JP2008159792A - 放熱構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放熱性を確保しながら放熱経路全体の熱応力を低下させる上で有益で、かつ製造が容易で安価な放熱構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 基部1と該基部に立つフィン3とを備える一体物の放熱構造体10であって、放熱構造体が2種以上の金属から構成され、基部およびフィンの少なくとも一方が、材料中に空隙を有する部材を構成部分1Sに含むものであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放熱構造体およびその製造方法に関し、より具体的には、各種の半導体デバイスの温度上昇を抑えるための放熱構造体およびその製造方法に関するものである。
高速のデータ処理演算装置、通信装置、自動車等には多くの半導体デバイスが用いられており、これらの半導体デバイスからは損失電力に起因する多くの熱が発生する。これら装置では、装置の大容量化、小型化、処理の高速化などに伴い、半導体デバイスから発生する熱問題が深刻化している。十分な放熱をしない場合には、半導体デバイスの温度が上昇し、正常な動作を遂行することができなくなるので、半導体デバイスには放熱フィンを設けた放熱板を接続する方策がとられてきた。上記放熱板の配設は、半導体デバイスの温度上昇を抑制する上では有効に機能するが、放熱経路に大きな熱勾配が生じるため、放熱経路に剥離、反りなどの熱変形が発生し、大きな問題となっている。
上記半導体デバイスの放熱経路における熱応力は、古くから問題とされ、多くの取り組みがなされてきた。たとえば、半導体素子に近似した熱膨張係数をもち、熱伝導性にも優れたW、Mo等の粒子にCuまたはAgのめっき層を形成した複合粒子を成形・焼結した後、断面減少率50%以上の圧延を行うという放熱部材製造方法の提案がなされた(特許文献1)。この方法によれば、上記焼結圧延された単一の部材は、強度・靭性および熱伝導性に優れ、ならびに熱膨張係数が半導体素子に近似するために、放熱経路における熱応力を抑制することができる。また、放熱経路に、長い細線を一塊に丸めたものを配置して、熱経路を確保しながら熱変形を上記丸めた細線によって吸収する方策が提案された(特許文献2)。また、半導体デバイスを固定する部材を、摺動自在に線状接触する2つの部材に分けることにより、熱応力を低減する方策も提案されている(特許文献3)。
近年、ハイブリッドカーや電気自動車などの実用化に伴い、大容量のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、MOSFET( Metal Oxide Semiconductor
Field Effect Transistor)が用いられ、上記の熱応力の課題解決は、熱量の増大に加えて小サイズ化の制約が課せられ、さらにハードルが高くなっている。このような課題に対して、セラミックス基板と、Cu、Mo、Wなどの3層構造の放熱板とを用いたセラミックス回路基板の提案がなされている(特許文献4)。このセラミックス回路基板には、Mo、Wなどの半導体素子に近い熱膨張係数をもつ金属と、熱伝導性に優れたCuとを組み合わせた3層構造の放熱板を用いるので、熱応力を抑制し、かつ熱伝導性を確保して放熱性を高めることができる。
特開平5−243436号公報 特開平9−260555号公報 特開平9−331002号公報 特開2006−100640号公報
上記IGBTなどのパワーデバイスを用いた半導体パワーモジュールは、現在、自動車等において非常に広範に使用され、上記の特許文献4に示すように、放熱経路に複数の材料(複数の金属層、セラミックス層)を用いることにより、放熱性を確保しながら熱応力を抑制する方策が有力な一方策として地位を占めるにいたっている。そのなかでフィンをもつ部材である放熱構造体は、各種のパワーモジュールに汎用的に用いられるので、具体的に内容の明示はされないものの放熱経路全体にとって有益であり、かつ容易に製造できることが要求されている。すなわち、放熱経路の最終部分を構成する部品であるフィンをもつ放熱構造体について、放熱経路全体にとって有益であり、かつ放熱性を確保しながら安価で容易に製造できることが求められている。
