JP2008165848A - 媒体記憶装置、位置復調装置及び位置復調方法 - Google Patents

媒体記憶装置、位置復調装置及び位置復調方法 Download PDF

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Abstract

【課題】位相サーボパターンを用いて、位置を復調する位置復調装置において、精度を低下せずに、復調範囲を拡大する。
【解決手段】同一の位相である第1、第2の位相パターンと、逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成されたサーボパターンを記録媒体(10)に形成し、第1、第2の位相パターン領域と第3の位相パターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し(400)、第3の位相パターン領域と第4の位相パターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し(404)、第1の位相差と第3の位相パターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する(402)。誤差の少なくなった絶対値角度である第3の位相パターン領域の位相を使用して、第2のトラック範囲の復調範囲を拡大できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、記憶媒体からヘッドが読み取ったサーボパターンを復調して、ヘッドの位置を検出する位置復調方法、位置復調装置及び媒体記憶装置に関し、特に、ヘッドのシーク制御時の位置復調範囲を拡大するための位置復調方法及び媒体記憶装置に関する。
ホストに接続された記憶装置として、記憶媒体が回転体で構成されるディスク装置が、広く利用されている。ディスク装置では、ディスクのトラックにヘッドを位置付け、ヘッドが、そのトラックの対象データをリード/ライトする。このため、ディスク上のヘッドの位置を検出する必要がある。
図10に示すように、磁気ディスク10には、外周から内周に渡り、多数のトラックが円周上に形成され、各トラックにサーボ信号(位置信号)16が、円周方向に等間隔に配置される。尚、各トラックは、複数のセクタで構成され、図10の実線は、サーボ信号16の記録位置を示す。
図11の磁気ヘッドの読み取り波形に示すように、サーボ(位置)信号は,サーボマークSMKと、グレイコードGray Codeと、サーボバースト(Position Burst)信号と、ポストコードPost Codeとからなる。
サーボマークは、サーボ信号の先頭を示し、サーボマーク以降の信号がサーボ信号であることを認識させる。グレイコードは、シリンダ番号を示す。ポストコードは、そのサーボセクタの偏心補正量を示す。サーボバースト信号は、ヘッドのトラック位置及びトラック内の位置を検出するため、使用される。
図11のサーボ信号をヘッドで読み取り、グレイコードやサーボバースト信号を復調して、磁気ヘッドの半径方向の現在位置を検出する。このサーボバースト信号として、図11の下段に示す位相サーボパターン信号が利用されている。
図11に示すように、位相領域は、4相であり、各相は、1トラック当り所定の送り角度を持つパターンである。即ち、EVEN1は、+90度、ODD1は、−90度、EVEN2は、+90度、ODD2は、−135度の送り角度(1トラック当り)を持つ。
例えば、EVEN1の位相パターンでは、あるトラックと、これに隣接トラックとの位相差が、+90度である。従って、EVEN1,EVEN2,ODD1とも、4トラック(シリンダ)を単位に繰り返しが続くパターンである。
この位相パターンから、下記式(1)、(2)の演算により、±1シリンダ復調と、±4シリンダ復調が可能である。
Figure 2008165848
Figure 2008165848
例えば、図12は、横軸にトラック位置、縦軸に、EVEN1、EVEN2,ODD1の検出角度をとり、トラック位置の変化と検出角度とをグラフ化したものである。即ち、EVEN1とEVEN2の加算平均で、ノイズ(特に、回転変動)に耐力のある±1シリンダ復調を行い、復調精度を高める。
又、図13は、横軸にトラック位置、縦軸に、ODD1、ODD2の検出角度をとり、トラック位置の変化と検出角度とをグラフ化したものである。即ち、ODD2に、−135度の送り角度を持つパターンを使用して、復調範囲を、±4シリンダに拡張している。
図12と図13をあわせると、図14のトラック位置、EVEN1、EVEN2、ODD1,ODD2の検出角度、±1復調(角度、トラック位置)、±4復調(角度、トラック位置)との関係が得られる(例えば、特許文献1参照)。
式(1)、(2)で示したように、従来は、EVEN1、EVEN2,ODD1、ODD2の角度の相対差を使用して、復調計算し、現在位置を得ていた。従って、位相バースト信号からは、最大で、±4シリンダの復調範囲が得られていた。
日本国特許第3,340,077号公報(図10)
近年の高速且つ高精度のシーク制御が要求されており、このため、FFシーク制御が利用されている。FFシーク制御は、シーク距離に応じて、シーク開始からサンプル毎の目標位置を決め、このサンプル間の目標位置の差分に相当するフィードフォワード電流を出力する。そして、フィードバックコントローラが、サンプル間の差分位置と、復調位置との位置誤差に従い、フィードバック電流を出力する。
即ち、サンプル毎に、目標軌道分のフィードフォワード電流を供給し、目標軌道との誤差は、目標軌道のサンプル間の差分と復調位置との誤差で得て、フィードバックコントローラで、修正する。このFFシーク制御を利用すると、駆動アンプ等を有効に利用でき、シーク時間の短縮化を得ることができる。
