JP2008158244A - 液晶表示装置 - Google Patents

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鈴太郎 高橋
Takashi Akiyama
貴 秋山
Sachiko Kawada
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Abstract

【課題】非走査期間における表示品質の低下を効果的に改善する。
【解決手段】液晶層を挟持する一方の基板11の内面に、多数の画素電極14をマトリクス状に形成し、その各画素電極14間に互いに交差する走査信号線15とデータ信号線16と、走査信号線15の走査信号によってオン・オフ制御され、オン時にその走査信号線15と交差するデータ信号線16の電圧を対応する画素電極14に印加するTFT17とを設け、他方の基板の内面に対向電極18を形成したアクティブマトリクス型の液晶パネル10を使用する。走査信号発生回路30によって走査信号線15に順次走査信号を印加して各画素電極14を走査する走査期間後、次の走査期間までの非走査期間中、データ信号発生回路40によって、各データ信号線16と対向電極18との間に液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧以上の電圧を印加する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、テレビやパーソナルコンピュータ、携帯電話やゲーム機など各種電子機器のディスプレイに使用されるアクティブマトリクス型の液晶表示装置に関する。
現在、あらゆる電子機器等のディスプレイとして液晶表示装置が使用されているが、高精細化、高画質化、省電力化等を実現するために、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス型の液晶パネルを有する液晶表示装置の開発が盛んである(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
特開平6−337657号公報(図1、図2) 特開2003−173174号公報(図1、図2)
そのアクティブマトリクス型の液晶表示装置は、例えば図6及び図7に示すように、液晶層13を挟持する一方の基板11の内面に、多数の画素電極(表示電極)14をマトリクス状に形成するとともに、その各画素電極14間にそれぞれ互いに交差する走査信号線(ゲートライン)15とデータ信号線(ソースライン)16と、走査信号によってオン・オフ制御され、オン時にその走査信号線15と交差するデータ信号線16のデータ信号(電位)を対応する画素電極14に印加するスイッチング素子であるTFT17とを設け、他方の基板12の内面全体に亘って対向電極(コモン電極)18を形成したアクティブマトリクス型の液晶パネル10を備えている。基板11,12のうち、少なくとも視認側の基板12は透明基板であり、その内面に形成される対向電極18も透明電極である。
走査信号線15のいずれかが選択走査されると、その走査信号線15にゲート電極Gが接続されたTFT17が全てオンになり、その各ソース電極Sに接続されたデータ信号線16からの表示データに応じた電位を各ドレイン電極Dに接続された画素電極14に印加し、そのラインの各画素を表示させ、その各画素電極14と対向電極18との間の電位差(電圧)がその間の各画素容量に保持され、TFT17がオフなっても継続して各画素の表示がなされる。
その表示は、各画素電極14と対向電極18との間に保持される電位差によって生じる電界によって液晶層13における各画素領域の液晶分子の配向状態が変化し、そこを通過する直線偏光の偏光方向を変化させるため、図7に示す各基板11,12のそれぞれ外側に設けた偏光板(偏光フィルム)19A,19Bによる直線偏光作用とによって、視認側(図7で上方)から入射する光の反射光あるいは反対側(図7で下方)から入射する光の透過光の光量が変化し、それによって視認側から見た階調濃度が変化することによってなされる。
このような液晶表示装置における1本のデータ信号線16におけるフレーム毎の表示データとデータ信号(電位)と走査信号との関係の一例を図9のタイミングチャート図に示す。
表示データはライン走査周期で変化し、その表示データに応じた電位Vdのデータ信号がデータ信号線16に印加される。それに同期して走査信号のパルス電圧が各ラインの走査信号線15に順次印加され、そのラインのTFT17がオンになって、交差するデータ信号線16のデータ信号(電位Vd)がそのTFT17に接続された画素電極14に印加される。全てのデータ信号線16及びそれに接続された各画素電極14に対して、このような動作が平行して行われる。
