JP2008160226A - 受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広帯域において、アンテナのインピーダンス変化に追従して安定的にインピーダンス整合をとる。
【解決手段】局部発振回路3を共用した同一構成のメインチューナ4とサブチューナ5を設け、アンテナインピーダンスの異なるタップにメインチューナ4とサブチューナ5を接続する。各チューナは、同一の周波数に対してチューニングを行う。CPU11は、メインチューナ4とサブチューナ5間で受信信号強度又はS/N比が同程度になるように、インピーダンス整合器1のリアクタンスを調整する。また、メインチューナ4とサブチューナ5間における受信信号強度又はS/N比の差分に応じてリアクタンスを調整することにより、アンテナ本体2の形状変化等に由来するインピーダンス変化に対応する。
【選択図】図1
【解決手段】局部発振回路3を共用した同一構成のメインチューナ4とサブチューナ5を設け、アンテナインピーダンスの異なるタップにメインチューナ4とサブチューナ5を接続する。各チューナは、同一の周波数に対してチューニングを行う。CPU11は、メインチューナ4とサブチューナ5間で受信信号強度又はS/N比が同程度になるように、インピーダンス整合器1のリアクタンスを調整する。また、メインチューナ4とサブチューナ5間における受信信号強度又はS/N比の差分に応じてリアクタンスを調整することにより、アンテナ本体2の形状変化等に由来するインピーダンス変化に対応する。
【選択図】図1
Description
本発明は、放送波などの電波を受信する受信装置に関する。特に、広帯域において、アンテナの形状変化等に由来するアンテナのインピーダンス変化に追従して、リアルタイムにインピーダンス整合をとる制御手法に関する。
携帯電話機、携帯型ラジオ受信機及び携帯型テレビ受信機などの携帯機器において、MF帯からUHF帯までの広帯域で安定した受信感度が求められている。ところが、小型機器である携帯機器にてMF帯、VHF帯及びUHF帯の各周波数帯域の電波を受信する場合、安定した受信利得を得るためには、通常、各帯域用のアンテナが夫々必要となる。また、波長の長いMF帯を受信しようとする場合は、携帯機器に備えられる短いアンテナでは所望の利得を得られる受信帯域が狭くなり、アンテナのインピーダンス調整を細かく行わなくては受信感度が低下するという問題もある。これらの問題は、携帯機器の小型化とコスト削減を困難なものとしており、単一のアンテナにて広帯域の受信を安定して実現可能な受信装置が求められている。
尚、通信機では、通常、送信電力を利用して進行波と反射波からVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)を算出し、これに基づいてアンテナのインピーダンスを調整する。しかしながら、この手法は、送信電力が必要であるため電力消費の増大を招く。また、放送波に割り当てたれた周波数帯で電波を放射することは、法規上、認められないため、この手法を受信装置に適用することは適切ではない。
また、受信装置のアンテナとしてイヤホンアンテナなどが用いられる場合がある。イヤホンアンテナは、通常メーカーによって仕様と形状が異なるため、アンテナとしてのインピーダンスが様々である。また、持ち運びされることからアンテナの形状が固定されないと共にアンテナに対する人体の影響も一定でないため、アンテナのインピーダンス変化に絶えず追従しなければ、受信する放送波の受信信号強度が安定しにくい。
RFチューナ側でアンテナのインピーダンス変化に対応することも考えられるが、RFチューナで実施されるのは、受信信号のフィルタリングとAGC(Auto Gain Control)による受信信号の増幅であるため、受信信号と同時にノイズも増幅してしまう。従って、受信を希望する電波の電界強度がノイズレベルに近いと、アンテナ側でインピーダンス調整をしなくては所望のS/N比が得られず、結果、安定した放送波の受信は困難となる。
また、下記特許文献1には以下のような技術が開示されている。RFチューナへのRF信号を受信するアンテナシステムのインピーダンスに基づいて、RFチューナのRF入力フィルタの周波数応答調整を行う。インピーダンスに合わせて設計されていないアンテナ入力におけるアンテナシステムインピーダンスによりRFチューナで発生したミスチューニングの状態を、その周波数応答調整によって、RFチューナ側で補償する。RFチューナのRF入力フィルタの周波数応答性は、チューニング周波数で測定されたパラメータに基づき、制御電圧信号によって調整可能になっている。
特許文献1に記載の技術では、チューナ側でインピーダンス整合をとるための調整が実施されることになる。受信装置の小型化等を目的として、一般的に、チューナはシリコン基板上に形成されるが、そのようなチューナにおいて、大きなリアクタンス成分及びキャパシタンス成分を得ることは困難である。特許文献1に記載の技術の場合、可変容量ダイオードのキャパシタンス成分を変動させることによってインピーダンスを整合させようとしているが、通常、キャパシタンスの変動範囲は50pF(ピコファラッド)以下であり、その程度の変動範囲では、MF帯のような比較的低周波の帯域に対応することは到底できない(即ち、MF帯でのインピーダンス整合が困難である)。
本発明は、上記の点に鑑み、広帯域において、安定的にインピーダンス整合をとることのできる受信装置を提供することを目的とする。特に、広帯域において、アンテナのインピーダンス変化に追従して安定的にインピーダンス整合をとることのできる受信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る受信装置は、第1チューナと、単一のアンテナ本体と前記第1チューナとの間に介在し、両者間のインピーダンス整合を行うためのコイル回路を備え、前記コイル回路内に設けたタップに前記第1チューナを接続したインピーダンス整合器と、前記コイル回路のリアクタンスを調整して前記インピーダンス整合をとる調整手段と、前記インピーダンス整合器を介して前記アンテナ本体に接続された第2チューナと、を備えた受信装置であって、前記第1チューナと前記第2チューナは、共通の周波数の局部信号を使用して、同一の周波数に対してチューニングを行い、前記タップと異なる、前記コイル回路内の他のタップに前記第2チューナを接続することによって、前記第1チューナに対するアンテナインピーダンスと前記第2チューナに対するアンテナインピーダンスとを異ならせ、前記調整手段は、前記第1チューナ及び前記第2チューナの受信信号強度又はS/N比を比較対象とし、前記第1チューナと前記第2チューナ間で前記比較対象を比較して、その比較結果に基づいて前記コイル回路のリアクタンスを調整することにより前記インピーダンス整合をとることを特徴とする。