本発明は、放熱経路全体に有益で、かつ放熱性を確保しながら製造が容易で安価な放熱構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の放熱構造体は、基部と該基部に立つフィンとを備える一体物の放熱構造体であって、放熱構造体が2種以上の金属から構成される。そして、基部およびフィンの少なくとも一方が、材料中に空隙を有する部材(以下、「含空隙部材」と記す。)を構成部分に含むものであることを特徴とする。
この構成により、2種以上の金属で形成された放熱構造体を一体物の部品の形態で得ることができるので、放熱性を確保しながら放熱構造体それ自身で熱応力を軽減でき、かつパワーデバイスからの放熱経路において、熱応力を緩和するための他の部材の材料の組み合わせの選択の自由度を増すことができ、たとえば価格重視の組み合わせ、放熱性重視の組み合わせ、または小型化(薄型化)重視の組み合わせ等を選択することができる。その際、上記含空隙部材は、溶射法や電鋳法やゾルゲル法等により簡単に形成できるので、上記基部とフィンとを備える一体物の部品である放熱構造体を容易に、かつ安価に製造することができる。また、上記含空隙部材は、当該含空隙部材そのものだけでも、ある程度の強度および熱伝導性を確保した上で、上記の作用効果を得ることができるので、それだけで用いてもよい。また、上記含空隙部材は、強度および熱伝導性を一層向上させるために、その含空隙部材に他の金属が含浸されたものであってもよい。
上記によれば、本発明では、「放熱経路全体に有益であること」の具体的内容として、一体物の部品である放熱構造体により、放熱性を確保しながら放熱構造体自身により熱応力を低減すること及び、熱応力低減のための放熱経路の他の部分の材料選択の自由度を高めること、を挙げるものである。また、含空隙部材を構成部分に含むとは、基部の場合は含空隙部材が基部の全面にわたって形成された層(厚み方向については多数層の一つの層または全層)を構成することをさし、またフィンの場合はフィンのほとんどを含空隙部材が構成することをさす。
また、上記の基部が、単一の金属層からなるか、または含空隙部材層を含んで異なる2種以上の金属層からなることを特徴とする。この構成によれば、異種金属で構成されるこの放熱構造体を、用途や価格等に条件に応じて、また金属素材の組み合わせに応じて、適切な部分に適切な金属の含空隙部材層を、たとえば溶射法または電鋳法またはゾルゲル法により、簡単に形成することができる。上記の単一の金属層は、圧延または押し出しなどの塑性加工やダイキャスト等の鋳造加工で形成された金属体をいう。
また、上記の基部またはフィンは、含空隙部材に金属が含浸されたものであることを特徴とする。この構成により、基部またはフィンの強度を高め、熱伝導性を高めることができる。なお、含浸された金属は、「放熱構造体が2種以上の金属から構成される」における金属の種類数のカウント対象外とする。
また、上記の含空隙部材の表面から、所定深さだけ金属が含浸されている構成としてもよい。これにより、強度および熱伝導性をある程度確保できるようにしながら、含浸処理工程の簡単化をはかることができ、製造コスト低減を実行することができる。また、含浸処理の長時間化にともなう熱変形などを防止する点からも好ましい。
本発明の放熱構造体の製造方法は、基部と該基部に立つフィンとを備える一体物の放熱構造体の製造方法である。この製造方法は、基部または基部を構成する一つの層、となる金属板を準備する工程と、金属板の上に、その金属板と異なる種類の金属のフィンおよび/または基部層を、溶射法または電鋳法またはゾルゲル法により形成する工程とを備えることを特徴とする。