1フレームの期間には、上記のように各走査信号線15に走査信号(パルス電圧)を順次印加して各ラインを選択する走査期間Tsの後に、次の走査期間Tsまでの間の垂直ブランキング期間に相当する非走査期間Tnが設けられている。
そして、一般にはこの非走査期間Tn中には、走査期間Tsの最後の表示データと同じデータが画素間制御データとして保持され、そのデータに応じた電位Vdのデータ信号をデータ信号線16に印加し続けるようにしている。
また、各画素電極14と対向電極18との間の画素容量に残留電荷が蓄積されるのを防ぐため、図7に示した対向電極18に印加する電位Vcは、図9の下部に示すように1フレーム毎に2値的に変化し、データ信号の階調と電位Vdとの関係も反転もする。それによって、各画素電極14と対向電極18との間の電位差により液晶層13に印加される電圧の極性が1フレーム毎に反転するようにしている。
ところで、このような液晶表示装置において、図8に示すように対向電極18と各画素電極14との間の距離dは一定の設計値に製造され、その間の電圧は対向電極18の電位と各画素電極14に印加されるデータ信号の電位とによって正確に制御される。一方、各画素電極14間のデータ信号線16の電位も表示データに応じて変化するが、対向電極18との距離d′は距離dとは異なっているため発生する電界強度も相違し、しかも隣接する画素電極14に保持されている電位との間で横電界Fsが発生するため制御できない。そのため、各データ信号線16と対向電極18とが対向する部分では、液晶層13の液晶分子の配向状態が乱れ、見苦しい表示状態になる。そこで、この領域は通常ブラックマトリクスを形成してマスクしている。
しかし、図9によって前述したように、各フィールド毎に走査期間Tsの最後の表示データと同じデータが画素間制御データとして非走査期間Tn中保持され、そのデータに応じた電位のデータ信号をデータ信号線16に印加し続けるようにすると、そのデータ信号線16と対向電極18との間にはランダムで直流的な電位差が生じ、そこに挟持されている液晶分子は、その電位差に応じて配向状態を変える。通常このようなTFTに対する対向電極には、突き抜け電圧(TFTのゲートがオフになった時に画素電極の電位が低下する電圧)分をシフトした電圧を印加するので、画素間のデータ信号線16との電位差には直流成分がのり、液晶分子の配向劣化が起きやすい。非走査期間Tnは比較的長いので、それが画素領域にもはみ出して表示品質に影響するおそれがあった。
そこで、例えば前述した特許文献1に記載された発明では、非走査期間中は映像信号線(データ信号線)の電位を共通電極(対向電極)の電位と同電位にして、映像信号線と共通電極との間の電位差をなくし、その間容量に対する充放電による無駄な電力消費を抑えることが提案されている。このようにすれば、画素間の液晶層や界面にイオン性不純物の偏りが生じにくくなり、液晶分子の配向劣化しにくくなると思われる。
また、前述した特許文献2記載された発明では、各フィールド毎に対向電極の電位を反転する直前に、データ信号線の電位を対向電極の電位と同電位に保持固定して、対向電極との間の電荷を除去し、対向電極の電位を反転した後にフローティング状態にして映像信号の書き込みを可能にすることが提案されている。これによって、対向電極の電位が反転した際に、データ信号線の電位が対向電極との容量結合によって大きな電位に変化してしまうようなことがなくなり、データ信号線の電位が比較的低い電位で表示すべき階調に対応した電荷を画素容量に注入でき、消費電力を低減できると記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、非走査期間中はデータ信号線と対向電極とを同電位にしてその間の電位差を無くしても、各データ信号線の電位と隣接する画素電極に保持されている電位との間で横電界が発生するため、その横電界によって液晶分子の配向状態が乱れ、その乱れが画素領域へ伝播するのも防げないため、非走査期間における表示品質の低下を効果的に改善することはできない。
また、特許文献2記載されているように、フィールドが変わる際の対向電極の電位が反転する直前に、データ信号線の電位を対向電極の電位と同電位に保持固定しても、非走査期間中の殆どではデータ信号線がフローティング状態になっているため、画素間の液晶層は制御されず、その液晶分子の配向方向は上記横電界などによって乱れ易く、その乱れが画素領域へ伝播するのも防げないため、やはり非走査期間における表示品質の低下を効果的に改善することはできない。
この発明は、上記のような従来のアクティブマトリクス型の液晶表示装置における問題を解決するためになされたものであり、非走査期間における表示品質の低下を効果的に改善することを目的とする。