しかしながら、温度変化や電源電圧変動により、駆動アンプや磁気ヘッドを移動するアクチュエータの特性変動、又、磁気ヘッドのサスペンションが、磁気ディスクの回転による風による風外乱により、目標軌道との誤差が大きくなる傾向にある。
この場合、従来の復調範囲は、±4シリンダ(即ち、8シリンダ単位の位置復調)では、目標軌道との位置誤差が大きくなり、位置誤差の最大値が、復調範囲を越え、シークエラーする可能性が高くなる。シークエラーすると、シークのやり直しであるシークリトライを行う必要があり、シーク時間が長くなる。
このため、復調範囲の拡大が要求される。この方法として、従来は、グレイコードが、シリンダ番号を示すため、グレイコードの復調結果と合わせて、現在位置を検出する方法が採用されていた。
しかしながら、磁気ディスクのアウターゾーンのように、円周方向の記録密度の低い領域では、グレイコードを比較的正確に復調できるが、インナーゾーンのように、円周方向の記録密度の高い領域では、グレイコードのエラーレートが高いため、グレイコードによる位置検出の信頼性が低い。
従って、グレイコードを併用する方法は、アウターゾーンの復調範囲は拡大するが、インナーゾーンの復調範囲は拡大しないことになり、アウターからインナーへのシーク性能の向上は期待できない。しかも、アウターゾーンとインナーゾーンで、復調処理を変更する必要があり、復調処理も複雑となる。
従って、本発明の目的は、位相サーボ信号により復調範囲を拡大するための媒体記憶装置、位置復調装置及び位置復調方法を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、位相サーボ信号により復調範囲を拡大し、風外乱や、温度変化、電源電圧変動があっても、シークエラーの発生を低減するための媒体記憶装置、位置復調装置及び位置復調方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、位相サーボ信号により復調範囲を拡大するとともに、オントラック精度の低下を防止ための媒体記憶装置、位置復調装置及び位置復調方法を提供することにある。
この目的の達成のため、本発明の媒体記憶装置は、隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体と、前記記憶媒体の前記トラックのデータを少なくとも読み取るヘッドと、前記ヘッドを前記記憶媒体の前記トラックの横断方向に移動するアクチュエータと、前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を検出し、前記検出した現在位置に従い、前記アクチュエータを駆動し、前記ヘッドを目標トラックに移動する制御ユニットとを有し、前記記憶媒体の前記4つの位相パターンは、同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成され、前記制御ユニットは、前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、且つ前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する。
又、本発明の位置復調装置は、隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体から、ヘッドが読み取った前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を復調する位置復調装置において、同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成された前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相を復調する位相復調回路と、前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、且つ前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する位置復調器とを有する。
又、本発明の位置復調方法は、隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体から、ヘッドが読み取った前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を復調する位置復調方法において、同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成された前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相を復調する位相復調ステップと、前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調する第1の位置復調ステップと、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調する第2の位置復調ステップと、前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する第3の位置復調ステップとを有する。
更に、本発明は、好ましくは、前記第1、第2のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、+90度であり、前記第3のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−90度であり、前記第4のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−112.5度である。
更に、本発明は、好ましくは、前記第1のトラック範囲が、±1トラック範囲であり、前記第2のトラック範囲が、±8トラック範囲であり、前記第3のトラック範囲が、±2トラック範囲である。
