JP2008159549A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同じ初期ビーム位置を実現する組合せを任意に選べるようにする。
【解決手段】電子源を有すリアプレートと蛍光体を有すフェースプレートと大気圧を支持するスペーサとを有する画像表示装置である。これは、スペーサの表面に高抵抗膜を有し、スペーサ最近傍の電子源からのビーム群が対応するフェースプレートの蛍光体に当たるとき、その初期ビーム位置yが次の関係となる。
y=a×x1+b×x2+c×x3+d×x4+e×x5+f
但し、
yは初期ビーム位置、
x1〜x5は長さの単位を持つ変化量、
aはスペーサに当接する走査配線高さによる係数、
bはスペーサ表面の平均溝深さによる係数、
cはスペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数、
dはスペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数、
eはフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数、
fはスペーサ表面と電子源との距離によって決まる定数 である。
【選択図】図3
【解決手段】電子源を有すリアプレートと蛍光体を有すフェースプレートと大気圧を支持するスペーサとを有する画像表示装置である。これは、スペーサの表面に高抵抗膜を有し、スペーサ最近傍の電子源からのビーム群が対応するフェースプレートの蛍光体に当たるとき、その初期ビーム位置yが次の関係となる。
y=a×x1+b×x2+c×x3+d×x4+e×x5+f
但し、
yは初期ビーム位置、
x1〜x5は長さの単位を持つ変化量、
aはスペーサに当接する走査配線高さによる係数、
bはスペーサ表面の平均溝深さによる係数、
cはスペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数、
dはスペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数、
eはフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数、
fはスペーサ表面と電子源との距離によって決まる定数 である。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像表示装置に関する。
特許文献1は加熱延伸によるスペーサ製造方法を示し、表面に凹凸形状が形成されたスペーサを効率良く作成する方法を開示している。
特許文献2はスペーサ表面の高抵抗膜の抵抗値に、成膜方向によって角度依存係数が存在することを示し、均質に成膜するための方法を示す。そして、成膜方向で角度依存係数をある程度制御できることを開示している。
特許文献3はスペーサと電子源の距離が近いほど電子ビーム軌道が受ける影響が大きくなることを示す。この文献に示される発明では画素ピッチをスペーサ近傍で広くすることで到達ビーム位置ずれを補正している。
特許文献4はスペーサに当接する走査配線の高さでスペーサ最近傍の到達ビーム位置が変化することを示す。この文献に示される発明では、当接する走査配線の高さを調整することで到達ビーム位置ずれを補正している。
特許文献5は帯電制御のためにスペーサ表面に凹凸形状を形成することを示す。この文献に示される発明では、帯電依存と呼ばれるスペーサ表面の帯電による動的な電子ビーム到達位置変化を防ぐために、二次電子放出係数δの入射角度依存係数が減少するように溝形状を決定している。
特許文献6はスペーサ表面に分布のついた凹凸形状を形成し、表面高抵抗膜が溝深さと凹凸ピッチに依存することを利用することで抵抗分布をつけてビーム軌道を制御することを示す。この文献の実施例は凹形状のみで、フェースプレート側凹凸形状深さがリアプレート側凹凸形状深さに比べて深い実施形態のみを開示している。フェースプレート側平坦部長さがリアプレート側平坦部長さより短いもしくは同じ実施形態を開示している。
特許文献7はスペーサ表面に凹凸形状を形成して表面高抵抗膜の成膜時の角度依存係数を利用することで抵抗分布をつけてビーム軌道を制御することを示す。この文献の請求項に、凹凸の角度が付いた部分のシート抵抗値が高くなるように膜を形成し、平坦部と組み合わせて抵抗分布をつけることを示している。また、この文献の実施例は凸形状のみで、フェースプレート側平坦部長さがリアプレート側平坦部長さより短い実施形態を開示している。
特開2000−311608号公報(請求項1等参照)
特開2003−282000号公報(請求項1等参照)
特開2003−331761号公報(請求項1等参照)
特開平08−315723号公報(請求項1等参照)
特開2000−311632号公報(請求項1等参照)
特開2003−223858号公報(請求項1等参照)
特開2003−223857号公報(請求項1等参照)
図2で示される画像表示装置は、マトリクス配線と電子放出素子を有するリアプレート81、各電子放出素子に正対する被電子照射部を有するフェースプレート82および支持枠から外囲器90を形成している。内部は高真空になっており、大気圧から内部空間を保持するためにスペーサ100を有している。
図3にスペーサ近傍のY側配線89方向から見た断面を示す。スペーサはリアプレート側のY側配線とフェースプレート側の当接部材131に挟まれて設置されている。スペーサによって形成される電界によって、スペーサ近傍の電子ビームの軌道はスペーサ非近傍と異なる。例えば画面領域内が等画素ピッチでスペーサ表面に何ら電子ビーム軌道に対する対処を行っていない場合、この電子軌道の違いによりスペーサ近傍と非近傍ではフェースプレート側の電子ビーム到達位置が異なるため、スペーサ近傍の画像に生じた発光点の密度変化が明線または暗線がとして認識されるため画質が劣化する。
図4にスペーサ近傍の電子ビームがスペーサの電界によって到達位置ずれを起こしたときの様子を示す。電子ビーム軌道への影響はスペーサに近いほど大きく、スペーサから遠くなるとその影響は少なくなる。影響の度合いは実施形態によって大きく異なる。ビーム位置ずれを何ら考慮せずに構成した場合、このビーム到達位置ずれ量はビーム到達位置ずれの無い位置を基準として画素ピッチの±数100%に達し、影響の及ぶ範囲はスペーサ表面から10数画素の遠方にまでに及ぶ。
スペーサ近傍の電子ビーム位置ずれの種類は3種類に大別される。「初期ビーム位置ずれ」、「温度差依存ビーム位置ずれ」、「帯電依存ビーム位置ずれ」である。「初期ビーム位置ずれ」は、フェースプレートとリアプレートの電位差によってのみ生じる、スペーサ表面の電位分布による電子ビーム到達位置ずれである。「温度差依存ビーム位置ずれ」は、フェースプレートとリアプレートの温度差によってスペーサ表面の電位規定用高抵抗膜の抵抗値が変化することによる電子ビーム到達位置ずれである。「帯電依存ビーム位置ずれ」は、電子ビームのうち、メタルバック上で反射したものがスペーサ表面に入射することでスペーサ表面が帯電することによる電子ビーム到達位置ずれである。帯電はスペーサ表面の二次電子放出係数により正負のどちらともありうる。以上から、スペーサ近傍の電子ビーム位置ずれはこの3種類が重畳した結果として現れる。
このビーム位置ずれを補正するために特許文献3ではスペーサ近傍画素ピッチをビーム到達位置のずれに合わせて広ピッチ化することにより到達位置ずれを補正する方法を示している。また、特許文献4ではスペーサに当接する部材の高さを調整することでビーム到達位置ずれを補正する方法を示している。これらの方法では初期ビーム位置ずれをある程度補正することができるが、温度差依存ビーム位置ずれと帯電依存ビーム位置ずれは補正できない。
スペーサ近傍のビーム位置ずれ補正においてスペーサ表面の凹凸形状による補正は対応範囲が広く、前記3種類のビームずれの内初期ビーム位置ずれと帯電依存ビーム位置ずれについて補正できる。特許文献1において示されている加熱延伸工程を用いることでスペーサ長手方向の表面にストライプ上の凹凸形状を付けたスペーサを容易に製造でき、本発明の実施例で用いられている。スペーサ表面の凹凸形状でスペーサの帯電をできるだけ減らすためには、二次電子放出係数δを考える必要がある。スペーサ表面の単位面積における射出電子数/入射電子数の値がδである。δが1のとき入射電子と射出電子数が等しくスペーサは帯電しない。δが1より大きい場合は射出電子の割合が大きくなり、スペーサ表面は正に帯電する。δが1より小さい場合は射出電子の割合が小さくなりスペーサ表面は負に帯電する。δはスペーサ表面の帯電防止膜の材質と表面の形状、および入射する電子の入射角で決まる。スペーサ表面に垂直に入射する場合を角度0とすると、角度が大きくなるほど二次電子放出係数は大きくなる。電子はスペーサに垂直に入射することはまれで、多くはフェースプレート側かリアプレート側から入射する。よって、スペーサ表面が平坦である場合、δは1より大幅に大きくなり正に帯電しやすい。逆にスペーサ表面に溝の深い凹凸がついている場合、溝の内部では入射角を小さく抑えることが可能になるのでδを低くすることが可能となる。このような原理から特許文献5ではスペーサに凹凸形状を付けることでδをできるだけ小さくし、帯電を減少させる方法を示している。この方法によって帯電依存ビーム位置ずれを減少させることができるが、スペーサ表面の凹凸形状分布を変化させると帯電依存ビーム位置ずれと初期ビーム位置ずれが両方影響を受ける。よって1溝あたりでδが1に近い形状として、スペーサ表面全体まで同じ溝形状を適用することで帯電依存ビーム位置ずれを抑えても初期ビーム位置ずれを補正することができない。つまり、1溝あたりのδを1にするのではなく、初期ビーム位置ずれが少ないスペーサ表面凹凸形状の中で、スペーサ表面における平坦部と凹凸のδの総和が1に近いものが良いということである。
凹凸分布によって初期ビーム位置ずれを補正する原理は、凹凸分布によってスペーサ表面に抵抗分布を付けて任意の電位分布にすることにある。抵抗分布は凹凸による沿面距離の差によって成る成分と、電位規定の機能を持つ高抵抗膜の成膜時の角度依存係数によって成る成分との合成抵抗である。角度依存係数が0の場合は完全に沿面距離による電位規定である。角度依存係数がある場合は沿面距離による効果に加えて、凹凸の表面についた高抵抗膜のシート抵抗の変化による効果が加わりより強い抵抗分布が付く。特許文献6や特許文献7は特に高抵抗膜に角度依存がある場合にスペーサ表面の凹凸形状を、凹凸の無い平坦部と合わせて調整することで初期ビーム位置の補正が可能となることを示している。しかし、先に述べた帯電依存ビーム位置ずれと初期ビーム位置ずれの両方を適正な位置に補正するためには、同じ初期ビーム位置ずれの補正量を実現する構成を複数実現できた中で適正な帯電依存ビーム位置ずれの補正を実現する構成を選べなければならない。
