生源に基づく複数の電子線のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上の電子線を選択的に発生させ、X線焦点の位置や大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ得るX線制御手段とを備えた構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、X線発生装置およびX線CT(computed tomography)装置に関し、さらに詳しくは、X線焦点の位置または大きさを変化させるX線発生装置およびそのX線発生装置を用いたX線CT装置に関するものである。
X線管には、一般的に、陰極フィラメント(filament)から発生した熱電子がターゲット(target)と呼ばれる陽極に向かって加速され、その熱電子がターゲットと衝突してX線を発生させるものがある。このような電子衝突型のX線管としては、例えば、陰極であるフィラメントと陽極であるターゲットとが近接し、フィラメントから発生した熱電子が軌道変更されずに直線軌道を描いてターゲットに衝突するX線管が知られている(例えば、非特許文献1参照)。このタイプ(type)のX線管は、熱電子の軌道を変化させるための電磁場を発生する手段や熱電子の軌道変更に必要な空間が不要であるため、X線管の構造が単純で製造が容易であり、制御もし易く、また、小型化に有利であるという利点がある。
一方、X線管を備えた装置としては、X線管とX線検出器とが対向して設置されたガントリ(gantry)を被検体の周囲で回転させながら各ビュー(view)のX線投影データ(data)を収集し、それらX線投影データに基づいて画像再構成を行い、被検体の断層像を得るX線CT装置が知られている。画像再構成の方法としては、例えば、コーンビーム(corn beam)X線の被検体の体軸方向への広がり、すなわちコーン角を考慮した3次元画像再構成(コーンビーム再構成ともいう)が提案されている(特許文献1参照)。この3次元画像再構成は、断層像平面の各画素を通るX線ビームの軌跡を考慮しない従来の2次元画像再構成に比して、画像再構成によって得られた断層像のアーチファクト(artifact)を小さくできる等、断層像の画質を改善できるという特徴を有する。
この3次元画像再構成については、各ビュー毎に、被検体に対し、被検体の体軸方向における複数の異なる位置からX線を照射して複数種類のX線投影データを収集し、これらのX線投影データに基づいて3次元画像再構成を行うと、再構成画像すなわち被検体の断層像の画素とX線検出器のチャネル(channel)との幾何学的な位置関係が正確に対応した逆投影を行うことができるため、断層像の空間分解能が改善されることが知られている(例えば、特許文献2,3および非特許文献2参照)。
特開2006−055309号公報 特開2005−296651号公報 特開2000−083942号公報 放射線技術学シリーズ 「CT撮影技術学」,日本放射線技術学会監修,辻岡勝美・花井耕造 共編,オーム社,平成17年2月25日初版発行,p20 アルゴリズムシリーズ2 「画像処理アルゴリズム」,斉藤恒雄 著,近代科学社,1993年3月10日初版発行,p167〜171
しかしながら、上記のような、陰極と陽極とが近接する、電子の軌道変更を行わないタイプのX線管を備えたX線CT装置では、X線を発生する起点となるX線焦点の位置を、特にX線管軸方向(被検体の搬入方向と同じ方向で、慣習的にz軸方向という)に、容易に変更することができないため、断層像のX線管軸方向における空間分解能の改善に有効な上記の手法、すなわち、各ビュー毎に、被検体の体軸方向における複数の異なる位置からX線を放射して収集されたX線投影データに基づいて、そのX線焦点の位置を測定するまたは予測することによりX線焦点の位置を知り、そのX線焦点位置に対応した3次元画像再構成を行う手法を用いることができないという問題がある。また、実際には、X線管のX線焦点の大きさを変えてX線投影データを収集したい場合も想定される。
本発明は、上記事情に鑑み、陰極からの電子線を軌道変更せずに陽極に衝突させてX線を発生させるX線発生装置であって、X線焦点の位置または大きさを所望の位置または大きさに変更することができるX線発生装置、およびそのX線発生装置を用いたX線CT装置を提供することを目的とするものである。
なお、特開平6−335477号公報、特開2001−250497号公報等には、小焦点用フィラメントと大焦点用フィラメントとを有するX線管が開示されているが、これは小焦点用と大焦点用とでそれぞれ互いに非同形状のフィラメントを1つずつ用意し、これらのフィラメントを切り換えて使用することでX線焦点の大きさを切り換えるものであり、本願発明とは異なるものである。
また、特開平8−273567号公報には、それぞれが同形状である複数のフィラメントを順次切り換えるX線管が開示されているが、これは陽極が熱変形してもX線焦点の位置が変動しないように制御するものであり、本願発明とは異なるものである。
第1の観点では、本発明は、電子線の衝突によりX線を発生する面を含む陽極と、それぞれが電子を発生する複数の電子発生源であって、発生する個々の電子線が直線的に前記面に衝突し該衝突の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数の電子発生源を含む陰極とを有するX線管と、前記X線管を制御して前記複数の電子発生源に基づく複数の電子線のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上の電子線を選択的に発生させ、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ得るX線制御手段とを備えたことを特徴とするX線発生装置を提供する。