上記の方法によれば、放熱構造体における含空隙部材を形成している金属材料を他の構成部の金属材料と変えることにより、一体物の部品である放熱構造体を簡単に製造することができる。この結果、放熱性を確保しながら放熱構造体それ自身で熱応力を低減でき、かつパワーデバイスの放熱経路の他の部材について、熱応力を抑制するための材料選択の自由度を高めることができ、パワーデバイスが用いられる装置の条件に応じて、熱応力を抑制しながら適切な材料選択をすることが可能となる。なお、上記の「基部または基部を構成する一つの層」には、フィンが形成されていてもよいし、またフィンがなくてもよい。
溶射法は、溶融金属を対象箇所に照射する溶融溶射法であってもよいし、固体状態の材料粒子を臨界速度以上の速度で対象箇所に照射して付着させるコールドスプレー法であってもよい。電鋳法は電気分解による電着を利用して、鋳型で鋳物をつくるように原形と同じものを複製する方法である。また、ゾルゲル法は、常用されている金属酸化物のゾルまたはゲルを成形し、乾燥固化し、還元して金属にしたものである。いずれの方法かは、放熱構造体のミクロ組織を光学顕微鏡観察または走査型電子顕微鏡観察などにより、特定することができる。
また、上記のフィンを基部上に溶射法により形成する際、メタルマスクを用いることができる。これにより、基部上に、基部を構成するいずれかの金属層と相違する種類の金属により、フィンを比較的精度よく、簡単かつ安価に、溶射法により形成することができる。
また、上記のフィンを基部上に、電鋳法またはゾルゲル法により形成する際、抜き型を用いることができる。これにより、基部上に、基部を構成するいずれかの金属層と相違する種類の金属により、フィンを比較的精度よく、簡単かつ安価に、電鋳法またはゾルゲル法により形成することができる。
本発明の放熱構造体およびその製造方法によれば、放熱性を確保しながら放熱経路全体にとって有益で、かつ製造が容易で、安価な放熱構造体を提供することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における放熱構造体を示す斜視図である。また、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。この放熱構造体10は、基部1と、立壁状のフィン3とを備える。基部1は、さらに溶射法または電鋳法またはゾルゲル法で形成された金属層1Sと、押し出し加工によって立壁状のフィンと一体成形された金属層1bとから構成されている。基部1において、金属層1Sと、金属層1bとは、異なる金属で形成される。たとえば金属層1Sは銅または銅合金で形成され、金属層1bおよびフィン3はアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成される。また、金属層1bおよびフィン3が銅または銅合金で、金属層がMo、Wなどの金属または合金であってもよい。
金属層1Sを形成するための溶射法は、溶融状態または半溶融状態に加熱した金属を搬送ガスに搬送させて、基部の金属層1bに積層する溶射法を用いることができる。溶射材料を加熱するための熱源として、ガス炎を用いるガス溶射、液体燃料炎を用いるフレーム溶射またはアーク溶射、プラズマ溶射、レーザ溶射、線爆溶射などがあり、どのような熱源を用いてもよい。金属原料は、ワイヤまたは粉末状態のものを用いることができる。上記の溶射法は、一般に熱溶射(Thermal Spray)法と呼ばれる溶射方法であり、本発明にいう溶射法には、熱溶射法のうちのどのような溶射法を用いてもよい。
さらに上記の溶射法は、コールドスプレー(Cold Spray)法であってもよい。コールドスプレー法は、固体の金属粒子を、400〜600℃程度の作動ガスに乗せて、たとえば500m/秒以上の超音速の衝突速度にして溶射箇所に当てて付着させて金属層1Sを形成する。作動ガスは、空気、窒素、ヘリウム等を用いることができるが、コストの点から空気を用いるのがよい。作動ガスを固体粒子とともに送り出すノズルは、先細末広(ラバル)ノズルがよく、ノズルののど部(くびれた部分)以降で超音速流が実現する。ノズル後方から供給された固体粒子を加速させて基材に衝突させる。固体粒子の衝突速度が臨界速度以上であれば金属層1Sを形成するが、臨界速度以下では金属層1Sを形成することはない。臨界速度は、固体(金属)粒子の種類、作動ガスの種類によって変わるが、銅粒子の場合、約800m/秒の衝突速度で70%以上の溶射効率を得ることができる。このほか鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケルクロム(Ni−Cr)合金、タンタ(Ta)、タングステンカーバイドコバルト(WC−Co)合金、ニッケルクロムアルミイットリウム(NiCrAlY)合金などの層を形成することができる。