アンテナインピーダンスが異なるタップに第1チューナと第2チューナを接続して、両者の受信信号強度又はS/N比を比較する。そして、この比較結果を参照しつつ、例えば第1チューナの受信信号強度又はS/N比が最大(或いは最大付近)となる状態を探索し、これによってインピーダンス整合をとる。これにより、安定的にインピーダンス整合をとることが可能である。また、チューナ側でなく、コイル回路を利用してアンテナ側でインピーダンス調整を行うため、MF帯を含む広帯域での対応が可能である。
また例えば、前記調整手段は、前記第1チューナの比較対象と前記第2チューナの比較対象との差分に基づいて前記アンテナ本体のインピーダンスの変化状態を判断し、その判断結果に基づいて前記コイル回路のリアクタンスを調整することにより前記インピーダンス整合をとる。
これにより、アンテナ本体のインピーダンス変化に追従して、安定的にインピーダンス整合をとることが可能となる。
また例えば、前記調整手段は、単位時間あたりの前記比較対象の変化量を監視し、前記変化量に応じて前記リアクタンスの調整を行う。
これにより、前記比較対象の変化量に応じた迅速な調整が可能となる。
また例えば、当該受信装置は、前記比較対象としての、前記受信信号強度又は前記S/N比を記憶する記憶手段を備えている。
また例えば、前記第1チューナと前記第2チューナは、同じ構成を有する。
本発明に係る受信装置によれば、広帯域において、安定的にインピーダンス整合をとることができる。また、広帯域において、アンテナのインピーダンス変化に追従して安定的にインピーダンス整合をとることができる。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る受信装置の構成及び基本的機能について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る受信装置の回路構成図である。図1の受信装置は、アンテナインピーダンス整合器1(以下、インピーダンス整合器1と略記する)と、アンテナ本体2と、局部発振回路3と、メインチューナ4と、サブチューナ5と、制御電圧ジェネレータ8と、信号測定回路9と、CPU(Central Processing Unit)11と、データメモリ12と、プログラムメモリ13と、を備えて構成される。
インピーダンス整合器1は、FET(Field effect transistor)から成るスイッチSW1及びSW2と、可変ローディングコイル16と、可変コイル17及び18と、コイル19と、を備える。
メインチューナ4は、RFアンプ41と、ミキサ42と、可変フィルタ45と、信号強度検出回路47と、S/N比検出回路48と、を備える。サブチューナ5は、RFアンプ51と、ミキサ52と、可変フィルタ55と、信号強度検出回路57と、S/N比検出回路58と、を備える。
RFアンプ41及び51は同じものであり、ミキサ42及び52は同じものであり、可変フィルタ45及び55は同じものであり、信号強度検出回路47及び57は同じものであり、S/N比検出回路48及び58は同じものである。即ち、メインチューナ4とサブチューナ5の構成は、基本的に同じとなっており、メインチューナ4とサブチューナ5は、同一の所望の周波数に同調をとる。
但し、メインチューナ4のみに局部発振回路3が設けられており、メインチューナ4とサブチューナ5は、この1つの局部発振回路3を共用する。尚、局部発振回路3がメインチューナ4の外に設けられていると考えても構わない。また、信号強度検出回路47及びS/N比検出回路48が、メインチューナ4の外に設けられていると考えても構わない。同様に、信号強度検出回路57及びS/N比検出回路58が、サブチューナ5の外に設けられていると考えても構わない。
可変ローディングコイル16、可変コイル17、可変コイル18及びコイル19は、この順番で直列接続されて直列回路を形成している。アンテナ本体2の一端は、この直列回路を介して基準電位点に接続されている。より具体的には、アンテナ本体2の一端は、可変ローディングコイル16の一端に接続され、可変ローディングコイル16、可変コイル17、可変コイル18及びコイル19をこの順番で介して基準電位点に接続されている。
可変ローディングコイル16と可変コイル17の接続点(以下、タップTP1という)は、スイッチSW1を介してRFアンプ51の入力端子に接続されている。可変コイル17と可変コイル18の接続点(以下、タップTP2という)は、RFアンプ41の入力端子に直接接続されている。可変コイル18とコイル19の接続点(以下、タップTP3という)は、スイッチSW2を介してRFアンプ51の入力端子に接続されている。CPU11は、可変ローディングコイル16、可変コイル17及び18の各インダクタンスを可変設定することにより、可変ローディングコイル16、可変コイル17及び18の各リアクタンスを調整する。コイル19のインダクタンスは固定されている。
アンテナ本体2は、図示されない送信装置から送信されてきた無線電波を受信する。受信した無線電波に応じた高周波信号が、タップTP1、TP2及びTP3に現れる。タップTP2に現れた高周波信号はRFアンプ41に入力される。RFアンプ41は、入力された高周波信号を増幅し、増幅後の信号をミキサ42に出力する。ミキサ42は、局部発振回路3にて生成された所定の周波数を有する局部信号とRFアンプ41の出力信号とを混合することによってIF信号を生成し、このIF信号を可変フィルタ45に送る。
可変フィルタ45は、フィルタ特性を変更可能なバンドパスフィルタであり、ミキサ42からのIF信号から通過帯域内の信号成分を抽出し、抽出によって得られた信号を出力する。信号強度検出回路47は、可変フィルタ45の出力信号の信号強度(換言すれば、メインチューナ4の受信信号強度)を検出する。S/N比検出回路48は、可変フィルタ45の出力信号における信号対雑音比(以下、「S/N比」という)を検出する。可変フィルタ45の出力信号、並びに、信号強度検出回路47及びS/N比検出回路48の各検出結果を表す信号は、信号測定回路9によって読み取られる。また、可変フィルタ45の出力信号に基づいて受信電波の表す情報(映像情報や音声情報)が復元され、該情報に従って映像表示や音声出力などが実現される。
尚、可変フィルタ45は、フィルタ特性を変更可能なハイパス可変フィルタと、フィルタ特性を変更可能なローパス可変フィルタを、組み合わせることによって実現される。可変フィルタ55も同様である。
スイッチSW1及びSW2は、CPU11からのスイッチ制御信号に応じて、択一的にオンする。従って、スイッチSW1がオンの時、スイッチSW2はオフとされ、スイッチSW2がオンの時、スイッチSW1はオフとされる。スイッチSW1がオンの時、タップTP1に現れる高周波信号がRFアンプ51に入力される一方、スイッチSW2がオンの時、タップTP3に現れる高周波信号がRFアンプ51に入力される。
RFアンプ51は、スイッチSW1又はSW2を介して入力された信号を増幅し、増幅後の信号をミキサ52に出力する。ミキサ52は、局部発振回路3にて生成された上記局部信号とRFアンプ51の出力信号とを混合することによってIF信号を生成し、このIF信号を可変フィルタ55に送る。