さらに、特許文献6や特許文献7で述べられている高抵抗膜のシート抵抗値の温度差依存性は、中で述べられているように低抵抗化による熱暴走を起こすだけでなく、初期ビーム位置ずれを補正するために付けた抵抗分布も変化させてしまい温度差依存ビーム位置ずれを発生させてしまう。温度差依存ビーム位置ずれは高抵抗膜の材料特性によってのみ決まる。高抵抗膜の角度依存係数は特許文献2では成膜方向を工夫することである程度均質な成膜方法の一つを示しており、また、特許文献7では成膜成分の分圧等の調整によって角度依存係数を制御できることを示しているが、材料特性による角度依存係数の違いはそれらで調整可能な範囲に比べ非常に大きい。つまり、温度差依存ビーム位置ずれを補正するためには、初期ビーム位置ずれに影響する高抵抗膜の材料特性である角度依存係数が決定されてしまうことになる。よって、凹凸分布に加えて角度依存係数も含めて同じ初期ビーム位置ずれ補正を実現する範囲が任意に選べることは、初期ビーム位置ずれ、温度差依存ビーム位置ずれ、帯電ビーム位置ずれのすべてを適正に補正する上で非常に重要であり、本発明の目的はその方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は次のような特徴を備える。
本発明の第一態様は、電子源を有するリアプレートと蛍光体を有するフェースプレートと大気圧を支持するスペーサとを有する画像表示装置において、スペーサの表面に高抵抗膜を有し、
スペーサ最近傍の電子源から電子ビーム群が射出して対応するフェースプレートの蛍光体に当たるとき、その初期ビーム位置yと設定量xが次式の関係となることを特徴とする。
スペーサ最近傍の電子源から電子ビーム群が射出して対応するフェースプレートの蛍光体に当たるとき、その初期ビーム位置yと設定量xが次式の関係となることを特徴とする。
y=a×x1+b×x2+c×x3+d×x4+e×x5+f
但し、
yは初期ビーム位置、
x1〜x5は長さの単位を持つ変化量、
aはスペーサに当接する走査配線高さによる係数、
bはスペーサ表面の平均溝深さによる係数、
cはスペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数、
dはスペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数、
eはフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数、
fはスペーサ表面と電子源との距離によって決まる定数 である。
但し、
yは初期ビーム位置、
x1〜x5は長さの単位を持つ変化量、
aはスペーサに当接する走査配線高さによる係数、
bはスペーサ表面の平均溝深さによる係数、
cはスペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数、
dはスペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数、
eはフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数、
fはスペーサ表面と電子源との距離によって決まる定数 である。
この態様によれば、同じ初期ビーム位置を実現する組合せを任意に選べる。
その理由は、スペーサが当接する走査配線高さ、スペーサ表面の平均溝深さ、スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さ、リアプレート側平坦部長さ、フェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差のそれぞれにおいて、電位規定用高抵抗膜の角度依存係数による感度の違いを利用してビーム位置を調整することが可能となるからである。制限はK2とQ1の構成を含有する範囲。
本発明の第二態様は、スペーサ表面の電位規定用高抵抗膜における角度依存性の有無に関わらず、上記第一態様に記述した式が成立することを特徴とする。
この態様によれば、角度依存係数の有無に関わらず式を適用できる。
その理由は、角度依存係数によって第一態様で記述したパラメータの感度が変化するが、角度依存係数が変化してもパラメータ間で加法性が成立するからである。
本発明の第三態様は、スペーサに当接する走査配線高さによる係数aがスペーサ表面の高抵抗膜の角度依存係数で変化しない定数であり、スペーサ表面と電子源との距離fによって異なることを特徴とする。
この態様は走査配線高さによる係数aが角度依存係数で変化しないことを示し、角度依存係数によらない制御性を得ることができる。
その理由は、走査配線高さによるビーム位置の感度はスペーサリアプレート端の電位でほぼ決まり、凹凸分布にはあまり依存しないからである。
本発明の第四態様は、スペーサ表面の平均溝深さによる係数bが角度依存で変化しない定数であり、スペーサ表面と電子源との距離fによって異なることを特徴とする。
この態様はスペーサ表面の平均溝深さによる係数bが角度依存係数で変化しないことを示し、角度依存係数によらない制御性を得ることができる。
その理由としては、スペーサ表面の平均溝深さによるビーム位置移動は、本来は角度依存係数によるが、その効果は平坦部長の感度変化に強く現れて平均溝深さの感度変化には明確に現れない。そこで平均溝深さの敏感度を定数として扱うことで、概ね加法性が成立するとできる。特に平坦部長さについてフェースプレート側がリアプレート側よりも長い場合は感度が大きく変化することはないと考えられる。
本発明の第五態様は、スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数cがスペーサ表面の角度依存係数で変化する変数であり、cはスペーサ表面と電子源との距離fによって異なり次の式で表されることを特徴とする。
c=g×z+h
但し、
zは高抵抗膜の角度依存係数を一意に表す値、
gはcの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
hはcの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
但し、
zは高抵抗膜の角度依存係数を一意に表す値、
gはcの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
hはcの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
この態様はスペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数cが角度依存係数で変化することを示し、角度依存係数を利用した広い制御性を得ることができる。
その理由としては、スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数cは明確に角度依存係数で変化しその関係を式で示すことができるからである。
本発明の第六態様は、スペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数dがスペーサ表面の高抵抗膜の角度依存係数で変化する変数であり、dはスペーサ表面と電子源との距離fによって異なり次の式で表されることを特徴とする。
d=i×z+j
但し、
iはdの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
jはdの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
但し、
iはdの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
jはdの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
この態様はスペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数dが角度依存係数で変化することを示し、角度依存係数を利用した広い制御性をえることができる。
その理由は、スペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数dは明確に角度依存係数で変化しその関係を式で示すことができるからである。
本発明の第七態様は、スペーサ表面のフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数eがスペーサ表面の角度依存係数で変数であり、eはスペーサ表面と電子源との距離fによって異なり次の式で表されることを特徴とする。
e=k×z+m
但し、
kはeの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
mはeの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
但し、
kはeの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
mはeの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
この態様はスペーサ表面のフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数eが角度依存係数で変化すること示し、角度依存係数を利用した広い制御性を得ることができる。
その理由は、スペーサ表面のフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数eは明確に角度依存係数で変化しその関係を式で示すことができるからである。
本発明の第八態様は、スペーサ表面と電子源との距離による変数fがスペーサ表面の角度依存係数で変化する変数であり次式で表されることを特徴とする。
f=p×z+q
但し、
pはfの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