更に、本発明は、好ましくは、前記制御ユニットは、前記角度差が、−90度以上で、+90度を越えない場合には、前記第1の位相差の半分から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調し、前記角度差が、−90度より小さく、且つ+90度以上である場合には、前記第1の位相差の半分に、180度を加算した角度から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調する。
更に、本発明は、好ましくは、前記制御ユニットは、シーク距離に応じた目標位置軌道を作成し、前記目標位置軌道に応じたフィードフォワード電流と、前記目標位置軌道と前記復調位置との位置誤差に応じたフィードバック電流とを生成し、前記フィードフォワード電流と前記フィードバック電流との和で、前記アクチュエータを駆動する。
更に、本発明は、好ましくは、前記制御ユニットは、前記第2のトラック範囲の復調位置と、前記第3のトラック範囲の復調位置を用いて、前記現在位置を検出する。
更に、本発明は、好ましくは、前記制御ユニットは、前記第2のトラック範囲の復調位置を、前記第3のトラック範囲の復調位置を使用して、前記第3のトラック範囲の復調位置の精度に変換する。
更に、本発明は、好ましくは、前記制御ユニットは、前記第3のトラック範囲の復調位置と前記第2のトラック範囲の復調位置との差分を、前記第3のトラック範囲でマスクして、前記第2のトラック範囲の復調位置を前記マスク結果を用いて、前記第3のトラック範囲の復調位置の精度に変換する。
更に、本発明は、好ましくは、前記制御ユニットは、前記ヘッドの再生波形を、前記サーボパターン領域のプリアンブル部で、PLL同期して復調する復調回路を有する。
同一の位相である第1、第2の位相パターンと、逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成された4つのサーボパターン領域の内、第1、第2のサーボパターン領域と第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、第3のサーボパターン領域と第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、第1の位相差と第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調するので、誤差の少なくなった絶対値角度である第3のサーボパターン領域の位相を使用して、第2のトラック範囲の復調範囲を拡大できる。それによりシークエラーが少なくなり、且つ第3のトラック範囲の復調の精度は、相対値である第1のトラック範囲を用いるため、従来と同じであり、オントラック品質にも影響を与えない。
以下、本発明の実施の形態を、位置復調方法、媒体記憶装置、他の実施の形態の順で説明するが、本発明は、この実施の形態に限られない。
(位置復調方法)
図1は、本発明の一実施の形態の位相サーボパターンの説明図、図2は、図1の位相サーボパターンの復調方法の説明図、図3は、図1の位相サーボパターンのトラック位置、EVEN1、EVEN2、ODD1,ODD2の検出角度、±1復調(角度、トラック位置)、±2復調(角度、トラック位置)、±8復調(角度、トラック位置)との関係図、図4は、トラック位置、EVEN1、EVEN2、ODD1の検出角度と±1復調(角度、トラック位置)、±2復調(角度、トラック位置)との関係図、図5は、図1の位相サーボパターンのトラック位置、ODD1,ODD2の検出角度、±8復調(角度、トラック位置)との関係図である。
図1に示すように、位相サーボパターンは、EVEN1、EVEN2、ODD1,ODD2の4相パターンであり、従来のパターンと、長さは、同一である。EVEN1、EVEN2、ODD1のパターンの送り角度は、従来と同様に、各々、±90度、±90度、−90度であるが、ODD2のパターンの送り角度を、従来の−135度から、−112.5度に変えている。
このODD2のパターンの送り角度を、従来の−135度(=90度+45度)から、−112.5度(=90+22.5)に変更することにより、差分方式((2)式)で、従来の2倍の復調範囲が得られる。但し、単に、送り角度を変更しても、検出角度の精度により、復調精度が劣化する。これを防止するため、復調方法も変更する。
図2は、図1の位相サーボパターンの復調方法の説明図である。図2に示すように、±1シリンダ復調の式は、従来の(1)式と同じであり、EVEN1とEVEN2の角度の平均値を用いており、送り角度差も大きいため、精度は高い。
又、前述のODD1の角度と、ODD2の角度との差により、以下の式(3)により、±8シリンダ復調の値が得られる。
Figure 2008165848
更に、本発明の実施例では、±2シリンダ復調を行う。ここで、(ODD1)と(±1シリンダ復調)/2との差(即ち、(±1シリンダ復調)/2−ODD1)を「P2」と定義すると、「P2」の角度に応じて、下記式(4)、(5)により、±2シリンダ復調値を求める。
Figure 2008165848
Figure 2008165848
即ち、図3に示すように、逆相であるEVEN1,EVEN2とODD1との相対角度差である±1シリンダ復調の角度は、2シリンダ単位で、回転する。即ち、角度差が繰り返す。一方、ODD1の角度は、4シリンダ単位で、回転する。従って、ODD1の角度を使用すれば、±1シリンダ復調を、±2シリンダ復調に拡大できる。
先ず、±1シリンダ復調角を、4シリンダ単位に変換するため、(±1シリンダ復調)/2を計算する。この4シリンダ単位に変換された±1シリンダ復調角を、4シリンダ単位のODD1の角度との差P2をとり、この差P2が、−90度≦P2<90度であれば、±1シリンダ復調角の半分で、±2シリンダ復調角を得る。一方、差P2が、−90度>P、又はP2≧90度であれば、±1シリンダ復調角の半分に、180度を加えて、±2シリンダ復調角を得る。