可変フィルタ55は、フィルタ特性を変更可能なバンドパスフィルタであり、ミキサ52からのIF信号から通過帯域内の信号成分を抽出し、抽出によって得られた信号を出力する。信号強度検出回路57は、可変フィルタ55の出力信号の信号強度(換言すれば、サブチューナ5の受信信号強度)を検出する。S/N比検出回路58は、可変フィルタ55の出力信号におけるS/N比を検出する。可変フィルタ55の出力信号、並びに、信号強度検出回路57及びS/N比検出回路58の各検出結果を表す信号は、信号測定回路9によって読み取られる。
信号測定回路9によって読み取られた信号(或いは、該信号によって表される情報)は、必要に応じて、CPU11に伝達される。
以下、メインチューナ4に関して述べられる信号強度及びS/N比は、信号強度検出回路47及びS/N比検出回路48によって検出されたそれらを指すものとし、サブチューナ5に関して述べられる信号強度及びS/N比は、信号強度検出回路57及びS/N比検出回路58によって検出されたそれらを指すものとする。
制御電圧ジェネレータ8は、CPU11の制御の下、所望の電圧値を有する制御電圧を生成し、その制御電圧を可変フィルタ45及び55に与える。可変フィルタ45及び55に与えられる制御電圧は同じものである。可変フィルタ45及び55の夫々の通過帯域は、与えられた制御電圧によって定まり、該制御電圧に応じて変化する。
CPU11は、プログラムメモリ13に格納されたプログラムに従って図1の各部の動作を統括的に制御すると共に、必要なデータをデータメモリ12に記録させる。
CPU11は、受信を希望する電波(放送波など)の周波数及び該電波の変調方式に応じ、制御電圧ジェネレータ8にて生成される制御電圧を制御し、これによって可変フィルタ45及び55の通過帯域を調節する。変調方式として、AM(Amplitude Modulation)方式、FM(Frequency Modulation)方式及びSSB変調(Single Side Band amplitude modulation)方式などがある。また、受信周波数に隣接する他局の周波数による混信に備えると共にS/N比の向上を図るべく、CPU11は、制御電圧ジェネレータ8に対する制御を介して、可変フィルタ45及び55の通過帯域を調節する。
ここで、「受信周波数」とは、図1の受信装置が受信を希望する電波(主として、放送波)の周波数を表し、それは、ユーザからの操作等に従って決定される。受信周波数は、上記の局部信号の周波数と、可変フィルタ45(又は55)の通過帯域の中心周波数と、の差分周波数となる。
メインチューナ4とサブチューナ5は、同一のアンテナ本体2に接続され該アンテナ本体2を介して同じ周波数の電波を受信するのであるが、両チューナは、アンテナインピーダンスが異なる箇所(タップ)に接続されている。即ち、図1に示す如く、メインチューナ4とサブチューナ5は、インピーダンス整合器1内の異なる箇所(タップ)に接続されている。これにより、メインチューナ4に対するアンテナインピーダンスに比べてサブチューナ5に対するアンテナインピーダンスは高く或いは低くなる。
「メインチューナ4に対するアンテナインピーダンス」とは、メインチューナ4から見た(より詳しくはRFアンプ41から見た)、アンテナ本体2とインピーダンス整合器1の合成回路の出力インピーダンスを意味する。「サブチューナ5に対するアンテナインピーダンス」とは、サブチューナ5から見た(より詳しくはRFアンプ51から見た)、アンテナ本体2とインピーダンス整合器1の合成回路の出力インピーダンスを意味する。
また、タップTP1又はTP3からの高周波信号はスイッチSW1又はSW2によって減衰するため、何ら補間をしなければ、この減衰量の分、メインチューナ4とサブチューナ5間で信号強度が異なってしまうが、RFアンプ41及び51は、この減衰に起因するメインチューナ4とサブチューナ5間の信号強度の相違を排除する機能をも担う。尚、CPU11にて、上記の減衰量を計算を介して補間することも可能である。
可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18の各インダクタンスの可変手法について説明する。各インダクタンスを可変とすることにより、可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18の各リアクタンスも可変となる。
図2は、可変ローディングコイル16の内部回路図である。図2に示す如く、可変ローディングコイル16は、複数のコイルL1〜L5を直列接続した直列回路によって形成され、コイルL1側の直列回路の一端がアンテナ本体2に接続され、コイルL5側の直列回路の他端がタップTP1に接続される。コイルL1とL2間の接続点、コイルL2とL3間の接続点、コイルL3とL4間の接続点、及び、コイルL4とL5間の接続点は、夫々、FET1、FET2、FET3及びFET4を介して、タップTP1に接続されている。CPU11は、FET1〜FET4のオン/オフを制御することにより、可変ローディングコイル16のインダクタンス(及びリアクタンス)を可変設定する。
図3は、可変コイル17の内部回路図である。図3に示す如く、可変コイル17は、複数のコイルL6〜L8を直列接続した直列回路によって形成され、コイルL6側の直列回路の一端がタップTP1に接続され、コイルL8側の直列回路の他端がタップTP2に接続される。タップTP1とコイルL6間の接続点、コイルL6とL7間の接続点、及び、コイルL7とL8間の接続点は、夫々、FET5、FET6及びFET7を介して、タップTP2に接続されている。CPU11は、FET5〜FET7のオン/オフを制御することにより、可変コイル17のインダクタンス(及びリアクタンス)を可変設定する。
また、アンテナ本体2にかかるリアクタンス成分を微調整するべく、コイルL6〜L8の各インダクタンスは、図2のコイルL1〜L5の各インダクタンスよりも小さくされる。
可変コイル18も、図3の可変コイル17と同様の構成を有しているため、可変コイル18の内部回路図の図示及び説明を省略する。尚、可変ローディングコイル16が5個のコイルL1〜L5から形成される場合を例示したが、勿論、コイルの個数は、5以外であってもよい。また、可変コイル17(又は18)が3個のコイルL6〜L8から形成される場合を例示したが、勿論、コイルの個数は、3以外であってもよい。
[インピーダンス整合方法の説明]
次に、図1の受信装置におけるインピーダンス整合方法について説明する。
次に、図1の受信装置におけるインピーダンス整合方法について説明する。
インピーダンス整合をとるために、信号測定回路9は、メインチューナ4とサブチューナ5の信号強度及びS/N比を同時に読み取る。即ち、同時刻における、メインチューナ4とサブチューナ5の信号強度及びS/N比を読み取る。この際、スイッチSW1及びSW2は択一的にオンとされる。信号測定回路9によって読み取られた内容は、CPU11に伝達される。
CPU11は、信号強度及びS/N比をメインチューナ4とサブチューナ5間で比較し、この比較結果に基づいてインピーダンス調整を実施する。この比較により、メインチューナ4にとってのインピーダンス整合状態がサブチューナ5にとってのインピーダンス整合状態よりも良いか否かを判断できる。勿論、信号強度は信号強度同士で比較され、S/N比はS/N比同士で比較される。図4(a)〜(c)に、この対比結果の概念図を示す。
