JP2008165911A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄形の光ピックアップ装置に好適に用いられ、十分な高次共振性能を得ることができるレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】共振モード時において、対物レンズのトラッキング方向(図1で左右方向)におけるコイルの長さの範囲内に位置Aが存在し、位置Aに対してホルダHDのトラッキング方向の全長の±2%(範囲B)以内の位置を、駆動力の合力が通過するようにしたので、共振モード時にも、対物レンズの位相のズレを抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】共振モード時において、対物レンズのトラッキング方向(図1で左右方向)におけるコイルの長さの範囲内に位置Aが存在し、位置Aに対してホルダHDのトラッキング方向の全長の±2%(範囲B)以内の位置を、駆動力の合力が通過するようにしたので、共振モード時にも、対物レンズの位相のズレを抑制できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ピックアップ装置用のレンズ駆動装置に関し、特に、広帯域化を図れるレンズ駆動装置に関する。
CDやDVDに代表される光ディスクに対して、情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置が開発されている。また、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、Blu−ray DiscやHD DVDなどの光ディスクに情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置の開発も急速に進んでいる。ここで、光ピックアップ装置における、集光スポットを形成する対物レンズにおいては、情報の記録及び/又は再生時に、光ディスクの情報記録面に集光スポットを適切に結像させるためのフォーカシング動作と、光ディスクのトラックに適切に追従するトラッキング動作とが必要となっている。又、近年増大する傾向にあるDVDの高速記録再生に対応させるべく、それらの動作に加えて、対物レンズの傾きを調整して収差補正を行うためのティルト動作も行われることが多くなってきている。加えて、HD DVDの場合、基板厚が比較的厚く開口数も増大していることから、ティルト動作を精度良く行うことがより重要な課題となっている。そこで、特許文献1に示すように、対物レンズをフォーカシング、トラッキング、ティルト制御を行うため、小型のアクチュエータが設けられている。
特開2006−260704号明細書
ところで、ノート型パソコン等に搭載される、いわゆるスリム又はウルトラスリムタイプの光ピックアップ装置には、厚み方向の制約を維持しつつ、サイズを成り立たせるため、片持型のアクチュエータを用いることが多い。しかしながら、構造上高次共振性能を大きく改善できずアクチュエータの広帯域化が困難であるという問題や、誤差感度が非常に高く動作時の振動、衝撃、環境変化等により著しく性能が劣化し制御が不安定になりやすく、それ故、対物レンズに対して対称位置に駆動コイルが配置される対称型アクチュエータの方が好ましいといえる。
しかるに、上述したように、近年においてはチルト駆動が必須となっており、そのため対物レンズを保持するホルダはトラッキング方向に長い形状となっている。ところが、ホルダがこのような長細い形状であると、対物レンズの光軸を中心として曲げモードの共振が発生しやすくなる。特に、薄型の光ピックアップ装置に用いるレンズ駆動装置においては、ホルダ内部に立ち上げミラーを配置する場合があり、かかる場合、干渉を回避すべくホルダに切り欠き部を設けることが多い。このように切り欠き部を設けると、ホルダの曲げ方向の剛性が極端に低下し、対物レンズのフォーカシング方向において比較的大きな振幅の曲げモード共振が十数kHz程度の低い周波数にて発生してしまうという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたものであり、薄形の光ピックアップ装置に好適に用いられ、十分な高次共振性能を得ることができるレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のレンズ駆動装置は、