このように、±2シリンダ復調は、従来の±1シリンダ復調と同じ精度となり、且つ倍の復調範囲を実現している。このため、粗い精度の±4シリンダ復調を、図1のODD2の位相で、倍の範囲の±8シリンダ復調を実現しても、±2シリンダ復調との併用により、精度の低下を防止できる。
この±2シリンダ復調の精度を説明する。従来の復調では、EVEN1/2とODD1との相対差を使用して、最小単位の±1シリンダ復調計算を行っていた。しかし、実際のサーボパターンでは、EVEN1/2、ODD1とも4シリンダを単位として、繰り返しが続いているが、精度の高い復調範囲は、2シリンダ単位であった。これは、位相の相対差を使用しているため、原理的に仕方がないことであった。
この相対差を用いなければならない理由としては、スピンドルモータの回転変動や、サーボパターンの円周方向誤差や、リードチャネルでのサーボマーク検出ジッタ(非同期検出)等が、絶対角度誤差要因として大きかったためである。
しかし、リードチャネルが、サーボ部プリアンブル部分で媒体から読み出した信号にPLL同期することにより、スピンドルモータ回転変動や、サーボパターンの円周方向誤差の影響が少なくなり、またサーボマーク検出方式を同期式とすることにより、検出ジッタが少なくなり、あわせて絶対値角度の誤差が少なくなる。
このため、本発明の実施例では、誤差の少なくなった絶対値角度(P2計算のためのODD1)を使用して、復調範囲を拡大する。それによりシークエラーが少なくなる。また復調範囲は拡大するが、±2シリンダ復調の精度は、相対値である±1シリンダ復調角を用いるため、従来と同じであり、オントラック品質にも影響を与えない。
図4に示すように、EVEN1/2とODD1の角度が、0度〜360度に変化するにつれ、±1シリンダ復調の角度、トラック位置、±2シリンダ復調の角度、トラック位置も変化する。この復調角度の精度は、相対値を使用しているので、高い。
一方、図5に示すように、ODD1とODD2の角度が、0度〜360度に変化するにつれ、±8シリンダ復調の角度、トラック位置も変化する。ODD1,ODD2の送り角の相対値を使用しているが、両者の送り角が、従来の角度より近接しているため、復調精度は、従来より低い。即ち、回転変動やサーボパターンの僅かな位置ずれがあると、変化しやすい。
このため、本発明の実施例では、ODD1の絶対値を使用して、±2シリンダ復調を、相対値から得た±1シリンダ復調角から得て、±2シリンダ復調を、±8シリンダ復調と併用して、復調範囲を拡大しても、精度の低下を防止する。
(媒体記憶装置)
図6は、本発明の一実施の形態の媒体記憶装置の構成図、図7は、図6のシーク制御の説明図、図8は、図6の復調系のブロック図、図9は、図6の復調系の動作説明図である。
図6は、媒体記憶装置として、磁気ディスク装置を示す。図6に示すように、磁気記憶媒体である磁気ディスク10が、スピンドルモータ18の回転軸19に設けられている。スピンドルモータ18は、磁気ディスク10を回転する。アクチュエータ(VCM)14は、先端に磁気ヘッド12を備え、磁気ヘッド12を磁気ディスク10の半径方向に移動する。
アクチュエータ14は、回転軸を中心に回転するボイスコイルモータ(VCM)で構成される。図では、磁気ディスク装置に、2枚の磁気ディスク10が搭載され、4つの磁気ヘッド12が、同一のアクチュエータ14で同時に駆動される。
磁気ヘッド12は、リード素子と、ライト素子とからなる。磁気ヘッド12は、スライダに、磁気抵抗(MR)素子を含むリード素子を積層し、その上にライトコイルを含むライト素子を積層して、構成される。
磁気ヘッド12が読み取った位置信号(アナログ信号)は、プリアンプ20で増幅された後、サーボ復調回路30に入力する。サーボ復調回路30は、図8で説明するように、サーボマークを同期検出して、サーボ信号の各位相パターンの角度(ベクトル情報)を復調する。
復調角度は、データ処理ユニット(Digital Signal Processor)40に入力する。データ処理ユニット40は、フィードフォワード(FF)機能を持つフィードバック制御系のデータ処理を実行する。
図7を用いて、この制御系を説明する。目標軌道生成部42は、シーク距離dに応じて、シーク開始からサンプル毎の目標位置軌道を生成し、且つこの位置軌道から速度カーブを決め、このサンプル毎の目標位置を生成する。
FF電流生成部44は、目標位置軌道に従い、目標位置への速度カーブに従う、フィードフォワード(FF)電流を生成する。現在位置計算部46は、サーボ復調回路30からの4つの位相パターンの角度情報から、±1シリンダ復調、±2シリンダ復調、±8シリンダ復調を実行し、現在位置を計算する。
位置誤差計算部48は、現在位置から目標位置を差し引き、位置誤差(サンプル毎の)を計算する。コントローラ50は、オブザーバ制御、PID制御等により、位置誤差をなくすためのフィードバック電流を計算する。電流加算部52は、FF電流生成部44のFF電流と、コントローラ50のフィードバック電流とを加算し、VCM制御電流を生成する。パワーアンプ22は、VCM制御電流を増幅し、VCM14を駆動する。
即ち、サンプル毎に、目標軌道分のフィードフォワード電流を供給し、目標軌道との誤差は、目標軌道のサンプル間の差分と復調位置との誤差で得て、フィードバックコントローラ50で、修正する。
次に、図8、図9により、サーボ復調系を説明する。図8に示すように、サーボ復調回路30では、プリアンプ20からの読み取り信号は、ハイパスフィルタ(HPF)300に入力される。ハイパスフィルタ300は、読み取り信号の低周波数成分(主に直流成分)をカットし、可変ゲインアンプ302に出力する。可変ゲインアンプ(VGA)302は、後述するAGC回路316からのゲインにより、ハイパスフィルタ300の出力を増幅する。
