JP2008165127A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の[A]及び[B]を含む感性樹脂組成物である。[A]少なくとも(a1)4位に3級アルキル基を有するシクロヘキサノールの(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び(a2)酸性基含有不飽和化合物とを含む共重合体、[B]キノンジアジド基含有化合物。
【選択図】なし
Description
特許文献4及び5には不飽和化合物と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物からなる共重合体、および(c)感光剤とを含む感光性樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は共重合体成分として脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を含むところに特徴を有し、これにより層間絶縁膜、マイクロレンズに要求される特性を向上させている。
(1)[A]少なくとも(a1)下記一般式(1)で示される化合物、及び(a2)酸性基含有不飽和化合物とを含む共重合体、及び[B]キノンジアジド基含有化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
R1は水素又はメチル基であり、R2はそれぞれ同一もしくは異なるC1〜C4のアルキル基を表わす。
(2)[A]共重合体が、(a1)一般式(1)で示される化合物を5〜40モル%含むことを特徴とする上記(1)に記載の感光性樹脂組成物。
(3)[A]共重合体が、(a2)酸性基含有不飽和化合物を10〜95モル%含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(4)[A]共重合体が、更に(a3)エポキシ基含有不飽和化合物を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(5)(a3)エポキシ基含有不飽和化合物の含有量が75モル%以下であることを特徴とする上記(4)に記載の感光性樹脂組成物。
(6)[B]キノンジアジド基含有化合物が、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中の水酸基に対して、30〜85モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを縮合させたものものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(7)[A]共重合体100質量部に対し、[B]キノンジアジド基含有化合物が5〜60質量部であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
本発明の感光性樹脂組成物において必須成分として含まれる共重合体[A]は、(a1)一般式(1)で示される化合物、
及び(a2)酸性基含有不飽和化合物を構成成分として含み、(a1)としては具体的には、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、トリエチルメチルシクロヘキシルアクリレート、トリプロピルメチルシクロヘキシルアクリレート、トリブチルメチルシクロヘキシルアクリレート、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、トリエチルメチルシクロヘキシルメタクリレート、トリプロピルメチルシクロヘキシルメタクリレート、トリブチルメチルシクロヘキシルメタクリレートが挙げられ、これらの単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(a1)成分は全成分の5〜40モル%、好ましくは15〜25モル%である。
(a2)成分は不飽和フェノール化合物を共重合成分として用いる場合、その共重合割合は、共重合体[A]が不飽和カルボン酸を含む場合は全成分の1〜20モル%、好ましくは5〜15モル%の範囲、また、共重合体[A]が不飽和カルボン酸を含まない場合は全成分の60〜95モル%、好ましくは70〜90モル%の範囲が良い。不飽和カルボン酸を共重合成分として用いる場合、その共重合割合は、不飽和フェノール化合物の有無にかかわらず全成分の10〜50モル%、好ましくは20〜40モル%の範囲である。
(a3)成分は全成分の30〜75モル%、更に好ましくは35〜55モル%の範囲である。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、ノルマルプロピルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、乳酸エチルなどが使用できる。
2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、
これらの感光剤[B]は単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、その使用割合は、共重合体[A]の固形分100質量部に対して、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは10〜50質量部の範囲が良い。この割合が5質量部未満の場合には、現像不良を起こし、この割合が60質量部を超えると、現像不良及び塗膜の透明性、絶縁性、平坦性が悪くなり好ましくない。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記の共重合体[A]および感光剤[B]ならびに上記の如き任意に添加するその他の成分を均一に混合することによって調製され、適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。
次に本発明の感光性樹脂組成物を用いた塗膜の形成方法について示すと、先ず、ガラス基板、シリコンウエハーおよびこれらの表面に各種金属が形成された基板上に、有機溶媒で溶解した本発明の感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、スリット塗布法等の適宜の方法が挙げられる。乾燥条件は、各成分の種類、使用割合等によっても異なるが、例えば60〜110℃で30秒間〜30分間程度とすることができる。
次に、ホットプレート、オーブン等により加熱処理(ポストベーク処理)することにより、硬化処理を行うことができる。この硬化処理における焼成温度は、例えば120〜250℃である。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には5〜30分間、オーブン中で加熱処理を行う場合には30〜90分間とすることができる。特に、マイクロレンズ、配向制御突起を形成する際には、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもでき、具体的にはパターン化された樹脂層のガラス転移温度以上の温度での初期加熱により、パターンを流動させ、表面張力により半球状にし、次いで、より高温での加熱で架橋を進行させて所定の形状とする。
(平均分子量の測定)
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)の値は、ゲル・パーミッション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記条件にて測定し、ポリスチレン換算にて算出した。
カラム:ショーデックス KF−801+KF−802+KF−802+KF−803
カラム温度:40℃
展開溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計(ショーデックス RI−101)
