JP2008164774A - プロジェクションディスプレイ - Google Patents

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和彦 笠野
Tomoko Akai
智子 赤井
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Abstract

【課題】スクリーンの大型化が可能であり、シースルーディスプレイとして利用できるとともに、高輝度・高画質で、かつ、長寿命のプロジェクションディスプレイを提供する。
【解決手段】プロジェクションディスプレイ1aは、紫外域のレーザ光を発する光源2と、映像信号変調器15及び音響光学素子16からなる光変調手段3と、レーザ光を集光するリレーレンズ4aと、垂直偏向鏡5a及び水平偏向鏡5bからなる光偏向手段5と、レーザ光7が照射されるスクリーン6とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、紫外域のレーザ光を走査して、前方もしくは後方に置かれたスクリーン上に照射することによってカラー画像を得るプロジェクションディスプレイに係り、特に、スクリーンの透明化や大型化が可能なプロジェクションディスプレイに関する。
一般に、レーザを用いたカラーディスプレイとしては、光の三原色と呼ばれる赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3種類の可視光レーザをスクリーンに照射することによって映像を表示する方式がよく知られている。この方式は、3個の独立した可視光レーザを透明若しくは半透明、あるいは不透明の単純な構造のスクリーン上に映像を投影するというものである。ところが、この方式では、それぞれ製法の異なる3種類の半導体をレーザ光源として用いているために、各レーザ光源の寿命特性や温度特性に差が生じてしまい、その結果、初期状態において極めて精緻に調整して白色光を作り出した場合であっても、時間の経過とともに色ずれが発生することになる。この現象は、LEDで構成され、スタジアムやビルの壁面等に広告宣伝用として設置される大型のディスプレイや前述の3色を混合して白色を得る方式の液晶画面用バックライト等で特に顕著に見られるものであり、カラービニングと呼ばれている。通常、レーザを用いるディスプレイでは個々のレーザの出力をセンサで監視してフィードバックをかける方法によって、この現象に対応することができる。ただし、この方法は、センサやフィードバック回路を設置するために余分な費用が発生するため、製造コストが高くなるおそれがある。そこで、このような課題に対処するべく、従来、様々な技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、「フラットパネルディスプレイ」という名称で、紫外線レーザ光を蛍光膜に照射することによってフルカラー映像を表示するフラットパネルディスプレイに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、半導体レーザダイオードから放射された後、集光レンズで集光された紫外線レーザ光をポリゴンミラーや平面ミラーで反射して、赤、緑、青の3原色からなる蛍光体が設けられた蛍光膜上を走査させることを特徴としている。
このような構造のフラットパネルディスプレイにおいては、紫外線レーザ光が単一の半導体レーザダイオードから出力されるため、寿命特性や温度特性に起因する出力変動は避けられないものの、カラーバランスは保たれるという利点がある。
また、特許文献2には、「カラーレーザディスプレイ」という名称で、レーザ光源として紫外域のレーザ光を用いたカラーレーザディスプレイに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、GaN系半導体を活性層に用いた半導体レーザからなり、紫外域のレーザ光を発するレーザ光源と、そのレーザ光を変調する手段と、レーザ光によって赤、緑、青にそれぞれ発色する蛍光体が各画素毎に設けられた蛍光体スクリーンからなる表示部と、蛍光体スクリーン上にレーザ光を2次元的に走査する手段とを備えるものである。
このような構造のカラーレーザディスプレイにおいては、1本の紫外レーザによって、赤、緑、青の3色が得られるため、信頼性の向上及びコストの低減を図ること可能である。