可変ゲインアンプ302の出力は、サーマルアスペリテイ検出回路(TA detector)304に入力する。サーマルアスペリテイ検出回路304は、可変ゲインアンプ302の出力からサーマルアスペリテイを検出する。尚、サーマルアスペリテイとは、ヘッドが媒体に衝突した時の熱で、ヘッドの読み取り素子(MR素子)の特性が変化し、読み取り出力が正常でなくなる現象を言う。サーマルアスペリテイを検出すると、ハイパスフィルタ300の動作を一定時間停止する。
又、可変ゲインアンプ302の出力は、非対称特性制御回路(ASC)306に入力する。非対称特性制御回路306は、磁気ヘッドのMR素子の出力信号の上下非対称を、非対称特性補正回路318の補正量で補正し、上下対称の信号に変換する。非対称特性制御回路306からの信号は、制御フィルタ(CTF)308に入力する。制御フィルタ308は、前置フィルタを構成し、信号波形を整形する。
制御フィルタ308の出力は、アナログ/デジタル変換器(ADC)310に入力し、アナログ信号をタイミング同期したサンプルクロックで、デジタル値に変換する。ADC310の出力は、フィニットインパルスレスポンスフィルタ(FIR)312に入力し、PR(パーシャルレスポンス)信号の整形を行う。
サーボマーク検出回路314は、FIR312の出力から、図11で説明したサーボマークを検出する。AGC(自動ゲイン制御)回路316は、FIR312の出力と、サーボマーク検出回路314のサーボマーク検出出力により、可変ゲインアンプ302の制御ゲインをロックする。
非対称特性補正回路318は、FIR312の出力と、サーボマーク検出回路314のサーボマーク検出出力により、可変ゲインアンプ302の制御ゲインをロックする。タイミングリカバリー回路320は、FIR312の出力と、サーボマーク検出回路314のサーボマーク検出出力により、ADC310のクロックをPLL制御する。
デジタルフーリエ変換器(DFT)322は、ADC310の出力を、デジタルフーリエ変換し、前述の位相パターンの角度情報(ベクトル情報)を計算する。
このサーボ復調回路30は、サーボマークで、タイミングリカバリー回路320を制御し、PLL同期を行い、位相サーボ信号に対する、スピンドルモータの回転変動や、サーボパターンの円周方向の位置誤差の影響を低減している。又、サーボマーク検出により、AGC316、タイミングリカバリー回路320を制御して、サーボマーク検出を同期型にしているため、検出ジッタも少なくなる。このため、絶対値角度の誤差が少なく、本実施例の位置復調に適している。
次に、現在位置計算部46を説明する。DFT322から出力される角度情報は、EVEN1/2,ODD1/2の各々である。±1シリンダ復調部400は、前述の式(1)により、±1シリンダ復調角度を計算し、且つ図3のテーブルで説明したように、この角度から、トラック単位の復調位置を計算する。
±2シリンダ復調部402は、図2で説明したように、角度差P2を計算し、角度差P2の大きさにより、式(4)又は式(5)を計算し、±2シリンダ復調角度を計算し、且つ図3のテーブルで説明したように、この角度から、トラック単位の復調位置を計算する。
又、±8シリンダ復調部404は、前述の式(2)により、±2シリンダ復調角度を計算し、且つ図3のテーブルで説明したように、この角度から、トラック単位の復調位置を計算する。
図9は、前述の±1シリンダ復調位置、±2シリンダ復調位置、±8シリンダ復調位置との関係図であり、各復調位置の範囲の関係を示す。
合成回路406は、±8シリンダ復調位置を、±2シリンダ復調位置の精度に変換する。このため、下記式(6)により、±8シリンダ復調位置の値を、±2シリンダ復調範囲の値DIFFに変換する。
Figure 2008165848
式(6)において、AND±2シリンダは、±2シリンダのマスクを指し、式(6)は、((±2シリンダ復調)−(±8シリンダ復調))が、±2シリンダの範囲に入るような操作である。
具体的には、((±2シリンダ復調)−(±8シリンダ復調))の値が、+2シリンダ以上の場合は、その値から4シリンダを引き、引いた値が、+2シリンダより小さい値になるまで繰り返す。又、((±2シリンダ復調)−(±8シリンダ復調))の値が、−2シリンダより小さい場合は、その値に4シリンダを足し、足した値が、−2シリンダより大きい値になるまで繰り返す。
そして、この±2シリンダ復調範囲に変換された値DIFFと元の±8シリンダ復調位置とから、下記式(7)により、合成された±8シリンダ復調位置を計算する。
Figure 2008165848
即ち、±8シリンダ復調範囲と、±2シリンダ復調範囲とは、図9に示すような関係である。そこで、同じ位置情報から得た±2シリンダ復調位置と、±8シリンダ復調位置との差を、±2シリンダ復調範囲でマスクし、±2シリンダ復調範囲の値DIFFに変換する。これが、両者の精度の差である。この差DIFFを、式(7)により、元の±8シリンダ復調位置に加算することにより、±8シリンダ復調位置の精度が、±2シリンダ復調の精度に変換できる。
図8の構成において、この合成した復調位置を、現在位置として、利用する。この場合、シーク制御中とオントラック中の両方に使用することができる。又、シーク制御中は、この合成復調位置を使用し、オントラック中は、±2シリンダ復調位置を使用することもできる。更に、合成した復調位置を使用せずに、シーク制御中は、目標トラック前は、±8シリンダ復調位置を、目標トラック近傍では、±2シリンダ復調位置を使用し、オントラック中は、±1シリンダ復調位置、又は±2シリンダ復調位置を使用しても良い。
(他の実施の形態)