ベースと、
前記ベースに対して可動であり、対物レンズを中央で保持するホルダと、前記ホルダにおいて前記レンズを挟んで設けられた一対のコイルとを含む可動部と、
前記可動部を前記ベースに対して支持する弾性部材と、
前記一対のコイルにそれぞれ対向するようにして、前記ベースに取り付けられた一対の磁石とを有し、
前記磁石の磁力と前記コイルに流れる電流とにより発生する駆動力により、前記ホルダを前記対物レンズのフォーカシング方向に駆動するようになっており、
前記ホルダが前記対物レンズの光軸を中心として曲がる共振モードのうち、前記対物レンズが振動の腹となり且つ前記対物レンズと前記弾性部材との間が振動の節となる共振モード時において、前記対物レンズのトラッキング方向における前記コイルの長さの範囲内に前記節が存在し、前記節に対して前記可動部のトラッキング方向の全長の±2%以内を、前記駆動力の合力が通過するようにしたことを特徴とする。
ベースと、
前記ベースに対して可動であり、対物レンズを中央で保持するホルダと、前記ホルダにおいて前記レンズを挟んで設けられた一対のコイルとを含む可動部と、
前記可動部を前記ベースに対して支持する弾性部材と、
前記一対のコイルにそれぞれ対向するようにして、前記ベースに取り付けられた一対の磁石とを有し、
前記磁石の磁力と前記コイルに流れる電流とにより発生する駆動力により、前記ホルダを前記対物レンズのフォーカシング方向に駆動するようになっており、
前記ホルダが前記対物レンズの光軸を中心として曲がる共振モードのうち、前記対物レンズが振動の腹となり且つ前記対物レンズと前記弾性部材との間が振動の節となる共振モード時において、前記対物レンズのトラッキング方向における前記コイルの長さの範囲内に前記節が存在し、前記節に対して前記可動部のトラッキング方向の全長の±2%以内を、前記駆動力の合力が通過するようにしたことを特徴とする。
図面を参照して本発明の原理を説明する。図1は、静止時の形状を実線で、共振モード時の形状を点線で示すホルダの概略図である。ホルダHDは、光軸Xが図で上下に延在する対物レンズを保持する大筐体HDaの両側に、一対の小筐体HDbを連結してなる。大筐体HDaにおける手前側の側壁には、下縁から切欠HDcが形成されている。それぞれ小筐体HDbの端部に、紙面垂直方向に延在する3本のワイヤ(弾性部材)Wの端部が固定されており、また小筐体HDb内には不図示のコイルが取り付けられている。不図示の磁石から紙面垂直方向に磁束が与えられた状態で、コイルに電流を流すと、小筐体HDbは図で上下方向に移動するような駆動力を受ける。ここで、両方の小筐体HDbが同じ方向に駆動力を受けると、対物レンズはホルダ毎フォーカシング方向に駆動されることとなる。尚、図1で上下方向をフォーカシング方向とし、左右方向をトラッキング方向とする。
ある共振モード時には、点線で示すように切欠HDcが閉じる方向にホルダHDが変形する。このとき振動の腹が光軸X近傍になったとき、振動の節は位置Aとなる。本発明によれば、共振モード時において、対物レンズのトラッキング方向(図1で左右方向)におけるコイルの長さの範囲内に位置Aが存在し、位置Aに対してホルダHDのトラッキング方向の全長の±2%(範囲B)以内の位置DPを、駆動力の合力が通過するようにしたので、共振モード時にも、対物レンズの位相のズレを抑制できる。
尚、ホルダを制御する際に高次共振が大きく存在すれば、ゲイン(利得)を上げていくにつれて制御信号が発振してしまう。だが、共振の程度によっては発振を抑えることができる。一般的に、共振による位相が90°以上ずれないことと、共振振幅のピークが10kHzを超えないようにすれば、大きな問題になることは少ない。本発明者の行ったシミュレーションにより、フォーカシング方向の加振合力点DPを振動の節よりトラッキング方向幅の±2%以内の位置にすれば、大幅に共振を抑えることが可能であることがわかった。
請求項2に記載のレンズ駆動装置は、
ベースと、