図4(a)は、スイッチSW1をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりもメインチューナ4のそれらの方が高く、且つ、スイッチSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりもメインチューナ4のそれらの方が低い状態に対応している。図4(a)に対応するこの状態を、以下、「低リアクタンス状態」という。受信装置が低リアクタンス状態にあるとき、CPU11は、メインチューナ4に対してインピーダンス整合がとれておらず、アンテナ本体2までのリアクタンス成分が小さい(低い)と判断する。そして、この場合、CPU11は、可変ローディングコイル16のリアクタンスが増加する方向に可変ローディングコイル16を調整する。
図4(b)は、スイッチSW1をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりもメインチューナ4のそれらの方が低く、且つ、スイッチSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりもメインチューナ4のそれらの方が高い状態に対応している。図4(b)に対応するこの状態を、以下、「高リアクタンス状態」という。受信装置が高リアクタンス状態にあるとき、CPU11は、メインチューナ4に対してインピーダンス整合がとれておらず、アンテナ本体2までのリアクタンス成分が大きい(高い)と判断する。そして、この場合、CPU11は、可変ローディングコイル16のリアクタンスが減少する方向に可変ローディングコイル16を調整する。
上記の調整を繰り返すことにより、メインチューナ4にとってのインピーダンス整合状態がサブチューナ5にとってのインピーダンス整合状態よりも良くなる状態を探索する。即ち、図4(c)に示す如く、スイッチSW1をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりもメインチューナ4のそれらの方が高く、且つ、スイッチSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりもメインチューナ4のそれらの方が高くなる状態が実現されるように、可変ローディングコイル16のリアクタンスを調整する。図4(c)に対応するこの状態を、以下、「中間リアクタンス状態」という。
中間リアクタンス状態が実現された後、CPU11は、可変コイル17と18のリアクタンスを減少させてゆくことによってメインチューナ4に対するアンテナインピーダンスを更に細かく調整し、メインチューナ4及びサブチューナ5に対するアンテナインピーダンスが同程度になったと判断した時点でアンテナインピーダンスの調整を終了する。尚、可変コイル17と18のリアクタンスを減少させてゆく過程において、或いは、アンテナインピーダンスの調整の終了後、可変フィルタ45(及び55)の通過帯域を狭めて混信を防止する。
[図5;動作フロー]
次に、上述のインピーダンス整合方法を、図5のフローチャートを参照して更に詳細に説明する。図5は、インピーダンス整合をとるための動作の流れを表すフローチャートである。
次に、上述のインピーダンス整合方法を、図5のフローチャートを参照して更に詳細に説明する。図5は、インピーダンス整合をとるための動作の流れを表すフローチャートである。
まず、ステップS1において、CPU11は、アンテナ本体2がMF(Medium Frequency)帯、VHF(Very High Frequency)帯及びUHF(Ultra High Frequency)帯のどの周波数帯の電波を受信しているかを、アンテナ本体2を介してメインチューナ4(又はサブチューナ5)に入力されている信号の周波数から読み取る。そして、読み取った受信周波数帯に適したマッチング回路構成が形成されるように、インピーダンス整合器1を制御する。受信周波数帯に応じたマッチング回路構成の形成手法については後述する。
次に、ステップS2において、CPU11は、ユーザからの操作等に従って決定される受信を希望する電波の周波数(即ち、受信周波数)に合わせて、メインチューナ4及びサブチューナ5のチューニングを行う。即ち、受信周波数に応じて、可変フィルタ45及び55の通過帯域を適切に設定し、受信周波数に同調をとる。
続いて、ステップS3において、CPU11は、データメモリ12に受信周波数に応じた過去の調整データが記録されているか否かを確認し、記録されている場合はステップS4に移行する一方、記録されていない場合はステップS5に移行する。調整データには、可変ローディングコイル16、可変コイル17及び18の各インダクタンスを定めるデータが含まれており、それらは、受信周波数と関連付けられつつデータメモリ12に記録されている。
ステップS4において、CPU11は、可変ローディングコイル16、可変コイル17及び18の各リアクタンスが、現在の受信周波数に対応する調整データに応じた各リアクタンスとなるように、インピーダンス調整を実施する。
データメモリ12には、上記の調整データの他に、MF帯、VHF帯及びUHF帯の各周波数帯に適応した初期調整データが予め格納されている。ステップS5において、CPU11は、可変ローディングコイル16、可変コイル17及び18の各リアクタンスが、現在の受信周波数帯に適応する初期調整データに応じた各リアクタンスとなるように、インピーダンス調整を実施する(即ち、各リアクタンスを所定の初期値に設定する)。
ステップS4又はS5の処理の後、ステップS6に移行する。ステップS6では、信号測定回路9が、メインチューナ4とサブチューナ5の夫々の、現在の信号強度及びS/N比を測定する(読み取る)。この際、CPU11がスイッチSW1及びSW2をオン/オフ制御することにより、スイッチSW1のオン時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比と、スイッチSW2のオン時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比と、を交互に測定するようにする。そして、信号測定回路9は、CPU11を介して、測定した各信号強度及び各S/N比を、「現在の受信周波数並びに可変ローディングコイル16、可変コイル17及び18の各インダクタンス(又は各リアクタンス)」を特定するデータと共に、それらを互いに関連付けつつ、データメモリ12に保存する。
ステップS6の後、ステップS8に移行する。ステップS8〜S10では、CPU11が、現在の信号強度及びS/N比を、メインチューナ4とサブチューナ5間で比較する。勿論、信号強度は信号強度同士で比較され、S/N比はS/N比同士で比較される。
まず、ステップS8では、メインチューナ4の信号強度及びS/N比がスイッチSW1をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりも高いか否かを判断し、前者が後者よりも高い場合はステップS10に移行する一方、そうでない場合はステップS9に移行する。