前述の実施の形態では、位置復調を、磁気ディスク装置のヘッド位置復調の例で説明したが、光ディスク装置等の他のディスク装置にも適用できる。又、前述のように、合成した復調位置を作成することは、必ずしも必要なく、要するに、±8シリンダ復調位置と、±2シリンダ復調位置を併用する構成であれば、良い。更に、ODD2の送り角度を、−112.5度としたが、−90度を超えない値を採用できる。
以上、本発明を、実施の形態で説明したが、本発明は、その趣旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これを本発明の範囲から排除するものではない。
(付記1)隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体と、前記記憶媒体の前記トラックのデータを少なくとも読み取るヘッドと、前記ヘッドを前記記憶媒体の前記トラックの横断方向に移動するアクチュエータと、前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を検出し、前記検出した現在位置に従い、前記アクチュエータを駆動し、前記ヘッドを目標トラックに移動する制御ユニットとを有し、前記記憶媒体の前記4つの位相パターンは、同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成され、前記制御ユニットは、前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、且つ前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調することを特徴とする媒体記憶装置。
(付記2)前記第1、第2のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、+90度であり、前記第3のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−90度であり、前記第4のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−112.5度であることを特徴とする付記1の媒体記憶装置。
(付記3)前記第1のトラック範囲が、±1トラック範囲であり、前記第2のトラック範囲が、±8トラック範囲であり、前記第3のトラック範囲が、±2トラック範囲であることを特徴とする付記2の媒体記憶装置。
(付記4)前記制御ユニットは、前記角度差が、−90度以上で、+90度を越えない場合には、前記第1の位相差の半分から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調し、前記角度差が、−90度より小さく、且つ+90度以上である場合には、前記第1の位相差の半分に、180度を加算した角度から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調することを特徴とする付記1の媒体記憶装置。
(付記5)前記制御ユニットは、シーク距離に応じた目標位置軌道を作成し、前記目標位置軌道に応じたフィードフォワード電流と、前記目標位置軌道と前記復調位置との位置誤差に応じたフィードバック電流とを生成し、前記フィードフォワード電流と前記フィードバック電流との和で、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする付記1の媒体記憶装置。
(付記6)前記制御ユニットは、前記第2のトラック範囲の復調位置と、前記第3のトラック範囲の復調位置を用いて、前記現在位置を検出することを特徴とする付記1の媒体記憶装置。
(付記7)前記制御ユニットは、前記第2のトラック範囲の復調位置を、前記第3のトラック範囲の復調位置を使用して、前記第3のトラック範囲の復調位置の精度に変換することを特徴とする付記1の媒体記憶装置。
(付記8)前記制御ユニットは、前記第3のトラック範囲の復調位置と前記第2のトラック範囲の復調位置との差分を、前記第3のトラック範囲でマスクして、前記第2のトラック範囲の復調位置を前記マスク結果を用いて、前記第3のトラック範囲の復調位置の精度に変換することを特徴とする付記7の媒体記憶装置。
(付記9)前記制御ユニットは、前記ヘッドの再生波形を、前記サーボパターン領域のプリアンブル部で、PLL同期して復調する復調回路を有することを特徴とする付記1の媒体記憶装置。
(付記10)隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体から、ヘッドが読み取った前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を復調する位置復調装置において、同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成された前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相を復調する位相復調回路と、前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、且つ前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する位置復調器とを有することを特徴とする位置復調装置。
(付記11)前記第1、第2のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、+90度であり、前記第3のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−90度であり、前記第4のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−112.5度であることを特徴とする付記10の位置復調装置。
(付記12)前記第1のトラック範囲が、±1トラック範囲であり、前記第2のトラック範囲が、±8トラック範囲であり、前記第3のトラック範囲が、±2トラック範囲であることを特徴とする付記11の位置復調装置。