第2の観点では、本発明は、前記複数の電子発生源が、それぞれ略同じ電子発生容量を有するものであることを特徴とする上記第1の観点のX線発生装置を提供する。
第3の観点では、本発明は、前記複数の電子発生源が、2次元的に配列されてなるものであることを特徴とする上記第1の観点または第2の観点のX線発生装置を提供する。
第4の観点では、本発明は、前記X線制御手段が、発生させる電子線を順次切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置および/または大きさを順次切り換えるものであることを特徴とする上記第1の観点から第3の観点のうちいずれか1つの観点のX線発生装置を提供する。
第5の観点では、本発明は、前記X線制御手段が、発生させる電子線を一方向に切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を一方向に切り換えるものであることを特徴とする上記第4の観点のX線発生装置を提供する。
第6の観点では、本発明は、前記電子発生源が、フィラメントであることを特徴とする上記第1の観点から第5の観点のうちいずれか1つの観点のX線発生装置を提供する。
第7の観点では、本発明は、前記X線管が、それぞれが前記複数の電子発生源の各々に対応した複数のグリッド電極を有するものであり、前記X線制御手段が、前記複数のグリッド(grid)電極の各々に印加する電圧を制御することにより、特定の電子線を選択的に発生させるものであることを特徴とする上記第6の観点のX線発生装置を提供する。
第8の観点では、本発明は、レーザ(laser)光の照射によりX線を発するプラズマ(plasma)を発生する面を含むターゲット(target)と、それぞれがレーザ光を発生する複数のレーザ射出源であって、発生する個々のレーザ光が前記面に照射され該照射の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数のレーザ射出源とを有するX線管と、前記X線管を制御して前記複数のレーザ射出源に基づく複数のレーザ光のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上のレーザ光を選択的に発生させ、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ得るX線制御手段とを備えたことを特徴とするX線発生装置を提供する。
第9の観点では、本発明は、電子線の衝突によりX線を発生する面を含む陽極と、それぞれが電子を発生する複数の電子発生源であって、発生する個々の電子線が直線的に前記面に衝突し該衝突の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数の電子発生源を含む陰極とを有するX線管と、前記X線管を制御して前記複数の電子発生源に基づく複数の電子線のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上の電子線を選択的に発生させ、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ得るX線制御手段と、撮影対象である被検体を通過した前記複数種類のX線ビームの2次元的な強度分布を検出するX線検出手段と、前記X線検出手段の検出信号に基づいて前記被検体の複数ビューのX線投影データを収集する収集手段と、前記X線投影データに基づいて前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置を提供する。
第10の観点では、本発明は、前記複数の電子発生源が、それぞれ略同じ電子発生容量を有するものであることを特徴とする上記第9の観点のX線CT装置を提供する。
第11の観点では、本発明は、前記複数の電子発生源が、2次元的に配列されてなるものであることを特徴とする上記第9の観点または第10の観点のX線CT装置を提供する。
第12の観点では、本発明は、前記X線制御手段が、スキャン(scan)中に、発生させる電子線を順次切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置および/または大きさを順次切り換えるものであることを特徴とする上記第9の観点から第11の観点のX線CT装置を提供する。
第13の観点では、本発明は、前記X線制御手段が、発生させる電子線を一方向に切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を一方向に切り換えるものであることを特徴とする上記第12の観点のX線CT装置を提供する。
第14の観点では、本発明は、前記X線制御手段が、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を、該位置の座標が前記被検体の搬送方向に異なる2種類以上の位置に繰り返し切り換えるものであることを特徴とする上記第13の観点のX線CT装置を提供する。
第15の観点では、本発明は、前記X線制御手段が、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を、該位置の座標が前記被検体の搬送方向と垂直な方向に異なる2種類以上の位置に繰り返し切り換えるものであることを特徴とする上記第14の観点のX線CT装置を提供する。
第16の観点では、本発明は、前記電子発生源が、フィラメントであることを特徴とする上記第9の観点から第15の観点のうちいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第17の観点では、本発明は、前記X線管が、それぞれが前記複数の電子発生源の各々に対応した複数のグリッド電極を有するものであり、前記X線制御手段が、前記複数のグリッド電極の各々に印加する電圧を制御することにより、特定の電子線を選択的に発生させるものであることを特徴とする上記第16の観点のX線CT装置を提供する。