qはfの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
但し、
pはfの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
qはfの切片を表すを表す実験的に求められる値である。
この態様はスペーサ表面と電子源との距離による変数fが角度依存係数で変化することを示し、角度依存係数を利用した広い制御性を得ることができる。
その理由は、スペーサ表面と電子源との距離による変数fは明確に角度依存係数で変化しその関係を式で示すことができるからである。
本発明の第九態様は、電位を規定するための高抵抗膜のシート抵抗値が1E+9〜1E+11(Ω/□)であることを特徴とする。
この態様は高抵抗膜の抵抗値を規定することで所望の除電能を有するスペーサを示し、その範囲でスペーサの凹凸形状を自由に選ぶことができる。
その理由は、除電能とスペーサの形状分布は無関係ではなく、本発明で想定される範囲では高抵抗膜の抵抗値もある程度規定されるからである。
本発明の第十態様は、スペーサ表面の高抵抗膜の温度特性を決定する活性化エネルギーが0.03eV以下であることを特徴とする。(この記載に代え、温度差依存によるビーム位置ずれが±1%/℃以内であることを特徴とする、というような表記も同様の意味を成す。)
この態様はスペーサ表面の電位規定用高抵抗膜の活性化エネルギーが0.03eV以下であることを示し、その範囲でスペーサの凹凸形状と高抵抗膜を自由に選ぶことができる。
この態様はスペーサ表面の電位規定用高抵抗膜の活性化エネルギーが0.03eV以下であることを示し、その範囲でスペーサの凹凸形状と高抵抗膜を自由に選ぶことができる。
その理由については、活性化エネルギーは温度特性を決定する。温度特性を満たす範囲でスペーサ形状を決定することで温度特性による画質の劣化を避けることができる。括弧で示した直接ビーム位置に換算した表記でも良いが、その場合は設定した範囲が正しいことを確認する必要がある。
本発明の第十一態様は、高抵抗膜の表面に帯電防止膜を有し、帯電防止幕のシート抵抗値が高抵抗膜のシート抵抗値に比べ2桁以上高いことを特徴とする。
この態様によれば、帯電防止用高抵抗膜と電位規定用高抵抗膜が機能分離して2層存在することで初期位置・温度特性・帯電依存を独立して調整することができる。
その理由としては、機能分離することで調整の範囲を広げている。帯電防止膜は電位規定膜の電子からの保護と二次電子放出係数の平均的な大きさを調整する。そのため、電位規定膜は入射電子を気にすることなく活性化エネルギーと角度依存係数を選ぶことが可能であるからである。
本発明の第十二態様は、スペーサ表面形状と帯電防止膜による実質的な二次電子放出係数δのスペーサ表面での総和が0〜2となることを特徴とする。(この記載に代え、温度差依存によるビーム位置ずれが±5%/℃以内であることを特徴とする、というような表記も同様の意味を成す。)
この態様はスペーサ表面形状と帯電防止用高抵抗膜の両者による実質的な二次電子放出係数のスペーサ表面での総和が0〜2であることを示し、その範囲の中でスペーサの凹凸形状と高抵抗膜を自由に選ぶことができる。
この態様はスペーサ表面形状と帯電防止用高抵抗膜の両者による実質的な二次電子放出係数のスペーサ表面での総和が0〜2であることを示し、その範囲の中でスペーサの凹凸形状と高抵抗膜を自由に選ぶことができる。
その理由については、実質的な二次電子放出係数のスペーサ表面での総和が1であるということは、スペーサが帯電することなく初期と同じ電位分布を保つと言うことを示している。これは実際の帯電依存量が0であるということと等価である。ただこれは理想状態であり、実際は常に1になることは難しい。0以上2以下と表現することで1付近であると言うことを表現している。「実質的な」という言葉は、「その実施形態の条件で」と言う意味である。帯電と除電のバランスはスペーサだけで決定されるものではなく、駆動条件など実施形態固有の影響を大きく受ける。括弧で示した直接ビーム位置に換算した表記でも良いが、その場合は設定した範囲が正しいことを確認する必要がある。
なお、以下に、背景技術に記載した先行特許文献との相違点を簡単に述べておく。
特許文献1は、加熱延伸による表面凹凸形状付きスペーサの製造方法で、本発明の実施例で用いられている。
特許文献2は、角度依存係数のある高抵抗膜を用いて均質な成膜を行う方法の一つを示している。角度依存係数を成膜方法である程度制御できることを示している。本発明の実施例では用いていない。
特許文献3は、スペーサの表面と電子源との距離が近いほど電子ビームがスペーサから受ける影響が大きいことを示し、画素ピッチをスペーサ近傍で広くすることで到達ビーム位置ずれを補正している。本発明では画素ピッチを変化させないためこの先行例とは異なっている。
特許文献4は、スペーサに当接する走査配線の高さでスペーサ最近傍の到達ビーム位置が変化することを示し、当接する走査配線の高さを調整することで到達ビーム位置ずれを補正している。本発明では走査配線はスペーサ有無によって違いが無く、すべて同じ水準である。
特許文献5は、スペーサ表面に凹凸形状を付ける事で帯電を防ぐことを示している。請求項の中では凹凸形状が同一表面内で異なる場合も含むと取れるが、全体を通して凹凸が一様にある場合、すなわち局部内で二次電子放出係数が1となることを期待している。本発明は凹凸形状で帯電制御を行うと言う点ではこの先行例に該当するが、本発明では個々の凹凸での二次電子放出係数δは意識せず、スペーサ表面全体での実質的なδの平均値が1となることを請求している。なぜなら本発明では凹凸形状に分布を付ける事が前提であり、スペーサ表面の各部において平均的にδを1にすることできないからである。
特許文献6は、スペーサ表面の凹凸形状に分布を付け、高抵抗膜が溝深さと凹凸ピッチに依存することを利用して抵抗制御を行い所望のビーム位置を得ることを示している。高抵抗膜の角度依存係数については言及していない。請求項と実施例ではフェースプレート側溝深さがリアプレート側溝深さよりも大きいとしている。本発明では同じビーム位置を実現する構成を任意に選択できることを特徴としており、本先行例を新規に発展させたものとなっている。本発明の実施例ではフェースプレート側が浅く、リアプレート側が深い。
特許文献7は、スペーサ表面に凹凸形状と平坦部を付け、高抵抗膜の角度依存係数を利用して抵抗制御を行い、所望のビーム位置を得ることを示している。実施例において凹凸が基材表面から凸であり、フェースプレート側平坦部よりもリアプレート側平坦部が長い。また、請求項において角度依存0〜2を含まない。本発明では同じビーム位置を実現する構成を任意に選択できることを特徴としており、本先行例を新規に発展させたものとなっている。本発明の実施例ではフェースプレート側が浅く、リアプレート側が深い。また、凹凸は表面から凹の形状となっている。
本発明によれば、同じ初期ビーム位置を実現する組合せを任意に選ぶことが可能であることから、帯電依存ビーム位置ずれ、温度差依存ビーム位置ずれ、初期ビーム位置ずれのすべてにおいてビーム位置ずれの少ない高品位な画像表値装置を実現することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を示す。図2は本発明の画像表示装置を示す斜視図であり、一部を切り欠いている。図2で示すように画像表示装置は所望の真空雰囲気で密閉された外囲器90内に、マトリクス状配線を成すX側配線88とY側配線89、電子放出素子を有するリアプレート81、リアプレートに対向して配置され電子線被照射部を有するフェースプレート82、リアプレートとフェースプレートの間に立てられたスペーサ100を有する。外囲器内部は電子放出素子87の連続的な駆動に必要な真空状態を維持されなければならない。
リアプレートのマトリクス配線は電子源を駆動するのに十分に低抵抗である必要がある。ただし、図2に示したX側配線とY側配線が同じ抵抗値である必要は無い。また、X側配線とY側配線において電気的な接触を避けるために両配線間には絶縁層が設けられている。絶縁層は両配線のクロストークを避けるために十分に厚い必要がある。スペーサは両配線のうち上側に来る方に当接して配置されるが、電子放出素子近傍の電界を均一にするため、できるだけ当接面を増やすような配置にした方が良い。
本発明において電子放出素子に制限は無く、電界放出(FE)型素子、金属−絶縁層−金属(MIM)型素子、表面伝導(SE)型電子放出素子のいずれにおいても適応可能である。特に、表面伝導型素子は製作が容易で大画面に適することから望ましい。
フェースプレートは図2と図3に示されるように主にブラックマトリクス91、蛍光体92、メタルバック93から構成される。ブラックマトリクスは隣接する蛍光体間の混色を避ける機能に加え、電子ビームが到達しないフェースプレートの領域において領域外光反射率を低下させるために必要である。蛍光体は電子が衝突して励起することで発光し、画像が表示される。メタルバックは蛍光体の内側に形成されており、蛍光体の発光を外側に鏡面反射することで輝度を向上させる機能と、電子を加速させるのに必要な加速電圧をフェースプレートの画像表示領域全面に渡って均一に印加する機能を持つ。
次に本発明におけるビーム位置補正について説明する。図3で、電子放出素子87はスペーサ100に近い順に第一近接、第二近接とし、電子放出素子に電圧を印加する走査順序がスペーサを挟んで先にくる方を上近接、後になる方を下近接とする。電子放出素子があるガラス面からスペーサとY側配線89が当節する面までの高さが走査配線高さである。電子ビームは電子放出素子から射出されたあとスペーサとマトリクス配線の電界の影響を受けながら加速されフェースプレート側のメタルバック93に入射する。メタルバック93では一部の電子は通過して蛍光体92を発光させるが、一部の電子は反射しスペーサに入射する。このスペーサに入射する電子がスペーサの帯電を発生させる。
ビーム位置ずれは画素ピッチの何%分ずれているかで表す。0%は非スペーサ部と同等の位置であり、‐10%はスペーサから画素ピッチ1割分離れた方向にずれていることを示す。スペーサからの方向が基準となるので上下近接のどちらにおいてもビーム到達位置ずれに関係する感度の方向は逆転しない。