特許文献3には、「ディスプレイ装置」という名称で、60インチ以上の大画面を有する蛍光体励起型のディスプレイ装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、レーザ光源装置が発生した紫外レーザビームを光変調器で変調し、その紫外レーザビームを光偏向器によってスクリーン上で2次元的に走査させるものである。なお、スクリーンは紫外レーザビームに励起されて赤、緑、青に発色する3種類の蛍光体が塗布されるとともに、この蛍光体塗布面に紫外光を透過させて可視光を反射する背面板が被着された構造となっている。また、レーザ光源装置はネオジウムレーザと、このネオジウムレーザからのレーザビームの高調波を非線形光学効果によって生成する光学素子とで構成されている。
このようなディスプレイ装置においては、赤、緑、青に発色する3種類の蛍光体が1本の紫外レーザビームによって励起されるため、カラーバランスが崩れ難い。また、蛍光体が発した可視光の漏出が背面板によって防止されるため、スクリーンの輝度が向上する。
特開平10−282901号公報 特開2000−314920号公報 特許第3057252号公報
上述の従来技術である特許文献1及び特許文献2に開示された発明においては、スクリーンに設けられた蛍光体が透明であることについては何ら記載がされていない。すなわち、これらの発明は、透明なスクリーンを通してその向こう側を見ることができる、いわゆるシースルーディスプレイの用途には適さないものと考えられる。
上述の従来技術である特許文献3に開示された発明は、スクリーンが可視光を透過可能に構成されているため、シースルーディスプレイとして使用できるものの、スクリーンに塗布された蛍光体が空気と接触して、湿度の影響で特性が劣化してしまうという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、スクリーンの大型化が可能であり、シースルーディスプレイとして利用できるとともに、高輝度・高画質で、かつ、長寿命のプロジェクションディスプレイを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明であるプロジェクションディスプレイは、紫外域のレーザ光を発する光源と、このレーザ光の輝度を変調する光変調手段と、この変調されたレーザ光を反射して2次元的に走査する光偏向手段と、この光偏向手段によって変調されたレーザ光が照射されるスクリーンとを備え、このスクリーンはマトリクス状に形成された透明な発光ガラス層を備え、この発光ガラス層はレーザ光に励起されて可視光を発する蛍光体を含むことを特徴とするものである。
このような構造のプロジェクションディスプレイにおいては、蛍光体が発光ガラス層の内部にあって空気と接触しないように構成されているため、湿度の影響を受け難いという作用を有する。また、透明な発光ガラス層は可視光を透過させるように作用する。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のプロジェクションディスプレイにおいて、スクリーンは、タイル状に形成される複数の発光ガラスユニットから形成され、この発光ガラスユニットは、マトリクス状に形成された発光ガラス層を備えることを特徴とするものである。
このような構造のプロジェクションディスプレイにおいては、製造途中段階ではスクリーンを発光ガラスユニット単体の集まりとして取り扱えば良いため、搬送や組み立てが容易である。また、発光ガラスユニットの組み合わせ方によってスクリーンの形状やサイズが決定されるため、スクリーンを設計する際の自由度が高い。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のプロジェクションディスプレイにおいて、スクリーンは、レーザ光を反射する透明部材によって発光ガラス層以外の領域が被覆されたことを特徴とするものである。
このような構造のプロジェクションディスプレイにおいては、紫外域のレーザ光がスクリーンの発光ガラス層以外の領域を透過しないように透明部材が防ぐという作用する。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のプロジェクションディスプレイにおいて、スクリーンは、紫外線が透過し難い黒色部材によって発光ガラス層以外の領域が被覆されたことを特徴とするものである。
このような構造のプロジェクションディスプレイにおいては、紫外域のレーザ光がスクリーンの発光ガラス層以外の領域を透過しないように黒色部材が防ぐという作用を有する。また、黒色部材によってスクリーンに表示される画像のコントラストが高められる。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプロジェクションディスプレイにおいて、光偏向手段はレーザ光を反射する少なくとも2枚の反射鏡と、これらの反射鏡が互いに連動するように所望の周波数で傾動させる駆動手段からなることを特徴とするものである。