第18の観点では、本発明は、前記画像再構成手段が、3次元画像再構成を行うものであることを特徴とする上記第9の観点から第17の観点のうちいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第19の観点では、本発明は、レーザ光の照射によりX線を発するプラズマを発生する面を含むターゲットと、それぞれがレーザ光を発生する複数のレーザ射出源であって、発生する個々のレーザ光が前記面に照射され該照射の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数のレーザ射出源とを有するX線管と、前記X線管を制御して前記複数のレーザ射出源に基づく複数のレーザ光のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上のレーザ光を選択的に発生させて、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ、X線焦点位置情報を出力するX線制御手段と、撮影対象である被検体を通過した前記複数種類のX線ビームの2次元的な強度分布を検出するX線検出手段と、前記X線検出手段の検出信号に基づいて前記被検体の複数ビューのX線投影データを収集する収集手段と、前記X線投影データおよび前記X線焦点位置情報に基づいて前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置を提供する。
ここで、電子線とは、単に電子の流れを意味するものであり、最も広義に解釈されるものとする。
また、所定の間隔とは、隣接する2つ以上の電子線またはレーザ光を発生させた場合に、これら隣接する2以上の電子線の各々が衝突する電子衝突面上の個々の領域を合わせてなる領域、または、隣接する2つ以上のレーザ光の各々が照射されるレーザ光照射面上の個々の領域を合わせてなる領域を1つのX線焦点とみなすことが可能な距離間隔を意味するものである。なお、この所定の間隔は、略等間隔を考えることができるが非等間隔であってもよい。
また、被検体の搬送方向とは、被検体をX線CT装置の走査ガントリに搬入する撮影テーブルの搬送方向を意味するものであり、被検体が人体である場合には被検体の体軸方向ということもできる。なお、被検体の搬送方向は、慣習的には、z軸方向ともいう。
また、3次元画像再構成とは、X線ビームの厚み成分すなわちコーンビームX線のコーン角を考慮した画像再構成であり、フェルドカンプ・アルゴリズム(feldkamp algorithm)で代表されるコーンビーム画像再構成アルゴリズム、またはそのアルゴリズムの変形を用いた画像再構成を意味するものである(特許文献1参照)。
また、X線管の陰極および陽極は、例えば、タングステン(tungsten)等を考えることができる。
なお、隣接する2つ以上の電子発生源に基づく電子線を発生させた場合には、X線焦点の中心は、当該発生した電子線が、陽極の電子衝突する面上でそれぞれ衝突する複数の衝突位置の中心あるいはX線プロファイルを考慮した重心となる。また、同様に、隣接する2つ以上のレーザ射出源に基づくレーザ光を発生させた場合には、X線焦点の中心は、当該発生したレーザ光がターゲットのレーザ照射面上でそれぞれ照射される複数の照射位置の中心あるいはX線プロファイルを考慮した重心となる。
本発明のX線発生装置によれば、X線を発生する起点となる、電子衝突面における電子線の衝突位置またはレーザ光照射面におけるレーザ光の照射位置が異なる複数の電子線またはレーザ光の中から、実際にX線を発生させる1つまたは隣接する2つ以上の電子線またはレーザ光を自由に選択して発生させることができ、陰極からの電子線を軌道変更せずに直線的に陽極に衝突させてX線を発生させる、あるいは、レーザ光をターゲットに照射してX線を発生させるX線発生装置において、X線焦点の位置または大きさを所望の位置または大きさに変更することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明は、発明を実施するための最良の形態に限定されるものではない。
図1は、X線CT装置1の構成ブロック(block)図である。本X線CT装置1は、本発明を実施するための最良の形態の一例である。本X線CT装置1の構成によって、X線CT装置に関する本発明を実施するための最良の形態の一例が示される。また、本X線CT装置1の構成の一部によって、X線発生装置に関する本発明を実施するための最良の形態の一例が示される。
図1に示すように、本X線CT装置1は、走査ガントリ2、撮影テーブル(table)4および操作コンソール(console)6を備えている。
走査ガントリ2は、X線管20、コリメータ(collimator)22、X線検出器24、データ収集部26、X線コントローラ(controller)28、コリメータコントローラ30、回転部34および回転コントローラ36を有する。
X線管20は、後に詳しく説明するように、X線焦点の位置および大きさを切り換えることができ、それらX線焦点からそれぞれX線を発生する。X線管20は本発明におけるX線管の一例である。
コリメータ22は、X線管20から放射されたX線を、コーン状のX線ビームすなわちコーンビームX線となるように成形する。コーンビームX線はX線検出器24に照射される。
X線検出器24は、コーンビームX線の広がりに合わせて2次元アレイ(array)状に配列された複数の検出素子を有し、個々の検出素子は検出したX線の強度に応じた検出信号を出力する、いわゆる多列X線検出器である。X線検出器24は本発明におけるX線検出手段の一例である。
データ収集部26は、X線検出器24と接続されており、X線検出器24の個々の検出素子の検出信号をデジタルデータ(digital data)として収集する。データ収集部26は、本発明における収集手段の一例である。検出素子の検出信号は、X線による被検体の投影を表す信号となり、以下、これをX線投影データという。