図4で、電子ビーム発光像94の重心はビーム位置ずれが無い場合、蛍光体開口部の中心に来る。スペーサから十分離れた、本発明の実施例では第三近接以降のビーム発光像は、マトリクス構造の製造時の誤差やアライメントのずれにより多少重心位置がずれる場合があるものの、通常は人間に知覚できない範囲に収まっている。しかし、スペーサが配置されている近傍のビーム発光像はスペーサによる電界の影響を受けるため、ビーム位置ずれが発生した場合、平均的に一様にずれているように見える。図4では第一近接のビーム発光像がスペーサに一様に離れるように位置ずれしており(反発と呼ぶ)、第二近接ではスペーサに一様に近づくように位置ずれしている(吸引と呼ぶ)。スペーサ近傍のビーム位置ずれ量は第一近接、第二近接や上近接、下近接には依存せず、その実施例によって決まる。ところで本発明では第二近接までについて主に述べているが、これは第二近接までに限定されるものではなく、画素ピッチが狭い場合は第三近接以降の電子ビーム到達位置についても位置ずれが大きくなるので補正を必要とする。
図5スペーサの凹凸形状とその各部名称を示す。スペーサは画像表示装置の厚み方向の長さをスペーサ短手方向長さ102と呼び、画像表示装置の画像表示領域と平行に伸びる長さをスペーサ長手方向長さと呼ぶ。また、短手方向長さと垂直方向の厚みをスペーサ厚さ101と呼ぶ。スペーサ長手方向長さは画像表示装置の大きさによって決まる。スペーサ厚さはスペーサの強度と電子ビーム軌道への影響から決定される。スペーサはリアプレートの電子放出素子とフェースプレートの被電子照射部の間に露出する表面に凹凸が形成されている。スペーサの凹凸とリアプレート側とフェースプレート側の両端部の間には平坦部が存在する。リアプレート側端面からリアプレート側1溝目の最深部までの距離をリアプレート側平坦部長さ108とする。フェースプレート端面からフェースプレート側1溝目の最深部までの距離をフェースプレート側平坦部長さ104とする。凹凸形状は3つの領域に分かれる。リアプレート側とフェースプレート側で溝深さが異なる領域と両者の中間で溝深さが連続的に異なり両者の溝深さを滑らかに繋ぐ領域である。これらは順にリアプレート側の溝深さ107とフェースプレート側溝深さ105、遷移領域106と呼ぶ。溝形状は三角関数(図17の丸付き数字1)や台形状(図17の丸付き数字2)が主に採用されるが、特に制限は無い。複数溝に渡って溝深さを変化させる場合、形状は線形または三角関数状に加減されるが望ましい(図16例1の丸付き数字1と2)。図16に溝深さの分布例を示す。溝深さは所望のビーム位置によって図16例1の丸付き数字1と3の様にフェースプレート側溝深さかリアプレート側溝深さのどちらかが深くなっていても良いが、リアプレート側が深い方が望ましい。また、同じ溝深さとなっている範囲は図16例2の丸付き数字4〜6の用にフェースプレート側やリアプレート側に特に制限は無く、どちらが長くなっていても良い。これは初期ビーム到達位置への影響が少なく、帯電によるビーム位置ずれへの効果が大きいことから、帯電によるビーム位置ずれの補正に使用されるのが望ましい。図16例3の丸付き数字7〜9の様に同じ溝深さの部分が無くても良い。凹凸形状の加工方法には所望の形状が得られれば特に制限はなく、機械的な切削や研磨による方法や化学的なフォトリソグラフィーとエッチングによる方法などが考えられる。本発明の実施例のように機械的な切削や研磨方法と加熱延伸法を組み合わせても良い。
スペーサの表面には図6に示すように4種の機能を持つ膜が成膜されている。リアプレート端部にはスペーサのリアプレート側当接面全体を等電位にするための、リアプレート当接面電位規定膜123が成膜される。スペーサのリアプレート側によって形成される電界は、電子ビームの速度が遅い領域で作用するため電子ビーム軌道への影響が大きい。よってこの膜は電位の変化を最小にするために十分に低抵抗である必要がある。抵抗値は凹凸を有する面に成膜される電位規定用高抵抗膜との比で決定される。通常その比は1000対1以上が望ましい。低抵抗膜はスペーサの凹凸を有する面にはみ出さないよう成膜される。これは凹凸を有する面にはみ出すと電子ビーム軌道への影響が大きくなるからである。フェースプレート側端面も等電位にするためにフェースプレート当接面電位規定膜120が成膜される。ただしフェースプレート側において、電子は十分に加速されており電子ビーム軌道への影響が少ないことから、抵抗値はそれほど低い必要が無い。そのため端面へのはみ出しもリアプレート側ほど注意する必要は無い。通常この端面の抵抗値と凹凸を有する側面の電位規定用高抵抗膜との比は10対1以上である。
端面電極が成膜された後、スペーサの側面に電位規定用高抵抗膜121を成膜する。高抵抗膜はそのシート抵抗値に成膜角度に対する依存性がある。図7に成膜の状態を示す。通常側面の平坦部分はターゲットに対して正対して成膜される。このときの角度を0度とし、そのときのシート抵抗比を1とする。図のように凹凸のある面における角度がθとなるとき、抵抗比は次の式で表されることがわかっている。
exp(Ad×cosθ)
但し、Adは角度依存係数である。
但し、Adは角度依存係数である。
この関係による角度係数依存別の抵抗比を図8に示す。角度依存係数が0の場合、凹凸形状による抵抗分布は凹凸による沿面距離の効果のみによって成り、角度依存係数が0より大きい場合は角度依存係数に応じて抵抗分布に重みが付く。つまり角度依存係数が大きいほどビーム制御性範囲は広くなる。
高抵抗膜には温度差依存性がある。温度差依存による抵抗比は次の式で表されることがわかっている。
exp((Ea/(k/e))×(1/(T+ΔT)―1/T))
但し、
Ea :活性化エネルギー[eV]、
k :ボルツマン定数=1.3806503×10-23[m2kgs-2K-1]、
e :電子の単位電荷=1.60217646×10-19[q]、
T :基準温度[K]、
ΔT :温度差[K] である。
但し、
Ea :活性化エネルギー[eV]、
k :ボルツマン定数=1.3806503×10-23[m2kgs-2K-1]、
e :電子の単位電荷=1.60217646×10-19[q]、
T :基準温度[K]、
ΔT :温度差[K] である。
この式による活性化エネルギー別の抵抗比の温度差依存は図9のようになる。また、抵抗変化によるビーム位置移動量の感度と対応してビーム位置ずれへの影響がわかる。例えば本実施形態1における抵抗変化によるビーム位置移動量の感度は0.3[%/%]であり、図9より活性化エネルギー0.03で30度の温度差が付くと抵抗比が10%減少することから3%だけビーム到達位置が吸引することがわかる。
次に電位規定用高抵抗膜の上に帯電防止用高抵抗膜122が成膜される。帯電防止用高抵抗膜は電位規定用高抵抗膜の機能に影響を及ぼさないように100対1以上の抵抗比で高抵抗となっている。そのため、帯電防止用高抵抗膜に角度依存係数があってもスペーサ表面の電位規定には影響しない。帯電防止用高抵抗膜の機能はスペーサに入射する電子による二次電子放出係数の制御と電位規定用高抵抗膜の保護である。そのため帯電防止用高抵抗膜は二次電子放出係数が低い膜質が選択されており、膜厚も比較的厚くなっている。
これらスペーサ表面の成膜には一般的なスパッタ法や蒸着法が適用できるが、成膜角度依存係数があることから、ターゲットとスペーサとの角度が正確に調節可能な構造があることが望ましい。
画像表示装置の外囲器は封着工程により作成される。封着工程は完成した外囲器内部の雰囲気が電子源の連続駆動に問題の無い真空度を達成できることが必要である。また封着工程では位置決め装置を用いてフェースプレートとリアプレートが精度よく相対するようにアライメントを行なうが、表示性能に対する影響が小さい範囲でアライメントにずれが生じることがある。
構成された外囲器は駆動装置によって駆動され、画像が表示される。画像表示装置は電圧降下による輝度の低下を避けるため、XかYのどちらかの方向に1〜数ラインずつ走査されて駆動される。本実施形態では図3や図4中に矢印で示すようにY方向に走査を行っている。走査周期は早い方がちらつき低減の観点から望ましいが、スペーサに帯電した電子が電位規定用高抵抗膜を通して除電される時定数によって上限値が決まっている。
本実施形態に共通して望ましいビーム位置の条件を述べる。初期ビーム位置ずれyは−4〜+4[%]に収めることが望ましく、特に−2〜+2[%]に収めることが望ましい。スペーサに当接する走査配線高さによる係数aは−0.01〜−0.1[%/μm]であることが望ましく、対応するスペーサに当接する走査配線高さは30〜80[μm]であることが望ましい。スペーサ表面の平均溝深さによる係数bは+0.1〜+1.0[%/μm]であることが望ましく、対応するスペーサ表面の平均溝深さは7〜13[μm]が望ましい。スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数cは−0.003〜−0.1[%/μm]であることが望ましく、対応するスペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さは200〜400[μm]であることが望ましい。スペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数dは0.05〜0.5[%/μm]であることが望ましく、対応するスペーサ表面のリアプレート側平坦部長さは25〜60[μm]であることが望ましい。フェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数eは0.5〜6.0[%/μm]であることが望ましく、対応するフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差(リアプレート側溝深さ−フェースプレート側溝深さ)は−4〜+4[μm]であることが望ましい。スペーサ表面と電子源との距離によって決まる定数fは−4〜+4[%]であることが望ましい。本発明では電位規定用高抵抗膜の角度依存係数について0〜5の範囲で示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく5以上の角度依存係数についても適用できる。
画像表示装置の各構成要素として望ましい条件は次に通りである。スペーサがある間隔で配置されている走査方向の画素ピッチは1000μm以下が望ましい。スペーサ厚は300μm以下が望ましい。スペーサ高さは2000μm以下が望ましい。スペーサ表面と電子源の最低距離は100μm以上が望ましい。スペーサ表面の一つ当たりの凹凸ピッチは20〜40μmが望ましい。スペーサ表面の一つ当たりの凹凸深さは15μm以下が望ましい。溝形状に制限は無いが、正弦波状または台形状であることが望ましい。電位規定用の高抵抗膜のシート抵抗は1E+9〜1E+11(Ω/□)であることが望ましい。帯電防止膜のシート抵抗は1E+11〜1E+13(Ω/□)であることが望ましい。