この発明による液晶表示装置は、液晶層を挟持する一方の基板の内面に、多数の画素電極(表示電極)をマトリクス状に形成するとともに、その各画素電極間にそれぞれ互いに交差する走査信号線(ゲートライン)とデータ信号線(ソースライン)と、走査信号線の走査信号によってオン・オフ制御され、オン時に該走査信号線と交差するデータ信号線の電圧を対応する画素電極に印加するスイッチング素子とを設け、他方の基板の内面に対向電極を形成したアクティブマトリクス型の液晶表示装置であって、上記の目的を達成するため、上記走査信号線に順次走査信号を印加して上記各画素電極を走査する走査期間後、次の走査期間までの非走査期間中、上記各データ信号線と上記対向電極との間に上記液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧以上の電圧を印加するようにしたことを特徴とする。
上記各データ信号線と対向電極との間に印加する電圧は、上記液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧から液晶分子が動き終わり安定する電圧までの間の所定電圧であればよい。
上記各データ信号線と対向電極との間に印加する電圧の極性が、上記非走査期間ごとに反転するようにするのが望ましい。
これらの液晶表示装置は、上記非走査期間ごとに異なる波長の複数色の発光を順次繰り返すバックライトを備え、フィールドシーケンシャルカラー方式でカラー表示を行うことを液晶表示装置であってもよい。
この発明による液晶表示装置は、非走査期間中、各データ信号線と対向電極との間に液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧以上の電圧を印加するようにしたので、液晶分子をその電圧に応じた配向状態に非走査期間中固定し、乱れるの防止するとともに、データ信号線領域で多少の乱れがあってもそれが画素領域内へ伝播するのを阻止する。それによって、非走査期間における表示品質の低下を効果的に改善することことができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1はこの発明による液晶表示装置の第1の実施形態を示すブロック構成図であり、図2はその動作を説明するための図9と同様なタイミングチャート図である。図1における液晶パネル10自体は図6及び図7によって説明したものと同じであり、それらの図と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの詳細な説明は省略する。
なお、この液晶パネル10は、説明を簡単にするために3×4画素のマトリクス構成にしているが、実際には必要な解像度と画面サイズに応じた画素数の画素電極14が基板11の内面上にマトリクス配列される。
この液晶表示装置は、各画素のスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)17を使用したアクティブマトリクス型の液晶パネル10と、その各走査信号線15に印加する走査信号を発生する走査信号発生回路30と、各データ信号線16に印加するデータ信号を発生するデータ信号発生回路40と、対向電極18に印加する電位を発生する対向電極電位発生回路50と、それらを統括制御する制御回路20とによって構成されている。
この液晶表示装置の動作を図2も参照して説明する。制御回路20はデータ信号発生回路40に1ライン走査毎に、1ラインの各画素の表示データ(階調データ)Ddとそれを各データ信号線16に対応するレジスタにセットするためのクロック信号CK1を出力する。データ信号発生回路40は、各データ信号線16に対応するレジスタにセットされた表示データDdによって、階調表示電位をマルチプレクサで選択して各データ信号線16にデータ信号(階調表示電位)Vdとして出力する。このデータ信号の表示階調と階調表示電位(レベル)との関係は、1フレーム毎に反転する。
制御回路20は対向電極電位発生回路50にフレーム切換信号FSを出力する。対向電極電位発生回路50は、2つの電位(例えば2Vと8V)の電位を生成しており、フレーム切換信号FSが入力する毎にその2つの電位を切り換えて交互に対向電極電位Vcとして出力し、対向電極18に印加する。
制御回路20は走査信号発生回路30に走査期間を示す走査期間信号STと走査ラインを順次シフトするためのクロック信号CK2とを出力する。走査信号発生回路30は、走査期間信号STがオンの間、所定のパルス幅の走査パルスを発生し、クロック信号CK2に応じて各走査信号線15に順次その走査パルスを走査信号として印加する。