X線コントローラ28は、X線管20に印加する各種の電圧を制御することにより、X線管20からのX線の照射を制御する、すなわち、X線焦点の位置や大きさ、X線を照射するか否か等を制御する。X線コントローラ28は、X線焦点の位置を表すX線焦点位置情報を出力する。なお、X線コントローラ28は、本発明におけるX線制御手段の一例である。X線管20とX線コントローラ28との接続関係については図示を省略する。
コリメータコントローラ30は、所定の広がりを持つコーンビームX線が得られるように、コリメータ22の開口を制御する。なお、コリメータ22とコリメータコントローラ30との接続関係については図示を省略する。
以上のX線管20からコリメータコントローラ30までのものが走査ガントリ2の回転部34に搭載され、被検体の周りを回転できるようになっている。回転部34の回転は、回転コントローラ36によって制御される。なお、回転部34と回転コントローラ36との接続関係については図示を省略する。
撮影テーブル4は、図示しない被検体を搭載し、被検体をX線管20とX線検出器24の間の空間に搬入する。
操作コンソール6は、データ処理装置60、制御インターフェース62、データ収集バッファ(buffer)64、記憶装置66、表示装置68および操作装置70を有する。
データ処理装置60は、例えばコンピュータ(computer)等によって構成される。データ処理装置60には、制御インターフェース(interface)62が接続され、制御インターフェース62には、走査ガントリ2と撮影テーブル4が接続されている。データ処理装置60は、制御インターフェース62を通じて走査ガントリ2および撮影テーブル4を制御する。
走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ36が、制御インターフェース62を通じて制御され、撮影対象である被検体のスキャンが行われる。なお、それら各部と制御インターフェース62との個別の接続については図示を省略する。
データ処理装置60には、データ収集バッファ64が接続されている。データ収集バッファ64には、走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたX線投影データがデータ収集バッファ64を通じてデータ処理装置60に入力される。
データ処理装置60には記憶装置66が接続されている。記憶装置66には、データ収集バッファ64および制御インターフェース62を通じてそれぞれデータ処理装置60に入力されたX線投影データが記憶される。記憶装置66には、また、データ処理装置60用のプログラム(program)が記憶される。データ処理装置60がそのプログラムを実行することにより、本X線CT装置1の動作が遂行される。
データ処理装置60は、データ収集バッファ64を通じて記憶装置66に収集した複数ビューのX線投影データと、X線コントローラ28から出力されたX線焦点位置情報とを用いて画像再構成を行う。画像再構成には、例えばフェルドカンプ・アルゴリズム等のコーンビーム画像再構成アルゴリズムが用いられ、いわゆる3次元画像再構成が行われる。なお、データ処理装置60は、本発明における画像再構成手段の一例である。
データ処理装置60には、表示装置68および操作装置70が接続されている。表示装置68は、グラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。操作装置70はポインティングデバイス(pointing device)、キーボード(keyboard)等で構成される。
表示装置68は、データ処理装置60から出力される被検体の断層像やその他の情報を表示する。操作装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等をデータ処理装置60に入力する。操作者は表示装置68および操作装置70を使用してインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
ここで、X線管20の構成について説明する。
図2は、X線管20の構成を示す図である。図2(a)はX線管20を図示のx軸順方向に向かって見た状態を示す図、図2(b)は後述の陰極(以下、カソード(cathode)ともいう)202を図示のz軸逆方向に向かって見た状態を示す図、図2(c)は後述のターゲット203をz軸順方向に向かって見た状態を示す図である。
同図に示すように、X線管20は、複数のフィラメント201(mn)を含むカソード202、電子が衝突する面(以下、電子衝突面という)203aを含む、陽極(以下、アノード(anode)ともいう)であるターゲット203および複数のグリッド電極204(mn)を有する。
ここで、mは行番号であり、例えば、m=1,2,・・・,4である。nは列番号であり、例えば、n=1,2,・・・,4である。なお、フィラメントは、本発明における電子発生源の一例である。
複数のフィラメント201(mn)は、それぞれが同形状で略同じ大きさであり、熱電子を発生する容量が略等しい。そして、これら複数のフィラメント201(mn)は、発生する個々の電子線が直線的に電子衝突面203aに衝突し、この衝突の位置が所定の間隔で隣接するように配されている。なお、本実施形態では、複数のフィラメント201(mn)は、カソード202において2次元アレイ状すなわちマトリクス(matrix)状に配列されており、列方向の複数のフィラメントは、それぞれ、X線撮像される被検体の体軸方向すなわち図中z軸方向の座標成分が異なる複数の位置に配されている。
複数のグリッド電極204(mn)の各々は、それぞれ、複数のフィラメント201(mn)の各々に対応している。すなわち、各グリッド電極が、各フィラメント毎に、フィラメントと電子衝突面203aとの間に配されている。