前記ベースに対して可動であり、対物レンズを中央で保持するホルダと、前記ホルダにおいて前記レンズを挟んで設けられた一対のコイルとを含む可動部と、
前記可動部を前記ベースに対して支持する弾性部材と、
前記一対のコイルにそれぞれ対向するようにして、前記ベースに取り付けられた一対の磁石とを有し、
前記磁石の磁力と前記コイルに流れる電流とにより発生する駆動力により、前記ホルダを前記対物レンズのチルト方向に駆動するようになっており、
前記ホルダが前記対物レンズの光軸を中心として曲がる共振モードのうち、前記対物レンズが振動の腹となり且つ前記対物レンズと前記弾性部材との間が振動の節となる共振モード時において、前記対物レンズのトラッキング方向における前記コイルの長さの範囲内に前記節が存在し、前記節に対して前記可動部のトラッキング方向の全長の±2%以内を、前記駆動力の合力が通過するようにしたことを特徴とする。
ベースと、
前記ベースに対して可動であり、対物レンズを中央で保持するホルダと、前記ホルダにおいて前記レンズを挟んで設けられた一対のコイルとを含む可動部と、
前記可動部を前記ベースに対して支持する弾性部材と、
前記一対のコイルにそれぞれ対向するようにして、前記ベースに取り付けられた一対の磁石とを有し、
前記磁石の磁力と前記コイルに流れる電流とにより発生する駆動力により、前記ホルダを前記対物レンズのチルト方向に駆動するようになっており、
前記ホルダが前記対物レンズの光軸を中心として曲がる共振モードのうち、前記対物レンズが振動の腹となり且つ前記対物レンズと前記弾性部材との間が振動の節となる共振モード時において、前記対物レンズのトラッキング方向における前記コイルの長さの範囲内に前記節が存在し、前記節に対して前記可動部のトラッキング方向の全長の±2%以内を、前記駆動力の合力が通過するようにしたことを特徴とする。
図1において、両方の小筐体HDbが逆方向に駆動力を受けると、対物レンズはホルダHD毎傾けられティルト方向に駆動されることとなるが、このときも対物レンズの光軸を中心としてホルダHDが曲がるような共振が発生する。本発明によれば、かかる共振モード時において、対物レンズのトラッキング方向(図1で左右方向)におけるコイルの長さの範囲内に位置Aが存在し、位置Aに対してホルダHDのトラッキング方向の全長の±2%(範囲B)以内を、駆動力の合力が通過するようにしたので、共振モード時にも、対物レンズの位相のズレを抑制できる。
請求項3に記載のレンズ駆動装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ホルダの前記トラッキング方向における全長を2Lとしたときに、前記駆動力の合力に最も近い位置の前記節は、前記ホルダの中心から(2L/3)±0.05Lの範囲にあることを特徴とする。
請求項4に記載のレンズ駆動装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記磁石のトラッキング方向における中心と、前記コイルの中心とを一致させたことを特徴とする。
図2は、ホルダHDの片側を対物レンズOBJの光軸方向に見た概略図である。図2において、小筐体HDbに取り付けられたコイルCLを挟んで、その内側にヨーク、外側に磁石MGが配置されている。図2で左右方向がトラッキング方向となる。コイルCLに電流を流すと、コイルCLは紙面垂直方向に力を受けるので、それによりホルダHD毎、対物レンズOBJをフォーカシング方向もしくはチルト方向に駆動することができる。ここで、磁石MGのトラッキング方向の中心と、コイルCLの中心とを一致させれば、トラッキングシフトの時など広い範囲においてバランス良く駆動力を発生させることができる。
請求項5に記載のレンズ駆動装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記ホルダの曲げ共振モード時に発生する前記対物レンズの位相に応じて、前記磁石のトラッキング方向における中心と、前記コイルの中心とをずらせたことを特徴とする。
請求項6に記載のレンズ駆動装置は、請求項5に記載の発明において、前記ホルダの曲げ共振モード時に前記対物レンズの位相が遅れる場合には、前記磁石のトラッキング方向における中心を、前記コイルの中心より前記ホルダの中心側にずらせたことを特徴とする。