ステップS9では、メインチューナ4の信号強度及びS/N比がスイッチSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりも高いか否かを判断し、前者が後者よりも高い場合はステップS13に移行する一方、そうでない場合はステップS3に戻る。
ステップS10では、メインチューナ4の信号強度及びS/N比がスイッチSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比よりも高いか否かを判断し、前者が後者よりも高い場合はステップS11に移行する一方、そうでない場合はステップS12に移行する。
図4(a)に対応する低リアクタンス状態が実現されている時、ステップS12に移行し、図4(b)に対応する高リアクタンス状態が実現されている時、ステップS13に移行し、図4(c)に対応する中間リアクタンス状態が実現されている時、ステップS11に移行することになる。
ステップS11において、CPU11は、可変コイル17と18の各リアクタンスを所定量減少させることによって、メインチューナ4に対するアンテナインピーダンスを微調整する。
ステップS12において、CPU11は、可変ローディングコイル16のリアクタンスを所定量増加させることによって、メインチューナ4に対するアンテナインピーダンスを増加させる。一方、ステップS13において、CPU11は、可変ローディングコイル16のリアクタンスを所定量減少させることによって、メインチューナ4に対するアンテナインピーダンスを減少させる。ステップS12又はS13の後、ステップS6に戻り、上述の各処理が繰り返される。
ステップS11の後、ステップS14において、CPU11は、現在の信号強度及びS/N比を、メインチューナ4とサブチューナ5間で比較する。サブチューナ5に関しては、スイッチSW1がオン時の信号強度及びS/N比と、スイッチSW2がオン時の信号強度及びS/N比と、が比較の対象となる。勿論、信号強度は信号強度同士で比較され、S/N比はS/N比同士で比較される。ステップS14において比較の対象となる信号強度及びS/N比として、ステップS6にて測定されたそれらを用いることも可能であるが、比較の対象となる信号強度及びS/N比をステップS14にて再測定することも可能である。
そして、スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4とサブチューナ5の信号強度及びS/N比が同程度であると判断される時、ステップS15に移行し、そうでない時、ステップS6に戻る。より具体的には、以下の第1及び第2条件の双方を満たす時にステップS15に移行し、そうでない時にステップS6に戻るようにする。
第1条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4の信号強度とサブチューナ5の信号強度との差が所定の閾値以下である」という条件である。
第2条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4のS/N比とサブチューナ5のS/N比との差が所定の閾値以下である」という条件である。
第1条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4の信号強度とサブチューナ5の信号強度との差が所定の閾値以下である」という条件である。
第2条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4のS/N比とサブチューナ5のS/N比との差が所定の閾値以下である」という条件である。
また、ステップS14において、以下の第3及び第4条件の双方を満たす時にステップS15に移行し、そうでない時にステップS6に戻るようにしてもよい。
第3条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4とサブチューナ5の信号強度が共に所定の閾値以上である」という条件である。
第4条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4とサブチューナ5のS/N比が共に所定の閾値以上である」という条件である。
第3条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4とサブチューナ5の信号強度が共に所定の閾値以上である」という条件である。
第4条件は、「スイッチSW1及びSW2の何れをオンとしたとしても、メインチューナ4とサブチューナ5のS/N比が共に所定の閾値以上である」という条件である。
ステップS15では、現在の受信周波数に対するアンテナインピーダンスの調整が完了したと判断して、CPU11が現在の受信周波数に対する調整データを生成し、この調整データを現在の受信周波数と関連付けてデータメモリ12に保存する。ここで生成及び保存される調整データは、現時点の可変ローディングコイル16、可変コイル17及び18の各インダクタンスを定めるデータ(図2や図3における何れのFETをオンするかを表すデータ)を含む。その調整データは、以後、ステップS3及びS4に至った場合に、過去の調整データとして取り扱われる。尚、ステップS15を省略し、ステップS6にて保存されたデータを調整データとして取り扱うことも可能である。
ステップS15の処理を終えると、一旦、図5の動作は完了するのであるが、信号測定回路9は常にメインチューナ4の信号強度とS/N比を監視しており、特異イベントが発生した時(ステップS7)、ステップS8に移行して上述の各ステップの処理を実施する。メインチューナ4の信号強度とS/N比(或いは、それらの一方)が突然変化した時、または、メインチューナ4の信号強度とS/N比(或いは、それらの一方)が所定の閾値以下になった時、特異イベントが発生したと判断する。但し、この時、ステップS8等の処理を実現するために、ステップS8の処理を実行する前に、ステップS6における測定処理と同等の測定処理を実施しておく。また、メインチューナ4の信号強度とS/N比の単位時間当たりの変化量が所定の変化量閾値以上となった時、メインチューナ4の信号強度とS/N比が突然変化したと判断される。
尚、ステップS6及び/又はステップS15にてデータメモリ12に保存されるデータ(又は調整データ)の中に、その時の可変フィルタ45及び55の通過帯域を特定するデータを含めるようにしても良い。このデータは、再度、同一又は類似する周波数の電波を受信する時に利用可能であり、この利用によって、インピーダンス整合に必要な時間を短縮することができる。
図6(a)〜(d)を参照して、インピーダンス整合方法について補足説明する。S/N比に着目する。便宜上、スイッチSW1をオンした時におけるサブチューナ5のS/N比を「第1のS/N比」と呼び、スイッチSW2をオンした時におけるサブチューナ5のS/N比を「第2のS/N比」と呼ぶ。