ターゲット203は、電子衝突によって発生する熱による損傷を避けるため、z軸に平行な所定の軸を中心に回転する構造となっている。したがって、ここでは、電子衝突面203aはターゲット203のうち個々の電子線が衝突し得るドーナツ状の領域と考えることができる。
なお、図2の(a)では、便宜上、複数のグリッド電極204(mn)のうちグリッド電極204(11)のみ図示してある。
X線コントローラ28は、カソード202、フィラメント201(mn)、ターゲット203およびグリッド電極204(mn)とそれぞれ接続されている。X線コントローラ28は、フィラメント201(mn)で熱電子が発生するようにフィラメント201(mn)に電流を流し、また、その熱電子がターゲット203方向に加速するようにカソード202およびターゲット203に適当な電圧を印加する。また、X線コントローラ28は、個々のフィラメント201(mn)に流す電流やグリッド電極204(mn)に印加するバイアス(bias)電圧を制御して、個々のフィラメントからの電子線を発生させるか否かを制御する(以下、電子線を発生させることを、電子線をオン(on)する、また、電子線を発生させないことを、電子線をオフ(off)するともいう)。X線コントローラ28は、グリッド電極204(mn)に供給するバイアス電圧を、不図示のスイッチによって2段階に切り換える。2段階のバイアス電圧は0Vと所定の負電圧となっている。負電圧はカソードとアノード間の電子線を阻止できる値を持つ。このため、スイッチの切換えにより電子線のオンオフを行うことができる。
電子線がオン制御されている場合には、フィラメント201(mn)から発生した熱電子はカソード202とターゲット203の間の電界により加速され、電子線となってターゲット203の電子衝突面203aにおける衝突位置P(mn)に衝突し、その衝突位置からX線が発生する。
X線焦点の位置および大きさは、複数のフィラメント201(mn)のうちどのフィラメントの電子線をオンするかによって変更することができる。例えば、フィラメント201(11)の電子線のみをオンした場合には、ターゲット203の電子衝突面203aにおける衝突位置P(11)に対応した局所領域がX線焦点となり、フィラメント201(44)の電子線のみをオンした場合には、ターゲット203の電子衝突面203aにおける衝突位置P(44)に対応した局所領域がX線焦点となる。また、隣接する複数のフィラメント、例えばフィラメント201(22)、(23)、(32)および(33)の電子線のみをオンした場合には、ターゲット203の電子衝突面203aにおける複数の衝突位置P(22)、(23)、(32)および(33)をすべて含む所定領域がX線焦点となる。X線コントローラ28は、X線焦点の位置を表すX線焦点位置情報を出力する。
なお、ここでは、X線コントローラ28は、フィラメント201(12)、(13)、(22)および(23)からなる第1のフィラメントの組合せf1に基づく電子線と、フィラメント201(32)、(33)、(42)および(43)からなる第2のフィラメントの組合せf2に基づく電子線とを切り換えてオンする制御を行い、X線焦点を、衝突位置P(12)、(13)、(22)および(23)をすべて含む所定領域である第1の焦点F1と、衝突位置P(32)、(33)、(42)および(43)をすべて含む所定領域である第2の焦点F2とに切り換え制御する。第1の焦点F1と第2の焦点F2は、それぞれ、被検体の体軸方向すなわちz軸方向の座標成分が異なる位置にある。
図3は、X線検出器24の模式的構成を示す図である。同図に示すように、X線検出器24は、複数のX線検出素子24(ik)を2次元アレイ状に配列した多チャンネル(channel)のX線検出器となっている。複数のX線検出素子24(ik)は、全体として、円筒凹面状に湾曲したX線受光面を形成する。
ここで、iはチャンネル番号であり、例えば、i=1,2,・・・,1000である。kは列番号であり、例えば、k=1,2,・・・,256である。X線検出素子24(ik)は、列番号kが同一なもの同士でそれぞれ検出素子列を構成する。なお、X線検出器24の検出素子列は256列に限るものではなく適宜の複数であってよい。
X線検出素子24(ik)は、例えばシンチレータ(scintillator)とフォトダイオード(photo diode)の組合せによって構成される。なお、これに限るものではなく、例えばカドミウム・テルル(CdTe)等を利用した半導体X線検出素子、あるいは、キセノン(Xe)ガス(gas)を利用した電離箱型のX線検出素子であってよい。
図4は、X線管20、コリメータ22およびX線検出器24の相互関係を示す図である。図4(a)は走査ガントリ2の正面から見た状態を示す図、図4(b)は側面から見た状態を示す図である。
同図に示すように、X線管20はX線焦点を第1の焦点F1と第2の焦点F2とに切換え可能である。焦点F1,F2から放射されたX線は、コリメータ22によりそれぞれコーンビームX線401,402となるように成形されてX線検出器24に照射される。
図4(a)では、コーンビームX線401,402のひとつの方向の広がりを示す。以下、この方向を幅方向ともいう。コーンビームX線401,402の幅方向は、X線検出器24におけるチャンネルの配列方向に一致する。図4(b)ではコーンビームX線401,402の他の方向の広がりを示す。以下、この方向をコーンビームX線401,402の厚み方向ともいう。コーンビームX線401,402の厚み方向は、X線検出器24における複数の検出素子列の並設方向に一致する。
走査ガントリ2は、内部にX線照射・検出装置を包含する構造、例えば筒状の構造になっている。X線照射空間は走査ガントリ2の筒状構造の内側空間に形成される。コーンビームX線401,402は被検体8を透過してX線検出器24に入射し、X線検出器24によって、透過X線の2次元的な強度分布が検出される。