このような構造のプロジェクションディスプレイにおいては、2枚の反射鏡がレーザ光をスクリーン上でそれぞれ水平方向及び垂直方向に走査させるという作用を有する。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプロジェクションディスプレイにおいて、レーザ光は、略250乃至400nmの範囲内の波長を有することを特徴とするものである。
このような構造のプロジェクションディスプレイにおいては、レーザ光の波長が短いため、蛍光体の輝度が高くなる。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のプロジェクションディスプレイにおいて、複数組の光源及び光変調手段を備えるとともに、各光変調手段によって変調されたレーザ光を反射して混合する反射鏡を備えたことを特徴とするものである。
このような構造のプロジェクションディスプレイにおいては、各光源から出力されて対応する各光変調手段によってそれぞれ変調された複数のレーザ光を反射鏡が反射して1本のレーザ光にまとめるように作用する。
以上説明したように、本発明の請求項1記載のプロジェクションディスプレイにおいては、湿度の影響による蛍光体の劣化が防止されるため、スクリーンの長寿命化を図ることができる。また、シースルーディスプレイとして使用することが可能である。
本発明の請求項2記載の発明においては、製造コストを安くすることができる。また、スクリーンを特殊な形状とすることが可能である。さらに、スクリーンの大型化も容易である。
本発明の請求項3記載の発明においては、有害な紫外光が外部へ漏出しないように防いで、視聴時の安全性を高めることが可能である。
本発明の請求項4記載の発明においては、外部へ紫外光が漏出しないため、安全に視聴することができる。また、明るい場所でも高い視認性を得ることができる。
本発明の請求項5記載の発明においては、回転多面鏡を用いる場合に比べて短時間で、スクリーンに照射したレーザ光を走査させることができる。従って、スクリーンの大型化が可能である。
本発明の請求項6記載の発明によれば、明るい場所においても高品位の表示が可能である。
本発明の請求項7記載の発明によれば、出力の弱い光源を使用した場合でもスクリーン上に高輝度の映像を表示させることが可能である。
本発明の最良の実施の形態に係るプロジェクションディスプレイの実施例について図1乃至図5を用いて説明する。
実施例1のプロジェクションディスプレイの実施例1について図1乃至図4を用いて説明する(特に、請求項1乃至請求項6に対応)。
図1は本発明の実施の形態に係るプロジェクションディスプレイの実施例1の構成を示す模式図である。
図1に示すように、プロジェクションディスプレイ1aは、紫外域のレーザ光7を発する光源2と、レーザ光7の輝度を変調する光変調手段3と、レーザ光7を集光するリレーレンズ4aと、レーザ光7を所望の角度で反射する光偏向手段5と、レーザ光7が照射されるスクリーン6とを備えている。
光源2はGaN系の材料からなる半導体レーザであり、250〜400nm(開放系で使う場合は望ましくは315nmから400nm)の波長のレーザ光7を出力する。レーザ光7は、映像信号変調器15と音響光学素子16とで構成される光変調手段3により映像信号に応じた輝度に変調される。変調されたレーザ光7はリレーレンズ4aを通過した後、光偏向手段5によって所望の角度で反射されてスクリーン6に照射される。なお、リレーレンズ4aは光偏向手段5で反射されたレーザ光7がスクリーン6に正しく照射されるように、光偏向手段5に入射するレーザ光7を調整するためのものである。また、光偏向手段5は水平及び垂直な軸回りにそれぞれ傾動可能な垂直偏向鏡5a及び水平偏向鏡5bとこれらが互いに連動するように所望の周波数で傾動させる駆動手段(図示せず)とから構成されている。従って、スクリーン6に照射されるレーザ光7は、水平偏向鏡5bの傾動によって水平方向に走査されるとともに、垂直偏向鏡5aの傾動によって垂直方向に走査される。これにより、レーザ光7はスクリーン6上を2次元的に走査され、その軌跡は走査線8あるいは帰線9となる。なお、垂直偏向鏡5aと水平偏向鏡5bは、半導体表面に形成された鏡面が5〜13MHzの周波数で高速に傾動する、いわゆるスキャニングMEMSデバイスによって構成されており、スクリーン6上のレーザ光7を回転多面鏡や平面鏡等を用いる場合よりも短い時間で走査できる構成となっている。従って、スクリーン6の大型化を図ることが可能である。