(付記13)前記位置復調器は、前記角度差が、−90度以上で、+90度を越えない場合には、前記第1の位相差の半分から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調し、前記角度差が、−90度より小さく、且つ+90度以上である場合には、前記第1の位相差の半分に、180度を加算した角度から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調することを特徴とする付記10の位置復調装置。
(付記14)前記位置復調器は、前記第2のトラック範囲の復調位置と、前記第3のトラック範囲の復調位置を、前記現在位置として出力することを特徴とする付記10の位置復調装置。
(付記15)前記位置復調器は、前記第2のトラック範囲の復調位置を、前記第3のトラック範囲の復調位置を使用して、前記第3のトラック範囲の復調位置の精度に変換することを特徴とする付記10の位置復調装置。
(付記16)前記位置復調器は、前記第3のトラック範囲の復調位置と前記第2のトラック範囲の復調位置との差分を、前記第3のトラック範囲でマスクして、前記第2のトラック範囲の復調位置を前記マスク結果を用いて、前記第3のトラック範囲の復調位置の精度に変換することを特徴とする付記15の位置復調装置。
(付記17)前記位相復調回路は、前記ヘッドの再生波形を、前記サーボパターン領域のプリアンブル部で、PLL同期して復調する復調回路を有することを特徴とする付記10の位置復調装置。
(付記18)隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体から、ヘッドが読み取った前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を復調する位置復調方法において、同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成された前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相を復調する位相復調ステップと、前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調する第1の位置復調ステップと、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調する第2の位置復調ステップと、前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する第3の位置復調ステップとを有することを特徴とする位置復調方法。
(付記19)前記第1、第2のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、+90度であり、前記第3のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−90度であり、前記第4のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−112.5度であることを特徴とする付記18の位置復調方法。
(付記20)前記第1のトラック範囲が、±1トラック範囲であり、前記第2のトラック範囲が、±8トラック範囲であり、前記第3のトラック範囲が、±2トラック範囲であることを特徴とする付記19の位置復調方法。
第1、第2のサーボパターン領域と第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、第3のサーボパターン領域と第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、第1の位相差と第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調するので、誤差の少なくなった絶対値角度である第3のサーボパターン領域の位相を使用して、第2のトラック範囲の復調範囲を拡大できる。それによりシークエラーが少なくなり、且つ第3のトラック範囲の復調の精度は、相対値である第1のトラック範囲を用いるため、従来と同じであり、オントラック品質にも影響を与えない。
本発明の一実施形態の位相サーボパターンの説明図である。 図1の位相サーボパターンの復調方法の説明図である。 図1の位相サーボパターンの角度と、図2の復調結果との関係図である。 図1の位相サーボパターンの角度と図2の±1シリンダ復調と±2シリンダ復調との関係図である、 図1の位相サーボパターンの角度と図2の±8シリンダ復調との関係図である、 本発明の一実施の形態の媒体記憶装置の構成図である。 図6のサーボ制御部の説明図である。 図6の位置復調系の構成図である。 図8の位置復調動作の説明図である。 従来のサーボパターンを持つディスクの構成図である。 従来の位相サーボパターンの説明図である。 従来の位相サーボパターンの角度と±1シリンダ復調との関係図である、 従来の位相サーボパターンの角度と±4シリンダ復調との関係図である、 従来の位相サーボパターンの角度と、復調結果との関係図である。
符号の説明
10 ディスク(記憶媒体)
12 磁気ヘッド
14 VCM(アクチュエータ)
18 スピンドルモータ
30 サーボ復調回路
40 処理ユニット
42 目標位置軌道生成部
44 FF電流生成部
46 現在位置計算部
48 位置誤差計算部
50 コントローラ
52 電流加算部
400 ±1シリンダ復調部
402 ±2シリンダ復調部
404 ±8シリンダ復調部
406 合成部

Claims (9)

  1. 隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体と、