走査信号線15に走査パルスが印加されると、液晶パネル10において、そのラインの走査信号線15にゲートが接続されたTFT17が全てオンになり、その各ソース電極に接続されたデータ信号線16に印加されているデータ信号(階調表示電位)Vdがその各TFT17のドレイン電極に接続された画素電極14に印加され、その各画素電極14と対向電極18との間の電位差(Vd−Vcの電圧)がその間の各画素容量にチャージされ、TFT17がオフになってもその電圧が保持される。その電圧によって、各画素の画素電極14と対向電極18との間に挟持されている液晶層の液晶分子の配向状態が変化し、図7に示した偏光板19A,19Bを透過する光の透過率が変化するため、各画素の階調表示がなされる。
この実施形態の液晶表示装置ではさらに、上述のように各走査信号線15に順次走査信号(走査パルス)を印加して各画素電極14を走査する走査期間Tsの後、次の走査期間Tsまでの非走査期間Tn中、制御回路20はデータ信号発生回路40に表示データDdとして図2に示すように画素間制御データを出力する。それによってデータ信号発生回路40は、その画素間制御データに応じた画素間制御電位Vsを発生して、全てのデータ信号線16に印加する。
それによって、各データ信号線16と対向電極18との間にVs−Vcの電圧が印加される。画素間制御電位Vsも2つの電位Vs1,Vs2があって、フレーム毎に対向電極18の電位Vc(2つの電位Vc1とVc2のいずれか)と反対のレベルに切り換わる。それによって、1フレーム毎に対向電極18の電位Vcとの大小関係が反転し、各データ信号線16と対向電極18との間の電圧Vs−Vcの極性が1フレーム毎に反転することになる。2フレームの走査期間Tsと非走査期間Tnにおける画素間制御電位Vsと対向電極の電位Vcの関係のみを図3に示す。
ところで、ツイストネマチック液晶パネルのノーマリホワイトモードにおける液晶層に対する印加電圧(V)と液晶分子のティルト角(度)及び液晶パネルの光透過率との関係は、例えば図4の特性曲線図に示すようになっている。
液晶層に対する印加電圧(V)を0Vから徐々に増加していくと、液晶分子のティルト角が0度から徐々に大きくなっていき、最大で略90度に達するが、ある電圧(図示の例では約2V)から急に大きくなり始める。この電圧を液晶分子が動き始める「臨界電圧」という。
一方、液晶パネルの光透過率は、印加電圧(V)が0Vの無印加状態では100に近い。電圧が印加されてもその値が小さいうちは殆ど変化しないが、臨界電圧より大きいある電圧(図示の例では約3V)を超えると液晶分子の再配列が起こり、光透過率が急激に減少する。この電圧を「閾値電圧」という。
そこで、上述した液晶表示装置では、液晶パネル10の非走査期間中に、各データ信号線16と対向電極18との間に液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧以上の電圧を印加して、液晶分子のティルト角(配向状態)を固定して乱れが生じないようにし、一部の乱れが画素領域に伝播しないように堰止めるようにする。
この印加電圧は、液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧から液晶分子が動き終わり安定する電圧までの間の所定電圧であれば有効であるが、閾値電圧以上が望ましく、その絶対値が大きい方がよい。例えば図4において液晶分子のティルト角が変わりきる8.0Vにするとよい。
例えば、対向電極18の電位VcがVc1=2V, Vc2=8Vである場合、画素間制御電位VsをVs1=10V, Vs2=0にすると、各データ信号線16と対向電極18との間の液晶層に印加される電圧Vs−Vcは、Vs1−Vc1=8V, Vs2−Vc2=−8Vとなり、極性は反転するが絶対値はいずれも8Vになるので、液晶分子は変わりきった状態で固定され、乱れが生じることはない。
しかし、この電圧は、液晶の種類や使用状態、電極間距離、その他種々の条件によって適正値が異なることは勿論である。液晶としては、ツイストネマチック(TN)液晶に限らず、スーパツイストネマチック(STN)液晶も使用できる。
次に、この発明による液晶表示装置の他の実施形態を図5によって説明する。図5はその液晶表示装置の液晶パネルにおける1画素分とその駆動回路の構成を示すブロック構成図である。この図5においても便宜上図1と対応する部分には同一の符号を付している。
走査信号発生回路30は、各走査信号線15ごとに、2入力のAND回路31とドライバ(2値増幅回路)32の直列回路を備えている。走査期間中は図示しない制御回路(図1の制御回路20に相当)から入力する走査期間信号STが“H”になり、それがAND回路31の一方の入力端子に入力する。また、内部で発生する走査パルスSPが図示しないシフト回路によって、制御回路からのクロック信号に同期して各走査信号線用のAND回路31の他方の入力端子に順次入力する。