例えば、レイアウト上、駆動コイルや内ヨークの移動で駆動力の合力を振動の節上に配置できない場合もあるが、それにより対物レンズOBJの位相が遅れる場合には、図3に示すように、磁石MGのトラッキング方向における中心を、コイルCLの中心よりホルダHDの中心側(対物レンズOBJ側)にずらせることで、遅れの位相をキャンセルし、対物レンズOBJの位相の遅れを抑制することができる。
請求項7に記載のレンズ駆動装置は、請求項5に記載の発明において、前記ホルダの曲げ共振モード時に前記対物レンズの位相が進む場合には、前記磁石のトラッキング方向における中心を、前記コイルの中心より前記ホルダの中心から遠ざかる側にずらせたことを特徴とする。
例えば、レイアウト上、駆動コイルや内ヨークの移動で駆動力の合力を振動の節上に配置できない場合もあるが、それにより対物レンズOBJの位相が進む場合には、図4に示すように、磁石MGのトラッキング方向における中心を、コイルCLの中心よりホルダHDの中心(対物レンズOBJ)から遠ざかる側にずらせることで、進みの位相をキャンセルし、対物レンズOBJの位相の進みを抑制することができる。
尚、本発明でコイルとは、線材が巻かれたもののみならず、基板上に渦巻き状の配線パターンが形成されたものも含む。又、可動部には、弾性部材としてのワイヤ、配線部、ハンダ等は含まないものとする。
本発明によれば、薄形の光ピックアップ装置に好適に用いられ、フォーカス方向に発生する曲げ共振を抑制でき、制御帯域を広げることができるレンズ駆動装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。図5は、本実施の形態にかかるレンズ駆動装置の斜視図である。ヨークを兼ねた板状のベース1は、不図示の光ピックアップ装置のハウジングに固定される。ベース1上には、筐体2が固定されている。筐体2の図で手前側には、基板3が取り付けられている。基板3には、片側で3本ずつ、合計6本のワイヤ4の一端が固定されており、各側のワイヤ4は、上下方向に等間隔で平行に並べられ且つベース1に沿って延在している。ワイヤ4の他端は、ホルダ5の側面に取り付けられた固定具14にハンダ付けされている。ワイヤ4は、ベース1に対してホルダ5を移動可能に支持する機能と、不図示の配線が接続される基板3から、コイルに対して給電するための機能とを有する。なお、筐体2内には、ワイヤ4のダンピング効果のあるジェル(不図示)が充填されている。
ベース1に対して可動となっている樹脂製のホルダ5は、図5に示すようにバランスに優れた略十字形であり、中央の円形開口(不図示)内に対物レンズ6を装着している。この対物レンズ6は、光ピックアップ装置において、光ディスクの情報記録面にレーザ光束を集光するために用いられる。又、ホルダ5は、両側に2つの矩形開口5a(手前側のみ図示)を形成している。
手前側の矩形開口5a内には、L字状の板を背中合わせにしたヨーク7A、8Aが上方より延在している。矩形開口5a内には、ヨーク7A,8Aの周囲を巻回するようにして第1コイル群G1が配置されている。第1コイル群G1に対し、矩形開口5aを隔てて手前側には磁石10Aが配置され、奥側には磁石10Bが配置されている。磁石10Aはヨーク7Bに裏打ちされ、磁石10Bはヨーク8Bに裏打ちされている。ヨーク7B、8Bはベース1の一部であり、ヨーク7Bの上端にはヨーク7Aの端部が連結され、ヨーク8Bの上端にはヨーク8Aの端部が連結されている。第1コイル群G1と磁石10A及び10Bとの間には、第1コイル群G1と巻軸線が直交するように巻かれたトラッキングコイル11A、11Bが配置されている。
一方、矩形開口5aに対し対物レンズ6を挟んで奥側の矩形開口内には、L字状の板を背中合わせにしたヨーク7C、8Cが上方より延在している。矩形開口内には、ヨーク7C,8Cの周囲を巻回するようにして第2コイル群G2が配置されている。第2コイル群G2に対し、矩形開口を隔てて手前側には磁石10Cが配置され、奥側には磁石10Dが配置されている。磁石10Cはヨーク7Cに裏打ちされ、磁石10Dはヨーク8Dに裏打ちされている。ヨーク7D、8Dはベース1の一部であり、ヨーク7Dの上端にはヨーク7Cの端部が連結され、ヨーク8Dの上端にはヨーク8Cの端部が連結されている。第2コイル群G2と磁石10C及び10Dとの間には、第2コイル群G2と巻軸線が直交するように巻かれたトラッキングコイル(図5で不図示、図2の11D)が配置されている。