図6(a)〜(d)の各グラフおいて、曲線100は、メインチューナ4のS/N比の周波数依存性を表している。メインチューナ4に対してインピーダンス整合がとれている状態ではメインチューナ4に受信周波数の信号成分が強く入力され、その状態においてメインチューナ4のS/N比は最大値をとる。S/N比が最大値をとる周波数は、メインチューナ4の共振周波数である。
図6(a)〜(d)の各グラフにおいて、Mfは、曲線100上の、メインチューナ4のS/N比に対応する周波数を表し、Sf1は、曲線100上の、第1のS/N比に対応する周波数を表し、Sf2は、曲線100上の、第2のS/N比に対応する周波数を表す。
図6(a)は、メインチューナ4のS/N比が第1のS/N比よりも低く且つ第2のS/N比よりも高くなる状態(図4(b)の高リアクタンス状態)に対応しており、この状態においては、メインチューナ4の共振周波数は周波数Mfよりも高いことになる。図6(a)の状態が観測されるとき、図5のステップS13の如く、可変ローディングコイル16のリアクタンスが減少するように可変ローディングコイル16を調整する。
図6(b)は、メインチューナ4のS/N比が第1のS/N比よりも高く且つ第2のS/N比よりも低くなる状態(図4(a)の低リアクタンス状態)に対応しており、この状態においては、メインチューナ4の共振周波数は周波数Mfよりも低いことになる。図6(b)の状態が観測されるとき、図5のステップS12の如く、可変ローディングコイル16のリアクタンスが増加するように可変ローディングコイル16を調整する。
図6(c)は、メインチューナ4のS/N比が第1及び第2のS/N比よりも高くなる状態(図4(c)の中間リアクタンス状態)に対応しており、この状態においては、メインチューナ4の共振周波数は、周波数Mfに近く(或いは一致し)、周波数Sf2から周波数Sf1の範囲内にある。
従って、図6(c)の状態が観測されたならば、図5のステップS11の如く、可変コイル17及び18の各リアクタンスを小さくしてゆき、サブチューナ5にとってのリアクタンス成分をメインチューナ4のそれに近づけてゆく。この際、メインチューナ4にとってのリアクタンスが保持されるように、可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18の各リアクタンスのバランスをとりながら、可変コイル17及び18の各リアクタンスを小さくしてゆく。
可変コイル17及び18の各リアクタンスを小さくしてゆくことによって、最終的に、上述の第2又は第4条件が満たされることになる。図6(d)は、第4条件が満たされた状態を表しており、図6(d)の縦軸におけるTHは、第4条件における閾値を表している。この状態では、アンテナ本体2とメインチューナ4との間でインピーダンス整合がとられている。
次に、ステップS7に対応する特異イベントが発生した時の動作について説明を加える。
ステップS7に対応する特異イベントが発生した時、それが、現場における受信電波の電界強度の変化に由来するものか、或いは、アンテナ本体2の形状変化等に由来するものかの判断を行うようにする。この判断のために、CPU11は、その時のメインチューナ4の信号強度及びS/N比とサブチューナ5の信号強度及びS/N比が同程度であるかを判別する。
この判別は、例えば、特異イベントの発生時におけるメインチューナ4とサブチューナ5の信号強度及びS/N比に対して、上記第1及び第2条件が成立するか否かを判別することによって行われる。そして、上記第1及び第2条件が成立する場合は、特異イベントの発生が現場における受信電波の電界強度の変化に由来するものと判断する。この場合、インピーダンス整合状態は維持されているため、可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18の各リアクタンスは、現状のまま維持される。
一方、上記第1及び第2条件が成立しない場合、特異イベントの発生がアンテナ本体2の形状変化等に由来するものと判断する。特異イベントの発生がアンテナ本体2の形状変化等に由来すると判断された場合、再びメインチューナ4とサブチューナ5の信号強度及びS/N比が同程度となるように、即ち、再びアンテナ本体2とメインチューナ4との間でインピーダンス整合がとられるように、インピーダンス整合器1を調整する。例えば、スイッチSW1をオンとした時のサブチューナ5のS/N比(又は信号強度)からメインチューナ4のS/N比(又は信号強度)を差し引くことによって得られる値が正である場合、アンテナ本体2のインピーダンスが増加したと判断できる。これは、図6(c)又は(d)の状態から図6(a)の状態に移行する場合に対応している。従って、この場合、可変ローディングコイル16のリアクタンスが減少するように可変ローディングコイル16を調整すればよい。逆の場合も同様である。
また、この調整の際、各信号強度及び各S/N比の単位時間(例えば、100ミリ秒)当たりの変化量を監視して、この変化量に応じて調整を実施するようにすると良い。図1の受信装置を携帯機器(不図示)などに組み込んだ場合、アンテナ本体2の形状変化やアンテナ本体2に対する人体の影響の変化が継続的に発生することが多い。そこで、各変化量から、どれだけどの方向にアンテナインピーダンスの調整を行えばよいかを予測しつつ調整を行って、調整を迅速に且つリアルタイムに行う。
これを実現するために、メインチューナ4の信号強度及びS/N比の夫々の単位時間当たりの変化量をCPU11が読み取る。更に、スイッチSW1とSW2を単位時間が経過するごとに交互にオンとすることによって、スイッチSW1をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比の夫々の単位時間当たりの変化量、並びに、スイッチSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の信号強度及びS/N比の夫々の単位時間当たりの変化量を、CPU11が読み取る。
そして、CPU11は、読み取った各変化量に基づいて、アンテナ本体2のインピーダンスが増加する方向に向かっているのか或いは減少する方向に向かっているのかを判断し、その判断結果に応じて各リアクタンスを調整する。
S/N比に着目して具体例を挙げる。或る着目期間において、図6(d)に対応するインピーダンス整合状態から図6(a)に対応する状態(高リアクタンス状態)に遷移したとする。CPU11は、その着目期間における各S/N比の変化量に基づいて、アンテナ本体2のインピーダンスが増加したと認識すると共にその増加を打ち消す方向にインピーダンス整合器1を調整する。即ち、アンテナ本体2とメインチューナ4との間で再度インピーダンス整合をとらせるべく、可変ローディングコイル16のリアクタンスを減少させる方向に調整する。必要に応じて、可変コイル17及び18の各リアクタンスの調整も行う。