次に、スクリーン6の構造について図2乃至図4を用いて説明する。
図2(a)及び(b)はそれぞれ実施例1のプロジェクションディスプレイにおけるスクリーンの側面図及び発光ガラスユニットの正面図である。また、図3(a)及び(b)は実施例1のプロジェクションディスプレイにおける発光ガラス層の構成を示す模式図であり、図4(a)及び(b)は実施例1のプロジェクションディスプレイにおけるスクリーンの構成を示す模式図である。なお、図1で示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図2(a)に示すように、スクリーン6はタイル状に形成される複数の発光ガラスユニット10が透明ガラス板11の背面に透明な接着剤12を用いて貼り付けられた構造となっている。なお、矢印Aはレーザ光7が入射する向きを示している。また、発光ガラスユニット10は、図2(b)に示すようにマトリクス状に形成された透明な発光ガラス層13aを多数備えており、発光ガラスユニット10はその端面と、端面の近傍にある発光ガラス層13aとの距離C,Dが、発光ガラス層13aのピッチP1,P2のそれぞれ1/2になるように形成されている。
このように、スクリーン6は液晶パネルやプラズマディスプレイなどとは異なり、それ自体には電気回路を一切持たず、互いに独立した複数の発光ガラスユニット10を縦横につなぎ合わせた構造となっている。従って、例えば、8インチ程度(約175mm×98mm)の発光ガラスユニット10を縦横に5枚組み合わせて配置することによれば、40インチサイズのスクリーン6を容易に製造することができる。また、発光ガラスユニット10のサイズや組み合わせ枚数を種々変えることで、アスペクト比が特殊なスクリーン6も容易に製造可能である。さらに、スクリーン6の大型化も容易である。すなわち、スクリーン6の設計上の制約が少ない。また、スクリーン6を製造する途中段階においては、スクリーン6を発光ガラスユニット10単体の集まりとして取り扱えば良いため、搬送や組み立ての作業性が良い。従って、製造コストを安くすることができる。さらに、良品の発光ガラスユニット10を選別してつなぎ合わせることによれば、品質の高い大型のスクリーン6が容易に形成される。すなわち、スクリーン6の製造歩留まりが向上する。従って、スクリーン6を安価に製造することが可能である。加えて、発光ガラス層13aが透明であり、スクリーン6は可視光が透過可能な構造となっているため、例えば、自動車の前面ウィンドウに貼り付けて、走行速度やエンジンの回転数、燃料の残量及び地図などのデータを表示する、いわゆるシースルーディスプレイとして使用することができる。
なお、本実施例では発光ガラスユニット10を透明ガラス板11に貼り付けているが、スクリーン6の構造はこれに限定されるものでなない。すなわち、スクリーン6は、透明ガラス板11の代わりに透明なプラスチック板又はフィルムに発光ガラスユニット10を貼り付けた構造としても良い。
図3(a)に示すように、発光ガラス層13aは紫外線によって励起されて赤(R)、緑(G)、青(B)のいわゆる光の三原色をそれぞれ発する蛍光体14a〜14cが横一線に配置されたトリプレット配列によって形成されている。なお、蛍光体14a〜14cの配列は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図3(b)に示すように、蛍光体14a,14bの下方に蛍光体14b,14cが配置されたクアッド配列によって形成される発光ガラス層13bを用いて発光ガラスユニット10を構成することもできる。
図4(a)に示すように、スクリーン6に用いられる発光ガラスユニット10は前面に透明な紫外光反射フィルム17が貼り付けられるとともに、背面に透明な紫外光反射膜18が発光ガラス層13a以外の領域を覆うように形成されている。ここで、矢印Aはレーザ光7が入射する向きを示しており、矢印Bは視聴者が観察する向きを示している。なお、紫外光反射膜18は、例えば、鉄(Fe)を発光ガラスユニット10の母材に塗布して吸着させることによって形成することができる。そして、その吸着方法については、後述する蛍光体14a等を形成する金属成分の吸着方法と同様の方法により行うことができる。また、図4(b)に示すように、スクリーン6は、発光ガラスユニット10の背面に紫外光反射膜18の代わりに、紫外光を透過し難い黒色膜19によって発光ガラス層13a以外の領域を覆われた構成とすることもできる。さらに、紫外光反射フィルム17の代わりに紫外光を反射する透明なガラスを発光ガラスユニット10の前面に貼り付けた構造としても良い。