したがって、走査期間中に走査パルスSPがAND回路31に入力されると、その間AND回路31の出力が“H”になり、ドライバ回路32の出力がハイレベルになってそれが走査信号線15に印加される。それによって、その走査信号線15にゲート電極Gが接続されている全てのTFT17がオンになり、そのソース電極Sに接続されているデータ信号線16にそのときデータ信号発生回路40から印加されているデータ信号(階調表示電位)がTFT17を通してそのドレイン電極Dに接続されている画素電極14に印加され、図示を省略している対向電極との間の画素容量にその電位差が保持される。したがって、前述の実施形態の場合と同様に階調表示が行なわれる。
データ信号発生回路40は、各データ信号線16ごとに、マルチプレクサ41と切換スイッチ42とを備えている。制御回路からこのデータ信号発生回路40内の図示していないレジスタに、表示データとしてこのデータ信号線に接続された画素電極14用の階調データがセットされると、それがマルチプレクサ回路41に入力され、マルチプレクサ回路41は図示していない階調表示電位発生回路によって発生されている階調表示電位Vd1〜Vd6から入力された階調データに応じた電位を選択して、階調表示電位Vdとして切換回路42の固定接点aに出力する。階調表示電位Vd1〜Vd6は、図4において光透過率が最低から最高に変化する間の印加電圧を表示階調数に応じて段階的に変化させために、対向電極との間に印加する各電位である。
その切換スイッチ42はトランスミッションゲート等による電子スイッチ回路であり、走査信号発生回路30からの走査期間信号STによって切り換え制御され、走査期間中は走査期間信号STが“H”になっているため、切換スイッチ42は固定接点aの電位をデータ信号線16に出力するように切り換っている。
したがって、マルチプレクサ回路41が出力する階調表示電位Vdがデータ信号線16に印加され、走査信号線15に走査パルスSPが印加されてTFT17がオンになった時に、その階調表示電位が表示電極14に印加される。
各フレームの非走査期間になると、走査期間信号STが“L”になるため、切換スイッチ42は固定接点bの電位をデータ信号線16に出力するように切り換わる。その固定接点bには、図示していない内部回路によって画素間制御電位Vsが生成されて印加されており、その画素間制御電位Vsがデータ信号線16に印加される。この非走査期間中はどの走査信号線15にも走査パルスSPは印加されないため、全てのTFT17はオフになっており、画素間制御電位Vsが画素電極14に印加されることはない。
そして、全てのデータ信号線16にこの画素間制御電位Vsが印加され、図示していない対向電極との間の電位差による電圧(前述した臨界電圧以上の電圧)がそこに挟持されている画素間の液晶層に印加され、その液晶分子の配向状態をその電圧に応じた状態に固定する。
画素間制御電位Vsには、前述した対向電極の2種類の電位Vc1,Vc2と組合わせる2種類の電位Vs1,Vs2があり、フレーム毎にすなわち各非走査期間毎に、対向電極の電位と大小関係が反対になるように交互に出力される。例えば、前述の例と同様に、対向電極の電位Vcが2Vのときは画素間制御電位Vsを10Vにし、対向電極の電位Vcが8Vのときは画素間制御電位Vsを0Vにすれば、各非走査期間中にデータ信号線16と対向電極との間の液晶層に印加される電圧は常に8Vで、その極性が1フレーム毎に反転することになる。
このようにしても、前述の実施形態の場合と同様な効果が得られる。
なお、階調表示電位も同一階調に対して異なる2つの電位があり、フレーム毎に対向電極の電位に対する大小関係が反対になるように切り換えられる。
また、切換スイッチ42を制御する走査期間信号は、図示していない制御回路から直接入力してもよい。
この発明は、モノクロ表示の液晶表示装置に限らず、カラーフィルタ型のカラー液晶表示装置あるいはカラーフィルタを使用しないフィールドシーケンシャルカラー(FSC)方式のカラー液晶表示装置にも同様に適用できる。
FSC方式の場合は、前述の非走査期間ごとに異なる波長の複数色(一般に赤、緑、青)の発光を順次繰り返すバックライトを備え、走査期間に各画素への色別階調表示電位の印加によって階調を制御して保持し、それを非走査期間にバックライトの発光色に応じて表示して、目の残像作用によって3フレームでカラーの1画面を表示する。したがって、各フレームの走査速度は、カラーフィルタ型の場合の3倍にする。