アンテナ本体2の形状変化等に由来してアンテナ本体2のインピーダンスが増加した場合、その後も、更にアンテナ本体2のインピーダンスが増加していくことが考えられる。従って、着目期間においてアンテナ本体2のインピーダンスが増加したと判断される場合、そのインピーダンスが今後も増加していくと予想し、今後の増加分をも打ち消すように、可変ローディングコイル16のリアクタンスを多めに減少させてもよい。
また、その着目期間における各S/N比の変化量に基づけば、アンテナ本体2とメインチューナ4との間でインピーダンス整合をとるために、どの程度、各リアクタンスを変化させればよいかを推測可能である。そのため、CPU11は、着目期間における各S/N比の変化量に基づいてアンテナ本体2のインピーダンスの変化量を計算し、その計算結果に基づいて可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18の各リアクタンスの変更量を決定するとよい。
例えば、各S/N比の変化量が大きくメインチューナ4のS/N比とスイッチSW1(又はSW2)オン時におけるサブチューナのS/N比が比較的大きくずれた場合は、可変ローディングコイル16のリアクタンスの変更量を比較的多くし、各S/N比の変化量が小さくメインチューナ4のS/N比とスイッチSW1(又はSW2)オン時におけるサブチューナのS/N比が比較的小さくずれた場合は、可変ローディングコイル16のリアクタンスの変更量を比較的小さくする。これらのフィードバック処理を繰り返し実施することで、リアルタイムにメインチューナ4の受信状態が最適な状態に保たれる。尚、各S/N比の変化量に応じて各リアクタンスの変更量を定めるに伴い、可変フィルタ45及び55の通過帯域の調整も速く或いは遅くするとよい。
変化量に基づく調整手法の具体例をS/N比のみに着目して説明したが、信号強度に基づいて調整する場合も同様である。
[インピーダンス整合の帯域ごとの具体例]
次に、放送波の異なる帯域ごとに、インピーダンス整合の具体的手法を説明する。
次に、放送波の異なる帯域ごとに、インピーダンス整合の具体的手法を説明する。
AMラジオを受信する場合、CPU11は、MF帯の受信に適したマッチング回路構成が形成されるように、インピーダンス整合器1を制御する。通常、受信する周波数が低い場合は大きなリアクタンス成分が必要となり、周波数が高い場合は小さいリアクタンス成分が必要となる。従って、AMラジオを受信する場合、大きいリアクタンス成分が得られるようにインピーダンス整合器1を制御する。より具体的には、可変ローディングコイル16のリアクタンス成分が比較的大きくなるように、図2のFET1〜4を全てオフとする或いはタップTP1側に近いFETをオンとする。VHF帯及びUHF帯を受信する際に形成されるマッチング回路構成では、可変ローディングコイル16において、アンテナ本体2により近いFETがオンとされる。MF帯の電波の波長は約185メートル以上あるため、アンテナ本体2は高短縮型アンテナとなる。このため、受信可能な周波数帯域が狭くなり、アンテナ本体2の形状変化の影響が大きい。
FMラジオ又はTV(テレビジョン)放送の1〜12ch(チャネル)を受信する場合、CPU11は、VHF帯の受信に適したマッチング回路構成が形成されるように、インピーダンス整合器1を制御する。VHF帯の電波の波長は約1.95〜3.95メートルであるため、アンテナ本体2は短縮型アンテナとなる。その波長は、MF帯のそれよりも短いものの、アンテナ本体2の形状変化や人体の影響に由来する、アンテナ本体2のインピーダンス変化を考慮する必要がある。
従って、MF帯又はVHF帯の電波を受信する際、上述のようなインピーダンス整合方法の実施は有益である。即ち、メインチューナ4とサブチューナ5の信号強度及びS/N比の高低関係に基づいて、アンテナ本体2とメインチューナ4との間のインピーダンス整合がとられる方向にインピーダンス整合器1を調節する。また、アンテナ本体2のインピーダンス変化にリアルタイムに追従してインピーダンス整合状態を維持するべく、上述の如く、各信号強度の変化量及び各S/N比の変化量に基づき、アンテナ本体2のインピーダンスの変化(単位時間当たりの変化量)を監視する。そして、アンテナ本体2のインピーダンスが増加していく方向に向かっている場合は、可変ローディングコイル16のリアクタンスを減らす方向に調整する。一方、アンテナ本体2のインピーダンスが減少していく方向に向かっている場合は、可変ローディングコイル16のリアクタンスを増加させる方向に調整する。
TV放送の13〜62ch(チャネル)を受信する場合、CPU11は、UHF帯の受信に適したマッチング回路構成が形成されるように、インピーダンス整合器1を制御する。UHF帯の電波の波長は約39〜64センチメートルであるため、アンテナ本体2は非短縮型アンテナとなる。しかしながら、アンテナ本体2の形状が変化すると、アンテナ本体2のインピーダンス変化が見られる。
従って、UHF帯の電波を受信する際においても、上述のようなインピーダンス整合方法の実施は有益である。即ち、メインチューナ4とサブチューナ5の信号強度及びS/N比の高低関係に基づいて、アンテナ本体2とメインチューナ4との間のインピーダンス整合がとられる方向に、インピーダンス整合器1を調節する。
また、UHF帯の電波の受信を想定した場合、可変コイル17及び18の夫々に並列に接続された可変容量ダイオード(図1において不図示)のキャパシタンス成分の調整も有益である。即ち、インピーダンス整合器1において、図7に示す如く、可変コイル17に可変容量ダイオード61を並列接続し、可変コイル18に可変容量ダイオード62を並列接続しておく。そして、上述の如く、各信号強度の変化量及び各S/N比の変化量に基づき、アンテナ本体2のインピーダンスの変化(単位時間当たりの変化量)を監視する。
そして、アンテナ本体2のインピーダンスが増加していく方向に向かっている場合は、キャパシタンス成分を増やすために、可変容量ダイオード61及び62に加わる電圧を下げて可変容量ダイオード61及び62の容量が上がる方向に調整する。一方、アンテナ本体2のインピーダンスが減少していく方向に向かっている場合は、キャパシタンス成分を減らすために、可変容量ダイオード61及び62に加わる電圧を上げて可変容量ダイオード61及び62の容量が下がる方向に調整する。
上述の如く、メインチューナ4及びサブチューナ5の各信号強度及び各S/N比を参照してメインチューナ4の信号強度及びS/N比が最大となる状態を探索することにより、擬似的に最良点を見つけ出し、これによってインピーダンス整合を実現する。
また、アンテナ本体2のインピーダンス変化に追従したインピーダンス調整が行われるため、アンテナ本体2の形状変化や人体の影響に由来する受信状態の変化が抑制される。更に、チューナ側でなく、可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18を含むコイル回路を利用してアンテナ側でインピーダンス調整を行うため、インピーダンス整合をとれる周波数範囲が広くなり、MF帯、VHF帯及びUHF帯を含む広帯域での対応が可能である。
尚、上述の説明では、信号強度とS/N比の双方に着目してインピーダンス整合をとるための制御を実施しているが、何れか一方のみに着目して同様の制御を実現することも可能である。