次に本発明における複数の実施形態について各々の望ましい条件を示す。
(第1の実施形態)
下記実施例1で示すように画素ピッチが比較的広く、かつ電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が小さい場合について述べる。この場合、スペーサリアプレート端付近の電位は比較的低くなる傾向にある。第一近接の電子ビームはこの影響でスペーサに対し大きく反発する。これに対処するため、スペーサの凹凸形状は、リアプレート側平坦部長さはできるだけ短い方が望ましい。フェースプレート側平坦部長さはできるだけ長い方が望ましい。フェースプレート側溝深さに比べリアプレート側溝深さが深い方が望ましい。走査配線はできるだけ低い方が望ましい。これらはすべてスペーサに対して吸引に働く方向を示す。また、平均溝深さは深い方が望ましい。深い方がより吸引効果を高めることができるからである。第二近接の電子ビームはスペーサから離れているために、スペーサによる電界の影響は小さく、ビーム位置ずれは存在するもののその大きさは人間の検知できる限度以下である。
下記実施例1で示すように画素ピッチが比較的広く、かつ電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が小さい場合について述べる。この場合、スペーサリアプレート端付近の電位は比較的低くなる傾向にある。第一近接の電子ビームはこの影響でスペーサに対し大きく反発する。これに対処するため、スペーサの凹凸形状は、リアプレート側平坦部長さはできるだけ短い方が望ましい。フェースプレート側平坦部長さはできるだけ長い方が望ましい。フェースプレート側溝深さに比べリアプレート側溝深さが深い方が望ましい。走査配線はできるだけ低い方が望ましい。これらはすべてスペーサに対して吸引に働く方向を示す。また、平均溝深さは深い方が望ましい。深い方がより吸引効果を高めることができるからである。第二近接の電子ビームはスペーサから離れているために、スペーサによる電界の影響は小さく、ビーム位置ずれは存在するもののその大きさは人間の検知できる限度以下である。
(第2の実施形態)
下記実施例2で示すように画素ピッチが比較的広く、かつ電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が大きい場合について述べる。この場合、スペーサリアプレート端付近の電位は比較的高くなる傾向にある。第一近接の電子ビームはこの影響でスペーサに対し大きく吸引する。よって、スペーサの凹凸形状はリアプレート側平坦部長さは適度に長い方が望ましい。フェースプレート側溝深さは適度に短い方が望ましい。走査配線高さは適度に高い方が望ましい。フェースプレート側側溝深さに比べリアプレート側溝深さが浅い方が望ましい。これらはすべてスペーサに対して反発に働く方向を示す。また、平均溝深さは浅い方が望ましい。浅い方が反発効果を高めることができるからである。第二近接の電子ビームはスペーサから離れているために、スペーサによる電界の影響は小さく、ビームずれは存在するもののその大きさは人間の検知できる限度以下である。
下記実施例2で示すように画素ピッチが比較的広く、かつ電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が大きい場合について述べる。この場合、スペーサリアプレート端付近の電位は比較的高くなる傾向にある。第一近接の電子ビームはこの影響でスペーサに対し大きく吸引する。よって、スペーサの凹凸形状はリアプレート側平坦部長さは適度に長い方が望ましい。フェースプレート側溝深さは適度に短い方が望ましい。走査配線高さは適度に高い方が望ましい。フェースプレート側側溝深さに比べリアプレート側溝深さが浅い方が望ましい。これらはすべてスペーサに対して反発に働く方向を示す。また、平均溝深さは浅い方が望ましい。浅い方が反発効果を高めることができるからである。第二近接の電子ビームはスペーサから離れているために、スペーサによる電界の影響は小さく、ビームずれは存在するもののその大きさは人間の検知できる限度以下である。
(第3の実施形態)
下記実施例3で示すように画素ピッチが比較的狭く、かつ電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が小さい場合について述べる。基本的な望ましい条件は第1の実施形態と同じである。加えてスペーサ厚を薄くすることが望ましい。それはスペーサ表面、特にリアプレート側端部と電子放出素子との距離をできるだけ離すためである。また、第二近接の電子ビームはスペーサに対して十分に離れているとは言えなくなるため、スペーサによる電界の影響を受け、ビームずれが人間の検知できる範囲になる可能性がある。それを防ぐためにはフェースプレート側平坦部長さをできる限り短くすることが望ましい。これは第二近接のビーム位置がフェースプレート側平坦部長さの影響を強く受けるからである。
下記実施例3で示すように画素ピッチが比較的狭く、かつ電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が小さい場合について述べる。基本的な望ましい条件は第1の実施形態と同じである。加えてスペーサ厚を薄くすることが望ましい。それはスペーサ表面、特にリアプレート側端部と電子放出素子との距離をできるだけ離すためである。また、第二近接の電子ビームはスペーサに対して十分に離れているとは言えなくなるため、スペーサによる電界の影響を受け、ビームずれが人間の検知できる範囲になる可能性がある。それを防ぐためにはフェースプレート側平坦部長さをできる限り短くすることが望ましい。これは第二近接のビーム位置がフェースプレート側平坦部長さの影響を強く受けるからである。
(第4の実施形態)
下記実施例4で示すように画素ピッチが比較的狭く、かつ電位規定用工程硬膜の角度依存係数が大きい場合について述べる。基本的な望ましい条件は第2の実施形態と同じである。加えてスペーサ厚を薄くすることが望ましい。それはスペーサ表面、特にリアプレート側端部と電子放出素子との距離をできるだけ離すためである。また、第二近接の電子ビームはスペーサに対して十分に離れているとは言えなくなるため、スペーサによる電界の影響を受け、ビームずれが人間の検知できる範囲になる可能性がある。それを防ぐためにはフェースプレート側平坦部長さをできる限り短くすることが望ましい。これは第二近接のビーム位置がフェースプレート側平坦部長さの影響を強く受けるからである。
下記実施例4で示すように画素ピッチが比較的狭く、かつ電位規定用工程硬膜の角度依存係数が大きい場合について述べる。基本的な望ましい条件は第2の実施形態と同じである。加えてスペーサ厚を薄くすることが望ましい。それはスペーサ表面、特にリアプレート側端部と電子放出素子との距離をできるだけ離すためである。また、第二近接の電子ビームはスペーサに対して十分に離れているとは言えなくなるため、スペーサによる電界の影響を受け、ビームずれが人間の検知できる範囲になる可能性がある。それを防ぐためにはフェースプレート側平坦部長さをできる限り短くすることが望ましい。これは第二近接のビーム位置がフェースプレート側平坦部長さの影響を強く受けるからである。
(実施例1)
本発明の画像表示装置の実施例について説明する。
本発明の画像表示装置の実施例について説明する。
図2は画像表示装置の斜視図である。内部構造を示すため一部を切欠いている。下側破線内は封着部の断面拡大図である。図2から、本実施例の画像表示装置は、リアプレート81と、これと対向して配置されるフェースプレート82と、これらのプレートを支持する支持枠86とから構成される外囲器90を備える。リアプレート81には、ここでは表面伝導型放出素子である電子放出素子87がマトリクス状に多数配置されており、これら表面伝導型放出素子87の一対の素子電極がX方向配線88、Y方向配線89にそれぞれ接続されている。本実施例では、XY配線に銀(Ag)を主成分とする配線を用いている。XY配線は図示されていない、酸化鉛(PbO)を主成分とする層間絶縁層によって絶縁されている。これらのXY配線および層間絶縁層は立体構造物であり、電子ビームの軌道に少なからず影響する。フェースプレート82は、ガラス基板83より構成されており、その内面に蛍光体92とメタルバック93等が形成される。フェースプレート82とリアプレート81の間は高真空であるため、大気圧から内部真空領域を保持するためにスペーサ100が走査配線Y上に配されている。
図3は画像表示装置のスペーサ近傍の断面図である。フェースプレート82とリアプレート81に挟まれてスペーサ100が設置されている。スペーサはフェースプレート側当接部材131とY側配線89に当接している。
本実施例ではリアプレート81に設けられる電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を用いる。
表面伝導型電子放出素子の基本的な素子構成について説明する。図10の(a)(b)は、それぞれ素子構成の上面図と側面図である。図10に示されるように、この表面伝導型電子放出素子は、基板1上に素子電極間隔L、素子電極長さWeの一対の素子電極2、3が形成されている。さらに、これら素子電極2、3をまたぐように導電性薄膜4が形成され、この導電性薄膜4の中央付近に電子放出部5が形成された構造である。また、この基板1と対向してアノードが設置されており、その対向する面には蛍光体が塗布されている。
本実施例では基板1に無アルカリガラスを使用している。素子電極2、3の材料は導体材料であり、本実施例ではチタニウム(Ti)と白金(Pt)を用いている。膜厚は材料の導電性に依存し、本実施例では約45nmである。素子電極間隔Lは約10μm、素子電極長さWeは約120μm、素子長Wdは約60μmである。素子電極2、3はスパッタ法とフォトリソグラフィーを組み合わせて形成する。
導電性薄膜4は良好な電子放出特性を得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いる。導電性薄膜4の膜厚は約10nmである。導電性薄膜として本実施例ではPdを用いている。導電性薄膜4は溶液塗布後に焼成する方法で成膜している。