次に、本X線CT装置1の動作について説明する。
操作者による操作コンソール6の操作装置70の操作に応答して、撮影対象である被検体8が載置された撮影テーブル4が移動し、被検体8が走査ガントリ2のX線照射空間に搬入される。そして、いわゆるスキャンが行われる。例えば、撮影テーブル4を停止させた状態でX線照射・検出装置を回転させることにより、アキシャルスキャン(axial scan)が行われる。あるいは、X線照射・検出装置の回転に並行して、撮影テーブル4を被検体8の体軸方向に連続的に移動させることにより、X線照射・検出装置は、被検体8に関して相対的に、被検体8を包囲する螺旋状の軌道に沿って旋回することになり、いわゆるヘリカルスキャン(helical scan)が行われる。
ここで、スキャン1回転当たりに複数(例えば1000程度)のビューのX線投影データが収集される。X線投影データの収集は、X線検出器24−データ収集部26−データ収集バッファ64の系列によって行われる。スキャンの実行中においては、X線コントローラ28は、スキャンの各ビュー毎に、X線管20のグリッド電極204(mn)に印加するバイアス電圧を制御して、X線焦点を焦点F1と焦点F2とに繰り返し切り換え、X線焦点の位置が被検体8の体軸方向に異なる2種類のコーンビームX線401,402を、被検体8に非同時に照射させる。X線検出器24は、各ビュー毎に、被検体8を透過した2種類のコーンビームX線を検出し、データ収集部26は、各ビュー毎に、それら2種類のコーンビームX線による2種類のX線投影データを収集する。データ収集部26により収集されたX線投影データは、データ収集バッファ64に入力され記憶装置66に記憶される。X線コントローラ28は、データ処理装置60に対してX線焦点位置情報を出力する。
データ処理装置60は、記憶装置66に記憶された、各ビュー毎に2種類のX線投影データを含む多数のX線投影データとX線焦点位置情報とに基づいて3次元画像再構成を行い、被検体8の体軸方向の空間分解能がよい断層像をスライス毎に画像再構成する。そして、表示装置68は、これらの断層像あるいはこれらの断層像から求められる被検体8の3次元画像を画面に表示する。
このように、本実施形態に係るX線発生装置によれば、X線を発生する起点となる、電子衝突面における電子線の衝突位置が異なる複数の電子線の中から、実際にX線を発生させる1つまたは隣接する2つ以上の電子線を自由に選択して発生させることができ、陰極からの電子線を軌道変更せず直線的に陽極に衝突させてX線を発生させるX線発生装置において、X線焦点の位置を所望の位置に容易に変更することができる。
また、本実施形態に係るX線CT装置によれば、電子線の軌道変更を行わないタイプのX線発生装置でありながら、X線焦点の位置や大きさを所望の位置に容易に変更することができるX線発生装置を用いているので、X線管の制御が容易であるという利点を継承しつつ、必要に応じてX線焦点の位置や大きさを変更して多様なスキャンを実施することができる。
また、本実施形態に係るX線CT装置によれば、複数のフィラメントが2次元的に配列されているので、X線焦点の位置や大きさを高い自由度で変更することが可能である。
なお、本実施形態では、複数のフィラメントは、2次元アレイ(マトリクス)状に配され、電子衝突面における電子線の衝突位置が2次元マトリクス状に展開されているが、例えば、図5に示すように、個々のフィラメントが斜め格子状あるいは平行四辺形状に配され、電子衝突面における電子線の衝突位置が斜め格子状に展開されるようにしてもよい。また、本実施形態では、複数のフィラメントは2次元状に配列されているが、例えば、図6に示すように、一列に整列して配列されるようにしてもよい。
また、本実施形態に係るX線CT装置によれば、X線コントローラ28が、スキャン中に、発生させるX線ビームのX線焦点の位置や大きさを順次切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置や大きさを順次切り換えることができるので、X線焦点の位置や大きさが異なる複数種類のX線ビームを用いた幅広いスキャン方法を提供することができる。
また、本実施形態に係るX線CT装置によれば、X線コントローラ28が、発生させる電子線を一方向に切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を一方向に切り換えることができるので、さらに、X線焦点の位置を一方向に切り換えながらX線投影データを収集し、各ビュー毎に、被検体の一方向における複数の異なる位置からX線を放射して収集されたX線投影データに基づいて、そのX線焦点の位置を測定するまたは予測することによりX線焦点の位置を知り、そのX線焦点の位置に対応した3次元画像再構成を行うという、断層像の空間分解能の向上に有効な手法を用いることができる。
特に、X線焦点の位置を、その位置の座標が被検体の搬送方向すなわち体軸方向に異なる2種類以上の位置に繰り返し切り換えるようにすれば、断層像における被検体の体軸方向の分解能を改善することができ、また、X線焦点の位置を、その位置の座標が被検体の搬送方向と垂直な方向に異なる2種類以上の位置に繰り返し切り換えるようにすれば、断層像における被検体の体軸に垂直な方向の分解能を改善することができる。
また、本実施形態に係るX線CT装置によれば、グリッド電極を有するX線管を用い、電子線のオンオフをグリッド電極に印加するバイアス電圧で制御しているので、例えばフィラメントの電流を制御する場合に比して、オンオフ切り換え時の反応速度が速く、複数種類のX線ビームの切換えを高速に行うことができる。
なお、上述の通り、X線コントローラ28は、X線管の個々のフィラメント201(mn)の電流やグリッド電極204(mn)に印加するバイアス電圧を制御することにより、X線焦点の位置だけでなく、X線焦点の大きさを変更することができる。