本実施の形態におけるゾルゲル法では、まず金属アルコキシド溶液にアルコールを添加して混合溶液をつくる。次にこの混合溶液に加水分解に必要な水および触媒として機能する硝酸などを加えて出発溶液を調整する。この出発溶液を一定温度で攪拌してアルコキシドの加水分解と重縮合反応とを起こし、金属の水酸化微粒子を生成させ、ゾルを作る。このゾルを積層対象箇所にコートして、加水分解・重縮合反応を進行させ、流動性のない成形状態のゲルにする。この後、ゲルを加熱乾燥して金属酸化物を得て、その後、水素ガス等により還元する。上記の金属層1Sを形成する場合、押し出し加工によりフィン3と一体成形された基部の金属層1bを、金属カチオンを含むゾル溶液に浸漬し、引き上げる乾燥する処理(ディップコーティング)を複数回繰り返すか、またはスピンコートするのがよい。そのほか、ゾル溶液の調整方法などについては、ゾルゲル法で常用されている方法を用いることができる。
上記の含空隙部材における空隙の割合は25体積%以下とするのがよく、より好ましくは10体積%以下とすることが望ましい。含空隙部材における空隙の割合が25体積%を超えると強度が不足して放熱構造体の製造時の取り扱いに注意が必要となる。空隙の割合を25体積%以下とすることにより製造時の取り扱いにおける注意は必要なくなるが、過酷な条件で使用される場合、使用時の強度不足の懸念がある。空隙の割合を10体積%以下とすることにより、過酷な条件下であっても強度不足の懸念は払拭される。金属の含浸は、含空隙部材の強度を向上させるのに有効である。上記の溶射法または電鋳法またはゾルゲル法で形成された金属層1Sは材料中に空隙が存在するので、溶融状態の金属を含浸させて用いることができる。含浸させる金属としては半田等が、融点が低いため好ましいが、低融点金属でなくてもよい。金属層1Sに溶融金属を含浸させることにより、強度および熱伝導性を向上させることができ、放熱性を十分確保できる。上述のように、含浸された金属は、「放熱構造体が2種以上の金属から構成される」における金属の種類数にはカウントしないこととする。すなわち含浸された金属は、放熱構造体を構成する金属種の数には影響しない。
図3は、実装したパワーデバイス30の放熱経路を例示する断面図である。図3において、パワーデバイス30は実装基板31に実装されるが、この実装基板31は、配線層31a/絶縁層31b/接続層31cなどの3層構造によって構成されている。配線層31aとしては銅配線やアルミ配線が、絶縁層31bとしてはAlNなどの熱伝導性に優れ、電気絶縁性が良好なものが、また接続層31cには銅やアルミが、それぞれ用いられる。実装基板31の下方にはCuMo等で形成されたヒートスプレッダ33が配置され、その下方に、本実施の形態の放熱構造体10が一体物の部品として配置される。この放熱構造体10では、基部1の金属層1Sは銅で、金属層1bとフィン3とはアルミの押し出し加工で形成されている。放熱構造体10は、主にフィン3を介して、水等の熱媒体に接触して、パワーデバイスに源を発する熱を放散する。