電子放出部5は、導電性薄膜4の成膜後にフォーミングと呼ばれる通電処理を施すことで形成する。本実施例では有機パラジウム溶液を塗布後、焼成して酸化パラジウムPdO膜を形成することで導電性薄膜4を形成した後、水素が共存する還元雰囲気下で通電加熱してパラジウムPd膜とし、同時に亀裂部を形成することで電子放出部5を形成する。通電時の電圧は通常約20Vである。次に電子放出効率を上げるために活性化と呼ばれる処理を行う。真空中で炭素を含むガスを導入し、電子源の亀裂近傍に炭素膜として堆積させる。本実施例では炭素源としてトリニトリルを用いた。
上記のように構成された表面伝導型放出素子では、一対の素子電極2、3間に電圧を印加して導電性薄膜4の表面(素子表面)に電流(放出電流)を流すことで、電子放出部5の亀裂付近から電子が放出される。放出された電子は約12kVに印加されたアノード電極によって加速され、アノードの蛍光体に衝突し発光する。この電子放出素子を用いた画像表示装置は図11で示すように、駆動電圧Vfが閾値電圧Vthより大きくなると指数関数的にエミッション電流が増えてアノード側蛍光体発光輝度が増大するスイッチング特性を持つ。Vthは約10Vであり、Vfは約19Vである。素子の駆動は矩形パルスで交流的に行っており、パルス幅Pwに従って輝度も増える。パルス幅Pwは0〜約12μ秒で階調を表現する。
次に複数の電子源を有するリアプレートの制作を示す。まず、電子源基板に下引き層としてチタニウム(Ti)を膜厚5nm、その上に白金(Pt)を膜厚40nmでスパッタ法により成膜する。フォトリソグラフィーによりパターニングを行い、素子電極を形成する。次に銀(Ag)フォトペーストをスクリーン印刷し、乾燥してから露光・現像する。これを約480℃で焼成してX側変調配線が形成される。X側変調配線は焼成後の寸法が高さ約8μm、幅約45μmとなるようにする。次に酸化鉛(PbO)を主成分とするフォトペーストをスクリーン印刷したあと、乾燥させ露光・現像する。これはX配線の保護のためとX配線とY配線を絶縁するための層間絶縁層となる。X側配線はこの絶縁部分を含めて幅約60μm、高さ約16μmとなる。また、Y側配線の絶縁層の幅は約435μm、高さは約25μmである。層間絶縁層のY配線側には先の工程で下地に設けられた電極と電気的な接触が可能なようにコンタクトホールが設けられている。次にY側配線を絶縁層の上に形成する。銀(Ag)を主成分としたフォトペーストをスクリーン印刷したあと乾燥させ、露光・現像することでY側配線の絶縁層の上部に幅400μm高さ35μmのY側の走査配線が形成される。本実施例では図3で示すようにY側走査配線を2層構造とすることで高さ寸法の大きな配線でも安定して形成できるようにしている。上述の工程終了後、電子源基板を十分に洗浄後、揮発性を含む溶液で電子源基板の表面を処理し、電子源基板の表面が疎水性を持つようにする。次にインクジェット法により有機パラジウムを主成分とする溶液を素子電極間に塗布する。このとき、先に行った疎水処理により、素子電極上に適度な面積と厚みを持った薄膜が形成される。本実施例ではWdが60μmになるように形成した。その後焼成することで前述した酸化パラジウム膜(PdO)を主成分とする導電性薄膜となる。その後、前述したフォーミングと活性化の工程を経てリアプレートが形成された。
図4は、図2に示した画像表示装置のフェースプレート82の上面から電子ビーム発光像94を示した図である。ブラックマトリクス91と蛍光体92とで構成される。ガラス面上にブラックストライプをスクリーン印刷で形成後、蛍光体を落とし込み印刷で形成する。その後メタルバックとしてアルミニウム(Al)を蒸着する。ブラックストライプは混色と外光反射によるコントラストの低下を抑制する。メタルバックは蛍光体の発光のうち内面側への発光を外面側へ鏡面反射することで輝度を向上させる機能と電子を加速させる加速電圧を印加させるアノード電極の機能を持つ。
スペーサの製作工程を説明する。スペーサの基材は図12に示される加熱延伸装置によって作成される。まず、絶縁基材の表面に切削加工により凹凸形状を作成する。絶縁基材は本実施例では旭硝子株式会社のPD200を用いている。凹凸を含めた絶縁基材の断面形状は必要とされるスペーサの断面形状と相似となるように製作される。これをスペーサの母材501と呼ぶ。母材501は両端を固定され、長手方向の一部がヒーター502によって軟化点以上の温度に加熱される。本実施例では500〜700度である。その後加熱された端部の方向に速度V2で送り、速度V1でヒーター502の反対側から引き出す。ヒーター502に入れる前の断面積S2と、ヒーター502から引き出したときの断面積S1はS2V2=S1V1を満たすようにし、特に断面積は相似形状となるように設定されている。引き伸ばされた母材は所望の長さに切断される。切断にはダイヤモンドカッターやレーザーカッターなどが用いられる。本実施例での成膜前スペーサ506の各部寸法を図5から示すと、スペーサ厚101が195μm、スペーサ長さ102が1600μm、フェースプレート側平坦部長さが337μm、リアプレート側平坦部長さが33μmである。溝は全部で42個あり、一つ当たりのピッチは30μmである。フェースプレート側が8個で溝深さが10.5μm、リアプレート側が10個で溝深さが12.5μm、リアプレート側溝深さとフェースプレート側溝深さの間の溝深さは24個でリアプレート側溝深さからフェースプレート側溝深さまで線形に遷移する。なお、本実施例ではフェースプレート側端面はR4、リアプレート側端面は15μmになっている。スペーサの実測形状は表面粗さ測定器(株式会社ミツトヨ SV−3000)を用いて測定されている。
次に成膜前スペーサ506の端面に電位規定用の低抵抗膜をスパッタ法により成膜する。フェースプレート側は、金(Au)とアルミニウム(Al)をスパッタ法することで金(Au)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の化合物とした。膜厚は0.1μmである。本実施例でのシート抵抗値は約1e9Ω/□である。リアプレート側はタングステン(W)であり、本実施例では約1e3Ω/□のシート抵抗値となっている。膜厚は5nmである。
次にスペーサ表面に電位規定用の高抵抗膜として金(Au)とアルミニウム(Al)をスパッタ法することで金(Au)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の化合物を成膜した。化合物は約1e11Ω/□のシート抵抗値であり、膜厚は0.1μmである。また、化合物の活性化エネルギーは0.03eVである。本実施例の電気規定用高抵抗膜の角度依存係数は0〜0.5である。
次にスペーサ表面に電位規定用の高抵抗膜として金(Au)とアルミニウム(Al)をスパッタ法することで金(Au)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の化合物を成膜した。化合物は約1e11Ω/□のシート抵抗値であり、膜厚は0.1μmである。また、化合物の活性化エネルギーは0.03eVである。本実施例の電気規定用高抵抗膜の角度依存係数は0〜0.5である。
さらに、高抵抗膜の上に帯電防止用の高抵抗膜としてタングステン(W)およびゲルマニウム(Ge)をスパッタ法で成膜することでタングステン(W)、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)および窒素(N)の化合物を成膜した。化合物は約1e14Ω/□のシート抵抗値であり、膜厚は1μmである。
このようにしてできたスペーサは図6に示されるような表面の膜構成を持っている。フェースプレート端部とリアプレート端部には当接面電位規定用の低抵抗膜がある。その上にスペーサ周囲に電位規定用の高抵抗膜が構成され、その上に帯電防止用の高抵抗膜が構成されている。各膜は各下地に対して十分な密着力を持って成膜されているが、構成要素は混じらずに機能分離している。
上述したようなリアプレート、フェースプレート、スペーサ、支持枠によって、図2に示した画像表示装置の外囲器90を構成する。まずスペーサはリアプレート上に長手方向の両端部を一定の力で伸ばしながら、走査配線の上に設置し長手方向の両端部を接着剤で固定する。図2の破線内を参照して外囲器90の封着構造を説明する。支持枠86とリアプレートはフリットガラスにより固定されている。支持枠86とフェースプレート82は接合部材206により接着されている。接合部材206としては、リアプレート81とフェースプレート82の熱膨張率の差を吸収することができるように柔らかく、高温でもガス放出の少ない材料を用いる。本実施例ではインジウム(In)を用いる。支持枠86及びフェースプレート82の接合部材206によって接着される箇所には、界面での密着性を高めるために、下引き層204が設けられる。本実施例では、インジウム(In)に対して濡れ性の良い銀(Ag)を用いる。
上述した封着構造を有する画像表示装置を作製する手順を説明する。まず、リアプレート81に支持枠86をフリットガラス203で接着し、400〜500℃で10分以上焼成することで固定する。その後、支持枠86とフェースプレート82との間を接合部材206により封着することで、外囲器90を構成する。図13で示すように位置決め装置200でアライメントを行い、フェースプレート82側及びリアプレート81側の両側から接合部材206に対して所定の圧力を加える。そして圧力を加えた状態で、180℃で、10分程度の加熱処理を行い、支持枠86とフェースプレート82を接合部材206により接合する。この一連の工程は全て真空チャンバー中で行われ、外囲器90内部を最初から真空にすることが可能となる。
接合部材206は延伸性を有するため、加熱処理後の冷却過程における、フェースプレート82及びリアプレート81の熱膨張係数の差によって生じる応力を接合部材206自体が吸収する。したがって、フェースプレート82及びリアプレート81として熱膨張係数の異なるものを選択しても、クラック発生などの不具合は生じない。Inの厚みは外囲器のサイズの0.05〜0.5%が良い。
外囲器90の封着を行う際、各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないため、上下基板の突き当て法などで十分な位置合わせを行う必要がある。