尚、本実施の形態において、ホルダ5が対物レンズ6の光軸を中心として曲がる共振モードのうち、対物レンズ6が振動の腹となり且つ対物レンズ6と弾性部材であるワイヤ4との間が振動の節となる共振モード時において、対物レンズ6のトラッキング方向におけるコイル群G1,G2の長さの範囲内に振動の節が存在し、節に対してホルダ5のトラッキング方向の全長の±2%以内を、駆動力の合力が通過するようにしている(図1参照)。尚、ホルダ5のトラッキング方向における全長を2Lとしたときに、駆動力の合力に最も近い位置の振動の節が、ホルダ5の中心から(2L/3)±0.05Lの範囲になるようにすると好ましい。以上、一方の節と駆動点についてのみ説明したが、他方の節と駆動点についても同様であり、更に駆動点は光軸を挟んで対称となるように配置されると好ましい。
図6は、本実施の形態のレンズ駆動装置におけるホルダ周辺を、図5の矢印VI方向から見た図である。中空のホルダ5は、その側面に下方に向かうにつれて拡幅した切欠5cを形成しており、その内部に立ち上げミラー15が対物レンズ6に接近した状態で配置されている。
次に、本実施の形態にかかるレンズ駆動装置の動作について説明する。ここでは、第1コイル群G1と第2コイル群G2は、それぞれ外側コイルと内側コイルとを2層に有しているものとする。但し、コイルは一層だけでも良い。
ワイヤ4を介して給電されたとき、第1のコイル群G1の外側コイルと第2のコイル群G2の外側コイルには、同じ電流値で同じ方向(ここでは時計回り)に電流が流れるため、フレミングの左手の法則により、2つのコイルには、図で上方に向かう磁力がそれぞれ生じる。従って、第1コイル群G1と第2コイル群G2が固定されたホルダ5は、図で上方に移動することなり、それにより対物レンズ6を光軸方向に移動させることでフォーカシング動作を実現することができる。なお、電流の向きを逆にすれば、ホルダ5は下方に移動する。
一方、第1のコイル群G1の内側コイルには、時計回りの方向に電流を流し、第2のコイル群G2の内側コイルには、反時計回りの方向に電流を流すと、フレミングの左手の法則により、一方の内側コイルには、図で上方に向かう磁力が生じ、他方の内側コイルには、図で下方に向かう磁力が生じる。従って、光軸の位置を中心としてホルダ5を傾けるモーメントが作用することとなる。これにより対物レンズ6を傾けるティルト動作を実現することができる。なお、電流の向きを逆にすれば、ホルダ5は逆側に傾く。チルト調整動作を外側コイルを用いて行い、フォーカシング動作を内側コイルを用いて行っても良い。
更に、トラッキングコイル11A〜11Dに電流を流すことで、ホルダ5を対物レンズ6と共に、光軸に直交する方向に移動可能となっており、それによりトラッキング動作を行うことができる。
本発明者は、以下の実施例と比較例とについて、振動のシミュレーションを行った。
(実施例)
実施例1:振動の節に対してホルダ全長の1%外側を駆動力の合力が通過
実施例2:振動の節に対してホルダ全長の0.5%外側を駆動力の合力が通過
実施例3:振動の節上を駆動力の合力が通過
実施例4:振動の節に対してホルダ全長の0.5%内側を駆動力の合力が通過
実施例5:振動の節に対してホルダ全長の1%内側を駆動力の合力が通過
(比較例)
比較例1:振動の節に対してホルダ全長の2%外側を駆動力の合力が通過
比較例2:振動の節に対してホルダ全長の3%外側を駆動力の合力が通過
比較例3:振動の節に対してホルダ全長の4%外側を駆動力の合力が通過
比較例4:振動の節に対してホルダ全長の5%外側を駆動力の合力が通過
比較例5:振動の節に対してホルダ全長の6%外側を駆動力の合力が通過
比較例6:振動の節に対してホルダ全長の2%内側を駆動力の合力が通過
比較例7:振動の節に対してホルダ全長の3%内側を駆動力の合力が通過
比較例8:振動の節に対してホルダ全長の4%内側を駆動力の合力が通過
比較例9:振動の節に対してホルダ全長の5%内側を駆動力の合力が通過
比較例10:振動の節に対してホルダ全長の6%内側を駆動力の合力が通過