上記のパワーデバイス30の放熱経路では、たとえば(パワー半導体素子30/Al配線層31a/AlN絶縁層31b/Al接続層31a/CuMo板33/Cu層1S/Al層1b/Alフィン3)という多くの種類の材料で構成される。このように多くの種類の材料は、また多くの種類の熱膨張係数の部分で構成されることを意味する。放熱経路を多種の熱膨張係数の部分で構成すると、熱応力を緩和するのが容易になることは、計算上からもまた経験上からも確認されている。上記放熱構造体10は、一体物の部品であるにもかかわらず、異なる2種以上の金属で構成されているので、それ自体で熱応力の緩和に有益に作用することができる。また、基部およびフィンを異なる2種以上の金属で構成することにより、単一の金属で放熱構造体10すべてを構成した場合に比べて、パワーデバイス30に近い放熱経路の他の構成部材に対する材料選択の自由度を高めることができる。そして、放熱構造体10の基部1およびフィン3の少なくとも一方を、溶射法または電鋳法またはゾルゲル法で形成することにより、上記のような、放熱経路に対する有益な作用を非常に容易に、かつ安価に得ることができる。
パワーデバイス30に近い放熱経路の構成部材に対する材料選択の自由度を高めるとは、例をあげれば、熱応力緩和のために厚くしていたヒートスプレッダ33を薄くして経路の薄肉化をはかり、放熱性の向上、装置の小型化および軽量化をはかることができること等をさす。あるいは、実装基板31における配線層31aをAlでなくCuに代え、接続層31cのAlをCuに代えることができることをさす。このように放熱経路を構成する部材の材料選択の自由度を高めることにより、さらに放熱性を高めたり、小型化、軽量化をはかったり、また製造コストを低減することが可能になる。上記のパワーデバイスは、ハイブリッドカーや電気自動車の発展につれ非常に数多く使用されるため、上記の放熱経路を少しでも低いコストで製造できることは、非常に重要である。上記の作用効果をもたらすように、一体物の部品を2種以上の金属で、かつ製造が容易で安価な、材料中に空隙を有する形態の金属材料で、構成した点に本発明のポイントがある。
図4は、本発明の実施の形態1における放熱構造体の変形例を示す斜視図である。図4に示す放熱構造体10は、図1の放熱構造体の立壁状のフィン3を棒状のフィン5に代えただけであり、基部1に溶射法または電鋳法またはゾルゲル法で形成された金属層1Sを含む点では同じである。図4に示す放熱構造体10における基部1bと棒状のフィン5とは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等を冷間鍛造の一種であるフレクションプレス(Flection Press)によって、一体成形により製造することができる。このフレクションプレスによれば、フラットタイプのフィンは別にして、通常、ピン径1mm〜5mm、ピン高さ5mm〜10mm、ピンのピッチ1mm〜5mm、基部厚み2mm〜4mmの基部+フィンの放熱構造体を冷間で一体成型加工することができる。
図4の放熱構造体10についても、金属層1Sを、上述の溶射法または電鋳法またはゾルゲル法により形成することができ、そのため容易かつ安価に2種以上の金属で形成された放熱構造体10を得ることができる。その結果、図3に示す放熱経路の最終段に配置されて、上記のようなパワーデバイス30に近い部分の放熱経路の部材の材料選択の自由度を高めたり、放熱構造体10自身が熱応力の緩和に有効に作用したりする。
すなわち、上記の放熱構造体10は、基部およびフィンを異なる2種以上の金属で構成することにより、単一の金属で放熱構造体10すべてを構成した場合に比べて、放熱経路全体の構成部材に対する材料選択の自由度を高めることができる。そして、放熱構造体10の基部1およびフィン3の少なくとも一方に、溶射法または電鋳法またはゾルゲル法で形成された部分を含ませることにより、上記のような、放熱経路に対する有益な作用を非常に容易に、かつ安価に得ることができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における放熱構造体を示す断面図である。この放熱構造体10は、基部1と、立壁状のフィン3Sまたは棒状のフィン5Sとから形成されている。本実施の形態では、基部1は単一の金属板であり、圧延加工または押し出し加工などの金属板を用い、上記フィン3S,5Sを溶射法または電鋳法またはゾルゲル法で形成した点に特徴がある。フィン3S,5Sには、はんだが含浸されている。