このような構造によれば、紫外域のレーザ光7は紫外光反射フィルム17や紫外光反射膜18あるいは黒色膜19を透過しないため、外部へのレーザ光7の漏出が防止される。従って、視聴時の安全性を高めることができる。また、黒色膜19によって画像のコントラストが高まるため、スクリーン6に表示される画像の視認性が向上する。
発光ガラス層13aは、母材である高ケイ酸ガラス中に、蛍光体14a〜14cを形成する金属成分を所定の画素パターンで吸着させた後、還元性雰囲気中で焼成する方法によって製造される。以下、この製造方法について具体的に説明する。
まず、発光ガラス層13aの母材の原料として、ケイ素(SiO)を96重量%程度以上、好ましくは98重量%程度以上含有するとともに、多数の細孔を有する酸化物ガラスを用いる。なお、細孔径が大きすぎると、金属成分の吸着速度が遅くなり、逆に、細孔径が小さすぎると、ドープする金属成分の量が不足するおそれがあることから、平均細孔径は2〜8nm程度、好ましくは3〜6nm程度とする。また、空隙率が低すぎると、多孔質ケイ酸ガラスに金属成分が十分に吸着されず、逆に、空隙率が高すぎると、多孔質ケイ酸ガラスに割れが生じ易くなってしまうため、多孔質ケイ酸ガラスの空隙率を25〜45%程度とする。
ここで、本願明細書における平均細孔径は窒素吸着法によって求めた値であり、空隙率は多孔質ケイ酸ガラスの重量及び体積の測定値に基づいて、ケイ素の密度より空隙部分の割合を求めた値である。
このような構造の多孔質ケイ酸ガラスは、例えば、アルカリホウケイ酸塩ガラスに熱処理を施してSiOを主成分とする不溶相(ケイ酸相)と、Bを主成分とする可溶相(ホウ酸相)とに分相させた後、酸処理を施してアルカリ成分及びホウ酸等を溶出させることによって得ることができる。
具体的には、まず、SiOを45〜60重量%程度、Bを24〜40重量%程度、アルカリ金属酸化物を5〜10重量%程度、Alを1〜4重量%程度、CaOを2〜6重量%程度含有する原料を混合し、酸素を含む雰囲気中で1350〜1450℃程度の温度で加熱して溶融させた後、冷却することによりアルカリホウケイ酸塩ガラスを形成する。次に、酸素を含む雰囲気中でアルカリホウケイ酸塩ガラスを550〜650℃程度の温度で20〜80時間程度加熱してケイ酸相とホウ酸相とに分相させる。さらに、分相処理を施したアルカリホウケイ酸塩ガラスを硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸が0.5〜2規定程度の濃度で含まれる酸水溶液中に80〜100℃程度の温度条件で浸漬させる。その結果、アルカリホウケイ酸塩ガラスからホウ酸相が溶出して多孔質ケイ酸ガラスとなる。なお、浸漬時間が短すぎると、ホウ酸相が十分に溶出せず、逆に、長すぎると、ガラスに割れが生じ易くなることから、本実施例では浸漬時間を16〜40時間程度とすることが望ましい。また、酸処理は2回以上繰り返して行っても良い。さらに、母材とする多孔質ケイ酸ガラスの厚さは1〜2mm程度とすると良いが、特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
次に、多孔質ケイ酸ガラスに蛍光体14a〜14cを形成する金属成分を吸着させる方法について説明する。
蛍光体14aの金属成分としてSm2+、Mn2+、Eu3+などを用い、蛍光体14bの金属成分としてTb3+、Cu などを用い、蛍光体14cの金属成分としてEu2+、Sn2+ などを用いる。これらの金属成分は単独で用いても良いが、他イオンを共存させると発光強度が増加することから、例えば、Eu3+とY3+、Tb3+とCe3+のような他イオンを共ドープさせることが望ましい。ドープする金属成分の量は、50〜2000ppm程度、好ましくは、200〜500ppm程度とする。
そして、所定のマスクパターンを有するポリマーマスクを貼り付けた多孔質ケイ酸ガラスをこれらの金属成分を含む溶液中に浸漬させる。なお、多孔質ケイ酸ガラスを浸漬させる代わりに、この溶液を多孔質ケイ酸ガラスに塗布しても良い。また、所定のマスクパターンを形成した多孔質ケイ酸ガラスに化学気相成長法(CVD)やスパッタ等の気相法を利用して金属成分をドープさせることもできる。
金属成分を含む溶液として、目的とする発光色に応じた金属成分を含む硝酸塩、酸化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、有機金属塩等の化合物、これら化合物の水和物等を溶解した溶液を用いる。そして、溶媒には、水、有機溶媒などを用いる。
金属成分を含む化合物の濃度は0.1〜10重量%程度とする。ただし、金属成分の濃度が高すぎると、焼成時にガラス表面へ金属成分が析出したり、曇りが発生したりするおそれがある。また、濃度が低すぎるとガラスへの金属成分の吸着が不十分となり易い。