流速:1ml/min
合成例1
還流冷却器、攪拌機を備えたフラスコに、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート12.3質量部、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート87.7質量部、メトキシブチルアセテート400質量部、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)12.0質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながら液温を80℃に上昇させ、80℃で5時間反応した。ゲルパーミッションクロマトグラフィーによりモノマーの消失を確認し、80℃減圧下でメトキシブチルアセテートを蒸留により取り除き、固形分濃度を30質量%に調整し、共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−1]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.8であった。
還流冷却器、攪拌機を備えたフラスコに、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート33.7質量部、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート8.20質量部、メタクリル酸16.4質量部、グリシジルメタクリレート41.7質量部、メトキシブチルアセテート400質量部、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)12.0質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながら液温を80℃に上昇させ、80℃で5時間反応した。ゲルパーミッションクロマトグラフィーによりモノマーの消失を確認し、80℃減圧下でメトキシブチルアセテートを蒸留により取り除き、固形分濃度を30質量%に調整し、共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−2]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は12,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.0であった。
還流冷却器、攪拌機を備えたフラスコに、メタクリル酸25.5質量部、グリシジルメタクリレート52.5質量部、スチレン22.0質量部、メトキシブチルアセテート400質量部、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)12.0質量部を仕込み、合成例1と同様に反応を行い、共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−3]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.6であった。
[感光性樹脂組成物の調製]
合成例1で得られた共重合体[A−1](30質量%濃度)100質量部、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル6.0質量部、メトキシブチルアセテート80質量部を混合溶解し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過を行い、感光性樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
[感放射線性樹脂組成物の調製]
合成例2、及び比較合成例で得られた共重合体[A−2]、[A−3]についても同様に感光性樹脂組成物の溶液(S−2)、(S−3)を調製した。これらの特性を実施例2、比較例として表に示す。
感光性樹脂組成物の溶液(S−1)〜(S−3)を室温で1ヶ月間保存した後の粘度を測定した。調製直後の粘度に対し、室温1ヶ月間保存後の粘度上昇率が10%未満の場合を○、10%以上の場合を×とした。
感光性樹脂組成物の溶液(S−1)〜(S−3)をガラス基板上に、膜厚3μmとなるように塗布し、80℃のオーブンで30分間乾燥した。何れの溶液も塗膜は透明であり、厚さ均一な塗膜が得られ、塗布性は良好であった。
乾燥した塗膜にポジパターンマスクを介して超高圧水銀灯で露光し、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液にて1分間浸漬して現像し、純水でリンスを行った。(S−1)及び(S−2)はポジパターンが転写され現像性は良好であった。(S−3)は残膜部の一部に剥離が生じた。
現像後の塗膜について、形成されたポジパターンを顕微鏡により観察した。(S−1)
及び(S−2)はパターンの欠陥等は認められず良好であった。(S−3)は残膜部の
一部に剥離が生じた。
乾燥した塗膜にポジパターンマスクを介さずに全面露光し、200℃のオーブンで30分間加熱硬化させた。得られた硬化塗膜付きの基板について分光光度計を使用して、波長400〜800nmの最低透過率をガラス基板をブランクとして測定した。
感光性樹脂組成物の溶液(S−1)〜(S−3)を金属基板上に、膜厚3μmとなるように塗布し、80℃のオーブンで30分間乾燥した。乾燥した塗膜にポジパターンマスクを介さずに全面露光し、200℃のオーブンで30分間加熱硬化させた。得られた硬化塗膜の1MHzでの誘電率を測定した。
200℃、30分間で加熱硬化させた後、再び230℃で2時間加熱処理し、膜厚測定を行った。200℃、30分間加熱硬化後膜厚に対して、再加熱後の膜厚変化を膜厚減少率で算出した。230℃、2時間加熱後の膜厚減少率が3%未満の場合を○、3%以上の場合を×とした。
200℃、30分で加熱硬化させた後、再び230℃で2時間加熱処理し、波長400〜800nmの最低透過率をガラス基板をブランクとして測定した。200℃、30分間加熱硬化後の透過率に対して、再加熱後の透過率を透過率の変化率で算出した。230℃、2時間加熱後の変化率が3%未満の場合を○、3%以上の場合を×とした。
以上の結果を表に示す。
Claims (7)
- [A]共重合体が、(a1)一般式(1)で示される化合物を5〜40モル%含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- [A]共重合体が、(a2)酸性基含有不飽和化合物を10〜95モル%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- [A]共重合体が、更に(a3)エポキシ基含有不飽和化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- (a3)エポキシ基含有不飽和化合物の含有量が75モル%以下であることを特徴とする請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- [B]キノンジアジド基含有化合物が、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中の水酸基に対して、30〜85モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを縮合させたものものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- [A]共重合体100質量部に対し、[B]キノンジアジド基含有化合物が5〜60質量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
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