例えば、すべてのグリッド電極すなわちグリッド電極204(11)〜(44)に所定の負電圧を印加することにより、すべてのフィラメントすなわちフィラメント201(11)〜(44)の電子線を発生させてX線焦点の大きさを比較的大きい焦点にすることができる。すなわち、大きな管電流による大線量のX線を発生させることができる。
また、例えば、グリッド電極204(22)、(23)、(32)および(33)に所定の負電圧を印加し、その他のグリッド電極には0Vを印加することにより、フィラメント201(22)、(23)、(32)および(33)の電子線のみを発生させてX線焦点の大きさを比較的小さい焦点にすることができる。すなわち、断層像の空間分解能の改善に寄与する、X線焦点の小さいX線を発生させることができる。
このようにすれば、被検体に照射するX線ビームのX線焦点の大きさを切り換えながらX線投影データを収集することもでき、楕円形状の被検体に対し、大線量のX線によるX線データ収集と高分解能に寄与するX線によるX線データ収集とを必要に応じて切り換え、より好ましいX線データ収集を行うことができる。
また、本実施形態では、X線コントローラ28は、電子線を発生させる際に、複数のフィラメントのうち隣接する所定数のフィラメントからの電子線のみを発生させて発生させているが、例えば、電子線を発生させる際に、第1の数のフィラメントからの電子線のみを発生させる場合と、第1の数とは異なる第2の数のフィラメントからの電子線のみを発生させる場合とを組み合わせるようにしてもよい。すなわち、X線焦点の位置だけでなくX線焦点の大きさをも変更するようにしてもよい。
また、本実施形態では、電子線を発生させる際に、2以上のフィラメントからの電子線のみを発生させているが、もちろん単一のフィラメントからの電子線のみを発生させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、電子発生源としてフィラメントを用いているが、これに限定されるものではなく、電子を発生するものであればいかなるものであってもよい。
また、本実施形態では、X線管として、電子衝突型のX線管を用いているが、例えば、レーザ光の照射によりプラズマが発生し当該プラズマからX線を発生するレーザ光照射面を含むターゲットと、それぞれがレーザ光発生容量を略等しく有する複数のレーザ射出源であって、発生する個々のレーザ光がレーザ光照射面に照射され当該照射の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数のレーザ射出源とを有するX線管を用いるようにしてもよい。このような、いわゆるレーザプラズマX線発生装置であっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。その他、例えば、透過型X線陽極を有するタイプのX線発生装置であってもよい。
また、本実施形態では、回転陽極を用いているが、もちろん、固定陽極を用いるようにしてもよい。
本発明を実施するための最良の形態の一例であるX線CT装置のブロック図 X線管の構成を示す図 X線検出器の模式的構成を示す図 X線管、コリメータおよびX線検出器の相互関係を示す図 個々のフィラメントが斜め格子状に配置された状態を示す図 個々のフィラメントが一列に配置された状態を示す図
符号の説明
1 X線CT装置
2 走査ガントリ
4 撮影テーブル
6 操作コンソール
20 X線管
22 コリメータ
24 X線検出器(X線検出手段)
26 データ収集部(収集手段)
28 X線コントローラ(X線制御手段)
30 コリメータコントローラ
34 回転部
36 回転コントローラ
60 データ処理装置(データ処理手段)
62 制御インターフェース
64 データ収集バッファ
66 記憶装置
68 表示装置
70 操作装置
201 フィラメント
202 カソード(陰極)
203a 電子衝突面
203 アノード(陽極)
204 グリッド電極
F1,F2 X線焦点
401,402 コーンビームX線

Claims (19)

  1. 電子線の衝突によりX線を発生する面を含む陽極と、それぞれが電子を発生する複数の電子発生源であって、発生する個々の電子線が直線的に前記面に衝突し該衝突の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数の電子発生源を含む陰極とを有するX線管と、
    前記X線管を制御して前記複数の電子発生源に基づく複数の電子線のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上の電子線を選択的に発生させ、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ得るX線制御手段とを備えたことを特徴とするX線発生装置。
  2. 前記複数の電子発生源が、2次元的に配列されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 前記複数の電子発生源が、それぞれ、略同じ電子発生容量を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線発生装置。
  4. 前記X線制御手段が、発生させる電子線を順次切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置および/または大きさを順次切り換えるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のX線発生装置。
  5. 前記X線制御手段が、発生させる電子線を一方向に切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を一方向に切り換えるものであることを特徴とする請求項4に記載のX線発生装置。