図5の放熱構造体10を、溶射法で製造する方法を図6に示す。溶射法は、上述の溶射材料をアークで加熱するなどする溶射法であってもよいし、コールドスプレー法であってもよい。ポイントは、フィン3S,5Sを形成するのにメタルマスク15を用いる点にある。メタルマスクパターンの開口部を通った材料が溶射箇所に衝突して積層して、フィン3S,5Sを形成する。フィン3S,5Sの形状は、多少、下広で上狭の断面が錘状になり、側面が基部1の面に直角に立ち上がらなくてもよい。またエッチング処理を行うことにより、直角またはそれに近づくように整形を施してもよい。メタルマスク15は、所定の回数使用して開口部が狭くなったら交換するのがよく、開口部が狭くなったメタルマスク15はブラッシング処理を行って付着材料を落とすことで、繰り返し使用することができる。
図7および図8は、電鋳法またはゾルゲル法によってフィン3Sもしくは5S、または基部の含空隙部材層1Sとフィン3Sもしくは5Sとの一体部材を製造する方法を説明する図である。電鋳法またはゾルゲル法によりフィン3Sまたは5Sを含む部材を形成する方法のポイントは、抜き型21を用いる点にある。周壁部材23は、抜き型21と一体であってもよいし、別部材であってもよい。
電鋳法の場合は、型の底部を構成する基部1bまたは1Sに電極を兼ねさせ、電気化学反応により基部1bまたは1Sの上にフィン3Sまたは5Sを形成してゆく。図8の場合は、基部1bまたは1Sの上に、さらに含空隙部材層の基部1Sを形成し、そこからフィン3Sまたは5Sを立ち上げる点で、図7の場合と相違があり、抜き型21を、底部の基部1bまたは1Sから厚み分だけ浮かしておく。その他は、図7と図8とに本質的な相違はない。電鋳により、基部1b,1S上にフィン形状が堆積した後、図9または図10に示すように、抜き型21を抜く。仕上げ工程が必要な場合は、その後、仕上げを行う。
ゾルゲル法の場合は、ゾル形成用の溶液を、電鋳法の場合の電解液の代わりに抜き型21を浸すように配置して、ゾル、そしてゲルを形成する。その後、図9または図10に示すように、抜き型を抜き、成形状態を得て、乾燥固化し、水素等の還元性雰囲気中で還元する。上記電鋳法の場合もゾルゲル法の場合も、溶射法の場合と同様に、材料中に空隙を有する状態のまま使用してもよいし、他の金属を空隙中に含浸させてから使用してもよい。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における放熱構造体を示す断面図である。この放熱構造体10では、フィンが、溶射法または電鋳法またはゾルゲル法で形成した、立壁状のフィン3Sまたは棒状のフィン5Sで形成され、また基部1が、単一の金属板1bと、溶射法またはゾルゲル法で形成した金属層1Sとで形成されている点に特徴がある。基部1の金属板1bには、圧延加工または押し出し加工した、アルミ、銅、モリブデン、タングステンなどの金属板やそれら金属を主成分とした合金板を用いることができる。この金属板1bの上に、金属層1Sを溶射法またはゾルゲル法で形成する。
フィン3S,5Sの溶射法または電鋳法またはゾルゲル法による形成は、金属層1Sが多孔質のまま行ってもよいし、溶融金属を含浸させた後で行ってもよい。溶射法による場合は、図6で説明したメタルマスク15を用いるのがよい。フィン3S,5Sには、強度向上のために溶融金属を含浸させる。
上記放熱構造体10は、異なる2種以上の金属で構成されているので、熱応力の緩和に有益に作用することができる。また、基部およびフィンを異なる2種以上の金属で構成することにより、単一の金属で放熱構造体10すべてを構成した場合に比べて、放熱経路の構成部材に対する材料選択の自由度を高めることができる。そして、放熱構造体10の基部1およびフィン3の少なくとも一方が、溶射法またはゾルゲル法で形成された部分を含むことにより、上記のような、放熱経路に対する有益な作用を非常に容易に、かつ安価に得ることができる。