前述したような本実施例における表面伝導型放出素子の基本的特性から、電子放出特性は対向する素子電極間に印加するパルス状電圧の振幅と幅によって制御され、これによって中間階調が表現される。多数の電子放出素子を配置した場合は、走査線信号によってラインを選択し、情報線信号ラインを通じて個々の素子に上記パルス状電圧を印加することで、任意の素子に個別の電圧を印加する事が可能となり、各素子を独立に制御することができる。
この画像表示装置の標準的な駆動装置について説明する。図14のブロック図は本実施例におけるテレビ信号に基づいたテレビジョン表示用の画像表示装置の概略構成を示す。
電子放出素子を用いた画像表示パネル301のX方向配線には、走査線信号を印加する走査駆動回路を構成する走査信号回路302が接続されている。また、Y方向配線には情報信号を印加するデータ駆動回路を構成する変調電圧変換回路307、パルス幅変調回路305が接続されている。電圧変調は、入力される電圧パルスに対して適宜パルスの振幅を変調する。パルス幅変調は、入力されるパラレル画像信号に対して電圧パルスの幅を変調する。
同期制御回路303は、デコーダー306から送られてくる同期信号に基づいて同期制御信号を送出する。デコーダー306は、外部から入力されるテレビ信号から、同期信号成分と画像信号成分とを分離するための回路である。この画像信号成分は、同期信号に同期してパラレル変換回路304に入力される。
パラレル変換回路304は、制御回路303より送られる信号に基づいてその動作が制御され、時系列でシリアル入力される前記画像信号をシリアル→パラレル変換する。このシリアル→パラレル変換された画像データは、電子放出素子n個分の並列信号として出力される。
パルス幅変調回路305、変調電圧変換回路307は、各々の輝度信号を電子放出素子に印加するパルス幅と変調信号に変換する。その出力信号はY方向配線を通じて画像表示装置301内に入り、X方向配線によって選択中の走査ラインとの交点にある各々の電子放出素子に印加される。X方向配線を順次走査する事によって、画像表示装置全面の電子放出素子を駆動する。
以上説明したように本実施例では、各電子放出素子に、画像表示装置内のXY配線を通じて電圧を印加して電子放出を行わせる。そしてそれとともに、高圧端子Hvを通じてアノード電極であるメタルバックに高圧を印加し、各電子放出素子から放出された電子を加速し、蛍光体に衝突させることによって、画像を表示することができる。ここで述べた画像形成装置の構成は、本発明の画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号にはNTSC、PAL、HDTVなどがある。
本実施例において図1に示した式の各パラメータは以下の値である。
a=−0.051[%/μm]
b= 0.372[%/μm]
c= 0.012[%/μm]
d=−0.111[%/μm]
e= 0.886[%/μm]
f= 1.374[%]
本実施例は基準となる実施例としてx1〜x5がすべて0[μm]となるようfの値を決定している。fが本実施例の画像表示装置を構成する水準時の初期ビーム到達位置yである。yが±2%以内のとき、人間が検知できない範囲にビーム到達位置ずれが収まっており、画質として問題が無い。本実施例ではfが±2%に収まっており、かつ、帯電によるビーム到達位置ずれと温度差によるビーム位置ずれも初期ビーム位置ずれに比べ十分に少ない構成となっている。図1の式の要因効果を表す要因効果図を図14に示す。図中の標準としている値は先に示したスペーサの寸法のときを変化量0[μm]としていると言う意味である。この図が示すように初期ビーム位置ずれは各パラメータの加法性を利用して調整することが可能である。
a=−0.051[%/μm]
b= 0.372[%/μm]
c= 0.012[%/μm]
d=−0.111[%/μm]
e= 0.886[%/μm]
f= 1.374[%]
本実施例は基準となる実施例としてx1〜x5がすべて0[μm]となるようfの値を決定している。fが本実施例の画像表示装置を構成する水準時の初期ビーム到達位置yである。yが±2%以内のとき、人間が検知できない範囲にビーム到達位置ずれが収まっており、画質として問題が無い。本実施例ではfが±2%に収まっており、かつ、帯電によるビーム到達位置ずれと温度差によるビーム位置ずれも初期ビーム位置ずれに比べ十分に少ない構成となっている。図1の式の要因効果を表す要因効果図を図14に示す。図中の標準としている値は先に示したスペーサの寸法のときを変化量0[μm]としていると言う意味である。この図が示すように初期ビーム位置ずれは各パラメータの加法性を利用して調整することが可能である。
c〜eの各パラメータをと角度依存係数zの関係を示すパラメータは以下の通りである。
g= 0.008
h= 0.012
i=−0.029
j=−0.111
k= 1.079
m= 0.886
p= 1.685
q= 1.374
上記のc〜eと角度依存の関係を図15で示す。これにより角度依存を含めて初期位置を任意に調整可能となる。以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
g= 0.008
h= 0.012
i=−0.029
j=−0.111
k= 1.079
m= 0.886
p= 1.685
q= 1.374
上記のc〜eと角度依存の関係を図15で示す。これにより角度依存を含めて初期位置を任意に調整可能となる。以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
(実施例2)
本実施例が実施例1と異なる点は電位規定用高抵抗膜の構成要素として金(Au)の代わりに白金(Pt)を用いた高抵抗膜を使用した点である。この変更によって角度依存係数が0から3に変化し、c〜fが次のように変化する。
c= 0.036[%/μm]
d=−0.198[%/μm]
e= 2.868[%/μm]
f= 6.429[%]
これにより実施例1に比べ初期到達位置yが5.055%吸引する。これを2%以内に収めるために各パラメータを次のように調整した。
x1= ±0[μm]
x2= −1[μm]
x3=−60[μm]
x4= ±0[μm]
x5= −1[μm]
その結果、初期到達位置yは−0.345[%]となり、ビーム到達位置ずれの少ない画像が得られる。ここでx2を‐1[μm]としたのはx3をー60μmとしたことによって帯電ビーム位置ずれが発生したためそれを打ち消すためである。この調整によって本実施例を基準として調整をする場合は、調整後のx1〜x5を新たに0[μm]としてその分のオフセットをfに入れてしまっても良い(f=−0.345[%]となる)。以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
本実施例が実施例1と異なる点は電位規定用高抵抗膜の構成要素として金(Au)の代わりに白金(Pt)を用いた高抵抗膜を使用した点である。この変更によって角度依存係数が0から3に変化し、c〜fが次のように変化する。
c= 0.036[%/μm]
d=−0.198[%/μm]
e= 2.868[%/μm]
f= 6.429[%]
これにより実施例1に比べ初期到達位置yが5.055%吸引する。これを2%以内に収めるために各パラメータを次のように調整した。
x1= ±0[μm]
x2= −1[μm]
x3=−60[μm]
x4= ±0[μm]
x5= −1[μm]
その結果、初期到達位置yは−0.345[%]となり、ビーム到達位置ずれの少ない画像が得られる。ここでx2を‐1[μm]としたのはx3をー60μmとしたことによって帯電ビーム位置ずれが発生したためそれを打ち消すためである。この調整によって本実施例を基準として調整をする場合は、調整後のx1〜x5を新たに0[μm]としてその分のオフセットをfに入れてしまっても良い(f=−0.345[%]となる)。以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
(実施例3)
本実施例が実施例1と異なる点は画素ピッチを483μmとしたことである。また、画素ピッチの変更に伴い、スペーサ厚を160μm、絶縁層幅を363μmとした。これらの変更によりa〜fが次のように変化する。
a=−0.107[%/μm]
b= 0.317[%/μm]
c= 0.011[%/μm]
d=−0.161[%/μm]
e= 1.184[%/μm]
f=−3.046[%]
また、c〜eの各パラメータをと角度依存係数zの関係を示すパラメータは以下の様になる。
g= 0.009
h= 0.011
i=−0.046
j=−0.161
k= 1.222
m= 1.184
p= 1.723
q=−3.046
これにより実施例1に比べ初期位置が4.420%反発する。これを吸引させるために各パラメータを次のよう調整した。
x1=−25[μm]
x2=±0[μm]
x3=±0[μm]
x4=−5[μm]
x5=±0[μm]
その結果、初期到達位置yは−0.371[%]となり、以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
本実施例が実施例1と異なる点は画素ピッチを483μmとしたことである。また、画素ピッチの変更に伴い、スペーサ厚を160μm、絶縁層幅を363μmとした。これらの変更によりa〜fが次のように変化する。
a=−0.107[%/μm]
b= 0.317[%/μm]
c= 0.011[%/μm]
d=−0.161[%/μm]
e= 1.184[%/μm]
f=−3.046[%]
また、c〜eの各パラメータをと角度依存係数zの関係を示すパラメータは以下の様になる。
g= 0.009
h= 0.011
i=−0.046
j=−0.161
k= 1.222
m= 1.184
p= 1.723
q=−3.046
これにより実施例1に比べ初期位置が4.420%反発する。これを吸引させるために各パラメータを次のよう調整した。
x1=−25[μm]
x2=±0[μm]
x3=±0[μm]
x4=−5[μm]
x5=±0[μm]
その結果、初期到達位置yは−0.371[%]となり、以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
(実施例4)
本実施例が実施例3と異なる点は電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が3である、金(Au)の代わりに白金(Pt)を用いた高抵抗膜を使用した場合である。角度依存が0から3に変化することでc〜fが次のように変化する。