  6. 前記電子発生源が、フィラメントであることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載のX線発生装置。
  7. 前記X線管が、それぞれが前記複数の電子発生源の各々に対応した複数のグリッド電極を有するものであり、
    前記X線制御手段が、前記複数のグリッド電極の各々に印加する電圧を制御することにより、特定の電子線を選択的に発生させるものであることを特徴とする請求項6に記載のX線発生装置。
  8. レーザ光の照射によりX線を発するプラズマを発生する面を含むターゲットと、それぞれがレーザ光を発生する複数のレーザ射出源であって、発生する個々のレーザ光が前記レーザ光照射面に照射され該照射の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数のレーザ射出源とを有するX線管と、
    前記X線管を制御して前記複数のレーザ射出源に基づく複数のレーザ光のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上のレーザ光を選択的に発生させ、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ得るX線制御手段とを備えたことを特徴とするX線発生装置。
  9. 電子線の衝突によりX線を発生する面を含む陽極と、それぞれが電子を発生する複数の電子発生源であって、発生する個々の電子線が直線的に前記面に衝突し該衝突の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数の電子発生源を含む陰極とを有するX線管と、
    前記X線管を制御して前記複数の電子発生源に基づく複数の電子線のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上の電子線を選択的に発生させて、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ、X線焦点位置情報を出力するX線制御手段と、
    撮影対象である被検体を通過した前記複数種類のX線ビームの2次元的な強度分布を検出するX線検出手段と、
    前記X線検出手段の検出信号に基づいて前記被検体の複数ビューのX線投影データを収集する収集手段と、
    前記X線投影データおよび前記X線焦点位置情報に基づいて前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  10. 前記複数の電子発生源が、2次元的に配列されてなるものであることを特徴とする請求項8に記載のX線CT装置。
  11. 前記複数の電子発生源が、それぞれ、略同じ電子発生容量を有するものであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のX線発生装置。
  12. 前記X線制御手段が、スキャン中に、発生させる電子線を順次切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置および/または大きさを順次切り換えるものであることを特徴とする請求項9から請求項11のうちいずれか1項に記載のX線CT装置。
  13. 前記X線制御手段が、発生させる電子線を一方向に切り換えて、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を一方向に切り換えるものであることを特徴とする請求項12に記載のX線CT装置。
  14. 前記X線制御手段が、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を、該位置の座標が前記被検体の搬送方向に異なる2種類以上の位置に繰り返し切り換えるものであることを特徴とする請求項13に記載のX線CT装置。
  15. 前記X線制御手段が、発生させるX線ビームのX線焦点の位置を、該位置の座標が前記被検体の搬送方向と垂直な方向に異なる2種類以上の位置に繰り返し切り換えるものであることを特徴とする請求項14に記載のX線CT装置。
  16. 前記電子発生源が、フィラメントであることを特徴とする請求項9から請求項15のうちいずれか1項に記載のX線CT装置。
  17. 前記X線管が、それぞれが前記複数の電子発生源の各々に対応した複数のグリッド電極を有するものであり、
    前記X線制御手段が、前記複数のグリッド電極の各々に印加する電圧を制御することにより、特定の電子線を選択的に発生させるものであることを特徴とする請求項16に記載のX線CT装置。
  18. 前記画像再構成手段が、3次元画像再構成を行うものであることを特徴とする請求項9から請求項17のうちいずれか1項に記載のX線CT装置。
  19. レーザ光の照射によりX線を発するプラズマを発生する面を含むターゲットと、それぞれがレーザ光を発生する複数のレーザ射出源であって、発生する個々のレーザ光が前記面に照射され該照射の位置が所定の間隔で隣接するように配置された複数のレーザ射出源とを有するX線管と、
    前記X線管を制御して前記複数のレーザ射出源に基づく複数のレーザ光のうちいずれか1つまたは隣接する2つ以上のレーザ光を選択的に発生させ、X線焦点の位置および/または大きさが異なる複数種類のX線ビームを発生させ得るX線制御手段と、
    撮影対象である被検体を通過した前記複数種類のX線ビームの2次元的な強度分布を検出するX線検出手段と、
    前記X線検出手段の検出信号に基づいて前記被検体の複数ビューのX線投影データを収集する収集手段と、
    前記X線投影データに基づいて前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
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