(実施例)
実施例1:振動の節に対してホルダ全長の1%外側を駆動力の合力が通過
実施例2:振動の節に対してホルダ全長の0.5%外側を駆動力の合力が通過
実施例3:振動の節上を駆動力の合力が通過
実施例4:振動の節に対してホルダ全長の0.5%内側を駆動力の合力が通過
実施例5:振動の節に対してホルダ全長の1%内側を駆動力の合力が通過
(比較例)
比較例1:振動の節に対してホルダ全長の2%外側を駆動力の合力が通過
比較例2:振動の節に対してホルダ全長の3%外側を駆動力の合力が通過
比較例3:振動の節に対してホルダ全長の4%外側を駆動力の合力が通過
比較例4:振動の節に対してホルダ全長の5%外側を駆動力の合力が通過
比較例5:振動の節に対してホルダ全長の6%外側を駆動力の合力が通過
比較例6:振動の節に対してホルダ全長の2%内側を駆動力の合力が通過
比較例7:振動の節に対してホルダ全長の3%内側を駆動力の合力が通過
比較例8:振動の節に対してホルダ全長の4%内側を駆動力の合力が通過
比較例9:振動の節に対してホルダ全長の5%内側を駆動力の合力が通過
比較例10:振動の節に対してホルダ全長の6%内側を駆動力の合力が通過
図7は、実施例1〜5について、ホルダのフォーカシング駆動時の周波数特性をシミュレーションで解析したグラフであり、縦軸に利得をとり、横軸に周波数をとって示している。図8は、実施例1〜5について、ホルダのフォーカシング駆動時の周波数特性をシミュレーションで解析したグラフであり、縦軸に位相をとり、横軸に周波数をとって示している。図9は、比較例1〜5について、ホルダのフォーカシング駆動時の周波数特性をシミュレーションで解析したグラフであり、縦軸に利得をとり、横軸に周波数をとって示している。図10は、比較例1〜5について、ホルダのフォーカシング駆動時の周波数特性をシミュレーションで解析したグラフであり、縦軸に位相をとり、横軸に周波数をとって示している。図11は、比較例6〜10について、ホルダのフォーカシング駆動時の周波数特性をシミュレーションで解析したグラフであり、縦軸に利得をとり、横軸に周波数をとって示している。図12は、比較例6〜10について、ホルダのフォーカシング駆動時の周波数特性をシミュレーションで解析したグラフであり、縦軸に位相をとり、横軸に周波数をとって示している。
図7、8に示すように、実施例1〜5では位相のズレは±45度以内であり、広帯域で用いるレンズ駆動装置においても実用に供しうる。特に実施例3のように、振動の節上を駆動力の合力が通過するようにすると、位相のズレはなくなり最適な駆動が可能となる。
一方、図9,10に示すように、振動の節に対してホルダ全長の2%以上外側を駆動力の合力が通過するようにすると、位相の遅れが90度以上生じることとなり、広帯域で用いるレンズ駆動装置としては不適切である。同様に、図11,12に示すように、振動の節に対してホルダ全長の2%以上内側を駆動力の合力が通過するようにすると、位相の進みが65度以上生じることとなり、広帯域で用いるレンズ駆動装置としては不適切である。
尚、電気制御的観点からは、共振モード時の位相は進んでいる方が好ましいため、組み立て誤差等の影響を考慮し、あえて駆動力の合力点を振動の節より若干内側に寄せたり、マグネット幅と駆動コイル幅の中心をわずかにずらすことで、位相がわずかに進んだ微小な共振状態を与えることもできる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、ホルダの素材は樹脂に限らず、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属を用いることもできる。例えば、フォーカスコイルを一層だけ設けるようにしても良い。
1 ベース
2 筐体
4 ワイヤ
5 ホルダ
5a 矩形開口
5c 切欠
6 対物レンズ
7A〜7D ヨーク
8A〜8D ヨーク
10A〜10D 磁石
11A〜11D トラッキングコイル
14 固定具
G1 第1コイル群
G2 第2コイル群
2 筐体
4 ワイヤ
5 ホルダ
5a 矩形開口
5c 切欠
6 対物レンズ
7A〜7D ヨーク
8A〜8D ヨーク
10A〜10D 磁石
11A〜11D トラッキングコイル
14 固定具
G1 第1コイル群