信号強度に着目する場合は、S/N比に基づく判断及び制御は不要である(例えば、上述の説明文中におけるS/N比に関する記述を無視すればよい)。この場合、インピーダンス整合をとるために、メインチューナ4の信号強度とスイッチSW1及びSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の各信号強度とが同程度となるように、可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18の各リアクタンスを調整すればよい。
同様に、S/N比に着目する場合は、信号強度に基づく判断及び制御は不要である(例えば、上述の説明文中における信号強度に関する記述を無視すればよい)。この場合、インピーダンス整合をとるために、メインチューナ4のS/N比とスイッチSW1及びSW2をオンとした時におけるサブチューナ5の各S/N比とが同程度となるように、可変ローディングコイル16並びに可変コイル17及び18の各リアクタンスを調整すればよい。
また、図1の受信装置1では、単一の局部発振回路3にて生成される単一の局部信号をメインチューナ4とサブチューナ5にて共用しているが、サブチューナ5に局部発振回路(不図示)を別個に設けて、その局部発振回路にて生成される局部信号をミキサ52に与えるようにしてもよい。この場合、メインチューナ4に設けられた局部発振回路3が生成する局部信号と、サブチューナ5に設けられた局部発振回路(不図示)が生成する局部信号と、が共通の周波数(究極的には、完全同一の周波数)を持つようにするとよい。ここにおける共通の周波数とは、或る程度の誤差を含む、幅を持った周波数と解釈されるべきである。
しかしながら、この場合、双方の局部発振回路に高精度の振動子が必要となると共に1つ分の局部発振回路の設置面積及びコストが増大する。また、完全に同一の周波数を発振させることはできないため、局部信号の周波数ずれも問題となる。このため、図1の如く、単一の局部発振回路3を共用することが望ましい。
本発明に係る受信装置は、携帯電話機、携帯型ラジオ受信機及び携帯型テレビ受信機などの携帯機器に、特に好適である。
1 アンテナインピーダンス整合器
2 アンテナ本体
3 局部発振回路
4 メインチューナ
5 サブチューナ
8 制御電圧ジェネレータ
9 信号測定回路
11 CPU
12 データメモリ
13 プログラムメモリ
16 可変ローディングコイル
17、18 可変コイル
SW1、SW2 スイッチ
41、51 RFアンプ
42、52 ミキサ
45、55 可変フィルタ
47、57 信号強度検出回路
48、58 S/N比検出回路
2 アンテナ本体
3 局部発振回路
4 メインチューナ
5 サブチューナ
8 制御電圧ジェネレータ
9 信号測定回路
11 CPU
12 データメモリ
13 プログラムメモリ
16 可変ローディングコイル
17、18 可変コイル
SW1、SW2 スイッチ
41、51 RFアンプ
42、52 ミキサ
45、55 可変フィルタ
47、57 信号強度検出回路
48、58 S/N比検出回路
Claims (5)
- 第1チューナと、
単一のアンテナ本体と前記第1チューナとの間に介在し、両者間のインピーダンス整合を行うためのコイル回路を備え、前記コイル回路内に設けたタップに前記第1チューナを接続したインピーダンス整合器と、
前記コイル回路のリアクタンスを調整して前記インピーダンス整合をとる調整手段と、
前記インピーダンス整合器を介して前記アンテナ本体に接続された第2チューナと、を備えた受信装置であって、
前記第1チューナと前記第2チューナは、共通の周波数の局部信号を使用して、同一の周波数に対してチューニングを行い、
前記タップと異なる、前記コイル回路内の他のタップに前記第2チューナを接続することによって、前記第1チューナに対するアンテナインピーダンスと前記第2チューナに対するアンテナインピーダンスとを異ならせ、
前記調整手段は、前記第1チューナ及び前記第2チューナの受信信号強度又はS/N比を比較対象とし、前記第1チューナと前記第2チューナ間で前記比較対象を比較して、その比較結果に基づいて前記コイル回路のリアクタンスを調整することにより前記インピーダンス整合をとる
ことを特徴とする受信装置。 - 前記調整手段は、前記第1チューナの比較対象と前記第2チューナの比較対象との差分に基づいて前記アンテナ本体のインピーダンスの変化状態を判断し、その判断結果に基づいて前記コイル回路のリアクタンスを調整することにより前記インピーダンス整合をとる
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 前記調整手段は、単位時間あたりの前記比較対象の変化量を監視し、前記変化量に応じて前記リアクタンスの調整を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信装置。 - 前記比較対象としての、前記受信信号強度又は前記S/N比を記憶する記憶手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の受信装置。 - 前記第1チューナと前記第2チューナは、同じ構成を有する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の受信装置。
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Cited By (2)
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JP2010087768A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Kenwood Corp | アンテナ整合装置及びその制御方法 |
KR20160129062A (ko) | 2014-04-01 | 2016-11-08 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 안테나 정합 장치 |
-
2006
- 2006-12-21 JP JP2006343688A patent/JP2008160226A/ja active Pending
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KR20160129062A (ko) | 2014-04-01 | 2016-11-08 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 안테나 정합 장치 |
US9774312B2 (en) | 2014-04-01 | 2017-09-26 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Antenna matching apparatus |
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