なお、多孔質ケイ酸ガラスに金属成分を吸着させた後、一旦これを乾燥し、再び金属成分を吸着させることもできる。また、この金属成分吸着工程と乾燥工程は、複数回繰り返して行っても良い。この場合、多孔質ケイ酸ガラスに金属成分が確実に吸着されることになる。
さらに、金属成分の吸着深さは、浸漬時間や塗布後の放置時間等の調整により制御可能である。すなわち、必要とする発光の程度に応じて金属成分の吸着深さを決めることができる。本実施例では、金属成分の吸着深さを50〜200μm程度としている。
このようにして金属成分が吸着された多孔質ケイ酸ガラスを焼成すると、細孔が消失するとともに、全体が収縮して透明なガラスとなる。なお、このときの焼成温度は900〜1600℃程度に設定する。これにより、多孔質ケイ酸ガラスの孔径や表面状態等が適切に制御される。従って、紫外光の透過性、耐熱性、化学的耐久性、機械的強度等に優れ、かつ、強い蛍光を発する発光ガラス層13aを得ることができる。これに対し、焼成温度を900℃より低く設定すると、十分な蛍光を発する発光ガラス層13aが得られない。また、焼成温度を1600℃より高く設定すると、焼成時に基質のガラスが軟化するおそれがある。
焼成時の雰囲気については、還元性雰囲気とすることが望ましい。この場合、大気中などの酸化雰囲気中で焼成する場合に比べて、発光強度の大きい発光ガラス層13aを得ることができる。これは、金属成分とガラスとの界面の状態が還元性雰囲気中で焼成する場合と酸化雰囲気中で焼成する場合とで異なるためと考えられる。なお、還元性雰囲気中で焼成するには、例えば、水素ガス等の還元性ガスの雰囲気中で焼成するか、あるいはカーボンを入れたアルミナるつぼ中で焼成すれば良い。
焼成時間は30分〜3時間程度とすることが望ましい。ただし、これに限定されるものではなく、目的とする焼成の程度に応じて適宜変更可能である。なお、焼成時間が極端に短すぎる場合には細孔が十分に消失しないおそれがあるため、注意が必要である。
焼成後のガラスは、例えば、一定温度の恒温槽内に設置する、あるいは大気中に放置するなどして冷却する必要がある。なお、放冷する代わりに、強制的に短時間で冷却しても良い。この場合、ガラスマトリックスと金属成分との反応が防止され、より強い蛍光を発する発光ガラス層13aが得られる。本実施例では、冷却速度を5℃/秒程度以上、好ましくは10℃/秒程度以上とする。ただし、これに限定されるものではなく、適宜設定可能である。
以上の方法によって、SiOを96重量%程度以上、Bを0.5〜3重量%程度、Alを0.1〜1.5重量%程度含有する発光ガラス層13aが得られる。このとき、蛍光体14a〜14cを形成する金属成分は、母材とする多孔質ケイ酸ガラスの細孔部の焼結によって形成されるシリカ相の界面部分に凝集することなく均一に分散した状態で存在している。従って、発光ガラス層13aにおいては、紫外光が可視光へ高効率で変換される。すなわち、この発光ガラス層13aを用いることによれば、高輝度の表示が可能なスクリーン6を製造することができるのである。なお、発光ガラス層13aは、ガラス母体が安定な酸化物ガラスであるため、耐熱性、化学的耐久性、機械的強度等に優れている。従って、紫外光の照射による欠陥が発生し難い。また、発光ガラス層13aには、多量のケイ素が含まれているため、ガラス母体は紫外光の透過率が高く、短波長の光によっても蛍光体14a〜14cが容易に励起される。さらに、発光ガラス層13aは、透明性に優れているため、シースルーデバイス用のスクリーンに用いることができる。
実施例2のプロジェクションディスプレイについて図5を用いて説明する(特に、請求項7に対応)。
図5は本発明の実施の形態に係るプロジェクションディスプレイの実施例2の構成を示す模式図である。なお、図1に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本実施例のプロジェクションディスプレイ1bは、実施例1のプロジェクションディスプレイ1aにおいて蛍光体14a〜14cにそれぞれ対応する光源2a〜2c、映像信号変調器15a〜15c及び音響光学素子16a〜16cと、反射鏡20a,20bと、リレーレンズ4bとを備えたことを特徴としている。