c= 0.038[%/μm]
d=−0.299[%/μm]
e= 4.850[%/μm]
f= 2.123[%]
これにより実施例1に比べ初期位置が0.749%吸引する。これを2%以内に収めるために各パラメータを次のように調整した。
x1=±0[μm]
x2=±0[μm]
x3=−60[μm]
x4=±0[μm]
x5=±0[μm]
その結果、初期到達位置yは−0.157[%]となり、以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
本実施例が実施例3と異なる点は電位規定用高抵抗膜の角度依存係数が3である、金(Au)の代わりに白金(Pt)を用いた高抵抗膜を使用した場合である。角度依存が0から3に変化することでc〜fが次のように変化する。
c= 0.038[%/μm]
d=−0.299[%/μm]
e= 4.850[%/μm]
f= 2.123[%]
これにより実施例1に比べ初期位置が0.749%吸引する。これを2%以内に収めるために各パラメータを次のように調整した。
x1=±0[μm]
x2=±0[μm]
x3=−60[μm]
x4=±0[μm]
x5=±0[μm]
その結果、初期到達位置yは−0.157[%]となり、以上の構成からビーム位置ずれの少ない画像評価装置が得られた。
本発明の実施例1〜4ではビーム位置ずれが2%以内に収めるようにスペーサなどのパラメータを変更したが、ビーム到達位置ずれは少ない方がより高い性能の画像評価装置が達成できる。
以上のように、同じ初期ビーム位置を実現する組合せを任意に選ぶことが可能であることから、帯電依存ビーム位置ずれ、温度差依存ビーム位置ずれ、初期ビーム位置ずれのすべてにおいてビーム位置ずれの少ない高品位な画像表値装置を実現することができる。
80 電子源基板
81 リアプレート
82 フェースプレート
92 蛍光体
100 スペーサ
121 電位規定用高抵抗膜
a :スペーサに当接する走査配線高さによる係数[%/μm]
b :スペーサ表面の平均溝深さによる係数[%/μm]
c :スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数[%/μm]
d :スペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数[%/μm]
e :フェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数[%/μm]
f :スペーサ表面と電子源との距離によって決まる定数[%]
g :cの変化の傾きを表す実験的に求められる値
h :cの切片を表すを表す実験的に求められる値
i :dの変化の傾きを表す実験的に求められる値
j :dの切片を表すを表す実験的に求められる値
k :eの変化の傾きを表す実験的に求められる値
m :eの切片を表すを表す実験的に求められる値
x1〜x5 :各パラメータの実際の設定値[μm]
y :ビーム発光像の重心位置[%]
z :電位規定用高抵抗膜の角度依存係数
Ad:角度依存係数
θ :成膜角度
Ea:活性化エネルギー[eV]
k :ボルツマン定数=1.3806503×10-23[m2kgs-2K-1]
e :電子の単位電荷=1.60217646×10-19[q]
T :基準温度[K]
ΔT:温度差[K]
81 リアプレート
82 フェースプレート
92 蛍光体
100 スペーサ
121 電位規定用高抵抗膜
a :スペーサに当接する走査配線高さによる係数[%/μm]
b :スペーサ表面の平均溝深さによる係数[%/μm]
c :スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数[%/μm]
d :スペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数[%/μm]
e :フェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数[%/μm]
f :スペーサ表面と電子源との距離によって決まる定数[%]
g :cの変化の傾きを表す実験的に求められる値
h :cの切片を表すを表す実験的に求められる値
i :dの変化の傾きを表す実験的に求められる値
j :dの切片を表すを表す実験的に求められる値
k :eの変化の傾きを表す実験的に求められる値
m :eの切片を表すを表す実験的に求められる値
x1〜x5 :各パラメータの実際の設定値[μm]
y :ビーム発光像の重心位置[%]
z :電位規定用高抵抗膜の角度依存係数
Ad:角度依存係数
θ :成膜角度
Ea:活性化エネルギー[eV]
k :ボルツマン定数=1.3806503×10-23[m2kgs-2K-1]
e :電子の単位電荷=1.60217646×10-19[q]
T :基準温度[K]
ΔT:温度差[K]
Claims (12)
- 電子源を有するリアプレートと、蛍光体を有するフェースプレートと、大気圧を支持するスペーサとを有する画像表示装置において、
前記スペーサの表面に電位規定用の高抵抗膜を有し、
前記スペーサの最近傍の前記電子源から射出された電子ビーム群が、対応する前記フェースプレートの蛍光体に当たり、その発光像の重心位置yが次の式で表され、
y=a×x1+b×x2+c×x3+d×x4+e×x5+f
(但し、y:ビーム発光像の重心位置[%]、
x1〜x5:任意の変動値[μm]、
a:スペーサに当接する走査配線高さによる係数[%/μm]、
b:スペーサ表面の平均溝深さによる係数[%/μm]、
c:スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数[%/μm]、
d:スペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数[%/μm]、
e:フェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数[%/μm]、
f:スペーサ表面と電子源との距離による変数[%])
かつ、スペーサ表面の凹凸溝ピッチが80μmより小さく、かつリアプレート側平坦部長さがフェースプレート側平坦部長さよりも短いことを特徴とする画像表示装置。 - 前記スペーサの表面の電位規定用高抵抗膜における角度依存性の有無に関わらず、請求項1に示した式が成立することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記スペーサに当接する走査配線高さによる係数aが前記スペーサの表面の高抵抗膜の角度依存係数で変化しない定数であり、前記スペーサの表面と前記電子源との距離fによって異なることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記スペーサの表面の平均溝深さによる係数bが角度依存係数で変化しない定数であり、前記スペーサの表面と前記電子源との距離fによって異なることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記スペーサ表面のフェースプレート側平坦部長さによる係数cが前記スペーサの表面の角度依存係数で変化する変数であり、前記係数cはスペーサ表面と電子源との距離fによって異なり以下の式
c=g×z+h
(但し、z:電位規定用高抵抗膜の角度依存係数、
g:cの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
h:cの切片を表すを表す実験的に求められる値)
で表されることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。 - 前記スペーサ表面のリアプレート側平坦部長さによる係数dがスペーサ表面の高抵抗膜の角度依存係数で変化する変数であり、前記係数dはスペーサ表面と電子源との距離fによって異なり以下の式
d=i×z+j
(但し、i:dの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
j:dの切片を表すを表す実験的に求められる値)
で表されることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。 - 前記スペーサ表面のフェースプレート側溝深さとリアプレート側溝深さの差による係数eがスペーサ表面の角度依存係数で変化する変数であり、前記係数eはスペーサ表面と電子源との距離fによって異なり以下の式
e=k×z+m
(但し、k:eの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
m:eの切片を表すを表す実験的に求められる値)
で表されることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。 - 前記スペーサ表面と電子源との距離による変数fが前記スペーサの表面の角度依存係数で変化する変数であり、以下の式
f=p×z+q
(但し、p:fの変化の傾きを表す実験的に求められる値、
q:fの切片を表すを表す実験的に求められる値)
で表されることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。 - 前記電位規定用高抵抗膜のシート抵抗値が1E+9〜1E+11(Ω/□)であることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記スペーサの表面の前記電位規定用高抵抗膜の活性化エネルギーが0.03eV以下であることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記電位規定用高抵抗膜の上に別に帯電防止用高抵抗膜を有し、当該帯電防止用高抵抗膜のシート抵抗値が前記電位規定用高抵抗膜のシート抵抗値に比べ2桁以上高いことを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記スペーサの表面の凹凸形状と前記帯電防止用高抵抗膜の両者による実質的な二次電子放出係数が、スペーサ表面でその総和が0〜2となることを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置。
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