    前記記憶媒体の前記トラックのデータを少なくとも読み取るヘッドと、
    前記ヘッドを前記記憶媒体の前記トラックの横断方向に移動するアクチュエータと、
    前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を検出し、前記検出した現在位置に従い、前記アクチュエータを駆動し、前記ヘッドを目標トラックに移動する制御ユニットとを有し、
    前記記憶媒体の前記4つの位相パターンは、同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成され、
    前記制御ユニットは、前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、且つ前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する
    ことを特徴とする媒体記憶装置。
  2. 前記第1、第2のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、+90度であり、
    前記第3のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−90度であり、
    前記第4のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−112.5度である
    ことを特徴とする請求項1の媒体記憶装置。
  3. 前記第1のトラック範囲が、±1トラック範囲であり、
    前記第2のトラック範囲が、±8トラック範囲であり、
    前記第3のトラック範囲が、±2トラック範囲である
    ことを特徴とする請求項2の媒体記憶装置。
  4. 前記制御ユニットは、前記角度差が、−90度以上で、+90度を越えない場合には、前記第1の位相差の半分から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調し、前記角度差が、−90度より小さく、且つ+90度以上である場合には、前記第1の位相差の半分に、180度を加算した角度から前記第3のトラック範囲の位置情報を復調する
    ことを特徴とする請求項1の媒体記憶装置。
  5. 隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体から、ヘッドが読み取った前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を復調する位置復調装置において、
    同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成された前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相を復調する位相復調回路と、
    前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調し、前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調し、且つ前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する位置復調器とを有する
    ことを特徴とする位置復調装置。
  6. 前記第1、第2のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、+90度であり、
    前記第3のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−90度であり、
    前記第4のサーボパターン領域のトラック間の位相差が、−112.5度である
    ことを特徴とする請求項5の位置復調装置。
  7. 前記第1のトラック範囲が、±1トラック範囲であり、
    前記第2のトラック範囲が、±8トラック範囲であり、
    前記第3のトラック範囲が、±2トラック範囲である
    ことを特徴とする請求項6の位置復調装置。
  8. 前記位置復調器は、前記第2のトラック範囲の復調位置を、前記第3のトラック範囲の復調位置を使用して、前記第3のトラック範囲の復調位置の精度に変換する
    ことを特徴とする請求項5の位置復調装置。
  9. 隣接トラック間で位相が異なる少なくとも4つの位相パターンが形成された4つのサーボパターン領域が、複数のトラックの各々に形成された記憶媒体から、ヘッドが読み取った前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相差から前記ヘッドの現在位置を復調する位置復調方法において、
    同一の位相である第1、第2の位相パターンと、前記第1、第2の位相パターンの逆位相で、且つ互いに位相が異なる第3、第4の位相パターンとで構成された前記4つのサーボパターン領域の再生信号の位相を復調する位相復調ステップと、
    前記第1、第2のサーボパターン領域と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の第1の位相差により、第1のトラック範囲の位置情報を復調する第1の位置復調ステップと、
    前記第3のサーボパターン領域と前記第4のサーボパターン領域の再生信号の第2の位相差により、第2のトラック範囲の位置情報を復調する第2の位置復調ステップと、
    前記第1の位相差と前記第3のサーボパターン領域の再生信号の位相との角度差に応じて、前記第1の位相差から第3のトラック範囲の位置情報を復調する第3の位置復調ステップとを有する
    ことを特徴とする位置復調方法。
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