このような構造のプロジェクションディスプレイ1bにおいては、光源2aから出力されて映像信号変調器15a及び音響光学素子16aによって変調されたレーザ光7aと、光源2bから出力されて映像信号変調器15b及び音響光学素子16bによって変調されたレーザ光7bとが反射鏡20a,20bによって反射されて、光源2cから出力されて映像信号変調器15c及び音響光学素子16cによって変調されたレーザ光7cに混合された後、1本のレーザ光7dとなってリレーレンズ4bを通過して光偏向手段5に達する。このとき、レーザ光7dは、実施例1のように光源2を単独で用いた場合のレーザ光7の3倍の強度となる。すなわち、本実施例によれば、光源の出力が弱い場合にも高輝度の映像をスクリーン6に表示させることが可能となるのである。
なお、光源2a〜2c、映像信号変調器15a〜15c及び音響光学素子16a〜16cを配置する順番は図5に示される場合に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
以上説明したように、請求項1乃至請求項7に記載された発明は、ショーウィンドウや自動車の窓ガラス等に映像を表示するシースルータイプのディスプレイや大型テレビに対して適用可能である。
本発明の実施の形態に係るプロジェクションディスプレイの実施例1の構成を示す模式図である。 (a)及び(b)はそれぞれ実施例1のプロジェクションディスプレイにおけるスクリーンの側面図及び発光ガラスユニットの正面図である。 (a)及び(b)は実施例1のプロジェクションディスプレイにおける発光ガラス層の構成を示す模式図である。 (a)及び(b)は実施例1のプロジェクションディスプレイにおけるスクリーンの構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るプロジェクションディスプレイの実施例2の構成を示す模式図である。
符号の説明
1a,1b…プロジェクションディスプレイ 2…光源 2a〜2c…光源 3…光変調手段 4a,4b…リレーレンズ 5…光偏向手段 5a…垂直偏向鏡 5b…水平偏向鏡 6…スクリーン 7…レーザ光 7a〜7d…レーザ光 8…走査線 9…帰線 10…発光ガラスユニット 11…透明ガラス板 12…接着剤 13a,13b…発光ガラス層 14a〜14c…蛍光体 15…映像信号変調器 15a〜15c…映像信号変調器 16…音響光学素子 16a〜16c…音響光学素子 17…紫外光反射フィルム 18…紫外光反射膜 19…黒色膜 20a,20b…反射鏡 A,B…矢印 C,D…距離 P1,P2…ピッチ

Claims (7)

  1. 紫外域のレーザ光を発する光源と、このレーザ光の輝度を変調する光変調手段と、この変調されたレーザ光を反射して2次元的に走査する光偏向手段と、この光偏向手段によって前記変調されたレーザ光が照射されるスクリーンとを備え、このスクリーンはマトリクス状に形成された透明な発光ガラス層を備え、この発光ガラス層は前記レーザ光に励起されて可視光を発する蛍光体を含むことを特徴とするプロジェクションディスプレイ。
  2. 前記スクリーンは、タイル状に形成される複数の発光ガラスユニットから形成され、この発光ガラスユニットは、マトリクス状に形成された発光ガラス層を備えることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションディスプレイ。
  3. 前記スクリーンは、前記レーザ光を反射する透明部材によって前記発光ガラス層以外の領域が被覆されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロジェクションディスプレイ。
  4. 前記スクリーンは、紫外光が透過し難い黒色部材によって前記発光ガラス層以外の領域が被覆されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロジェクションディスプレイ。
  5. 前記光偏向手段は前記レーザ光を反射する少なくとも2枚の反射鏡と、これらの反射鏡が互いに連動するように所望の周波数で傾動させる駆動手段からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプロジェクションディスプレイ。
  6. 前記レーザ光は、略250乃至400nmの範囲内の波長を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプロジェクションディスプレイ。
  7. 複数組の前記光源及び前記光変調手段を備えるとともに、各光変調手段によって変調された前記レーザ光を反射して混合する反射鏡を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のプロジェクションディスプレイ。
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