上記の実施の形態では、いずれも、放熱構造体10の基部1bおよび溶射法等で形成された金属層1Sが、同じ平面形状の場合を例示したが、基部1bと上記金属層1Sとは、同一の平面形状である必要はなく、基部1bが上記金属層1Sより一回り大きくても構わないし、逆に上記金属層1Sが基部1bより一回り大きくてもよい。そのような形状を実現するために、その形状に適合したメタルマスクや型を用いることは当然にありうる。また、一つの基部1bに複数の上記金属層1Sが積層された形態であってもよいし、逆に、複数の上記基部1bが上記金属層1Sに組み合わされて積層された形態であってもよい。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の放電構造体およびその製造方法によれば、2種以上の金属で形成された放熱構造体を、容易かつ安価に製造でき、複数の金属で構成する放熱経路の各部材の材料選択の自由度を高めることができる。
本発明の実施の形態1における放熱構造体の斜視図である。 図1の放熱構造体のII−II線に沿った断面図である。 パワーデバイスの放熱経路に放熱構造体を配置した図である。 本発明の実施の形態1の放熱構造体の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2における放熱構造体の断面図である。 図5の放熱構造体の製造方法を例示する図である。 電鋳法またはゾルゲル法による、本発明の放熱構造体の製造方法を説明する図である。 電鋳法またはゾルゲル法による、本発明の放熱構造体の他の製造方法を説明する図である。 図7の製造方法で製造された放熱構造体を示す図である。 図8の製造方法で製造された放熱構造体を示す図である。 本発明の実施の形態3における放熱構造体の断面図である。
符号の説明
1 基部、1b 加工されて形成された金属層(板)、1S 溶射法、電鋳法またはゾルゲル法で形成された金属層、3 立壁状のフィン、3S 溶射法、電鋳法またはゾルゲル法で形成された立壁状のフィン、5 棒状のフィン、5S 溶射法、電鋳法またはゾルゲル法で形成された棒状のフィン、10 放熱構造体、15 メタルマスク、21 抜き型、23 周壁部材、31 実装基板、31a 配線層、31b 絶縁層、31c 接続層、33 ヒートスプレッダ。

Claims (6)

  1. 基部と該基部に立つフィンとを備える一体物の放熱構造体であって、
    前記放熱構造体が2種以上の金属から構成され、
    前記基部およびフィンの少なくとも一方が、材料中に空隙を有する部材を構成部分に含むものであることを特徴とする、放熱構造体。
  2. 前記基部が、単一の金属層からなるか、または前記材料中に空隙を有する部材の層を含んで異なる2種以上の金属層からなることを特徴とする、請求項1に記載の放熱構造体。
  3. 前記基部またはフィンは、前記材料中に空隙を有する部材に金属が含浸されたものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の放熱構造体。
  4. 前記材料中に空隙を有する部材の表面から、所定深さだけ金属が含浸されていることを特徴とする、請求項3に記載の放熱構造体。
  5. 基部と該基部に立つフィンとを備える一体物の放熱構造体の製造方法であって、
    前記基部または基部を構成する一つの層、となる金属板を準備する工程と、
    前記金属板の上に、その金属板と異なる種類の金属のフィンおよび/または基部層を、溶射法、電鋳法またはゾルゲル法により形成する工程とを備えることを特徴とする、放熱構造体の製造方法。
  6. 前記フィンを前記基部上に溶射法により形成する際、メタルマスクを用いることを特徴とする、請求項5に記載の放熱構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010121196A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Ihi Corp コールドスプレー装置及びコールドスプレー方法
JP2016074935A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 富士電機株式会社 溶射用複合粉体材料及び溶射絶縁基板

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