G2 第2コイル群
Claims (7)
- ベースと、
前記ベースに対して可動であり、対物レンズを中央で保持するホルダと、前記ホルダにおいて前記レンズを挟んで設けられた一対のコイルとを含む可動部と、
前記可動部を前記ベースに対して支持する弾性部材と、
前記一対のコイルにそれぞれ対向するようにして、前記ベースに取り付けられた一対の磁石とを有し、
前記磁石の磁力と前記コイルに流れる電流とにより発生する駆動力により、前記ホルダを前記対物レンズのフォーカシング方向に駆動するようになっており、
前記ホルダが前記対物レンズの光軸を中心として曲がる共振モードのうち、前記対物レンズが振動の腹となり且つ前記対物レンズと前記弾性部材との間が振動の節となる共振モード時において、前記対物レンズのトラッキング方向における前記コイルの長さの範囲内に前記節が存在し、前記節に対して前記可動部のトラッキング方向の全長の±2%以内を、前記駆動力の合力が通過するようにしたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - ベースと、
前記ベースに対して可動であり、対物レンズを中央で保持するホルダと、前記ホルダにおいて前記レンズを挟んで設けられた一対のコイルとを含む可動部と、
前記可動部を前記ベースに対して支持する弾性部材と、
前記一対のコイルにそれぞれ対向するようにして、前記ベースに取り付けられた一対の磁石とを有し、
前記磁石の磁力と前記コイルに流れる電流とにより発生する駆動力により、前記ホルダを前記対物レンズのチルト方向に駆動するようになっており、
前記ホルダが前記対物レンズの光軸を中心として曲がる共振モードのうち、前記対物レンズが振動の腹となり且つ前記対物レンズと前記弾性部材との間が振動の節となる共振モード時において、前記対物レンズのトラッキング方向における前記コイルの長さの範囲内に前記節が存在し、前記節に対して前記可動部のトラッキング方向の全長の±2%以内を、前記駆動力の合力が通過するようにしたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記ホルダの前記トラッキング方向における全長を2Lとしたときに、前記駆動力の合力に最も近い位置の前記節は、前記ホルダの中心から(2L/3)±0.05Lの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
- 前記磁石のトラッキング方向における中心と、前記コイルの中心とを一致させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
- 前記ホルダの曲げ共振モード時に発生する前記対物レンズの位相に応じて、前記磁石のトラッキング方向における中心と、前記コイルの中心とをずらせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
- 前記ホルダの曲げ共振モード時に前記対物レンズの位相が遅れる場合には、前記磁石のトラッキング方向における中心を、前記コイルの中心より前記ホルダの中心側にずらせたことを特徴とする請求項5に記載のレンズ駆動装置。
- 前記ホルダの曲げ共振モード時に前記対物レンズの位相が進む場合には、前記磁石のトラッキング方向における中心を、前記コイルの中心より前記ホルダの中心から遠ざかる側にずらせたことを特徴とする請求項5に記載のレンズ駆動装置。
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JP2001216665A (ja) * | 2000-02-02 | 2001-08-10 | Hitachi Ltd | 対物レンズ駆動装置および光ディスク装置 |
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-
2006
- 2006-12-28 JP JP2006354532A patent/JP2008165911A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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