この場合、各フレームにの非走査期間おける画素間の液晶分子の配向乱れが発生して画素領域に影響を及ぼすと目立つため、表示画質が低下し易い。そこで、この発明を適用すれば、その液晶分子の配向乱れを防止することができ、表示画質の低下防止に極めて有効である。
この発明による液晶表示装置は、モノクロ表示の液晶表示装置、及びカラーフィルタ型
あるいはFSC方式のカラー液晶表示装置等の各種の液晶表示装置に適用できる。その液晶表示装置は、時計や携帯電話、携帯端末等の各種携帯機器、テレビ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、その他各種の電子機器など広範な機器の高画質なディスプレイとして利用できる。
この発明による液晶表示装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。 同じくその動作を説明するためのタイミングチャート図である。 図2における各データ信号線の電位と対向電極の電位との関係のみを示す図である。 ツイストネマチック液晶パネルのノーマリホワイトモードにおける特性例を示す特性曲線図である。 この発明による液晶表示装置の第2の実施形態の1画素分の構成を示すブロック構成図である。 TFTを用いたアクティブマトリクス型の液晶パネルにおける一方の基板側の構成例を示す部分的な平面図である。 図6のX−X線に沿う他方の基板側も含む部分的な断面図である。 同じくその表示電極及びデータ信号線と対向電極との関係を示す断面図である。 図6及び図7に示した液晶パネルを用いた従来の液晶表示装置の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
符号の説明
10:液晶パネル 11,12:基板 13:液晶層 14:表示電極
15:走査信号線 16:データ信号線 17:TFT(薄膜トランジスタ)
18:対向電極 19A,19B:偏光板(偏光フィルム)
20:制御回路 30:走査信号発生回路 31:AND回路
32:ドライバ(2値増幅回路) 40:データ信号発生回路
41:マルチプレクサ回路 42:切換スイッチ
Dd:表示データ Vd:データ信号の電位
Vs,Vs1,Vs2:画素間制御電位
Vc,Vc1,Vc2:対向電極の電位
CK1:表示データシフト用クロックパルス
CK2:走査パルスシフト用クロックパルス
ST:走査期間信号 SP:走査パルス

Claims (4)

  1. 液晶層を挟持する一方の基板の内面に、多数の画素電極をマトリクス状に形成するとともに、その各画素電極間にそれぞれ互いに交差する走査信号線とデータ信号線と、前記走査信号線の走査信号によってオン・オフ制御され、オン時に該走査信号線と交差する前記データ信号線の電圧を対応する前記画素電極に印加するスイッチング素子とを設け、他方の基板の内面に対向電極を形成したアクティブマトリクス型の液晶表示装置であって、
    前記走査信号線に順次走査信号を印加して前記各画素電極を走査する走査期間後、次の走査期間までの非走査期間中、前記各データ信号線と前記対向電極との間に前記液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧以上の電圧を印加するようにしたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記各データ信号線と前記対向電極との間に印加する電圧が、前記液晶層の液晶分子が動き始める臨界電圧から前記液晶分子が動き終わり安定する電圧までの間の所定電圧であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記各データ信号線と前記対向電極との間に印加する電圧の極性が、前記非走査期間ごとに反転するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶表示装置であって、前記非走査期間ごとに異なる波長の複数色の発光を順次繰り返すバックライトを備え、フィールドシーケンシャルカラー方式でカラー表示を行うことを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011209671A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Samsung Mobile Display Co Ltd 液晶表示装置及びその駆動方法
JP2014228561A (ja) * 2013-05-17 2014-12-08 シャープ株式会社 液晶表示装置、液晶表示装置の制御方法、液晶表示装置の制御プログラムおよびその記録媒体

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